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JP5401438B2 - 平板型固体電解質燃料電池 - Google Patents

平板型固体電解質燃料電池 Download PDF

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JP5401438B2 JP2010273626A JP2010273626A JP5401438B2 JP 5401438 B2 JP5401438 B2 JP 5401438B2 JP 2010273626 A JP2010273626 A JP 2010273626A JP 2010273626 A JP2010273626 A JP 2010273626A JP 5401438 B2 JP5401438 B2 JP 5401438B2
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Description

本発明は、平板型固体電解質燃料電池に関するものである。
従来から、燃料電池の電解質にセラミックス系の平板型固体電解質膜を用い、この電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟んでセルを形成した固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCという)が知られている。このSOFCは、ダイレクト・メタノール型燃料電池等の固体高分子型燃料電池に比べ発電効率が高く、また燃料ガスとして水素ガス以外に一酸化炭素やメタン等、炭化水素系燃料全般をそのまま利用できる。さらに、作動温度が高いため、反応にPt(白金)のように高価な触媒を利用せずに済む、等のメリットがある。
上述したSOFCは、隣接するセル間に中間部材を挟んだ状態で積層されることで、燃料電池スタックを構成している。中間部材は、セルのアノード及びカソード上に配置された集電材と、集電材を取り囲むように収容するガスケットと、集電材を介してセルで発電された電力を取り出すとともに、セルのアノードに燃料ガス、カソードに酸化剤ガスをそれぞれ分配するインターコネクタと、を備えている。
ところで、上述した集電材には耐熱SUS材や貴金属性の線材を編み込んだメッシュが採用され、セル面内を反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)が流通しうるように構成されている。また、発泡金属や、多孔質導電性セラミックそのもの、またはそれらに金属棒を埋め込んで集電材として採用する例もある。
しかしながら、上述した従来の構成では、燃料電池スタックの作動時等におけるセルの反りや歪みに追従することができず、集電材とセル表面との接触が不十分になるという問題がある。さらに、従来の集電材は、セル表面との接触が点接触となるため接触面積が少なく、電気抵抗が大きい。これに対して、電気抵抗を低下させるためにはばね等により集電材に大きな圧力を負荷して、セルとの接触面積を向上させる必要があるが、この場合にはセルに局所的に応力が作用したり、圧力を負荷するためのばねとして耐熱性に優れた材料を採用する必要があるため、製造コストが増加したりする。
そこで、特許文献1,2に示されるように、金属薄板の表面にプレス加工等により凹凸を形成することで集電材を構成するとともに、その凹凸の先端をセルの表面に接触させる構成が知られている。この構成によれば、燃料電池作動時等における温度変化により各部が膨張、収縮しても凹凸の弾性変形により熱応力を吸収できるので、セルとの接触を保ち、各セル間の通電が遮断されることなく、また熱応力によるセルの破損を抑制できるとされている。
特開2001−35514号公報 特開2001−68132号公報
しかしながら、上述した特許文献1,2の集電材では、金属薄板にプレス加工を施すことで上述した凹凸が形成されるが、金属薄板は非常に薄い材料であるため、プレス加工により金属薄板が引き延ばされることで金属薄板(例えば、凹凸の基端部分等)が薄くなり、破断してしまう虞がある。
