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JP5714170B1 - 愛玩動物用の吸収性物品 - Google Patents

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JP5714170B1
JP5714170B1 JP2014232181A JP2014232181A JP5714170B1 JP 5714170 B1 JP5714170 B1 JP 5714170B1 JP 2014232181 A JP2014232181 A JP 2014232181A JP 2014232181 A JP2014232181 A JP 2014232181A JP 5714170 B1 JP5714170 B1 JP 5714170B1
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Abstract

【課題】排尿の横漏れを防止できる愛玩動物用の吸収性物品の提供。【解決手段】透液性を有する内層シート22と、不透液性を有する外層シート23と、それらの間に介在された吸収性コア51とを含む愛玩動物用の吸収性物品において、前記吸収性コアは、中間域13に位置する前記愛玩動物の尻尾が挿通される切断ライン55よりも腹側域11にのみ配置されており、前記内層シートの身体対向面には、少なくとも平面視において前記吸収性コアを重なる領域において、縦方向Yへ延びて横方向Xに交互に並ぶ畝部61と溝部62とから形成された凹凸部60が位置する。【選択図】図2

Description

本発明は、犬や猫等の愛玩動物(ペット)の排泄物を吸収するための吸収性物品に関する。
従来、犬や猫等の愛玩動物の身体に着用させるための吸収性物品は公知である。例えば、特許文献1には、腹側域と、背側域と、背側域と腹側域との間に位置する中間域と、透液性を有する内層シートと、不透液性を有する外層シートと、内外層シート間に介在された吸収性コアとを有する吸収シャーシとを含む愛玩動物用の吸収性物品が開示されており、吸収性物品の身体対向面は、表面が平坦な内層シートによって形成される。
特開2007−167007号公報(P2007−167007A)
特許文献1に開示された愛玩動物用の吸収性物品においては、愛玩動物の尻尾が挿通される切断ラインよりも腹側域側において、吸収性コアが縦長に延びていることによって、愛玩動物の排尿口と対向する吸収性コアの両端部において排泄された尿を両端部の間に位置する中央部に拡散させることができる。
しかし、吸収性コアの中央部は、愛玩動物の後肢に沿うように凹曲状を有し、比較的に幅狭であることから、端部から中央部へ向かって表面上を移動する尿が吸収されずに横漏れするおそれがあった。
本発明は、従来の愛玩動物用の吸収性物品の改良であって、吸収性コアの端部で排泄された尿を速やかに縦方向へ移動させて横漏れを防止することのできる愛玩動物用の吸収性物品の提供を課題にしている。
前記課題を解決するために、本発明は、縦方向及び横方向を有し、身体対向面及びその反対側の非身体対向面と、腹側域と、背側域と、前記縦方向において前記腹側域と前記背側域との間に位置する中間域と、透液性を有する内層シートと、不透液性を有する外層シートと、それらの間に介在された吸収性コアとを含む愛玩動物用の吸収性物品に関する。
本願に係る愛玩動物用の吸収性物品において、前記吸収性コアは、前記中間域に位置する愛玩動物の尻尾が挿通される切断ラインよりも前記腹側域にのみ配置されており、前記内層シートの前記身体対向面には、少なくとも平面視において前記吸収性コアと重なる領域において、前記縦方向へ延びて前記横方向に交互に並ぶ畝部と溝部とから形成された凹凸部が位置し、前記切断ラインの一部は、複数の前記畝部と複数の前記溝部とを交差するように前記横方向へ延びることを特徴とする。
本発明の1つ以上の実施の形態に係る愛玩動物用の吸収性物品は、平面視において吸収性コアを重なる領域において、内層シートは身体対向面に、縦方向へ延びて横方向に交互に並ぶ畝部と溝部とを有しているから、吸収性コアの配置領域に排出された尿が畝部や溝部に沿って縦方向へ移動し、横方向へ漏れ出るのを防止することができる。
