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JP6596675B2 - アーク溶接制御方法 - Google Patents

アーク溶接制御方法 Download PDF

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Description

本発明は消耗電極である溶接ワイヤと被溶接物である母材との間でアークを発生させて溶接を行うアーク溶接制御方法に関する。
溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接において、臨界電流値を超えると溶接ワイヤが溶融して生成された溶滴の移行の形態はスプレー移行となる。臨界電流値よりも高いピーク電流と、アークを維持するための臨界電流値より低いベース電流とを交互に繰り返す事で行う溶接方法はパルスアーク溶接法と呼ばれ、直流のスプレー移行溶接よりも低い平均電流で、スプレー移行を行わせることができる。
ベース電流が流れるベース電流期間ではアークが維持される。パルスアーク溶接法では、溶滴の移行がアーク力の影響を受けることの最も少ないベース電流期間中にて行われる。従って、スパッタを大幅に低減することが可能である。
しかし、パルスアーク溶接法は、シールドガスの組成に制約を受ける。シールドガス中の炭酸ガスの割合が30%を超えると、スパッタの低減効果が薄弱になる。一方、主成分として、スパッタの低減効果は大きいが高価であるアルゴンガスを大量に使用すると、シールドガスのコストが高くなる。そこで、炭酸ガスを主成分とするシールドガスを用いて安定したスプレー移行溶接が可能なアーク溶接法が求められている。
なお、スパッタが発生すると、母材に付着し、特に、動作を行う製品の可動部にスパッタが付着すると、製品の可動範囲を制限し、製品価値を著しく低下させる。このため、スパッタを除去する別の工程が必要となり、溶接生産性を著しく低下させる。
図6は特許文献1に開示されている従来のパルスアーク溶接制御方法におけるアーク部501と溶接電圧と溶接電流波形とを示す。このパルスアーク溶接制御方法では、炭酸ガスを主成分とするシールドガスを用いた定電流パルス制御を行っている。
図6に示すように、ピーク電流Ipの出力が開始され、ピーク時間Tpが開始される。溶融開始点t501から溶接ワイヤ519の先端519Pが溶融し始める。溶融開始点t501から始まる成長期間T502にて溶接ワイヤ519の先端519Pから溶滴523が成長し、溶接ワイヤ519の先端519Pと溶滴523との間にくびれ523Aが生じて溶滴523が先端519Pから離脱し始める。溶滴離脱点t503で溶滴523が溶接ワイヤ519から離脱し、溶滴523の離脱が完了する。パルスアーク溶接では、溶融開始点t501から溶滴離脱点t503が繰り返される。溶滴離脱点t503では、アーク517の長さであるアーク長が短時間で長くなるので、溶接電圧が急峻に高くなる。したがって、溶接電圧Vが所定の電圧しきい値を超えた場合に、あるいは、溶接電圧Vの単位時間当たりの変化量(dV/dt)が所定値を超えたことを検出することにより、溶滴523の溶接ワイヤ519からの離脱を検出することができる。
溶滴523の離脱後において溶滴523にかかるアーク力が強いすなわちアーク517の密度が高いと、アーク力の反力でスパッタが増加する。従って、溶滴523の離脱後は、溶接電流Iの値を、ピーク電流Ipからピーク電流Ipよりも低い所定の低下電流Irに低下し、スパッタの発生を防止している。その後、低下時間TMにおいて溶接電流Iを低下電流Irに維持し、低下時間TMの経過後は、溶接電流Iを元のピーク電流Ipに高めて溶接ワイヤ519の先端部519Pを溶融させる。そして、ピーク時間Tpが終了すると、ベース電流Ibが出力され始めて、ベース時間Tbが開始される。
一方、パルスアーク溶接法を用いず、臨界電流値よりも高い直流の溶接電流を与える事でスプレー移行溶接を行う場合、一般的には、アーク期間では電圧を制御する。特許文献2は、短絡期間とアーク期間を繰り返して短絡アーク溶接を行うアーク溶接制御方法において、電圧制御における電圧の変動を制御する方法として、アーク期間中に電子リアクトル制御によるインダクタンス値を調整することを開示している。
特許第5036197号公報 国際公開第2013/145569号
スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤに溶接電流を出力するアーク溶接装置を用いる。溶接電流が、溶接ワイヤが溶融して形成された溶滴が溶接ワイヤから離脱する際のピーク電流と、溶接ワイヤの溶融を開始して促進する際の凹状に極小値を有するように湾曲して連続的に変化する溶融電流とを繰り返すようにアーク溶接装置を制御する。ピーク電流と溶融電流が所定の範囲に入るようにアーク溶接装置を制御してもよい。
このアーク溶接制御方法により、スパッタが低減できると共に、幅の均一なビードを得る事ができる。
