JPH06235704A - 単色x線ct装置 - Google Patents
単色x線ct装置Info
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- JPH06235704A JPH06235704A JP5044505A JP4450593A JPH06235704A JP H06235704 A JPH06235704 A JP H06235704A JP 5044505 A JP5044505 A JP 5044505A JP 4450593 A JP4450593 A JP 4450593A JP H06235704 A JPH06235704 A JP H06235704A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 X線源しての平行度が高い白色X線から、単
結晶を利用して、任意の波長で単色化及び拡大を行うこ
とにより、高分解能及び高コントラストの断層像を得る
ことができる単色X線CT装置を提供する。 【構成】 指向性が強い白色X線1の直進偏光ベクトル
の方向をx方向、x方向に垂直な方向をy方向として、
被検体Aの後方に、被検体Aを透過した透過X線をy方
向に回折する非対称反射単結晶素子3を設け、x方向あ
るいはy方向に検出走査を行いかつ検出領域が任意に変
化できる二次元X線検出器4を設け、被検体Aを透過し
た二次元投影像を非対称反射単結晶素子3で回折させた
後、二次元X線検出器4で検出する際に、微小な被検体
Aを高分解能な断層像で観察するx方向と被検体Aの回
転軸とを一致させる高分解能用被検体ステージ6と、x
方向にX線ビームをコリメートする手段5と、を設けた
ものである。
結晶を利用して、任意の波長で単色化及び拡大を行うこ
とにより、高分解能及び高コントラストの断層像を得る
ことができる単色X線CT装置を提供する。 【構成】 指向性が強い白色X線1の直進偏光ベクトル
の方向をx方向、x方向に垂直な方向をy方向として、
被検体Aの後方に、被検体Aを透過した透過X線をy方
向に回折する非対称反射単結晶素子3を設け、x方向あ
るいはy方向に検出走査を行いかつ検出領域が任意に変
化できる二次元X線検出器4を設け、被検体Aを透過し
た二次元投影像を非対称反射単結晶素子3で回折させた
後、二次元X線検出器4で検出する際に、微小な被検体
Aを高分解能な断層像で観察するx方向と被検体Aの回
転軸とを一致させる高分解能用被検体ステージ6と、x
方向にX線ビームをコリメートする手段5と、を設けた
ものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線源として平行度が
高い白色X線(例えばシンクロトロン放射光)から、単
結晶等を利用して任意の波長で単色化および拡大を行う
ことにより、高分解能および高コントラストな断層像を
得ることができる単色X線CT装置に関する。
高い白色X線(例えばシンクロトロン放射光)から、単
結晶等を利用して任意の波長で単色化および拡大を行う
ことにより、高分解能および高コントラストな断層像を
得ることができる単色X線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線CT法は、現在では医療診断の有力
な手法として、広く医療機関で用いられている。最近、
本手法は工業材料の特定元素分布や微小欠陥の観察に応
用されるなど、その広い技術的可能性が注目されてい
る。このような背景のもとに、X線CT装置において被
検体に対する高分解能および定量的な断層面計測の機能
を実現する試みがなされている。
な手法として、広く医療機関で用いられている。最近、
本手法は工業材料の特定元素分布や微小欠陥の観察に応
用されるなど、その広い技術的可能性が注目されてい
る。このような背景のもとに、X線CT装置において被
検体に対する高分解能および定量的な断層面計測の機能
を実現する試みがなされている。
【0003】定量的な元素・密度分布計測には、単色X
線を利用する必要があり、シンクロトロン放射光などの
指向性が強い白色X線を結晶分光器により単色化し、そ
れを光源としたCT装置によりCT画像を得る方法があ
る。単色X線を利用する理由は、物質のX線吸収係数が
X線の波長に依存しており、波長幅が狭い単色X線を用
いると波長依存性による影響を低減することができ、こ
れにより定量性が優れた測定を行えることによる。
線を利用する必要があり、シンクロトロン放射光などの