そこで、本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、集電部材の破断を抑制できる平板型固体電解質燃料電池を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、平板型固体電解質の表裏面のうち、一方の面に燃料極、他方の面に酸化剤極を設けた燃料電池(例えば、実施形態におけるセル11)と、前記燃料極または前記酸化剤極に接触して前記燃料電池からの電力を集電する集電部材(例えば、実施形態におけるメッシュ部32)と、を備えた平板型固体電解質の燃料電池において、前記燃料電池の周囲を囲むように配置されてシール面を有する金属部材(例えば、実施形態における金属部材33)と、前記金属部材の内側に配置された前記集電部材と、前記金属部材及び前記集電部材間を接続する帯状部(例えば、実施形態における帯状部40)と、を一体で成形し、前記集電部材は、前記帯状部から延在する板材が、波状に屈曲成形されてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明では、前記帯状部は、前記燃料電池の面内方向中央部に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明では、前記集電部材には、前記帯状部の延在方向に直交する方向に向けて前記集電部材を伸張させるスリット(例えば、実施形態におけるスリット101〜103)が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明では、前記燃料電池と前記集電部材とが交互に複数積層され、前記集電部材を間に挟んで隣接する前記燃料電池は、前記燃料極同士及び前記酸化剤極同士がそれぞれ対向配置されるとともに、前記燃料極同士の間に燃料ガス流路(例えば、実施形態における燃料ガス流路57)が形成される一方、前記酸化剤極同士の間に酸化剤ガス流路(例えば、実施形態における酸化剤ガス流路56)が形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、金属部材と集電部材とを帯状部により一体的に接続することで、金属部材と集電部材とを別体で構成する場合に比べて部品点数を削減できる。また、燃料電池の組立時(積層時)において、金属部材と集電部材との相対位置がずれないので、作業効率を向上できる。
特に、帯状部から延在する板材を波状に折り返すことで集電部材を形成できるので、板材をプレス成形して集電部材を形成する場合と異なり、加工により板材が薄くなることがないので、板材の破断等を抑制して、歩留まりを向上できる。
請求項2に記載した発明によれば、帯状部が金属部材における燃料電池の面内方向中央部に配置されているため、集電部材に厚さ方向に沿って圧力が付与された場合や、燃料電池の作動時における燃料電池の反りや歪みに追従する場合等に生じる集電部材の伸びを帯状部の両側に分散できる。そのため、集電部材の伸びによる影響を抑制できる。
請求項3に記載した発明によれば、スリットが開くことで集電部材の伸張を許容することができる。そして、伸張した金属部材を波状に屈曲成形することで、上述した集電部材を形成できる。この場合、板材を伸張させてから屈曲成形するので、板材を単に屈曲成形する場合と異なり、成形後の集電部材の長さを確保できる。
請求項4に記載した発明によれば、隣り合う燃料電池において、同極を対向させた状態で積層することで、これら燃料電池間で囲まれた領域を反応ガスの流路とすることができる。そのため、異なる電極を対向させた状態で燃料電池を積層させる場合と異なり、電極間を区画する必要がないので、各流路を拡大できる。さらに、反応ガスの流路の両面で発電を行うことができるので、通路断面積に対する反応面積を増加させることができる。また、隣り合う燃料電池に対して、同様の条件で反応ガスを供給することができるため、セル間での発電効率の均一化を図ることができる。これにより、燃料利用率を向上させ、高効率な燃料電池スタックを提供できる。
本発明の第1実施形態における燃料電池スタックの分解斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 セルがセパレータに挟持された状態を示す斜視図である。 カソード中間部材のセパレータの斜視図である。 アノード中間部材のセパレータの斜視図である。 セパレータの接触領域を説明するためのセルの斜視図である。 反応ガスの流通方向を説明するためのセル及びセパレータの斜視図である。 セパレータの製造方法を説明するための図であって、セパレータの平面図である。 セパレータの製造方法を説明するための図であって、セパレータの側面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(燃料電池スタック)
図1は実施形態における燃料電池の分解斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の燃料電池スタック10(以下、燃料電池10という)は、セラミックス系の平板型固体電解質膜(以下、電解質膜という)をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセル11と、隣り合うセル11の間に配置される中間部材21と、を備えている。これらセル11及び中間部材21が厚さ方向に沿って交互に積層されて、平面視矩形状の燃料電池10が構成されている。
