JP5624017B2 - フィルタプレスの運転方法及びフィルタプレス装置 - Google Patents
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Description
そして、かかる濾板群を伸縮開閉する装置としては、本出願人が先に特公平4−9566号公報(特許文献1)において提案したものがある。この開閉装置は、濾板厚さ方向に伸縮開閉自在とされた、複数の濾板からなる濾板群と、この濾板群における一方側端部濾板に対して油圧シリンダーを介して連結されるとともに濾板群の伸縮方向に前後動自在とされた移動台とを備えたものであり、このシリンダーを伸縮させることによって、当該シリンダーが移動台に反力をとりつつ一方側端部濾板を他方側端部濾板側へ押圧し締付けるものであり、簡易な装置構成でありながら濾板開閉距離を非常に長くすることができ、またその分濾室数も多くすることができるものである。
かかる従来型装置においては、締付け装置として油圧シリンダーを一方側端部濾板と移動台とに架設する構成とされ、締付け力を高めるためには大径の油圧シリンダーが必要となり、装置重量および装置コストの増加が問題となっていた。また、油圧シリンダーの大型化に伴い移動台とともに移動する部分の重量が増加するため、移動台の駆動源も大型のものが必要となるため、装置重量および装置コストの増加のみならず、ランニングコストも高くなる点が問題となっていた。
そこで、本出願人は、締付駆動源の小型軽量化及びローコスト化を可能とし、排水や脱水物への作動油の混入を防止することを目的として、特許文献2のものを開発し、実績を重ねてきた。
なお、特許文献3のものも提案されている。
特許文献2のフィルタプレス装置は、多くの利点をもつものの、精査検討してみると、パンタグラフ式ジャッキの構成部材群を「圧搾」に耐えるに十分な強度とする必要があり、そのために大型のものが必要となり、かつ構造が複雑なために製作コストが高くなるとの根本的な問題を見出した。
他方、特許文献3のものも一つの解決手法であるが、ストッパとムーバブルヘッド(ルーズヘッド)にそれぞれ係合装置を設ける必要があり、構造が複雑となる難点がある。
さらに、濾布の新旧や、濾布やダイアフラムの厚さ(弾力性)などが時間の経過に伴い変化することで、ルーズヘッドの締付位置が変化する場合があり、締付け位置が機械的に固定されているフィルタプレス装置では、対象脱水物が漏れる虞があった。
また、濾室内の脱水ケーキの形状や、濾布に付着した脱水ケーキなどによって、濾過及び圧搾中の締付圧が変化することがあるが、特許文献2及び特許文献3のフィルタプレス装置では、締付け装置が機械的に固定されており、締付圧の低下が生じても濾板の締付圧の調整を行うことができないため、締付け圧を適正化することができなかった。特に濾板の枚数が多い場合、かかる締付圧変化が顕著に表れ、経時的に安定した脱水能力を発揮させることができなかった。
<請求項1記載の発明>
濾板厚さ方向に伸縮開閉自在とされた、複数の濾板からなる濾板群における一方側端部濾板の外方に設けられるルーズヘッドと、
対地固定または前記ルーズヘッドの移動方向に移動可能であり、濾板群の濾板厚さ方向への移動の反力体を構成する反力座体と、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられ、前記ルーズヘッドを前記濾板厚さ方向に移動させて前記濾板群を締付ける締付手段を有するフィルタプレスの運転方法であって、
前記締付手段により前記濾板群を締付けた後、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられた反力受け手段を濾板の厚さ方向に移動させてルーズヘッドに当接させ、前記ルーズヘッドを締付方向と反対側へ移動させようとする反力を受け、
その後、前記締付手段を締付方向と反対側へ移動させて締付手段による締付けを解除し、
その後は、前記反力受け手段で、ルーズヘッドに作用する濾過及び圧搾の反力を支持することを特徴とするフィルタプレスの運転方法。
本発明においては、締付手段とは別に反力受け手段を設け、圧搾時にルーズヘッドを締付方向と反対側に移動させようとする反力をこの反力受け手段が受けるようにした。その結果、締付手段による締付力は、従来の締付け装置に対して数分の一程度で足りることが判明した。したがって、締付と反力受けとを共有する場合に比較して、構造的に簡素化でき、小型化が可能となり、省スペース及び低コスト化を図ることができる。さらに、圧搾時に発生する高圧な反力に対しても十分に耐えることができる。
なお、特に濾布固定型の場合には、反力座体を対地固定とし、濾布移動型の場合には、反力座体がルーズヘッドの移動方向に移動可能であるのが望ましい。
濾板厚さ方向に伸縮開閉自在とされた、複数の濾板からなる濾板群における一方側端部濾板の外方に設けられるルーズヘッドと、
対地固定または前記ルーズヘッドの移動方向に移動可能であり、濾板群の濾板厚さ方向への移動の反力体を構成する反力座体と、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられ、前記ルーズヘッドを前記濾板厚さ方向に移動させて前記濾板群を締付ける締付手段を設けたフィルタプレス装置であって、
前記締付手段により前記濾板群を締付けた後、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられた反力受け手段を濾板の厚さ方向に移動させてルーズヘッドに当接させ、前記ルーズヘッドを締付方向と反対側へ移動させようとする反力を受け、
