JP5401438B2 - 平板型固体電解質燃料電池 - Google Patents
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Description
特に、帯状部から延在する板材を波状に折り返すことで集電部材を形成できるので、板材をプレス成形して集電部材を形成する場合と異なり、加工により板材が薄くなることがないので、板材の破断等を抑制して、歩留まりを向上できる。
(第1実施形態)
(燃料電池スタック)
図1は実施形態における燃料電池の分解斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の燃料電池スタック10(以下、燃料電池10という)は、セラミックス系の平板型固体電解質膜(以下、電解質膜という)をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセル11と、隣り合うセル11の間に配置される中間部材21と、を備えている。これらセル11及び中間部材21が厚さ方向に沿って交互に積層されて、平面視矩形状の燃料電池10が構成されている。
中間部材21は、セル11のカソード側に配置されるカソード中間部材21aと、アノード側に配置されるアノード中間部材21bと、を備えている。
ガスケット23は、マイカ等により構成された矩形平板状のものであり、その中央部には厚さ方向に沿って貫通する矩形状の貫通孔24が形成されている。すなわち、ガスケット23は、矩形の額縁形状に形成されたシール部29を有している。
セパレータ22は、例えば耐熱SUSや、銅−炭素の複合材料、銅、銅合金、さらにはこれらの材料の表面にメッキ処理を施したもの等からなる矩形平板状の部材であり、面内方向中央部に形成されたメッシュ部(集電部材)32と、メッシュ部32の外側を取り囲む金属部材33と、が帯状部40を介して一体的に形成されている。
図1〜図4に示すように、まず金属部材33は、矩形の額縁形状に形成され、その額縁領域はガスケット23に挟み込まれるシール面を有している。そして、金属部材33における額縁領域の各辺には、セル11の各連通孔12〜15に重なるように金属部材33を厚さ方向に貫通する酸化剤ガス連通孔41、酸化剤排ガス連通孔42、燃料ガス連通孔43、及び燃料排ガス連通孔44がそれぞれ形成されている。
また、金属部材33における酸化剤ガス連通孔41から酸化剤排ガス連通孔42に向かう方向(以下、酸化剤ガスの流通方向Caという)に対向する辺には、外側に向けて突出する端子部39が形成されている。
また、山部34及び谷部35は、その延長方向(稜線方向)を燃料ガスの流通方向Anと一致させた状態で、互いに平行に延在している。
ここで、図5に示すように、金属部材33における燃料ガスの流通方向An中央部には、帯状部40が形成されている。帯状部40は、酸化剤ガスの流通方向Caに沿って延在する薄板状の部材であり、金属部材33における酸化剤ガスの流通方向Caで対向する辺同士を連結している。
図1〜図3,図5,図6に示すように、アノード中間部材21bにおけるメッシュ部32は、その頂面を構成する複数の山部34及び谷部35と、これら山部34及び谷部35を接続する接続部36と、を有している。山部34及び谷部35は、燃料ガスの流通方向Anに沿って交互に配列されている。また、山部34及び谷部35は、その延長方向(稜線方向)を酸化剤ガスの流通方向Caと一致させた状態で、互いに平行に延在している。すなわち、本実施形態では、カソード中間部材21aのセパレータ22と、アノード中間部材21bのセパレータ22と、の山部34及び谷部35の延長方向がセル11を間に挟んで直交するように配置されている。そして、一方の中間部材21のセパレータ22における山部34と、他方の中間部材21のセパレータ22における谷部35と、によりセル11が厚さ方向両側から挟持されている。この場合、セル11を間に挟んで山部34と谷部35との接触領域(重なる部分)を交差領域Kとしている。
一方、燃料電池10の積層方向一端側には、上述した燃料ガスの燃料ガス供給手段が配置され、燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスが燃料ガス連通路54を通ってアノード中間部材21bと対向するセル11のアノードとで囲まれた空間に供給される。すなわち、アノード中間部材21bと対向するセル11のアノードとで囲まれた空間は、アノードの面内に沿って燃料ガスが流通する燃料ガス流路57を構成している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、図1に示す燃料電池10を所定温度に加熱しつつ、酸化剤ガス供給手段から酸化剤ガスを供給し、燃料ガス供給手段から燃料ガスを供給する。