図1は実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成図である。 図2は実施の形態1におけるアーク溶接装置のアーク部と溶接電圧と溶接電流とを示す図である。 図3は実施の形態1におけるアーク溶接装置の溶接電流の電流変動幅と移行周期を示す図である。 図4は実施の形態2におけるアーク溶接装置の概略構成図である。 図5Aは実施の形態3におけるアーク溶接装置の溶接電流と溶接電圧との関係を示す図である。 図5Bは実施の形態3におけるアーク溶接装置の溶接電圧と溶接電流を示す図である。 図6は従来のアーク溶接制御方法におけるアーク部と溶接電圧と溶接電流とを示す図である。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるアーク溶接装置101の概略構成図である。アーク溶接装置101はアーク部102を備える。図2はアーク部2の動作を模式図に示す。図2はアーク溶接装置101の溶接電圧と溶接電流を併せて示す。
アーク溶接装置101は、入力電源1から入力した交流電力を整流する1次整流部2と、溶接出力を制御するスイッチング部3と、スイッチング部3の出力を入力して溶接に適した電力に変換するトランス4とを備える。
アーク溶接装置101は、トランス4の2次側出力を整流する2次整流部5と、2次整流部5の出力を平滑するリアクトル6と、スイッチング部3を駆動する駆動部7と、溶接電流Iを検出する溶接電流検出部8と、溶接電圧Vを検出する溶接電圧検出部9と、溶滴離脱検出部10とをさらに備える。溶滴離脱検出部10は、溶接電圧検出部9の出力に基づいて溶接ワイヤ19の先端部19Pからの溶滴23の離脱を検出する。
アーク溶接装置101は、溶接条件設定部14と記憶部13とをさらに備える。溶接条件設定部14は、溶接電流Iの設定電流Isや溶接電圧Vの設定電圧Vsや溶接ワイヤ19の送給量やシールドガス種類や溶接ワイヤ19の種類や溶接ワイヤ19の径等の溶接条件等を設定する。記憶部13は、溶接条件設定部14により設定された情報や溶接ワイヤ19の送給量の複数の値にそれぞれ対応する電子リアクトル制御の複数のリアクトル値、ピーク電流Ip、溶融電流Ig等の種々のパラメータを格納している。
アーク溶接装置101は、溶接電圧検出部9や記憶部13からの出力に基づいてアーク17の発生時の電流や電圧を制御する信号を出力するアーク制御部12をさらに備える。駆動部7は、アーク制御部12の出力に基づいてスイッチング部3を制御する。
溶接ワイヤ19は、ワイヤ送給部20により制御されるワイヤ送給モータによって送給される。溶接ワイヤ19には、トーチ15に備え付けられたチップ16を介して溶接用の電力が供給され、溶接ワイヤ19と母材18との間でアーク17を発生させて母材18の溶接が行われる。
図1で示すアーク溶接装置101を構成する各構成部は、各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成してもよい。
アーク溶接装置101の動作を以下に説明する。アーク溶接装置101は、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接において、溶接電圧Vの出力を設定する設定電圧Vsおよび溶接電流Iの出力を設定する設定電流Isに基づいて、溶接電圧Vと溶接電流Iを含む溶接出力を制御する。図2において、溶融開始点t1では溶滴23が溶接ワイヤ19の先端部19Pから離脱し、溶接ワイヤ19の先端部19Pの溶滴23が成長し始める。溶滴離脱点t3では、溶接電流Iがピーク電流Ipに到達する。溶融開始点t1から溶滴離脱点t3までの成長期間T2では、溶接ワイヤ19の先端部19Pは溶融して形成される溶滴23が成長する。溶接電圧Vはアーク17のアーク長L17に依存する。溶接ワイヤ19の溶融が開始してから溶滴23が成長するにつれてアーク長L17が短くなり、溶接ワイヤ19と母材18との間の抵抗値が小さくなるので溶接電圧Vは低下する。溶滴離脱点t3で溶接ワイヤ19の先端部19Pから溶滴23が離脱し、再度、溶接ワイヤ19の溶融が開始されるとアーク長L17が再び長くなる。したがって、溶滴離脱点t3で溶接ワイヤ19と母材18との間の抵抗値は高くなり、これに伴い溶接電圧Vが急峻に高くなる。このように溶接電圧Vの波形はのこぎり波となる。のこぎり波の波形に沿った溶接電圧Vの変化に伴い、溶接電流Iは、溶融電流Igと突起状のピーク電流Ipとを交互に繰り返す。詳細には、溶接電流Iは、溶滴23が離脱する際の溶滴離脱点t3でピーク電流Ipとなる。溶融電流Igは、溶接ワイヤ19の溶融を開始して促進をする凹状に湾曲して極小値ILを有するように連続的に変化する。溶接ワイヤ19を送給する速度であるワイヤ送給量は設定電流にて決定される。設定電流の複数の値にそれぞれ対応する予め実験的に導出したワイヤ送給量の複数の値が記憶部13に格納されている。ワイヤ送給量の複数の値にそれぞれ対応する溶接制御パラメータも記憶部13に格納されている。