JPH08325054A - 低誘電損失体 - Google Patents
低誘電損失体Info
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- JPH08325054A JPH08325054A JP7133557A JP13355795A JPH08325054A JP H08325054 A JPH08325054 A JP H08325054A JP 7133557 A JP7133557 A JP 7133557A JP 13355795 A JP13355795 A JP 13355795A JP H08325054 A JPH08325054 A JP H08325054A
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】Al2 O3 を主成分とし、0.5重量%以上の
Y2 O3 を含有する焼結体であって、Al2 O3 結晶相
の粒界中にY2 O3 もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化
合物を存在させて、7〜9GHzにおける誘電損失(t
anδ)が1.0×10-4以下であるような低誘電損失
体を得る。 【効果】高周波で使用される回路基板やマイクロ波用誘
電体等として好適に用いることができる。
Y2 O3 を含有する焼結体であって、Al2 O3 結晶相
の粒界中にY2 O3 もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化
合物を存在させて、7〜9GHzにおける誘電損失(t
anδ)が1.0×10-4以下であるような低誘電損失
体を得る。 【効果】高周波で使用される回路基板やマイクロ波用誘
電体等として好適に用いることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波で使用される回
路基板やマイクロ波用誘電体等として使用される低誘電
損失体に関する。
路基板やマイクロ波用誘電体等として使用される低誘電
損失体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車電話、コードレステ
レホン、パーソナル無線、衛星放送受信機の実用化に伴
い、マイクロ波領域での回路素子として誘電体磁器が広
く使用されている。
レホン、パーソナル無線、衛星放送受信機の実用化に伴
い、マイクロ波領域での回路素子として誘電体磁器が広
く使用されている。
【0003】このようなマイクロ波用誘電体磁器は主に
共振器に用いられるが、そこに要求される特性として、
小型化の要求に対して比誘電率が大きいこと、高周波で
の誘電損失(tanδ)が小さいこと、言い換えればQ
値が大きいことが主として挙げられる。しかし、より高
周波数域(周波数1GHz以上)で使用する場合、用い
られる電波の波長が短波長(ミリ波)であるため、加工
精度等の点からむしろ誘電率10〜20程度の低い誘電
率の材料が必要となることが知られている。
共振器に用いられるが、そこに要求される特性として、
小型化の要求に対して比誘電率が大きいこと、高周波で
の誘電損失(tanδ)が小さいこと、言い換えればQ
値が大きいことが主として挙げられる。しかし、より高
周波数域(周波数1GHz以上)で使用する場合、用い
られる電波の波長が短波長(ミリ波)であるため、加工
精度等の点からむしろ誘電率10〜20程度の低い誘電
率の材料が必要となることが知られている。
【0004】そこで、このような低誘電率の誘電体磁器
のうち、高周波電子回路の導波体としてアルミナ磁器が
注目されている。
のうち、高周波電子回路の導波体としてアルミナ磁器が
注目されている。
【0005】しかしながら、従来のアルミナ磁器はAl
2 O3 の含有率99.9%以上の焼結体であり、誘電率
(ε)が約10の優れた特性を有するが、このようなA
l2O3 含有率の高いアルミナ磁器は1800℃以上で
焼成する必要があり、量産性に乏しいという問題点があ
った(特公昭63−66795号、特公平2−1110
号公報等参照)。
2 O3 の含有率99.9%以上の焼結体であり、誘電率
(ε)が約10の優れた特性を有するが、このようなA
l2O3 含有率の高いアルミナ磁器は1800℃以上で
焼成する必要があり、量産性に乏しいという問題点があ
った(特公昭63−66795号、特公平2−1110
号公報等参照)。