指向性が強い白色X線を結晶分光器により単色化し、そ
れを光源としたCT装置によりCT画像を得る方法があ
る。単色X線を利用する理由は、物質のX線吸収係数が
X線の波長に依存しており、波長幅が狭い単色X線を用
いると波長依存性による影響を低減することができ、こ
れにより定量性が優れた測定を行えることによる。
【0004】一方、高分解能なX線CT装置は、被検体
透過後の単色・平行な透過X線を、単結晶の非対称反射
を利用することにより拡大する手法となっている。ここ
に、単結晶の非対称反射とは、結晶表面とブラッグ反射
を生じる格子面が平行でない場合にブラッグ反射後に入
射X線像が拡大される現象のことである。したがって、
小さい物体に対して単結晶の非対称反射を利用して投影
像を拡大することによって、検出器の一画素の大きさが
一定であっても、相対的に検出器の画素の大きさを小さ
くし、かつ有効画素数を増大させることができ、これに
より高分解能CT像を得ることができる。
透過後の単色・平行な透過X線を、単結晶の非対称反射
を利用することにより拡大する手法となっている。ここ
に、単結晶の非対称反射とは、結晶表面とブラッグ反射
を生じる格子面が平行でない場合にブラッグ反射後に入
射X線像が拡大される現象のことである。したがって、
小さい物体に対して単結晶の非対称反射を利用して投影
像を拡大することによって、検出器の一画素の大きさが
一定であっても、相対的に検出器の画素の大きさを小さ
くし、かつ有効画素数を増大させることができ、これに
より高分解能CT像を得ることができる。
【0005】図3は、これらの方法を用いた従来のX線
CT装置を示している。この装置では、まず白色X線
(入射X線11)を結晶分光器の単結晶12a,12b
のブラッグ反射を用いて所望のX線エネルギーに単色化
し、これを被検体15に照射する。そして、透過したX
線像を単結晶13の非対称反射を利用して拡大し、この
拡大された投影像は、X線検出器14によって検出され
る。上記のような単色X線を利用したX線CT装置とし
て、例えば特開昭63−53456号公報、特開昭61
−256243号公報等により開示されている。
CT装置を示している。この装置では、まず白色X線
(入射X線11)を結晶分光器の単結晶12a,12b
のブラッグ反射を用いて所望のX線エネルギーに単色化
し、これを被検体15に照射する。そして、透過したX
線像を単結晶13の非対称反射を利用して拡大し、この
拡大された投影像は、X線検出器14によって検出され
る。上記のような単色X線を利用したX線CT装置とし
て、例えば特開昭63−53456号公報、特開昭61
−256243号公報等により開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、上述
のように単結晶3の非対称反射により透過X線を拡大す
ることで、相対的な検出器の分解能の向上を図ってい
る。しかしながら、かかる従来装置の光学系おいて、以
下の問題があった。
のように単結晶3の非対称反射により透過X線を拡大す
ることで、相対的な検出器の分解能の向上を図ってい
る。しかしながら、かかる従来装置の光学系おいて、以
下の問題があった。
【0007】シンクロトロン放射光などの指向性が強い
白色X線の場合、X線に偏光性があり、この偏光ベクト
ルは、シンクロトロン放射光の軌道面に水平な方向であ
る。また、結晶素子を利用して偏光ベクトルを含む平面
内でのX線の回折は、θB をブラッグ反射角としたとき
cos2θB 倍の強度減少を伴い、偏光ベクトルを含む
平面に対する直交方向への回折は強度減少が伴わないこ
とが知られている。
白色X線の場合、X線に偏光性があり、この偏光ベクト
ルは、シンクロトロン放射光の軌道面に水平な方向であ
る。また、結晶素子を利用して偏光ベクトルを含む平面
内でのX線の回折は、θB をブラッグ反射角としたとき
cos2θB 倍の強度減少を伴い、偏光ベクトルを含む
平面に対する直交方向への回折は強度減少が伴わないこ
とが知られている。
【0008】ところが、従来の装置は、指向性が強い白
色X線(入射X線11)からの連続X線を結晶分光器
(12a,12b)により単色化し、それを光源に用い
て、図3に示すように、被検体14の投影データをビー
ム幅が広い水平方向で検出するように非対称結晶素子1
3を配置する。このため、回折したX線は拡大による強
度減少に加えて、偏光性によるcos2θB 倍の強度減
少が生じていた。したがって、従来装置では強度低下を
抑えるためにはθB はできるだけ小さくする必要があ