図1に示すように、酸化剤ガス供給手段から供給された酸化剤ガスは、燃料電池10に形成された酸化剤ガス連通路52を流通し、切欠き部45,31から酸化剤ガス流路56内に流入する。図7に示すように、酸化剤ガス流路56に流入した酸化剤ガスは、カソードの面内を酸化剤排ガス連通孔13,26に向けて流通する。すなわち、酸化剤ガスは、接続部36に形成された貫通孔38を通って、メッシュ部32の山部34及び谷部35の配列方向(山部34及び谷部35の延長方向に直交する方向)に沿って流通する。この際に、酸化剤ガスは、山部34、及び谷部35の貫通孔37を通って対向するセル11のカソードに到達する。
一方、燃料ガス流路57内を流通する燃料ガスがアノードに到達すると、アノードに到達した燃料ガスと、アノードまで移動した酸化物イオンとが結合する。この反応過程において、電子を放出することで発電が行われる(H2+O2−→H2O+2e−)。
次に、上述した各中間部材21a,21bにおけるセパレータ22の製造方法について説明する。なお、各中間部材21a,21bのセパレータ22は、それぞれ同様の方法で作製できるため、以下の説明ではカソード中間部材21aのセパレータ22を例にして説明する。
これにより、図9(c)に示すように、上述したように金属部材33とメッシュ部32とが、帯状部40により一体的に連結されたセパレータ22を形成することができる。
この構成によれば、セパレータ22を一体的に形成することで、金属部材33とメッシュ部32とを別体で構成する場合に比べて部品点数を削減できる。また、燃料電池10の組立時(積層時)において、金属部材33とメッシュ部32との相対位置がずれることなく積層できるので、作業効率を向上できる。
そこで、本実施形態では、スリット101〜103が開くことで、メッシュ部32の伸張を許容できる。そして、エッチング等によりスリット101〜103が形成された板材100を引き延ばした後に、曲げ加工を施すことで上述したメッシュ部32を形成できる。この場合、板材100を引き延ばしてから曲げ加工を施すので、反応ガスの流通方向におけるメッシュ部32の長さを確保できる。
例えば、上述した実施形態では、本発明の燃料電池をセル11と中間部材21とを交互に積層した燃料電池スタック10を例にして説明したが、単層の燃料電池にも適用可能である。すなわち、セル11の両側に中間部材21を配置し、その積層体をエンドプレートにより挟み込むことで、単層の燃料電池を作製できる。
また、帯状部40の形成位置は、適宜変更が可能である。
また、上述した実施形態では、メッシュ部32を矩形波状に屈曲形成した場合について説明したが、これに限らず、湾曲面が連続してなる波状等、適宜設計変更が可能である。
Claims (4)
- 平板型固体電解質の表裏面のうち、一方の面に燃料極、他方の面に酸化剤極を設けた燃料電池と、
前記燃料極または前記酸化剤極に接触して前記燃料電池からの電力を集電する集電部材と、を備えた平板型固体電解質の燃料電池において、
前記燃料電池の周囲を囲むように配置されてシール面を有する金属部材と、前記金属部材の内側に配置された前記集電部材と、前記金属部材及び前記集電部材間を接続する帯状部と、を一体で成形し、
前記集電部材は、前記帯状部から延在する板材が、波状に屈曲成形されてなることを特徴とする平板型固体電解質燃料電池。 - 前記帯状部は、前記燃料電池の面内方向中央部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の平板型固体電解質燃料電池。
- 前記集電部材には、前記帯状部の延在方向に直交する方向に向けて前記集電部材を伸張させるスリットが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の平板型固体電解質燃料電池。
- 前記燃料電池と前記集電部材とが交互に複数積層され、
前記集電部材を間に挟んで隣接する前記燃料電池は、前記燃料極同士及び前記酸化剤極同士がそれぞれ対向配置されるとともに、前記燃料極同士の間に燃料ガス流路が形成される一方、前記酸化剤極同士の間に酸化剤ガス流路が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の平板型固体電解質燃料電池。
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