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JP6611362B2 - 容量式湿度センサ - Google Patents

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JP6611362B2
JP6611362B2 JP2016563748A JP2016563748A JP6611362B2 JP 6611362 B2 JP6611362 B2 JP 6611362B2 JP 2016563748 A JP2016563748 A JP 2016563748A JP 2016563748 A JP2016563748 A JP 2016563748A JP 6611362 B2 JP6611362 B2 JP 6611362B2
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Description

本発明は、湿度ヒステリシスの少ない容量式湿度センサに関するものである。
特公平4−64425号公報(特許文献1)や、WO2010/113711(特許文献2)等に示された従来の容量式湿度センサでは、基板の上に下部電極を形成し、その上に感湿膜を形成し、さらに感湿膜の上に上部電極を形成している。そして特許文献2に示された従来の湿度センサでは、さらに上部電極の上に非透湿保護膜を形成している。いずれの容量式湿度センサでも、基板上に設けた接続電極との電気的な接続のために上部電極を基板上に延ばしている。
特公平4−64425号公報 WO2010/113711
しかしながら従来の容量式湿度センサでは、湿度ヒステリシスに影響を与える余分な湿気の浸入及び排出を防止するために、非透湿性保護膜を形成する必要がある。また上部電極を基板の表面上に延ばした場合、上部電極と基板の表面との密着性が悪い場合には、基板の表面から上部電極の延長部分が剥がれる問題が発生する。
本発明の目的は、非透湿保護膜を形成しなくても、余分な湿気の浸入及び排出を防止することができる容量式湿度センサを提供することにある。
上記目的に加えて、本発明の他の目的は、上部電極の基板表面からの剥がれを防止できる容量式湿度センサを提供することにある。
本発明の容量式湿度センサは、絶縁基板と、絶縁基板との密着性が良好な材料で形成された下地電極層を含んで形成された下部電極及びこの下部電極と電気的に接続された第1の接続電極を含む下部電極パターンと、下部電極を全体的に覆う感湿膜を含む感湿膜パターンと、感湿膜を部分的に露出させるようにして覆う上部電極を含む上部電極パターンとを備えている。特に、本発明の容量式湿度センサでは、上部電極パターンが、感湿膜パターンの周縁部の大部分を覆うように形成されている。
このようにすると、感湿膜パターンの周縁部の大部分が上部電極パターンによって覆われた状態になるので、感湿膜の外周部からの余分な吸湿及び排湿が無くなり、非透湿保護膜を形成しなくても、感湿膜のヒステリシス特性が改善される。
下部電極パターンは、下部電極と電気的に接続された第1の接続電極を含んでいる。そして下地電極層を有して下部電極パターンと同じ構造で形成され、下部電極の周縁部の大部分との間に間隔を開けて絶縁基板上に形成されて下部電極の周縁部の大部分を囲む包囲電極及び該包囲電極と電気的に接続された第2の接続電極を含む包囲電極パターンをさらに備えているのが好ましい。この場合、感湿膜パターンは、包囲電極と下部電極の周縁部の大部分との間に形成された第1のスリットを埋め且つ包囲電極に沿って該包囲電極を連続的に露出させる第2のスリットを形成するように形成されているのが好ましい。そして上部電極パターンは、第2のスリットを埋めるように形成されているのが好ましい。このようにすると、第2のスリットの下には包囲電極があり、上部電極は包囲電極と密着し、絶縁基板と接触することがない。したがって上部電極が剥がれることを防止できる。また上部電極パターンが第2のスリットを埋めた状態においては、感湿膜パターンの周縁部の大部分が上部電極パターンによって覆われた状態となる。その結果、感湿膜の外周部から吸湿及び排湿が無くなり、感湿膜のヒステリシス特性が改善される。