燃料電池10には、図示しない燃料ガス供給手段からアノードに向けて燃料ガス(例えば、HC系ガス燃料)が供給され、図示しない酸化剤ガス供給手段からカソードに向けて酸化剤ガス(例えば、空気)が供給されるようになっている。
セル11の電解質膜は、例えばYSZ(Yttria Stabilized Zirconia)等の材料で構成されている。アノードは例えばニッケルとYSZとの焼結体で構成され、カソードは例えばランタン、ストロンチウム、マンガンの焼結体で構成されている。また、セル11の外周部分には、酸化剤ガス供給手段から供給される酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス連通孔12と、セル11で発電に供された酸化剤排ガスが流通する酸化剤排ガス連通孔13と、燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスが流通する燃料ガス連通孔14と、セル11で発電に供された燃料排ガスが流通する燃料排ガス連通孔15と、が各辺に対応して形成されている。各連通孔12〜15のうち、酸化剤ガス連通孔12及び酸化剤排ガス連通孔13と、燃料ガス連通孔14及び燃料排ガス連通孔15と、はセル11における各辺の外周部分でそれぞれ対向するように配置されている。
(中間部材)
中間部材21は、セル11のカソード側に配置されるカソード中間部材21aと、アノード側に配置されるアノード中間部材21bと、を備えている。
まず、カソード中間部材21aは、セパレータ22と、セパレータ22を厚さ方向両側から挟み込み、セル11及びセパレータ22の間をシールする一対のガスケット23と、を備えている。
ガスケット23は、マイカ等により構成された矩形平板状のものであり、その中央部には厚さ方向に沿って貫通する矩形状の貫通孔24が形成されている。すなわち、ガスケット23は、矩形の額縁形状に形成されたシール部29を有している。
また、ガスケット23のシール部29の各辺には、セル11の各連通孔12〜15に重なるようにシール部29を厚さ方向に貫通する酸化剤ガス連通孔25、酸化剤排ガス連通孔26、燃料ガス連通孔27、及び燃料排ガス連通孔28がそれぞれ形成されている。酸化剤ガス連通孔25及び酸化剤排ガス連通孔26と、燃料ガス連通孔27及び燃料排ガス連通孔28は、それぞれシール部29の対向する辺に形成されている。また、シール部29において、酸化剤ガス連通孔25及び酸化剤排ガス連通孔26が形成された辺には、貫通孔24と酸化剤ガス連通孔25及び酸化剤排ガス連通孔26とをそれぞれ連通させる切欠き部31が形成されている。これにより、ガスケット23における各連通孔25〜29のうち、酸化剤ガス連通孔25及び酸化剤排ガス連通孔26は、貫通孔24内に向けて開放されている。
(セパレータ)
セパレータ22は、例えば耐熱SUSや、銅−炭素の複合材料、銅、銅合金、さらにはこれらの材料の表面にメッキ処理を施したもの等からなる矩形平板状の部材であり、面内方向中央部に形成されたメッシュ部(集電部材)32と、メッシュ部32の外側を取り囲む金属部材33と、が帯状部40を介して一体的に形成されている。
図3は、セルがカソード中間部材のセパレータに挟持された状態を示す斜視図であり、図4はカソード中間部材のセパレータの斜視図である。なお、図3では説明を分かりやすくするため、金属部材33及びセル11とセパレータ22との間のガスケット23の記載を省略している。
図1〜図4に示すように、まず金属部材33は、矩形の額縁形状に形成され、その額縁領域はガスケット23に挟み込まれるシール面を有している。そして、金属部材33における額縁領域の各辺には、セル11の各連通孔12〜15に重なるように金属部材33を厚さ方向に貫通する酸化剤ガス連通孔41、酸化剤排ガス連通孔42、燃料ガス連通孔43、及び燃料排ガス連通孔44がそれぞれ形成されている。
また、金属部材33における酸化剤ガス連通孔41から酸化剤排ガス連通孔42に向かう方向(以下、酸化剤ガスの流通方向Caという)に対向する辺には、外側に向けて突出する端子部39が形成されている。
なお、上述した酸化剤ガス連通孔12,25,41は、燃料電池10の積層方向に沿って酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス連通路52を構成し、酸化剤排ガス連通孔13,26,42は燃料電池10の積層方向に沿って酸化剤排ガスが流通する酸化剤排ガス連通路53を構成している。
ここで、図4に示すように、金属部材33における酸化剤ガスの流通方向Ca中央部には、帯状部40が形成されている。帯状部40は、燃料ガス連通孔43から燃料排ガス連通孔44に向かう方向(以下、燃料ガスの流通方向Anという)に沿って延在する薄板状の部材であり、金属部材33における燃料ガスの流通方向Anで対向する辺同士を連結している。
