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JP5561449B1 - 液晶表示素子 - Google Patents

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JP5561449B1
JP5561449B1 JP2014512576A JP2014512576A JP5561449B1 JP 5561449 B1 JP5561449 B1 JP 5561449B1 JP 2014512576 A JP2014512576 A JP 2014512576A JP 2014512576 A JP2014512576 A JP 2014512576A JP 5561449 B1 JP5561449 B1 JP 5561449B1
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Abstract

誘電率異方性、粘度、ネマチック相上限温度、低温でのネマチック相安定性、γ等の液晶表示素子としての諸特性及び表示素子の焼き付き特性を悪化させること無く、FFSモードの液晶表示素子に用いることにより優れた表示特性を実現可能な、誘電率異方性が負の液晶組成物を用いた液晶表示素子として、下記一般式(I)
Figure 0005561449
で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物、及び、下記一般式(II)
Figure 0005561449
で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物、及び、下記一般式(III)

Description

本願発明は、誘電率異方性が負のネマチック晶組成物を用い、高透過率、高開口率に特徴を有するFFSモードの液晶表示装置に関する。
表示品質が優れていることから、アクティブマトリクス方式液晶表示素子が、携帯端末、液晶テレビ、プロジェクタ、コンピューター等の市場に出されている。アクティブマトリクス方式は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メタル・インシュレータ・メタル)等が使われており、この方式に用いられる液晶化合物あるいは液晶組成物は、高電圧保持率であることが重要視されている。また、更に広い視角特性を得るためにVA(Vertical Alignment:垂直配向)モード、IPS(In Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensated Bend, Optically Compensated Birefringence)モードと組み合わせた液晶表示素子や、より明るい表示を得るためにECB(Electrically Controlled Birefringence)モードの反射型の液晶表示素子が提案されている。この様な液晶表示素子に対応するために、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案がなされている。
現在スマートホン用の液晶ディスプレイとしては、高品位で、視覚特性に優れるIPSモードの液晶表示素子の一種であるフリンジフィールドスイッチングモード液晶表示装置(Fringe Field Switching mode Liquid Crystal Display;FFSモード液晶表示装置)が広く用いられている(特許文献1、特許文献2参照)。FFSモードは、IPSモードの低い開口率及び透過率を改善するため導入された方式であり、用いられている液晶組成物としては、低電圧化がし易いことから誘電率異方性が正のp型液晶組成物を用いた材料が広く用いられている。また、FFSモードの用途の大部分が携帯端末であるため、さらなる省電力化の要求は強く液晶素子メーカはIGZOを用いたアレイの採用等盛んな開発が続いている。
一方、現在p型材料を用いている液晶材料を、誘電率異方性が負のn型材料とすることによっても、透過率を改善することが可能となる(特許文献3参照)。これは、FFSモードがIPSモードとは異なり完全な平行電界を生じるわけでは無く、p型材料を用いた場合は画素電極に近い液晶分子はフリンジの電界に沿って液晶分子の長軸が傾くため透過率が悪化する。これに対しn型液晶組成物を用いた場合には、n型組成物の分極方向が分子短軸方向にあることから、フリンジ電界の影響は、液晶分子を長軸に沿って回転させるのみで分子長軸は平行配列が維持されるため、透過率の低下は生じない。
しかし、n型液晶組成物はVA用液晶組成物としては一般的であるが、VAモードとFFSモードでは、配向の方向、電界の向き、必要とされる光学特性のいずれの点を取っても異なる。さらに、FFSモードの液晶表示素子は、後述するように電極の構造に特徴を有し、VAモードでは二つの基板の双方に電極を有するのに対して、FFSモードではアレイ基板のみに電極を有している。そのため、焼き付きや滴下痕といった、従来の技術から効果の予測のつけにくい課題については、全く知見が無い状態である。従って、単純にVA用に使用される液晶組成物を転用しても、今日求められるような高性能な液晶表示素子を構成することは困難であり、FFSモードに最適化したn型液晶組成物の提供が求められている。
特開平11−202356号公報 特開2003−233083号公報 特開2002−31812号公報
本発明の課題は、誘電率異方性(Δε)、粘度(η)、ネマチック相−等方性液体の転移温度(TNI)、低温でのネマチック相安定性、回転粘度(γ)等の液晶表示素子としての諸特性に優れ、FFSモードの液晶表示素子に用いることにより優れた表示特性を実現可能なn型液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、FFSモードの液晶表示素子に最適な種々の液晶組成物の構成を検討した結果、三つの特徴的構造を有する液晶化合物を含有する液晶組成物の有用性を見出し本願発明の完成に至った。
本願発明は、対向に配置された第一の透明絶縁基板と、第二の透明絶縁基板と、前記第一の基板と第二の基板間に液晶組成物を含有する液晶層を挟持し、
前記第一基板上に、透明導電性材料からなる共通電極と、マトリクス状に配置される複数個のゲートバスライン及びデータバスラインと、
前記ゲートバスラインとデータバスラインとの交叉部に、薄膜トランジスタと、該トランジスタにより駆動され透明導電性材料からなる画素電極とを各画素毎に有し、
前記液晶層と、前記第一基板と第二基板のそれぞれの間にホモジニアス配向を誘起する配向膜層を有し、各配向膜の配向方向は平行であり、
前記画素電極と共通電極とはこれらの電極間にフリンジ電界を形成するために、前記画素電極と共通電極との間の電極間距離:Rが前記第一の基板と第二の基板との距離:Gより小さく、
前記共通電極は、前記第一基板のほぼ全面に、前記画素電極より第一基板に近い位置に配置され、
該液晶組成物が、負の誘電率異方性を有し、ネマチック相−等方性液体の転移温度が60℃以上であり、誘電率異方性の絶対値が2以上であり、一般式(I)
Figure 0005561449
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Aは1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、kは1又は2を表すが、kが2の場合二つのAは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物、下記一般式(II)
Figure 0005561449
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数4〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数3〜8のアルケニルオキシ基を表し、Bは1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、mは0、1又は2を表すが、mが2の場合二つのBは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物、及び下記一般式(III)
Figure 0005561449
(式中、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、nは0又は1を表す。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする液晶表示素子を提供する。
