JPH0536458B2 - - Google Patents
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- JPH0536458B2 JPH0536458B2 JP1126025A JP12602589A JPH0536458B2 JP H0536458 B2 JPH0536458 B2 JP H0536458B2 JP 1126025 A JP1126025 A JP 1126025A JP 12602589 A JP12602589 A JP 12602589A JP H0536458 B2 JPH0536458 B2 JP H0536458B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、硬化性シリコーン組成物に関し、特
に硬化物の親水性に優れる硬化性シリコーン組成
物に関する。 〔従来の技術〕 硬化性シリコーン組成物は、硬化物の特性に優
れ、平版印刷版、離型剤、接着剤、塗料、シーラ
ント、反射シート、歯科用印象材等の種々の用途
に使用されている。例えば、近年、縮合硬化型及
び付加硬化型の硬化性シリコーン組成物がともに
印象材料として広く使用されるようになつた。こ
れらは無味無臭である、硬化物の強度が優れてい
るなどの優れた諸特性を有している。 しかし、硬化性シリコーン組成物は、疎水性で
あるため、例えば、歯科用印象材として使用して
湿潤な口腔内の型を取つても寸法が不正確な印象
しか得られず、また得られた印象に石膏泥を注型
して模型を作製するときには石膏泥の濡れに問題
があり、正確な模型を得ることができないことが
あつた。そこで、親水性を有する硬化性シリコー
ン組成物として、親水性基を含有する非イオン系
界面活性剤を配合した硬化性シリコーン組成物が
提案されている。(公表昭63−501368号) 〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、上記の親水性基を含有する非イオン系
界面活性剤を配合した硬化性シリコーン組成物
は、硬化物の表面に界面活性剤がブリードしてし
まう、硬化後の寸法安定性が悪い、また硬化物の
親水性が長期間にわたつて持続しないなどの欠点
がある。 そこで本発明の目的は、硬化物が優れた親水性
及び寸法安定性を有し、しかもその親水性が半氷
久的に持続する硬化性シリコーン組成物を提供す
ることにある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意
研究の結果、ケイ素原子に結合した水素原子ある
いは脂肪族不飽和炭化水素基を有する非イオン系
界面活性剤を必須の成分として配合したシリコー
ン組成物の硬化物が優れた親水性、例えば、硬化
物の表面と水との接触角が65゜以下であり、しか
もその親水性の長期間にわたり持続することを見
出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、 (A) 1分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽
和炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノ
ポリシロキサン、 (B) 1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を
少なくとも3個有するオルガノハイドロジエン
ポリシロキサン、当該成分中のケイ素原子に結
合した水素原子が前記(A)成分中の脂肪族不飽和
炭化水素基1個に対して0.5〜10個の割合とな
る量、 (C) 下記一般式(): 〔式中、Rは、同一でも異なつていてもよ
く、 一価の炭化水素基であり、 Reは、下記式(): −R1O(C2H4O)aR2 () (ここでR1は二価の炭化水素基であり、 aは1以上の整数である)で表される基であ
り、 xは、0以上の整数、 yは、1以上の整数、 zは、1以上の整数である、〕 または下記一般式(): 〔式中、R,Re.x,y及びzは、前記の
通りである、〕 で表されるシロキサン化合物から成る非イオン
系界面活性剤、前記(A)成分100重量部当り、0.5
〜15重量部、及び、 (D) 白金族金属系触媒、前記(A)成分に対して白金
族金属換算で1〜300ppm、 を含有してなる硬化性シリコーン組成物を提供
するものである。 本発明の組成物の(A)成分であるオルガノポリシ
ロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した脂
肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個含有する
ものであり、直鎖状、分岐状あるいは二次元又は
三次元の網状構造のいずれの形態のものでもよ
く、またこれらの混合物であつてもよい。脂肪族
