JPH0848643A - 酸性イオン交換触媒の活性を延長する方法 - Google Patents
酸性イオン交換触媒の活性を延長する方法Info
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- JPH0848643A JPH0848643A JP7106781A JP10678195A JPH0848643A JP H0848643 A JPH0848643 A JP H0848643A JP 7106781 A JP7106781 A JP 7106781A JP 10678195 A JP10678195 A JP 10678195A JP H0848643 A JPH0848643 A JP H0848643A
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Abstract
チオン交換樹脂の存在下でケトン類とフェノール類とを
反応させる方法の改良。 【構成】 3‐メルカプトプロピオン酸またはその有機
エステルを反応混合物に添加すると、ケトン類とフェノ
ール類との縮合によってビスフェノール類を製造する際
のメルカプタン促進種部位を含有するカチオン性触媒樹
脂の失活速度が遅くなる。
Description
類とフェノール系化合物との縮合を促進する触媒として
使われる酸性カチオン交換樹脂に係る。
トン類とフェノール類との縮合を触媒するのに使われて
来ている。たとえば、初期の文献として米国特許第3,
242,219号を参照されたい。最近、この触媒は化
学変性によって改良されている。この変性では一般に、
有機メルカプタン種(「促進種」)を樹脂に共有結合ま
たはイオン結合させる。これにより未変性の樹脂と比べ
て反応活性または選択性が高まる。たとえば、米国特許
第4,294,995号(引用により本明細書に含まれ
ているものとする)には、窒素‐イオウ共有結合によっ
て骨格のスルホン基に結合したオルガノメルカプタン促
進基を有するスルホン化されたポリスチレンイオン交換
樹脂が記載されている。このようにして変性された他の
樹脂の代表例は米国特許第3,394,089号、第
3,634,341号、第4,294,995号、第
4,346,247号、第4,400,555号、第
4,424,283号、第4,584,416号、第
5,075,511号 (すべて引用により本明細書に
含まれているものとする)に記載されているものであ
る。
せて変性したカチオン交換触媒の触媒活性と選択性は使
用期間中に失われることが多い。失活は、促進種の種類
と樹脂を通る流量(生産速度)を始めとするいくつかの
要因に応じて2〜6週間といった短時間内に起こり得
る。これは、この触媒をアセトンとフェノールの縮合に
よるビスフェノール‐Aの商業生産に使用するとき、特
に問題となる。触媒の活性部位は、縮合に伴なって発生
する有機タールによってブロックされたり、化学的に変
性されたりすることがある。この樹脂は取り替えたり再
生したりしなければならず、そのため費用がかさみ、プ
ロセスが複雑化し、しかも装置を停止しなければならな
い。可能な場合再生するには、水性強酸で処理して促進
種とタール状副産物を除去し(たとえば米国特許第4,
051,079号の方法参照)、その後新しい促進種を
再結合させることが多い。
法は促進種部位のブロックを遅らせるかまたは防止する
ことである。このたび本発明者らは、縮合反応を触媒す
るのに使用する間その使用を中断することなく失活を防
ぐかまたはその速度を低減させる方法を見出したのであ
る。本発明の方法の利点として触媒の再生を省くこと、
さらには触媒再生(これは莫大な資本投資を必要とす
る)を要するまでの時間を延長することがある。本発明
の方法によって生成物の選択性は悪影響を受けないこと
が研究によって判明している。
を有する酸性カチオン交換樹脂の存在下でケトン類とフ
ェノール類とを反応させる方法において、約100〜約
5000ppmの3‐メルカプトプロピオン酸またはそ
の有機エステルを反応混合物に添加することによって改
良したものである。
ルの添加量は反応混合物の約1000〜4000ppm
の範囲内が好ましい。
論上過剰のフェノール系化合物との縮合によってビスフ
ェノール類を合成する方法は広くよく知られている。た
とえば、米国特許第3,634,341号、第3,76
0,006号、第4,045,379号、第4,10
7,218号、第4,294,995号、第4,34
6,247号、第4,396,728号、第4,40
0,555号、第4,424,283号、第4,58
4,416号および第5,075,511号(すべて引
用により本明細書に含まれているものとする)の記載を
参照されたい。これらの方法は連続式でもバッチ式でも
実施できる。
ン類と化学量論的に過剰のフェノール類とを共に、周囲