下部電極パターンは、下部電極と第1の接続電極との間を接続する第1の接続部を備えており、この第1の接続部の幅寸法は第1の接続電極の幅寸法よりも短いことが好ましい。また包囲電極は、第1の接続部との間に間隔をあけて延びて第1のスリットを延長する一対の延長部を備えているのが好ましい。この場合、感湿膜パターンは、延長部によって延長された第1のスリットの延長部分を埋め且つ一対の延長部に沿って該一対の延長部を連続的に露出させて第2のスリットを延長するように形成されているのが好ましい。そして上部電極パターンは、第2のスリットの延長部分を埋めるように形成されているのが好ましい。このように構成すると、第1の接続電極を設ける場合において形成される湿度の検出に利用される感湿膜部分までの湿度進入路の長さを長くすることができる。その結果湿度ヒステリシス特性をさらに改善することができる。
包囲電極パターンは、包囲電極と第2の接続電極とを接続する接続部を備えているのが好ましい。この場合、感湿膜パターンは、下部電極パターンの第1の接続部及び包囲電極パターンの第2の接続部及び一対の延長部を覆い且つ第1の接続電極及び第2の接続電極の周囲を覆うように形成されているのが好ましい。このような構造を採用すると、感湿膜パターンが、下部電極パターンが形成された絶縁基板のほぼ全面を覆うことになり、上部電極が成膜時に基板に接触しないため、上部電極が基板から剥がれることなく加工できる。
下部電極パターン及び包囲電極パターンの下地電極層は、NiCr、Cr及びTiのいずれか1つからなり、下地電極層の上にAuまたはPtからなる表面電極層が形成されているのが好ましい。このような材料の組み合わせであれば、下部電極パターンが基板表面から剥がれることを防止することができ、しかも上部電極が包囲電極から剥がれることを確実に防止できる。また下部電極パターン及び包囲電極パターンの下地電極層は、NiCr、Cr及びTiのいずれか1つからなる薄膜からなり、下地電極層の上にTa等からなる拡散防止層が薄膜により形成され、拡散防止層の上にAuまたはPt(5000Å)からなる表面電極層が形成されているのが好ましい。拡散防止層を設けると、下地電極層と表面電極層の相互の拡散が防止され、膜の信頼性が向上する。
感湿膜パターンが、ポリイミドから形成されている場合には、コストを下げることができる。
また第1の接続電極及び第2の接続電極が、ワイヤボンディングの電極パッドとなる大きさを有していれば、ワイヤボンディングによる接続が可能になる。
そして第1のスリットの幅寸法は、10〜20μm以上であり、第2のスリットの幅寸法は、10μm〜20μm以上であるのが好ましい。そして下部電極パターン及び上部電極パターンは、6000Å以下の薄膜により形成されており、感湿膜パターンは、0.2ミクロン以上〜2ミクロン以下の薄膜により形成されているのが好ましい。
本発明の第1の実施の形態の容量式湿度センサの平面図である。 (A)及び(B)は、図1のA−A´線断面図及びB−B´線断面図である。 (A)乃至(D)は、図1の実施の形態で用いる下部電極パターン及び包囲電極パターン、感湿膜パターン並びに上部電極パターンをそれぞれ示す図である。 下部電極パターンの層構造を示す図である。 第1の実施の形態の容量式湿度センサの湿度ヒステリシスと従来の構造の容量式湿度センサの湿度ヒステリシスとを測定した結果を示す図である。 (A)乃至(C)は、本発明の第2の実施の形態の容量式湿度センサで用いる下部電極パターン及び包囲電極パターンと温度補償をするための基準容量式湿度センサを形成するための下部電極パターン及び包囲電極パターンの平面図と、感湿膜パターンの平面図と、上部電極パターンの平面図である。 第2の実施の形態の等価回路を示した図である。 (A)乃至(E)は、本発明の第3の実施の形態の容量式湿度センサで用いる下部電極パターン及び包囲電極パターンの平面図と、感湿膜パターンの図と、上部電極パターンと、下部電極パターンを感湿膜パターンで覆った状態を示す平面図と、下部電極パターンを覆った感湿膜パターンの上に上部電極パターンを形成した状態を示す平面図である。
