JP6010495B2 - インクセット、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、比較的安価な金属材料としてアルミニウムに着目し、高い金属鏡面光沢を有するインク組成物を含むインクセットを構成することにより、印刷物上に任意の色調を帯びた金属光沢を有する印刷面を形成することが可能なインクセットを提供することを目的とする。
加えて、色材として顔料を用いるよりも染料を用いる方が透明性の面で優れ、乱反射による拡散光の発生が抑えられるため、光透過性媒体を用いる場合にはより好ましいことを知見した。図1は、これを具体的に示す一例である。図1は、L*a*b*表色系において、イエローの色材の染料と顔料を用いて透明フィルムにベタ印字した場合で、それぞれの近似のa*値、b*値(ΔE=√(a*)2−(b*)2)を有し、ΔE=1.2の場合の、透過光の明度(L*値)の分布である。これは、0°方向からの入射光に対する透過光に関して、−80°〜+80°方向の5度刻みの透過光強度のプロファイルについて、XYZ表色系のY値(明度)、L*a*b*表色系のL* 値に対してグラフ化したものである。
図1に示される通り、色材が顔料の場合では、染料の場合と比較して、光の入射方向である0°以外の方向により多くの光が拡散しており、目視でも不透明性が確認され、白っぽくなっている様子が観察される。
本発明は、下記の通りである。
有彩色油性染料を含む有彩色インク組成物、黒色油性染料を含む黒色インク組成物、及び色材を含有しない無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種類以上の油性インク組成物と、
を備えたインクセット。
(2) さらに、白色顔料を含む白色油性インク組成物を備えた、上記(1)記載のインクセット。
(3) 前記金属顔料が、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たす金属顔料である、上記(1)または(2)に記載のインクセット。
(4) 前記金属顔料が、アルミニウム又はアルミニウム合金である、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインクセット。
(5) 前記金属顔料が、金属蒸着膜を破砕して作成されたものである、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクセット。
(6) 前記金属顔料を含む油性インク組成物が、前記金属顔料と、有機溶剤と、樹脂と、を含有する、上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のインクセット。
(7) 前記金属顔料を含む油性インク組成物の顔料の濃度が0.1〜10.0質量%である、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインクセット。
(9) 前記有機溶剤が、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル及びラクトンの混合物である、上記(6)または(7)に記載のインクセット。
(10) 前記樹脂が、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、ポリアクリルポリオール、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、及びそれらの樹脂エマルジョンからなる群から選択された少なくとも1種以上である、上記(6)〜(9)のいずれか1項に記載のインクセット。
(11) 前記金属顔料を含む油性インク組成物が、少なくとも1種類以上のアセチレングリコール系及び/又はシリコーン系界面活性剤を含む、上記(6)〜(10)のいずれか1項に記載のインクセット。
(12) インク組成物の液滴を吐出し、該液滴をインク受容層を有してなる記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、
上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載のインクセットを用いて画像を形成する、インクジェット記録方法。
前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、及び前記無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種類以上の油性インク組成物と、を同時に吐出して画像を形成する、上記(12)に記載のインクジェット記録方法。
(14) 前記金属顔料を含む油性インク組成物を用いて任意の画像を形成した後に、前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、及び前記無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種類以上の油性インク組成物を用いて任意の画像を形成する、上記(12)に記載のインクジェット記録方法。
(15) 前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、及び前記無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種類以上の油性インク組成物を用いて任意の画像を形成した後に、前記金属顔料を含む油性インク組成物を用いて任意の画像を形成する、上記(12)に記載のインクジェット記録方法。