る。そして低指数の回折面の使用に限定される、あるい
は単色化するX線の波長が限定されるという問題があっ
た。また、θB を小さくすることから結晶表面の加工精
度を著しく良くしなければ、品質の良い反射X線が得ら
れないといった問題もあった。
色X線(入射X線11)からの連続X線を結晶分光器
(12a,12b)により単色化し、それを光源に用い
て、図3に示すように、被検体14の投影データをビー
ム幅が広い水平方向で検出するように非対称結晶素子1
3を配置する。このため、回折したX線は拡大による強
度減少に加えて、偏光性によるcos2θB 倍の強度減
少が生じていた。したがって、従来装置では強度低下を
抑えるためにはθB はできるだけ小さくする必要があ
る。そして低指数の回折面の使用に限定される、あるい
は単色化するX線の波長が限定されるという問題があっ
た。また、θB を小さくすることから結晶表面の加工精
度を著しく良くしなければ、品質の良い反射X線が得ら
れないといった問題もあった。
【0009】ここで、図4は、非対称反射単結晶による
入射X線の拡大光学系の原理を示している。非対称反射
単結晶は、結晶表面20と所望の回折面30とが角度α
をなす結晶分光素子である。入射X線11は、非対称反
射単結晶の回折面30によってブラッグ反射される。そ
して、結晶表面20に対する入射角(θIN)と反射角
(θOUT )が異なるために、入射X線11は拡大されて
反射される。非対称因子bをb=sinθOUT /sin
θINとすると、X線幅の拡大率はLOUT /LIN=bで表
される。ここで、θIN=θB −α、θOUT =θB +α、
θB はブラッグ角であり、次式で示される。 θB =sin-1(λ・(h2 +k2 +l2 )1/2 /d) 但し、λは回折X線の波長、(hkl)は結晶格子面、
dは結晶格子定数である。したがって、偏光性による強
度減少を抑えるためにθB を小さくするには、低指数の
結晶格子面、あるいは短波長を選択する必要があった。
また結晶の表面粗さrはr=sinθINで決定されるの
で、θB が小さくなると入射角θINが小さくなることか
ら、表面粗さrの許容範囲も小さくなり平面加工精度も
厳しいものとなる。
入射X線の拡大光学系の原理を示している。非対称反射
単結晶は、結晶表面20と所望の回折面30とが角度α
をなす結晶分光素子である。入射X線11は、非対称反
射単結晶の回折面30によってブラッグ反射される。そ
して、結晶表面20に対する入射角(θIN)と反射角
(θOUT )が異なるために、入射X線11は拡大されて
反射される。非対称因子bをb=sinθOUT /sin
θINとすると、X線幅の拡大率はLOUT /LIN=bで表
される。ここで、θIN=θB −α、θOUT =θB +α、
θB はブラッグ角であり、次式で示される。 θB =sin-1(λ・(h2 +k2 +l2 )1/2 /d) 但し、λは回折X線の波長、(hkl)は結晶格子面、
dは結晶格子定数である。したがって、偏光性による強
度減少を抑えるためにθB を小さくするには、低指数の
結晶格子面、あるいは短波長を選択する必要があった。
また結晶の表面粗さrはr=sinθINで決定されるの
で、θB が小さくなると入射角θINが小さくなることか
ら、表面粗さrの許容範囲も小さくなり平面加工精度も
厳しいものとなる。
【0010】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、簡便な手段によりX線の偏光性の影響なしに、
微小な被検体を観察する際に高分解能なCT画像が得ら
れ、かつ大きな被検体のCT画像を観察する場合にも好
適な単色X線CT装置を提供することを目的とするもの
である。
であり、簡便な手段によりX線の偏光性の影響なしに、
微小な被検体を観察する際に高分解能なCT画像が得ら
れ、かつ大きな被検体のCT画像を観察する場合にも好
適な単色X線CT装置を提供することを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の単色X線CT装
置は、指向性が強い白色X線から任意の波長を取り出す
X線分光器と、被検体を走査・回転することができる被
検体ステージと、二次元X線検出器と、該二次元X線検
出器からの信号の収集,X線分光器及び前記被検体の位
置制御を行うコンピュータと、CT画像再構成用のソフ
トウェアまたはハードウェアとを備えている 特に、指向性が強い白色X線の直進偏光ベクトルの方向
をx方向、x方向に垂直な方向をy方向として、被検体