以下図面を参照して、本発明の容量式湿度センサの実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の容量式湿度センサ1の平面図であり、図2(A)及び(B)は図1のA−A´線断面図及びB−B´線断面図であり、図3(A)乃至(D)は、図1の実施の形態で用いる下部電極パターン3及び包囲電極パターン5と、感湿膜パターン7並びに上部電極パターン9をそれぞれ示している。なお図1乃至図3は、実施の形態を説明するために作成したものであって、各部の寸法や孔の数等は実際のものとは異なる。
本実施の形態の容量式湿度センサ1は、ガラス、表面酸化されたシリコンウエハ、セラミック等の材料で形成されて表面が滑らかな絶縁基板2を備えている。そして絶縁基板2の表面上には、下部電極パターン3と包囲電極パターン5が形成されている。下部電極パターン3は、下部電極31と、第1の接続電極33と、下部電極31と第1の接続電極33との間を接続する第1の接続部32とを備えている。第1の接続部32の幅寸法は第1の接続電極33の幅寸法よりも短い。また包囲電極パターン5は、下部電極31の周縁部の大部分との間に間隔を開けて絶縁基板2上に形成されて下部電極31の周縁部の大部分を囲む包囲電極51及び該包囲電極51と電気的に接続された第2の接続電極53と、包囲電極51と第2の接続電極53とを接続する第2の接続部52と、下部電極パターン3の第1の接続部32との間に間隔をあけて延びて後述する第1のスリット4を延長する一対の延長部54及び55を備えている[図2(B)参照]。包囲電極51と下部電極31の周縁部の大部分との間には第1のスリット4が形成されている。
下部電極パターン3は、図4に示すように、絶縁基板2の表面との密着性が良好な材料で形成された下地電極層3aと、下地電極層3aの上に形成された拡散防止層3bと、拡散防止層3bの上に形成された表面電極層3cとを含んで形成されている。拡散防止層3bは、下地電極層3aと表面電極層3cとが相互に拡散することを防止する。包囲電極パターン5も下部電極パターンと同じ構造を有している。したがって下部電極パターン3と包囲電極パターンとは、同じ製造工程で同時に形成される。まずスパッタまたは蒸着で絶縁基板2の表面全面に下地電極層3aを形成するためにNiCr、Cr及びTiのいずれか1つの薄膜層を形成し、その上に拡散防止層3bを形成するためにTaからなる薄膜層を形成し、さらにその上に表面電極層3cを形成するためにAuまたはPtからなる薄膜層を形成することにより、多層薄膜を形成する。次に多層薄膜の上に、レジスト(感光性物質膜)をスピンコート等で形成した後パターン露光を行ってポジ型を形成する。その後現像とリンスを行って余分なレジストを除去し、その後エッチングを行った後レジストの除去を行って、下地電極パターン3を形成する。このとき同時に包囲電極パターン5も形成される。
感湿膜パターン7は、下部電極31を全体的に覆う感湿膜71を含んでいる。感湿膜パターン7は、包囲電極51と下部電極31の周縁部の大部分との間に形成された第1のスリット4を埋め且つ包囲電極51に沿って該包囲電極51を連続的に露出させる第2のスリット8を形成するように形成されている。感湿膜パターン7は、一対の延長部54及び55によって延長された第1のスリット4の延長部分41及び42を埋め且つ一対の延長部54及び55に沿って該一対の延長部を連続的に露出させて第2のスリット8を延長するように形成されている。そして本実施の形態では、感湿膜パターン7が、包囲電極パターンの第2の接続部52を覆い且つ第1の接続電極33及び第2の接続電極53の周囲を覆う被覆部72をさらに備えている。本実施の形態では、感湿膜パターン7をポリイミドで形成しているが、ポリイミド系有機化合物、セルロース、セルロース系有機化合物、ポリビニルアルコール(PVA)等を用いて感湿膜パターンを形成してもよいのは勿論である。感湿膜パターン7の形成は、下部電極パターン3の形成と同様に、絶縁基板2の下部電極パターンの上にポリイミド膜を全面的に形成し、フォトリソ技術を用いて所定のパターンをエッチングにより形成する。