本発明のFFSモードの液晶表示素子は高速応答性に優れ、表示不良の発生が少ない特徴を有し、優れた表示特性を有する。本発明の液晶表示素子は、液晶TV、モニター等の表示素子に有用である。
本発明の液晶表示素子の構成の一例を模式的に示す図 図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図 図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図 配向膜4により誘起された液晶の配向方向を模式的に示す図 図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域の他の例を拡大した平面図 図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した他の例の断面図
前述の通り、本願発明は、FFSモードの液晶表示素子に最適なn型液晶組成物を見出したものである。以下、まず、本発明における液晶組成物の実施の態様について説明する。
(液晶層)
本発明における液晶組成物は、第一成分として一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上含有する。
Figure 0005561449
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Aは1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、kは1又は2を表すが、kが2の場合二つのAは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(I)で表される化合物の合計含有量は、組成物全体の含有量の内、下限値としては10質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、20質量%が更に好ましく、25質量%が特に好ましく、27質量%が最も好ましく、上限値としては65質量%が好ましく、55質量%がより好ましく、50質量%が更に好ましく、47質量%が特に好ましく、45質量%が最も好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、具体的には、例えば下記一般式(I−a)から一般式(I−e)で表される化合物群で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005561449
(式中、R11〜R15及びR21〜R25は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。)
一般式(I−a)〜一般式(I−e)で表される化合物群から選ばれる化合物は、1種〜10種含有することが好ましく、1種〜8種含有することが特に好ましく、1種〜5種含有することが特に好ましく、2種以上の化合物を含有することも好ましい。
11〜R15及びR21〜R25は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルコキシ基を表すことがより好ましく、アルケニル基を表す場合は次に記載する式(i)〜式(iv)
Figure 0005561449
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
で表される構造が好ましい。
又、R11及びR21、R12及びR22、R13及びR23、R14及びR24、R15及びR25は同一でも異なっていても良いが、異なった置換基を表すことが好ましい。
これらの点から、例えば、一般式(I)で表される化合物として、下記一般式(V)
Figure 0005561449
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有することが好ましい。
一般式(V)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
Figure 0005561449
Figure 0005561449
一般式(V)で表される化合物の液晶組成物中の含有率として、下限値としては5質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、20質量%が更に好ましく、23質量%が特に好ましく、25質量%が最も好ましく、上限値としては55質量%が好ましく、45質量%がより好ましく、40質量%が更に好ましく、35質量%が特に好ましく、33質量%が最も好ましい。より具体的には、応答速度を重視する場合には下限値としては20質量%が好ましく、23質量%がより好ましく、25質量%が更に好ましく、上限値としては55質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、45質量%が更に好ましく、より駆動電圧を重視する場合には下限値としては5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、15質量%が更に好ましく、上限値としては40質量%が好ましく、35質量%がより好ましく、33質量%が更に好ましい。一般式(V)で表される化合物の割合は、液晶組成物における一般式(I)で表される化合物の合計含有量の内、一般式(V)で表される化合物の含有量が下限値としては50質量%が好ましく、55質量%がより好ましく、60質量%が更に好ましく、65質量%が特に好ましく、67質量%が最も好ましく、上限値としては80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%が更に好ましく、97質量%が特に好ましく、100質量%が好ましい。
また、一般式(V)で表される化合物以外の一般式(I−a)から一般式(I−e)で表される化合物としては、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
Figure 0005561449
Figure 0005561449
Figure 0005561449
Figure 0005561449
Figure 0005561449
Figure 0005561449
Figure 0005561449
これらの中でも、式(V−a2)、式(V−b2)、式(I−a1)〜式(I−a6)、式(I−b2)、式(I−b6)、式(I−d1)、式(I−d2)、式(I−d3)、及び式(I−e2)で表される化合物が好ましい。
本発明における液晶組成物は、第二成分として一般式(II)で表される化合物を1種または2種以上含有する。
Figure 0005561449
(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数4〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数3〜8のアルケニルオキシ基を表し、Bは1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、mは0、1又は2を表すが、mが2の場合二つのBは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(II)で表される化合物において、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基であることが更に好ましく、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜8のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素原子数2〜5のアルコキシ基であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表される化合物で表される化合物の液晶組成物中の含有率として、下限値としては25質量%が好ましく、35質量%がより好ましく、40質量%が更に好ましく、43質量%が特に好ましく、45質量%が最も好ましく、上限値としては85質量%が好ましく、75質量%がより好ましく、70質量%が更に好ましく、67質量%が特に好ましく、65質量%が最も好ましい。
一般式(II)で表される化合物は次に記載する一般式(IIa)〜一般式(IIc)
Figure 0005561449
(式中、R31〜R33及びR41〜R43は一般式(II)におけるR3及びR4と同じ意味を表す)で表される化合物群の中から少なくとも1種以上選ばれることが好ましいが、2種以上選ばれることがより好ましい。