【0006】そこで、焼成温度を下げるために、アルミ
ナに種々の添加物を加えることが行われているが、焼成
温度を満足できる程度に低下させるためには添加量が多
くなり、誘電損失(tanδ)が高くなるという問題が
あった。
ナに種々の添加物を加えることが行われているが、焼成
温度を満足できる程度に低下させるためには添加量が多
くなり、誘電損失(tanδ)が高くなるという問題が
あった。
【0007】一方、上述のアルミナ磁器においても、高
周波における誘電損失(tanδ)を低くすることが求
められているが、満足なものは得られていなかった。
周波における誘電損失(tanδ)を低くすることが求
められているが、満足なものは得られていなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
について検討を重ねた結果、主成分であるAl2 O3に
Y2 O3 を0.5重量%以上含有させることにより、7
〜9GHzの高周波数域において誘電損失(tanδ)
を1×10-4以下にできるとともに、焼成温度を150
0〜1700℃として容易に製造できることを見出し、
本発明に至った。
について検討を重ねた結果、主成分であるAl2 O3に
Y2 O3 を0.5重量%以上含有させることにより、7
〜9GHzの高周波数域において誘電損失(tanδ)
を1×10-4以下にできるとともに、焼成温度を150
0〜1700℃として容易に製造できることを見出し、
本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の低誘電損失体はAl2 O3
を主成分とし、Y2 O3 を0.5重量%以上含有するア
ルミナ質焼結体であり、特にAl2 O3 結晶相の粒界中
にY2 O3 もしくはY2 O3 とAl2 O3 の化合物、即
ちY2 O3 ・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3
Y2 O3 ・5Al2 O3 が存在することを特徴とする。
を主成分とし、Y2 O3 を0.5重量%以上含有するア
ルミナ質焼結体であり、特にAl2 O3 結晶相の粒界中
にY2 O3 もしくはY2 O3 とAl2 O3 の化合物、即
ちY2 O3 ・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3
Y2 O3 ・5Al2 O3 が存在することを特徴とする。
【0010】ここで、Y2 O3 を0.5重量%以上含有
させたのは、Y2 O3 を添加することによって、不可避
不純物、特にMgO等の周期律表2a族元素のアルミナ
への固溶を抑制し、格子欠陥の生成を防止し、誘電損失
を低下させるためであり、また1500〜1700℃に
て焼成可能とするためである。ただし、Y2 O3 の含有
量が多くなると比誘電率が高くなりすぎるため、Y2 O
3 含有量は90重量%以下とする。特に、Y2 O3 含有
量を1〜80重量%の範囲とすれば比誘電率を20以下
に抑制することができ好適である。
させたのは、Y2 O3 を添加することによって、不可避
不純物、特にMgO等の周期律表2a族元素のアルミナ
への固溶を抑制し、格子欠陥の生成を防止し、誘電損失
を低下させるためであり、また1500〜1700℃に
て焼成可能とするためである。ただし、Y2 O3 の含有
量が多くなると比誘電率が高くなりすぎるため、Y2 O
3 含有量は90重量%以下とする。特に、Y2 O3 含有
量を1〜80重量%の範囲とすれば比誘電率を20以下
に抑制することができ好適である。
【0011】また、Al2 O3 結晶の粒界中にY2 O3
もしくはY2 O3 とAl2 O3 の化合物、即ちY2 O3
・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3Y2 O3 ・
5Al2 O3 を存在させたのは、焼結体全体の誘電損失
を低くするためである。
もしくはY2 O3 とAl2 O3 の化合物、即ちY2 O3
・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3Y2 O3 ・
5Al2 O3 を存在させたのは、焼結体全体の誘電損失
を低くするためである。
【0012】本発明のアルミナ質焼結体には、上記以外
の成分として、SiO2 を1×10-6〜0.2重量%、
好適には1×10-6〜0.04重量%、Fe2 O3 を1