後方に、被検体を透過した透過X線をy方向に回折する
非対称反射単結晶素子を設け、x方向あるいはy方向に
検出走査を行いかつ検出領域が任意に変化できる二次元
X線検出器を設け、被検体を透過した二次元投影像を前
記非対称反射単結晶素子で回折させた後、前記二次元X
線検出器で検出する際に、微小な被検体を高分解能な断
層像で観察するx方向と被検体の回転軸とを一致させる
高分解能用被検体ステージと、x方向にX線ビームをコ
リメートする手段と、を設けたものである。
置は、指向性が強い白色X線から任意の波長を取り出す
X線分光器と、被検体を走査・回転することができる被
検体ステージと、二次元X線検出器と、該二次元X線検
出器からの信号の収集,X線分光器及び前記被検体の位
置制御を行うコンピュータと、CT画像再構成用のソフ
トウェアまたはハードウェアとを備えている 特に、指向性が強い白色X線の直進偏光ベクトルの方向
をx方向、x方向に垂直な方向をy方向として、被検体
後方に、被検体を透過した透過X線をy方向に回折する
非対称反射単結晶素子を設け、x方向あるいはy方向に
検出走査を行いかつ検出領域が任意に変化できる二次元
X線検出器を設け、被検体を透過した二次元投影像を前
記非対称反射単結晶素子で回折させた後、前記二次元X
線検出器で検出する際に、微小な被検体を高分解能な断
層像で観察するx方向と被検体の回転軸とを一致させる
高分解能用被検体ステージと、x方向にX線ビームをコ
リメートする手段と、を設けたものである。
【0012】また、本発明の単色X線CT装置は、大き
な被検体を観察する際に、上記y方向と被検体の回転軸
とを一致させる大型被検体ステージを設け、上記高分解
能用被検体ステージと該大型被検体ステージを適宜切り
替える移動手段を設けたものである。
な被検体を観察する際に、上記y方向と被検体の回転軸
とを一致させる大型被検体ステージを設け、上記高分解
能用被検体ステージと該大型被検体ステージを適宜切り
替える移動手段を設けたものである。
【0013】
【作用】本発明に係る単色X線CT装置は上記の構成に
よって、X線分光器の単結晶のロッキング・カーブの分
散角によって支配される分散角を持つ単色X線束が、被
検体に照射される。微小な被検体を高分解能で観察する
際には、高分解能用被検体ステージにより、x方向と被
検体の回転軸とが一致するように設定されて、被検体を
透過後の二次元投影像が被検体後方に設けた、y方向に
回折する非対称反射単結晶素子に入射される。このとき
X線分光器の単結晶のロッキング・カーブによって決定
されるy方向の分散角は数秒から数十秒と極めて小さい
ので、二次元投影像は分散角により生じる投影像のボケ
が低減される。被検体後方に設置した、y方向に回折す
る非対称反射単結晶素子は、X線の直進偏光ベクトルを
含む平面に対して鉛直方向に回折するので、X線の偏光
性による強度減少を生じること無く、被検体に照射され
たX線の波長以外の散乱X線を除去する。またy方向に
投影像を拡大し、x方向をコリメートする手段によりx
方向に生じる散乱線の影響が低減されるので、y方向に
分解能が高い二次元投影像が得られる。
よって、X線分光器の単結晶のロッキング・カーブの分
散角によって支配される分散角を持つ単色X線束が、被
検体に照射される。微小な被検体を高分解能で観察する
際には、高分解能用被検体ステージにより、x方向と被
検体の回転軸とが一致するように設定されて、被検体を
透過後の二次元投影像が被検体後方に設けた、y方向に
回折する非対称反射単結晶素子に入射される。このとき
X線分光器の単結晶のロッキング・カーブによって決定
されるy方向の分散角は数秒から数十秒と極めて小さい
ので、二次元投影像は分散角により生じる投影像のボケ
が低減される。被検体後方に設置した、y方向に回折す
る非対称反射単結晶素子は、X線の直進偏光ベクトルを
含む平面に対して鉛直方向に回折するので、X線の偏光
性による強度減少を生じること無く、被検体に照射され
たX線の波長以外の散乱X線を除去する。またy方向に
投影像を拡大し、x方向をコリメートする手段によりx
方向に生じる散乱線の影響が低減されるので、y方向に
分解能が高い二次元投影像が得られる。
【0014】得られた二次元投影像は検出走査を垂直方
向に行いかつ検出領域が任意に変化可能な二次元X線検
出器によって、二次元投影像の拡大率に適した有効画素
数で、二次元投影像の高分解能なy方向成分が再構成投
影データとして収集される。したがって、X線の影響を