上部電極パターン9は、感湿膜71を部分的に露出させるようにして覆う上部電極91を含んでいる。本実施の形態では、上部電極パターン9が、AuまたはPtの薄膜により感湿膜71の周縁部の大部分を覆うように形成されている。上部電極91には、湿気を感湿膜71に出入りさせるための複数の貫通孔10が形成されている。また上部電極パターン9は、感湿膜パターン7の第2のスリット8を埋めるように形成されている。さらに上部電極パターン9は、第2のスリット8の延長部分81及び82を埋めるように形成されている。このようにすると、第2のスリット8の下には包囲電極51があり、上部電極91は包囲電極51と密着し、絶縁基板2と接触することがない。したがって上部電極91が剥がれることを防止できる。また上部電極パターン9が第2のスリット8及び第2のスリット8の延長部分81及び82を埋めた状態においては、感湿膜71の周縁部の大部分が上部電極パターン9によって覆われた状態となる。その結果、感湿膜71の外周部から吸湿及び排湿が無くなり、感湿膜71のヒステリシス特性が改善される。図5は本実施の形態の容量式湿度センサの湿度ヒステリシスと従来の構造の容量式湿度センサの湿度ヒステリシスとを測定した結果を示す図である。ここで従来の構造の容量式湿度センサは、上部電極により感湿膜の周縁部を覆っていない構造を有している。図5において、曲線Xは従来の構造の容量式湿度センサの湿度ヒステリシスであり、Yが本実施の形態の容量式湿度センサの湿度ヒステリシスである。図5には、湿度を10%から90%まで増加させる場合における実際の湿度に対するセンサが測定した湿度との相対的な差を示している。湿度を90%から10%に減少させると、縦軸のマイナス側に相対差が現れる。湿度ヒステリシスがなければ相対的な差は湿度10%から90%の範囲において相対差は0になる。本実施の形態では、上部電極パターン9が、第1の接続電極33及び第2の接続電極53の表面を覆う電極被覆部92及び93を備えている。このような電極被覆部92及び93を設けると、接続電極へのワイヤボンディングの接続が良好になる。
上記実施の形態において、絶縁基板2の寸法は5mm×7mm×1mmである。また第1の接続電極33及び第2の接続電極53は、ワイヤボンディングの電極パッドとなる大きさを有している。また第1のスリット4の幅寸法は、10〜20μmであり、第2のスリット8の幅寸法は、10〜20μmである。そして下部電極パターン3及び上部電極パターン9は、6000Å以下の薄膜により形成されており、感湿膜パターンは、0.2μm以上〜2μm以下の薄膜により形成されている。また上部電極71に形成する貫通孔の直径は10μmである。
[第2の実施の形態]
図6(A)乃至(C)は、本発明の第2の実施の形態の容量式湿度センサで用いる下部電極パターン13及び包囲電極パターン15と、感湿膜パターン17と上部電極パターン19と、温度補償をするための基準容量式湿度センサを形成するための下部電極パターン13´及び包囲電極パターン15´と、感湿膜パターン17´と上部電極パターン19´を示している。これらのパターンは、上記第1の実施の形態における各パターンと同様の材質を用いて同様の方法で形成されている。図6において、図1乃至図4に示した第1の実施の形態の構成要素と同様の構成要素には、図1乃至図4に付した符号の数に10または100の数を付した符号を付して詳細な説明を省略する。また図6において、基準容量式湿度センサを構成する構成要素には、容量式湿度センサに用いた符号にダッシュ「´」を付して詳細な説明を省略する。
これらのパターンを重ねて形成されるセンサの等価回路は図7に示す通りである。図7の等価回路においてC1が、容量式湿度センサの容量であり、C2が基準容量式センサの容量である。そして端子部T1が第1の実施の形態における第1の接続電極33に相当する。そのため図6には、符号133を符号T1に付記してある。また端子部T2が第1の実施の形態における第2の接続電極153に相当する。そのため図6には、符号153を符号T21に付記してある。T3は基準容量式センサの端子部であり、T4は電極パターン全体に対する包囲電極160の端子部である。
本実施の形態では、下部電極パターン13の下部電極131と下部電極パターン13´の下部電極131´とが接続部132によって電気的に接続されている。包囲電極151は、下部電極131の周囲の大部分を囲んで端子部T2に接続されている。下部電極パターン13及び13´には、第1のスリット14及び14´が形成されている。感湿膜パターン17中の感湿膜171及び171´は第1のスリット14及び14´を埋め且つ包囲電極151及び151´に沿って該包囲電極151及び151´を連続的に露出させる第2のスリット18及び18´を形成するように構成されている。