一般式(IIa)で表される化合物は具体的には次に記載する式(IIa−1)〜式(IIa−8)
Figure 0005561449
で表される化合物が好ましいが、式(IIa−1)〜式(IIa−4)で表される化合物がより好ましく、式(IIa−1)及び式(IIa−4)で表される化合物が更に好ましい。
一般式(IIa)で表される化合物は、下限値としては2質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、4質量%が更に好ましく、5質量%が特に好ましく、7質量%が最も好ましく、上限値としては45質量%が好ましく、35質量%がより好ましく、29質量%が更に好ましく、26質量%が特に好ましく、24質量%が最も好ましい。
一般式(IIa)で表される化合物を4種以上使用する場合には、式(IIa−1)〜式(IIa−4)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIa−1)〜式(IIa−4)で表される化合物の含有量が、一般式(IIa)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
一般式(IIa)で表される化合物を3種使用する場合には、式(IIa−1)、式(IIa−2)及び式(IIa−4)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIa−1) 、式(IIa−2)及び式(IIa−4)で表される化合物の含有量が、一般式(IIa)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
一般式(IIa)で表される化合物を2種使用する場合には、式(IIa−1)及び式(IIa−4)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIa−1)及び式(IIa−4)で表される化合物の含有量が、一般式(IIa)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
一般式(IIb)で表される化合物は具体的には次に記載する式(IIb−1)〜式(IIb−6)
Figure 0005561449
で表される化合物が好ましいが、式(IIb−1)〜式(IIb−4)で表される化合物がより好ましく、式(IIb−1)〜式(IIb−3)で表される化合物が更に好ましく、式(IIb−1)及び式(IIb−3)で表される化合物が特に好ましい。
また、本願発明の液晶組成物が高いネマチック−等方相転移温度(Tni)を求められる場合には、式(IIb−5)及び式(IIb−6)で表される化合物群の中から少なくとも1種類が選ばれることが好ましい。
一般式(IIb)で表される化合物を4種以上使用する場合には、式(IIb−1)〜式(IIb−4)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIb−1)〜式(IIb−4)で表される化合物の含有量が、(IIb)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
一般式(IIb)で表される化合物を3種使用する場合には、(IIb−1)〜式(IIb−3)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIb−1)〜式(IIb−3)で表される化合物の含有量が、一般式(IIb)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
一般式(IIb)で表される化合物を2種使用する場合には、式(IIb−1)及び式(IIb−3)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIb−1)及び式(IIb−3)で表される化合物の含有量が、一般式(IIb)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
一般式(IIc)で表される化合物は具体的には次に記載する式(IIc−1)〜(IIc−4)
Figure 0005561449
で表される化合物が好ましいが、式(IIc−1)又は式(IIc−2)で表される化合物が好ましい。
一般式(IIc)で表される化合物を2種以上使用する場合には、式(IIc−1)及び式(IIc−2)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIc−1)及び式(IIc−2)で表される化合物の含有量が、一般式(IIc)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
本発明における液晶組成物は、第三成分として一般式(III)で表される化合物を1種または2種以上含有する。
Figure 0005561449
(式中、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、nは0、1、又は2を表す。Y〜Yはそれぞれ独立して水素原子、又はフッ素原子を表すが、Y〜Yの少なくとも1つはフッ素原子を表し、n=0の場合、Y又はYの少なくとも1つはフッ素原子を表す。)
本願発明の液晶組成物において、一般式(III)で表される化合物群の総含有率は、下限値としては2質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、4質量%が更に好ましく、5質量%が特に好ましく、上限値としては35質量%が好ましく、28質量%がより好ましく、23質量%が更に好ましく、19質量%が特に好ましく、17質量%が最も好ましい。
一般式(III)で表される化合物として、n=0のものは、次に記載する式(IIIa−1)〜式(IIIa−8)
Figure 0005561449
で表される化合物群の中から選ばれることが好ましく、式(IIIa−1)〜式(IIIa−4)で表される化合物がより好ましく、式(IIIa−1)及び式(IIIa−3)で表される化合物が更に好ましく、式(IIIa−1)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(IIIa)で表される化合物を4種以上使用する場合には、式(IIIa−1)〜式(IIIa−4)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIIa−1)〜式(IIIa−4)で表される化合物の含有量が、一般式(III)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
一般式(IIIa)で表される化合物を3種使用する場合には、式(IIIa−1)〜式(IIIa−3)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIIa−1)〜式(IIIa−3)で表される化合物の含有量が、一般式(IIIa)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
一般式(IIIa)で表される化合物を2種使用する場合には、式(IIIa−1)及び式(IIIa−3)で表される化合物を組み合わせて使用することが好ましく、式(IIIa−1)及び式(IIIa−3)で表される化合物の含有量が、一般式(IIIa)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
一般式(III)で表される化合物として、n=1、又は2のものは、次に記載する一般式(IIIb−1)〜一般式(IIIb−11)
Figure 0005561449
(式中、R及びRは一般式(III)におけるR及びRと同じ意味を表す。)で表される化合物群の中から選ばれることが好ましく、式(IIIb−1)、式(IIIb−3)〜式(IIIb−11)がより好ましく、式(IIIb−1)、式(IIIb−3)、式(IIIb−5)、式(IIIb−6)、及び式(IIIb−12)が更に好ましく、式(IIIb−1)、式(IIIb−5)、式(IIIb−6)が特に好ましく、式(IIIb−5)が最も好ましい。
一般式(IIIb−1)〜一般式(IIIb−11)で表される化合物を使用する場合には、式(IIIb−5)で表される化合物を使用することが好ましいが、式(IIIb−5)で表される化合物の含有量が、一般式(IIIb)で表される化合物中の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