大気条件下でカチオン交換樹脂を存在させた約40〜9
5℃の温度の反応ゾーンに導入すればよい。場合によっ
ては大気圧以上の圧力(通常は1〜10気圧の範囲内)
を使用してもよい。生成物のビスフェノール類は、その
後、蒸留、結晶化などの方法を始めとして業界でよく知
られている通常の方法で反応混合物から分離することが
できる。
るカチオン性交換樹脂触媒は、促進種部位として樹脂に
共有結合またはイオン結合したメルカプタン基をもつよ
うに変性されているスルホン化された芳香族の樹脂であ
る。そのようなカチオン性交換樹脂の代表例は、米国特
許第3,760,006号、第3,634,341号、
第4,045,379号、第4,294,995号、第
4,346,247号および第4,820,740号
(すべて引用により本明細書に含まれているものとす
る)に記載されているものである。
ン化芳香族樹脂である。これらのポリマーは、ペンダン
ト状のスルホン酸基を複数個有する炭化水素系ポリマー
である。その例としてはスルホン化されたポリスチレン
またはポリ(スチレンジビニルベンゼン)コポリマーお
よびスルホン化されたフェノールホルムアルデヒド樹脂
がある。これらのスルホン化された樹脂はミクロ−レチ
キュラータイプまたはマクロ−レチキュラータイプとし
て水に膨潤した形態で市販されている。適切な樹脂の特
定の例は、アンバーライト(Amberlite) IR−120
H、アンバーリスト(Amberlyst) 15H、アンバーリス
ト(Amberlyst) 31、ダウエックス(Dowex) 50−X−
4、ダウエックス(Dowex) MSC−1H、デュオライト
(Duolite)C−26、パーミュティット(Permutit)Q
H、ケムプロ(Chempro) C−2およびアイマック(Imac)
C8P/Hである[ここで、アンバーライト(Amberlit
e) 、アンバーリスト(Amberlyst) 、ダウエックス(Dowe
x) 、デュオライト(Duolite) 、パーミュティット(Perm
utit)、ケムプロ(Chempro) およびアイマック(Imac)は
米国の登録商標である]。このようなイオン交換体の別
の例とそのようなイオン交換体の製法はポリマー科学技
術全書(the Encyclopedia of Polymer Science andTech
nology)、1967年、第7巻、第695〜708頁に
記載されている。酸性樹脂の交換能は乾燥樹脂1g当た
り少なくとも2.0ミリ当量のH+ が好ましく、3.0
〜5.5ミリ当量H+ /g(乾燥樹脂)の範囲の交換能
が特に好ましい。スルホン化は米国特許第2,366,
007号(引用により本明細書に含まれているものとす
る)に記載されている方法によって行なうことができ
る。
て、メルカプタン促進種部位をもたせると共にこれらの
部位をペンダント状のスルホン酸基の間にランダムに分
散配置する。たとえば、本発明の改良された方法で使用
するのが好ましい触媒は、次式のペンダント基を有する
スルホン化されたポリ(スチレン‐ジビニルベンゼン)
コポリマーである。
等しく、xはペンダント基の約60〜99%、好ましく
は約65〜約85%で変化し、yはペンダント基の1〜
約40%、好ましくは約15〜約35%で変化する。ま
た、Rは次式のものの中から選択される基である。
R″はアルキレンである。本明細書で使用する「アルキ
ル」という用語は、1〜12個の炭素原子を有する飽和
炭化水素から、窒素原子と結合できるように一個の水素
原子を除いて得られる一価の残基を意味する。アルキル
の代表例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ドデシル、ウンデシルおよびこれらの異性体であ
る。また、本明細書で使用する「アルキレン」という用
語は、炭素原子1〜12個の飽和炭化水素から2個の水
素原子を除去して窒素原子またはイオウ原子と結合でき
るようにしたものを意味している。アルキレンの代表例
は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペン
チレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレ
ン、デシレン、ドデシレン、ウンデシレンおよびこれら
の異性体である。
ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン、1‐メチル‐
1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エタンなどの
ような各種ビスフェノール類の合成に用いるのが有利で
ある。2,2‐ビス‐(4‐ヒドロキシフェニル)プロ
パン(ビスフェノール‐A)の合成において好ましい改
良が得られる。