(16) 前記記録媒体が可視光透過性記録媒体である、上記(12)〜(15)記載のインクジェット記録方法。
(17) 前記記録媒体を印刷する前及び/又は印刷と同時に及び/又は印刷した後に加熱して印刷する、上記(12)〜(15)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(18) 前記加熱温度が30℃〜80℃である上記(17)に記載のインクジェット記録方法。
(19) 上記(12)〜(18)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録された、記録物。
(20) 上記(1)〜(11)のインクセットを備えた、インクジェット記録装置。
インク受容層を有してなる可視光透過性記録媒体の前記インク受容層に、前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、及び前記無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種類以上の油性インク組成物を用いて任意の画像を形成する色調画像形成工程と、
前記可視光透過性記録媒体のインク受容層を有する側とは反対面に、前記金属顔料を含む油性インク組成物を用いて任意の画像を形成する金属光沢画像形成工程と、を有する、画像記録方法。
(22)上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載のインクセットを用いて画像を形成する画像記録方法であって、
インク受容層を有してなる可視光透過性記録媒体の前記インク受容層に、前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、及び前記無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種類以上の油性インク組成物を用いて任意の画像を形成する色調画像形成工程と、
可視光透過性または非可視光透過性記録媒体に、前記金属顔料を含む油性インク組成物を用いて任意の画像を形成する金属光沢画像形成工程と、
前記色調画像が形成された可視光透過性記録媒体と、前記金属光沢画像が形成された可視光透過性または非可視光透過性記録媒体とを、前記色調画像と前記金属光沢画像とが当接するように、または、前記色調画像と前記金属光沢画像が前記可視光透過性記録媒体のいずれかを介して当接するように積層させる、画像記録方法。
本発明のインクセットは、既述のとおり、金属顔料を含む油性インク組成物と、有彩色油性染料を含む有彩色インク組成物、黒色油性染料を含む黒色インク組成物、及び色材を含有しない無色透明インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の油性インク組成物と、を備えている。これにより、有彩色油性染料、黒色油性染料及び無色透明の色調にメタリック調の金属光沢が付加された画像を形成することが可能となる。特に、本発明のインクセットは染料系色材を使用しているため、顔料系色材と比較して色材が金属光沢感を遮蔽することなく、高い透明性の、任意の色調にメタリック調の金属光沢が付加された画像を形成することが可能となる。
本発明において使用可能な油性染料とは、常温常圧の環境下で水以外の液体状化合物に対して良好に溶解し、水に実質的に不溶な染料のことをいう。油性染料は、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の重量)が1g以下であるものを用いることができる。油性染料は、該染料分子がインク組成物中に溶解し、分子単体または数分子が集合した極めて微小な会合体(直径数十nm程度)を形成することができる。
以下の具体例では、油性染料の色を青色系、赤色系、および黄色系に大別して記載する。また中間色すなわち緑色系や紫色系についても前記分類のいずれかに含めて記載する。
青色系の油性染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料、カップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料等を挙げることができる。
青色系の油性染料の具体例としては、マクロレックスブルーRR、FR(バイエル社製)、スミプラストグリーンG(住友化学社製)、Vali Fast Blue 2606、Oil BlueBOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)、オイルバイオレット#730(オリエント化学社製)、C.I.SolventBlue−2、−11、−25、−35、−38、−43、−67、−70、−134、C.I.Solvent Green−1、−3、−7、−20、−33、C.I.Solvent Violet−2、−3、−11、−47等が挙げられる。