メッシュ部32は、帯状部40における酸化剤ガスの流通方向Ca両縁部から、それぞれ酸化剤ガスの流通方向Caに向けて片持ち状で延在する一対の薄板状の部材が、それぞれ厚さ方向に沿って矩形波状に屈曲形成されて構成されている。したがって、メッシュ部32と金属部材33とは、帯状部40のみで連結され、メッシュ部32の外側と金属部材33の内側との間には、それぞれ開口30が形成されている。また、金属部材33において、酸化剤ガス連通孔41、及び酸化剤排ガス連通孔42が形成された辺には、開口30と酸化剤ガス連通孔41、及び酸化剤排ガス連通孔42とをそれぞれ連通させる切欠き部45が形成されている。これにより、各連通孔41〜44のうち、酸化剤ガス連通孔41及び酸化剤排ガス連通孔42は、開口30に向けて開放されている。
図1〜図4に示すように、メッシュ部32は、その頂面を構成する複数の山部34及び谷部35と、これら山部34及び谷部35を接続する接続部36と、を有している。山部34は金属部材33に対して厚さ方向一方側に向けて突出し、谷部35は金属部材33に対して厚さ方向他方側に向けて突出している。この場合、山部34及び谷部35は、金属部材33を間に挟んで厚さ方向に沿って対称位置に配置され、酸化剤ガスの流通方向Caに沿って交互に配列されている。
また、山部34及び谷部35は、その延長方向(稜線方向)を燃料ガスの流通方向Anと一致させた状態で、互いに平行に延在している。
そして、上述した帯状部40、山部34及び谷部35には、それぞれの厚さ方向に向けて貫通する複数の貫通孔37が形成されている。各貫通孔37は、山部34及び谷部35の延長方向に沿って等間隔に形成されている。
接続部36は、山部34の一端側と谷部35の他端側、及び山部34の他端側と谷部35の一端側同士をそれぞれ接続する傾斜面とされている。そして、この接続部36には、その厚さ方向に沿って貫通する複数の貫通孔38が形成されている。各貫通孔38は、山部34及び谷部35の延長方向に沿って上述した貫通孔37と同ピッチで形成されている。
各中間部材21のうち、アノード中間部材21bは、上述したカソード中間部材21aと略同一の構成であり、カソード中間部材21aに対して燃料電池10の積層方向回りに90度回転させた状態で配置されている。なお、以下の説明では、上述したカソード中間部材21aと同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
アノード中間部材21bのガスケット23には、燃料ガス連通孔27及び燃料排ガス連通孔28と、貫通孔24と、をそれぞれ連通させる切欠き部51が形成されている。これにより、各連通孔25〜28のうち、燃料ガス連通孔27及び燃料排ガス連通孔28は、貫通孔24内に向けて開放されている。なお、上述した燃料ガス連通孔14,27,43は、燃料電池10の積層方向に沿って燃料ガスが流通する燃料ガス連通路54を構成し、燃料排ガス連通孔15,28,44は、燃料電池10の積層方向に沿って燃料排ガスが流通する燃料排ガス連通路55を構成している。
図5はアノード中間部材のセパレータの斜視図である。
ここで、図5に示すように、金属部材33における燃料ガスの流通方向An中央部には、帯状部40が形成されている。帯状部40は、酸化剤ガスの流通方向Caに沿って延在する薄板状の部材であり、金属部材33における酸化剤ガスの流通方向Caで対向する辺同士を連結している。
メッシュ部32は、帯状部40における燃料ガスの流通方向An両縁部から、それぞれ燃料ガスの流通方向Anに向けて片持ち状で延在する一対の薄板状の部材により構成されている。そして、これら薄板状の部材がそれぞれ厚さ方向に沿って矩形波状に屈曲形成されて構成されている。また、金属部材33において、燃料ガス連通孔43、及び燃料排ガス連通孔44が形成された辺には、開口30と燃料ガス連通孔43、及び燃料排ガス連通孔44とをそれぞれ連通させる切欠き部46が形成されている。これにより、各連通孔41〜44のうち、燃料ガス連通孔43及び燃料排ガス連通孔44は、開口30に向けて開放されている。
図6はセパレータの接触領域を説明するためのセルの斜視図である。
図1〜図3,図5,図6に示すように、アノード中間部材21bにおけるメッシュ部32は、その頂面を構成する複数の山部34及び谷部35と、これら山部34及び谷部35を接続する接続部36と、を有している。山部34及び谷部35は、燃料ガスの流通方向Anに沿って交互に配列されている。また、山部34及び谷部35は、その延長方向(稜線方向)を酸化剤ガスの流通方向Caと一致させた状態で、互いに平行に延在している。すなわち、本実施形態では、カソード中間部材21aのセパレータ22と、アノード中間部材21bのセパレータ22と、の山部34及び谷部35の延長方向がセル11を間に挟んで直交するように配置されている。そして、一方の中間部材21のセパレータ22における山部34と、他方の中間部材21のセパレータ22における谷部35と、によりセル11が厚さ方向両側から挟持されている。この場合、セル11を間に挟んで山部34と谷部35との接触領域(重なる部分)を交差領域Kとしている。
