JP5093015B2 - 電磁継電器 - Google Patents
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Description
電磁継電器90は、接点対95a〜95cの外側に消弧用の空間(消弧室)が設けられていることが多いため、外側に向かうアークは早く消えるものの、図15(B)のように内側に向かうアークはなかなか消えない。
上記複数個のスイッチは、ハウジング内に固定され、導電性材料からなる第1固定部材および第2固定部材と、導電性材料から構成され、電磁コイルへの通電の有無によって該電磁コイルの軸線方向へ進退するとともに、その進退動作に伴って上記第1固定部材と上記第2固定部材とに両端が接離する可動部材とを各々備え、
上記第1固定部材と上記可動部材との接触部には第1接点対が形成され、上記第2固定部材と上記可動部材との接触部には第2接点対が形成され、上記第1固定部材と、上記第1接点対と、上記可動部材と、上記第2接点対と、上記第2固定部材とにより電流が流れる経路が構成され、
上記複数個のスイッチは、上記第1接点対同士および上記第2接点対同士が所定の間隔をおいて隣接するように配置され、互いに隣接する上記第1接点対同士の間に、上記スイッチを上記導通状態から上記非導通状態へ切り替えた際に上記第1接点対に生じるアークを消弧する第1磁石が設けられ、互いに隣接する上記第2接点対同士の間に、上記スイッチを上記導通状態から上記非導通状態へ切り替えた際に上記第2接点対に生じるアークを消弧する第2磁石が設けられ、
隣接する複数個の上記第1接点対に作用する磁界の向きと、隣接する複数個の上記第2接点対に作用する磁界の向きとが互いに逆向きになるように、上記第1磁石と上記第2磁石との取付方向が定められており、
上記複数個のスイッチとして、第1スイッチと第2スイッチとの2個のスイッチを備え、上記電磁コイルは1個のみ設けられ、該第1スイッチと該第2スイッチとは、上記電磁コイルに通電した場合に上記接点対が接触して上記導通状態となり、該電磁コイルに通電しない場合に上記接点対が開放して上記非導通状態になり、
上記第1スイッチの上記第1接点対に対向する上記第1磁石の磁極と、上記第1スイッチの上記第2接点対に対向する上記第2磁石の磁極とは、その極性が互いに異なり、
上記第2スイッチの上記第1接点対に対向する上記第1磁石の磁極と、上記第2スイッチの上記第2接点対に対向する上記第2磁石の磁極とは、その極性が互いに異なることを特徴とする電磁継電器にある(請求項1)。
本発明では、上記第1磁石と上記第2磁石とが、互いに磁極が逆向きになるように配置されている。これにより、接点対に発生するアークを消弧しやすくなる。
すなわち上記構成によると、電流の向きに関わらず、2箇所発生したアークのうち一方のアークは、2個の接点対の間(内側)に引かれるようにローレンツ力が作用し、他方のアークは、2個の接点対の外側に引かれるようにローレンツ力が作用する。つまり、2つのアークのうち一方のアークは消弧されやすい外側へ必ず向かう。外側に引かれたアークが消弧されると電流が遮断されるので、内側に引かれたアークも消えることになる。
図15(B)に示すごとく、従来の電磁継電器では、電流が流れる方向が逆向きになった場合に、アークが両方とも内側に引き寄せられるため、なかなかアークを消弧できなかった。そのため、電流の遮断特性を向上できなかった。しかし本発明によると、磁石の向きを互いに逆向きにしたため、電流の向きが逆になってもアークが図15(B)の状態にはならず、必ず一方のアークは消弧しやすい外側に向かうようになる。これにより、電流の遮断特性を高めることが可能となる。
本発明(請求項1)において、上記複数個のスイッチとして、第1スイッチと第2スイッチとの2個のスイッチを備え、上記電磁コイルは1個のみ設けられ、該第1スイッチと該第2スイッチとは、上記電磁コイルに通電した場合に上記接点対が接触して上記導通状態となり、該電磁コイルに通電しない場合に上記接点対が開放して上記非導通状態になる。
この場合には、単一の電磁コイルで2個のスイッチを開閉するため、電磁継電器をコンパクトに形成することができる。また、車両に搭載する場合には、b接点よりもa接点の方が適している。
この場合には、ハウジングに消弧室が形成されており、2個の接点対に各々発生したアークのうち一方のアークがローレンツ力により消弧室に誘導される。そのため、消弧室に入ったアークを容易に消弧でき、電流の遮断特性を向上することができる。
この場合には、例えばハイブリッドカー等の車両に搭載される、直流電源とインバータとの間に電磁継電器が設けられている。ハイブリッドカーの直流電源は例えば300V程度の電位差が生じており、回路に大電流が流れるため、接点対に上記アークが発生しやすい。また、直流電源から放電する場合と、回生制動を行うことにより直流電源を充電する場合とで電流の流れる向きが逆転する。そのため、本発明の電磁継電器を好適に使用することができる。