実施の形態1では、十分にスプレー移行状態となる設定電流の値に対応するワイヤ送給量の値を選択する。本実施の形態におけるアーク溶接制御方法では、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接において、溶接電圧Vの出力を設定する設定電圧、および溶接電流Iの出力を設定する設定電流に基づいて、溶接出力の制御を行い、溶滴23が離脱する際の突起状のピーク電流Ipと溶接ワイヤ19の溶融を開始して促進する凹状に湾曲して連続的に変化する曲線波形の溶融電流Igとを繰り返し、ピーク電流Ipと溶融電流Igの湾曲の極小値ILとの差分である電流変動幅Itが所定の値になるように制御し、溶接を行う。溶接ワイヤ19から溶滴23が離脱して、溶接ワイヤ19の溶融が開始してから溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱するまでの移行周期Ttが所定の範囲に収まるように電流変動幅Itを調整する。言い換えると溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱するタイミングが1回離脱/1周期となるように電流変動幅Itを調整する。
電流変動幅Itは、設定電流または、溶接電流Iの所定期間の移動平均の平均値を中心として、言い換えると溶接電流に対して±25%以上±45%以下の幅に、より好ましくは±25%以上±30%以下となるように制御する。具体的には、ピーク電流Ipが溶接電流Iの平均値の25%以上で45%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より大きく、かつ溶融電流Igの極小値ILが溶接電流Iの平均値の25%以上で45%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より小さくなるように電流変動幅Itを制御する。より好ましくは、具体的には、ピーク電流Ipが溶接電流Iの平均値の25%以上で30%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より大きく、かつ溶融電流Igの極小値ILが溶接電流Iの平均値の25%以上で30%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より小さくなるように電流変動幅Itを制御する。移動平均を算出する上記の所定期間は移行周期Ttの整数倍である。電流変動幅Itで調整される移行周期Ttは15msec以上35msec以下であり、より好ましくは15msec以上20msec以下である。これにより、移行周期Ttが安定するのでアーク長L19の変動が抑制され、ビード幅の均一化が図られる。
図3は電流変動幅Itと移行周期Ttの関係を示す。図3に示す電流変動幅Itと移行周期Ttとの上記範囲であるアーク安定領域As内に電流変動幅Itと移行周期Ttとを調整する事により溶接中のアークは安定する。
図3において、電流変動幅Itが±45%を超えて大きく、アーク安定領域Asから外れて、電流変動幅Itが大きくなると、凹状に湾曲して連続的に変化する曲線波形の溶融電流Igの極小値ILが低くなるので、溶接ワイヤ19を溶融して溶滴23を成長させる成長期間T2での溶接ワイヤ19への入熱量が不足する。そのため、母材18に向かって送給されている溶接ワイヤ19の先端部19Pと母材18間との距離が成長期間T2において短くなり、溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱する前に溶接ワイヤ19の先端部19Pと母材18が短絡することになり、アークが不安定となると共に、スパッタが発生する。
また、電流変動幅Itが±25%より小さく、アーク安定領域Asから外れて、電流変動幅Itが小さくなると、溶融電流Igの極小値ILが高くなるので、成長期間T2での溶接ワイヤ19への入熱量が過大となる。これにより、成長期間T2でのアーク反力が大きくなる。そのため、溶融させた溶接ワイヤ19の先端部19Pの溶滴23が、溶接ワイヤ19に向かって押し戻されるため、アーク不安定となると共に、溶接ワイヤ19の先端部19Pから飛散し、スパッタとなる。
次に、インダクタンス値を用いて、電流変動幅Itを制御する詳細動作について、図3を用いて説明する。インダクタンス値は、例えば、固定値としてのリアクトル6と電子リアクトル制御による可変可能な電子リアクトル値との加算値からなる。なお、実施の形態1ではリアクトル6のインダクタンス値は固定値であるが、可変としても良い。
図3において、電流変動幅Itが±45%を超えてアーク安定領域Asから外れて大きい場合は、電子リアクトル値を小さくして溶接の出力に関係するインダクタンスの値を大きくし、電圧制御の追従性を低下させて、電流変動幅Itがアーク安定領域As内となるように調整する。
また、電流変動幅Itが±25%より小さくアーク安定領域Asから外れて小さい場合は、電子リアクトル値を大きくして、インダクタンス値を小さくし、電圧制御の追従性を向上させて、電流変動幅Itがアーク安定領域As内となるように調整する。