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本発明に係る愛玩動物用の吸収性物品の一例として示す、第1実施形態に係る愛玩動物用の吸収性物品の使用状態における斜視図。 各弾性体の最大伸長時(弾性材料の収縮作用によるギャザーがなくなる程度)まで縦方向及び横方向に伸展した吸収性物品の一部破断展開平面図。 図2のIII−III線に沿う模式的断面図。 図2のIV−IV線に沿う模式的断面図。 内層シートの一部拡大斜視図。 図2のVI−VI線に沿う模式的断面図。 愛玩動物用の吸収性物品の変形例であって、内層シート及びバリアカフシートを取り外した状態において腹側域及び中間域を身体対向面側から視た平面図。
下記の各実施の形態は、図1〜7に示す愛玩動物用の吸収性物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
図1〜4を参照すると、愛玩動物(ペット)用の吸収性物品10は、互いに直交する縦方向Y及び横方向Xと、愛玩動物5の身体と対向する身体対向面とその反対側に位置する非身体対向面とを有し、腹側域11と、背側域12と、縦方向Yにおいて腹側域11と背側域12と間に位置する中間域13とを有する吸収シャーシ14と、腹側域11の両側縁から横方向Xの外方へ延びる一対のファスニングタブ15(係止手段)とを含む。腹側域11と背側域12とは、それぞれ、愛玩動物5の後肢7よりも前方に位置する腹部、腰部を被覆する領域であって、中間域13は、後肢7の大腿部間を含めて尻部全体を被覆する領域を意味する。吸収性物品10は、その横方向Xにおける寸法を2等分する縦軸Pと、その縦方向Yにおける寸法を2等分する横軸Qとを有する。
ファスニングタブ15の身体対向面には、メカニカルファスナのフック群から形成された第1ファスニング要素18が配置されている。また、背側域12の外面には、ファスニングタブ15の第1ファスニング要素18を脱離可能に止着するための、横方向Xへ延びるメカニカルファスナのループ群から形成された第2ファスニング要素19を有する受止部20がホットメルト接着剤(図示せず)を介して取り付けられている。吸収性物品10の着用時において、一対のファスニングタブ15の第1ファスニング要素18と背側域12の外面に位置する第2ファスニング要素19とを係合することによって、ウエスト開口及び一対のレッグ開口が画成される。
<吸収シャーシ>
吸収シャーシ14は、縦方向Yにおいて互いに対向して横方向Xへ延びる第1及び第2端縁14a,14bと、第1及び第2端縁14a,14b間に位置して凹曲状に縦方向へ延びる両側縁(レッグ開口縁)14cとを有する。吸収シャーシ14は、さらに、身体対向面側に位置する透液性の内層シート22と、吸収シャーシ14の外形をなし、透湿性プラスチックフィルム、繊維不織布、それらのラミネートシート等から形成され、非身体対向面側に位置する不透液性の外層シート23と、内外層シート22,23間の間に介在された吸液層25とを含む。内層シート22と外層シート23とは、吸液層25の周縁部から延出しており、該延出部位における両シート22,23のうちの少なくともいずれか一方の内面に塗布されたホットメルト接着剤(図示せず)を介して互いに接合されている。内層シート22と外層シート23との間であって吸液層25の非身体対向面側には、不透液性かつ透湿性のプラスチックフィルムから形成された防漏シート26が配置されており、両シート22,23のうちのいずれか一方の内面に塗布されたホットメルト接着剤(図示せず)を介して固定されている。
吸液層25は、腹側域11と中間域13とに位置し、不水溶性かつ自己質量の10倍以上の吸水力を有するいわゆる高吸収性ポリマー(SAP)粒子、木材フラッフパルプ、オプションとして熱可塑性繊維を僅かに含む混合物から形成された半剛性の吸収性コア51と、それを包被する、親水性かつ液拡散性を有する不織布又はティッシュペーパから形成されたコアラップシート52とから構成される。コアラップシート52は、内層シート22及び/又は防漏シート26とホットメルト接着剤を介して接合されている。
図2を参照すると、吸収性コア51は、縦方向Yにおいて離間対向する第1及び第2端部51A,51Bと、第1及び第2端部51A,51Bの間に位置する中央部51Cとを有する。第1端部51Aは腹側域11側に位置し、第2端部51Bは背側域12側に位置する。吸収性コア51の両側縁は、中央部51Cにおいて凹曲状を有し、中央部51Cは第1及び第2端部51A及び第2端部51Bに比して幅狭である。