×10-6〜0.1重量%、好適には1×10-6〜0.0
3重量%、Na2 Oを1×10-6〜0.2重量%、好適
には1×10-6〜0.08重量%の範囲で含有すること
が好ましい。これらの成分を上記範囲で含有することに
よって、誘電損失を低くすることができる。
の成分として、SiO2 を1×10-6〜0.2重量%、
好適には1×10-6〜0.04重量%、Fe2 O3 を1
×10-6〜0.1重量%、好適には1×10-6〜0.0
3重量%、Na2 Oを1×10-6〜0.2重量%、好適
には1×10-6〜0.08重量%の範囲で含有すること
が好ましい。これらの成分を上記範囲で含有することに
よって、誘電損失を低くすることができる。
【0013】また、本発明のアルミナ質焼結体の平均結
晶粒子径は2〜80μmの範囲内とすることが好まし
い。
晶粒子径は2〜80μmの範囲内とすることが好まし
い。
【0014】本発明の低誘電損失体をなすアルミナ質焼
結体の製造方法は、まず純度99.8%以上、平均粒子
径2μm以下のAl2 O3 粉末に、純度99.8%以
上、平均粒子径0.5〜5μmのY2 O3 粉末を0.5
重量%以上添加し、これに例えばイソプロピルアルコー
ル等の有機溶媒を加え、ボールミル等で混合粉砕する。
得られたスラリーを所定温度で加熱し乾燥した後、パラ
フィンワックス等のバインダーを添加し、加熱混合して
混合粉末を得る。
結体の製造方法は、まず純度99.8%以上、平均粒子
径2μm以下のAl2 O3 粉末に、純度99.8%以
上、平均粒子径0.5〜5μmのY2 O3 粉末を0.5
重量%以上添加し、これに例えばイソプロピルアルコー
ル等の有機溶媒を加え、ボールミル等で混合粉砕する。
得られたスラリーを所定温度で加熱し乾燥した後、パラ
フィンワックス等のバインダーを添加し、加熱混合して
混合粉末を得る。
【0015】得られた粉末を公知の成形方法、例えばプ
レス成形により成形し、これを例えば大気中において1
500〜1700℃の範囲内の焼成温度で0.5〜5時
間焼成し、アルミナ質焼結体を得ることができる。得ら
れたアルミナ質焼結体にはAl2 O3 結晶相あるいはA
l2 O3 結晶相とY2 O3 結晶相もしくは3Y2 O3・
5Al2 O3 結晶相が存在し、その粒界中にY2 O3 も
しくはY2 O3 とAl2 O3 の化合物、即ちY2 O3 ・
Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3Y2O3 ・5
Al2 O3 が存在する。
レス成形により成形し、これを例えば大気中において1
500〜1700℃の範囲内の焼成温度で0.5〜5時
間焼成し、アルミナ質焼結体を得ることができる。得ら
れたアルミナ質焼結体にはAl2 O3 結晶相あるいはA
l2 O3 結晶相とY2 O3 結晶相もしくは3Y2 O3・
5Al2 O3 結晶相が存在し、その粒界中にY2 O3 も
しくはY2 O3 とAl2 O3 の化合物、即ちY2 O3 ・
Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3Y2O3 ・5
Al2 O3 が存在する。
【0016】次に、本発明者は、イットリア・アルミニ
ウム・ガーネット(YAG)を主成分とする焼結体であ
って、その粒界中にAl2 O3 、Y2 O3 、もしくはY
2 O3 とAl2 O3 の化合物、即ちY2 O3 ・Al2 O
3 、2Y2 O3 ・Al2 O3を存在させることにより、
7〜9GHzでの誘電損失(tanδ)が1×10-4以
下である低誘電損失体を得られることを見出した。
ウム・ガーネット(YAG)を主成分とする焼結体であ
って、その粒界中にAl2 O3 、Y2 O3 、もしくはY
2 O3 とAl2 O3 の化合物、即ちY2 O3 ・Al2 O
3 、2Y2 O3 ・Al2 O3を存在させることにより、
7〜9GHzでの誘電損失(tanδ)が1×10-4以
下である低誘電損失体を得られることを見出した。
【0017】さらには、上記YAGを主成分とする焼結
体に透光性を持たせ、7〜9GHzでの誘電損失(ta
nδ)が1×10-4以下である低誘電損失体を得ること
ができる。
体に透光性を持たせ、7〜9GHzでの誘電損失(ta
nδ)が1×10-4以下である低誘電損失体を得ること
ができる。
【0018】このような焼結体は、Al2 O3 42.9
%とY2 O3 57.1%とした原料粉末を成形し、17