上部電極パターン19は、感湿膜171を部分的に露出させるようにして覆う上部電極191と、感湿膜171´を覆う上部電極191´と、端子部T1乃至T4を覆う被覆電極部192乃至195を含んでいる。上部電極191にはコの字またはU字状のスリットによって囲まれた接続部191Aが含まれており、上部電極191´にはコの字またはU字状のスリットによって囲まれた接続部191B及び191Cが含まれている。接続部191Aは下部電極パターン13に含まれる接続部133と接続され、接続部191Bは下部電極パターン13に含まれる接続部134と接続され、接続部191Cは下部電極パターン13に含まれる接続部135と接続されている。これらの接続部の接続により、包囲電極151及び151´がそれぞれ連続したパターンになる。
本実施の形態においては、第2のスリット18及び18´の下には包囲電極151及び151´があり、上部電極191及び191´は包囲電極151及び151´と密着し、絶縁基板と接触することがない。したがって上部電極191及び191´が剥がれることを防止できる。また上部電極パターン19が第2のスリット18及び18´を埋めた状態においては、感湿膜171及び171´の周縁部の大部分が上部電極パターン19及び19´によって覆われた状態となる。その結果、感湿膜171及び171´の外周部から吸湿及び排湿が無くなり、感湿膜171及び171´のヒステリシス特性が改善される。
上記実施の形態では、包囲電極160を設けることにより、出力中に混入するノイズ削減という効果があるが、この包囲電極160は必ずしも設ける必要はない。
[第3の実施の形態]
図8(A)乃至(E)は、本発明の第3の実施の形態の容量式湿度センサで用いる下部電極パターン213及び包囲電極パターン215と、感湿膜パターン217と上部電極パターン219と、下部電極パターン213を感湿膜パターン217で覆った状態を示す平面図と、感湿膜パターン217の上に上部電極パターン219を形成した状態を示す平面図を示している。これらのパターン(213,215、217,219)は、上記第1の実施の形態における各パターンと同様の材質を用いて同様の方法で形成されている。図8において、図6に示した第2の実施の形態の構成要素と同様の構成要素には、図6に付した符号の数に200の数を付した符号を付してある。
本実施の形態では、包囲電極パターン215の包囲電極351は、下部電極331の周囲の大部分を囲んで端子部T2に接続されている。下部電極パターン213には、第1のスリット214が形成されている。感湿膜パターン217中の感湿膜371は第1のスリット214を埋め且つ包囲電極351に沿って該包囲電極351を連続的に露出させる第2のスリット218を形成するように構成されている。
上部電極パターン219は、感湿膜371を部分的に露出させるようにして覆う上部電極391と端子部T1,T2及びT4を覆う被覆電極部392、393及び395を含んでいる。上部電極391にはコの字またはU字状のスリットによって囲まれた接続部391Aが含まれている。接続部391Aは下部電極パターン213に含まれる接続部333と接続されている。これらの接続部の接続により、包囲電極351が連続したパターンになる。
本実施の形態においても、第2のスリット218の下には包囲電極351があり、上部電極391は包囲電極351と密着し、絶縁基板と接触することがない。したがって上部電極391が剥がれることを防止できる。また上部電極パターン219が第2のスリット218を埋めた状態においては、感湿膜371の周縁部の大部分が上部電極パターン219によって覆われた状態となる。その結果、感湿膜371の外周部から吸湿及び排湿が無くなり、感湿膜371のヒステリシス特性が改善される。
上記実施の形態でも包囲電極360を設けることにより、出力中に混入するノイズ削減という効果がある。この包囲電極360は必ずしも設ける必要はない。
また第1乃至第3の実施の形態では、下部電極パターンに含まれる接続電極を上部電極パターンで覆っているが、この構成も必ずしも採用する必要はない。
また第1及び第2の実施の形態では、下部電極パターンに含まれる接続電極を上部電極パターンで覆っているが、この構成も必ずしも採用する必要はない。