本実施形態において、吸液層25は背側域12に配置されていない。雄雌問わず愛玩動物5の排尿器は尾部6よりも腹側に位置していることから、通常の直立状態において尿が背側に回り込むことはなく、吸液層25は少なくとも排尿器と対向する中間域13と腹側域11とに配置されていればよい。したがって、このように吸液層25の特異な配置態様を採用することによって、尿が排泄されない背側域12に吸液層25を延在させる場合に比して、吸液層25による吸収効率を向上させることができるとともに、製造コストを低減できる。さらに、吸液層25によって背側域12がごわつくことを防止し、背側域12における通気性を向上して蒸れを防止することができる。
図2、図3及び図6を参照すると、内層シート22は、繊維不織布から形成され、身体対向面に、縦方向Yに延びて横方向Xに並ぶ複数の畝部61と、隣り合う畝部61の間に位置し、縦方向Yに延びる複数の溝部62から形成される凹凸部60を有する。凹凸部60は、少なくとも平面視において吸収層25と重なる領域に位置しており、本実施形態において内層シート22は、第1端縁14aから第2端縁14bまで延びる縦長の矩形状のシートであって、畝部61及び溝部62が第1端縁14aから第2端縁14bまで連続して延びるように、内層シート22の身体対向面の全域に凹凸部60が形成されている。
内層シート22の畝部61と溝部62とは、例えば以下の方法によって形成することができる。内層シート22を形成するための繊維ウェブを走行ベルトに載置して機械方向へ搬送し、機械方向と交差する交差方向に並ぶ複数のノズルから、加熱されたジェットエア、ジェットウォータ、ジェットスチーム等の流体を該繊維ウェブに対して連続的に噴射する。流体が噴射された繊維ウェブでは、流体が噴射された部分で溝部62が形成され、その両側で畝部61が形成される。かかる、内層シート22は、凹凸部60の延在方向である縦方向Yに沿った繊維配向性を有する。ここで、繊維配向性とは、内層シート22を形成する繊維うち、約50%以上の繊維の配向方向をいう。繊維が縦方向Yへ配向することで、尿等がより繊維配向に沿って縦方向Yに移動しやすくなる。内層シート22の繊維密度は、15〜35g/cmの範囲であって、溝部62の繊維密度は畝部61の繊維密度よりも高くなっている。
図2及び図3を参照すると、内層シート22の身体対向面における吸液層25の横方向Xの外方には、縦軸Pに関して対称に位置する一対のバリアカフシート28が取り付けられている。防漏シート26の両側縁の横方向Xの外方には、縦方向Yへ延びる1条又は複数条のストランド状又はストリング状のサイド弾性体47がバリアカフシート28の近位部41と外層シート23の両側部との間、本実施形態では近位部41と内層シート22の両側部との間にホットメルト接着剤(図示せず)を介して収縮可能に取り付けられている。
外層シート23とバリアカフシート28とは、腹背側域11,12において、内層シート22と防漏シート26との両側縁からさらに横方向Xの外方へ延出して互いに重なり合い、腹側サイドフラップ38と背側サイドフラップ39が形成されている。腹側サイドフラップ38を形成する外層シート23とバリアカフシート28との両側縁部間には、一対のファスニングタブ15の固定部15aが介在されており、両シート23,28の内面に塗布されたホットメルト接着剤(図示せず)を介して固定されている。
第1ファスニング要素18と第2ファスニング要素19とからなるファスニングシステムにおいて、それが所要の剥離強度を有するものであれば、第1ファスニング要素18をフック群に替えて接着剤を塗布して形成してもよい。この場合には、第1ファスニング要素18を保護するために、シリコンを塗布したセパレータで第1ファスニング要素18の表面を被覆してもよい。ファスニングタブ15を形成する基材シートは、例えば、プラスチックフィルム、繊維不織布、それらのラミネートやクラフト紙等の比較的に剛性及び引張強度の高いシート材料から形成することが好ましい。また、本発明の所要の効果を奏する限りにおいて、ファスニングタブ15を用いることなく、腹側サイドフラップ38に設けられた第1ファスニング要素18を直接第2ファスニング要素19に脱離可能に係合してもよい。