50〜1900℃の真空中または還元性雰囲気中で焼成
することにより透光性を有するYAG焼結体が得られ
る。透光性を有するほどであるから、その表面や内部に
ボイドは極めて少なく、格子欠陥が少ないために誘電損
失の低い焼結体とできるのである。
%とY2 O3 57.1%とした原料粉末を成形し、17
50〜1900℃の真空中または還元性雰囲気中で焼成
することにより透光性を有するYAG焼結体が得られ
る。透光性を有するほどであるから、その表面や内部に
ボイドは極めて少なく、格子欠陥が少ないために誘電損
失の低い焼結体とできるのである。
【0019】また、Y2 O3 とAl2 O3 からなるガー
ネット構造の焼結体は、ほとんどが立方晶のYAG結晶
であり、わずかに存在する粒界成分は過剰のAl
2 O3 、Y2 O3 またはこれらの化合物であるため、前
述の不可避不純物、特にMgO等の周期律表第2a族元
素のアルミナへの固溶を抑制し、格子欠陥の生成を防止
して誘電損失の低下を可能としているのである。
ネット構造の焼結体は、ほとんどが立方晶のYAG結晶
であり、わずかに存在する粒界成分は過剰のAl
2 O3 、Y2 O3 またはこれらの化合物であるため、前
述の不可避不純物、特にMgO等の周期律表第2a族元
素のアルミナへの固溶を抑制し、格子欠陥の生成を防止
して誘電損失の低下を可能としているのである。
【0020】さらに、本発明のYAG焼結体は、上述し
たアルミナ質焼結体の場合と同量のSiO2 、Fe2 O
3 、Na2 Oを含有することが好ましく、これらの成分
を含有することによって、誘電損失を低くすることがで
きる。
たアルミナ質焼結体の場合と同量のSiO2 、Fe2 O
3 、Na2 Oを含有することが好ましく、これらの成分
を含有することによって、誘電損失を低くすることがで
きる。
【0021】以上のような本発明の低誘電損失体は、高
周波で使用される回路基板やマイクロ波用誘電体等とし
て使用することができる。
周波で使用される回路基板やマイクロ波用誘電体等とし
て使用することができる。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を詳細に説明する。
【0023】実施例1 純度99.8%、平均粒子径0.5μmのAl2 O3 粉
末と、純度99.9%、平均粒子径1μmのY2 O3 粉
末を表1に示す割合で添加し、これをイソプロピルアル
コールからなる有機溶媒と、アルミナボール100gと
ともにポリエチレン製ポットに入れ、48時間混合粉砕
した。得られたスラリーを80℃で加熱し乾燥した後8
0メッシュの篩いを通し、パラフィンワックスからなる
バインダーを添加し、加熱混合した後40メッシュの篩
いを通して原料粉末を得た。
末と、純度99.9%、平均粒子径1μmのY2 O3 粉
末を表1に示す割合で添加し、これをイソプロピルアル
コールからなる有機溶媒と、アルミナボール100gと
ともにポリエチレン製ポットに入れ、48時間混合粉砕
した。得られたスラリーを80℃で加熱し乾燥した後8
0メッシュの篩いを通し、パラフィンワックスからなる
バインダーを添加し、加熱混合した後40メッシュの篩
いを通して原料粉末を得た。
【0024】得られた粉末を圧力1000kg/cm2
で成形し、直径60mm、厚さ2mmに成形し、これを
表1に示す温度で焼成した。このようにして得られた焼
結体をアセトンにて10分間超音波洗浄した後、自然乾
燥させて試料とした。
で成形し、直径60mm、厚さ2mmに成形し、これを
表1に示す温度で焼成した。このようにして得られた焼
結体をアセトンにて10分間超音波洗浄した後、自然乾
燥させて試料とした。
【0025】得られた試料を空洞共振器法により、ネッ
トワクアナライザー(HP−8757C)、シンセサイ
ズドスイーパー(HP−8757C)で測定周波数8〜
9GHzにおいて誘電率および誘電損失(tanδ)を
測定した。
トワクアナライザー(HP−8757C)、シンセサイ
ズドスイーパー(HP−8757C)で測定周波数8〜
9GHzにおいて誘電率および誘電損失(tanδ)を
測定した。
【0026】結果を表1に示すように、Y2 O3 含有量
が0.5重量%未満の場合(No.1,2)は誘電損失
が非常に高いことが判る。これに対し、0.5重量%以
上のY2 O3 を含有させた本発明実施例(No.3〜
9)では、焼成温度が1550〜1700℃と低く、誘
電率が10〜22で、GHz帯における誘電損失も1.