一般式(IIIb−1)〜一般式(IIIb−11)におけるRは炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表すが、炭素原子数2〜5のアルキル基を表すことが好ましく、R及びRが共にアルキル基である場合には、それぞれの炭素原子数は異なっている方が好ましい。
更に詳述すると、Rがプロピル基を表しRがエチル基を表す化合物又はRがブチル基を表しRがエチル基を表す化合物が好ましい。
本願発明の液晶組成物は、以下に示す一般式(IV)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種をさらに含有することができる。ただし、一般式(IV)で表される化合物は、一般式(II)、及び一般式(III)で表される化合物を除くものとする。
Figure 0005561449
(式中R7及びR8はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
1及びA2はそれぞれ独立して、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイル基を表すが、A1又は/及びA2が1,4-フェニレン基を表す場合、該1,4-フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−、又は−CFO−を表し、
1及びn2はそれぞれ独立して、0、1、2又は3を表すが、n1+n2は1〜3であり、A1、A2、Z1及び/又はZ2が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよいが、前記一般式(II)、及び一般式(III)で表される化合物を除く。)
一般式(IV)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(IV−1)〜(IV−5)
Figure 0005561449
(式中、R及びRは一般式(IV)におけるR及びRと同じ意味を表す。)で表される化合物が好ましいが、一般式(IV−1)、及び式(IV−4)が更に好ましい。
一般式(IV)におけるR及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表すが、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表すことがより好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基を表すことが更に好ましく、直鎖であることが好ましく、R及びRが共にアルキル基である場合には、それぞれの炭素原子数は異なっている方が好ましい。
更に詳述すると、Rがプロピル基を表しRがエチル基を表す化合物又はRがブチル基を表しRがエチル基を表す化合物が好ましい。
本願発明の液晶組成物は、また更に、一般式(VI)
Figure 0005561449
(式中、R11からR12はそれぞれ独立して炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシ基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表すが、一般式(VI)で表される化合物において、R11が炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R12が炭素原子数1〜5の1−アルケン又は水素原子を表す化合物は除かれる。)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することができる。
一般式(VI)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有する場合、2種以上の化合物を含有することが好ましく、1種の化合物を含有することも好ましいが、この場合の含有率は、下限値としては1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、2.5質量量%が更に好ましく、上限値としては25質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、10質量%が更に好ましい。
11、R12はそれぞれ独立しては炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルコキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルコキシ基を表すことがより好ましい。又、R11及びR12は同一でも異なっていても良いが、異なった置換基を表すことが好ましい。
これらの点から、式(VI)で表される化合物は、より具体的には次に記載する化合物が好ましい。
Figure 0005561449
これらの中でも、式(VI−2)、式(VI−4)及び式(VI−5)で表される化合物が好ましい。
本願における1,4−シクロヘキシル基はトランス−1,4−シクロヘキシル基であることが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(I)、一般式(II)及び式(III)で表される化合物を必須の成分とするものであるが、更に一般式(IV)及び/又は一般式(VI)で表される化合物を含有することができる。液晶組成物中に含有する一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(VI)で表される化合物の合計含有量は、80〜100質量%が好ましく、85〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が更に好ましく、95〜100質量%が特に好ましく、97〜100質量%が最も好ましい。
より具体的には、液晶組成物中に含有する一般式(I)、一般式(II)、及び一般式(III)で表される化合物の合計含有量は、35〜55質量%であることが好ましく、40〜50質量%であることがより好ましく、42〜48質量%であることが更に好ましい。
一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(VI)で表される化合物の合計含有量は、下限値としては55質量%が好ましく、65質量%がより好ましく、70質量%が更に好ましく、73質量%が特に好ましく、75質量%が最も好ましく、上限値としては85質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、92質量%が更に好ましく、94質量%が特に好ましく、95質量%が最も好ましい。
本願発明の液晶組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで液晶組成物を構成することが最も好ましい。
液晶組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
液晶組成物の酸化による劣化を抑えるためには、連結基として−CH=CH−を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、当該化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本発明の第一実施形態の組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。また、液晶組成物の安定性を重視する場合には、側鎖としてアルケニル基を有しかつ2,3−ジフルオロベンゼン−1,4−ジイル基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、当該化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本願発明における液晶組成物の誘電率異方性Δεの値は負の誘電率異方性を有し、誘電率異方性の絶対値は2以上である。誘電率異方性Δεの値は、25℃において、−2.0から−6.0であることが好ましく、−2.5から−5.0であることがより好ましく、−2.5から−4.0であることが特に好ましいが、更に詳述すると、応答速度を重視する場合には−2.5〜−3.4であることが好ましく、駆動電圧を重視する場合には−3.4〜−4.0であることが好ましい。