以上の様に、図3に示すアーク安定領域As内となるように電流変動幅Itを調整して制御することで、溶接ワイヤ19の溶融時間が変化し、これに伴い、溶接ワイヤ19の溶滴23を離脱させる移行周期Ttをアーク安定領域As内である15msec以上35msec以下とすることができ、安定したアーク17を得る事が出来る。
さらに、本実施の形態では、溶接電圧Vの所定期間の移動平均である平均値を設定する設定電圧を変更することで電流変動幅Itを調整する。溶接中の状態がスプレー移行状態になると共に、図3に示すように、電流変動幅Itが、アーク17の安定するアーク安定領域As内となるように、溶接電流Iの波形が設定電流を中心とした所定の範囲に入るように電流変動幅Itを調整する。
また、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接において、溶接の出力に関連するインダクタンス値を変更することで電流変動幅Itを制御する。インダクタンス値はリアクトル6と、記憶部13に記憶された電子リアクトル制御の電子リアクトル値との加算値であり、インダクタンス値に対応する出力制御信号を駆動部7に出力する。これにより、インダクタンス値をきめ細かく調整し、電流変動幅Itがアーク安定領域As内となるように電流変動幅Itを調整できる。
このように、実施の形態1におけるアーク溶接制御方法では、定電圧制御における設定電圧とインダクタンス値を調整して電流変動幅Itを最適化することによって、言い換えると溶滴23の成長の変動幅を適正化し、電流変動幅Itがアーク安定領域As内となるようにして移行周期Ttを安定させることにより、スパッタの発生を抑制して、より安定したアーク溶接が可能となる。
図6に示すパルスアーク溶接方法では、アーク長が溶滴523の直径より少しでも大きければ、溶接ワイヤ519の先端部519Pと母材518とが短絡することがないので、スパッタを低減することが可能である。しかし、溶接中には、チップから溶接ワイヤ519が突き出ている長さである突出し長さの変動や母材518の位置ずれ等の外乱により、溶接ワイヤ519の先端519Pと母材518との距離が短くなる場合がある。溶接ワイヤ519の先端519Pと母材518間との距離が短くなると、溶滴523が溶接ワイヤ519の先端519Pから離脱する前に溶接ワイヤ519の先端519Pと母材518との短絡が発生する。そして、短絡が発生した時の溶接電流Iが高いピーク電流Ipである場合には、短絡時に多量のスパッタが発生する。このように、突出し長さの変動や母材518の位置ずれ等の外乱が発生する場合に多量のスパッタが発生する場合がある。また、溶接ワイヤ519が溶融している時の溶接電流Iが低いベース電流Ibである時には、アーク517の指向性欠如によるアークブローが生じやすくなる。このため、アーク長の変動が大きく、ビード幅が不均一になる場合がある。
実施の形態1におけるアーク溶接装置101では、上述のような定電圧制御を用いて電流変動幅Itを制御するので、アーク長L17の変動が抑制される。これにより、溶接ワイヤ19のチップ16から突出する突出し長さL19の変動や母材18の位置ずれ等の外乱が発生してもアーク長L17の変動が抑制され、移行周期Ttが安定し、アークが安定する。したがって、溶接ワイヤ19と母材18との間の微小短絡が抑制され、スパッタが低減し、幅の均一なビードが得られる。
上述のように、実施の形態1におけるスプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤ19に溶接電流Iを出力するアーク溶接装置を用いる。そのアーク溶接制御方法では、溶接電流Iが、溶接ワイヤ19が溶融して形成された溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱する際のピーク電流Ipと、溶接ワイヤ19の溶融を開始して促進する際の凹状に極小値ILを有するように湾曲して連続的に変化する溶融電流Igとを繰り返すようにアーク溶接装置101を制御する。また、ピーク電流Ipが溶接電流Iの平均値の25%以上で45%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より大きく、かつ溶融電流Igの極小値ILが溶接電流Iの平均値の25%以上で45%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より小さくなるようにアーク溶接装置101を制御する。
溶接電圧Vの出力を設定する設定電圧Vsに基づいて、溶接電流Iがピーク電流Ipと溶融電流Igとを繰り返すようにアーク溶接装置101を制御してもよい。
スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤ19に溶接電流Iを出力するアーク溶接装置101を用いる。そのアーク溶接制御方法では、溶接ワイヤ19の溶融の開始から溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱するまでの移行周期Ttが15msec以上35msec以下となるように、ピーク電流Ipと極小値ILとの差分である電流変動幅Itを制御してもよい。