考慮することなく任意の波長を選択することができ、か
つ高次の結晶格子面を任意に選択できるので、結晶表面
の加工精度も緩くて何ら差し支えない。
向に行いかつ検出領域が任意に変化可能な二次元X線検
出器によって、二次元投影像の拡大率に適した有効画素
数で、二次元投影像の高分解能なy方向成分が再構成投
影データとして収集される。したがって、X線の影響を
考慮することなく任意の波長を選択することができ、か
つ高次の結晶格子面を任意に選択できるので、結晶表面
の加工精度も緩くて何ら差し支えない。
【0015】また、大きな被検体の三次元断層像を観察
する際は、高分解能用被検体ステージと大型用被検体ス
テージを切り替える手段により、大型被検体ステージに
切り替えられる。そしてX線分光器により拡大された入
射X線が、y方向と被検体の回転軸とを一致させる大型
被検体ステージにより、x方向のビーム幅と同程度の大
きさの被検体二次元投影像として被検体後方に設置した
非対称反射単結晶素子に入射される。上述したようにX
線の偏光性により強度減少なしにS/N比の良い高コン
トラストな投影像が反射され、検出走査をx方向に行
い、かつ検出領域が任意に変化可能な二次元X線検出器
によって、二次元投影像の大きさに適した有効画素数で
x方向成分が再構成投影データとして収集される。
する際は、高分解能用被検体ステージと大型用被検体ス
テージを切り替える手段により、大型被検体ステージに
切り替えられる。そしてX線分光器により拡大された入
射X線が、y方向と被検体の回転軸とを一致させる大型
被検体ステージにより、x方向のビーム幅と同程度の大
きさの被検体二次元投影像として被検体後方に設置した
非対称反射単結晶素子に入射される。上述したようにX
線の偏光性により強度減少なしにS/N比の良い高コン
トラストな投影像が反射され、検出走査をx方向に行
い、かつ検出領域が任意に変化可能な二次元X線検出器
によって、二次元投影像の大きさに適した有効画素数で
x方向成分が再構成投影データとして収集される。
【0016】
【実施例】以下に、本発明による単色X線CT装置の一
実施例について図面を参照して、詳細に説明する。図1
及び図2は、本発明の単色X線CT装置の一実施例によ
る主構成部分の配置関係を示す図である。
実施例について図面を参照して、詳細に説明する。図1
及び図2は、本発明の単色X線CT装置の一実施例によ
る主構成部分の配置関係を示す図である。
【0017】本発明装置は、白色で平行なX線1が結晶
分光器2の単結晶2a,2bにより単色化されたX線束
8、被検体に入射するX線の形状を決めるコリメータ
5、被検体を支持する回転・走査可能な高分解能用被検
体ステージ6、大型用被検体ステージ7、X線像の垂直
成分を拡大する単結晶素子3及び二次元X線検出器4に
より構成される。図1において高分解能で断層像を観察
したい微小被検体をA、また図2において高コントラス
トで断層像を観察したい大型被検体をBにより、それぞ
れ示してある。また図中、X線の直進偏光ベクトルの方
向をx軸、このx軸に垂直な方向をy軸として示してあ
る。
分光器2の単結晶2a,2bにより単色化されたX線束
8、被検体に入射するX線の形状を決めるコリメータ
5、被検体を支持する回転・走査可能な高分解能用被検
体ステージ6、大型用被検体ステージ7、X線像の垂直
成分を拡大する単結晶素子3及び二次元X線検出器4に
より構成される。図1において高分解能で断層像を観察
したい微小被検体をA、また図2において高コントラス
トで断層像を観察したい大型被検体をBにより、それぞ
れ示してある。また図中、X線の直進偏光ベクトルの方
向をx軸、このx軸に垂直な方向をy軸として示してあ
る。
【0018】本実施例では、シンクロトロン放射光の白
色X線源から、ビームサイズが水平方向(x方向)、垂
直方向(y方向)にそれぞれ150mm、3mmのX線
1が結晶分光器2の単結晶2aに入射される。結晶分光
器2の単結晶2a,2b、非対称反射単結晶素子3には
Ge単結晶を用い、回折を生じさせる単結晶2a,2b
及び3の結晶格子面をそれぞれ(333),(511)
及び(511)に選定し、単結晶2a,3の結晶格子面
(511)と実際の結晶表面とのなす角αを30°に設
定する。また二次元X線検出器としては、蛍光体でX線
像を可視光に変換し、光学レンズ系を用いて二次元CC
D上で結像する検出器が使用される。
色X線源から、ビームサイズが水平方向(x方向)、垂
直方向(y方向)にそれぞれ150mm、3mmのX線
1が結晶分光器2の単結晶2aに入射される。結晶分光
