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JPH06216124A - マスク成膜装置 - Google Patents

マスク成膜装置

Info

Publication number
JPH06216124A
JPH06216124A JP592593A JP592593A JPH06216124A JP H06216124 A JPH06216124 A JP H06216124A JP 592593 A JP592593 A JP 592593A JP 592593 A JP592593 A JP 592593A JP H06216124 A JPH06216124 A JP H06216124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
substrate
mask member
pallet
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP592593A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumi Tsuchiya
和美 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP592593A priority Critical patent/JPH06216124A/ja
Publication of JPH06216124A publication Critical patent/JPH06216124A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばね性を有する薄板状マスクを用いてパター
ンニングすることにより、ケミカルエッチングを必要と
せず、工程および設備も簡素となり、製造コストの上昇
を招くことのないパターン成膜装置を提供する。 【構成】 パレット11に形成した開口12の周縁部14に、
ばね性を有する薄板状のマスク部材15を取り付ける。開
口12を覆うように取り付けた基板13に対して、マスク部
材15を介して所定のパターンを形成する。従来の金属薄
膜形成後にケミカルエッチングする場合に比べ工程が少
なくなり、設備も少なくてよく、製造コストを低減でき
る。マスク部材15のパターン形成に影響のない部分に、
平面方向の幅を狭くした歪吸収部15d を設けたので、マ
スク部材15に生じる歪みを確実に吸収し、所定のパター
ンを形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置用の基板
のような比較的大きなエリアを成膜するのに適した、ば
ね性を有する薄板状マスクによるマスク成膜装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置用の基板のような比較的大
きなエリアをパターンニングにより成膜する場合、従来
は、まず基板上に金属薄膜を形成し、この後、この金属
薄膜をケミカルエッチングして所定のパターンに形成す
るのが一般的である。
【0003】しかし、従来の成膜手法では、金属成膜後
にケミカルエッチングを施さなければならないため、工
程が多くなるとともに、設備も必要となり、製造コスト
を上昇させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、ケミカル
エッチングによりパターンニングを行なう従来の成膜手
法では、工程が複雑になるとともに、設備が大掛りとな
り、製造コストの上昇を招いている。
【0005】本発明の目的は、ばね性を有する薄板状マ
スクを用いてパターンニングすることにより、ケミカル
エッチングを必要とせず、したがって工程および設備も
簡素となり、製造コストの上昇を招くことのないマスク
成膜装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のマスク成
膜装置は、成膜用の開口を有し、この開口を覆うように
基板が取り付けられ、この開口を介して前記基板に対す
る成膜が行なわれるパレットと、このパレットの前記開
口の周縁部に、前記基板との間に介在しかつこの基板の
対向面に対してばね力を生じる状態で設けられ、一側辺
が前記開口内にて所定の成膜パターンを形成する薄板状