(実施の形態2)
図4は実施の形態2におけるアーク溶接装置101aの概略構成図である。図4において図1に示す実施の形態1におけるアーク溶接装置101と同様の箇所には同一の符号を付す。実施の形態2におけるアーク溶接装置101aは実施の形態1におけるアーク溶接装置101の溶滴離脱検出部10に接続された計時部11をさらに備える。
計時部11は移行周期Ttを以下の方法で検出する。溶滴23が溶接ワイヤ19の先端部19Pから離脱した溶滴離脱点t3でアーク長L17が急に長くなるので、溶滴離脱点t3で検出された溶接電圧Vが急峻に高くなる。溶滴離脱検出部10は、溶接電圧Aが所定の電圧しきい値を超えた場合、あるいは、溶接電圧Vの単位時間当たりの変化量(dV/dt)が所定値を超えた場合に、溶滴23が離脱したと判断し、溶滴23の溶接ワイヤ19からの離脱を検出する。計時部11は、溶滴離脱検出部10が溶滴の離脱を検出してから、その後溶滴23の離脱を再度検出するまでの時間を移行周期Ttとして検出する。記憶部13は、予め実験等により求めたアーク安定領域As(図3参照)内の移行周期Ttの値を記憶している。検出した移行周期Ttが、記憶部13に記憶されているアーク安定領域As内の移行周期Ttの値となるように電流変動幅Itが調整される。
実施の形態2におけるアーク溶接制御方法では、溶接電圧Vの所定の電圧しきい値、あるいは、溶接電圧Vの単位時間当たりの変化量(dV/dt)を用いて移行周期Ttを検出し、移行周期Ttが予め求めたアークの安定領域As内での所定の値となるように、電流変動幅Itを調整することにより、溶接ワイヤ19の突出し長さL19の変動や母材18の位置ずれ等の外乱発生時においてもアーク17が安定したアーク溶接が可能となる。また、このようにアーク17が安定するため、ビード幅を均一に出来ると共に、微小短絡が抑制されるため、スパッタも低減される。
(実施の形態3)
図5Aは実施の形態3におけるアーク溶接制御方法における溶接電流Iと溶接電圧Vとの関係を示す外部特性を示す。図5Aにおいて縦軸は溶接電圧Vの平均値を示し、横軸は溶接電流Iの平均値を示す。図5Bは溶接電圧Vと溶接電流Iとを示す。溶接ワイヤ19から溶滴23が離脱して溶接ワイヤ19の溶融の開始から溶滴23の離脱までの移行周期Ttが繰り返される。実施の形態3におけるアーク溶接制御方法では、繰り返される移行周期Ttのうち、移行周期Tt1でのアーク長L17に応じて移行周期Tt1の次の移行周期Tt2の電流変動幅Itが予め実験等により求めたアーク安定領域As内に入るように、電流変動幅Itを図5Aに示す外部特性の曲線に基づき制御する。電流変動幅Itを図5Aに示す外部特性の曲線の代わりに、外部特性の関係を示すデータ表に基づき制御してもよい。
電流変動幅Itの調整にはピーク電流Ip、溶融電流Ig、移行周期Ttおよび設定電圧のうち少なくとも一つの溶接制御パラメータを用いる。そして、図3に記載するアーク安定領域Asでの電流変動幅Itおよび移行周期Ttを満たすように電流変動幅Itを調整する。
図1に示す溶接電圧検出部9は、直前の移行周期Tt1または今の移行周期Tt2のうちの所定の一部の期間に検出した溶接電圧Vを用いてアーク長L17を検出する。図5Aと図5Bにおいて、設定電流Isおよび設定電圧Vsを設定する。設定された設定電流Isと設定電圧Vsに対応する溶接制御パラメータを用いてアーク溶接を行う。このアーク溶接において、溶接ワイヤ19から溶滴23が離脱して溶接ワイヤ19の溶融の開始から溶接ワイヤ19からの溶滴23の離脱までの移行周期Tt1内においての溶接電圧Vの平均値により、移行周期Tt1での平均値としてのアーク長L17を検出する。
例えば、図5Bにおいて、移行周期Tt2の直前の移行周期Tt1において、溶接電圧V(設定電圧Vsの出力)の平均値をアーク長L17の平均値として検出する。溶接電圧V(設定電圧Vsの出力)の平均値が値V1である場合、図5Aに示す外部特性より、溶接電圧Vの値V1に対応する溶接電流I(設定電流Isの出力)の平均値は値I1である。したがって、溶接電圧Vの値V1の設定電圧Vsと溶接電流Iの値I1の設定電流Isとの溶接制御パラメータを移行周期Tt2の溶接制御パラメータとして用いる。
また、移行周期Tt1における溶接電圧V(設定電圧Vsに対する電圧の出力値)の平均値をアーク長L17の平均値として検出し、図5Aに示す外部特性に従い、次の移行周期Tt2では、溶接電流Iの平均値が移行周期Tt1で検出した溶接電圧Vの平均値に対応する値になるように、ピーク電流Ipおよび/または溶融電流Igの溶接制御パラメータを用いて電流変動幅Itを制御することで、スパッタの発生を抑制すると共に、ビード幅を均一化することができる。