0×10-4以下と低いことがわかる。
が0.5重量%未満の場合(No.1,2)は誘電損失
が非常に高いことが判る。これに対し、0.5重量%以
上のY2 O3 を含有させた本発明実施例(No.3〜
9)では、焼成温度が1550〜1700℃と低く、誘
電率が10〜22で、GHz帯における誘電損失も1.
0×10-4以下と低いことがわかる。
【0027】また、本発明実施例の試料をX線回折によ
り確認し、熱リン酸でケミカルエッチングした後、波長
分散型マイクロアナライザーを用いて局所分析を行った
ところ、Al2 O3 結晶相が存在し、粒界中にY2 O3
もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化合物、即ちY2 O3
・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3Y2 O3・
5Al2 O3 が存在することを確認した。
り確認し、熱リン酸でケミカルエッチングした後、波長
分散型マイクロアナライザーを用いて局所分析を行った
ところ、Al2 O3 結晶相が存在し、粒界中にY2 O3
もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化合物、即ちY2 O3
・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、3Y2 O3・
5Al2 O3 が存在することを確認した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 純度99.8%、平均粒子径0.5μmのAl2 O3 粉
末を42.9重量%と純度99.9%、平均粒子径1μ
mのY2 O3 粉末を57.1重量%を混合し、これにイ
ソプロピルアルコールからなる溶媒とアルミナボールを
加えてポリエチレン製ポットに入れ、48時間混合粉砕
した。得られたスラリーを80℃に乾燥し、1000〜
1400℃で仮焼してYAGを生成した。この粉末をメ
ッシュパス後、イソプロピルアルコールからなる溶媒と
アルミナボールを加えてポリエチレン製ポットに入れ2
4時間粉砕した。得られたスラリーを80℃で乾燥しメ
ッシュパス後、バインダーを加えて圧力1000kg/
cm2 で成形し、表2のNo.10に示す温度で焼成し
て試料を得た。
末を42.9重量%と純度99.9%、平均粒子径1μ
mのY2 O3 粉末を57.1重量%を混合し、これにイ
ソプロピルアルコールからなる溶媒とアルミナボールを
加えてポリエチレン製ポットに入れ、48時間混合粉砕
した。得られたスラリーを80℃に乾燥し、1000〜
1400℃で仮焼してYAGを生成した。この粉末をメ
ッシュパス後、イソプロピルアルコールからなる溶媒と
アルミナボールを加えてポリエチレン製ポットに入れ2
4時間粉砕した。得られたスラリーを80℃で乾燥しメ
ッシュパス後、バインダーを加えて圧力1000kg/
cm2 で成形し、表2のNo.10に示す温度で焼成し
て試料を得た。
【0030】この試料に対し、実施例1と同様にして誘
電率、誘電損失(tanδ)を測定した結果を表2に示
すように、7〜9GHzにおける誘電損失(tanδ)
が1.0×10-4以下であることがわかる。
電率、誘電損失(tanδ)を測定した結果を表2に示
すように、7〜9GHzにおける誘電損失(tanδ)
が1.0×10-4以下であることがわかる。
【0031】また、この試料をX線回折により確認し、
実施例1と同様の局所分析を行ったところ、YAG結晶
相が存在し、粒界中にY2 O3 、Al2 O3 、Y2 O3
・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 が存在すること
を確認した。したがって、YAG結晶を主成分とし、そ
の粒界中にY2 O3 、Al2 O3 、もしくはY2 O3と
Al2 O3 の化合物が存在することによって誘電損失を
低くできることがわかる。
実施例1と同様の局所分析を行ったところ、YAG結晶
相が存在し、粒界中にY2 O3 、Al2 O3 、Y2 O3
・Al2 O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 が存在すること
を確認した。したがって、YAG結晶を主成分とし、そ
の粒界中にY2 O3 、Al2 O3 、もしくはY2 O3と
Al2 O3 の化合物が存在することによって誘電損失を
低くできることがわかる。
【0032】
【表2】
【0033】実施例3 それぞれ純度99.8%、BET比表面積5m2 /g、
平均粒子径1.0μmのAl2 O3 粉末を42.9重量
%とY2 O3 粉末を57.1重量%を混合し、これにイ
ソプロピルアルコールからなる溶媒とアルミナボールを
加えてポリエチレン製ポットに入れ、回転ミルで24時