のマスク部材とを備え、前記マスク部材の前記パターン
形成に影響のない部分の平面方向の幅を狭くした歪吸収
部を有したものである。
【0007】請求項2記載のマスク成膜装置は、成膜用
の開口を有し、この開口を覆うように基板が取り付けら
れ、この開口を介して前記基板に対する成膜が行なわれ
るパレットと、このパレットの前記開口の周縁部に、前
記基板との間に介在しかつこの基板の対向面に対してば
ね力を生じる状態で設けられ、一側辺が前記開口内にて
所定の成膜パターンを形成する薄板状のマスク部材とを
備え、前記マスク部材は、前記パターン形成に影響のな
い部分において複数に分割し、かつ、この分割部分を覆
うカバー部材を取り付けたものである。
【0008】請求項3記載のマスク成膜装置は、成膜用
の開口を有し、この開口を覆うように基板が取り付けら
れ、この開口を介して前記基板に対する成膜が行なわれ
るパレットと、このパレットの前記開口の周縁部に、前
記基板との間に介在しかつこの基板の対向面に対してば
ね力を生じる状態で設けられ、一側辺が前記開口内にて
所定の成膜パターンを形成する薄板状のマスク部材とを
備え、前記マスク部材は、前記パターン形成に影響のな
い部分において複数に分割し、かつ、この分割部分の端
部を互いに重ね合わせたものである。
【0009】請求項4記載のマスク成膜装置は、成膜用
の開口を有し、この開口を覆うように基板が取り付けら
れ、この開口を介して前記基板に対する成膜が行なわれ
るパレットと、このパレットに対し、開口を複数区画に
区切る状態で設けられ、かつ開口の周縁部とほぼ同じ平
面レベルに形成された桟と、このパレットの前記開口の
周縁部および前記桟上に、前記基板との間に介在しかつ
この基板の対向面に対してばね力を生じる状態で設けら
れ、その一側辺が前記開口内にて所定の成膜パターンを
形成する薄板状のマスク部材とを備えたものである。
【0010】
【作用】請求項1記載のマスク成膜装置は、パレットに
形成された開口の周縁部にばね性を有する薄板状のマス
ク部材を取り付け、開口を覆うように取り付けられる基
板に対して、このマスク部材を介して所定のパターンを
形成するようにしたため、従来の金属薄膜形成後にケミ
カルエッチングする場合に比べ工程が少なくなり、設備
も少なくてよく、製造コストを低減でき、また、マスク
部材のパターン形成に影響のない部分に、その平面方向
の幅を狭くした歪吸収部を設けたので、マスク部材に生
じる歪みを確実に吸収し、所定のパターンを形成するこ
とができる。
【0011】請求項2記載のマスク成膜装置は、パレッ
トに形成された開口の周縁部にばね性を有する薄板状の
マスク部材を取り付け、開口を覆うように取り付けられ
る基板に対して、このマスク部材を介して所定のパター
ンを形成するようにしたため、従来の金属薄膜形成後に
ケミカルエッチングする場合に比べ工程が少なくなり、
設備も少なくてよく、製造コストを低減でき、また、マ
スク部材をパターン形成に影響のない部分において複数
に分割しているので、マスク部材に生じる歪みを確実に
逃がすことができるとともに、この分割部分をカバー部
材で覆っているので、スパッタ時にスパッタ粒子がこの
分割部分に入り込むことはなく、基板上に所定のパター
ンを正確に形成することができ、マスク部材を分割する
ことにより、マスク部材形成時における素材の利用率が
一体形のものに比べて向上し、この点からもコストダウ
ンが図れる。
【0012】請求項3記載のマスク成膜装置は、パレッ
トに形成された開口の周縁部にばね性を有する薄板状の
マスク部材を取り付け、開口を覆うように取り付けられ
る基板に対して、このマスク部材を介して所定のパター
ンを形成するようにしたため、従来の金属薄膜形成後に
ケミカルエッチングする場合に比べ工程が少なくなり、
設備も少なくてよく、製造コストを低減でき、また、マ
スク部材をパターン形成に影響のない部分において複数
に分割しているので、歪みを確実に逃がすことができ、
かつ、素材の利用率が向上するとともに、この分割部分
の端部を互いに重ね合わせているので、この部分にカバ
ーを設ける必要はなく、部品点数を少なくすることがで
きる。
【0013】請求項4記載のマスク成膜装置は、パレッ
トに形成された開口の周縁部にばね性を有する薄板状の
マスク部材を取り付け、開口を覆うように取り付けられ
る基板に対して、このマスク部材を介して所定のパター