本発明の実施例にかかる電磁継電器につき、図1〜図7を用いて説明する。
図1〜図3は、各スイッチ11,12を閉じて電流を流している状態(導通状態)から、各スイッチ11,12を開いて電流iを遮断する状態(非導通状態)に移る瞬間における概念図である。また、図2は図1と比較して電流iの流れる向きが逆になった場合の図である。図3(A)は図1のC−C断面図であり、図3(B)は図1のD−D断面図である。また、図4は電磁継電器1が使用される回路図であり、図5〜図7は電磁継電器1の詳細断面図である。
上記複数個のスイッチ11,12は、ハウジング71(図5参照)内に固定され、導電性材料からなる第1固定部材21および第2固定部材22と、導電性材料から構成され、電磁コイル72(図5参照)への通電の有無によって電磁コイル72の軸線方向へ進退するとともに、その進退動作に伴って第1固定部材21と第2固定部材22とに両端が接離する可動部材3とを各々備える。
そして、第1固定部材21と可動部材3との接触部には第1接点対41が形成され、第2固定部材22と可動部材3との接触部には第2接点対42が形成され、第1固定部材21と、第1接点対41と、可動部材3と、第2接点対42と、第2固定部材22とにより電流iが流れる経路が構成されている。
また、複数個のスイッチ11,12は、第1接点対41a,41b同士および第2接点対42a,42b同士が所定の間隔をおいて隣接するように配置され、互いに隣接する第1接点対41a,41b同士の間に、スイッチ11,12を導通状態から非導通状態へ切り替えた際に第1接点対41a,41bに生じるアーク61を消弧する第1磁石51が設けられ、互いに隣接する第2接点対42a,42b同士の間に、スイッチ11,12を導通状態から非導通状態へ切り替えた際に第2接点対42a,42bに生じるアーク62を消弧する第2磁石52が設けられている。
そして、隣接する複数個の第1接点対41a,41bに作用する磁界Φ1(図3(B)参照)の向きと、隣接する複数個の第2接点対42a,42bに作用する磁界Φ2(図3(A)参照)の向きとが互いに逆向きになるように、第1磁石51と第2磁石52との取付方向が定められている。
このように本例の電磁継電器1は、三相交流モータ31を駆動するような大電流が流れるとともに、放電電流i1と交流電流i2との双方向の電流が流れる回路に用いられる。
また、電磁コイル72に通電した場合はスプリング73の付勢力に抗してプランジャ77が下方に引かれ、第1接点対41aおよび第2接点対42aが閉じる。これにより、第1スイッチ11に電流が流れる導通状態となる。
同様にして、第2スイッチ12では、第1接点対41bに生じた第1側アーク61b(図1参照)と、第2接点対42bに生じた第2側アーク62bとのうち一方のアークが、ローレンツ力fにより消弧室R3またはR4へ誘導されるよう構成されている。
本例の電磁継電器1は、図1、図3に示すごとく、第1接点対41a,41bに作用する磁界Φ1の向きと、第2接点対42a,42bに作用する磁界Φ2の向きとが互いに逆向きになるように、第1磁石51と第2磁石52との取付方向が定められている。
これにより、例えば図1(B)に示すごとく、2箇所発生したアーク61a,62aのうち一方のアーク62aは、2個の接点対の間(内側)に引かれ、他方のアークは2個の接点対の外側に引かれるようにローレンツ力fが作用する。電流iの向きが逆になった場合は、図2(B)に示すごとく、アーク62aが外側に引かれ、アーク61aが内側に引かれる。つまり、2つのアーク61a,62aのうち一方のアークは消弧されやすい外側へ必ず向かう。
図15(B)に示すごとく、従来の電磁継電器90では、電流iが流れる方向が逆向きになった場合に、アーク98,99が両方とも内側に引き寄せられるため、なかなかアーク98,99を消弧できなかった。そのため、電流iの遮断特性を向上できなかった。しかし本発明によると、図1に示すごとく磁石51,52の向きを互いに逆向きにしたため、電流iの向きが逆になってもアークが図15(B)の状態にはならず、必ず一方のアークは消弧しやすい外側に向かうようになる。これにより、電流iの遮断特性を高めることが可能となる。
また、図6に示すごとく、第1接点対41bと第2接点対42bとの間には樹脂製の二股部76が存在しており、両方のアークが内側に引き寄せられると、二股部76が樹脂で構成されているため、アークによって損傷する場合があった。しかし本発明によると、一方のアークしか二股部76に接近しないため、損傷の度合いを低減することができる。
この場合には、消弧室R1またはR2に入ったアークを容易に消弧でき、電流iの遮断特性を向上することができる。