そして、図1に示すように、セル11のカソード側にカソード中間部材21aを配置する一方、アノード側にアノード中間部材21bを配置し、これら中間部材21を間に挟んで、カソード同士、アノード同士がそれぞれ対向するように隣接するセル11を積層することで本実施形態の燃料電池10が構成されている。この場合、セパレータ22は、山部34及び谷部35が隣接するセル11の同極に面接触した状態で、挟み込まれている。
具体的に、カソード同士が対向する隣接するセル11間において、一方のセル11のカソードには、カソード中間部材21aのセパレータ22の山部34が、ガスケット23の貫通孔24を通して面接触している。また、他方のセル11のカソードには谷部35が、ガスケット23の貫通孔24を通して面接触している。アノード同士が対向する隣接するセル11間において、一方のセル11のアノードには、アノード中間部材21bのセパレータ22の山部34が、ガスケット23の貫通孔24を通して面接触している。また、他方のセル11のアノードには谷部35が、ガスケット23の貫通孔24を通して面接触している。これにより、セル11で発電された電力は、メッシュ部32を介して金属部材33に集電され、端子部39から電流として取り出される。
また、各カソード中間部材21aにおけるセパレータ22の端子部39同士、アノード中間部材21bにおけるセパレータ22の端子部39同士は、それぞれ配線(不図示)により並列接続され、燃料電池10で出力される電力を取り出している。なお、取り出した後の電力は、図示しないDC−DCコンバータにより昇圧して使用する。
そして、燃料電池10の積層方向の両端部には、それぞれエンドプレート(不図示)が配置され、これらエンドプレートが締結手段によって締結されることで、エンドプレート間に燃料電池10が挟持されている。燃料電池10の積層方向一端側には、コンプレッサ等の上述した酸化剤ガス供給手段が配置され、酸化剤ガス供給手段から供給される酸化剤ガスが酸化剤ガス連通路52を通ってカソード中間部材21aと対向するセル11のカソードとで囲まれた空間に供給される。すなわち、カソード中間部材21aと対向するセル11のカソードとで囲まれた空間は、酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流路56を構成している。
一方、燃料電池10の積層方向一端側には、上述した燃料ガスの燃料ガス供給手段が配置され、燃料ガス供給手段から供給される燃料ガスが燃料ガス連通路54を通ってアノード中間部材21bと対向するセル11のアノードとで囲まれた空間に供給される。すなわち、アノード中間部材21bと対向するセル11のアノードとで囲まれた空間は、アノードの面内に沿って燃料ガスが流通する燃料ガス流路57を構成している。
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、図1に示す燃料電池10を所定温度に加熱しつつ、酸化剤ガス供給手段から酸化剤ガスを供給し、燃料ガス供給手段から燃料ガスを供給する。
図7は反応ガスの流通方向を説明するためのセル及びセパレータの斜視図である。
図1に示すように、酸化剤ガス供給手段から供給された酸化剤ガスは、燃料電池10に形成された酸化剤ガス連通路52を流通し、切欠き部45,31から酸化剤ガス流路56内に流入する。図7に示すように、酸化剤ガス流路56に流入した酸化剤ガスは、カソードの面内を酸化剤排ガス連通孔13,26に向けて流通する。すなわち、酸化剤ガスは、接続部36に形成された貫通孔38を通って、メッシュ部32の山部34及び谷部35の配列方向(山部34及び谷部35の延長方向に直交する方向)に沿って流通する。この際に、酸化剤ガスは、山部34、及び谷部35の貫通孔37を通って対向するセル11のカソードに到達する。
一方で、燃料ガス供給手段から供給された燃料ガスは、燃料電池10に形成された燃料ガス連通路54を流通し、切欠き部46,51から燃料ガス流路57内に流入する。燃料ガス流路57に流入した燃料ガスは、アノードの面内を燃料排ガス連通孔28,44に向けて流通する。すなわち、燃料ガスは、接続部36に形成された貫通孔38を通って、メッシュ部32の山部34及び谷部35の配列方向(山部34及び谷部35の延長方向に直交する方向)に沿って流通する。この際、カソード中間部材21aのセパレータ22と、アノード中間部材21bのセパレータ22と、の山部34及び谷部35同士はセル11を間に挟んで直交するように配置されているため、燃料ガスの流通方向Anと上述した酸化剤ガスの流通方向Caに直交する方向とが直交することになる。そして、燃料ガスは、山部34、及び谷部35の貫通孔37を通って対向するセル11のアノードに到達する。