例えば、移行周期Tt1での溶接電圧Vの平均値によりアーク長の平均値を検出する。移行周期Tt1の次の移行周期Tt2では、移行周期Tt1で検出した溶接電圧Vの平均値に対応して図5Aに示す外部特性で決定される溶接電流I(設定電流Isの出力)の平均値になるように、ピーク電流Ip(Ip2)および/または溶融電流Ig(Ig2)を用いて次の移行周期Tt2での電流変動幅Itを制御しても良い。これにより、きめ細かい電流変動幅Itの調整が可能となる。
同様に、移行周期Tt2での溶接電圧Vの平均値によりアーク長の平均値を検出する。移行周期Tt2の次の移行周期Tt3では、移行周期Tt2で検出した溶接電圧Vの平均値に対応して図5Aに示す外部特性で決定される溶接電流I(設定電流Isの出力)の平均値になるように、ピーク電流Ip(Ip3)および/または溶融電流Ig(Ig3)を用いて次の移行周期Tt3での電流変動幅Itを制御しても良い。これにより、きめ細かい電流変動幅Itの調整が可能となる。
また、溶接ワイヤ19が赤熱することによって、アーク長L17が長くなり、移行周期Ttd毎の溶接電圧Vの平均値が相対的に高くなると、母材18への入熱量が大きくなって母材18に溶け落ちが生じる場合がある。この場合には、溶接電流Iと溶接電圧Vとの外部特性の曲線の傾きを緩くし、アーク長L17(各移行周期Ttでの溶接電圧Vの平均値)の変動に対する溶接制御パラメータ(溶接電流Iの平均値)の追従性を向上させることで、母材18への入熱量を低減させることができる。
実施の形態3におけるアーク溶接制御方法では、溶接中に直前の移行周期Tt(Tt1)でのアーク長L17(溶接電圧Vの平均値)を検出し、次の移行周期Tt(Tt2)において、アーク長L17(溶接電圧Vの平均値)に対して最適な電流変動幅Itを調整するので、突出し長さL19や溶接ワイヤ19と母材18の位置によらず、アーク17が安定する。なお、移行周期Tt1でのアーク長L17に基づいて電流変動幅Itは、次の移行周期Tt2に調整されるが、アーク17の安定に悪影響を与えなければ、移行周期Tt2以降の例えばさらに次の移行周期Tt3に移行周期Tt1でのアーク長L17に基づいて電流変動幅Itを調整しても良い。
さらに、溶接時に突出し長さL19の変動や母材18の位置ずれ等の外乱が発生しても、アーク長L17が一定になる様に制御されるので、アーク17が安定する。これにより、溶接ワイヤ19と母材18との微小短絡が抑制され、スパッタ低減やビード幅の均一化も可能となり、また、溶接ワイヤ19の溶け落ちを抑制することも可能となる。
以上のように、実施の形態1、2、3におけるスプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接を行うアーク溶接制御方法では、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接において、溶接電圧Vの出力を設定する設定電圧Vsおよび溶接電流Iの出力を設定する設定電流Isに基づいて溶接出力(溶接電圧V、溶接電流I)を制御する。溶接電流が、溶滴23が離脱する突起状のピーク電流Ipと、溶接ワイヤ19の溶融を開始して促進する凹状に湾曲して連続的に変化する曲線波形の溶融電流Igとを繰り返し、ピーク電流Ipと溶融電流Igの湾曲の極小値ILとの差分である電流変動幅Itが所定の値になるように、設定電圧Vsと、設定電流Isと、溶接出力に関係するインダクタンス値と、溶接電流Iと溶接電圧Vの関係を示す外部特性の少なくとも一つを用いて溶接電流Iを制御する。これにより、溶接電流Iの電流変動幅Itで溶接電流Iを調整するので、アーク長L17の変動に対して追従性が高く、従来の定電流パルス制御としてのパルスアーク溶接法のようにシールドガス等の組成に制約を受けることもなく、さらに、突出し長さL19の変動や母材18の位置ずれ等の外乱が発生しても、またさらに、炭酸ガスの濃度が30%を超える、または炭酸ガスを主成分とするシールドガスを用いた場合でもアーク17が安定する。したがって、溶接ワイヤ19と母材18との微小短絡が抑制され、スパッタが低減され、ビード幅が均一化される。
上述のように、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤ19に溶接電流Iと溶接電圧Vとを含む溶接出力を出力して溶接ワイヤ19からアーク17を発生させるアーク溶接装置101を用いる。そのアーク溶接制御方法では、ピーク電流Ipと極小値ILとの差分である電流変動幅Itが所定の値になるように、溶接出力に関係するインダクタンス値と、溶接電流Iと溶接電圧Vとの関係を示す外部特性との少なくとも一つを用いてアーク溶接装置を制御する。
溶接ワイヤ19の溶融を開始してから溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱するまでの移行周期Ttが所定の範囲に収まるように、電流変動幅Itを調整してもよい。
移行周期Ttは15msec以上35msec以下であってもよい。