本例は、接点の構成を変えた例である。本例では図10〜図12に示すごとく、複数個のスイッチとして、第1スイッチ11と第2スイッチ12との2個のスイッチを備え、電磁コイル72(図示せず)は1個のみ設けられ、第1スイッチ11と第2スイッチ12とは、電磁コイル72に通電した場合に接点対41,42が接触して導通状態となり、電磁コイル72に通電しない場合に接点対41,42が開放して非導通状態になるとともに、第1スイッチ11側の第1固定部材21aと第2スイッチ12側の第1固定部材21bとが接続され、第1スイッチ11側の第2固定部材22aと第2スイッチ12側の第2固定部材22bとが接続されている。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、接点の構成を変えた例である。図13に示すごとく、本例では、第1スイッチ11と、第2スイッチ12と、第3スイッチ13との、3個のスイッチを備える。そして、第1接点対41aと41bとの間に第1磁石51aが設けられている。また、第1接点対41bと41cとの間に第1磁石51bが設けられている。さらに、第2接点対42aと42bとの間に第2スイッチ52aが設けられ、第2接点対42bと42cとの間に第2スイッチ52bが設けられている。
なお図示しないが、同様にして4個以上のスイッチを備えた電磁継電器1を構成することも可能である。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
その他、実施例と同様の作用効果を有する。
11 第1スイッチ
12 第2スイッチ
2 直流電源
21 第1固定部材
22 第2固定部材
3 可動部材
30 インバータ
51 第1磁石
52 第2磁石
71 ハウジング
72 電磁コイル
61a,61b 第1側アーク
62a,62b 第2側アーク
f ローレンツ力
R1〜R4 消弧室
Claims (3)
- 複数個のスイッチを備え、該複数個のスイッチに各々電流が流れる導通状態と、該複数個のスイッチに各々電流が流れない非導通状態とを切り替える電磁継電器であって、
上記複数個のスイッチは、ハウジング内に固定され、導電性材料からなる第1固定部材および第2固定部材と、導電性材料から構成され、電磁コイルへの通電の有無によって該電磁コイルの軸線方向へ進退するとともに、その進退動作に伴って上記第1固定部材と上記第2固定部材とに両端が接離する可動部材とを各々備え、
上記第1固定部材と上記可動部材との接触部には第1接点対が形成され、上記第2固定部材と上記可動部材との接触部には第2接点対が形成され、上記第1固定部材と、上記第1接点対と、上記可動部材と、上記第2接点対と、上記第2固定部材とにより電流が流れる経路が構成され、
上記複数個のスイッチは、上記第1接点対同士および上記第2接点対同士が所定の間隔をおいて隣接するように配置され、互いに隣接する上記第1接点対同士の間に、上記スイッチを上記導通状態から上記非導通状態へ切り替えた際に上記第1接点対に生じるアークを消弧する第1磁石が設けられ、互いに隣接する上記第2接点対同士の間に、上記スイッチを上記導通状態から上記非導通状態へ切り替えた際に上記第2接点対に生じるアークを消弧する第2磁石が設けられ、
隣接する複数個の上記第1接点対に作用する磁界の向きと、隣接する複数個の上記第2接点対に作用する磁界の向きとが互いに逆向きになるように、上記第1磁石と上記第2磁石との取付方向が定められており、
上記複数個のスイッチとして、第1スイッチと第2スイッチとの2個のスイッチを備え、上記電磁コイルは1個のみ設けられ、該第1スイッチと該第2スイッチとは、上記電磁コイルに通電した場合に上記接点対が接触して上記導通状態となり、該電磁コイルに通電しない場合に上記接点対が開放して上記非導通状態になり、
上記第1スイッチの上記第1接点対に対向する上記第1磁石の磁極と、上記第1スイッチの上記第2接点対に対向する上記第2磁石の磁極とは、その極性が互いに異なり、
上記第2スイッチの上記第1接点対に対向する上記第1磁石の磁極と、上記第2スイッチの上記第2接点対に対向する上記第2磁石の磁極とは、その極性が互いに異なることを特徴とする電磁継電器。 - 請求項1において、上記ハウジングには、複数個形成された上記第1接点対および上記第2接点対の側方に各々消弧室が形成され、上記第1接点対に生じた第1側アークと、上記第2接点対に生じた第2側アークとのうち一方のアークが、上記磁界により作用するローレンツ力により上記消弧室へ誘導されるよう構成されていることを特徴とする電磁継電器。
- 請求項1又は2において、上記複数個のスイッチは、車両に搭載された直流電源と、直流電流と交流電流とを相互に変換するインバータとの間に接続され、上記直流電源から放電され上記インバータを流れる放電電流と、上記インバータから流れ上記直流電源を充電する充電電流との、双方向の電流が流れるよう構成されていることを特徴とする電磁継電器。
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