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JPH06228075A - 光学活性シアノヒドリン誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性シアノヒドリン誘導体の製造方法

Info

Publication number
JPH06228075A
JPH06228075A JP5340065A JP34006593A JPH06228075A JP H06228075 A JPH06228075 A JP H06228075A JP 5340065 A JP5340065 A JP 5340065A JP 34006593 A JP34006593 A JP 34006593A JP H06228075 A JPH06228075 A JP H06228075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optically active
substituted
phenyl
alkoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5340065A
Other languages
English (en)
Inventor
Johannes Brussee
ヨハネス・ブルゼー
Der Gen Arne Van
アルネ・バン・デル・ゲン
Erwin G J C Warmerdam
エルビン・ジー・ジエイ・シー・バルメルダム
Chris G Kruse
クリス・ジー・クルゼ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Duphar International Research BV
Original Assignee
Duphar International Research BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Duphar International Research BV filed Critical Duphar International Research BV
Publication of JPH06228075A publication Critical patent/JPH06228075A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C253/00Preparation of carboxylic acid nitriles
    • C07C253/30Preparation of carboxylic acid nitriles by reactions not involving the formation of cyano groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/07Optical isomers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光学活性なシアノヒドリンの簡便な製造方法
を提供する。 【構成】 反対の立体配置を有する光学活性シアノヒド
リンから光学活性シアノヒドリンカルボン酸エステルを
製造するに際して、R又はS配置の一般式Iのシアノヒ
ドリンをジアルキルアゾジカルボキシレート及びトリア
リールフオスフインの存在下カルボン酸を用いて、反対
の主体配置の一般式IIIのシアノヒドリンカルボン酸エ
ステルに転換する。さらに、その立体配置を保持しつ
つ、得られるエステルを次いで加溶媒分解して反対の立
体配置の光学活性シアノヒドリンを製造する。一般式II
Iの化合物の具体例には(S)−α−(4−ニトロフェ
ニルアセトキシ)ベンゼンアセトニトリルがあり、この
化合物は一般式Iの化合物の具体例である(R)−α−
ヒドロキシベンゼンアセトニトリルを4−ニトロフェニ
ル酢酸を用いて転換して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反対の立体配置(opp
osite configuration)の光学活性
シアノヒドリンから光学活性シアノヒドリン誘導体を製
造する方法に関する。シアノヒドリン類は例えばヒト又
は獣に適用するための薬学的組成物において、又は作物
保護剤において用いることができる生物学的に活性な物
質の製造のための、用途の広い出発化合物又は中間体で
ある。種々のかかる活性物質はそれらの分子構造中に1
又はそれ以上のキラール中心(chiral cent
er)を含有し、それ故光学異性体が生起する。しばし
ばエナンチオマーの一方のみが所望の生物学的活性を示
すことが当該技術分野では一般的に知られている。組成
物又は薬剤中に他の光学的反対物が存在すると或る副作
用を引きおこしたり、活性化したりすることがあって受
容者即ち人又は動物体又は環境それぞれに重荷を負わせ
ることがある。いわゆるオウトマー(eutomer)
といわれる、特異的に所望の生物学的活性を発現する実
質的に単一の光学異性体の状態にある、生物学的活性物
質を投与し、いわゆるジストマー(distomer)
といわれる、他の異なる挙動を示す反対物をも相当量含
有する光学異性体の混合物の形態で投与しないことが望
ましいと益々一般的に見なされている。シアノヒドリン
類は、例えば液晶の如き高いエナンチオマー的純度が必
要とされる他の技術的に重要な材料の製造のためにも用
いることができる。
【0002】上記と関連して、生物学的活性物質の製造
のための出発化合物又は合成用組立て素材(buill
ing block)としての要望がこれらの化合物に
対して増大しているのを反映して、光学活性シアノヒド
リン類を製造する分野における発表の数が増大してい
る。数十年前から、対応するカルボニル化合物にシアン
化水素を立体選択的(stereoselectiv
e)に付加することによる特定の光学活性シアノヒドリ
ン類の形成を、一群のヒドロキシニトリルリアーゼ(l
yases)が触媒することが既に知られている。しか