溶接電圧Vの所定の電圧しきい値、または、溶接電圧Vの単位時間当たりの変化量(dV/dt)を用いて、溶接ワイヤ19の溶融を開始してから溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱するまでの移行周期Ttを検出する。検出した移行周期Ttが予め求めたアークの安定領域As内での所定の値となるように、電流変動幅Itを調整する。
ピーク電流Ipは溶接電流Iの平均値の25%以上で45%以下の値だけ溶接電流の平均値より大きく、溶融電流Igの極小値ILは溶接電流Iの平均値の25%以上で45%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より小さくてもよい。
ピーク電流Ipは溶接電流Iの平均値の30%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より大きく、溶融電流Igの極小値ILは溶接電流の平均値の30%以下の値だけ溶接電流Iの平均値より小さくてもよい。
アーク溶接装置はリアクトルを備えて、かつ電子リアクトル制御を行ってもよい。その場合、インダクタンス値は、リアクトルと電子リアクトル制御による電子リアクトル値との加算値である。
アーク溶接装置101(101a)は、溶接ワイヤ19の溶融を開始してから溶滴23が溶接ワイヤ19から離脱するまでの移行周期Ttを繰り返す。繰り返される移行周期Ttのうちの或る移行周期Tt1でのアーク17のアーク長L17に応じて、繰り返される移行周期Ttのうちの或る移行周期Tt1の次の移行周期Tt2において溶接電流Iの平均値が溶接電圧Vの平均値に対応する値になるように外部特性を用いて電流変動幅Itを調整する。
ピーク電流Ipと溶融電流Igとのうちの少なくとも一つにより電流変動幅Itを制御してもよい。
6 リアクトル
17 アーク
18 母材
19 溶接ワイヤ
101 溶接装置
Ip ピーク電流
Ig 溶融電流
Tt 移行周期
It 電流変動幅
t1 溶融開始点
T2 成長期間
t3 溶滴離脱点
TM 低下時間

Claims (15)

  1. 溶接ワイヤに溶接電流を出力するアーク溶接装置を用いた、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法であって、
    前記溶接電流が、前記溶接ワイヤが溶融して形成された溶滴が前記溶接ワイヤから離脱する際のピーク電流と、前記溶接ワイヤの溶融を開始して促進する際の凹状に極小値を有するように湾曲して連続的に変化する溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    前記ピーク電流が前記溶接電流の平均値の25%以上で45%以下の値だけ前記溶接電流の前記平均値より大きく、かつ前記溶融電流の前記極小値が前記溶接電流の平均値の25%以上で45%以下の値だけ前記溶接電流の前記平均値より小さくなるように前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    を含むアーク溶接制御方法。
  2. 前記溶接電流が前記ピーク電流と前記溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御する前記ステップは、溶接電圧の出力を設定する設定電圧に基づいて、前記溶接電流が前記ピーク電流と前記溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御するステップを含む、請求項1に記載のアーク溶接制御方法。
  3. 溶接ワイヤに溶接電流を出力するアーク溶接装置を用いた、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法であって、
    前記溶接電流が、前記溶接ワイヤが溶融して形成された溶滴が前記溶接ワイヤから離脱する際のピーク電流と、前記溶接ワイヤの溶融を開始して促進する際の凹状に湾曲して極小値を有するように連続的に変化する溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    前記溶接ワイヤの前記溶融の開始から前記溶滴が前記溶接ワイヤから離脱するまでの移行周期が15msec以上35msec以下となるように、前記ピーク電流と前記極小値との差分である電流変動幅を制御するステップと、
    を含むアーク溶接制御方法。
  4. 溶接ワイヤに溶接電流と溶接電圧とを含む溶接出力を出力して前記溶接ワイヤからアークを発生させるアーク溶接装置を用いた、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法であって、
    前記溶接電流が、前記溶接ワイヤが溶融して形成された溶滴が前記溶接ワイヤから離脱する際のピーク電流と、溶接ワイヤの溶融を開始して促進する際の凹状に湾曲して極小値を有するように連続的に変化する溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    前記ピーク電流と前記極小値との差分である電流変動幅が所定の値になるように、前記溶接出力に関係するインダクタンス値と、前記溶接電流と前記溶接電圧との関係を示す外部特性との少なくとも一つを用いて前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    を含むアーク溶接制御方法。