不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、
アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニ
ル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
脂肪族不飽和炭化水素基以外のケイ素原子に結合
する有機基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基;フエニル基、ト
リル基等の芳香族炭化水素基;シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基等の脂環式炭化水素基;又
はこれらの炭化水素基の炭素原子に結合している
水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子等で
置換された基、例えば、クロロメチル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基などが挙げられ
る。これらのうちで好ましいものとしては、メチ
ル基、フエニル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基である。特に、この(A)のオルガノポリシ
ロキサンの好ましいものとしては、脂肪族不飽和
炭化水素基以外の置換基の全てがメチル基である
もの、もしくはメチル基とフエニル基からなるも
のがある。 この(A)成分のオルガノポリシロキサンの25℃に
おける粘度は、通常、50cSt以上、好ましくは100
〜5000000cStである。 本発明の組成物の(B)成分であるオルガノハイド
ロジエンポリシロキサンは、1分子中にケイ素原
子に結合した水素原子を少なくとも3個有するも
のであり、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造
のものでもよい。好ましくは直鎖状のものであ
る。このオルガノハイドロジエンポリシロキサン
において、ケイ素原子に結合した水素原子以外の
有機基としては、前記(A)のオルガノポリシロキサ
ンにおいて脂肪族不飽和炭化水素基以外の置換基
として例示したものと同じものを挙げることがで
きる。 (B)成分のオルガノハイドロジエンポリシロキサ
ンの25℃における粘度は、通常、0.5〜10000cSt、
好ましくは1〜1000cStである。 本発明の(B)成分の配合量は、当該成分中のケイ
素原子に結合した水素原子が前記(A)成分中の脂肪
族不飽和炭化水素基1個に対して0.5〜10個、好
ましくは0.75〜10個の割合となる量である。(B)成
分の配合量が多すぎると得られる組成物の硬化物
が脆くなつたり、過剰のヒドロシリル基(Si−
H)が残存して諸物性の経時変化の原因となつた
り、少なすぎると組成物の硬化が不充分となり易
い。 本発明の組成物の(C)成分の非イオン系界面活性
剤は、前記一般式()または()で表される
シロキサン化合物である。 前記一般式()において、複数のRは同一で
も異なつていてもよく、一価の炭化水素基であ
り、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シク
ロブチル基等のシクロアルキル基;フエニル基、
トリル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基;あ
るいはこれらの基の炭素原子に結合している水素
原子の一部又は全部がフツ素、塩素などのハロゲ
ン原子等で置換されている基、例えばクロロメチ
ル基、3,3,3−トルフルオロプロピル基等を
挙げることができ、これらの中でも好ましい基は
メチル基である。また基Reは、前記式()で
表される基であつて、該式中、R1は二価の炭化
水素基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、
ヘキサメチレン基等であり、好ましくはプロピレ
ン基である。また()式中、R2は水素原子ま
たは一価の炭化水素基であり、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等であり、好ま
しくはメチル基である。更に()式中、aは1
以上の整数であつて、得られる組成物の硬化物が
十分に低い水接触角を発現する点で、3〜20の整
数であることが好ましい。また一般式()にお
いて、xは0以上の整数、好ましくは0であり、
yは1以上の整数、好ましくは3〜150の整数、
さらに好ましくは3〜10の整数であり、zは1以
上の整数であり、特に界面活性剤としての機能が
十分に発揮されることから、1〜15の整数、さら
には2〜10の整数であることが好適である。 また一般式()のシロキサン化合物におい
て、R.Re.x,y及びzは、前記の通りである