本発明によれば、感湿膜パターンの周縁部の大部分が上部電極パターンによって覆われた状態になるので、感湿膜の外周部からの余分な吸湿及び排湿が無くなり、非透湿保護膜を形成しなくても、感湿膜のヒステリシス特性が改善される。
1 容量式湿度センサ
2 絶縁基板
3 下部電極パターン
3a 下地電極層
3b 拡散防止層
3c 表面電極層
4 スリット
5 包囲電極パターン
7 感湿膜パターン
8 スリット
9 上部電極パターン
10 貫通孔
13 下部電極パターン
14 スリット
15 包囲電極パターン
17 感湿膜パターン
18 スリット
19 上部電極パターン
31 下部電極
32 第1の接続部
33 接続電極
41 延長部分
51 包囲電極
52 第2の接続部
53 接続電極
54 延長部
71 感湿膜
72 被覆部
81 延長部分
91 上部電極
92 電極被覆部

Claims (7)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板との密着性が良好な材料で形成された下地電極層を含んで形成された下部電極及び前記下部電極と電気的に接続された第1の接続電極を含む下部電極パターンと、
    前記下部電極を全体的に覆う感湿膜を含む感湿膜パターンと、
    前記絶縁基板との密着性が悪い材料で形成され、前記感湿膜を部分的に露出させるようにして覆う上部電極を含む上部電極パターンとを備えてなる容量式湿度センサであって、
    前記下部電極パターンと同じ構造を有し、前記下部電極の周縁部の大部分との間に間隔を開けて前記絶縁基板上に形成されて前記下部電極の前記周縁部の大部分を囲む包囲電極及び該包囲電極と電気的に接続された第2の接続電極を含む包囲電極パターンを備え、
    前記感湿膜パターンは、前記包囲電極と前記下部電極の周縁部の大部分との間に形成された第1のスリットを埋め且つ前記包囲電極に沿って該包囲電極を連続的に露出させる第2のスリットを形成するように形成されており、
    前記上部電極パターンは、前記第2のスリットを埋めるように形成されていることを特徴とする容量式湿度センサ。
  2. 前記下部電極パターンは、前記下部電極と前記第1の接続電極との間を接続する第1の接続部を備えており、前記第1の接続部の幅寸法は前記第1の接続電極の幅寸法よりも短く、
    前記包囲電極パターンは、前記包囲電極と前記第2の接続電極とを接続する第2の接続部と、前記第1の接続部との間に間隔をあけて延びて前記第1のスリットを延長する一対の延長部を備えており、
    前記感湿膜パターンは、前記延長部によって延長された前記第1のスリットの延長部分を埋め且つ前記延長部に沿って該延長部を連続的に露出させて第2のスリットを延長するように形成されており、
    前記上部電極パターンは、前記第2のスリットの延長部分を埋めるように形成されている請求項1に記載の容量式湿度センサ。
  3. 前記包囲電極パターンは、前記包囲電極と前記第2の接続電極とを接続する接続部を備えており、
    前記感湿膜パターンは、前記包囲電極パターンの前記接続部、前記延長部と前記下部電極パターンの前記接続部を覆い且つ前記第1の接続電極及び第2の接続電極の周囲を覆うように形成されている請求項2に記載の容量式湿度センサ。
  4. 前記下部電極パターン及び包囲電極パターンの前記下地電極層は、NiCr、Cr及びTiのいずれか1つからなり、前記下地電極層の上にAuからなる表面電極層が形成されている請求項1に記載に記載の容量式湿度センサ。
  5. 前記下部電極パターン及び包囲電極パターンの前記下地電極層は、NiCr、Cr及びTiのいずれか1つからなる薄膜からなり、前記下地電極層の上にTaからなる拡散防止層が薄膜により形成され、前記拡散防止層の上にAuからなる表面電極層が形成されている請求項1に記載の容量式湿度センサ。
  6. 前記感湿膜パターンは、ポリイミドから形成されている請求項1に記載の容量式湿度センサ。
  7. 前記第1の接続電極及び前記第2の接続電極は、ワイヤボンディングの電極パッドとなる大きさを有している請求項1に記載の容量式湿度センサ。
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