ここで、酸化剤ガス流路56内を流通する酸化剤ガスがカソードに到達すると、カソードにおいて触媒反応により酸化物イオンとなる。すると、カソードで発生した酸化物イオンが、電解質膜を透過してアノードまで移動する。
一方、燃料ガス流路57内を流通する燃料ガスがアノードに到達すると、アノードに到達した燃料ガスと、アノードまで移動した酸化物イオンとが結合する。この反応過程において、電子を放出することで発電が行われる(H+O2−→HO+2e)。
そして、酸化剤ガス流路56内において発電に供された酸化剤排ガスは、切欠き部45,31から酸化剤排ガス連通孔13,26に流入し、酸化剤排ガス連通路53を通って燃料電池10から排出される。一方で、燃料ガス流路57内において発電に供された燃料排ガスは、切欠き部46,51から燃料排ガス連通孔28,44内に流入し、燃料排ガス連通路55を通って燃料電池10から排出される。
(セパレータの製造方法)
次に、上述した各中間部材21a,21bにおけるセパレータ22の製造方法について説明する。なお、各中間部材21a,21bのセパレータ22は、それぞれ同様の方法で作製できるため、以下の説明ではカソード中間部材21aのセパレータ22を例にして説明する。
図8,9は、セパレータの製造方法を説明するための図であって、図8はセパレータの平面図、図9は側面図である。なお、図8ではセパレータにおけるメッシュ部のみを示しており、以下の説明では、主としてメッシュ部の製造方法について説明する。また、各中間部材21a,21bのメッシュ部32は、ともに同様の方法により作製できるため、以下の説明ではカソード中間部材21aのメッシュ部32の製造方法について説明する。
まず、図8(a)に示すように、セパレータ22の母材となる板材100を用意し、板材100における貫通孔37,38の形成領域にスリットを形成する。具体的には、マスクパターンを介してエッチングを行い、平面視H形状の第1スリット101を酸化剤ガス及び燃料ガスの流通方向に沿って複数形成するとともに、燃料ガスの流通方向Anにおける第1スリット101間に矩形の第2スリット102を形成する。第1スリット101は、燃料ガスの流通方向Anに沿って延在する一対の第3スリット101aが酸化剤ガスの流通方向Caに沿って間隔を空けて配置されるとともに、これら第3スリット101a同士を連通させる第4スリット101bが酸化剤ガスの流通方向Caに沿って延在して形成されている。同時に、第2スリット102に連通するとともに、第2スリット102から第4スリット101bに向けて延在する第5スリット103も形成する。なお、セパレータ22の各連通孔41〜44、切欠き部45、及び開口30は、この工程の前に形成してもよく、この工程と同時に形成しても良い。これにより、矩形枠型の金属部材33における酸化剤ガスの流通方向Ca中央部に、帯状部40が形成され、この帯状部40から片持ち状にメッシュ部32の形成領域が形成されることになる。
次に、図8(b)に示すように、スリット101〜103が形成された板材100を酸化剤ガスの流通方向Caに沿って引き延ばすと、スリット101〜103が開くとともに、板材100が酸化剤ガスの流通方向Caに沿って伸長する。これにより、図8(c)に示すように、酸化剤ガス及び燃料ガスの流通方向に沿って貫通孔37,38を形成することができる。
次に、図9(a)に示すように、板材100におけるメッシュ部32の形成領域(貫通孔37,38が形成された領域)を、帯状部40を起点にして開口30内から切り起こす。そして、図9(b)に示すように、切り起こしたメッシュ部32を矩形波状に折り曲げた後、再び開口30内に戻す。
これにより、図9(c)に示すように、上述したように金属部材33とメッシュ部32とが、帯状部40により一体的に連結されたセパレータ22を形成することができる。
ところで、上述した従来技術における集電材は、金属薄板にプレス加工を施すことで凹凸が形成されるが、金属薄板は非常に薄い材料であるため、プレス加工により金属薄板が引き延ばされることで金属箔版(例えば、凹凸の基端部分等)が薄くなり、破断してしまう虞がある。そのため、歩留まりが低下するという問題がある。
これに対して、本実施形態では、金属部材33と、メッシュ部32と、金属部材33及びメッシュ部32を接続する帯状部40と、によりセパレータ22を一体的に形成する構成とした。
この構成によれば、セパレータ22を一体的に形成することで、金属部材33とメッシュ部32とを別体で構成する場合に比べて部品点数を削減できる。また、燃料電池10の組立時(積層時)において、金属部材33とメッシュ部32との相対位置がずれることなく積層できるので、作業効率を向上できる。