が、R及びReを表す式()中のR2は、メチル
基が好ましく、またx+y+zが3〜10の整数、
特に4であることが好ましい。 上述した一般式()及び()で表されるシ
ロキサン化合物からなる非イオン系界面活性剤は
1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用する
ことができる。 これらの非イオン系界面活性剤において、最も
重要なことは、そのシロキサン化合物が、炭素原
子に結合した水素原子を有していることである。
即ち、この水素原子の存在により、本発明の組成
物を硬化した時、成分(B)または成分(A)と該非イオ
ン系界面活性剤であるシロキサン化合物が反応し
て硬化物中に組み込まれ、非イオン系界面活性剤
が硬化物中に安定に保持され、ブリードアウト等
の不都合が有効に回避され、また後述する実施例
からも明らかな通り、親水性が安定に保持され、
さらに硬化物の寸法安定性も良好なものとなる。 この(C)成分の配合量は、通常、(A)成分100重量
部に対して、0.5〜15重量部の割合であり、組成
物中のケイ素原子に結合した水素原子/ケイ素原
子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基のモル比が
0.5〜10、好ましくは0.75〜5となるように、(A)
成分と(B)成分の配合量に応じて適宜調節される。 (C)成分の配合量が多すぎると硬化遅れを生ずる
場合があり、少なすぎると本発明の組成物及びそ
の硬化物において親水性が低くなる場合がある。 本発明の組成物の(D)成分である白金族金属系触
媒は特に限定されないが、好ましくは白金化合物
であり、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩
化白金酸、白金−ビニルシロキサン錯体、白金
黒、塩化白金酸とオレフインもしくはアルデヒド
との錯体等を挙げることができる。この(D)成分の
配合量は、所望の硬化速度が得られるように適宜
調節できるが、通常、(A)成分に対して白金量(重
量)で1〜300ppmである。 本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分の他に、硬
化性シリコーン組成物に通常配合される成分、例
えば、充填剤、顔料、補強剤、可塑剤、反応抑制
剤等を適宜配合してもよい。 本発明の組成物は、通常、(A)成分及び(B)成分の
それぞれを含む甲、乙2剤からなる2成分型とし
て調製されるのが一般的である。この場合、(C)成
分はそれがケイ素原子に結合した水素原子あるい
は脂肪族不飽和炭化水素基のいずれを有するかに
応じて、いずれか一方の剤に配合される。すなわ
ち、(C)成分がケイ素原子に結合した水素原子を有
する場合は、(B)成分を含む乙剤に、(C)成分がケイ
素原子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基を有す
る場合は、(A)成分を含む甲剤に配合される。しか
し、反応抑制剤を配合して(A)、(B)、(C)及び(D)成分
を同時に含む、一成分型として調製することもで
きる。用いられる反応抑制剤としては、例えば、
特公昭44−31476号に記載されているアセチレン
アルコール類;特公昭48−10947号に記載されて
いる高ビニル含有オルガノポリシロキサン;特公
昭55−41626号に記載されているトリアリルイソ
シアヌレート;特公昭63−56563号に記載されて
いるテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロ
キサンなどが挙げられる。 〔実施例〕 つぎに、本発明の方法を実施例及び比較例によ
り詳細に説明する。なお、以下の例において、
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び
「重量%」を示す。 実施例1〜2、比較例1 各例において、両末端がジメチルビニルシロキ
シ基で封鎖され、主鎖がジメチルシロキサン単位
からなり、粘度が5000cSt(25℃)であるメチルビ
ニルポリシロキサン100部、平均組成式: で表されるメチルハイドロジエンポリシロキサン
2部、塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール
溶液をメチルビニルポリシロキサンの配合量に対
し白金分として40ppmとなる量、及び表1に示す
界面活性剤をそれぞれ1部配合してなる3種の組
成物を調製した。 得られた組成物を平滑なガラス板上に塗布して
室温で10分間硬化させた。この硬化物の表面に慎
重に蒸留水を1滴落とし3分後の水滴と硬化物の
表面との接触角(以下、単に「水接触角」とい
う)を測定した。結果を表1に示す。
に硬化物の親水性に優れる硬化性シリコーン組成
物に関する。 〔従来の技術〕 硬化性シリコーン組成物は、硬化物の特性に優