な方法で実施できる。反応ゾーンは単一の反応器からな
っていてもよいし、あるいは2個以上の反応器が直列ま
たは並列になっていてもよい。反応ゾーンの反応器が多
数ある場合、反応体のフェノールはすべてを第一の反応
器に供給するのが適しており、アセトン反応体はすべて
を第一の反応器に供給するか、または第一と第二の反応
器、さらにはその後の反応器に分割して供給する。
も2:1であり、フェノールが化学量論的に過剰である
のが好ましい。このモル比は3:1〜40:1が好まし
く、10:1〜30:1が最も好ましい。最適な比は反
応条件、たとえば反応温度および所望の転化率に依存す
る。反応ゾーンの反応温度は40℃から95℃の範囲と
することができ、55〜90℃の範囲の反応温度が好ま
しい。
化し得、反応温度および反応器の種類に依存する。たと
えば、連続供給式の管状反応器の場合、供給原料の毎時
液空間速度(LHSV)は、1時間当たり触媒1リット
ルに付き0.2〜40リットルの供給流という広い速度
範囲に渡って変えられる。本発明の改良された方法を実
施するには、縮合反応の反応体に少量の3‐メルカプト
プロピオン酸またはその有機エステル(好ましくはアル
キルエステル)を混和する。「アルキル」という用語は
すでに定義した通りである。3‐メルカプトプロピオン
酸は市場で容易に入手できるよく知られた化合物であ
る。そのアルキルエステルを製造するには、この酸を、
適当なアルコール、たとえばメチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、
ヘプチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ドデ
シルアルコールおよびウンデシルアルコールでエステル
化する。この製法は、たとえばベーカー(Baker) らによ
り、有機化学誌(J. Org.Chem.) 、12、171(19
47年)に記載されている。
すると共に本発明者らが現在最善と考えている本発明の
実施態様を記載するが、限定するためのものではない。
原料供給口と生成物取出し口を備えた管状反応器を約7
0℃の温度に保った。反応器に2種の触媒のうちの1種
を仕込み、フェノールとアセトンの反応混合物(純粋な
フェノール中にアセトンが6重量%)を供給した。毎時
重量空間速度を1時間当たり乾燥触媒1グラムに付き供
給原料12.0グラムとし、生成物のビスフェノール‐
Aを集め、定期的に分析して触媒によって得られた転化
率と選択率(p,p′/o,p′)を決定した。実施例1 本例は本発明の実施例ではなく、比較のために示すもの
である。
1に記載の手順に従って形成したものであってペンダン
ト状のスルホニルスチリル基約80%と次式の化学結合
したN‐プロピルアミノプロピルメルカプタン基20%
とを有するスルホン化ポリスチレンポリマー触媒を反応
器に仕込んだ。
フェノール‐Aを定期的に分析して、アセトンの転化率
と、p,p′異性体の合成に関する触媒の選択率とを決
定した。転化率を添付図面の図1のグラフに「+」でプ
ロットして示した。図1は失活の速度を示しており、転
化率は9日間で55%から20%になり、同時に「四
角」で表わした選択率(pp/op′)は30から10
に落ちている。
器中にあるうちに触媒の再生を試みた。まず最初に触媒
を80/20(v/v)のフェノール/水1リットルで
洗浄した。次にクエン酸を4%含む80/20(v,
v)のフェノール/水溶液を触媒に20時間循環して通
した。p‐トルエンスルホン酸で洗浄した後中性になる
まで水で洗浄した。次いでフェノール/アセトン反応体
で直接反応を開始させた。図1に×で示してあるように
「再生した」樹脂の活性は増大したが、最初に反応を開
始した時に観察された初期活性には達しなかった。実施例2 上記実施例1の手順を繰り返した。ただし、供給原料の
反応混合物に3800ppmの3‐メルカプタンプロピ
オン酸を添加した。また供給原料には再循環された副生
物およびp,p‐ビスフェノール‐Aも含ませた。反応
は30日間行なった。この間生成物を分析した結果を添
付図面の図2に「+」でプロットして示した。図に示さ
れているように、上記添加剤を含まない対照ベースライ
ン(「黒い菱形」)と比べてみて初期活性は高く、しか
も失活速度は低下していた(転化率約65%から20日
以上後で転化率40%へ低下した)。アセトン転化率は
30日後反応器を停止させたとき約35〜40%で横ば
いになるようであった。
に低下し、次いで横ばいになった。出口流のpp/o
p′は9から6.3に落ち、一方生成した物質のpp/
op′比は実験中14/1から6.3/1に低下した。
流出物のpp/op′比の低下が見掛け上小さいのは活
性の低下、および供給原料中のo,p′‐ビスフェノー
ル‐Aの高濃度に起因する。