赤色系の油性染料の具体例としては、オイルレッド5303(有本化学社製)、オイルレッド5B、Oil Pink 312、Oil Scarlet 308(オリエント化学社製)、オイルレッドXO(カントー化学社製)、Neopen Mazenta SE1378(BASF社製)、オイルブラウンGR(オリエント化学社製)、C.I.Solvent Red−1、−3、−8、−18、−24、−27、−43、−49、−51、−72、−73、−109、−111、−229、−122、−132、−219、C.I.Solvent Brown−1、−12、−58、ORASET RED BG(チバ・スペシャルティケミカル社製)等が挙げられる。
黄色系の油性染料の具体例としては、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105(オリエント化学社製)、ファーストオレンジG、Neopen Yellow 075(BASF社製)、ORASET YELLOW 3GN(チバ・スペシャルティケミカル社製)、C.I.Solvent Yellow−1、−14、−16、−19、−25:1、−29、−30、−56、−82、−93、−162、−172、C.I.Solvent Orange−1、−2、−40:1、−99等が挙げられる。
黒色系の染料の具体例としては、スーダンブラックX60(BASF社製)、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB(オリエント化学社製)、C.I.SolventBlack−3、−7、−22:1、−27、−29、−34、−50等が挙げられる。また、有彩色系油性染料の明度を調節する等のために、有彩色インク組成物に黒色系の染料をさらに含有することができる。
無色透明のクリアインクを使用することにより、金属顔料が付着することにより形成される金属光沢面を保護する機能を付与することができる。
白色油性インク組成物は、更に、通常の油性インク組成物に含まれているその他の添加剤を含むことができる。こうした添加剤としては、例えば、安定剤(例えば、酸化防止剤、又は紫外線吸収剤)等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドを駆動させてインク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、上述のインクセットを用いて画像を形成するものである。
一方、インク受容層を有さない記録媒体を用いる場合には、金属顔料を含む油性インク組成物を用いて金属光沢を有する画像を形成した後に、前記色調画像形成用油性インク組成物を用いて画像を形成する方法により、任意の色調の金属光沢画像を得ることできる。
本発明の記録装置は、上記インクセットを備えたインクジェット記録装置である。
次に、インクジェット記録装置の記録ヘッド13の構成について説明する。ここで、図3は、キャリッジ(図示せず)に収容される記録ヘッド13の概略斜視図である。また、図4は、インクカートリッジに挿入されるインク導入針19の断面図である。
上記区画15´とは反対側となる基台15の他面には、回路基板20が取り付けられる。そして、この回路基板20は、パッキンとして機能するシート部材21を介して基台15に取り付けられている。
また、本発明では、先述のインクセットを用いて、更に別の画像形成方法によって、任意の色調を帯びたメタリック調の画像(金属光沢画像)を形成することが可能である。例えば、図5に示すように、インク受容層2を有する可視光透過性記録媒体1において、色調画像形成用油性インク組成物を用いてインク受容層2に任意の画像を形成し、前記可視光透過性記録媒体1のインク受容層2を有する側とは反対面に、金属顔料を含む油性インク組成物を用いてメタリック顔料の付着層4を形成することにより、観測面を可視光透過性記録媒体1のインク受容層2側として、色材である染料3が下地であるメタリック顔料の付着層4の金属光沢を遮蔽することなく、任意の色調の金属光沢画像を得ることが可能となる。
本発明の記録物は、先述のインクセットを用いて、上記インクジェット記録方法または画像記録方法により記録が行われたものである。この記録物は、先述のインクセットを用いて上記インクジェット記録方法または画像記録方法により得られたものであるため、高い透明度の任意の色調を帯びたメタリック調の画像を有する記録物を得ることができる。
(1)メタリック顔料分散液の調製
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学社製)3.0質量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥する事で、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
上記方法にて調製したメタリック顔料分散液を用いて、表2に示す組成にてメタリック顔料インク組成物を調製した。溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク溶媒とした後に、メタリック顔料分散液をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下30分間マグネティックスターラーにて混合・撹拌して、メタリック顔料インク組成物とした。