図3を参照すると、バリアカフシート28は、吸収シャーシ14の両側部の一部を形成する近位部41と、腹背側域11,12において内層シート22及び外層シート23の肌対向面に固定された前端固定部42及び後端固定部43と、前後端固定部間において縦方向Yへ延びる、バリアカフシート28の内側縁を内方へ折り返すことによって形成された遠位部(自由縁部)44とを有する。遠位部44には、縦方向Yへ延びる1条又は複数条のストランド状又はストリング状のカフ弾性体45が伸長状態で収縮可能に取り付けられる。遠位部44は、吸収性物品10の着用状態において、カフ弾性体45の収縮作用によって内層シート22の身体対向面から離間し、排泄物の横漏れを防止するための一対の防漏カフが形成される。
本実施形態において、カフ弾性体45とサイド弾性体47とは、繊度280〜500dtexのストリング状又はストランド状の弾性材料を約2.0〜3.0倍、好ましくは、2.2〜2.5倍に伸長して収縮可能に取り付けられたものであって、各弾性体45,47に求められる所要の収縮力によって、複数条の弾性体における離間寸法(ピッチ)を適宜設定することができる。また、各弾性体45,47を構成する弾性材料の繊度や伸長倍率を均一にせずに互いに異なるように設定することもできる。
本実施形態においては、サイド弾性体47は、吸収シャーシ14の縦方向Yの全域、すなわち、第1端縁14aと第2端縁14bとの間において縦方向Yへ一連に延びている。一方、カフ弾性体45は、第1端縁14aから吸液層25よりも背側域12側まで延在している。サイド弾性体43及びカフ弾性体44は、実質的に伸縮性を発現する伸縮機能部分と、実質的に伸縮性を発現しない、いわゆるスナップバック(弾性部材のうちシートに固着されていない非固着部分が、自らの収縮によりシートに固着されている接合端部近傍まで戻ること)した非伸縮機能部分とを有する。
図2及び図3を参照すると、吸収シャーシ14の腹側域11には、内層シート22と防漏シート26との間において横方向Xへ延びる、帯状の腹側弾性体29が配置される。腹側弾性体29は、天然又は合成ゴム製や発泡性のポリウレタン製の糸ゴム、平ゴム(ウレタンフォーム)やリボン状の弾性体から形成されるものであって、本実施形態においては、発泡性ポリウレタン製の平ゴムが配置されている。腹側弾性体29は、腹側域11の比較的に広い範囲に収縮力を作用して身体にフィットさせるために、所要の幅寸法(縦方向Yの寸法)を有するものであることが好ましい。具体的には、腹側弾性体29の長さ寸法(横方向Xの寸法)は、吸収シャーシ14の腹側域11の幅寸法(横方向Xの寸法)W1の約55〜90%の大きさを有し、腹側弾性体29の中央部の幅寸法(縦方向Yの寸法)は約20〜40mmである。サイド弾性体47の端部は、腹側弾性体29の両端部と平面視において互いに重なり、腹側弾性体29と内層シート22との間に配置されており、内層シート22に接合され、腹側弾性体29と非接合である。
図3〜図5を参照すると、腹側弾性体29は、吸収性コア51と平面視において互いに重なっており、さらに吸収性コア51の両側縁から横方向Xの外方へ延出している。本実施形態において、腹側弾性体29は、非身体対向面側において横方向Xへ離間して不連続に配置されたホットメルト接着剤を塗布してなる接合部40を介して防漏シート26及び外層シート23に固定されており、身体対向面側は、吸収性コア51及び内層シート22に固定されていない。
吸収性物品10の着用状態において、吸収性コア51の第1端部51Aと第2端部51Bとは、それぞれ、雄の排尿口と雌の排尿口とに対向して排泄された尿を直接吸収する主たる吸収部として機能するのに対し、それらの間に位置する中間部51Cは、第1端部51A又は第2端部51Bに吸収された尿が拡散するための副次的な吸収部として機能する。中間部51Cは、その両側縁が後肢に沿う凹曲状を有し、かつ、副次的な吸収部として機能するものであるから、第1及び第2端部51A,52Bよりも幅狭であって、第1及び第2端部51A,52Bの表面上に滞留した尿が中間部51Cに移動したときに、中間部51Cの両側から尿が横漏れするおそれがある。特に、中間部51Cの縦方向Yにおける一端部側の部分に尿が吸収されてその吸収容量を超えた場合には、中間部51Cの中央部や他端部側へ尿が拡散する前に横漏れするおそれがある。