器2の単結晶2a,2b、非対称反射単結晶素子3には
Ge単結晶を用い、回折を生じさせる単結晶2a,2b
及び3の結晶格子面をそれぞれ(333),(511)
及び(511)に選定し、単結晶2a,3の結晶格子面
(511)と実際の結晶表面とのなす角αを30°に設
定する。また二次元X線検出器としては、蛍光体でX線
像を可視光に変換し、光学レンズ系を用いて二次元CC
D上で結像する検出器が使用される。
【0019】まず、図1において、結晶分光器2により
白色X線から波長1.54オングストロームのX線を単
色化し、被検体Aの断層像を高分解能に観察する場合に
ついて説明する。結晶分光器2によって単色化される波
長1.54オングストロームのX線束8は、単結晶2b
によって縦の広がりが11.2mmのX線束に拡大され
る。すなわちX線束8は3.37倍に拡大される。被検
体Aは高分解能用被検体ステージ6によって、x方向と
該被検A体の回転軸とが一致するように設定される。こ
のため、被検体Aを透過し、被検体Aの波長1.54オ
ングストロームのX線吸収係数に依存した強度分布を有
する、y方向の広がり11.2mmのX線束は、非対称
反射結晶素子3の(511)面で回折・拡大されて、縦
方向の広がり41.8mmのX線束となる。そして、二
次元X線検出器4で拡大率に適した有効画素数で被検体
Aの断面方向(垂直方向)に検出走査され、投影データ
として収集される。
白色X線から波長1.54オングストロームのX線を単
色化し、被検体Aの断層像を高分解能に観察する場合に
ついて説明する。結晶分光器2によって単色化される波
長1.54オングストロームのX線束8は、単結晶2b
によって縦の広がりが11.2mmのX線束に拡大され
る。すなわちX線束8は3.37倍に拡大される。被検
体Aは高分解能用被検体ステージ6によって、x方向と
該被検A体の回転軸とが一致するように設定される。こ
のため、被検体Aを透過し、被検体Aの波長1.54オ
ングストロームのX線吸収係数に依存した強度分布を有
する、y方向の広がり11.2mmのX線束は、非対称
反射結晶素子3の(511)面で回折・拡大されて、縦
方向の広がり41.8mmのX線束となる。そして、二
次元X線検出器4で拡大率に適した有効画素数で被検体
Aの断面方向(垂直方向)に検出走査され、投影データ
として収集される。
【0020】このとき非対称反射結晶素子3は、二次元
投影像をX線の偏光ベクトルの方向に対して鉛直方向に
回折・拡大しているので、偏光性による強度減少は生じ
ない。非対称反射単結晶素子3に入射する二次元投影像
の被検体断面方向の成分は分散角により生じるボケや散
乱X線による投影データの劣化を著しく低減することが
できる。さらに上記のように、3.73倍に拡大される
ので、X線検出器固有の分解能に対し3.73倍の空間
分解能で、偏光性による強度減少を生じることなく投影
データを収集することが可能となる。
投影像をX線の偏光ベクトルの方向に対して鉛直方向に
回折・拡大しているので、偏光性による強度減少は生じ
ない。非対称反射単結晶素子3に入射する二次元投影像
の被検体断面方向の成分は分散角により生じるボケや散
乱X線による投影データの劣化を著しく低減することが
できる。さらに上記のように、3.73倍に拡大される
ので、X線検出器固有の分解能に対し3.73倍の空間
分解能で、偏光性による強度減少を生じることなく投影
データを収集することが可能となる。
【0021】次に、図2において、大きな被検体を観察
する場合について説明する。高分解能用被検体ステージ
6及び大型被検体ステージ7は、観察する被検体の目的
により、図には示さない適宜の移動機構により切り替わ
るように設定されている。図2に示すように大きな被検
体は,大型被検体ステージ7に設置された構成となる。
大型被検体Bは大型被検体ステージ7によって、y方向
と被検体の回転軸とが一致するように設定される。これ
により水平方向のビームサイズ150mm以内の断面の
観察が可能となる。本実施例のような光学系では水平方
向の拡大は行われることはないので、被検体Bを透過
し、被検体Bの波長1.54オングストロームのX線の
吸収係数に依存した強度を有する、x方向の広がり15
0mmのX線束が、非対称反射結晶素子3の(551)
面で回折され、二次元X線検出器20で断面方向(水平
方向)に検出走査され、投影データとして収集される。
する場合について説明する。高分解能用被検体ステージ
6及び大型被検体ステージ7は、観察する被検体の目的