しながら、入手容易な酵素であるマンデロニトリルリア
ーゼ[mandelonitrile lyase(R
‐オキシニトリラーゼ(R‐oxynitrilas
e)、E.C.4.1.2.10)]をバイオ触媒(b
iocatalyst)として用いて生成された、特定
の立体配置(一般的にR‐立体配置)を有する光学活性
シアノヒドリンは通常十分に利用可能であるが、光学的
反応物(一般的にS‐立体配置を持つ)のシアノヒドリ
ンの合成は、例えばソルガム(Sorghum)からの
S−オキシニトリラーゼの如き、必要なバイオ触媒の入
手が制限されること、及びそれらの基質特異性が狭いこ
とから、困難である。それ故、立体配置の逆転(inv
ersion)のための、より具体的には容易に入手し
うる特定の立体配置のシアノヒドリン類をそれらの光学
的対掌体(optical antipodes)又は
その誘導体に化学的に逆転するための方法を見出すこと
は相当興味のあることである。
【0003】
【従来の技術】これに関し、最近エッフエンバーガーら
(Effenbergerら)はα−スルフオニルオキ
シニトリル類への転換を経由してこの立体配置の逆転を
達成する試みを報告した:Angew.Chem.,1
991,103,866−867;DE‐A‐4103
201。光学活性シアノヒドリンに存在する水酸基を良
好な脱離基、即ちスルフォニルオキシ基に転換すること
により、エッフェンベルガーと協力者は満足する結果を
得た。飽和脂肪族アルデヒド類から誘導された光学活性
α‐スルフオニルオキシニトリル類を適切な親核試薬
(nucleophiles)と反応させる場合は、確
かに配置の逆転がみられた。このようにして、親核試薬
としてアセテート陰イオンを用いて(R)-2-ヒドロキ
シ-バレロニトリルを対応するトシレートを経由して
(S)-2-アセトキシ-バレロニトリルに転換すること
ができた。該著者はこの結果から、この例では親核的置
換は独占的にSN2-機構によってだけで起っていると結
論している。しかしエッフエンバーガーらは芳香族シア
ノヒドリン類特にR-マンデロニトリルを基質として用
いたとき、立体配置の逆転のかわりにラセミ化を観察し
た。そのように明らかにその場合には、反対の立体配置
のシアノヒドリン誘導体は得られない。更に中間体のα
-スルフオニルオキシニトリル類はかなり不安定であ
り、それがそれらの精製を難しくし、それ故目的の転換
を実際に現実化する障害となる。
【0004】或る種のヒドロキシ化合物、例えばse
c.アルコール類の立体配置(configurati
on)の逆転が、ジエチルアゾジカルボキシレート及び
トリフェニルフオスフインの存在下でエステル化反応す
ることにより達成することができることは、例えばSy
nthesis、1981、1−28のミツノブ(Mi
tsunobu)のレビューに十分述べられている。ミ
ツノブ反応もSN-2反応機構を介して生起し、広範囲に
研究され、文献に記載されている[例えばヒユーズら
(Hughes et al.),J.Am.Che
m.Soc.,1988,110,6487−649
1;キャンプら(Camp et al.),J.Or
g.Chem.,1989,54,3045−305
4)。それ故エッフェンバーガーらにより記載された上
記転換反応とミツノブ反応との間には機構的関連が存在
する。しかし現在まで、シアノヒドリン類の立体配置の
逆転のためにミツノブ・エステル化反応を用いる試みは
全く報告されていない。コラサら(Kolasa et
al.)(J.Org.Chem.,1987,
,4978−4984)はミツノブ条件下でラセミ体
のマンデロニトリルを処理した。彼らは、おそらくいく
らかのマンデロニトリルの酸化により形成されたエステ
ル(61)の生成を観察した。比較的酸性のα‐プロト
ンを持つα‐ヒドロキシカルボニル化合物をミツノブ条
件下で処理すれば、かかる酸化反応が容易に発生するこ
とは明らかである。
【0005】上記の落胆させる結果にもかかわらず、エ
ッフェンバーガーらの逆転反応において成功した基質と
して知られた、飽和脂肪族アルデヒドから誘導された光
学活性シアノヒドリン類を、反対の立体配置のシアノヒ
ドリンカルボン酸エステルに転換させる試みがなされ
た。しかし驚くべきことに、期待した反対の立体配置の
シアノヒドリンカルボン酸エステルは得られず、かえっ
て立体配置が変化していないシアノヒドリンカルボン酸
エステルが得られることが、これらの実験から明らかと
なった。そのように所望の立体配置の逆転は明らかに生
起せず、上記ミツノブ・エステル化反応によっては意図
した立体配置の逆転は進行しなかったという結論になら
ざるを得ない。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかし予想に反し、エッフェ
ンバーガーらの転換反応においては不適当であるベンジ
ル性(benzylic)又はアリル性(allyli
c)基質を用いると、ミツノブ・エステル化反応条件下
でシアノヒドリン類の立体配置の逆転が達成しうること
がここに見出された。
【0007】
【課題を解決する方法】かくして本発明は、R又はS配
置を有する下記一般式
【0008】
【化7】
【0009】式中 R2は、ハロゲン、(C1−C4)ア
ルキル、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル、フェニ
ル、フェノキシ、(C1−C4)アルコキシ及びシアノか
らなる群から選ばれる1又はそれ以上の置換基で置換さ
れていてもよい、単環式又は二環式アリール又はヘテロ
アリール基であり、但し、アルコキシ置換基はパラ位に
位置せず;又はR2はアルケニル又はアルキニル基であ
り、該基は上記定義の群から選ばれる置換基で置換され
ていてもよい単環式又は二環式アリール又はヘテロアリ
ール基で置換されていてもよく、或いは直鎖状若しくは
分岐鎖状の(C1−C8)アルキル基又は(C2−C8)ア
ルケニル基で置換されていてもよく、ここで該アルキル
又はアルケニル基はハロゲン、(C1−C4)アルコキ
シ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキ
ルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、シアノ、ニト
ロ、フェニル、フェノキシ、(C3−C6)シクロアルキ
ル並びに置換されたフェニル及びにフェノキシ(ここ
で、置換基はハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1
−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1
−C2)アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、フェノ
キシ及びフェニルから選ばれる)からなる群から選ばれ
る1又はそれ以上の置換基で置換されていてもよい;で
表わされる光学活性シアノヒドリンを、ジ(C1−C4
アルキルアゾジカルボキシレート及びトリアリールホス
フィンの存在下、下記一般式
【0010】
【化8】
【0011】式中、R1は直鎖状若しくは分岐鎖状の、
飽和又は不飽和の、非環式(acyclic)又は環式
の(C1−C12)炭化水素基であって、該基はハロゲ
ン、(C1−C4)アルコキシ、フェニル及び置換フェニ
ル(ここで置換基は(C1−C4)アルキル、(C1
4)アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハ
ロアルキル及びシアノから選ばれる)からなる群から選
ばれる1又はそれ以上の置換基で置換されていてもよ
く;又はR1は、(C1−C4)アルキル、(C1−C4
アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアル
キル及びシアノから選ばれる1又はそれ以上の置換基で
置換されていてもよい、単環式又は二環式アリール又は
ヘテロアリールである;で表わされるカルボン酸を用い
て転換し、下記一般式
【0012】
【化9】
【0013】式中、記号は上記の意味を有する、を有す
る反対の立体配置(opposite configu
ration)の光学活性シアノヒドリンカルボン酸エ
ステルを生成せしめることを特徴とする、反対の立体配
置の光学活性シアノヒドリンから光学活性シアノヒドリ
ン誘導体を製造する方法に関する。
【0014】本発明の上記方法を用いる際、反対の立体
配置の所望の光学活性シアノヒドリンカルボン酸エステ
ルは高い収率及びエナンチオマー的純度で得ることがで
き、90%を超えるe.e.(エナンチオマー的過剰:
enantiomericexcess)値が容易に到
達できる。
【0015】置換基R2についての適切な単環式又は二
環式(ヘテロ)アリール基の例は、フェニル、ナフチ
ル、ピリジル、フリル及びキノリルである。置換基R1
については下記の単環式又は二環式(ヘテロ)アリール
基を考えることができる:フェニル、ナフチル、フリ
ル、ピリジル、キノリル、チエニル及びピロリル。該
(ヘテロ)アリール基は、好ましくは1〜3個の置換
基、又はハロゲン置換基の場合最大5個のハロゲン置換
基で置換されていてもよい。
【0016】ジエチルアゾジカルボキシレート(die
thyl azodicarboxylate)及びト
リフェニルフォスフィンは本発明のミツノブ・エステル
化反応(Mitsunobu esterificat
ion)を達成するために好ましく用いられる。無水の
非プロトン性(aprotic)溶媒、例えばテトラヒ
ドロフランの如きエーテル類は、通常のミツノブ条件下
でのエステル化反応のために適している(例えばミツノ
ブの上記レビュー参照)。
【0017】本発明の方法は、より具体的には酵素マン
デロニトリルリアーゼ(mandelonitrile
lyase)を用いて十分利用可能である光学活性シ
アノヒドリン類を反対の立体配置の光学活性シアノヒド
リンカルボン酸エステル類に転換することを意図してい
る。結局、本発明の方法は、作物保護特に殺虫剤として
有利な見込みをもつ、又は液晶において用いるための、
又は他の生物学的活性物質を製造するためのシントン
(synthon)として有望な可能性を有する、容易
に利用できないシアノヒドリンカルボン酸エステルのエ
ナンチオマーを合成するための簡便な手段である。 よ
り詳細には、本発明の方法は下記一般式
【0018】
【化10】
【0019】式中、R2′はハロゲン、(C1−C4)ア
ルキル、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル、フェニ
ル、フェノキシ及びシアノからなる群から選ばれる1−
3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であ
り;又はR2′はピリジル基であり;又はR2′は(C1
−C4)アルキル、フェニル又は置換フェニル(ここ
で、置換基は上記定義の基から選ばれる)で置換されて
いてもよいビニル基である、で表わされる光学活性シア
ノヒドリンを、上記に定義されたミツノブ条件下、前に
示され、且つR1が上記1にて与えられた意味を有する
一般式IIのカルボン酸を用いて転換することに関す
る。
【0020】本発明のミツノブ・エステル化反応におけ
る基質として用いることができる光学活性シアノヒドリ
ン類の好適例は、ベンズアルデヒドのシアノヒドリン類
の、及びクロロベンズアルデヒド、フルオロベンズアル
デヒド、トルアルデヒド、ジクロロベンズアルデヒド、
ジフルオロベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒ
ド、トリフルオロメチルベンズアルデヒド、ニトロベン
ズアルデヒド、フェノキシベンズアルデヒド及びシアノ
ベンズアルデヒドの種々の位置異性体のシアノヒドリン
類のエナンチオマーである。同じように有用なのは、ク
ロトンアルデヒド及びシンナムアルデヒドのシアノヒド
リン類のエナンチオマーである。
【0021】反対の立体配置を有する光学活性シアノヒ
ドリン類からミツノブ・エステル化反応によって得るこ
とができる、種々の光学活性シアノヒドリンカルボン酸
エステルエナンチオマーは新規である。それ故本発明は
またS配置を有する下記一般式