本実施形態における吸収性物品10においては、内層シート22の身体対向面(表面)の少なくとも吸収性コア51と平面視において重なる領域に、縦方向Yへ延びて横方向Xへ交互に並ぶ畝部61と溝部62とからなる凹凸部60が形成されていることから、第1端部51A又は第2端部51Bにおいて排泄された尿が、速やかに中間部51C、さらに縦方向Yにおいて対向する他方の端部側へ移動、拡散させることができる。このように、内層シート22の表面上を尿が速やかに縦方向Yへ移動することによって、吸収性コア51の両側からの横漏れを防止できるとともに、吸収性コア51全域で尿を吸収することができ、尿が速やかに縦方向Yへ移動されず、部分的に尿が吸収されない部分が形成される場合に比して、全体的な吸収効率を向上させることができる。また、凹凸部60では、凸部のみが身体に接触するようになることから、平坦なシートに比して身体に対する接触面積が減少し、排尿後において濡れた内層シート22が接触する面積が比較的小さくなるため、皮膚のかぶれを防止して良好な装着感を与えることができる。さらに、畝部61及び溝部62は第1端縁14aから第2端縁14bまで連続して延びているから、身体対向面が平坦なシートに比して第1及び第2端縁14a,14b間の通気性を向上させることができる。
また、凹凸部60において、畝部61の繊維密度は溝部62の繊維密度よりも低くなっていることから、毛細管現象によって内層シート22の表面に排泄された尿が溝部62に集中してそれに沿って縦方向Yへ移動しやすくなる。さらに、繊維密度の高い溝部62に尿が引き込まれることから、吸液層25内へ尿を素早く吸収させることができる。また、吸収性物品の着用時において尻尾を開口に挿通して腹側域及び/又は背側域を身体に宛がうときに、特に、腹側域は下方へ垂れ下がるような態様となってファスニング操作がし難くなるところ、表面に凹凸部60を有する内層シート22が吸収性物品10の縦方向Yにおける全域に延びていることによって、横方向Xへの剛性が比較的に高くなり、かかる腹側域11の垂れ下がりを抑制し、ファスニング操作が比較的に容易になる。さらに、内層シート22が横方向Xにおいて比較的に高い剛性を有することから、横方向Xへ収縮可能に配置された腹側弾性体29が内層シート22と固定されていた場合には、その収縮性が阻害されるおそれがあるところ、腹側弾性体29は内層シート22に固定されず、防漏シート26と外層シート23とに固定されているので、その収縮性が阻害されるおそれはない。
内層シート22による凹凸部60がかかる技術的効果を奏するためには、畝部61の最も嵩高い部分における厚さ寸法(厚さ方向Zにおける寸法)D1が溝部62の厚さ寸法D2の約1.2〜1.7倍であることが好ましい(図5参照)。前者が後者の約1.7倍超えの場合には、溝部62が比較的に深くなりすぎて身体に当接したときに違和感を与えるおそれがあり、前者が後者の約1.2倍未満の場合には、溝部62が比較的に浅くなりすぎて、上記のような内層シート22の表面に凹凸部60形成されることによる効果を得ることができないおそれがある。
図2を参照すると、吸液層25よりも背側域12側には、愛玩動物5の尾部6を挿通する開口(挿通孔)を形成するための切断ライン(ミシン目)55が配置される。切断ライン55は、平面視において互いに重なる内層シート22、防漏シート26及び外層シート23を貫通する。切断ライン55の一部は、複数の畝部61と複数の溝部62とを交差するように横方向Xへ延びており、本実施形態では切断ライン55が略U字状であって、U字状の底部が複数の畝部61及び溝部62を交差するように横方向Xに延びている。
切断ライン55に沿って吸収シャーシ14の一部を切断し、各シート22,23,26が接合又は非接合された状態における舌片56(図1参照)を外側へ向けて折り曲げることによって開口が形成される。既述のとおり、切断ライン55の一部が、凹凸部60を形成する畝部61と溝部62とに交差するように横方向Xへ延びているので、おむつ10の運搬中や保管状態において、切断ライン55が不用意に分離されることはない。開口は、尾部6を挿通するだけでなく、尾部6の真下に位置する肛門から排泄される排泄物(糞)を外部に排出できるように、肛門と対向することができる程度の大きさを有することが好ましい。このように、開口に尾部6を挿通するとともに肛門を露出させることによって、吸収シャーシ14内に収容された排泄物が被毛に絡んでしまうことを防止することができる。また、舌片56は、吸収シャーシ14から分離(切り取り)可能であって、舌片56を分離することによって、舌片56に肛門から排泄された排泄物がそれに付着するのを防止することができる。