れ、平版印刷版、離型剤、接着剤、塗料、シーラ
ント、反射シート、歯科用印象材等の種々の用途
に使用されている。例えば、近年、縮合硬化型及
び付加硬化型の硬化性シリコーン組成物がともに
印象材料として広く使用されるようになつた。こ
れらは無味無臭である、硬化物の強度が優れてい
るなどの優れた諸特性を有している。 しかし、硬化性シリコーン組成物は、疎水性で
あるため、例えば、歯科用印象材として使用して
湿潤な口腔内の型を取つても寸法が不正確な印象
しか得られず、また得られた印象に石膏泥を注型
して模型を作製するときには石膏泥の濡れに問題
があり、正確な模型を得ることができないことが
あつた。そこで、親水性を有する硬化性シリコー
ン組成物として、親水性基を含有する非イオン系
界面活性剤を配合した硬化性シリコーン組成物が
提案されている。(公表昭63−501368号) 〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、上記の親水性基を含有する非イオン系
界面活性剤を配合した硬化性シリコーン組成物
は、硬化物の表面に界面活性剤がブリードしてし
まう、硬化後の寸法安定性が悪い、また硬化物の
親水性が長期間にわたつて持続しないなどの欠点
がある。 そこで本発明の目的は、硬化物が優れた親水性
及び寸法安定性を有し、しかもその親水性が半氷
久的に持続する硬化性シリコーン組成物を提供す
ることにある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意
研究の結果、ケイ素原子に結合した水素原子ある
いは脂肪族不飽和炭化水素基を有する非イオン系
界面活性剤を必須の成分として配合したシリコー
ン組成物の硬化物が優れた親水性、例えば、硬化
物の表面と水との接触角が65゜以下であり、しか
もその親水性の長期間にわたり持続することを見
出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、 (A) 1分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽
和炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノ
ポリシロキサン、 (B) 1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を
少なくとも3個有するオルガノハイドロジエン
ポリシロキサン、当該成分中のケイ素原子に結
合した水素原子が前記(A)成分中の脂肪族不飽和
炭化水素基1個に対して0.5〜10個の割合とな
る量、 (C) 下記一般式(): 〔式中、Rは、同一でも異なつていてもよ
く、 一価の炭化水素基であり、 Reは、下記式(): −R1O(C2H4O)aR2 () (ここでR1は二価の炭化水素基であり、 aは1以上の整数である)で表される基であ
り、 xは、0以上の整数、 yは、1以上の整数、 zは、1以上の整数である、〕 または下記一般式(): 〔式中、R,Re.x,y及びzは、前記の
通りである、〕 で表されるシロキサン化合物から成る非イオン
系界面活性剤、前記(A)成分100重量部当り、0.5
〜15重量部、及び、 (D) 白金族金属系触媒、前記(A)成分に対して白金
族金属換算で1〜300ppm、 を含有してなる硬化性シリコーン組成物を提供
するものである。 本発明の組成物の(A)成分であるオルガノポリシ
ロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した脂
肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個含有する
ものであり、直鎖状、分岐状あるいは二次元又は
三次元の網状構造のいずれの形態のものでもよ
く、またこれらの混合物であつてもよい。脂肪族
不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、
アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニ
ル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
脂肪族不飽和炭化水素基以外のケイ素原子に結合
する有機基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基;フエニル基、ト
リル基等の芳香族炭化水素基;シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基等の脂環式炭化水素基;又
はこれらの炭化水素基の炭素原子に結合している
水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子等で