本発明における液晶組成物の屈折率異方性Δnの値は、25℃において、0.08から0.13であることが好ましいが、0.09から0.12であることがより好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.12であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
本発明における液晶組成物の回転粘度(γ)は150以下が好ましく、130以下がより好ましく、120以下が特に好ましい。
本発明における液晶組成物では、回転粘度と屈折率異方性の関数であるZが特定の値を示すことが好ましい。
Figure 0005561449
(式中、γは回転粘度を表し、Δnは屈折率異方性を表す。)
Zは、13000以下が好ましく、12000以下がより好ましく、11000以下が特に好ましい。
本発明における液晶組成物のネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)は、60℃以上であり、好ましくは75℃以上であり、より好ましくは80℃以上であり、さらに好ましくは90℃以上である。
本発明の液晶組成物は、アクティブマトリクス表示素子に使用する場合においては、1012(Ω・m)以上の比抵抗を有することが必要であり、1013(Ω・m)が好ましく、1014(Ω・m)以上がより好ましい。
本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、用途に応じて、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有しても良いが、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には塩素原子をその分子内に有さないことが好ましく、液晶組成物の紫外線などの光に対する安定性が求められる場合にはナフタレン環などに代表される共役長が長く紫外領域に吸収ピークが存在する縮合環等をその分子内に有さないことが望ましい。
(液晶表示素子)
上記のような本発明の液晶組成物は、FFSモードの液晶表示素子に適用される。以下、図1〜6を参照にして、本発明に係るFFSモードの液晶表示素子の例を説明する。
図1は、液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。図1では、説明のために便宜上各構成要素を離間して記載している。本発明に係る液晶表示素子10の構成は、図1に記載するように、対向に配置された第一の透明絶縁基板2と、第二の透明絶縁基板7との間に挟持された液晶組成物(または液晶層5)を有するFFSモードの液晶表示素子であって、該液晶組成物として前記本発明の液晶組成物を用いたことに特徴を有するものである。第一の透明絶縁基板2は、液晶層5側の面に電極層3が形成されている。また、液晶層5と、第一の透明絶縁基板2及び第二の透明絶縁基板8のそれぞれの間に、液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4を有し、該液晶組成物中の液晶分子は、電圧無印加時に前記基板2,7に対して略平行になるように配向されている。図1および図3に示すように、前記第二の基板2および前記第一の基板8は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。さらに、図1では、前記第二の基板7と配向膜4との間にカラーフィルタ6が設けられている。
すなわち、本発明に係る液晶表示素子10は、第一の偏光板1と、第一の基板2と、薄膜トランジスタを含む電極層3と、配向膜4と、液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルタ6と、第二の基板7と、第二の偏光板8と、が順次積層された構成である。第一の基板2と第二の基板7はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。2枚の基板2、7は、周辺領域に配置されたエポキシ系熱硬化性組成物等のシール材及び封止材によって貼り合わされていて、その間には基板間距離を保持するために、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子等の粒状スペーサーまたはフォトリソグラフィー法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されていてもよい。
図2は、図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。図3は、図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図である。図2に示すように、第一の基板2の表面に形成されている薄膜トランジスタを含む電極層3は、走査信号を供給するための複数のゲートバスライン26と表示信号を供給するための複数のデータバスライン25とが、互いに交差してマトリクス状に配置されている。なお、図2には、一対のゲートバスライン25及び一対のデータバスライン24のみが示されている。
複数のゲートバスライン26と複数のデータバスライン25とにより囲まれた領域により、液晶表示装置の単位画素が形成され、該単位画素内には、画素電極21及び共通電極22が形成されている。ゲートバスライン26とデータバスライン25が互いに交差している交差部近傍には、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタが設けられている。この薄膜トランジスタは、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として、画素電極21と連結している。また、ゲートバスライン26と並行して、共通ライン29が設けられる。この共通ライン29は、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
薄膜トランジスタの構造の好適な一態様は、例えば、図3で示すように、基板2表面に形成されたゲート電極11と、当該ゲート電極11を覆い、且つ前記基板2の略全面を覆うように設けられたゲート絶縁層12と、前記ゲート電極11と対向するよう前記ゲート絶縁層12の表面に形成された半導体層13と、前記半導体層17の表面の一部を覆うように設けられた保護膜14と、前記保護層14および前記半導体層13の一方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたドレイン電極16と、前記保護膜14および前記半導体層13の他方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたソース電極17と、前記ドレイン電極16および前記ソース電極17を覆うように設けられた絶縁保護層18と、を有している。ゲート電極11の表面にゲート電極との段差を無くす等の理由により陽極酸化被膜(図示せず)を形成してもよい。
前記半導体層13には、アモルファスシリコン、多結晶ポリシリコンなどを用いることができるが、ZnO、IGZO(In−Ga−Zn−O)、ITO等の透明半導体膜を用いると、光吸収に起因する光キャリアの弊害を抑制でき、素子の開口率を増大する観点からも好ましい。
さらに、ショットキー障壁の幅や高さを低減する目的で半導体層13とドレイン電極16またはソース電極17との間にオーミック接触層15を設けても良い。オーミック接触層には、n型アモルファスシリコンやn型多結晶ポリシリコン等のリン等の不純物を高濃度に添加した材料を用いることができる。
ゲートバスライン26やデータバスライン25、共通ライン29は金属膜であることが好ましく、Al、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はその合金がより好ましく、Al又はその合金の配線を用いる場合が特に好ましい。また、絶縁保護層18は、絶縁機能を有する層であり、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素酸窒化膜等で形成される。
図2及び図3に示す実施の形態では、共通電極22はゲート絶縁層12上のほぼ全面に形成された平板状の電極であり、一方、画素電極21は共通電極22を覆う絶縁保護層18上に形成された櫛形の電極である。すなわち、共通電極22は画素電極21よりも第一の基板2に近い位置に配置され、これらの電極は絶縁保護層18を介して互いに重なりあって配置される。画素電極21と共通電極22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)等の透明導電性材料により形成される。画素電極21と共通電極22が透明導電性材料により形成されるため、単位画素面積で開口される面積が大きくなり、開口率及び透過率が増加する。