特に、帯状部40から延在する領域を矩形波状に折り返すことでメッシュ部32を形成できるので、プレス成形を行う場合と異なり、加工により板材100が薄くなることがない。そのため、板材100の破断等を抑制して、歩留まりを向上できる。またセル11との接触が点接触ではなく線接触または面接触となるため、セル11との接触面積を向上させることができる。そのため、セパレータ22の電気抵抗を低減させ、燃料電池10で発電された電力を効率的に集電できる。
また、帯状部40が金属部材33における中央部に形成され、そこから両側にメッシュ部32が形成されているため、メッシュ部32に厚さ方向に沿って圧力が付与された場合や、燃料電池10の作動時におけるセル11の反りや歪みに追従する場合等におけるメッシュ部32の伸びを帯状部40の両側に分散できる。そのため、メッシュ部32の伸びによる影響を抑制できる。
ところで、メッシュ部32の製造工程において、例えば打ち抜き加工により貫通孔37,38を形成した後、板材100に対して曲げ加工を施すことで矩形波状のメッシュ部32を形成すると、メッシュ部32の反応ガスの流通方向における長さが縮小してしまう。
そこで、本実施形態では、スリット101〜103が開くことで、メッシュ部32の伸張を許容できる。そして、エッチング等によりスリット101〜103が形成された板材100を引き延ばした後に、曲げ加工を施すことで上述したメッシュ部32を形成できる。この場合、板材100を引き延ばしてから曲げ加工を施すので、反応ガスの流通方向におけるメッシュ部32の長さを確保できる。
しかも、本実施形態の燃料電池10では、隣り合うセル11において、同極を対向させた状態で積層することで、これセル11間で囲まれた領域を反応ガスの流路56,57とすることができる。そのため、異なる電極を対向させた状態でセル11を積層させる場合と異なり、電極間を区画する必要がないので、各流路を拡大できる。さらに、反応ガスの流路56,57の両面で発電を行うことができるので、通路断面積に対する反応面積を増加させることができる。また、隣り合うセルに対して、同様の条件で反応ガスを供給することができるため、セル11間での発電効率の均一化を図ることができる。これにより、燃料利用率を向上させ、高効率な燃料電池10を提供できる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、本発明の燃料電池をセル11と中間部材21とを交互に積層した燃料電池スタック10を例にして説明したが、単層の燃料電池にも適用可能である。すなわち、セル11の両側に中間部材21を配置し、その積層体をエンドプレートにより挟み込むことで、単層の燃料電池を作製できる。
また、帯状部40の形成位置は、適宜変更が可能である。
また、上述した実施形態では、メッシュ部32を矩形波状に屈曲形成した場合について説明したが、これに限らず、湾曲面が連続してなる波状等、適宜設計変更が可能である。
11…セル(燃料電池) 32…メッシュ部(集電部材) 33…金属部材 40…帯状部 56…酸化剤ガス流路 57…燃料ガス流路 101〜103…スリット

Claims (4)

  1. 平板型固体電解質の表裏面のうち、一方の面に燃料極、他方の面に酸化剤極を設けた燃料電池と、
    前記燃料極または前記酸化剤極に接触して前記燃料電池からの電力を集電する集電部材と、を備えた平板型固体電解質の燃料電池において、
    前記燃料電池の周囲を囲むように配置されてシール面を有する金属部材と、前記金属部材の内側に配置された前記集電部材と、前記金属部材及び前記集電部材間を接続する帯状部と、を一体で成形し、
    前記集電部材は、前記帯状部から延在する板材が、波状に屈曲成形されてなることを特徴とする平板型固体電解質燃料電池。
  2. 前記帯状部は、前記燃料電池の面内方向中央部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の平板型固体電解質燃料電池。
  3. 前記集電部材には、前記帯状部の延在方向に直交する方向に向けて前記集電部材を伸張させるスリットが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の平板型固体電解質燃料電池。
  4. 前記燃料電池と前記集電部材とが交互に複数積層され、
    前記集電部材を間に挟んで隣接する前記燃料電池は、前記燃料極同士及び前記酸化剤極同士がそれぞれ対向配置されるとともに、前記燃料極同士の間に燃料ガス流路が形成される一方、前記酸化剤極同士の間に酸化剤ガス流路が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の平板型固体電解質燃料電池。
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