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JP6153788B2 - 発泡熱可塑性エラストマー組成物、及び複合成形体 - Google Patents

発泡熱可塑性エラストマー組成物、及び複合成形体 Download PDF

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JP6153788B2 JP2013138174A JP2013138174A JP6153788B2 JP 6153788 B2 JP6153788 B2 JP 6153788B2 JP 2013138174 A JP2013138174 A JP 2013138174A JP 2013138174 A JP2013138174 A JP 2013138174A JP 6153788 B2 JP6153788 B2 JP 6153788B2
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Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関し、特に、発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性に優れるポリプロピレンとの複合成形用発泡熱可塑性エラストマー組成物に関する。
スチレン・ブタジエン‐ブロックコポリマー(SBS)やスチレン・イソプレン‐プロックポリマー(SIS)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂の水素添加物を用いた熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、例えば、特開昭58−132032号公報、特開昭58−145751号公報、特開昭59−53548号公報、特開昭62−48757号公報などから知られている。
また、これらの樹脂組成物のゴム的特性、例えば加熱加圧変形率(圧縮永久歪み)や高温時のゴム弾性を改良するものとして、組成物をシラン変性した架橋組成物、または、このようなブロック共重合体の水素添加誘導体を含む組成物を有機過酸化物の存在下に架橋させて得られる架橋体が提案されており、例えば、特開昭59−6236号公報、特開昭62−57662号公報、特公平3−49927号公報、特公平3−11291号公報、特公平6−13628号公報に示されている。
熱可塑性エラストマーの中でも、スチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得られる熱可塑性エラストマー組成物は、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
しかしながら、これらのスチレン系エラストマーは、発泡用途において発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性において大きな問題を抱えていた。そのため、発泡剤として熱膨張マイクロカプセルを使用することが検討されていたが、価格が高価であり、リサイクルにも不向きであり、特にポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)では満足できるものではなかった。
特開昭58−132032号公報 特開昭58−145751号公報 特開昭59−53548号公報 特開昭62−48757号公報 特開昭59−6236号公報 特開昭62−57662号公報 特公平3−49927号公報 特公平3−11291号公報 特公平6−13628号公報
本発明の課題は、発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性に優れた発泡熱可塑性エラストマー組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の熱可塑性エラストマー組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、第一の発明によれば、
(a−1)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA1の少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1の少なくとも1個とからなるブロック共重合体 55〜5質量%、及び
(a−2)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA2の少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2の少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体 45〜95質量%、
からなるブロック共重合体樹脂成分(a) 100質量部;
ここで(a−1)と(a−2)との和は100質量%であり、
(b)非芳香族系ゴム用軟化剤 30〜300質量部;
(c)ポリプロピレン系樹脂 10〜300質量部;
(d)有機過酸化物 0.5〜5.0質量部;
(e)架橋助剤 1.0〜10.0質量部;
(h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体0.05〜30質量部;および
(i)熱膨張マイクロカプセル以外の発泡剤0.01〜10質量部;
を含有するポリプロピレンとの複合成形用発泡熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
第二の発明によれば、
(i)熱膨張マイクロカプセル以外の発泡剤が、アゾ化合物、ニトロソ化合物、炭酸塩、及び有機酸からなる群から選択された少なくとも一種の発泡剤であることを特徴とする第一の発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
第三の発明によれば、
第一の発明又は第二の発明に記載の発泡熱可塑性エラストマー組成物とポリプロピレンとから成形されたことを特徴とする複合成形体が提供される。
本発明の発泡熱可塑性エラストマー組成物は、発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性に優れる。そのため本発明の発泡熱可塑性エラストマー層とポリプロピレン層からなる複合成形体は、自動車の内装材(シート表皮、ピラー、ウエザーストリップ等)や外装材(モール、トリム等)、工業部品(パイプ、チューブ、電線被覆材等)、家具(椅子の座部や肘掛け等)、雑貨(靴、スリッパ等)等の部品や製品として好適に使用できる。更にリサイクルを行なうことも容易である。
本発明の組成物を構成する各成分について、説明する。
(a)成分「ブロック共重合体樹脂成分」
本発明における(a)ブロック共重合体樹脂成分は、(a−1)成分と(a−2)成分からなる。(a−1)成分は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA1の少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1の少なくとも1個とからなるブロック共重合体であり、(a−2)成分は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA2の少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2の少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られるものである。例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−Aなどの構造を有するビニル芳香族化合物‐共役ジエン化合物ブロック共重合体、あるいは、これらの水素添加されたもの等を挙げることができる。
(a−1)成分と(a−2)成分とを、所定の割合で併用することにより、発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性が向上される。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA1は、好ましくは、ビニル芳香族化合物のみから成るか、またはビニル芳香族化合物50質量%超、好ましくは70質量%以上と共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA2は、好ましくは、ビニル芳香族化合物のみから成るか、またはビニル芳香族化合物50質量%超、好ましくは70質量%以上と共役ジエン化合物及び/又は水素添加された共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1およびB2は、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るか、または共役ジエン化合物50質量%超、好ましくは70質量%以上とビニル芳香族化合物との共重合体ブロックである。
これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA1およびA2、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1およびB2のそれぞれにおいて、分子鎖中のビニル化合物または共役ジエン化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組合せでなっていてもよい。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック或いは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが2個以上ある場合には、それぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
(a−1)ブロック共重合体の具体例としては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)等を挙げることができる。本発明において、特に好ましいブロック共重合体は、SBSである。
(a−1)ブロック共重合体の質量平均分子量は、好ましくは80,000〜500,000、より好ましくは150,000〜300,000である。
(a−2)水添ブロック共重合体の具体例としては、SEBS(スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体)、SEEPS(スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体)等を挙げることができる。
(a−2)ブロック共重合体の質量平均分子量は、好ましくは50,000〜550,000である。
(a−1)成分と(a−2)成分は、5〜55質量%:95〜45質量%で配合する。ここで(a−1)と(a−2)との和は100質量%である。(a−2)成分が45質量%未満であると、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性が劣り、一方95重量%を超えるとポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性が劣る。(a−1)成分と(a−2)成分との配合比は、好ましくは20〜40質量%:80〜60質量%である。
(a−1)成分と(a−2)成分との混合は、本発明の組成物の他の成分と一括混練してもよく、予め(a−1)成分と(a−2)成分との混合物を得た後に他の成分と混練してもよい。
これらのブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号明細書に記載された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を用い、不活性溶媒中にてブロック重合させて得ることができる。上記方法により得られたブロック共重合体に、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下にて水素添加することにより水添ブロック共重合体が得られる。
(b)成分「非芳香族系ゴム用軟化剤」
本発明の成分(b)としては、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を用いることができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系とよび、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明の成分(b)として用いられる鉱物油系ゴム用軟化剤は上記区分でパラフィン系およびナフテン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用により成分(a)が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。成分(b)としては、パラフィン系のものが好ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特に好ましい。これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動的粘度が20〜500cSt、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が170〜300℃を示す。
成分(b)の配合量は、成分(a)100質量部に対して、30〜300質量部、好ましくは、80〜200質量部である。配合量が300質量部を超えると、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。また配合量が30質量部未満でも、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。
成分(b)は、質量平均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
(c)成分「ポリプロピレン系樹脂」
本発明の成分(c)は、得られる組成物中のゴム分散を良好にし、成形品の外観を良好にする効果を有する。成分(c)として用いるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレンと他の少量のα−オレフィン、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等との共重合体(ブロック共重合体、ランダム共重合体);などをあげることができる。これらの中で、示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が150〜167℃のものが好ましい。またメルトマスフローレート(MFR)「ASTM‐D‐1238、L条件、230℃」が0.1〜10g/10分のものが好ましい。
成分(c)の配合量は、成分(a)100質量部に対して10〜300質量部、好ましくは20〜200質量部である。10質量部未満ではポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。300質量部を越えると、発泡倍率、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。
(d)成分 「有機過酸化物」
本発明で用いられる有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ‐tert‐ブチルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5ジ(tert‐ブチルペルオキシ)ヘキシン‐3、1,3−ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p‐クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert‐ブチルパーオキシベンゾエート、tert‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert‐ブチルクミルパーオキサイドなどを挙げることができる。
これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ安定性の点で、2,5‐ジメチル2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)ヘキシン‐3が最も好ましい。
有機過酸化物(d)の添加量は、成分(a)100質量部に対して0.5〜5.0質量部である。
好ましくは1.0〜3.0質量部である。下限未満では、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。上限をこえると、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。
(e)成分 「架橋助剤」
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法においては、有機過酸化物による部分架橋処理に際し、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような多官能性ビニルモノマー、又はエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマーを架橋助剤として配合する。このような化合物により、均一かつ効率的な架橋反応が期待できる。
特に、本発明においては、トリエチレングリコールジメタクリレートが、取扱いやすいこと;及び有機過酸化物可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋が均一にかつ効果的に起こり、硬さとゴム弾性のバランスの高い架橋熱可塑性エラストマーが得られること;から最も好ましい。
本発明で用いられる架橋助剤(e)の添加量は、成分(a)100質量部に対して、1.0〜10.0質量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは1.0〜8.0質量部である。下限未満では、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。上限をこえるとポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。
また架橋助剤の添加量は有機過酸化物の添加量の2〜2.5倍程度の割合にすることが好ましい。
(h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体(変性ポリテトラフルオロエチレン)
本発明の組成物は、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)成分を含む。この成分は、ポリテトラフルオロエチレンと、5乃至30の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートの混合物である。本発明の方法の使用に特に適するそのような混合物としては、例えば、三菱レイヨン株式会社のメタブレン(商標)A−3000をあげることができる。
なお本明細書において、(メタ)アクリレートとはメタクリレート又はアクリレートの意味である。
成分(h)の配合量は、ポリプロピレンとの熱融着性の観点から、成分(a)100質量部に対して、0.05〜30質量部である。好ましくは、1〜30質量部である。下限未満では、発泡倍率、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。上限をこえると、発泡倍率、ポリプロピレンとの熱融着性、押出成形性、射出成形性に劣る。
(i)熱膨張マイクロカプセル以外の発泡剤
熱膨張マイクロカプセル以外の発泡剤としては、有機系、無機系を問わないで使用することができる。このような発泡剤の好ましい具体例としては、アゾジカルボン酸アミド等のアゾ化合物;N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等の炭酸塩;クエン酸、クエン酸ナトリウム、蓚酸等の有機酸;水素化硼素ナトリウム等を挙げることができる。また、炭酸塩と有機酸の組み合わせでも良い。比較的高い温度で発泡成形を行なう場合には、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等の化合物も使用することができるが、一般的にアゾジカルボン酸アミドが好ましい。
本発明の複合成形用発泡熱可塑性エラストマー組成物は、成分(i)を、成分(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(h)と同時に溶融混練して得ることもできるが、発泡性及びポリプロピレンとの複合成形における熱融着性の観点から、成分(a)、(b)、(c)、(d),(e)、(h)を含有する熱可塑性エラストマー組成物を製造後、更に成分(i)を加えて得ることがより好ましい。
成分(i)の配合量は、ポリプロピレンとの熱融着性の観点から、成分(a)100質量部に対して、0.01〜10質量部である。好ましくは1〜10質量部である。下限未満では、発泡成形体が得られない。上限を超えると成形できない。
上記各成分に加えて、本発明の組成物は、必要に応じて無機充填剤を配合することができる。用いられる無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラックなどがある。
更に本発明の組成物は、必要に応じて、各種のブロッキング防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有することも可能である。ここで、酸化防止剤としては、例えば、2,6‐ジ‐tert‐p‐ブチル‐p‐クレゾール、2,6‐ジ‐tert‐ブチルフェノール、2,4‐ジメチル‐6‐tert‐ブチルフェノール、4,4‐ジヒドロキシジフェニル、トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐tert‐ブチルフェニル)ブタンなどのフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の発泡熱可塑性エラストマー組成物は、上記のように、好ましくは発泡性及びポリプロピレンとの複合成形における熱融着性の観点から、上記(a)〜(e)及び(h)を任意の順序で又は同時に溶融混練した後、(i)発泡剤を添加することにより製造される。
溶融混練の方法には、特に制限はなく、公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ミキサー又は各種のニーダー等を使用し得る。二軸混練機を用いる場合には、例えば、スクリュー回転数50〜500rpm、混練温度180〜240℃で溶融混練を行う。
本発明の複合成形体は、ポリプロピレン層と本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物層とから形成されたものである。
この様な複合成形体の製造方法としては、例えば、Tダイラミネート成形法、共押出成形法、ブロー成形法、インサート射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法等の各種成形法を用いることができる。上記成形法のうち、インサート射出成形法とは、予め芯材(ポリプロピレン)を射出成形し、賦形された成形品を金型内にインサートした後、該成形品と金型との間の空隙に表層材(本発明の成分(a)、(b)、(c)、(d),(e)、(h)を溶融混練したスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に前もって(i)発泡剤をドライブレンドしたもの。)を射出成形する成形方法である。また二色射出成形法とは、二台以上の射出成形機を用いて、芯材を射出成形した後に、金型が回転、又は移動することにより、金型のキャビティーが交換され、該成形品と金型との間に空隙ができ、そこに表層材を射出成形する成形方法である。更にコアバック射出成形法とは、1台の射出成形機と1個の金型を用いて、芯材を射出成形した後に、金型のキャビティー容積を拡大させ、該成形品と金型との間の空隙に表層材を射出成形する成形方法である。
射出成形条件は、通常、100〜300℃、好ましくは150〜280℃の成形温度、50〜1,000kg/cm2 、好ましくは100〜800kg/cm2 の射出圧力である。
この様にして得られた本発明の発泡熱可塑性エラストマー層とポリプロピレン層からなる複合成形体は、各種工業部品として使用することができる。具体的には、リサイクルを行なうことも容易であることから、自動車の内装材(シート表皮、ピラー、ウエザーストリップ等)や外装材(モール、トリム等)、工業部品(パイプ、チューブ、電線被覆材等)、家具(椅子の座部や肘掛け等)、雑貨(靴、スリッパ等)等の部品や製品に使用できる工業的に極めて優れたものである
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.評価方法
(1)発泡倍率:
厚みが2mmのシート用ダイスを用い、ダイス出口樹脂温度220℃の条件で発泡熱可塑性エラストマー組成物の押出成形を行ない、発泡シートを得た。続いて、発泡シートの体積と質量とから、発泡シートの比重(g1)を求めた。次に、発泡剤を含まないこと以外は、上記発泡シートの成形に用いた発泡熱可塑性エラストマー組成物と同じ組成の熱可塑性エラストマー組成物を、上記条件で押出成形して得たシートから、上記と同様にして未発泡シートの比重(g2)を求めた。発泡倍率(h)は、次式により計算した。
h=g2/g1
(2)押出成形性:
発泡剤以外の成分を溶融混練して得た熱可塑性エラストマー組成物に、前もって発泡剤をドライブレンドして得た発泡熱可塑性エラストマー組成物を用い、40mm押出機にて幅50mm×厚さ0.5mmのシートをダイス出口樹脂温度200〜220℃で押出成形した。ドローダウンの有無、成形品の表面外観や形状を目視観察し、次の基準で評価した。
○:ドローダウンがなく;成形品は、その表面の鏡面性が良好で、エッジがきれいに出て安定した形状であり;ブツやメヤニの発生もない。
×:ドローダウン;成形品表面の鏡面性が悪く、模様が発生している;成形品のエッジがきれいに出ない;ブツ目立つ;メヤニが発生する;という不良の少なくとも何れか1がある。
(3)射出成形性:
発泡剤以外の成分を溶融混練して得た熱可塑性エラストマー組成物に前もって発泡剤をドライブレンドして得た発泡熱可塑性エラストマー組成物を用い、120t射出成形機で130mm×130mm×2mmのシートをノズルおよびシリンダー温度200〜220℃で射出成形した。成形品の外観を目視により観察し、フローマーク、ヒケ、ブツ発生の有無を次の基準で評価した。
○:成形品表面の鏡面性が良好であり、ブツの発生もない。
×:成形品表面にフローマークや材料の剥離等による模様が発生し、ブツも目立つ。
(4)剥離強度:
予め芯材(ポリプロピレン)を射出成形し、賦形された成形品を金型内にインサートした後、該成形品と金型との間の空隙に表層材(発泡剤以外の成分を溶融混練して得た熱可塑性エラストマー組成物に
前もって発泡剤をドライブレンドして得た発泡熱可塑性エラストマー組成物。)を射出成形して複合射出成形体を得た。上記で得られた複合射出成形体から幅25mm、長さ100mmの短冊状試験片を打ち抜いた。上記で得られた試験片について、表皮材層と芯材層を180度方向に引張速度200mm/分で引張試験を行ない、表皮材層/芯材層の融着界面の剥離強度(kg/25mm)を測定した。
また、実施例及び比較例で用いた各成分は下記の通りである。
成分(a−1):
SBS−1 スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体
製造会社:旭化成ケミカルズ株式会社
商品名:アサプレン T−430
スチレンの含有量:30質量%
数平均分子量:130,000
質量平均分子量:200,000
分子量分布:1.5
SBS−2
製造会社:JSR株式会社
商品名:TR2787
スチレンの含有量:24質量%
MFR(200℃、5Kg荷重)6g/10分
成分(a−2):水添ブロック共重合体
SEBS
製造会社:クレイトンポリマー社
商品名:クレイトンG1651H
種類:スチレン・エチレン・ブテン・スチレン共重合体
スチレン含有量:30質量%
質量平均分子量:260,000
SEEPS
製造会社:株式会社クラレ
商品名:セプトン4077
種類:スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体
スチレンの含有量:30質量%
数平均分子量:260,000
質量平均分子量:320,000
分子量分布1.23
水素添加率:90%以上
成分(b):非芳香族系ゴム軟化剤
製造会社:出光興産株式会社
商品名:ダイアナプロセスオイル PW−90
種類:パラフィン系オイル
質量平均分子量:540
芳香族成分の含有量:0.1%以下
成分(c):ポリプロピレン系樹脂
製造会社:株式会社プライムポリマー
商品名:CJ−700
種類:ホモポリプロピレン
密度:0.9g/cm3
融点(Tm): 166℃ 、融解エンタルピー(△Hm):82J/g
成分(d):有機過酸化物
製造会社:日本油脂株式会社
商品名:パーヘキサ25B
種類:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
成分(e):架橋助剤
製造会社:新中村化学工業株式会社
商品名:NKエステル3G
種類:トリエチレングリコールジメタクリレート
成分(h)
製造会社:三菱レイヨン株式会社
商品名:メタブレンA3000
種類:メタクリル酸メチル/メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸トリデシル共重合体とポリテトラフルオロエチレンとの混合物
成分(i)
発泡剤−1
有機系と無機系の混合発泡剤(三菱化学(株)製「ファインセロール100」)を20重量%含有するマスターバッチ(三菱化学(株)製「ファインブローS20N」)
発泡剤−2
アゾジカルボン酸アミドを20重量%含有するマスターバッチ(三菱化学(株)製「ファインブロー BX037」)
発泡剤−3
水道水
実施例1〜24、比較例1〜25
発泡剤以外の各成分を、表1〜5の何れか1表に示す割合で配合し、二軸押出機(L/D=46)を使用し、混練温度180〜240℃およびスクリュー回転数350rpmの条件で溶融混練して、熱可塑性エラストマー組成物を得た。上記で得られた熱可塑性エラストマー組成物に、発泡剤を表1〜5の何れか1表に示す割合でドライブレンドし、発泡熱可塑性エラストマー組成物を得た。上記で得られた発泡熱可塑性エラストマー組成物と必要に応じて上記で得た熱可塑性エラストマー組成物を用い、上記1)〜4)の評価を行った。結果を表1〜5の何れか1表に示す。
Figure 0006153788
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Figure 0006153788
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表1〜5に示すように、本発明に従う発泡熱可塑性エラストマー組成物は、発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性に優れる。これに対して、比較例は、発泡倍率、ポリプロピレンとの複合成形性(熱融着性)、射出成形性、押出成形性少なくとも何れか一つが劣った。

Claims (3)

  1. (a−1)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA1の少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB1の少なくとも1個とからなるブロック共重合体 55〜5質量%、及び
    (a−2)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA2の少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB2の少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体 45〜95質量%、
    からなるブロック共重合体樹脂成分(a)100質量部;
    ここで(a−1)と(a−2)との和は100質量%であり、
    (b)非芳香族系ゴム用軟化剤 30〜300質量部;
    (c)ポリプロピレン系樹脂 10〜300質量部;
    (d)有機過酸化物 0.5〜5.0質量部;
    (e)架橋助剤 1.0〜10.0質量部;
    (h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体0.05〜30質量部;および
    (i)熱膨張マイクロカプセル以外の発泡剤0.01〜10質量部;
    を含有するポリプロピレンとの複合成形用発泡熱可塑性エラストマー組成物。
  2. (i)熱膨張マイクロカプセル以外の発泡剤が、アゾ化合物、ニトロソ化合物、炭酸塩、及び有機酸からなる群から選択された少なくとも一種の発泡剤であることを特徴とする請求項1に記載の発泡熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の発泡熱可塑性エラストマー組成物とポリプロピレンとから成形されたことを特徴とする複合成形体。
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