画素電極21と共通電極22とは、これらの電極間にフリンジ電界を形成するために、画素電極21と共通電極22との間の電極間距離:Rが、第一の基板1と第二の基板7との距離:Gより小さくなるように形成されている。ここで、電極間距離:Rは各電極間の基板に水平方向の距離を表す。図3には、平板状の共通電極22と櫛形の画素電極21とが重なり合っているため、電極間距離:R=0となる例が示されており、電極間距離:Rが第一の基板2と第二の基板7との距離(すなわち、セルギャップ):Gよりも小さくなるため、フリンジの電界Eが形成される。したがって、FFS型の液晶表示素子は、画素電極21の櫛形を形成するラインに対して垂直な方向に形成される水平方向の電界と、放物線状の電界を利用することができる。画素電極21の櫛状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。
カラーフィルタ6は、光の漏れを防止する観点で、薄膜トランジスタおよびストレイジキャパシタ23に対応する部分にブラックマトリックス(図示せず)を形成することが好ましい。
電極層3、及び、カラーフィルタ6上には、液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4が設けられている。配向膜4は、例えば、ラビング処理されたポリイミド膜であり、各配向膜の配向方向は平行である。ここで、図4を用いて、本実施形態における配向膜4のラビング方向(液晶組成物の配向方向)について説明する。図4は、配向膜4により誘起された液晶の配向方向を模式的に示す図である。本発明においては、負の誘電率異方性を有する液晶組成物が用いられる。したがって、画素電極21の櫛形を形成するラインに対して垂直な方向(水平電界が形成される方向)をx軸としたときに、該x軸と液晶分子30の長軸方向とのなす角θが、概ね0〜45°となるように配向されることが好ましい。図3に示す例では、x軸と液晶分子30の長軸方向とのなす角θが、概ね0°の例が示されている。このように液晶の配向方向を誘起するのは、液晶表示装置の最大透過率を高めるためである。
また、偏光板1及び偏光板8は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラストが良好になるように調整することができ、それらの透過軸がノーマリブラックモードで作動するように、互いに直行する透過軸を有することが好ましい。特に、偏光板1及び偏光板8のうちいずれかは、液晶分子30の配向方向と平行な透過軸を有するように配置することが好ましい。また、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。
上記のような構成のFFS型の液晶表示装置10は、薄膜TFTを介して画素電極21に画像信号(電圧)を供給することで、画素電極21と共通電極22との間にフリンジ電界を生じさせ、この電界によって液晶を駆動する。すなわち、電圧を印加しない状態では、液晶分子30は、その長軸方向が、配向膜4の配向方向と平行になるように配置している。電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子30は、形成された電界に沿って液晶層5内を回転する。本発明では、負の誘電率異方性を有する液晶分子30を用いるため、液晶分子30の長軸方向が、発生した電界方向に直行するように回転する。画素電極21の近くに位置する液晶分子30はフリンジ電界の影響を受けやすいものの、負の誘電率異方性を有する液晶分子30は分極方向が分子の短軸にあることから、その長軸方向が配向膜4に対して直行する方向に回転することはなく、液晶層5内の全ての液晶分子30の長軸方向は、配向膜4に対して平行方向を維持できる。したがって、正の誘電率異方性を有する液晶分子30を用いたFFS型の液晶表示素子に比べて、優れた透過率特性を得ることができる。
図1〜図4を用いて説明したFFS型の液晶表示素子は一例であって、本発明の技術的思想から逸脱しない限りにおいて、他の様々な形態で実施することが可能である。例えば、図5は、図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図の他の例である。図5に示すように、画素電極21がスリットを有する構成としてもよい。また、スリットのパターンを、ゲートバスライン26又はデータバスライン25に対して傾斜角を持つようにして形成してもよい。
また、図6は、図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図の他の例である。図6に示す例では、櫛形あるいはスリットを有する共通電極22を用いており、画素電極21と共通電極22との電極間距離はR=αとなる。さらに、図3では共通電極22がゲート絶縁膜12上に形成されている例が示されていたが、図6に示されるように、共通電極22を第一の基板2上に形成して、ゲート絶縁膜12を介して画素電極21を設けるようにしてもよい。画素電極21の電極幅:l、共通電極22の電極幅:n、及び、電極間距離:Rは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に適宜調整することが好ましい。
本発明に係るFFSモードの液晶表示素子は、特定の液晶組成物を用いているため、高速応答と表示不良の抑制を両立させることができる。
また、FFSモードの液晶表示素子は、第一の基板2と第2の基板7との間に液晶層5を注入する際、例えば、真空注入法又は滴下注入(ODF:One Drop Fill)法等の方法が行われるが、本願発明においては、ODF法において、液晶組成物を基板に滴下した際の滴下痕の発生を抑えることができる。なお、滴下痕とは、黒表示した場合に液晶組成物を滴下した痕が白く浮かび上がる現象と定義する。
滴下痕の発生は、注入される液晶材料に大きな影響を受けるものであるが、さらに、表示素子の構成によってもその影響は避けられない。FFSモードの液晶表示素子においては、表示素子中に形成される薄膜トランジスター、及び、櫛形やスリットを有する画素電極21等は、薄い配向膜4、あるいは薄い配向膜4と薄い絶縁保護層18等しか液晶組成物とを隔てる部材が無いことから、イオン性物質を遮断しきれない可能性が高く、電極を構成する金属材料と液晶組成物の相互作用による滴下痕の発生を避けることができなかったが、FFS型の液晶表示素子において本願発明の液晶組成物を組み合わせて用いることにより、効果的に滴下痕の発生が抑えられる。
また、ODF法による液晶表示素子の製造工程においては、液晶表示素子のサイズに応じて最適な液晶注入量を滴下する必要があるが、本願発明の液晶組成物は、例えば、液晶滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に液晶を滴下し続けることが可能であるため、液晶表示素子の歩留まりを高く保持することもできる。特に、最近流行しているスマートフォンに多用される小型液晶表示素子は、最適な液晶注入量が少ないために最適値からのずれを一定範囲内に制御すること自体が難しいが、本願発明の液晶組成物を用いることにより、小型液晶表示素子においても安定した液晶材料の吐出量を実現できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :25℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ :25℃における回転粘度(mPa・s)
VHR:周波数60Hz,印加電圧1Vの条件下で60℃における電圧保持率(%)
焼き付き :
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1000時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
滴下痕 :
液晶表示装置の滴下痕の評価は、全面黒表示した場合における白く浮かび上がる滴下痕を目視にて以下の4段階評価で行った。
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
プロセス適合性 :
プロセス適合性は、ODFプロセスにおいて、定積計量ポンプを用いて1回に50pLずつ液晶を滴下することを100000回行い、次の「0〜100回、101〜200回、201〜300回、・・・・99901〜100000回」の各100回ずつ滴下された液晶量の変化を以下の4段階で評価した。