間混合粉砕した。得られたスラリーを乾燥しメッシュパ
スした後、1000〜1400℃で仮焼し、その後再び
イソプロピルアルコールを加えて回転ミルで24時間粉
砕した。得られたスラリーを乾燥しメッシュパス後、バ
インダーを加えて金型プレス及び冷間静水圧プレスを用
い、生密度2.5g/cm3 以上の25.4×25.4
×2mmの成形体を作り、真空炉にて1750〜190
0℃で真空焼成し、上記表2中のNo.11〜13の試
料を得た。
平均粒子径1.0μmのAl2 O3 粉末を42.9重量
%とY2 O3 粉末を57.1重量%を混合し、これにイ
ソプロピルアルコールからなる溶媒とアルミナボールを
加えてポリエチレン製ポットに入れ、回転ミルで24時
間混合粉砕した。得られたスラリーを乾燥しメッシュパ
スした後、1000〜1400℃で仮焼し、その後再び
イソプロピルアルコールを加えて回転ミルで24時間粉
砕した。得られたスラリーを乾燥しメッシュパス後、バ
インダーを加えて金型プレス及び冷間静水圧プレスを用
い、生密度2.5g/cm3 以上の25.4×25.4
×2mmの成形体を作り、真空炉にて1750〜190
0℃で真空焼成し、上記表2中のNo.11〜13の試
料を得た。
【0034】これらの試料のうち、No.13は焼成温
度が高すぎて溶融してしまった。残りのNo.11,1
2の試料を実施例1と同様の方法で誘電率、誘電損失を
測定したところ、いずれも誘電損失が0.5×10-4以
下と極めて低くすることができた。
度が高すぎて溶融してしまった。残りのNo.11,1
2の試料を実施例1と同様の方法で誘電率、誘電損失を
測定したところ、いずれも誘電損失が0.5×10-4以
下と極めて低くすることができた。
【0035】また、この試料を実施例1と同様にして局
所分析したところ、YAG結晶相が存在し、粒界中にY
2 O3 、Al2 O3 、Y2 O3 ・Al2 O3 、2Y2 O
3 ・Al2 O3 が存在することを確認した。
所分析したところ、YAG結晶相が存在し、粒界中にY
2 O3 、Al2 O3 、Y2 O3 ・Al2 O3 、2Y2 O
3 ・Al2 O3 が存在することを確認した。
【0036】さらに、これらの焼結体は透光性を有して
おり、光透過性を求められるような用途に使用すること
ができる。
おり、光透過性を求められるような用途に使用すること
ができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、Al2 O
3 を主成分とし、0.5重量%以上のY2 O3 を含有す
る焼結体であって、Al2 O3 結晶相の粒界中にY2 O
3 もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化合物を存在させる
ことによって、7〜9GHzにおける誘電損失(tan
δ)が1.0×10-4以下であるような低誘電損失体を
得ることができる。
3 を主成分とし、0.5重量%以上のY2 O3 を含有す
る焼結体であって、Al2 O3 結晶相の粒界中にY2 O
3 もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化合物を存在させる
ことによって、7〜9GHzにおける誘電損失(tan
δ)が1.0×10-4以下であるような低誘電損失体を
得ることができる。
【0038】また本発明によれば、イットリア・アルミ
ニウム・ガーネット(YAG)を主成分とする焼結体で
あって、該YAG結晶相の粒界中にAl2 O3 、Y2 O
3 、もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化合物を存在させ
ることによって、7〜9GHzにおける誘電損失(ta
nδ)が1.0×10-4以下であるような低誘電損失体
を得ることができる。
ニウム・ガーネット(YAG)を主成分とする焼結体で
あって、該YAG結晶相の粒界中にAl2 O3 、Y2 O
3 、もしくはAl2 O3 とY2 O3 の化合物を存在させ
ることによって、7〜9GHzにおける誘電損失(ta
nδ)が1.0×10-4以下であるような低誘電損失体
を得ることができる。
【0039】したがって、本発明の低誘電損失体は、高
周波で使用される回路基板やマイクロ波用誘電体等とし
て好適に用いることができる。
周波で使用される回路基板やマイクロ波用誘電体等とし
て好適に用いることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】Al2 O3 を主成分とし、0.5重量%以
上のY2 O3 を含有する焼結体であって、Al2 O3 結
晶相の粒界にY2 O3 もしくはAl2 O3 とY2 O3 の
化合物が存在し、7〜9GHzにおける誘電損失(ta
nδ)が1.0×10-4以下であることを特徴とする低
誘電損失体。 - 【請求項2】イットリア・アルミニウム・ガーネット