日間大規模の反応を実施した。集めたデータは図2のグ
ラフ中に「黒い菱形」で示す。実施例3 上記実施例2の一般手順を繰り返した。ただし、反応器
に仕込んだ触媒は、米国ペンシルベニア州フィラデルフ
ィアのローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Compa
ny) から入手できるカチオン性交換樹脂XE−364を
変性して調製したスルホン化ポリスチレン樹脂とした。
この樹脂を変性するには、米国特許第2,858,34
2号または第3,634,341号に記載されている手
順に従って2,2‐ジメチル‐1,3‐チアゾリジンと
反応させて、スルホニルスチリル基を約80%と次式の
ペンダント基を約20%有するスルホン化されたポリス
チレン樹脂を得ればよい。
ル中にアセトンを5%含む混合物であった。反応は43
日間行なった。添付図面の図3に「+」で示したよう
に、触媒は最初アセトン転化率が約50〜55%であっ
たが、確実に失活していった。符号「四角」で示してあ
る生成物の選択率は、予想通りこの期間中比較的一定に
保たれ、pp/op′は約35から約30に少し低下し
ただけであった。実施例4 上記実施例3の一般手順を繰り返した。ただし、3‐メ
ルカプタンプロピオン酸は1500ppm(SH基が約
500ppm)、供給原料に添加した。得られたデータ
(符号「+」)を、同じ条件ではあるが供給原料の反応
混合物中に3‐メルカプトプロピオン酸を添加しないで
行なった対照(符号「三角」で示す)と比較して図4に
示す。11週間の試験中供給原料に3‐メルカプトプロ
ピオン酸を入れた実験では触媒活性は低下したが、その
活性損失速度は3‐メルカプトプロピオン酸のない実験
と比べてずっと改善されていた。
p/op′比で測定)は、最初の12日間に約35から
25〜30に落ちたが、77日間の残りの期間は比較的
一定に保たれた。実施例5 上記実施例4の手順を繰り返した。ただし、使用する3
‐メルカプトプロピオン酸を等量のそのメチルエステル
(3‐メルカプトプロピオン酸メチル)に代えた。触媒
活性の延長に改善が見られる。
(従来技術)。
るスルホン化されたポリスチレンが触媒である場合に本
発明の実施によって延びた触媒寿命を示したグラフ。
ホン化されたポリスチレンが触媒である場合に本発明の
実施の結果延びた触媒寿命を示したグラフ。
ホン化されたポリスチレンが触媒である場合に本発明の
実施の結果延びた触媒寿命を示したグラフ。
Claims (11)
- 【請求項1】 オルガノメルカプタン促進基を有する酸
性カチオン交換樹脂の存在下でケトン類とフェノール類
とを反応させる方法において、反応混合物に約100〜
約5000ppmの3‐メルカプトプロピオン酸または
その有機エステルを添加することによって改良された方
法。 - 【請求項2】 反応体を一緒に混合し、前記樹脂と接触
させて反応ゾーンに通過させる、請求項1記載の改良さ
れた方法。 - 【請求項3】 混合した反応体と共に3‐メルカプトプ
ロピオン酸またはそのエステルを反応ゾーン中に供給す
る、請求項2記載の改良された方法。 - 【請求項4】 ケトン類がアセトンであり、フェノール
類が非置換フェノールである、請求項1記載の改良され
た方法。 - 【請求項5】 約40〜95℃の範囲内の温度で実施す
る、請求項4記載の改良された方法。 - 【請求項6】 3‐メルカプトプロピオン酸またはエス
テルの添加量が反応混合物の約1000〜約4000p
pmの範囲内である、請求項1記載の改良された方法。 - 【請求項7】 樹脂が、式 【化1】 [式中、xおよびyは(x:y)の比が60:40〜9
9:1となる整数であり、Rは式 【化2】 (式中、R′は水素またはアルキルを表わし、R″はア
ルキレンである)のものの中から選択される基である]
のペンダント基を有するスルホン化されたポリ(スチレ
ン‐ジビニルベンゼン)コポリマーである、請求項1記
載の改良された方法。 - 【請求項8】 Rが式 【化3】 の一価の基である、請求項7記載の改良された方法。
- 【請求項9】 Rが式 【化4】 の一価の基である、請求項7記載の改良された方法。
- 【請求項10】 連続的に実施する、請求項1記載の改
良された方法。 - 【請求項11】 方法がバッチ法である、請求項1記載
の改良された方法。
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US241236 | 1994-05-10 |
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JPH0848643A true JPH0848643A (ja) | 1996-02-20 |
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