その後、前記締付手段を締付方向と反対側へ移動させて締付手段による締付けを解除し、
その後は、前記反力受け手段で、ルーズヘッドに作用する濾過及び圧搾の反力を支持するように構成されていることを特徴とするフィルタプレス装置。
請求項1と同様の作用効果がある。
前記反力座体は、前記締付手段が濾板群の締付けを行うときの反力体になるとともに、
前記ルーズヘッドを締付方向と反対側へ移動させようとする反力を前記反力受け手段が受けるときの反力体にもなる請求項2記載のフィルタプレス装置。
締付手段の反力座体と反力受け手段の反力座体をそれぞれ別々に設けることも可能であるが、共通の反力座体にすることで、装置の簡素化などにおいて有利となる。
前記締付手段及び前記反力受け手段は前記ルーズヘッドの移動方向に対して直線移動するものである請求項2または3記載のフィルタプレス装置。
締付手段としては、ボールネジのほかシリンダや適宜の押圧機構を選択できるが、濾布移動型の場合には、反力座体と共に締付手段もルーズヘッドの移動方向に移動可能であると、締付力の選択及び締付位置の調整を簡易に行なうことができる。
(装置の概要構成)
本例の装置では、相互に離間し且つ平行な一対の主梁1,1が、その長手方向(以下、単に長手方向という場合は、主梁1,1の長手方向を意味する。)両端部において支柱部材2,2により支持され、水平方向に延在しており、これら一対の主梁1,1上に、その長手方向に開閉する複数の濾板3,3…からなる濾板群が支持され、この濾板群3,3…の開方向側に配されたルーズヘッド4が支持されている。これら個々の濾板3,3…及びルーズヘッド4には、ガイドローラ6,6が取り付けられ、このガイドローラ6,6を介して主梁1,1上を走行するように構成されている。また個々の濾板3,3…及びルーズヘッド4の全体が連動して開閉伸縮するように、隣接相互がタイボルト5,5…により連結されている。7は固定側フレームである。
締付装置50について詳しく説明すると、台車11のフレーム11Aの幅方向中央には本発明の締付手段としての締付用ボールネジ51が設けられ、図示しない電動モータ等のボールネジ駆動手段による回転によりそのロッド51aがルーズヘッド4に対して前後進するようになっている。51bはネジケースである。
圧搾反力受けネジ棒52,52は、台車11のフレーム11Aに固定されたネジケース52a,52aに螺合されている一方で、後端にはそれぞれスプロケット52b,52bが固定され、ネジ棒52,52の回転に対して非回転に支持されたブラケット52cに電動の回転駆動モータ52dが支持され、その回転駆動モータ52dの出力軸にはスプロケット52eが固定され、その回転をチェーン52fを介してネジ棒52,52の回転及び前後進の直線運動に変換するようにしている。
次に、上述のフィルタプレス装置を使用した、好適な濾板締付方法を説明する。
図2は、濾板を締め付ける前の状態を示しており、濾板を締付けるには、この状態から先ず濾板群3,3…の閉枠を行う。すなわち、台車移動用回転駆動源(図示せず)を作動させ、台車11を濾板群3,3…側へ移動させ、この移動力によって、締付装置50を介してルーズヘッド4及び濾板3,3…を押込み収縮閉枠させる。
Claims (4)
- 濾板厚さ方向に伸縮開閉自在とされた、複数の濾板からなる濾板群における一方側端部濾板の外方に設けられるルーズヘッドと、
対地固定または前記ルーズヘッドの移動方向に移動可能であり、濾板群の濾板厚さ方向への移動の反力体を構成する反力座体と、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられ、前記ルーズヘッドを前記濾板厚さ方向に移動させて前記濾板群を締付ける締付手段を有するフィルタプレスの運転方法であって、
前記締付手段により前記濾板群を締付けた後、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられた反力受け手段を濾板の厚さ方向に移動させてルーズヘッドに当接させ、前記ルーズヘッドを締付方向と反対側へ移動させようとする反力を受け、
その後、前記締付手段を締付方向と反対側へ移動させて締付手段による締付けを解除し、
その後は、前記反力受け手段で、ルーズヘッドに作用する濾過及び圧搾の反力を支持することを特徴とするフィルタプレスの運転方法。 - 濾板厚さ方向に伸縮開閉自在とされた、複数の濾板からなる濾板群における一方側端部濾板の外方に設けられるルーズヘッドと、
対地固定または前記ルーズヘッドの移動方向に移動可能であり、濾板群の濾板厚さ方向への移動の反力体を構成する反力座体と、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられ、前記ルーズヘッドを前記濾板厚さ方向に移動させて前記濾板群を締付ける締付手段を設けたフィルタプレス装置であって、
前記締付手段により前記濾板群を締付けた後、
前記ルーズヘッドと反力座体の間に設けられた反力受け手段を濾板の厚さ方向に移動させてルーズヘッドに当接させ、前記ルーズヘッドを締付方向と反対側へ移動させようとする反力を受け、
その後、前記締付手段を締付方向と反対側へ移動させて締付手段による締付けを解除し、
その後は、前記反力受け手段で、ルーズヘッドに作用する濾過及び圧搾の反力を支持するように構成されていることを特徴とするフィルタプレス装置。 - 前記反力座体は、前記締付手段が濾板群の締付けを行うときの反力体になるとともに、
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