図2及び図6を参照すると、バリアカフシート28の後端固定部43は、第2端縁14bから吸収性コア51の背側域12側の端縁の近傍まで延びており、背側域12では、バリアカフシート28の非身体対向面側の略全域が接合部64を介して対向する内外層シート22,23に接合された状態であって、横方向Xに離間する一対の後端固定部43の間には内層シート22が位置している。バリアシート28の後端固定部43間において表面に凹凸部60を有する内層シート22が露出して愛玩動物5の身体に直接的に当接されるので、その表面が平滑な場合に比して、身体との間に適度な摩擦抵抗が生じてずれ止め効果を奏し得る。さらに、後端固定部43と内層シート22との境界部分ではバリアカフシート28のシート厚による段差が生じ、身体に当接したときに違和感を与えやすくなるところ、一対の後端固定部43間に凹凸部60が存在しているので、かかる違和感を与え難くすることができる。また、背側域12は、愛玩動物5の身体に接触した場合に腹側域11に比して毛が当接して抜けやすいが、身体に対する接触面に凹凸部60が位置していることで、繊維密度の低い畝部61に抜け毛が入り込みやすくなり、繊維密度の高い溝部62において抜け毛を保持しやすくすることができる。
図7は、吸収性物品10の変例の一例を示す図であって、吸収シャーシ14から内層シート22及びバリアカフシート28を取り外した状態において腹側域11及び中間域12を身体対向面側から視た平面図である。本変例においては、吸液層25において吸収性コア51の中間部51Cの第1及び第2端部51A,51B側のそれぞれには、第1括れ部分65と第2括れ部分66のそれぞれが位置する。第1及び第2括れ部分65,66の両側縁は、縦軸Pへ向かって先鋭かつ凸状に延びており、吸液層25は第1及び第2括れ部分65,66において、局所的にその横方向Xの寸法が小さくなっている。
例えば、吸収性コア51の両側縁全体が直状であったり、なだらかな曲状であったりする場合には、歩行時の後肢7の前後方向の動きによって中間部51C側へ比較的に幅広の第1及び第2端部51A,51Bが引き寄せられて後肢7の可動領域へ移動し、それが当接することによって後肢7の可動を妨げるおそれがある。本実施形態においては、中間部51Cにおいて、第1及び第2端部51A,51Bと隣接する領域に、第1及び第2括れ部分65,66が位置することによって、吸収性コア51の幅寸法が局所的に小さくなり、吸液層25の両側縁に沿ってそれを縦方向Yへ引っ張ろうとする力の伝達を分断、遮断するので、連動性が抑制される。それによって、着用状態において、後肢7や身体の動きによって、吸液層25が位置ずれして、後肢7の可動が妨げられるおそれはない。さらに、凹凸部60を有する内層シート22が吸液層25の全域に延びていることによって横方向Xへの剛性が比較的に高くなるため、吸収性コア51において横方向Xへの剛性が比較的に低くなる第1及び第2括れ部分65,66を設けた場合であっても、該部分において吸収性コア51が横方向Xに沿って折れ曲がって分断されるのを抑制することができ、吸液性コア51が第1端部51Aから第2端部51Bまで連続して延びた状態を維持することができる。
かかる技術的効果を奏するためには、第1端部51A及び/又は第2端部51Bの横方向Xの寸法W2と、第1及び第2括れ部分61,62における最狭部分の横方向Xの寸法W3と、吸収性コア51の縦方向Yにおける寸法を2等分する横軸Q1上における中間部51Cの横方向Xの寸法W4との大きさにおける相関関係が、W2≧W4>W3であることが好ましい。また、第1及び第2括れ部分65,66は、それらのうちの少なくとも一方のみが形成されていてもよいし、両側縁は先鋭三角状のほかに、凸曲状や横方向Xへ延びるスリット等であってもよい。
吸収性物品10を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書において使用されている「第1」および「第2」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