ンを形成するようにしたため、従来の金属薄膜形成後に
ケミカルエッチングする場合に比べ工程が少なくなり、
設備も少なくてよく、製造コストを低減でき、また、パ
レットの開口を複数区画に区切る桟を設け、かつ、開口
の周縁部およびこれとほぼ同じ平面レベルに形成された
桟上にそれぞれマスク部材を設けたので、一つの基板上
から多面取りによるパターンニングが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明のマスク成膜装置の一実施例を
図面を参照して説明する。
【0015】図1および図2において、11は成膜用のパ
レットで、このパレット11は板状をなし、このパレット
11のほぼ中央部には開口12が形成されている。また、こ
のパレット11の図示上面側には成膜対象のガラス等によ
る基板13が取り付けられており、開口12の周縁部14に設
けられるマスク部材15を介して図示下面側からスパッタ
され、マスク部材15により決定される所定形状にパター
ンニングされ、成膜される。
【0016】そして、開口12の周縁部14は、基板13の外
周が嵌合するようにパレット11の上面に対して凹面状に
形成されており、さらに、この周縁部14の上面には、図
2で示すように、マスク部材15を取り付けるための支持
溝16が全周にわたって形成されている。
【0017】また、マスク部材15は、0.1〜0.2m
m程度のばね性のある薄板材であり、たとえば、ベリリ
ウム銅やステンレス等の金属板を用いる。そして、この
マスク部材15は、支持溝16内に固定される結合部15a
と、一側辺15b が開口12内に位置して所定のパターンを
形成するパターンニング部とからなる。また、結合部15
a には、結合孔15c が所定のピッチで設けられており、
周縁部14に同じピッチで設けられた結合孔と合わされ、
これらを貫通するピン17および止め輪18により一体的に
固定される。さらに、パターンニング部は、一側辺15b
が成膜対象の基板13の成膜面と密着するように、図示上
方に向かって傾斜している。
【0018】すなわち、マスク部材15は薄板状を成し、
パレット11に形成された開口12の周縁部14に、基板13と
の間に介在し、かつ、この基板13の対向面、すなわち成
膜面に対してばね力を生じる状態で設けられており、一
側辺15b が開口12内にて所定の成膜パターンを形成する
ものである。さらに、このマスク部材15の下面に位置す
る表面は、予めエッチングにより表面粗さがRa:0.
20〜0.40μm程度となるように加工しておき、成
膜時の、付着膜が剥がれ始めるまでの期間、いわゆるマ
スクライフを長くしている。
【0019】また、図1において、20は基板押えで、こ
の基板押え20は、基板13とほぼ同じ平面形状の押圧板21
に取り付けられている。そして、この押圧板21は、パレ
ット11に形成された周縁部14の一側に蝶番22により開閉
可能に取り付けられており、閉成時、すなわち基板13に
対する押圧時、基板押え20が下向きになる状態で基板13
上に重なり、かつ、基板13とともにパレット11の周縁部
14内に嵌合される。このとき、基板13の上面はパレット
11側に回動可能に設けられた楕円形のホルダー23により
係止され、押圧状態に固定される。さらに、この押圧状
態において、基板押え20は、基板13の上面側に位置する
非成膜面と当接し、下面側に位置する成膜面をマスク部
材15に密着させるべく押圧する。そして、この基板押え
20の基板13との当接部分には、この基板13を均等に押圧
するため、むかでの足状に配列された多数の押圧片24が
設けられている。また、この押圧片24としては、基板13
に対する傷付き防止のために、ばね材を円弧状に折返し
形成したものや、スプーン状に形成したものが用いら
れ、これらの円弧部または半球部によって基板13の上面
を押圧する。
【0020】ここで、マスク部材15は、図3で示すよう
に、所定の成膜パターンを得るべく額縁状に一体形成さ
れているが、パターン形成に影響のない部分、たとえば
コーナ部分を括れさせ、その平面方向の幅を狭くして歪
吸収部15d としている。このような歪吸収部15d を設け
ることにより、マスク部材15に生じる歪みを吸収できる
ので、マスク部材15に変形等が生じることはなく、正し
い成膜パターンを得ることができる。