【0022】
【化11】
【0023】式中、R2は前に与えられた意味を有し、
1′は置換されていてもよいフェニル又はベンジル基
であり、ここで該置換基はメチル、メトキシ、塩基、フ
ッ素、トリフルオロメチル、シアノ及びニトロからなる
群から選ばれる;但しもしR2が2-フリルである場合に
はR1′は非置換ベンジルではない、を有する、実質的
にエナンチオマー的に純粋な光学活性シアノヒドリンカ
ルボン酸エステルに関する。上記式VIIIの化合物の
中で好ましいものは、R1′がパラ位に位置する上記定
義の置換基の1つで置換されたフェニル又はベンジルで
ある。
【0024】ワルドマン(Waldman)による発表
(Tetrahedron Lett.30,198
9,3057−3058)に、(S)-α-(フェニルア
セトキシ)(2-フラン)アセトニトリルが記載されて
いる。
【0025】これらの新規なシアノヒドリンカルボン酸
エステルのエナンチオマーは、一般的に好ましい物理的
特性を有しており、それ故比較的に容易に且つ単純な精
製法、例えば再結晶、により高いエナンチオマー過剰即
ち少くとも95%の製品に到達することができることが
判った。
【0026】本発明による上記定義の新規光学活性シア
ノヒドリンカルボン酸エステルの顕著に適した具体例は
以下の結晶性化合物である: (S)-α-(4-ニトロフェニルアセトキシ)ベンゼン
アセトニトリル、融点89−90℃;(S)-2-(4-
ニトロフェニルアセトキシ)ペンテンニトリル、融点7
1℃;(S)-α-(4-ニトロベンゾイルオキシ)ベン
ゼンアセトニトリル;及び(S)-2-(4-ニトロベン
ゾイルオキシ)ペンテンニトリル。
【0027】ミツノブ・エステル化反応の生成物、即ち
反対の立体配置の光学活性シアノヒドリンカルボン酸エ
ステルを、もちろん立体配置(configurati
on)を保持したまま、遊離(free)の、又は保護
されていないシアノヒドリンに転換することができるこ
とが更に好ましい。かかる“遊離”のシアノヒドリンも
例えば生物学的活性物質の製造のための多目的なシント
ン(snython)と見ることができ、又は有用な製
品の合成のためにより安定な中間体に転換することもで
きる。例えばエステル官能(基)はしばしば、LiAlH
4やDIBALを用いた還元反応及びグリニヤー反応の
如き、引きつづき所望される種々のシアノヒドリンの変
換反応に適合しないことがある。エステル官能基の塩基
性加水分解は、得られるシアノヒドリンが塩基に不安定
であるため、この場合実行可能ではない。それ故酸性条
件下での加溶媒分解のみが考えられる。しかしかかる条
件下ではシアノ基が加溶媒分解に敏感となる。本発明の
特別の側面として、適切な酸性条件下、(環式)脂肪族
及び芳香脂肪族カルボン酸から誘導されたシアノヒドリ
ンカルボン酸エステルが、実質的ラセミ化が存在しない
加溶媒分解を可能とすることが見出された。それで光学
活性シアノヒドリン類のミツノブ・エステル化反応にお
いて、これらの好ましいカルボン酸を用いることによ
り、続行する加溶媒分解における立体配置の保持が確実
となり、結果的に出発物質のシアノヒドリンをミツノブ
・エステル化反応と続行の加溶媒分解を経て所望のシア
ノヒドリン反対物(antipode)に簡便に転換す
ることができる。
【0028】上記観点から本発明のシアノヒドリン類の
ミツノブ・エステル化反応において好ましいのは下記一
般式
【0029】
【化12】
【0030】式中、Rは直鎖状若しくは分岐鎖状の、
飽和又は不飽和の、非環式(acyclic)又は環式
(C1−C12)炭化水素基であって、該基はハロゲン、
(C1−C4)アルコキシ、フェニル及び置換フェニル
(ここで置換基は(C1−C4)アルキル、(C1−C4
アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアル
キル及びシアノから選ばれる)からなる群から選ばれる
1又はそれ以上の基で置換されていてもよい、で表わさ
れるカルボン酸である。
【0031】より詳細にはかかる好ましいカルボン酸は
下記一般式
【0032】
【化13】
【0033】式中、R3′は直鎖状若しくは分岐鎖状の
(C1−C6)アルキル基、シクロヘキシル基、又は(C
1−C4)アルコキシ、フェニル、ジフェニル又は置換フ
ェニル(ここで置換基はメチル、メトキシ、塩基、フッ
素、トリフルオロメチル及びニトロからなる群から選ば
れる)で置換されたメチルである、で表わすことができ
る。
【0034】しかし別法としては、種々の続行する変換
反応(transformation)に適しており、
且つそれ故エステル官能(基が)シアノヒドリン部分
(moiety)のための十分安定な保護基と見ることができ
るシアノヒドリンカルボン酸エステルを、ミツノブ反応
により得るのが有利でありうる。かかる考え方から、本
発明のミツノブ・エステル化反応において下記式
【0035】
【化14】
【0036】式中、R4、R5及びR6は互いに独立に、
(C1−C4)アルキル、フェニル又はメチル、メトキ
シ、ニトロ、ハロゲン及びシアノから選ばれる1又はそ
れ以上の置換基で置換されたフェニルであり;又はR4
がメチルであって、R5とR6はそれらが結合しているC
-原子と一緒にシクロヘキシル基を形成し;又はR4、R
5及びR6はそれらが結合しているC-原子と一緒にアダ
マンチル又はビシクロオクチル基を形成する、で表わさ
れるカルボン酸を用いるのが望ましいことがある。
【0037】最後に本発明は、ミツノブ・エステル化反
応に加えて、上記定義の(環式)脂肪族又は芳香脂肪族
カルボン酸を用いること、得られたカルボン酸エステル
の立体配置を保持しつつ酸性加溶媒分解する反応工程を
有してなる、反対配置(antipode)の光学活性
シアノヒドリンから光学活性シアノヒドリンを得る方法
に関する。 酸性条件下での上記加溶媒分解は、好ましくはメタノー
ル又はエタノールの如きプロトン性(protic)有
機溶媒中で、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン
酸又はポリマー性スルホン酸の如きスルホン酸の影響下
