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JP6255318B2 - ユニフロー2ストロークエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ユニフロー2ストロークエンジンに関する。
シリンダの上端部に設けられた排気ポートと、シリンダの下部側部に設けられた掃気ポートとを有するユニフロー2ストロークエンジンが公知である。掃気ポートは、シリンダ内を往復動するピストンの側部によって開閉される。このエンジンでは、ピストンが上死点付近にあるときに燃焼が発生し、ピストンの下降に応じて排気弁が開かれ、膨張した既燃焼ガス(排気ガス)が排気ポートから排出される。この際、一般的な2ストロークエンジンでは、ピストンの下降によって、クランク室内の混合気が圧縮されると共に掃気ポートが開かれ、クランク室内の混合気が掃気ポートを通過してシリンダ内に流入する。これにより、シリンダ内の既燃焼ガスは流入する混合気によって排気ポートから押し出される。このとき、シリンダに流入する混合気の層と既燃焼ガスの層とが混ざり合わず、境界が明確であれば、既燃焼ガスのみを排気ポートから排出することが可能である。しかしながら、混合気の一部は、既燃焼ガスと混ざり合い、或いは既燃焼ガスよりも速い速度を有することによって、既燃焼ガスと共に排気ポートから外部に排出される、いわゆる吹き抜けが発生する。混合気の吹き抜けは、燃費や環境汚染の観点から好ましくない。
このような問題に対して、掃気ポートの経路上に混合気の分離装置を設けたエンジンがある(例えば、特許文献1)。このエンジンでは、混合気は遠心分離式の分離装置を通過することによって燃料がリッチな混合気と、燃料がリーンな混合気とに分離され、それぞれ異なる通路を通過してシリンダに供給される。そのため、燃料がリーンな混合気を使用して掃気を行うことができ、これにより排気ポートから排出される燃料の濃度を低下させることができる。
特許第5039790号公報
ユニフロー2ストロークエンジンでは、上記のような吹き抜けの抑制に対する要求に加え、熱効率を高めるべく圧縮自着火による点火方式を適用したいという要求がある。圧縮自着火による点火を安定的に行うためには、シリンダに供給される混合気の温度を高く維持する必要がある。掃気では、体積効率(吸気効率)の観点からできるだけシリンダ内の既燃焼ガスを排出することが好ましいが、このようにすると既燃焼ガス(排気ガス)が有するエネルギーが廃棄されることになり、シリンダ及びシリンダに流入する混合気の温度が低下し、圧縮自着火による点火が不安定になる。
本発明は、以上の背景を鑑み、ユニフロー2ストロークエンジンの暖機性能を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明はユニフロー2ストロークエンジン(E)であって、ピストン(23)が往復動可能に受容され、前記ピストンの上方に燃焼室(29)を形成するシリンダ(22)と、前記シリンダの上端部に一端が連通した排気ポート(31)と、前記排気ポートを開閉する排気弁(32)と、前記シリンダの側部における下部に一端が連通し、前記ピストンによって前記燃焼室との連通及び遮断が切り替えられる掃気ポート(55)と、前記シリンダの側部における前記掃気ポートよりも上側部分に一端が連通し、他端が前記掃気ポートに連通し、前記ピストンによって前記燃焼室との連通及び遮断が切り替えられる排気還流通路(58)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、燃焼後にピストンが下降するときに、掃気ポートがピストンによって開かれる前に、排気還流通路が開かれ、排気還流通路を介して燃焼室内の既燃焼ガス(排気ガス)が掃気ポートに流れる。これにより、排気還流通路を介して掃気ポートに流入する既燃焼ガスが有する熱によって、クランクケースが昇温され、暖機が促進される。また、既燃焼ガスによって、掃気ポート内の混合気の昇温及び燃料の蒸発が促進される。そのため、本発明に係るエンジンは圧縮自着火式の燃焼方式に適している。また、掃気ポートがピストンによって開かれるときには、掃気ポートには既燃焼ガスが多く存在し、最初にこの既燃焼ガスが燃焼室に流れ込み易くなる。これにより、燃焼室内の既燃焼ガスと、燃焼室に流入する混合気との間には、排気還流通路を介して掃気ポートに流入する既燃焼ガスの層が形成され、燃料室に流入する混合気と燃焼室の既燃焼ガスとの混合が抑制され、混合気の吹き抜けが抑制される。
また、上記の発明において、前記排気還流通路に設けられ、前記排気還流通路を介しての前記燃焼室側から前記掃気ポート側へのガスの流れを許容する一方、逆の流れを規制する一方向弁(59)を更に有するとよい。
この構成によれば、ガスが掃気ポートから排気還流通路を介して燃焼室に流入することが抑制される。そのため、混合気を含むガスは、掃気ポートから直接に燃焼室に流入する1つの経路を流れ、流れが一定となり、燃焼室に流入する混合気と燃焼室内の既燃焼ガスとの混合が抑制される。これにより、混合気の吹き抜けが抑制される。
また、上記の発明において、前記一方向弁は、前記燃焼室側の圧力が前記掃気ポート側の圧力よりも所定値以上大きくなった場合に開くように構成されているとよい。前記一方向弁は、前記ピストンの下降行程において、前記排気ポート及び前記掃気ポートが開かれた状態で、閉じるように構成されているとよい。
これらの構成によれば、燃焼室での燃焼により既燃焼ガスが膨張するときに排気還流通路を介して燃焼室から掃気ポートに既燃焼ガスが流れ、掃気ポートが開かれたときには排気還流通路を介したガスの流れが遮断されるようになる。
また、上記の発明において、前記一方向弁は、前記シリンダを形成するシリンダスリーブの外周面に取り付けられたリード弁であるとよい。
この構成によれば、簡単な構成で排気還流通路に一方向弁を設けることができる。リード弁は、弁体(板状片)の弾性率を変更することによって、開タイミング(リード弁が開くときの排気還流通路の燃焼室側及び前記掃気ポート側の圧力差)を任意に調整することができる。
また、上記の発明において、前記排気弁は、前記ピストンの下降行程において、前記排気還流通路と前記燃焼室とが連通する前に開かれるように構成されているとよい。
この構成によれば、排気還流通路を介して掃気ポートに流れる既燃焼ガス量が抑制される。膨張行程(ピストンの下降行程)において、既燃焼ガスの排出経路が開かれるとエネルギーが高い既燃焼ガスは、排出経路に勢い良く流れる(いわゆる、排気ガス(既燃焼ガス)のブローダウン流)。そのため、排気還流通路が開かれる前に排気ポートが開かれることによって、既燃焼ガスの一部が排気ポートに逃がされ、排気還流通路に流れる既燃焼ガス量が抑制される。
また、上記の発明において、前記排気還流通路は、前記掃気ポートの下流側部分(57B)に連通しているとよい。
この構成によれば、掃気ポートの下流側部分から既燃焼ガスが満たされ、混合気がクランク室側に押し出されるため、掃気ポートの下流側部分に既燃焼ガスの層が形成される。これにより、燃焼室に流入する混合気と、燃焼室内の既燃焼ガスとは、掃気ポートに形成された既燃焼ガスの層を介して混合が抑制され、混合気の吹き抜けが抑制される。
また、上記の発明において、前記掃気ポートは、上流端が前記シリンダの下方に形成されたクランク室(2A)に連通しており、前記クランク室から前記シリンダの軸線に沿って上方に延びる上流側部分(57A)と、前記上流側部分の上端部から前記シリンダの外周に沿って周方向に延びる下流側部分(57B)とを有し、前記排気還流通路は、前記下流側部分に連通しているとよい。
この構成によれば、掃気ポートの下流側部分が周方向に延在しているため、掃気ポートから燃焼室に流入するガスはスワールを形成し、燃焼室内の既燃焼ガスとの混合が抑制される。
また、上記の発明において、前記掃気ポートの前記下流側部分は、下流側に進むほど下方に進むように傾斜しているとよい。
この構成によれば、掃気ポートからシリンダ内に流入するガス流は、高い速度を有する初期に排気ポートと相反する側に流れ、ピストンの頂部やシリンダの内壁と衝突することによって速度が低下した後に排気ポート側に向きを変えるため、シリンダ内の既燃焼ガスとの混合が抑制されると共に、既燃焼ガスよりも先に排気ポートに到達することが抑制される。これにより、シリンダ内における既燃焼ガスの層と掃気ポートから供給されるガスの層との境界が明確になり、既燃焼ガスの排出が一層確実に行われると共に、掃気ポートから供給されるガスの排気ポートからの流出が一層確実に抑制される。
また、上記の発明において、圧縮自着火によって燃焼が開始するとよい。
この構成によれば、エンジンの熱効率が向上する。
以上の構成によれば、ユニフロー2ストロークエンジンの暖機性能を向上させることができる。
実施形態に係るエンジンの縦断面図 図1のII-II断面図 図2のIII-III断面図 図2のIV-IV断面図 図3のV-V断面図に対応したピストンの下降時のガスの流れを示す説明図
以下、図面を参照して、本発明を単気筒のユニフロー2ストロークエンジン(以下、エンジンEという)に適用した実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係るエンジンEは、圧縮により着火するHCCIエンジンとして構成される。エンジンEは、軽油やガソリンを燃料とする。
図1及び図2に示すように、エンジンEの機関本体1は、内部にクランク室2Aを画成するクランクケース2と、クランクケース2の上部に接合されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上部に接合されたシリンダヘッド4と、シリンダヘッド4の上部に接合され、シリンダヘッド4との間に上部動弁室6を画成するヘッドカバー5とを有する。
クランクケース2は、図2に示すように、上下に延びる面(シリンダ軸線Aを通る面)で左右に分割された一対のクランクケース半体によって構成される。左右のクランクケース半体は、ボルトによって互いに締結され、両半体間にクランク室2Aを形成する。クランクケース2の左右の側壁2B、2Cには、軸受を介してクランクシャフト8が回転可能に支持される。
クランクシャフト8は、クランクケース2の側壁2B、2Cに支持される一対のジャーナル8Aと、両ジャーナル8A間に設けられた一対のウェブ8Bと、両ウェブ8Bによってジャーナル8Aから偏心した位置に支持されたクランクピン8Cとを有する。
右側壁2Cの外面側にはエンドプレート11が締結される。エンドプレート11は、周縁部において右側壁2Cの外面に締結され、右側壁2Cとの間に下部動弁室12を形成する。クランクシャフト8の左端部8Dは、クランクケース2の左側壁2Bを貫通して左方に延出する。クランクシャフト8の右端部8Eは、クランクケース2の右側壁2C及びエンドプレート11を貫通して右方へと延出する。クランクシャフト8の左端部8Dが左側壁2Bを貫通する部分、及び右端部8Eがエンドプレート11を貫通する部分には、クランク室2Aの気密性を確保するためのシール部材がそれぞれ設けられる。
クランクケース2の上部には、上下に延び、上端がクランクケース2の上端面に開口すると共に、下端がクランク室2Aに向けて開口する断面円形の第1スリーブ受容孔16が形成されている。
シリンダブロック3は、上下に延在し、下端面においてクランクケース2の上端面に接合される。シリンダブロック3には、上端面から下端面に上下に貫通する第2スリーブ受容孔18が形成されている。第2スリーブ受容孔18は、上部が下部に対して段違いに拡径された円形断面の段付き孔であり、上部及び下部の境界部に上方を向く環状の肩面18Aを有する。第2スリーブ受容孔18の下端開口は、シリンダブロック3の第1スリーブ受容孔16の上端開口と同軸に対向し、互いに連通する。第1スリーブ受容孔16及び第2スリーブ受容孔18の下部の内径は等しく、連続した孔を形成する。
第1及び第2スリーブ受容孔16、18には、円筒状のシリンダスリーブ19が圧入される。シリンダスリーブ19は、外周部に径方向外方に突出する環状の凸部21を有する。凸部21が肩面18Aに当接することによって、シリンダスリーブ19の第1及び第2スリーブ受容孔16、18に対する位置が定まる。シリンダスリーブ19の下端は、第1スリーブ受容孔16の下端開口から下方に突出し、クランク室2Aの内部において突出端となっている。シリンダスリーブ19の上端はシリンダブロック3の上端面と面一となる位置に配置され、シリンダブロック3に接合されるシリンダヘッド4の下端面に当接する。これにより、シリンダスリーブ19は、肩面18Aとシリンダヘッド4の下面との間に挟持され、シリンダ軸線A方向において位置が定まる。シリンダスリーブ19の内孔は、シリンダ22を形成する。
シリンダ22には、往復動可能にピストン23が受容される。ピストン23は、クランクシャフト8と平行に延びるピストンピン23Aを有する。ピストンピン23Aには、軸受を介してコンロッド26の小端部が回動可能に支持される。コンロッド26の大端部は、軸受を介してクランクピン8Cに回動可能に支持される。ピストン23とクランクシャフト8とがコンロッド26によって連結されることによって、ピストン23の往復動がクランクシャフト8の回転運動に変換される。
図1及び図2に示すように、シリンダヘッド4の下端面におけるシリンダスリーブ19に対応する位置には、半球状の燃焼室凹部28が形成されている。シリンダ22の上部は、燃焼室凹部28及びピストン23の頂面と共に燃焼室29を形成する。
シリンダヘッド4には、点火プラグ30が燃焼室29に臨むように設けられている。また、シリンダヘッド4には、排気ポート31が燃焼室29の頂部に開口するように形成されると共に、排気ポート31を開閉するポペット型の排気弁32が設けられている。排気弁32は、そのステムエンドが上部動弁室6に配置され、バルブスプリング33によって閉方向に付勢されている。排気弁32は、動弁機構34によって、クランクシャフト8の回転に同期して開閉駆動される。
図2に示すように、動弁機構34は、クランクシャフト8の回転に応じて回転するカムシャフト41と、カムシャフト41によって進退駆動されるプッシュロッド42と、プッシュロッド42によって駆動され、排気弁32を開方向に押すロッカアーム43とを有する。カムシャフト41は、下部動弁室12にクランクシャフト8と平行に配置されている。カムシャフト41は、一端がクランクケース2の右側壁2Cに回転可能に支持されると共に、他端がエンドプレート11に回転可能に支持される。クランクシャフト8は、下部動弁室12に位置する部分にクランクギヤ45を有し、カムシャフト41はクランクギヤ45に噛み合うカムギヤ46を有する。クランクギヤ45とカムギヤ46のギヤ比は1:1である。カムシャフト41には、板カムであるカム47が設けられている。
プッシュロッド42は、両端が開口した管状のロッドケース51に進退可能に収容されている。ロッドケース51は、上下に延在し、下端がクランクケース2の右側壁2Cに接合されて下部動弁室12に連通すると共に、上端がシリンダブロック3に接合されて上部動弁室6に連通する。プッシュロッド42は、下端においてカムシャフト41のカム47に当接し、カムシャフト41の回転に応じて進退する。プッシュロッド42の下端にローラを設け、ローラにおいてカム47に転接するようにしてもよい。
ロッカアーム43は、シリンダヘッド4に支持されたロッカシャフト52に回動可能に支持される。ロッカシャフト52は、シリンダ軸線A及びクランクシャフト8の軸線と直交する方向に延在する。ロッカアーム43は、一端にプッシュロッド42の上端に当接する受け部43Aを有し、他端に排気弁32のステムエンドに当接するスクリュアジャスタ43Bを有する。
以上の構成の動弁機構34によって、クランクシャフト8が1回転する毎に、所定のタイミングで排気弁32が1回開かれる。
図1に示すように、クランクケース2の前側壁2Dには、前方に突出した突出部2Fが形成されている。突出部2Fの内部は、前後に延びる通路2Gを形成し、後端においてクランク室2Aに連通し、前端が開口となっている。通路2Gの前端は、突出部2Fの前端に締結された蓋36によって閉塞されている。突出部2Fの左側壁部には、突出部2Fの外部と内部とを連通する貫通孔である吸気ポート53が形成されている。吸気ポート53の外端には、図示しない吸気通路が接続される。吸気ポート53には、吸気ポート53側からクランク室2A側への流体の流れを許容する一方で、クランク室2A側から吸気ポート53側への流体の流れを阻止するリード弁54が設けられている。リード弁54は、通常は閉弁しており、ピストン23の上昇によってクランク室2A内の圧力が低下すると開弁する。
クランクケース2及びシリンダスリーブ19には、クランク室2Aとシリンダスリーブ19の内部とを連通する掃気ポート55が形成されている。掃気ポート55は、シリンダスリーブ19に形成された掃気口56と、掃気口56からクランク室2Aに延びる通路部57とを含む。通路部57は、クランクケース2の上部であって、第1スリーブ受容孔16の周囲に形成されている。本実施形態では、1つの掃気ポート55が、2つの掃気口56と1つの通路部57とを有する。掃気口56は、シリンダスリーブ19の第1スリーブ受容孔16内に対応する部分に、径方向に貫通するように形成されている。掃気口56の高さ寸法は、ピストン23の外周面の高さ寸法よりも小さく設定されている。
掃気口56(掃気ポート55)は、ピストン23の往復動によって開閉される。具体的には、ピストン23が掃気口56と対応する位置にあるときには、掃気ポート55はピストン23の外周部によって閉じられ、ピストン23の下縁が掃気口56の下縁よりも上方(上死点側)にあるときには、掃気ポート55がシリンダ22のピストン23よりも下側部分と連通するように開かれ、ピストン23の上縁が掃気口56の上縁よりも下方(下死点側)にあるときには、掃気ポート55がシリンダ22のピストン23よりも上側部分(燃焼室29)と連通するように開かれる。
図1〜図3に示すように、本実施形態では、エンジンEは2つの掃気ポート55を有する。2つの掃気ポート55及び掃気口56は、シリンダ軸線Aを中心として、回転対称形をなし、180°回転対称位置に配置されている。
各掃気ポート55の上流側部分57Aは、クランク室2Aに連通する下端からシリンダスリーブ19の径方向外方をシリンダ軸線Aと平行に上方に延びる。上流側部分57Aの上端は、掃気口56の上縁よりも上方に配置される。
図3に示すように、下流側部分57Bは、上流側部分57Aの上部から掃気口56に向けてシリンダスリーブ19の径方向外方を周方向に延在する。下流側部分57Bは、シリンダ軸線Aに沿った上側から見た場合に、上流側から下流側に向けてシリンダ軸線Aを中心とした反時計回り方向に延在している。下流側部分57Bの下流端は、2つの掃気口56と連通している。
図2に示すように、下流側部分57Bは、シリンダ軸線Aを中心とした周方向において上流側から下流側に進むにつれて下方に進むように傾斜するとよい。また、図5に示すように、シリンダ軸線Aを中心とした径方向において上流側(径方向外側)から下流側(径方向内側)に進むにつれて下方に進むように傾斜するとよい。下流側部分57Bは、掃気ポート55からシリンダ22内に流入するガス流に下向きの速度成分を与えるガイド手段として機能する。
図1及び図4に示すように、シリンダスリーブ19には、掃気ポート55とシリンダスリーブ19の内部とを連通する排気還流通路58が形成されている。排気還流通路58は、各掃気ポート55に対応するように一対に設けられている。排気還流通路58は、シリンダスリーブ19の掃気ポート55の下流側部分57Bに対応する部分であって掃気口56よりも上方の部分に、径方向に貫通するように形成されている。詳細には、排気還流通路58の下縁は、掃気口56の上縁よりも上方に配置されている。排気還流通路58のシリンダ22の内周面側の開口端の高さ寸法は、掃気口56の高さ寸法よりも小さく設定されている。
排気還流通路58は、可能な限り、掃気ポート55の下流側に連通していることが好ましい。本実施形態では、2つの掃気口56の内で掃気ポート55の下流側に配置された掃気口56の上方に排気還流通路58が配置されている。
排気還流通路58は、ピストン23の往復動によって開閉される。具体的には、ピストン23が排気還流通路58と対応する位置にあるときには、排気還流通路58はピストン23の外周部によって閉じられ、ピストン23の下縁が排気還流通路58の下縁よりも上方(上死点側)にあるときには、排気還流通路58がシリンダ22のピストン23よりも下側部分と連通するように開かれ、ピストン23の上縁が排気還流通路58の上縁よりも下方(下死点側)にあるときには、排気還流通路58がシリンダ22のピストン23よりも上側部分(燃焼室29)と連通するように開かれる(図5(A)及び(B)参照)。
図4に示すように、排気還流通路58には、燃焼室29側から掃気ポート55側へのガスの流れを許容し、逆方向(掃気ポート55側から燃焼室29側)のガスの流れを禁止する一方向弁59が設けられている。一方向弁59は、燃焼室29側の圧力が掃気ポート55側の圧力よりも所定値以上大きくなった場合に、開くように閉じ方向に付勢されていることが好ましい。本実施形態では、一方向弁59は、掃気ポート55の下流側部分57B内に配置され、シリンダスリーブ19の外周面に結合されたリード弁59である。リード弁59は、例えば金属材料から形成された可撓性を有する板状片59Aを含む。板状片59Aは、基端部においてシリンダスリーブ19の外周面にねじ等によって締結され、先端部において排気還流通路58の掃気ポート55側の開口端を閉塞する。板状片59Aは、自身の弾性力によって排気還流通路58の掃気ポート55側の開口端側に付勢され、シリンダスリーブ19の内側の圧力と掃気ポート55の圧力との差が所定値未満である場合にシリンダスリーブ19の外周面に密着している。ピストン23が下降して排気還流通路58を開き、かつシリンダスリーブ19の内側の圧力が掃気ポート55の圧力よりも所定値以上大きくなった場合には、板状片59Aが圧力を受けて屈曲し、排気還流通路58と掃気ポート55の下流側部分57Bとの連通状態が形成される。
図1に示すように、シリンダスリーブ19のクランク室2Aに突入した下端部の外周部には環状の油路形成部材60が接合されている。油路形成部材60の内周面は、シリンダスリーブ19の外周面と周方向にわたって面接触する。シリンダスリーブ19の外周面であって、油路形成部材60の内周面に対向する部分には、周方向に環状に延在する環状溝(番号省略)が形成されている。環状溝は、油路形成部材60によって覆われ、環状の通路を形成する。油路形成部材60には、径方向に貫通し、環状溝に連通する油入口孔(番号省略)が形成されている。シリンダスリーブ19には、径方向に貫通し、環状溝と連通する油供給孔(番号省略)が形成されている。油供給孔は、シリンダスリーブ19の周方向において複数形成されている。
シリンダブロック3には、第1油路64が形成されている。第1油路64は、シリンダブロック3の側面に開口する一端と、シリンダブロック3の下端面に開口する他端とを有する。クランクケース2には、掃気ポート55からシリンダブロック3の下端面であって、第1油路64が開口する部分に延びる通路65が形成されている。第1油路64のシリンダブロック3の下端面における開口端には、第2油路を形成する第2油路管66の一端が接続されている。第2油路管66は、通路65内を延びて掃気ポート55内に突入し、他端が油路形成部材60の油入口孔に接続されている。これにより、図示しないオイルポンプによって圧送されたオイルは、第1油路64、第2油路管66、油入口孔、環状溝、及び油供給孔を順に通過してシリンダスリーブ19の内壁に供給される。
図2に示すように、クランクケース2の左右側壁2B、2Cの内面には、互いに近接する方向に突出する鍔部71が設けられている。鍔部71は、クランクシャフト8と干渉しないように、ピストン23が上死点に位置するときのウェブ8Bの上端よりも上方に配置される。また、一対の鍔部71は、コンロッド26と干渉しないように、その先端同士が左右方向において所定の隙間を有するように配置されている。
図1に示すように、クランクケース2の後側壁2Eであって、鍔部71よりも上方に位置する部分には、燃料噴射弁68が取り付けられている。燃料噴射弁68の先端は、シリンダスリーブ19の下端を向いている。燃料噴射弁68は、所定のタイミングでクランク室2Aに燃料を噴射する。
このように構成されたエンジンEは、始動後、次のように動作する。図1を参照すると、まず、ピストン23の上昇行程では、ピストン23の上昇に伴うクランク室2Aの膨張によって、クランク室2Aの圧力が低下する。これにより、リード弁54が開弁し、新気が吸気ポート53を介してクランク室2Aに流入する。クランク室2Aに流入した新気には、燃料噴射弁68から燃料が噴射され、混合気が生成される。同時に、シリンダ22の上部(燃焼室29)の混合気はピストン23によって圧縮されて高温になり、ピストン23が上死点近傍にあるときに自着火する(圧縮自着火)。なお、エンジンEの始動時には、点火プラグ30による火花点火によって燃料が燃焼する。
その後、ピストン23が下降行程に移ると、ピストン23の下降に伴うクランク室2Aの収縮によって、クランク室2Aの圧力が上昇する。これにより、リード弁54が閉じられ、クランク室2A内の混合気が圧縮される。ピストン23の下降が進むと、動弁機構34に駆動された排気弁32が排気ポート31を開く。これにより、燃焼室29内の膨張した排気ガス(既燃焼ガス)がブローダウン流となって排気ポート31に流れる。続いて、ピストン23の上端縁が排気還流通路58の上縁より下がると(ピストン23が排気還流通路58を開くと)、燃焼室29と排気還流通路58とが連通する。このとき、シリンダ22内の既燃焼ガスの圧力は未だ高く、クランク室2Aの圧力よりも高い。そのため、図5(A)に示すように、排気還流通路58の圧力と掃気ポート55の圧力との差が所定値以上になって一方向弁59が開き、排気還流通路58を介して燃焼室29から掃気ポート55の下流側部分57Bに既燃焼ガス(図中の網掛け付き矢印)が流れる。これにより、下流側部分57Bが既燃焼ガスで満たされる。その後、ピストン23の下降が進むと、シリンダ22内の既燃焼ガスの圧力は低下し、クランク室2Aの圧力との差が所定値未満になり、一方向弁59が閉じられる。
その後、ピストン23の下降が進み、ピストン23の上端縁が掃気口56の上縁より下がると(ピストン23が掃気ポート55を開くと)、燃焼室29と掃気ポート55とが連通する。このとき、燃焼室29内の既燃焼ガスの圧力は十分に低下し、クランク室2Aの圧力よりも低くなる。そのため、図5(B)に示すように、掃気ポート55から燃焼室29にガスが流れる。このとき、排気還流通路58を介して流入した既燃焼ガスで下流側部分57Bが満たされているため、最初に掃気ポート55の下流側部分57B内の既燃焼ガス(図中の網掛け付き矢印)がシリンダ22に流入し、続いてクランク室2Aからの混合気(図中の白抜き矢印)がシリンダ22に流入する。これにより、燃焼室29内の既燃焼ガスは、下流側部分57Bに存在する既燃焼ガス及び混合気によって押し出されるように排気ポート31から排出され、その一部は内部EGRガスとして燃焼室29内に残留する。
ピストン23が再び上昇行程に移ると、最初に掃気ポート55がピストン23によって閉じられ、続いて排気還流通路58がピストン23によって閉じられる。ピストン23の上昇行程において、排気還流通路58が閉じられるまでの間、排気ポート31が開かれているため、燃焼室29の圧力が掃気ポート55の圧力よりも所定値以上となることはない。そのため、一方向弁59は閉じた状態に維持され、燃焼室29から排気還流通路58を介して掃気ポート55にガスが流れることはない。その後、ピストン23が更に上昇すると、カム47によって駆動された排気弁32が排気ポート31を閉じ、ピストン23の上昇に伴って燃焼室29内の混合気が圧縮される。同時に、クランク室2A内が減圧され、リード弁54から新気が吸入される。
このようにして、エンジンEは2サイクル動作を行う。掃気ポート55からシリンダ22を経由して排気ポート31へと流れる掃気及び排気の流れは、曲がりの少ないユニフローとなる。
以下、本実施形態に係るエンジンEの効果を説明する。エンジンEでは、燃焼後にピストン23が下降するときに、掃気ポート55がピストン23によって開かれる前に、ピストン23によって排気還流通路58が開かれ、排気還流通路58を介して燃焼室29内の既燃焼ガスが掃気ポート55に流れる。これにより、掃気ポート55がピストン23によって開かれるときには、掃気ポート55には既燃焼ガスが多く存在し、最初にこの既燃焼ガスが燃焼室29に流れ込む。これにより、燃焼室29内の既燃焼ガスと、クランク室2Aから掃気ポート55を通過して燃焼室29に流入する混合気との間には、排気還流通路58を介して掃気ポート55に流入した既燃焼ガスの層が存在し、流入する混合気と燃焼室29内の既燃焼ガスとの混合が抑制され、混合気の吹き抜けが抑制される。
また、排気還流通路58を介して掃気ポート55に流入する既燃焼ガスが有する熱量によって、掃気ポート55及び掃気ポート55を通過する混合気の昇温が促進されると共に、混合気に含まれる液体燃料の蒸発が促進されるため、エンジンEは圧縮自着火式の燃焼方式を採用することができる。
また、一方向弁59を排気還流通路58に設けたため、ガスが掃気ポート55から排気還流通路58を介して燃焼室29に流入することが抑制される。そのため、混合気を含むガスは、掃気ポート55から直接に燃焼室29に流入する1つの経路を流れ、流れが一定となり、燃焼室29に流入する混合気と燃焼室29内の既燃焼ガスとの混合が抑制される。これにより、混合気の吹き抜けが抑制される。
また、一方向弁59が、排気還流通路58の圧力が掃気ポート側の圧力よりも所定値以上大きくなった場合に開くように構成されているため、ピストン23の下降時であって、ピストン23によって排気還流通路58が開かれ、かつピストン23によって掃気ポート55が閉塞された期間に一方向弁59が開かれ、その他の期間はピストン23によって排気還流通路58が開かれていても一方向弁59が閉じられるようになる。これにより、掃気ポート55が開かれる直前の所定の期間のみ排気還流通路58を介して燃焼室29から掃気ポート55に既燃焼ガスが流入するようになる。
また、ピストン23が上死点から下降するときに、排気還流通路58と燃焼室29とが連通する前に排気弁32が開かれるため、排気還流通路58が燃焼室29と連通するときには燃焼室29の圧力がある程度低下し、排気還流通路58を介して掃気ポート55に流れる既燃焼ガスの量が過大となることが抑制される。膨張行程において、既燃焼ガスの排出経路が開かれるとエネルギーが高い既燃焼ガスは、勢い良くその排出経路に流れる(いわゆる、排気ガスのブローダウン流)。そのため、排気還流通路58が開かれる前に排気ポート31を開くことによって、既燃焼ガスの一部を逃がし、排気還流通路58に流れる既燃焼ガスの量を抑制することができる。
また、排気還流通路58が、掃気ポート55の下流側部分57Bに連通しているため、掃気ポート55の下流側部分57Bから既燃焼ガスが満たされ、混合気がクランク室側に押し出される。そのため、掃気ポート55の下流側部分57Bに既燃焼ガスの層が形成される。これにより、燃焼室29に流入する混合気と、燃焼室29内の既燃焼ガスとは、掃気ポート55に形成された既燃焼ガスの層を介して混合が抑制され、混合気の吹き抜けが抑制される。
下流側部分57Bは、シリンダスリーブ19の径方向外方を周方向に沿って延在するため、クランクケース2を含む機関本体1の大型化を招かずに、下流側部分57Bの長さを確保することができる。また、下流側部分57Bが周方向に延在することによって、下流側部分57Bを流れる混合気は、シリンダ軸線Aを中心とした周方向の速度成分を有し、掃気口56にシリンダ22の接線方向から進入する。これにより、混合気はシリンダ22内においてスワール流を形成する。シリンダ22内を流れる混合気が、上方に直線状に流れず、スワール流を形成することによって、混合気層と既燃焼ガス層との混合が抑制され、両層の境界が一層明確になる。
また、掃気ポート55の下流側部分57Bは、シリンダ軸線を中心とした周方向及び径方向において下流側に進むほど下方に進むように傾斜しているため、掃気ポート55から燃焼室29内に流入するガス流は、高い速度を有する初期に排気ポート31と相反する側に流れ、ピストン23の頂部やシリンダ22の内壁と衝突することによって速度が低下した後に排気ポート31側に向きを変えるため、燃焼室29の既燃焼ガスとの混合が抑制されると共に、既燃焼ガスよりも先に排気ポート31に到達することが抑制される。これにより、燃焼室29内における既燃焼ガスの層と掃気ポート55から供給されるガスの層との境界が明確になり、既燃焼ガスの排出を一層確実に行うことができると共に、掃気ポート55から供給されるガスの排気ポート31からの流出を一層確実に抑制することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、排気還流通路58の形状や数は、適宜変更することができる。例えば、掃気ポート55の下流側部分57Bの上壁の位置を掃気口56の上縁と同じ高さに配置し、排気還流通路58がシリンダスリーブ19に形成された貫通孔と、クランクケース2に形成され、貫通孔から下流側部分57Bに向けて延びる通路部とを有するように構成してもよい。また、上記の実施形態では、排気還流通路58がそれぞれ設けられた掃気ポート55を一対設けたが、掃気ポート55及び排気還流通路58の数及び配置は任意に変更することができる。
1...機関本体、2...クランクケース、2A...クランク室、3...シリンダブロック、4...シリンダヘッド、5...ヘッドカバー、8...クランクシャフト、16...第1スリーブ受容孔、18...第2スリーブ受容孔、19...シリンダスリーブ、22...シリンダ、23...ピストン、29...燃焼室、31...排気ポート、32...排気弁、53...吸気ポート、54...リード弁、55...掃気ポート、56...掃気口、57...通路部、57A...上流側部分、57B...下流側部分、58...排気還流通路、59...一方向弁(リード弁)、59A...板状片、68...燃料噴射弁、A...シリンダ軸線、E...エンジン

Claims (9)

  1. ピストンが往復動可能に受容され、前記ピストンの上方に燃焼室を形成するシリンダと、
    前記シリンダの上端部に一端が連通した排気ポートと、
    前記排気ポートを開閉する排気弁と、
    前記シリンダの側部における下部に一端が連通し、前記ピストンによって前記燃焼室との連通及び遮断が切り替えられる掃気ポートと、
    前記シリンダの側部における前記掃気ポートよりも上側部分に一端が連通し、他端が前記掃気ポートに連通し、前記ピストンによって前記燃焼室との連通及び遮断が切り替えられる排気還流通路と、
    前記排気還流通路に設けられ、前記排気還流通路を介しての前記燃焼室側から前記掃気ポート側へのガスの流れを許容する一方、逆の流れを規制する一方向弁とを有し、
    前記一方向弁は、前記シリンダを形成するシリンダスリーブの外周面に取り付けられたリード弁であることを特徴とするユニフロー2ストロークエンジン。
  2. 前記掃気ポートは、前記シリンダスリーブの径方向外方を周方向に沿って延在する下流側部分を有し、
    前記排気還流通路は、前記シリンダスリーブに径方向に貫通するように形成され、前記下流側部分に連通していることを特徴とする請求項1に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  3. 前記一方向弁は、前記ピストンの下降時であって、前記ピストンによって前記排気還流通路が開かれ、かつ前記ピストンによって前記掃気ポートが閉塞された期間に開かれることを特徴とする請求項2に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  4. 前記一方向弁は、前記ピストンの上昇時に閉じられていることを特徴とする請求項3に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  5. 前記一方向弁は、前記ピストンの下降行程において、前記排気ポート及び前記掃気ポートが開かれた状態で、閉じるように構成されていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  6. 前記排気弁は、前記ピストンの下降行程において、前記排気還流通路と前記燃焼室とが連通する前に開かれるように構成されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  7. 前記掃気ポートは、上流端が前記シリンダの下方に形成されたクランク室に連通しており、前記クランク室から前記シリンダの軸線に沿って上方に延び、前記下流側部分に接続した上流側部分を有することを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  8. 前記掃気ポートの前記下流側部分は、下流側に進むほど下方に進むように傾斜していることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
  9. 圧縮自着火によって燃焼が開始することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載のユニフロー2ストロークエンジン。
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