  5. 前記ピーク電流は前記溶接電流の平均値の25%以上で45%以下の値だけ前記溶接電流の前記平均値より大きく、
    前記溶融電流の前記極小値は前記溶接電流の平均値の25%以上で45%以下の値だけ前記溶接電流の前記平均値より小さい、請求項4に記載のアーク溶接制御方法。
  6. 前記ピーク電流は前記溶接電流の前記平均値の30%以下の値だけ前記溶接電流の前記平均値より大きく、
    前記溶融電流の前記極小値は前記溶接電流の平均値の30%以下の値だけ前記溶接電流の前記平均値より小さい、請求項5に記載のアーク溶接制御方法。
  7. 前記アーク溶接装置はリアクトルを備えて、かつ電子リアクトル制御を行い、
    前記インダクタンス値は、前記リアクトルと前記電子リアクトル制御による電子リアクトル値との加算値である、請求項4に記載のアーク溶接制御方法。
  8. 前記アーク溶接装置は、前記溶接ワイヤの前記溶融を開始してから前記溶滴が前記溶接ワイヤから離脱するまでの移行周期を繰り返し、
    前記インダクタンス値と前記外部特性との前記少なくとも一つを用いて前記アーク溶接装置を制御するステップは、前記繰り返される移行周期のうちの或る移行周期での前記アークのアーク長に応じて、前記繰り返される移行周期のうちの前記或る移行周期の次の移行周期において前記溶接電流の平均値が前記溶接電圧の平均値に対応する値になるように前記外部特性を用いて前記電流変動幅を調整するステップを含む、請求項4に記載のアーク溶接制御方法。
  9. 前記電流変動幅を調整するステップは、前記ピーク電流と前記溶融電流とのうちの少なくとも一つにより前記電流変動幅を制御するステップを含む、請求項8に記載のアーク溶接制御方法。
  10. 前記ピーク電流と前記溶融電流とのうちの少なくとも一つにより前記電流変動幅を制御するステップをさらに含む、請求項4に記載のアーク溶接制御方法。
  11. 溶接ワイヤに溶接電流と溶接電圧とを含む溶接出力を出力して前記溶接ワイヤからアークを発生させるアーク溶接装置を用いた、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法であって、
    前記溶接電流が、前記溶接ワイヤが溶融して形成された溶滴が前記溶接ワイヤから離脱する際のピーク電流と、溶接ワイヤの溶融を開始して促進する際の凹状に湾曲して極小値を有するように連続的に変化する溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    前記溶接ワイヤの前記溶融を開始してから前記溶滴が前記溶接ワイヤから離脱するまでの移行周期が所定の範囲に収まるように、前記ピーク電流と前記極小値との差分である電流変動幅を調整するステップと、
    を含むアーク溶接制御方法。
  12. 前記移行周期は15msec以上35msec以下である、請求項11に記載のアーク溶接制御方法。
  13. 前記電流変動幅を調整するステップは、前記電流変動幅が所定の値になるように、前記溶接出力に関係するインダクタンス値と、前記溶接電流と前記溶接電圧との関係を示す外部特性との少なくとも一つを用いて前記アーク溶接装置を制御するステップを含む、請求項11に記載のアーク溶接制御方法。
  14. 溶接ワイヤに溶接電流と溶接電圧とを含む溶接出力を出力して前記溶接ワイヤからアークを発生させるアーク溶接装置を用いた、スプレー移行状態の定電圧制御のアーク溶接制御方法であって、
    前記溶接電流が、前記溶接ワイヤが溶融して形成された溶滴が前記溶接ワイヤから離脱する際のピーク電流と、溶接ワイヤの溶融を開始して促進する際の凹状に湾曲して極小値を有するように連続的に変化する溶融電流とを繰り返すように前記アーク溶接装置を制御するステップと、
    前記溶接電圧の所定の電圧しきい値、または、前記溶接電圧の単位時間当たりの変化量を用いて、前記溶接ワイヤの前記溶融を開始してから前記溶滴が前記溶接ワイヤから離脱するまでの移行周期を検出するステップと、
    検出した前記移行周期が予め求めた前記アークの安定領域内での所定の値となるように、前記ピーク電流と前記極小値との差分である電流変動幅を調整するステップと、
    を含むアーク溶接制御方法。
  15. 前記電流変動幅を調整するステップは、前記電流変動幅が所定の値になるように、前記溶接出力に関係するインダクタンス値と、前記溶接電流と前記溶接電圧との関係を示す外部特性との少なくとも一つを用いて前記アーク溶接装置を制御するステップを含む、請求項14に記載のアーク溶接制御方法。
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