に実施することが最善であることが判った。このような
条件下加溶媒分解はスムーズにおこり、ラセミ化もおこ
らず所望の生成物、即ち所望の“遊離”のシアノヒドリ
ンを与え、且つ全ての官能基が変化せずに残ることが証
明された。
【0038】下記の特定の実施例を参照して本発明をよ
り詳細に説明する。
【0039】
【実施例】
実施例Iミツノブ・エステル化反応 (S)-α-(4-ニトロフェニルアセトキシ)ベンゼン
アセトニトリル(1)の製造 75mlの乾燥THF中の6.7g(50mmol)の
(R)-α-ヒドロキシベンゼンアセトニトリルの溶液
に、窒素下、14.4g(55mmol)のトリフェニ
ルホスフイン及び13.6g(75mmo.l)の4-ニ
トロフェニル酢酸を加える。該混合物を−10℃に冷却
し、その後THF中の8.6ml(55mmol)のジ
エチルアゾジカルボキシレート(全容積25ml)を3
0分で滴加する。更に−10℃で15分経過後、該混合
物を室温で4時間撹拌し、200mlのジエチルエーテル
で希釈し、順次飽和炭酸ナトリウム溶液(50ml)及
び飽和食塩水(50ml)で洗う。硝酸マグネシウム上
で乾燥後、溶媒を真空下蒸発する。粗生成物をジクロロ
メタン/ヘキサン(1/1)から再結する。収率75
%。融点89−90℃。
【0040】[α]D 20 :+11.5°(c=1、CHC
3);e.e.=99%。
【0041】1H-NMR:δ(ppm)3.84(s,
2H,COC 2Ph);6.43(s,1H,PhC
CN);7.44(d,J=8.7Hz, 2H);7.4
7(m,5H);8.20(d,J=8.7Hz,2
H)。
【0042】13C-NMR:δ(ppm)168.31
(CO);147.14(arom);139.61(a
rom);131.05(arom);130.44(a
rom);130.20(arom);129.12(a
rom);127.69(arom);123.63(a
rom);115.63(CN);63.45(HC
N);39.86(CO2)。
【0043】IR:3035、2920、2240、1
750、1600、1510、1340、1140、7
50、715cm-1
【0044】対応したやり方で、(S)-2-(4-ニト
ロフェニルアセトキシ)ペンテンニトリル(2)を製造
する。生成物はジクロロメタン/ヘキサン(1/1)か
ら再結する。収率70%。融点71℃。
【0045】[α]D 20:+15.5°(c=1、CHC
3);e.e.=98%。
【0046】1H-NMR:δ(ppm)1.81(d,
3H,C 3CH);3.82(s,2H,COC 2
h);5.58(m,1H,CH3CHC);5.81
(d,1H,CHCN);6.16(m, 1H,C
3);7.46(d,J=8.7Hz,2H);8.22
(d,J=8.7Hz,2H)。13 C-NMR:δ(ppm)168.25(CO);14
6.86(arom);139.84(arom);13
5.84(HCHCN);130.12(arom);
123.34(arom);120.54(HC
3);115.19(CN);61.82(HC
N);39.63(CO2);17.26(CH3)。
【0047】IR:3060、2940、2240、1
745、1600、1510、1350、1210、1
140、970、720cm-1
【0048】対応するやり方で次の化合物が製造され
る: 番号 化合物 (3)(S)-α-アセトキシ-ベンゼンアセトニトリル (4)(S)-α-ベンゾイルオキシ-ベンゼンアセトニ
トリル (5)(S)-α-(4-メトキシベンゾイルオキシ)ベ
ンゼンアセトニトリル (6)(S)-α-(4-ニトロベンゾイルオキシ)ベン
ゼンアセトニトリル (7)(S)-α-メトキシアセトキシ-ベンゼンアセト
ニトリル (8)(S)-α-フェニルアセトキシ-ベンゼンアセト
ニトリル (9)(S)-α-ジフェニルアセトキシ-ベンゼンアセ
トニトリル (10)(S)-α-(4-メトキシフェニルアセトキシ)
ベンゼンアセトニトリル (11)(S)-2-(4-ニトロベンゾイルオキシ)ペン
テンニトリル 収率(精製後)、エナンチオマー過剰及び比旋光度は以
下のとおりである:
【0049】
【表1】
【0050】上記実験と比較して、いくつかの飽和脂肪
族シアノヒドリンが上記と対応するやり方で転換され
る:−フェニル酢酸を用いた(R)-2-ヒドロキシペン
タンニトリルのミツノブ・エステル化反応により得られ
た生成物を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1/
9)を用いるフラッシュ・カラム・クロマトグラフィー
で精製する。生成物が無色油状物として得られる。収率
60%。
【0051】生成物は1H-NMR、13C-NMR及びI
Rスペクトル分析で同定する。その物理データはR-配
置が存在することを示し、生成物は(R)-(フェニル
アセトキシ)ペンタンニトリルと同定される。[α]D
20:+61.2°(c=1、CHCl3)、e.e.85
%;沸点137℃/1.5mmHg。該生成物は乾燥ピ
リジン中で無水フェニル酢酸を用いて(R)-2-ヒドロ
キシ-ペンタンニトリルをエステル化した生成物と同一
である。
【0052】−上記の4-ニトロフェニル酢酸を用いた
(R)-2-ヒドロキシ-ペンタンニトリルのミツノブ・
エステル化反応は、同じく配置を保持したまま(R)-
(4-ニトロフェニルアセトキシ)ペンタンニトリルを
与える。精製後収率70%;e.e.85%;[α]D
20:+51.6°。
【0053】実施例II加溶媒分解 (S)-α-(4-ニトロフェニルアセトキシ)ベンゼン
アセトニトリル(1)の加溶媒分解 7.35g(25mmol)の上記化合物(1)を40
mlのメタノールと100mlのジクロロメタンの混合
物に溶解し;25mmolのメタンスルホン酸を添加す
る。反応混合物を周囲温度で2日間撹拌し、その後90
%(NMR)の加溶媒分解が観察される。水を添加し、
生成物をジクロルメタン(2×50ml)で抽出する。
有機層を合体し、食塩水(2×25ml)で洗い、硫酸
マグネシウム上で乾燥し、真空下蒸発する。