(YAG)を主成分とする焼結体であって、YAG結晶
相の粒界にAl2 O3 、Y2 O3 、もしくはAl2 O3
とY2 O3 の化合物が存在し、7〜9GHzにおける誘
電損失(tanδ)が1.0×10-4以下であることを
特徴とする低誘電損失体。損失体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13355795A JP3339989B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 低誘電損失体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13355795A JP3339989B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 低誘電損失体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08325054A true JPH08325054A (ja) | 1996-12-10 |
JP3339989B2 JP3339989B2 (ja) | 2002-10-28 |
Family
ID=15107599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13355795A Expired - Fee Related JP3339989B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 低誘電損失体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3339989B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6916559B2 (en) | 1997-02-26 | 2005-07-12 | Kyocera Corporation | Ceramic material resistant to halogen plasma and member utilizing the same |
US7022636B2 (en) | 2001-10-03 | 2006-04-04 | Kyocera Corporation | Ceramic member for semiconductor manufacturing equipment |
US7691765B2 (en) | 2005-03-31 | 2010-04-06 | Fujifilm Corporation | Translucent material and manufacturing method of the same |
CN115073161A (zh) * | 2022-06-14 | 2022-09-20 | 重庆翰博显示科技研发中心有限公司 | 一种复合陶瓷的制备方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62132765A (ja) * | 1985-12-03 | 1987-06-16 | 株式会社デンソー | 高絶縁性高アルミナ質磁器組成物の製造方法 |
JPS62270460A (ja) * | 1986-05-19 | 1987-11-24 | 日本特殊陶業株式会社 | 着色磁器組成物 |
JPS63236213A (ja) * | 1987-03-24 | 1988-10-03 | 住友金属鉱山株式会社 | 誘電体磁器 |
JPH06191929A (ja) * | 1992-12-25 | 1994-07-12 | Kyocera Corp | アルミナ質焼結体 |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP13355795A patent/JP3339989B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7691765B2 (en) | 2005-03-31 | 2010-04-06 | Fujifilm Corporation | Translucent material and manufacturing method of the same |
CN115073161A (zh) * | 2022-06-14 | 2022-09-20 | 重庆翰博显示科技研发中心有限公司 | 一种复合陶瓷的制备方法 |
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JP3339989B2 (ja) | 2002-10-28 |
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