◎変化が極めて小さい(安定的に液晶表示素子を製造できる)
○変化が僅かに有るも許容できるレベル
△変化が有り許容できないレベル(斑発生により歩留まりが悪化)
×変化が有りかなり劣悪(液晶漏れや真空気泡が発生)
低温での溶解性:
低温での溶解性評価は、液晶組成物を調製後、2mLのサンプル瓶に液晶組成物を1g秤量し、これに温度制御式試験槽の中で、次を1サイクル「−20℃(1時間保持)→昇温(0.1℃/毎分)→0℃(1時間保持)→昇温(0.1℃/毎分)→20℃(1時間保持)→降温(−0.1℃/毎分)→0℃(1時間保持)→降温(−0.1℃/毎分)→−20℃」として温度変化を与え続け、目視にて液晶組成物からの析出物の発生を観察し、以下の4段階評価を行った。
◎600時間以上析出物が観察されなかった。
○300時間以上析出物が観察されなかった。
△150時間以内に析出物が観察された。
×75時間以内に析出物が観察された。
尚、実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(側鎖)
−n −C2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルキル基
−On −OC2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルコキシ基
−V −C=CH ビニル基
−Vn −C=C−C2n+1 炭素原子数(n+1)の1−アルケン
(環構造)
Figure 0005561449
(実施例1(液晶組成物1))
次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物1)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
液晶組成物1を用いて、TV用として一般的であるセル厚3.0μmのFFSモードの液晶表示素子を作製した。液晶組成物の注入は、滴下法にて行い、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性の評価を行った。
尚、含有量の左側の記号は、上記化合物の略号の記載である。
Figure 0005561449
Figure 0005561449
液晶組成物1は、TV用液晶組成物として実用的な85.3℃のTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物1を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、極めて優れた評価結果を示した。
(実施例2(液晶組成物2))
液晶組成物1と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物2)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
液晶組成物2を用いて、実施例1と同様にFFSモードの液晶表示素子を作製し、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性の評価を行った結果を同じ表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物2は、TV用液晶組成物として実用的な液晶相温度範囲を有し、大きい誘電率異方性の絶対値を有し、低い粘性及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物2を用いて、実施例1と同様のFFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(実施例3(液晶組成物3))
液晶組成物1,2と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物3)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
液晶組成物3を用いて、実施例1と同様にFFSモードの液晶表示素子を作製し、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性の評価を行った結果を同じ表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物3は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物3を用いて、実施例1と同様のFFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(比較例1〜3)
液晶組成物1〜3を用いて、TV用として一般的であるセル厚3.5μmの垂直配向液晶表示素子(VAモードの液晶表示素子)を作製した。
実施例1〜3においてそれぞれ作製したFFSモードの液晶表示素子と、比較例1〜3においてそれぞれ作成したVAモードの液晶表示素子について、透過率、コントラスト比、応答速度の比較を行った。その結果を次に示す。なお、実施例1〜3及び比較例1〜3の液晶表示素子における透過率は、それぞれのモードにおける液晶組成物注入前の素子の透過率を100%とした際の値である。
Figure 0005561449
液晶組成物1〜3を用いて作製されたFFSモードの表示素子(実施例1〜3)は、それぞれ同じ液晶組成物を用いて作成されたVAモードの液晶表示素子(比較例1〜3)に比べ、最高透過率、コントラスト比及び応答速度いずれにおいても優れた特性を示した。
液晶分子が基板に対して平行に配向し、且つ、フリンジの電界が生じるFFSモードの液晶表示素子においては、液晶分子が基板に対して垂直に配向し、且つ、垂直に電界が生じるVAモードの液晶表示素子とは異なった液晶の基本特性が求められる。液晶組成物1〜3が本願必須成分である一般式(I)、一般式(II)、及び一般式(III)の化合物を含有することにより、液晶表示素子としての基本的特性を損なうこと無く、FFSモードの大きな特徴である透過率の向上を達成したものである。一方、FFSモードのこれらの差異により、焼き付きや滴下痕といった効果については、従来の知見からは予測のつけにくいものとなっている。本発明の液晶表示素子においては、これらの点についても良好な特性を示している。
(実施例4(液晶組成物4))
組成物1〜3と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物4)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物4は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物4を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製したところ、実施例1〜3と同等の優れた表示特性を示した。
(実施例5(液晶組成物5))
液晶組成物1〜4と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物5)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物5は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物5を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製したところ、実施例1〜3と同等の優れた表示特性を示した。
(実施例6(液晶組成物6))
液晶組成物1〜5と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物6)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物6は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物6を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製したところ、実施例1〜3と同等の優れた表示特性を示した。
(実施例7(液晶組成物7))
液晶組成物1〜6と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物7)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物7は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物7を用いて、実施例1と同様のFFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(実施例8(液晶組成物8))