縦方向及び横方向を有し、身体対向面及びその反対側の非身体対向面と、腹側域と、背側域と、前記縦方向において前記腹側域と前記背側域との間に位置する中間域と、透液性を有する内層シートと、不透液性を有する外層シートと、それらの間に介在された吸収性コアとを含む愛玩動物用の吸収性物品において、前記吸収性コアは、前記中間域に位置する愛玩動物の尻尾が挿通される切断ラインよりも前記腹側域にのみ配置されており、前記内層シートの前記身体対向面には、少なくとも平面視において前記吸収性コア重なる領域において、前記縦方向へ延びて前記横方向に交互に並ぶ畝部と溝部とから形成された凹凸部が位置する。
上記段落0039に開示した本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。該実施の形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
(1)前記凹凸部は、前記吸収性物品の前記縦方向における一方の端縁から他方の端縁まで延びる。
(2)前記内層シートは、繊維不織布から形成されており、前記畝部の繊維密度は、前記溝部の繊維密度よりも低くなっている。
(3)前記切断ラインの一部は、複数の前記畝部と複数の前記溝部とを交差するように前記横方向へ延びる。
(4)前記内層シートの前記身体対向面側に位置し、前記横方向に離間対向する一対のバリアカフシートをさらに有し、前記バリアカフシートは、前記吸収性コアの前記横方向外側に位置し、前記内層シートに固定された近位部と、前記近位部の前記横方向内側に位置し、前記内層シートから離間可能な遠位部と、前記背側域に位置する後端固定部とを有し、前記凹凸部は、前記横方向に離間対向する一対の前記後端固定部の間に位置する。
(5)前記腹側域において前記吸収性コアと前記外層シートの間には、前記横方向へ延びる帯状弾性体が配置されており、前記帯状弾性体は、前記内層シート及び前記吸収性コアと非接合である。
5 愛玩動物
10 愛玩動物用の吸収性物品
11 腹側域
12 背側域
13 中間域
15 ファスニングタブ
22 内層シート
23 外層シート
28 バリアカフシート
29 腹側弾性体
43 後端固定部
51 吸収性コア
55 切断ライン
60 凹凸部
61 畝部
62 溝部
X 横方向
Y 縦方向

Claims (5)

  1. 縦方向及び横方向を有し、身体対向面及びその反対側の非身体対向面と、腹側域と、背側域と、前記縦方向において前記腹側域と前記背側域との間に位置する中間域と、透液性を有する内層シートと、不透液性を有する外層シートと、それらの間に介在された吸収性コアとを含む愛玩動物用の吸収性物品において、
    前記吸収性コアは、前記中間域に位置する愛玩動物の尻尾が挿通される切断ラインよりも前記腹側域にのみ配置されており、
    前記内層シートの前記身体対向面には、少なくとも平面視において前記吸収性コアと重なる領域において、前記縦方向へ延びて前記横方向に交互に並ぶ畝部と溝部とから形成された凹凸部が位置し、
    前記切断ラインの一部は、複数の前記畝部と複数の前記溝部とを交差するように前記横方向へ延びることを特徴とする前記吸収性物品。
  2. 前記凹凸部は、前記吸収性物品の前記縦方向における一方の端縁から他方の端縁まで延びる請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記内層シートは、繊維不織布から形成されており、前記畝部の繊維密度は、前記溝部の繊維密度よりも低くなっている請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記内層シートの前記身体対向面側に位置し、前記横方向に離間対向する一対のバリアカフシートをさらに有し、
    前記バリアカフシートは、前記吸収性コアの前記横方向外側に位置し、前記内層シートに固定された近位部と、前記近位部の前記横方向内側に位置し、前記内層シートから離間可能な遠位部と、前記背側域に位置する後端固定部とを有し、
    前記凹凸部は、前記横方向に離間対向する一対の前記後端固定部の間に位置する請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記腹側域において前記吸収性コアと前記外層シートの間には、前記横方向へ延びる帯状弾性体が配置されており、前記帯状弾性体は、前記内層シート及び前記吸収性コアと非接合である請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品。
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