【0021】なお、図3に示す括れの代りに、図4また
は図5で示すように、コーナ部の外側または内側に切欠
きを設け、この部分の平面方向の幅を狭くして歪吸収部
15dを形成してもよい。
【0022】上記構成において、基板13に所定のパター
ンの成膜を行なう場合は、基板13の成膜面がパレット11
に形成された開口12を覆うように、凹面状の周縁部14内
に嵌合させる。この状態において、基板13の成膜面は、
周縁部14に設けられたマスク部材15の側辺15b と当接す
る。この後、押圧板21を蝶番22を中心に閉動作させ、基
板押え20が下向きとなる状態で基板13上に重ね、上部か
ら押圧力を加えた状態で楕円形のホルダー23を回動さ
せ、この押圧板21の上面を係止する。
【0023】このような操作により、押圧板21に設けら
れた基板押え20は基板13の上面に当接し、むかで状に配
列された多数の押圧片24により基板13を均等に押圧す
る。このため、基板13の成膜面はばね性を有するマスク
部材15の側辺15b と密着し、この基板13の成膜面に、側
辺15b による所定のパターンが形成される。この際、マ
スク部材15には押圧力により歪みが生じるが、平面方向
の幅を狭くした歪吸収部15d がこの歪みを吸収するの
で、側辺15b の直線部の4辺に歪みが出ず、マスク部材
15と基板13との間に隙間が生じることはない。
【0024】このようにして、パレット11に取り付けら
れ、かつ、マスク部材15により所定のパターンが形成さ
れた基板13は、図示しない予備加熱室、スパッタ室、ア
ニール室を順次通過することにより、開口12内において
マスク部材15により形成された所定のパターン部分に、
所定材料の膜がスパッタにより形成される。
【0025】ここで、マスク部材15の表面は、前述のよ
うにエッチングにより適度に粗くしてあるので、成膜時
の付着膜が剥がれ始めるまでのマスクライフを長くする
ことができる。また、前述のようにマスク部材15の歪吸
収部15d が、押圧時に生じる歪みを吸収するので、側辺
15b の直線部と基板13との間に隙間が生じることはな
く、したがって、この隙間にスパッタ粒子が回り込むこ
ともない。
【0026】実験によると、マスク部材15と基板13との
間隙が成膜前で0.1mm以内であるとスパッタ粒子の
回り込みは生じなかった。これに対し間隙が0.15m
m以上であると明らかなスパッタ粒子の回り込みが確認
できた。
【0027】上述の実施例の場合、基板13との当接時に
マスク部材15に生じる歪みは歪吸収部15d によって吸収
されるので、側辺15b の直線部と基板13b との間は、マ
スク部材15のばね性により互いに密着する。したがっ
て、スパッタ粒子の回り込みが生じることはなく、正確
なパターンニングによる成膜が行なわれる。
【0028】また、上述の実施例で用いたマスク部材15
は額縁状に一体形成されたものであるので、高い位置精
度を得るのに最適な構造であり、この点からも正確なパ
ターンニングによる成膜を行なうことができる。
【0029】次に、図6および図7で示す他の実施例に
ついて説明する。
【0030】この図6および図7に示す実施例は、図1
で示したものに対し、マスク部材15の構造が異なるもの
である。
【0031】図1のマスク部材15は額縁状に一体形成さ
れたものであるが、図6で示されたマスク部材15は、最
終的なパターン形状は、図1と同様に額縁状となるが、
図7で示すように、パターン形成に影響のない部分、た
とえば図示のように各コーナ部分において分割されたマ
スク部材15A ,15B ,15C ,15D に分割されている。ま
た、これら各分割部分にはアルミ箔等によるカバー部材
26を取り付け、分割により生じる隙間を覆っている。
【0032】なお、このマスク部材15のマスク部材15A
,15B ,15C ,15D は、0.1〜0.3mm程度のば
ね性のある、たとえばベリリウム銅やステンレス等によ
り構成する。また、マスク部材15は周縁部14の支持溝16
内に固定される結合部15a と、パターン形成用の一側辺
15b を有するパターンニング部とからなり、結合部15a
は、結合孔15c および周縁部14に設けられた結合孔を図
2に示す場合と同様に貫通するピンおよび止め輪により
一体的に固定される。また、パターンニング部は、その
一側辺15b が成膜対象の基板13の成膜面と密着するよう