置換された基、例えば、クロロメチル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基などが挙げられ
る。これらのうちで好ましいものとしては、メチ
ル基、フエニル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基である。特に、この(A)のオルガノポリシ
ロキサンの好ましいものとしては、脂肪族不飽和
炭化水素基以外の置換基の全てがメチル基である
もの、もしくはメチル基とフエニル基からなるも
のがある。 この(A)成分のオルガノポリシロキサンの25℃に
おける粘度は、通常、50cSt以上、好ましくは100
〜5000000cStである。 本発明の組成物の(B)成分であるオルガノハイド
ロジエンポリシロキサンは、1分子中にケイ素原
子に結合した水素原子を少なくとも3個有するも
のであり、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造
のものでもよい。好ましくは直鎖状のものであ
る。このオルガノハイドロジエンポリシロキサン
において、ケイ素原子に結合した水素原子以外の
有機基としては、前記(A)のオルガノポリシロキサ
ンにおいて脂肪族不飽和炭化水素基以外の置換基
として例示したものと同じものを挙げることがで
きる。 (B)成分のオルガノハイドロジエンポリシロキサ
ンの25℃における粘度は、通常、0.5〜10000cSt、
好ましくは1〜1000cStである。 本発明の(B)成分の配合量は、当該成分中のケイ
素原子に結合した水素原子が前記(A)成分中の脂肪
族不飽和炭化水素基1個に対して0.5〜10個、好
ましくは0.75〜10個の割合となる量である。(B)成
分の配合量が多すぎると得られる組成物の硬化物
が脆くなつたり、過剰のヒドロシリル基(Si−
H)が残存して諸物性の経時変化の原因となつた
り、少なすぎると組成物の硬化が不充分となり易
い。 本発明の組成物の(C)成分の非イオン系界面活性
剤は、前記一般式()または()で表される
シロキサン化合物である。 前記一般式()において、複数のRは同一で
も異なつていてもよく、一価の炭化水素基であ
り、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シク
ロブチル基等のシクロアルキル基;フエニル基、
トリル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基;あ
るいはこれらの基の炭素原子に結合している水素
原子の一部又は全部がフツ素、塩素などのハロゲ
ン原子等で置換されている基、例えばクロロメチ
ル基、3,3,3−トルフルオロプロピル基等を
挙げることができ、これらの中でも好ましい基は
メチル基である。また基Reは、前記式()で
表される基であつて、該式中、R1は二価の炭化
水素基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、
ヘキサメチレン基等であり、好ましくはプロピレ
ン基である。また()式中、R2は水素原子ま
たは一価の炭化水素基であり、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等であり、好ま
しくはメチル基である。更に()式中、aは1
以上の整数であつて、得られる組成物の硬化物が
十分に低い水接触角を発現する点で、3〜20の整
数であることが好ましい。また一般式()にお
いて、xは0以上の整数、好ましくは0であり、
yは1以上の整数、好ましくは3〜150の整数、
さらに好ましくは3〜10の整数であり、zは1以
上の整数であり、特に界面活性剤としての機能が
十分に発揮されることから、1〜15の整数、さら
には2〜10の整数であることが好適である。 また一般式()のシロキサン化合物におい
て、R.Re.x,y及びzは、前記の通りである
が、R及びReを表す式()中のR2は、メチル
基が好ましく、またx+y+zが3〜10の整数、
特に4であることが好ましい。 上述した一般式()及び()で表されるシ
ロキサン化合物からなる非イオン系界面活性剤は
1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用する
ことができる。 これらの非イオン系界面活性剤において、最も
重要なことは、そのシロキサン化合物が、炭素原
子に結合した水素原子を有していることである。
即ち、この水素原子の存在により、本発明の組成
物を硬化した時、成分(B)または成分(A)と該非イオ
ン系界面活性剤であるシロキサン化合物が反応し
て硬化物中に組み込まれ、非イオン系界面活性剤
が硬化物中に安定に保持され、ブリードアウト等
の不都合が有効に回避され、また後述する実施例
からも明らかな通り、親水性が安定に保持され、
さらに硬化物の寸法安定性も良好なものとなる。 この(C)成分の配合量は、通常、(A)成分100重量