により、図には示さない適宜の移動機構により切り替わ
るように設定されている。図2に示すように大きな被検
体は,大型被検体ステージ7に設置された構成となる。
大型被検体Bは大型被検体ステージ7によって、y方向
と被検体の回転軸とが一致するように設定される。これ
により水平方向のビームサイズ150mm以内の断面の
観察が可能となる。本実施例のような光学系では水平方
向の拡大は行われることはないので、被検体Bを透過
し、被検体Bの波長1.54オングストロームのX線の
吸収係数に依存した強度を有する、x方向の広がり15
0mmのX線束が、非対称反射結晶素子3の(551)
面で回折され、二次元X線検出器20で断面方向(水平
方向)に検出走査され、投影データとして収集される。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、X
線源として平行度が高い白色X線(例えばシンクロトロ
ン放射光)から単結晶等を利用して任意の波長で単色化
および拡大を行うことにより、高分解能および高コント
ラストな断層像を得る単色X線CT装置において、X線
の偏光性による強度減少、選択波長や結晶格子面の選択
の制限に関係せずに、微小な被検体を観察する際には高
分解能なCT画像が得られ、また大きな被検体のCT画
像も得ることができるX線CT装置を実現することがで
きる。これにより工業材料、生体などの検査に大きく寄
与する等の利点を有している。
線源として平行度が高い白色X線(例えばシンクロトロ
ン放射光)から単結晶等を利用して任意の波長で単色化
および拡大を行うことにより、高分解能および高コント
ラストな断層像を得る単色X線CT装置において、X線
の偏光性による強度減少、選択波長や結晶格子面の選択
の制限に関係せずに、微小な被検体を観察する際には高
分解能なCT画像が得られ、また大きな被検体のCT画
像も得ることができるX線CT装置を実現することがで
きる。これにより工業材料、生体などの検査に大きく寄
与する等の利点を有している。
【図1】本発明の単色X線CT装置の一実施例による構
成例を示す斜視図である。
成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の上記単色X線CT装置において、大き
な被検体を観察する場合の構成例を示す斜視図である。
な被検体を観察する場合の構成例を示す斜視図である。
【図3】従来の単色X線CT装置の構成を示す図であ
る。
る。
【図4】従来の単色X線CT装置における非対称単結晶
素子により入射X線を単色・拡大する原理を説明するた
めの上記非対称単結晶素子の部分拡大図である。
素子により入射X線を単色・拡大する原理を説明するた
めの上記非対称単結晶素子の部分拡大図である。
1 白色で平行なX線 2 結晶分光器 2a,2b 結晶分光器の単結晶 3 非対称反射単結晶素子 4 二次元X線検出器 5 コリメータ 6 高分解能用被検体ステージ 7 大型被検体ステージ 8 単色X線束 11 入射X線 12a,12b 結晶分光器の単結晶 13 非対称反射単結晶素子 14 X線検出器 20 結晶表面 30 結晶の回折面 50 被検体 A 微小被検体 B 大型被検体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 泰昭 相模原市淵野辺5−10−1 新日本製鐵株 式会社エレクトロニクス研究所内 (72)発明者 林 一雄 相模原市淵野辺5−10−1 新日本製鐵株 式会社エレクトロニクス研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 指向性が強い白色X線から任意の波長を
取り出すX線分光器と、被検体を走査・回転することが
できる被検体ステージと、二次元X線検出器と、該二次
元X線検出器からの信号の収集,X線分光器及び前記被
検体の位置制御を行うコンピュータと、CT画像再構成
用のソフトウェアまたはハードウェアからなる単色X線
CT装置において、 指向性が強い白色X線の直進偏光ベクトルの方向をx方
向、x方向に垂直な方向をy方向として、前記被検体後
方に、該被検体を透過した透過X線をy方向に回折する
非対称反射単結晶素子を設け、 x方向あるいはy方向に検出走査を行いかつ検出領域が
任意に変化できる二次元X線検出器を設け、 被検体を透過した二次元投影像を前記非対称反射単結晶
素子で回折させた後、前記二次元X線検出器で検出する
際に、微小な被検体を高分解能な断層像で観察するx方
向と被検体の回転軸とを一致させる高分解能用被検体ス