液晶組成物1〜7と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物8)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物8は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物8を用いて、実施例1と同様のFFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(実施例9(液晶組成物9))
液晶組成物1〜8と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物9)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物9は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物9を用いて、実施例1と同様のFFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(比較例4〜6)
液晶組成物7〜9を用いて、比較例1〜3と同様のVAモードの液晶表示素子を作製した。
実施例7〜9においてそれぞれ作製したFFSモードの液晶表示素子と、比較例4〜6においてそれぞれ作成したVAモードの液晶表示素子について、透過率、コントラスト比、応答速度の比較を行った。その結果を次に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物7〜9を用いて作製されたFFSモードの表示素子(実施例7〜9)は、それぞれ同じ液晶組成物を用いて作成されたVAモードの液晶表示素子(比較例4〜6)に比べ、最高透過率、コントラスト比及び応答速度いずれにおいても優れた特性を示した。
(実施例10(液晶組成物10))
液晶組成物7〜9と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物10)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物10は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物10を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(実施例11(液晶組成物11))
液晶組成物1〜10と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物11は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物11を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
(実施例12(液晶組成物12))
液晶組成物7〜11と同等のTNI、同等のΔnの値及び同等のΔεの値を有するように設計した次に示す組成を有する液晶組成物(液晶組成物12)を調製し、その物性値を測定した。この結果を次の表に示す。
Figure 0005561449
液晶組成物12は、TV用液晶組成物として実用的なTNIを有し、大きいΔεの絶対値を有し、低いη及び最適なΔnを有していることが解る。液晶組成物12を用いて、FFSモードの液晶表示素子を作製し前述の方法により、焼き付き、滴下痕、プロセス適合性及び低温での溶解性を評価したところ、優れた評価結果を示した。
1,8 偏光板
2 第一の基板
3 電極層
4 配向膜
5 液晶層
6 カラーフィルタ
7 第二の基板
11 ゲート電極
12 ゲート絶縁膜
13 半導体層
14 絶縁層
15 オーミック接触層
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 絶縁保護層
21 画素電極
22 共通電極
23 ストレイジキャパシタ
25 データバスライン
27 ソースバスライン
29 共通ライン

Claims (4)

  1. 対向に配置された第一の透明絶縁基板と、第二の透明絶縁基板と、前記第一の基板と第二の基板間に液晶組成物を含有する液晶層を挟持し、
    前記第一基板上に、透明導電性材料からなる共通電極と、マトリクス状に配置される複数個のゲートバスライン及びデータバスラインと、
    前記ゲートバスラインとデータバスラインとの交叉部に、薄膜トランジスタと、該トランジスタにより駆動され透明導電性材料からなる画素電極とを各画素毎に有し、
    前記液晶層と、前記第一基板と第二基板のそれぞれの間にホモジニアス配向を誘起する配向膜層を有し、各配向膜の配向方向は平行であり、
    前記画素電極と共通電極とはこれらの電極間にフリンジ電界を形成するために、前記画素電極と共通電極との間の電極間距離:Rが前記第一の基板と第二の基板との距離:Gより小さく、
    前記共通電極は、前記第一基板のほぼ全面に、前記画素電極より第一基板に近い位置に配置され、
    該液晶組成物が、負の誘電率異方性を有し、ネマチック相−等方性液体の転移温度が60℃以上であり、誘電率異方性の絶対値が2以上であり、一般式(I)
    Figure 0005561449
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Aは1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、kは1又は2を表すが、kが2の場合二つのAは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物、下記一般式(II)
    Figure 0005561449
    (式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数4〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数3〜8のアルケニルオキシ基を表し、Bは1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、mは0、1又は2を表すが、mが2の場合二つのBは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物、及び下記一般式(III)
    Figure 0005561449
    (式中、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、nは0又は1を表す。Y及びYはそれぞれ独立して水素原子、又はフッ素原子を表すが、Y及びYの少なくとも1つはフッ素原子を表す。)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 下記一般式(IV)
    Figure 0005561449
    (式中R7及びR8はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
    1及びA2はそれぞれ独立して、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイル基を表すが、A1又は/及びA2が1,4-フェニレン基を表す場合、該1,4-フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
    1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、−OCH−、−OCF−、−CHO−、又は−CFO−を表し、
    1及びn2はそれぞれ独立して、0、1、2又は3を表すが、n1+n2は1〜3であり、A1、A2、Z1及び/又はZ2が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよいが、前記一般式(II)、及び一般式(III)で表される化合物を除く。)で表される化合物を1種以上含有する請求項記載の液晶表示素子。
  3. 該画素電極が櫛形であるか又は、スリットを有する請求項1記載の液晶表示素子。
  4. 電極間距離(R)が0である請求項1記載の液晶表示素子。
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