に、図示上方に向かって傾斜している。さらに、このマ
スク部材15の下面に位置する表面にも、エッチングによ
り表面粗さがRa:0.20〜0.40μm程度となる
ように加工し、成膜時の付着膜が剥がれ始めるまでのマ
スクライフを長くしている。
【0033】上記構成において、マスク部材15をマスク
部材15A ,15B ,15C ,15D に分割しているので、成膜
時の熱等によってマスク部材15に生じる歪みを、分割部
分によって逃がすことができ、マスク部材15を構成する
マスク部材15A ,15B ,15C,15D の変形を防止して、
正しいパターンによる成膜を行なうことができる。ま
た、各分割部分に生じる隙間は、カバー部材26によって
覆われているため、スパッタ後にこの部分に切れ目が生
じることはない。さらに、マスク部材15をマスク部材15
A ,15B ,15C ,15D に分割したことにより、ベリリウ
ム銅やステンレス等の高価な材料の利用率が向上し、コ
ストダウンを図ることができる。
【0034】次に、図8および図9で示す他の実施例を
説明する。
【0035】この図8および図9に示すマスク部材15
も、マスク部材15A ,15B ,15C ,15D に分割されてお
り、これらマスク部材15A ,15B ,15C ,15D は、結合
部15aやパターンを形成用の一側辺15b を有する等、そ
れ自体の構造は基本的に図6および図7で示したものと
同じであるが、板厚は0.1〜0.12mm程度のもの
を用いる。また、分割部分にカバー部材26を設ける代り
に、この分割部分を図9で示すように相互に重ね合わせ
ている。
【0036】このように構成すると、分割部分にカバー
部材26を設けなくとも、スパッタ後にこの部分に切れ目
が生じることはなく、部品点数を低減化できる。また、
重ね合わせ構造であるため、重ね合わせた部分の基板13
との間に、マスク部材15の板厚分の隙間が生じるが、前
述のように、マスク部材15は、0.1〜0.12mm程
度のばね性のある薄板材で作られており、生じる隙間も
この板厚0.1〜0.12mmと同じ寸法となる。前述
のごとく、実験によれば、マスク部材15と基板13との隙
間が成膜前で0.15mm以上だと明らかにスパッタ粒
子の回り込みが生じたが、0.1〜0.12mmの範囲
であればスパッタ粒子の回り込みは生じない。
【0037】このように、マスク部材15をマスク部材15
A ,15B ,15C ,15D に分割しているので、成膜時の熱
等によって生じる歪みを逃がすことができ、また、ベリ
リウム銅やステンレス等の高価な材料の利用率が向上
し、コストダウンを図ることができる。
【0038】次に、図10ないし図16で示す他の実施
例を説明する。
【0039】この図10ないし図16に示す実施例は、
一つのパレット11から複数の成膜面を多面取りする場合
を示している。そのために、図11ないし図13で示す
ように、パレット11の開口12を複数区画に区切る桟28を
設けている。そして、1本の桟28により開口12を2つの
区画に区切る2面取りの場合を示している。この桟28
は、熱膨脹の少ないアンバー等の金属で作られており、
この桟28の上面が、図11で示すように、開口12の周縁
部14とほぼ同じ平面レベルとなるように、両端部におい
てパレット11側に結合されている。
【0040】この開口12の周縁部14および桟28上には、
図11および図14で示すように、薄板状のマスク部材
15をそれぞれ設ける。このマスク部材15は、図8および
図9で示した分割重ね合せ型のものと基本的に同じ構造
であり、周縁部14や桟28に対する結合部15a 、パターン
形成用の一側辺15b 等を有する。ただし、桟28上に取り
付けられるマスク部材15E は、パターン形成用の一側辺
15b を両側に持つ構造とする。板厚は、重ね合せ型であ
るため0.1〜0.12mm程度とする。
【0041】これらマスク部材15の各マスク部材15A ,
15B ,15C ,15E は、前述したものと同様に、基板13と
パレット11側との間に介在し、かつ、この基板13の対向
面に対してばね力を生じる状態で設けられ、その一側辺
15b が前記開口12内にて所定の成膜パターンを形成す
る。
【0042】なお、図15は4面取りの場合であり、図
16は6面取りの場合を示しており、桟28とその上面に
取り付けられるマスク部材15E を、開口12に対してそれ
ぞれ図示のように取り付けることにより、2面取りの場
合と同様に実施できる。
【0043】このように構成すると、1パレット11で複
数パターンを多面取りにより成膜することができるの
で、生産性が向上する。
【0044】ここで、これまでの説明では、パレット11
とマスク部材15とを1対1に定めて、予め定められたパ
ターンを成膜するものとして説明したが、このような方
法では成膜されるパターンの数だけパレット11を用意し
なければならず、成膜用の治具数が増えてしまう。そこ
で、図17ないし図19で示すように、マスク部材15と
して、周縁部14に対する結合構成が共通で、パターンサ
イズの異なるものを複数種用意する。このようにすれ
ば、パレット11を共通化でき、成膜用の治具数の増大を
防止することができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載のマスク成膜装置によれ
ば、パレットに形成された開口の周縁部にばね性を有す
る薄板状のマスク部材を取り付け、マスク部材を介して
所定のパターンを形成するようにしたので、従来の金属
薄膜形成後にケミカルエッチングする場合に比べ工程が
少なくなり、設備も少なくてよく、製造コストを低減で
き、また、マスク部材のパターン形成に影響のない部分
に、その平面方向の幅を狭くした歪吸収部を設けたの
で、マスク部材に生じる歪みを確実に吸収し、所定のパ
ターンを形成することができる。
【0046】請求項2記載のマスク成膜装置によれば、
パレットに形成された開口の周縁部にばね性を有する薄
板状のマスク部材を取り付け、マスク部材を介して所定
のパターンを形成するようにしたため、従来の金属薄膜
形成後にケミカルエッチングする場合に比べ工程が少な
くなり、設備も少なくてよく、製造コストを低減でき、
また、マスク部材をパターン形成に影響のない部分にお
いて複数に分割しているので、マスク部材に生じる歪み
を確実に逃がすことができるとともに、この分割部分を
カバー部材で覆っているので、スパッタ時にスパッタ粒
子がこの分割部分に入り込むことはなく、基板上に所定
のパターンを正確に形成することができ、マスク部材を
分割することにより、マスク部材形成時のにおける素材
の利用率が一体形のものに比べて向上し、コストダウン
を図ることができる。
【0047】請求項3記載のマスク成膜装置によれば、
パレットに形成された開口の周縁部にばね性を有する薄
板状のマスク部材を取り付け、マスク部材を介して所定
のパターンを形成するようにしたため、従来の金属薄膜
形成後にケミカルエッチングする場合に比べ工程が少な
くなり、設備も少なくてよく、製造コストを低減でき、
また、マスク部材をパターン形成に影響のない部分にお
いて複数に分割しているので、歪みを確実に逃がすこと
ができ、かつ、素材の利用率が向上するとともに、この
分割部分の端部を互いに重ね合わせているので、この部
分にカバーを設ける必要はなく、部品点数を少なくでき
る。
【0048】請求項4記載のマスク成膜装置によれば、
パレットに形成された開口の周縁部にばね性を有する薄
板状のマスク部材を取り付け、このマスク部材を介して
所定のパターンを形成するようにしたため、従来の金属
薄膜形成後にケミカルエッチングする場合に比べ工程が
少なくなり、設備も少なくてよく、製造コストを低減で
き、また、パレットの開口を複数区画に区切る桟を設
け、かつ、開口の周縁部およびこれとほぼ同じ平面レベ
ルに形成された桟上にそれぞれマスク部材を設けたの
で、一つの基板上から多面取りによるパターンニングが
可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスク成膜装置の一実施例を示す斜視
図である。
【図2】同上図1のII−II断面図である。
【図3】同上マスク部材を示す平面図である。
【図4】同上他のマスク部材を示す平面図である。
【図5】同上また他のマスク部材を示す平面図である。
【図6】同上マスク成膜装置の他の実施例を示す斜視図
である。
【図7】同上マスク部材とカバー部材との関係を示す平
面図である。
【図8】同上マスク成膜装置のまた他の実施例を示す斜
視図である。
【図9】同上マスク部材を示す平面図である。
【図10】同上マスク成膜装置のさらに他の実施例を示
す斜視図である。
【図11】同上XI−XI断面図である。
【図12】同上図10に示すマスク成膜装置を示す裏面
図である。
【図13】同上図10に示すマスク成膜装置を示す平面
図である。
【図14】同上図10に示すマスク成膜装置の多面取り
を示す平面図である。
【図15】同上図10に示すマスク成膜装置の他の多面
取りを示す平面図である。
【図16】同上図10に示すマスク成膜装置のまた他の
多面取りを示す平面図である。
【図17】同上マスク部材を示す平面図である。
【図18】同上他のマスク部材を示す平面図である。
【図19】同上また他のマスク部材を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
11 パレット 12 開口 13 基板 14 周縁部 15,15A ,15B ,15C ,15D ,15E マスク部材 15b 側辺 15d 歪吸収部 26 カバー部材 28 桟

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜用の開口を有し、この開口を覆うよ
    うに基板が取り付けられ、この開口を介して前記基板に
    対する成膜が行なわれるパレットと、 このパレットの前記開口の周縁部に、前記基板との間に
    介在しかつこの基板の対向面に対してばね力を生じる状
    態で設けられ、一側辺が前記開口内にて所定の成膜パタ
    ーンを形成する薄板状のマスク部材とを備え、 前記マスク部材の前記パターン形成に影響のない部分の
    平面方向の幅を狭くした歪吸収部を有したことを特徴と
    するマスク成膜装置。
  2. 【請求項2】 成膜用の開口を有し、この開口を覆うよ
    うに基板が取り付けられ、この開口を介して前記基板に
    対する成膜が行なわれるパレットと、 このパレットの前記開口の周縁部に、前記基板との間に
    介在しかつこの基板の対向面に対してばね力を生じる状
    態で設けられ、一側辺が前記開口内にて所定の成膜パタ
    ーンを形成する薄板状のマスク部材とを備え、 前記マスク部材は、前記パターン形成に影響のない部分
    において複数に分割し、かつ、この分割部分を覆うカバ
    ー部材を取り付けたことを特徴とするマスク成膜装置。
  3. 【請求項3】 成膜用の開口を有し、この開口を覆うよ
    うに基板が取り付けられ、この開口を介して前記基板に
    対する成膜が行なわれるパレットと、 このパレットの前記開口の周縁部に、前記基板との間に
    介在しかつこの基板の対向面に対してばね力を生じる状
    態で設けられ、一側辺が前記開口内にて所定の成膜パタ
    ーンを形成する薄板状のマスク部材とを備え、 前記マスク部材は、前記パターン形成に影響のない部分
    において複数に分割し、かつ、この分割部分の端部を互
    いに重ね合わせたことを特徴とするマスク成膜装置。
  4. 【請求項4】 成膜用の開口を有し、この開口を覆うよ
    うに基板が取り付けられ、この開口を介して前記基板に
    対する成膜が行なわれるパレットと、 このパレットに対し、その開口を複数区画に区切る状態
    で設けられ、かつ開口の周縁部とほぼ同じ平面レベルに
    形成された桟と、 このパレットの前記開口の周縁部および前記桟上に、前
    記基板との間に介在しかつこの基板の対向面に対してば
    ね力を生じる状態で設けられ、一側辺が前記開口内にて
    所定の成膜パターンを形成する薄板状のマスク部材とを
    備えたことを特徴とするマスク成膜装置。
JP592593A 1993-01-18 1993-01-18 マスク成膜装置 Pending JPH06216124A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5073808B2 (ja) * 2008-02-28 2012-11-14 シャープ株式会社 バックライトユニットおよび液晶表示装置

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JP5073808B2 (ja) * 2008-02-28 2012-11-14 シャープ株式会社 バックライトユニットおよび液晶表示装置

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