テージと、 x方向にX線ビームをコリメートする手段と、を設けた
ことを特徴とする単色X線CT装置。 - 【請求項2】 大きな被検体を観察する際に、上記y方
向とその被検体の回転軸とを一致させる大型被検体ステ
ージを設け、上記高分解能用被検体ステージと該大型被
検体ステージを適宜切り替える移動手段を設けたことを
特徴とする請求項1記載の単色X線CT装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044505A JPH06235704A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 単色x線ct装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044505A JPH06235704A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 単色x線ct装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06235704A true JPH06235704A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12693414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5044505A Withdrawn JPH06235704A (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 単色x線ct装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06235704A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0961379A (ja) * | 1995-08-25 | 1997-03-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 軟x線断層撮影法 |
WO2004010125A1 (ja) * | 2002-07-18 | 2004-01-29 | Hitachi Zosen Corporation | X線検査装置およびx線検査方法 |
EP3723103A1 (en) | 2019-04-09 | 2020-10-14 | European XFEL GmbH | Method and apparatus for x-ray shaft expansion and/or compression and/or collimation and/or focusing and/or x-ray magnification |
KR20210138260A (ko) * | 2020-05-12 | 2021-11-19 | 경북대학교 산학협력단 | 방사광 기반 단색 x-선 대면적 ct 영상 장치 |
-
1993
- 1993-02-09 JP JP5044505A patent/JPH06235704A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0961379A (ja) * | 1995-08-25 | 1997-03-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 軟x線断層撮影法 |
WO2004010125A1 (ja) * | 2002-07-18 | 2004-01-29 | Hitachi Zosen Corporation | X線検査装置およびx線検査方法 |
EP3723103A1 (en) | 2019-04-09 | 2020-10-14 | European XFEL GmbH | Method and apparatus for x-ray shaft expansion and/or compression and/or collimation and/or focusing and/or x-ray magnification |
KR20210138260A (ko) * | 2020-05-12 | 2021-11-19 | 경북대학교 산학협력단 | 방사광 기반 단색 x-선 대면적 ct 영상 장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000509 |