部に対して、0.5〜15重量部の割合であり、組成
物中のケイ素原子に結合した水素原子/ケイ素原
子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基のモル比が
0.5〜10、好ましくは0.75〜5となるように、(A)
成分と(B)成分の配合量に応じて適宜調節される。 (C)成分の配合量が多すぎると硬化遅れを生ずる
場合があり、少なすぎると本発明の組成物及びそ
の硬化物において親水性が低くなる場合がある。 本発明の組成物の(D)成分である白金族金属系触
媒は特に限定されないが、好ましくは白金化合物
であり、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩
化白金酸、白金−ビニルシロキサン錯体、白金
黒、塩化白金酸とオレフインもしくはアルデヒド
との錯体等を挙げることができる。この(D)成分の
配合量は、所望の硬化速度が得られるように適宜
調節できるが、通常、(A)成分に対して白金量(重
量)で1〜300ppmである。 本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分の他に、硬
化性シリコーン組成物に通常配合される成分、例
えば、充填剤、顔料、補強剤、可塑剤、反応抑制
剤等を適宜配合してもよい。 本発明の組成物は、通常、(A)成分及び(B)成分の
それぞれを含む甲、乙2剤からなる2成分型とし
て調製されるのが一般的である。この場合、(C)成
分はそれがケイ素原子に結合した水素原子あるい
は脂肪族不飽和炭化水素基のいずれを有するかに
応じて、いずれか一方の剤に配合される。すなわ
ち、(C)成分がケイ素原子に結合した水素原子を有
する場合は、(B)成分を含む乙剤に、(C)成分がケイ
素原子に結合した脂肪族不飽和炭化水素基を有す
る場合は、(A)成分を含む甲剤に配合される。しか
し、反応抑制剤を配合して(A)、(B)、(C)及び(D)成分
を同時に含む、一成分型として調製することもで
きる。用いられる反応抑制剤としては、例えば、
特公昭44−31476号に記載されているアセチレン
アルコール類;特公昭48−10947号に記載されて
いる高ビニル含有オルガノポリシロキサン;特公
昭55−41626号に記載されているトリアリルイソ
シアヌレート;特公昭63−56563号に記載されて
いるテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロ
キサンなどが挙げられる。 〔実施例〕 つぎに、本発明の方法を実施例及び比較例によ
り詳細に説明する。なお、以下の例において、
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び
「重量%」を示す。 実施例1〜2、比較例1 各例において、両末端がジメチルビニルシロキ
シ基で封鎖され、主鎖がジメチルシロキサン単位
からなり、粘度が5000cSt(25℃)であるメチルビ
ニルポリシロキサン100部、平均組成式: で表されるメチルハイドロジエンポリシロキサン
2部、塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール
溶液をメチルビニルポリシロキサンの配合量に対
し白金分として40ppmとなる量、及び表1に示す
界面活性剤をそれぞれ1部配合してなる3種の組
成物を調製した。 得られた組成物を平滑なガラス板上に塗布して
室温で10分間硬化させた。この硬化物の表面に慎
重に蒸留水を1滴落とし3分後の水滴と硬化物の
表面との接触角(以下、単に「水接触角」とい
う)を測定した。結果を表1に示す。
【表】
比較例 2〜4
各例において、界面活性剤として表2に示す化
合物を用いた以外は実施例1と同様にして組成物
を調製し、実施例1と同様にして水接触角を測定
した。結果を表2に示す。
合物を用いた以外は実施例1と同様にして組成物
を調製し、実施例1と同様にして水接触角を測定
した。結果を表2に示す。
【表】
【表】
比較例2及び3は、用いた界面活性剤がケイ素
原子に結合した水素原子及び脂肪族不飽和炭化水
素基を含有しない例であり、それぞれの組成物は
硬化後24時間、48時間後には硬化物の表面に界面
活性剤がブリードしていることが目視で確認され
た。また比較例4はシロキサン単位を含有しない
界面活性剤を使用した例であり、組成物の硬化速
度が遅く、しかも硬化後に表面に界面活性剤のブ
リードが認められた。 実施例3〜4、比較例5〜8 各例において、実施例1及び2並びに比較例1
〜4で得られた硬化物をそれぞれ2つに切断し、
一方の片を10日間室温下に放置し、他方の片を2
日間流水で洗つて2種の試験片を得た。得られた
2種の試験片のそれぞれについて実施例1と同様
にして水接触角を測定した。結果を表3に示す。
原子に結合した水素原子及び脂肪族不飽和炭化水