インクジェットプリンタEM−930C(セイコーエプソン社製)を用いて、インク組成物をブラック列に充填し、インク受容層を有する同社製写真用紙<光沢>(型番:KA450PSK)上に常温でベタ印刷を行った。このときのインク組成物の吐出量は、1.2mg/cm2、金属顔料の乾燥重量は、12μg/cm2であった。得られた画像の光沢度は光沢度計(コニカミノルタ社製 MULTI Gloss 268)を用いて行った。結果を表3に示す。
(20°光沢度)
A:300以上(クリアな金属光沢)
B:200以上300未満(つや消しの金属光沢)
C:200未満(金属光沢なし)
(60°光沢度)
A:500以上(クリアな金属光沢)
B:300以上500未満(つや消しの金属光沢)
C:300未満(金属光沢なし)
(85°光沢度)
A:120以上(クリアな金属光沢)
B:100以上120未満(つや消しの金属光沢)
C:100未満(金属光沢なし)
(1)メタリックインク組成物の調製
上記方法にて調製したメタリック顔料分散液4を用いて、表4に示す組成にてメタリック顔料インク組成物を調製した。溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク溶媒とした後に、メタリック顔料分散液をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下30分間マグネティックスターラーにて混合・撹拌して、メタリック顔料インク組成物(S1、S2)とした。
(2−1)染料インク組成物、クリアインク組成物の組成
表5に示す組成で、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、ブラックインク組成物、及びクリアインク組成物を調製した。
表5中、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDE)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDM)は日本乳化剤社製のものを用いた。また、γ−ブチロラクトン(γ−BL)は関東化学社製のものを用いた。また、N−2043−60MEX(ポリアクリルポリオール樹脂エマルジョン)はハリマ化成社製のものを用い、BYK−UV3500(界面活性剤)はビックケミー・ジャパン社製のものを用いた。また、各種油性染料はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のものを使用した。表中、単位は質量%である。
溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク溶媒とした後に、染料をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下30分間マグネティックスターラーにて混合・撹拌して、染料インク組成物を調製した。また、染料を用いない以外は同様の方法により、クリアインク組成物を調整した。
表6及び表7に示す組成で、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、ブラックインク組成物及びホワイトインク組成物を調製した。尚、表6のホワイトインク組成物は、顔料成分以外は上記表5と同様の添加物を使用した。また、表7において、「分散剤」は、ポリエステル系高分子化合物であり、「N−2043−60MEX」は、前記ポリアクリルポリオール樹脂エマルジョンであり、「混合有機溶剤」は、ジエチレングリコールジエチルエーテル(70質量%)とγ−ブチロラクトン(15質量%)とテトラエチレングリコールジメチルエーテル(15質量%)との混合溶媒である。表6および表7で使用した顔料は、それぞれC.I.ピグメントイエロー213、ピグメントヴァイオレット19、ピグメントブルー15:3、ピグメントブラック7である。また、表6及び表7中の数値は質量%を意味する。
〔1〕重合体粒子1
2Lの反応容器に、スチレン80部、メタクリル酸5部、メタクリル酸メチル15部、α−メチルスチレンダイマー1部、t−ドデシルメルカプタン14部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム1.0部及び水200部を入れ、窒素ガス中で攪拌し、80℃まで加温して6時間乳化重合を行った。これにより得られた重合体粒子1は、平均粒径150nm(0.15μm)であった。
前項〔1〕で得られた重合体粒子1の10部(固形分換算)とともにラウリル硫酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム0.5部、及び水400部を反応容器にいれたものに、ジビニルベンゼン11.6部(純度55質量%;残余が1官能ビニルモノマーのもの)、エチルビニルベンゼン8.4部、アクリル酸5部、及びメタクリル酸メチル75部の混合物による架橋重合性モノマー組成物を添加し、30℃で1時間攪拌し、更に70℃で5時間攪拌しながら乳化重合処理を行い、水系分散液を得た。得られたものを粒度分析計(マイクロトラックUPA:日機装株式会社)で測定したところ粒径は320nmであり、別途、透過型電子顕微鏡で観察したところ中空ポリマー微粒子であった。
表6に示す顔料インク組成物(W)は下記の通り調整した。
〔1〕二酸化チタン微粒子の製法