【0054】粗生成物をtert.-ブチルジメチルシリルク
ロライドを用いて以下のようにしてシリル化する:無水
DMF75ml中の3.5g(50mmol)イミダゾ
ール溶液を0℃に冷却し、4.5g(30mmol)の
TBSClを加える。15分間撹拌後、上記の粗製加溶
媒分解生成物(25mmol)を加え、得られた混合物
を室温で1時間撹拌し、150mlの水に注入し、ジエ
チルエーテルで抽出する。後処理で黄色油状物が得ら
れ、それをシリカゲルを含有するヘキサンと1時間撹拌
し、その後、固体を濾別し、冷却ヘキサンで洗う。有機
層を濃縮して無色油状物を得る。収率70%。
【0055】[α]D 20:−17.5°(c=1、CHC
l3);e.e.96.5%(HPLC)。1H-NMR:
δ(ppm)0.02(s,3H,CH3Si);0.10
(s,3H,CH3Si);0.84(s,9H,tB
u);5.38(s,1H,CHCN);7.28(m,
5H,芳香族)。
【0056】13C-NMR:δ(ppm)136.31
(arom);128.98(arom);128.66
(arom);125.85(arom);119.02
(CN);63.74(OTBS);22.32((C
3)3);17.90(SiC);−5.34((CH3)2
i)。
【0057】IR:2920、1670、1460、1
260、1195、1100、940、840cm-1
【0058】シリル化された対応の(R)-エナンチオ
マーは文献公知である[ブラッセら(Brussee
et al.)、Tetrahedron 1990,
46,979−986]。
【0059】このエナンチオマーは+17°(c=1、
CHCl3)の[α]D 20を有する。上記データは生成し
たシリールエーテルは(S)-α-[(tert.-ブチル
ジメチルシリル)オキシ]ベンゼン-アセトニトリルで
あること、及び、従ってシリル化前の加溶媒分解生成物
は(S)-α-ヒドロキシベンゼンアセトニトリルである
ことを示している。
【0060】対応するやり方で、(S)-2-(4-ニト
ロフェニルアセトキシ)ペンテニトリル(2)を加溶媒
分解して(S)-2-ヒドロキシペンテンニトリルとし、
それをtert.-ブチルジフェニルシリルクロライド
(TBDPSCl)を用いて上記と同様にしてシリル化
する。得られた油状物を、溶離液としてジクロロメタン
/ヘキサン(1/1)を用いるフラッシュ・クロマトグ
ラフィーで精製する。収率75%。
【0061】[α]D 20:+4.1°(c=1、CHC
l3)、e.e.96.5%。
【0062】1H-NMR:δ(PPM)1.09(s,
9H,tBu);1.68(d,3H,C 3CH);
4.75(d,1H,CHCN);5.54(m,1H,
CHCH(O)CN);5.70(m,1H,CH3
);7.41(m,6H,arom);7.68(m,
4H,arom)。
【0063】13C-NMR:δ(ppm)135.60
(C-4);131.90(SiC-arom);131.
52(SiC-arom);131.32(HCOTB
DPS);130.23(arom);130.14(a
rom);127.81(arom);127.72(a
rom);125.79(CH 3H);118.41
(CN);63.28(OTBDPS);26.51
((CH3)3);19.13(SiC);17.29(CH3
CH)。
【0064】IR:3060、3040、2930、2
850、1660、1590、1425、1100、1
050、960、820、740、700cm-1
【0065】シリル化された反応の(R)-エナンチオ
マーは−4.2の[α]D 20を示す。上記データは生成し
たシリルエーテルは(S)-2-[(tert.-ブチルジ
フェニルシリル)オキシ]ペンテンニトリルであり、従
って加溶媒分解生成物もS-配置を有することを示して
いる。
【0066】なお、本発明の主な特徴及び実施態様を示
せば以下のとおりである。
【0067】1.R又はS配置を有する下記一般式
【0068】
【化15】
【0069】式中、R2は、ハロゲン、(C1−C4)ア
ルキル、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル、フェニ
ル、フェノキシ、(C1−C4)アルコキシ及びシアノか
らなる群から選ばれる1又はそれ以上の置換基で置換さ
れていてもよい、単環式又は二環式アリール又はヘテロ
アリール基であり、但し、アルコキシ置換基はパラ位に
位置せず;又はR2はアルケニル又はアルキニル基であ
り、該基は上記定義の群から選ばれる置換基で置換され
ていてもよい単環式又は二環式アリール又はヘテロアリ
ール基で置換されていてもよいし、或いは直鎖状若しく
は分岐鎖状の(C1−C8)アルキル基又は(C2−C8
アルケニル基で置換されていてもよく、ここで該アルキ
ル又はアルケニル基はハロゲン、(C1−C4)アルコキ
シ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキ
ルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、シアノ、ニト
ロ、フェニル、フェノキシ、(C3−C6)シクロアルキ
ル並びに置換されたフェニル及びフェノキシ(ここで、
置換基はハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1
4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1
2)アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、フェノキ
シ及びフェニルから選ばれる)からなる群から選ばれる
1又はそれ以上の置換基で置換されていてもよい;で表
わされる光学活性シアノヒドリンを、ジ(C1−C4)ア
ルキルアゾジカルボキシレート及びトリアリールホスフ
インの存在下、下記一般式
【0070】
【化16】
【0071】式中、R1は直鎖状若しくは分岐鎖状の、
飽和又は不飽和の、非環式(acyclic)又は環式
の(C1−C12)炭化水素基であって、該基はハロゲ
ン、(C1−C4)アルコキシ、フェニル及び置換基フェ
ニル(ここで置換基は(C1−C4)アルキル、(C1
4)アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハ
ロアルキル及びシアノから選ばれる)からなる群から選
ばれる1又はそれ以上の置換基で置換されていてもよ
く;又はR1は、(C1−C4)アルキル、(C1−C4
アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアル
キル及びシアノから選ばれる1又はそれ以上の置換基で
置換されていてもよい、単環式又は二環式アリール又は
ヘテロアリールである;で表わされるカルボン酸を用い
て転換し、下記一般式
【0072】
【化17】
【0073】式中、記号は上記の意味を有する、を有す
る反対の立体対配置(opposite config
uration)の光学活性シアノヒドリンカルボン酸
エステルを生成せしめることを特徴とする、反対の立体
配置の光学活性シアノヒドリンから光学活性シアノヒド
リン誘導体を製造する方法。
【0074】2.下記一般式
【0075】
【化18】
【0076】式中、R2′はハロゲン、(C1−C4)ア
ルキル、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル、フェニ
ル、フェノキシ及びシアノからなる群から選ばれる1−
3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であ
り;又はR2′はピリジル基であり;又はR2′は(C1
−C4)アルキル、フェニル又は置換フェニル(ここ
で、置換基は上記定義の基から選ばれる)で置換されて
いてもよいビニル基である、で表わされる光学活性シア
ノヒドリンを、第1項に定義された条件下に、第1項に
示され、且つR1が第1項にて与えられた意味を有する
一般式IIのカルボン酸を用いて転換することを特徴と
する第1項の方法。
【0077】3.S配置を有する下記一般式
【0078】
【化19】
【0079】式中、R2は第1項記載の意味を有し、
1′は置換されていてもよいフェニル又はベンジル基
であり、ここで該置換基はメチル、メトキシ、塩基、フ
ッ素、トリフルオロメチル、シアノ及びニトロからなる
群から選ばれる;但しもしR2が2-フリルである場合に
はR1′は非置換ベンジルではない、を有する、実質的
にエナンチオマー的に純粋な光学活性シアノヒドリンカ
ルボン酸エステル。
【0080】4.R2が第1項に記載の意味を有する、
第1項に示された一般式Iの光学活性シアノヒドリン
を、第1項に定義された条件下に、下記一般式
【0081】
【化20】
【0082】式中、R3は直鎖状若しくは分岐鎖状の、
飽和又は不飽和の、非環式(acyclic)又は環式
(C1−C12)炭化水素基であって、該基はハロゲン、
(C1−C4)アルコキシ、フェニル及び置換フェニル
(ここで置換基は(C1−C4)アルキル、(C1−C4
アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアル
キル及びシアノから選ばれる)からなる群から選ばれる
1又はそれ以上の基で置換されていてもよい、で表わさ
れるカルボン酸を用いて転換することを特徴とする第1
又は2項の方法。
【0083】5.該カルボン酸が下記式
【0084】
【化21】
【0085】式中、R3′は直鎖状若しくは分岐鎖状の
(C1−C6)アルキル基、シクロヘキシル基、又は(C
1−C4)アルコキシ、フェニル、ジフェニル又は置換フ
ェニル(ここで置換基はメチル、メトキシ、塩基、フッ
素、トリフルオロメチル及びニトロからなる群から選ば
れる)で置換されたメチルである、を有する第4項の方
法。
【0086】6.R2が第1項記載の意味を有する、第
1項に示された一般式Iの光学活性シアノヒドリンを、
第1項に定義された条件下に、下記一般式
【0087】
【化22】
【0088】式中、R4、R5及びR6は互いに独立に、
(C1−C4)アルキル、フェニル又はメチル、メトキ
シ、ニトロ、ハロゲン及びシアノから選ばれる1又はそ
れ以上の置換基で置換されたフェニルであり;又はR4
がメチルであって、R5とR6はそれらが結合しているC
-原子と一緒にシクロヘキシル基を形成し;又はR4、R
5及びR6はそれらが結合しているC-原子と一緒にアダ
マンチル又はビシクロオクチル基を形成する、で表わさ
れるカルボン酸を用いて転換することを特徴とする第1
又は2項の方法。
【0089】7.第4項における如く転換反応を実施し
て、下記一般式
【0090】
【化23】
【0091】式中、R2は第1項に記載の意味を有し、
3は第4項記載の意味を有する、で表わされる光学活
性シアノヒドリンカルボン酸エステルを形成せしめ、そ
の後かくして得られる一般式IXの化合物を立体配置を
保持しつつ加溶媒分解することを特徴とする、反対の立
体配置の光学活性シアノヒドリンから光学活性シアノヒ
ドリンを製造する方法。
【0092】8.第5項における如く転換反応を実施し
て、下記一般式
【0093】
【化24】
【0094】式中、R2は第1項記載の意味を有し、
3′は第5項記載の意味を有する、で表わされる光学
活性シアノヒドリンカルボン酸エステルを形成せしめ、
その後かくして得られる一般式Xの化合物を立体配置を
保持しつつ加溶媒分解することを特徴とする第7項の方
法。
【0095】9.該加溶媒分解を、好ましくはプロトン
性(protic)有機溶媒中、硫酸の存在下に実施す
ることを特徴とする第7又は8項の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルネ・バン・デル・ゲン オランダ・ウエースプ・シージエイバンホ ウテンラーン36 (72)発明者 エルビン・ジー・ジエイ・シー・バルメル ダム オランダ・ウエースプ・シージエイバンホ ウテンラーン36 (72)発明者 クリス・ジー・クルゼ オランダ・ウエースプ・シージエイバンホ ウテンラーン36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R又はS配置を有する下記一般式 【化1】 式中、R2は、ハロゲン、(C1−C4)アルキル、ニト
    ロ、(C1−C4)ハロアルキル、フェニル、フェノキ
    シ、(C1−C4)アルコキシ及びシアノからなる群から
    選ばれる1又はそれ以上の置換基で置換されていてもよ
    い、単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール基で
    あり、但し、アルコキシ置換基はパラ位に位置せず;又
    はR2はアルケニル又はアルキニル基であり、該基は上
    記定義の群から選ばれる置換基で置換されていてもよい
    単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール基で置換
    されていてもよく、或いは直鎖状若しくは分岐鎖状の
    (C1−C8)アルキル基又は(C2−C8)アルケニル基
    で置換されていてもよく、ここで該アルキル又はアルケ
    ニル基はハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1
    4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、
    (C1−C4)ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、フェ
    ニル、フェノキシ、(C3−C6)シクロアルキル並びに
    置換されたフェニル及びフェノキシ(ここで、置換基は
    ハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロア
    ルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C2)アルキ
    レンジオキシ、ニトロ、シアノ、フェノキシ及びフェニ
    ルから選ばれる)からなる群から選ばれる1又はそれ以
    上の置換基で置換されていてもよい;で表わされる光学
    活性シアノヒドリンを、ジ(C1−C4)アルキルアゾジ
    カルボキシレート及びトリアリールホスフインの存在
    下、下記一般式 【化2】 式中、R1は直鎖状若しくは分岐鎖状の、飽和又は不飽
    和の、非環式(acyclic)又は環式の(C1−C
    12)炭化水素基であって、該基はハロゲン、(C1
    4)アルコキシ、フェニル及び置換フェニル(ここで
    置換基は(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキ
    シ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル及び
    シアノから選ばれる)からなる群から選ばれる1又はそ
    れ以上の置換基で置換されていてもよく;又はR1は、
    (C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、ハロ
    ゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル及びシアノか
    ら選ばれる1又はそれ以上の置換基で置換されていても
    よい、単環式又は二環式アリール又はヘテロアリールで
    ある;で表わされるカルボン酸を用いて転換し、下記一
    般式 【化3】 式中、記号は上記の意味を有する、を有する反対の立体
    配置(opposite configuratio
    n)の光学活性シアノヒドリンカルボン酸エステルを生
    成せしめることを特徴とする、反対の立体配置の光学活
    性シアノヒドリンから光学活性シアノヒドリン誘導体を
    製造する方法。
  2. 【請求項2】 S配置を有する下記一般式 【化4】 式中、R2は第1項に記載の意味を有し、R1′は置換さ
    れていてもよいフェニル又はベンジル基であり、ここで
    該置換基はメチル、メトキシ、塩基、フッ素、トリフル
    オロメチル、シアノ及びニトロからなる群から選ばれ
    る;但しもしR2が2-フリルである場合にはR1′は非
    置換ベンジルではない、を有する、実質的にエナンチオ
    マー的に純粋な光学活性シアノヒドリンカルボン酸エス
    テル。
  3. 【請求項3】 R2が請求項1記載の意味を有する、請
    求項1に示された一般式Iの光学活性シアノヒドリン
    を、請求項1に定義された条件下に、下記一般式 【化5】 式中、R3は直鎖状若しくは分岐鎖状の、飽和又は不飽
    和の、非環式(acyclic)又は環式(C1
    12)炭化水素基であって、該基はハロゲン、(C1
    4)アルコキシ、フェニル及び置換フェニル(ここで
    置換基は(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキ
    シ、ハロゲン、ニトロ、(C1−C4)ハロアルキル及び
    シアノから選ばれる)からなる群から選ばれる1又はそ
    れ以上の基で置換されていてもよい、で表わされるカル
    ボン酸を用いて転換し下記一般式 【化6】 式中、R2は請求項1記載の意味を有し、 R3は上記の意味を有する、で表わされる光学活性シア
    ノヒドリンカルボン酸エステルを形成せしめ、その後か
    くして得られる一般式IXの化合物をその立体配置を保
    持しつつ加溶媒分解することを特徴とする、反対の立体
    配置の光学活性シアノヒドリンから光学活性シアノヒド
    リンを製造する方法。
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CA2110728A1 (en) 1994-06-10
US5493047A (en) 1996-02-20
EP0601237A1 (en) 1994-06-15

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