素基を含有しない例であり、それぞれの組成物は
硬化後24時間、48時間後には硬化物の表面に界面
活性剤がブリードしていることが目視で確認され
た。また比較例4はシロキサン単位を含有しない
界面活性剤を使用した例であり、組成物の硬化速
度が遅く、しかも硬化後に表面に界面活性剤のブ
リードが認められた。 実施例3〜4、比較例5〜8 各例において、実施例1及び2並びに比較例1
〜4で得られた硬化物をそれぞれ2つに切断し、
一方の片を10日間室温下に放置し、他方の片を2
日間流水で洗つて2種の試験片を得た。得られた
2種の試験片のそれぞれについて実施例1と同様
にして水接触角を測定した。結果を表3に示す。
【表】
実施例1及び2で得られた硬化物は10日間室温
下に放置してもその表面に界面活性剤のブリード
は認められなかつた。 実施例5〜6、比較例9 実施例1、2及び比較例1で得られた3種の組
成物を、それぞれ深さ1mm×縦20mm×横20mmの内
寸法の金型を上下に2個重ね合わせてなる深さ2
mmの割型の中に注型して硬化させた。組成物の硬
化後、割型の上半分を取外し、硬化物の上半分を
切取り、切断面の水接触角を実施例1と同様にし
て測定した。その結果、実施例1、2及び比較例
1の硬化物の切断面の水接触角は、それぞれ63゜、
60゜及び94゜であつた。 実施例7〜8、比較例10〜12 実施例1及び2、並びに比較例2、3及び4で
得られた組成物を、それぞれ金型に注型して長さ
50mm×幅20mm×厚さ4mmの長方体状で長さ方向に
40mmの間隔で2つの目盛りを有する成形体を複数
体製した。得られた各成形体を、2群に分け、一
方を室温で相対湿度20%の雰囲気中に放置し、他
方を流水中で24時間洗浄した後、各成形体の目盛
りの間隔を測定し、寸法変化率を式: 〔40−(放置後の目盛りの間隔)〕/40 で求めた。結果を表4で示す。
下に放置してもその表面に界面活性剤のブリード
は認められなかつた。 実施例5〜6、比較例9 実施例1、2及び比較例1で得られた3種の組
成物を、それぞれ深さ1mm×縦20mm×横20mmの内
寸法の金型を上下に2個重ね合わせてなる深さ2
mmの割型の中に注型して硬化させた。組成物の硬
化後、割型の上半分を取外し、硬化物の上半分を
切取り、切断面の水接触角を実施例1と同様にし
て測定した。その結果、実施例1、2及び比較例
1の硬化物の切断面の水接触角は、それぞれ63゜、
60゜及び94゜であつた。 実施例7〜8、比較例10〜12 実施例1及び2、並びに比較例2、3及び4で
得られた組成物を、それぞれ金型に注型して長さ
50mm×幅20mm×厚さ4mmの長方体状で長さ方向に
40mmの間隔で2つの目盛りを有する成形体を複数
体製した。得られた各成形体を、2群に分け、一
方を室温で相対湿度20%の雰囲気中に放置し、他
方を流水中で24時間洗浄した後、各成形体の目盛
りの間隔を測定し、寸法変化率を式: 〔40−(放置後の目盛りの間隔)〕/40 で求めた。結果を表4で示す。
本発明の硬化性シリコーン組成物は、その硬化
物が優れた親水性及び寸法安定性を有し、しかも
その親水性が長期間にわたつて持続する。そのた
め、例えば、歯科用印象材、平版印刷版、離型
剤、反射シート、接着剤、塗料、シーラントとし
て好適である。さらに、本発明の組成物は、例え
ば、コンタクトレンズ、シリコーン移植片、傷の
包帯等の用途にも好適である。特に、歯科用印象
材として好適である。
物が優れた親水性及び寸法安定性を有し、しかも
その親水性が長期間にわたつて持続する。そのた
め、例えば、歯科用印象材、平版印刷版、離型
剤、反射シート、接着剤、塗料、シーラントとし
て好適である。さらに、本発明の組成物は、例え
ば、コンタクトレンズ、シリコーン移植片、傷の
包帯等の用途にも好適である。特に、歯科用印象
材として好適である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A) 1分子中にケイ素原子に結合した脂肪族
不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するオル
ガノポリシロキサン、 (B) 1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を
少なくとも3個有するオルガノハイドロジエン
ポリシロキサン、当該成分中のケイ素原子に結
合した水素原子が前記(A)成分中の脂肪族不飽和
炭化水素基1個に対して0.5〜10個の割合とな
る量、 (C) 下記一般式(): 〔式中、Rは、同一でも異なつていてもよ
く、 一価の炭化水素基であり、 Reは、下記式(): −R1O(C2H4O)aR2 () (ここでR1は二価の炭化水素基であり、 aは1以上の整数である)で表される基であ
り、 xは、0以上の整数、 yは、1以上の整数、 zは、1以上の整数である、〕 または下記一般式(): 〔式中、R,Re.x,y及びzは、前記の