チタン含有鉱石を硫酸で溶かして硫酸チタン溶液を得た。この硫酸チタン溶液を加水分解して得た含水酸化チタンに、TiO2換算での100質量部に対してリン酸アンモニウムを0.50質量部、硫酸カリウムを0.30質量部、硫酸アルミニウムを0.30質量部添加し、含水酸化チタンを生成物温度が1020℃になるまで実験室用回転マッフル炉内で加熱した。生成した二酸化チタン微粒子を室温に冷却し、透過型電子顕微鏡写真で観測したところ、平均一次粒子径が0.13μmであるアナターゼ型であることが判った。
〔2〕二酸化チタン微粒子の分散液の調製
この表面処理された白色顔料としての二酸化チタン微粒子15質量部、分散剤としてのポリオキシアルキレン付加ポリアルキレンアミン(第一工業製薬社製、ディスコール N−518)5質量部、ジエチレングリコールジエチルエーテル80質量部を混合し、サンドミル(安川製作所製)で、ジルコニアビーズ(1.0mm径)をスラリーの1.5倍量充填し、2時間分散させた後、ビーズを取り除き、二酸化チタン微粒子の分散液を得た。
〔3〕白色インク組成物(W)の調製
この二酸化チタン微粒子の分散液を用いて表6に記載した組成となるように白色インク組成物(W)を調製した。すなわち、ジエチレングリコールジエチルエーテル、γ−ブチロラクトン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、N−2043−60MEX、界面活性剤を容器に分取し、マグネティックスターラーで30分間撹拌混合して十分に混合した後、分散液を添加してさらに1時間撹拌混合した。得られた生成物を10μmのPTFE製メンブランフィルターを用いてろ過を行い、白色インク組成物(W)とした。
まず、配合成分の内、顔料、分散剤、及び混合有機溶剤(一部)をディゾルバーで3000rpmにて1時間撹拌した後、ジルコニアビーズ(2mm)を充填したビーズミルで予備分散した。この予備分散によって得られる顔料粒子の平均粒径は5μm以下であった。更に、ジルコニアビーズ(0.3mm)を充填したナノミルで本分散を行い、顔料分散液を得た。この本分散によって得られる顔料粒子の平均粒径は、50nm〜200nmである。
前記(1)で得られたメタリックインク組成物及び(2)で得られた色調形成用油性インク組成物を用い、表8に示す組み合わせでインクセットを構成した。
(4−1)印刷評価試験1
メタリックインク組成物S1(またはS2)と、上記色調形成用油性インク組成物を組み合わせてインクセットを構成し、インクジェットプリンタPM−4000PX(セイコーエプソン製)を2台用いて、1台目のインクジェットプリンタにはブラックインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物はそれぞれ対応するカラー列に充填した。そして、2台目のインクジェットプリンタにはメタリックインク組成物S1(またはS2)はブラック列に充填した。ホワイトインク組成物はイエロー列に充填した。また、クリアインク組成物はライトシアン列に充填した。
メタリックインク組成物を用いて印刷を実施し、乾燥処理後、有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物、透明なクリアインク組成物を用いて、メタリック印刷面の上に画像印刷を行った。尚、下記の印字物の官能評価は、白色インク組成物以外の染料含有インクおよびクリアインク組成物により画像形成を行なった箇所の評価したものである。
S:高メタリック光沢からマット調までの任意のメタリック調光沢が得られ、加えて透明感のある任意のメタリック色が得られた。
AAA:高メタリック光沢からマット調までの任意のメタリック調光沢が得られた。
AA:映りこんだ物体が明確に判別できるほどのメタリック調光沢が得られた。
Claims (8)
- 金属顔料を含む第1インク組成物と、
有彩色染料を含む有彩色インク組成物、黒色染料を含む黒色インク組成物からなる群から選択され、染料は染料分子がインク組成物中に溶解したものである、少なくとも1種類以上の第2インク組成物と、を備え、
前記金属顔料が、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たす金属顔料であり、
少なくとも1種類以上の前記第2インク組成物が、前記染料の含有量が0.5質量%以上15質量%以下である、インクジェットインクセット。 - 前記有彩色インク組成物と黒色インク組成物とを備えた、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
- 白色顔料を含む白色インク組成物を備えた、請求項1又は2記載のインクジェットインクセット。
- 前記金属顔料が、アルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
- さらに、色材を含有せず定着樹脂を含むクリアインク組成物を備えた、請求項1、3又は4のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
- 前記染料の色調を帯びたメタリック調の画像を形成する画像記録方法に用いるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェットインクセットを用いて画像を形成する、インクジェット記録方法。 - 前記記録媒体を印刷する前及び/又は印刷と同時に及び/又は印刷した後に加熱して印刷する、請求項7記載のインクジェット記録方法。
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