通りである、〕 で表されるシロキサン化合物から成る非イオン
系界面活性剤、前記(A)成分100重量部当り、0.5
〜15重量部、及び、 (D) 白金族金属系触媒、前記(A)成分に対して白金
族金属換算で1〜300ppm、 を含有して成る硬化性シリコーン組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1126025A JPH02305857A (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 硬化性シリコーン組成物 |
EP90305414A EP0398745B1 (en) | 1989-05-19 | 1990-05-18 | Curable silicone compositions |
DE69028346T DE69028346T2 (de) | 1989-05-19 | 1990-05-18 | Härtbare Siliconmassen |
US07/525,047 US5064891A (en) | 1989-05-19 | 1990-05-18 | Curable silicone compositions |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1126025A JPH02305857A (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 硬化性シリコーン組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02305857A JPH02305857A (ja) | 1990-12-19 |
JPH0536458B2 true JPH0536458B2 (ja) | 1993-05-31 |
Family
ID=14924840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1126025A Granted JPH02305857A (ja) | 1989-05-19 | 1989-05-19 | 硬化性シリコーン組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02305857A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4129613A1 (de) * | 1991-09-06 | 1993-03-11 | Wacker Chemie Gmbh | Lagerstabile, permanent wasserbenetzbare vulkanisate ergebende polysiloxanmasse |
JP4528419B2 (ja) * | 2000-05-30 | 2010-08-18 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 布帛の柔軟処理剤組成物 |
JP2003081732A (ja) * | 2001-09-05 | 2003-03-19 | Gc Corp | 歯科用印象材組成物 |
JP4626759B2 (ja) * | 2005-08-01 | 2011-02-09 | 信越化学工業株式会社 | 二液型シリコーン樹脂組成物の射出成形方法 |
RU2477121C2 (ru) * | 2007-12-18 | 2013-03-10 | 3М Инновейтив Пропертиз Компани | Стоматологическая композиция, содержащая поверхностно-активное вещество и f-содержащее соединение, способ ее изготовления и применения |
JP7403281B2 (ja) * | 2019-11-01 | 2023-12-22 | ダウ・東レ株式会社 | マイクロ流路を形成するための硬化性シリコーン組成物及びその硬化物、並びにマイクロ流路デバイス及びその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0635546B2 (ja) * | 1986-08-26 | 1994-05-11 | 信越化学工業株式会社 | 離型フィルム用シリコ−ン組成物 |
-
1989
- 1989-05-19 JP JP1126025A patent/JPH02305857A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02305857A (ja) | 1990-12-19 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |