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JP4920526B2 - パレット、及び圧電振動子の製造方法 - Google Patents

パレット、及び圧電振動子の製造方法 Download PDF

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JP4920526B2 JP2007215946A JP2007215946A JP4920526B2 JP 4920526 B2 JP4920526 B2 JP 4920526B2 JP 2007215946 A JP2007215946 A JP 2007215946A JP 2007215946 A JP2007215946 A JP 2007215946A JP 4920526 B2 JP4920526 B2 JP 4920526B2
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Description

本発明は、パレット、圧電振動子とその製造方法、発振器、電子機器、及び電波時計に関する。
圧電振動子は、発振器、情報通信装置や携帯機器などの電子機器、家電などに、時計機能や周波数制御機構として広く用いられている。圧電振動子のパッケージとしては、箱型の形状をしたセラミックパッケージや、気密端子を用いたシリンダー型パッケージが慣用されている。
図13(a)、(b)は、気密端子とシリンダー型のケース(パッケージ)を示す模式図である。気密端子1は、金属製で環状のリング7内に封着用の充填材5が充填され、該充填材5には金属製細棒よりなる2本のリード2が平行に貫通固定されている。これらリード2は、リング2を間に挟んで一端側がインナーリード3とされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリード4とされている。また、リード2及びリング7の表面にはメッキが施されており、インナーリード3の表面には圧電振動子片(図示せず)が接続されている。そして、ケース20は、リング7の外形に沿って挿入されるようになっている。また、リング7とケース20との間は、リング7の外表面の軟質金属からなるメッキ層6(図13(b)ではその厚さが誇張されて示されている)を介しての冷間圧接で気密に接合されるようになっている。
このような圧電振動子の製造方法としては、従来、複数の気密端子をパレットに保持させ、その状態で圧電振動子組立工程を流動させる手法が知られている。そして、このような手法に用いられるパレットとして、多数の貫通窓部が整列形成された絶縁性の樹脂からなるプレート本体と、導電性板バネから形成された固定バネとから構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
特公昭57−50795号公報
ところで、圧電振動子の組立(製造)工程には、気密端子に接合された圧電振動子片の周波数を微調整するため、気密端子のアウターリードにプローブを当てて圧電振動子片を振動させつつ、発信周波数を計測する微調整工程がある。また、圧電振動子片の周波数を微調整する工程に先立ち、圧電振動子片をマウントした際の歪みを無くす等の目的でベーキングを行うベーキング工程もある。
しかしながら、前記のベーキング工程では、前記特許文献1に示されたパレットのように樹脂製であると、ベーキングのための高温真空処理により、パレット中に残留する溶剤の一部や樹脂の分解生成物などがガスとなって発生し、このアウトガスが周波数を微調整する際に製品の特性に影響を及ぼし、製品特性を損なってしまうおそれがある。さらに、繰り返して使用した際、特に高温処理に起因して変形を生じ、その後の使用に耐えられなくなってしまうことにより、コストが高いものになってしまうこともある。
また、ガスの発生をなくすべく、金属製のパレットを用いることも考えられるが、その場合には、前記の周波数を微調整する際に、2本のアウターリード間がパレットを介して導通してしまい、気密端子をパレットに保持させたままでは微調整が行えなくなってしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、高温処理時におけるアウトガスの発生を防止してアウトガスによる悪影響を抑制するとともに、圧電振動子片の周波数の微調整を可能にしたパレットを提供し、さらに、このパレットを用いた圧電振動子の製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため本発明のパレットは、環状のリングと、該リングを貫通した状態で配置され、リングを間に挟んで一端側が圧電振動子片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされた2本のリードと、を有し、前記インナリードに圧電振動子片を接合する気密端子を、保持するための保持部を有してなるパレットであって、
金属製で板状の基材と、前記基材の、少なくとも前記保持部を形成した面に液相法でコーティングされてなる絶縁材と、を備えてなることを特徴としている。
このパレットによれば、基材を金属製にしたので、高温処理時におけるアウトガスの発生が防止され、アウトガスによる悪影響が抑制される。また、金属製であることから耐久性・耐熱性が高く、したがって繰り返しの使用によってもほとんど変形を生じることがなく、よって繰り返し使用が可能になるためコストの低減化が可能となる。
また、基材の少なくとも保持部を形成した面が絶縁材でコーティングされているので、圧電振動子片の周波数を微調整する工程において、アウターリード間の導通を確実に防止することができる。さらに、絶縁材が液相法でコーティングされているので、気相法でコーティングされた場合のように角部や凹部などでコーティング厚が薄くなるといったコーティングむらが少なく、したがって前記したようにアウターリード間の導通が確実に防止される。
また、前記パレットにおいては、前記絶縁材として絶縁性樹脂が用いられているのが好ましく、その場合に、絶縁性樹脂としてポリイミドが用いられているのが好ましい。
コーティング材としての絶縁性樹脂は、例えばポリイミドのように耐熱性に優れたものが多く、したがって分解によるガスの発生などもほとんどないことから、高温処理時におけるアウトガスの発生がほとんどなく、よって悪影響を及ぼすおそれがなくなる。
特に、ポリイミドは耐熱性が高く、また膜の密着性も強く、耐摩耗性、耐薬品性などにも優れていることから、パレットの繰り返しの頻度が多くなってもコーティング膜の劣化がほとんど起こらず、したがってパレットの繰り返し頻度を多くすることでコストの低減化を図ることができる。
また、前記パレットにおいては、前記保持部は、前記気密端子の2本のアウターリードをそれぞれ保持する2本のガイド溝からなるガイド対が、それぞれのガイド溝の一方の端部をパレットの端面側に開口して形成されているのが好ましい。
このようにすれば、ガイド溝の一方の端部がパレットの端面側に開口しているので、前記端面の外側にリングを位置させた状態で、気密端子の2本のアウターリードをそれぞれガイド溝に容易に保持させることが可能になる。したがって、例えば圧電振動子の小型化に対応して気密端子が小型化されていても、これを容易に保持することができる。
また、前記パレットにおいては、前記ガイド溝の他方の端部に連通して、該ガイド溝に保持されたアウターリードの端部を位置させる溝状の凹部が、前記パレットの端面の長さ方向に沿って形成されているのが好ましい。
このようにすれば、ガイド溝に保持したアウターリードの端部を該凹部に位置させることで、気密端子に接合された圧電振動子片の周波数を微調整する工程での処理が容易になる。すなわち、圧電振動子片の周波数を微調整する工程では、前記したようにアウターリードにプローブを当てて微調整を行うが、本発明のパレットでは溝状の凹部内にアウターリードの端部を位置させることができるので、アウターリードの端部が、凹部内にてその側方が開放された状態となる。したがって、アウターリードの端部の上部側及び側方が凹部内にて開放されていることにより、アウターリードに対するプローブの当接可能面積が大となり、プローブをアウターリードに対して正確に当てるのが容易になる。
また、前記パレットにおいては、前記ガイド対をなす2本のガイド溝間の間隔は、前記パレットの端面側の端縁部での間隔W1が、前記2本のアウターリードの前記リング側における間隔Wより狭く、前記凹部側での間隔W2が、前記間隔Wより広く形成されているのが好ましい。
パレットの端面側の端縁部における2本のガイド溝間の間隔W1が、2本のアウターリードの間隔Wより狭くなっているので、気密端子の2本のアウターリードをリング側からガイド溝に嵌め込んでそれぞれガイド溝に保持させることにより、ガイド溝間の土手部分に干渉されることなく、2本のアウターリードをガイド溝に容易に保持させることができる。また、凹部側での2本のガイド溝間の間隔W2が、前記間隔Wより広くなっているので、単に2本のアウターリードをガイド溝に保持させることにより、その端部(先端部)間を凹部内にて自然に広げることができる。よって、例えば圧電振動子の小型化に伴ってアウターリード間の間隔が狭くなっていても、端部間の間隔を自然に広げることにより、前記した周波数を微調整する工程において、凹部内にてアウタリードが互いに干渉し合うことを抑えることができる。したがって、プローブをアウターリードに対して正確に当てるのが容易になる。
また、本発明の圧電振動子の製造方法は、環状のリングと、該リングを貫通した状態で配置され、リングを間に挟んで一端側が圧電振動子片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされた2本のリードと、を有してなる気密端子の前記インナリードに圧電振動子片を接合し、次いで、前記圧電振動子片の周波数を微調整し、その後、前記圧電振動子片を覆ってケースを前記気密端子のリングに圧入する、圧電振動子の製造方法であって、
前記気密端子の2本のアウターリードを、前記パレットの保持部に保持させ、その状態で前記気密端子を圧電振動子組立工程に流動させることを特徴としている。
この圧電振動子の製造方法によれば、気密端子を保持させるパレットとして、アウトガスによる悪影響が抑制され、繰り返しの使用によってもほとんど変形を生じることがなく、しかも、圧電振動子片の周波数を微調整する工程においてアウターリード間の導通を確実に防止することができるものを用いているので、気密端子を圧電振動子組立工程に容易に流動させることができるとともに、周波数を微調整する工程での処理を容易にすることができる。
また、本発明の圧電振動子は、前記の製造方法によって得られたことを特徴としている。
この圧電振動子によれば、気密端子が圧電振動子組立工程を容易に流動し、また、周波数を微調整する工程での処理も容易になされて形成されたものであるから、生産性が良好であり、したがって生産コストの低減化が図られたものとなる。
また、本発明の発振器は、前記の圧電振動子が発振子として集積回路に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の電子機器は、前記の圧電振動子を備えることを特徴としている。
また、本発明の電波時計は、前記の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴としている。
この発明に係る発振器、電子機器、電波時計によれば、生産性が良好であり、生産コストの低減化が図られた圧電振動子を備えているので、これら発振器、電子機器、電波時計自体も生産性が良好であり、生産コストの低減化が図られたものとなる。
本発明のパレットによれば、アウトガスによる悪影響を抑制し、繰り返しの使用によってもほとんど変形を生じることがなく、しかも、圧電振動子片の周波数を微調整する工程においてアウターリード間の導通を確実に防止することができる。よって、繰り返しの使用を可能にしたことでコストの低減化を図ることもできる。
本発明の圧電振動子の製造方法によれば、前記パレットを用いることにより、気密端子を圧電振動子組立工程に容易に流動させることができ、また、圧電振動子片の周波数を微調整する工程での処理も容易にすることができる。
本発明の圧電振動子によれば、前記パレットが用いられることにより、生産性が良好であり、したがって生産コストの低減化が図られたものとなる。
本発明の発振器、電子機器、及び、電波時計によれば、生産性が良好であり、生産コストの低減化が図られた圧電振動子を備えているので、これら発振器、電子機器、電波時計自体も生産性が良好であり、生産コストの低減化が図られたものとなる。
以下、本発明を詳しく説明する
[パレット]
図1(a)、(b)は本発明のパレットの一実施形態を示す図であり、(a)はパレットの概略構成を示す平面図、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。
図1(a)、(b)に示すように本実施形態のパレット10は、長細い矩形の板状体であり、厚さが0.3mm程度から数mm程度、本実施形態では0.4mm程度に形成されたものである。また、このパレット10は、後に詳述するように、金属製で板状の基材に絶縁材がコーティングされて、形成されたものである。
このパレット10は、図2に示すように気密端子1を複数保持するためのもので、図1(a)、(b)に示したように2本のガイド溝12a、12aからなるガイド対12を複数(本実施形態では28個)有し、さらにこれらガイド対12に連通する溝状の凹部14を有したものである。
ガイド対12は、本発明における保持部として機能するもので、図1(b)に示すように2本のガイド溝12a、12aを平行でなくハ字状に開いて配設したものであり、それぞれのガイド溝12aの一方の端部を、パレット10の一方の長辺側となる端面11側に開口した状態で形成されたものである。なお、ガイド溝12aの他方の端部は、前記したように凹部14に連通し、したがってこの凹部14内に開口したものとなっている。ガイド溝12aの溝の幅は、前記気密端子1のアウターリード4の外径とほぼ同じになるように形成されており、具体的には、0.2mm程度から1.0mm程度の範囲、本実施形態では0.3mm程度となっている。
なお、本実施形態では、前記端面11側にもその長さ方向に沿って凹部15が形成されており、前記ガイド溝12a、12a(ガイド対12)は、その一方の端部が凹部15に連通しここに開口することで、前述したようにパレット10の端面11側に開口した状態となっている。また、前記ガイド溝12a、12a(ガイド対12)や凹部15の開口縁にはその角部に面取り加工が施されており、後述するようにガイド溝12a、12a(ガイド対12)に気密端子1のアウターリード4を嵌め込んでここに保持させる際、開口縁に引っかかることなく円滑に嵌め込めるようになっている。なお、このような角部の面取り加工は、前記した基材の全ての角部に対してなされている。
また、隣合うガイド対12とガイド対12との間の間隔は、図2に示すように気密端子1の2本のアウターリード4、4の先端部間の間隔と、隣合う気密端子1、1における隣合うアウターリード4、4の先端部間の間隔とがほぼ同じになるように、設定され、形成されている。
凹部14は、前記パレット10の端面11の長さ方向に沿って形成されたもので、全てのガイド溝12a、12a(ガイド対12)に連通することにより、これらガイド溝12aに保持されたアウターリード4の端部(先端部)を凹部14内に位置させるものである。ここで、凹部14はガイド溝12a、12aと同じ深さに形成されたもので、本実施形態では、パレット10の厚さが0.4mm程度であるのに対し、0.2mm程度となっている。また、該凹部14の幅(端面11と直交する方向の幅)は2.0mm程度となっている。このような凹部14内にアウターリード4の端部(先端部)を位置させることにより、アウターリード4の端部は、図3に示すように該凹部14内にてその側方が開放された状態となり、したがって上部側及び側方が凹部14内にて開放されたものとなる。
すなわち、例えば単にガイド溝12aだけで凹部14がなかったり、あるいはガイド対12毎に凹部が形成されている場合、図3中二点鎖線で示すようにパレット10の土手部分13がアウターリード4の側方を閉じてしまう。すると、後述するように圧電振動子片の周波数を微調整する際に、プローブを当接させる部分がアウターリード4の上方のみに限られてしまい、ここに正確に当接させるのが難しくなってしまう。これに対して、図3中実線で示したように凹部14をパレット10の端面11の長さ方向に沿って溝状に形成したことにより、アウターリード4の端部はその側方も土手部分13に閉じられることなく開放され(露出し)、したがってその分前記プローブの当接可能面積が大となっているのである。
また、パレット11には、図1(a)に示したように前記端面11と反対の側に、複数(本実施形態では4つ)の貫通孔16、17、18、19が形成されている。これら貫通孔16〜19は、後述するようにこのパレット11を圧電振動子組立工程に流動させた際の、位置決め用、あるいは搬送用に形成されたものである。
このような形状からなるパレット11は、前記したように本実施形態では金属製の基材に絶縁性樹脂がコーティングされて形成されている。基材は、本実施形態では厚さが0.3mm程度のステンレス板からなっており、このステンレス板に、前記したガイド対12(ガイド溝12a、12a)や凹部14などがエッチング加工等によって形成されている。また、前記したようにその角部については全て面取り加工がなされている。ステンレス板として具体的には、SUS304からなるものが、耐食性及び低放出ガス特性に優れているため好適とされる。
また、SUS400系のような磁性体については、特に磁性を利用することでパレット10を複数並べて検査したり、工程中や工程間を移動させたい場合などに、好適となる。具体的には、組立工程中の外観や電気特性のモニタや検査、あるいはマニュアルによる修正作業等の際に、磁石を配置したトレー等にパレット10を簡易固定することができる。また、トレーを別の作業テーブルに移動させる際にも、パレット10の落下を防止することができる。
コーティング材となる絶縁性樹脂としては、特に限定されることなく、ポリイミド(PI)やポリアミドイミド(PAI)など公知のものが使用可能である。中でも、ポリイミドが、耐熱性が高く膜の密着性も強く、耐摩耗性、耐薬品性などにも優れていることから、好適に用いられる。したがって、本実施形態ではコーティング材としてポリイミドが用いられている。
このポリイミドからなるコーティング材は、ポリイミド樹脂に各種のフィラー(充填材)、例えば耐熱性や耐摩耗性を向上する機能性のフィラーが適宜選択されて配合され、さらに適宜な溶媒に溶解または分散させられて用いられる。
すなわち、このパレット10を形成するには、まず、予めガイド対12や凹部14などについての加工を施した基材を用意し、これを洗浄する。洗浄については、一般的な水洗で十分であるが、必要に応じて脱脂や脱錆を目的とする溶剤洗浄、酸洗浄を行ってもよい。
次に、洗浄後の基材に対し、前記のポリイミドからなるコーティング材をコーティングする。コーティング方法としては、浸漬法やスプレー法、印刷法などの液相法が採用される。コーティングについては、基材の全面、つまりその両面や端面の全てに行うことなく、少なくとも保持部であるガイド対12を形成した面に選択的に行ってもよい。このように選択的にコーティングする場合には、スプレーガンを用いたスプレー法や、ローラーを用いた印刷法(転写法)が好適に用いられる。また、基材の全面にコーティングする場合には、浸漬法が好適に用いられる。
スプレー法や印刷法を用いて選択的にコーティングを行った場合、コーティング厚にむらがないように行うのがやや難しく、特に貫通孔16、17、18、19の内壁面やガイド溝12a、凹部14の内面に均一な厚さでコーティングするのが難しい。ただし、その場合にも、例えばスプレーガンを傾斜させた状態でスプレーし、塗布するといった工夫で、必要な均一度でコーティングを行うことができる。そして、このように選択的にコーティングを行った場合には、全面にコーティングする場合に比べ、コーティング材の量を少なくすることができ、したがって材料コストを低減することができる。
一方、全面にコーティングする場合には、コーティング材の量が相対的に多くなってしまうものの、特に浸漬法の場合では、コーティング処理を容易にすることができ、またコーティング厚も比較的均一にすることができる。
このようにしてコーティング処理を行ったら、コーティング材の配合等によっても異なるものの、例えば乾燥処理として180℃で20分程度加熱し、さらに本焼成処理として230℃で40分程度加熱する。
本焼成処理後に得られる絶縁材のコーティング厚としては、金属製の基材の表面に十分な絶縁性を付与できる膜厚とされ、例えば35μm程度とされる。したがって、特に両面(全面)にコーティングした場合には、合計で70μm程度となる。なお、このようなコーティング厚を得るため、前記したコーティング処理を必要に応じて複数回繰り返してもよい。
このようにして得られたパレット10は、特に絶縁材が液相法でコーティングされているので、気相法でコーティングされた場合のように角部や凹部などでコーティング厚が薄くなるといったコーティングむらが少なく、したがって、パレット10の保持部(ガイド対12)や該保持部を形成した側の面の凹部14内が確実に絶縁されたものとなる。
また、このパレット10を、オーブン中にて200℃で12時間加熱処理し、その耐熱性を調べたところ、変形等の異常がなく、したがって耐熱性に優れていることが確認された。また、IPA(イソプロピルアルコール)中に24時間浸漬し、その後180℃で12時間加熱処理し、その耐薬品性について調べたところ、異常がなく、したがって耐薬品にも優れていることが確認された。さらに、180℃で12時間加熱し、パレット10からのアウトガスについてガスクロマトグラフィー法で調べたところ、ほとんどアウトガスが発生しておらず、アウトガスの発生量は従来の樹脂製のパレットに比べて1/40程度であった。また、絶縁性、耐摩耗性、膜密着性、曲げ強度などについても調べたところ、パレットとして要求される性能を十分に満たしていることが確認された。
また、このようなパレット10において前記ガイド対12は、前述したように2本のガイド溝12a、12aが平行でなくハ字状に開いて形成されているが、その形状寸法は以下のようになっている。すなわち、図4に示すように2本のガイド溝12a、12a間の間隔は、パレット10の端面11側の凹部15(端縁部)での間隔W1が、前記2本のアウターリード4、4のリング7側における間隔Wより狭く、凹部14側での間隔W2が、前記間隔Wより広く形成されている。
したがって、このようなガイド対12に気密端子1を保持させる際、そのアウターリード4、4をそれぞれガイド溝12a、12aに容易に嵌め込めるようになっている。すなわち、パレット10の端面11側の凹部15(端縁部)における2本のガイド溝12a、12a間の間隔W1が、2本のアウターリード4、4の間隔Wより狭くなっているので、これら2本のアウターリード4、4をリング7側からガイド溝12a、12aに嵌め込んでそれぞれガイド溝12a、12aに保持させることにより、ガイド溝12a、12a間の土手部分13aに干渉されることなく、2本のアウターリード4、4をガイド溝12a、12aに容易に保持させることができる。
また、凹部14側での2本のガイド溝12a、12a間の間隔W2が、前記間隔Wより広くなっているので、単に2本のアウターリード4、4をガイド溝12a、12aに保持させることにより、その端部(先端部)間を凹部14内にて自然に広げることができるようになっている。
次に、本発明のパレット10を用いた圧電振動子の製造方法について述べる。
まず、図5に示す製造フローチャートに従って圧電振動子片の製造工程を説明し、続いて、本発明のパレット10を用いた組立工程を説明する。なお、ここでは圧電振動子として圧電材料に水晶を用い、振動子片の形状を音叉型とした音叉型水晶振動子を例にして説明するが、水晶の他の振動モードであるAT振動子やBT振動子の場合にも、本発明の製造方法を適用することができる。また、LiNbO3やLiTaO3のような他の圧電材料を用いた振動子の場合にも、本発明の製造方法を適用することができる。
[圧電振動子片製造工程]
圧電振動子片の製造工程においては、まず、水晶のランバード原石を所定の切断角度になるように、X線回折法を援用してワークテーブルに設定し、続いて、例えばワイヤソー等の切断装置により、水晶原石をスライスして略200μmの厚みに切断する。切断には、通常遊離砥粒が慣用され、また、切断用のワイヤーは線径が例えば160μm程度の高炭素鋼線が用いられる(S100)。
次に、一定の厚みになるまでウエハを研磨する。研磨は通常、粒径の粗い遊離砥粒で粗ラッピングを行い、次に粒径の細かい遊離砥粒で仕上げのラッピングを行う。この後、表面をエッチングして加工変質層を除去し、さらにポリッシュ加工及び洗浄を行って所定の厚さと所定の平面度を持つ鏡面に仕上げる(S110)。
続いて、スパッタリング等の成膜手段を用いて、マスク用の金属薄膜(クロムと金の積層被膜が慣用される)を所定の膜厚に堆積させる。該薄膜は、ウエハの両面に堆積させる(S120)。
次に、リソグラフィ技術によって音叉型振動子の外形を形成する。具体的には、レジストを塗布し、外形用マスクで両面を露光し、現像を行うことにより、外形のレジストパターンを得る。その後、エッチング液で不要な金属パターンを除去して金属のマスクパターンを得る。レジストを除去後、フッ酸系の水溶液で水晶をエッチングし、ウエハ上に複数の外形を形成する。前記した圧電振動子の小型化に伴い、振動腕の幅と振動腕の厚みとの比(振動腕幅/振動腕厚み)が小さな数値になっている。特に、この比が、1.0より小さくなると、音叉型振動子の振動腕に対する電界効率が低下し、振動子の共振抵抗値が増加し、例えば100kΩを越す値になり振動子として望ましくない。この対策として、電解効率を高めて共振抵抗値を下げる目的で、振動腕に溝を形成する(S130)。
このように、外形と溝を形成した後、マスクとして用いた金属膜を一旦すべて剥離する。剥離後に、もう一度、ウエハの両面に、所定の膜厚で電極膜となる金属薄膜をスパッタリング等の成膜手段で所定の膜厚に堆積させる(S140)。前記の溝を形成した場合、溝の内面にも成膜される。膜を堆積後、前述の外形形成工程と同様にリソグラフィ技術を用いて、電極膜のパターンを形成する(S150)。
次に、振動腕の先端領域に重り用の膜を数ミクロンの厚さに形成した後、大気中で重り部にレーザーなど照射して、発振周波数を計測しながら、堆積させた重り膜の一部を蒸発させ、所定の範囲に周波数を合せこむ。重り用の材料としては、クロムや銀あるいは金の積層膜が慣用される。周波数調整後、ウエハの超音波洗浄を実施し、周波数調整などで発生した膜の残滓や付着異物を除去する(S160)。
前述の工程により、圧電振動子片を複数有するウエハが完成する。
[圧電振動子組立工程(圧電振動子の製造方法)]
続いて、図5に示した圧電振動子組立工程の製造フローチャートに従い、図6乃至図8の説明図を参考にしつつ圧電振動子組立工程を説明する。
まず、気密端子1及びケース20をそれぞれ所定の温度でベーキングし、保管中に表面に付着した水分や放出ガス成分などを十分に脱離させる(S200)。
続いて、本発明のパレット10に気密端子1を複数個整列させる気密端子装着工程を行う(S210)。気密端子1の装着では、専用の装着治具(図示せず)を用い、図2に示したように全てのガイド対12に対してそれぞれ気密端子1を保持させる。この気密端子1のパレット10への装着では、予め装着治具にセットされた気密端子1を、そのアウターリード4の先端部をパレット10のガイド対12に差し入れるようにしてこれに嵌め込むことにより、気密端子1をガイド対12に容易に保持させることができる。その際、ガイド溝12a、12a間の間隔W1、W2を、アウターリード4、4の間隔Wに対して前記のように形成していることから、アウターリード4、4の端部(先端部)間は凹部14内にて自然に広がるようになる。
また、このようにして気密端子1を全てガイド対12に保持させたら、その状態でガイド対12上に耐熱テープ35を貼着し、気密端子1のアウターリード4をパレット10に固定する。ここで、耐熱テープ35については、予め脱ガス処理したものを用いる。また、この耐熱テープ35の貼着方法としては、例えばその一端側をパレット10に仮付けした後、テープ35の長さ方向に沿ってローラを走行させることで行う。
次に、振動片のマウント工程を行う(S220)。このマウント工程では、図6に示すように、前述した圧電振動子片製造工程で製造された圧電振動子片8を気密端子1のインナーリード3に接合する。すなわち、まず、個々の圧電振動子片8とウエハを連結している連結部(図示せず)から圧電振動子片8をレーザーや機械的手段で切り取った後、この圧電振動子片8をインナーリード3に位置合わせする。次に、インナーリード3のメッキ層(図示せず)を外部から熱を加えて溶融させ、圧電振動子片8上に形成されたマウントパッド9と接合する。メッキ層を溶融させる方法としては、レーザーや光源加熱、アーク放電熱などを用いる手法が採用可能である。あるいは、インナーリード3のメッキ層を利用せず、導電性接着剤等で圧電振動子片8を接続することも可能である。
次いで、マウント工程後の気密端子1を保持したパレット10を、真空ベーキング炉となる真空装置の中で、所定の温度に加熱してベーキングを行う(S230)。これにより、マウント工程で発生した歪みを除去する(無くす)ことができる。このベーキング工程では、通常、150℃程度から220℃程度の温度で数時間から十数時間程度加熱処理する。本実施形態では、180℃程度で10時間程度加熱処理する。このようにして加熱処理すると、パレット10は基材がステンレス製(金属)であり、またポリイミド(絶縁性樹脂)からなる絶縁材でコーティングされているものの、前記したようにほとんどアウトガスがないため、従来のパレット全体が樹脂である場合のように「残留する溶剤の一部や樹脂の分解生成物などがガスとなって発生する」といった不都合が回避され、放出ガスが非常に少なく、したがって真空装置内は高真空度に維持される。また、放出ガスが少ないことから、真空ベーキング炉を構成する真空処理室内面に吸着して堆積する有機物などが少なくなり、したがって長期間に亘って処理室内面の清浄度が保される。
さらに、パレット10は小型で厚みが十分に薄いことから、その熱容量が比較的少なく、したがってこれに整列・保持された気密端子1や圧電振動子片8も、温度上昇が早く、かつ温度分布のバラツキが少なくなる。よって、マウント工程で発生した圧電振動子片8の歪みの除去が良好になされる。なお、導電性接着剤を用いた場合には、接着剤のキュア工程後、高温に保持して接着剤のガス成分を放出させるが、その場合でも、パレット10は前記したように耐熱性に優れているため、十分に高温の保持が可能となる。
次に、周波数調整(微調)工程を行う。すなわち、パレット10毎に真空装置内に送り、図7に示すようにパレット10の凹部14内に位置するアウターリード4の端部をプローブ位置32でプロービングし、圧電振動子片8を振動させつつ、発信周波数を計測する。そして、このように発振周波数を計測しながら圧電振動子片8の振動腕の周波数調整領域34にレーザーを照射し、調整用の金属膜を蒸発させ、周波数を調整する(S240)。
このようにして周波数の微調整を行うと、パレット10は基材に絶縁材がコーティングされており、したがってこのコーティング面は絶縁性になっているので、個々の気密端子1は互いに電気的に分離されている。したがって、パレット10に整列した状態でその圧電振動子8を同時に発振させても、個々の気密端子1は隣合う気密端子1の干渉を受けることがない。また、アウターリード4、4は凹部14内においてその端部間の間隔が広げられているので、気密端子1が小型化されていてそのアウターリード4の線径が細くなっていたり、アウターリード4、4間の間隔が非常に狭くなっていても、これらにプローブを容易にかつ正確に当てることができるようになっている。
また、特にアウターリード4、4の端部を凹部14内に位置させているので、図3に示したようにアウターリード4の端部はその側方も土手部分13に閉じられることなく開放され(露出し)ている。したがって、その分プローブの当接可能面積が大となり、プローブをアウターリード4に対して容易にかつ正確に当てることができるようになっている。
次いで、圧電振動子片8の周波数微調整後の気密端子1を保持したパレット10を金型(図示せず)の中に複数個並べ、さらに、これに対向させて封止用のケース20を整列配置させる。そして、封止前までの工程で吸着した水分やガス成分を脱離させるために、これら気密端子1(パレット10)やケース20を封止装置内に入れて十分に真空加熱する。その後、図8に示すようにケース20を気密端子1のリング7に圧入し、前記の圧電振動子片8をケース20内に真空気密封止する(S250)。このようにして真空気密封止すると、ケース20とリング7との嵌合部では、リング7外表面の軟質金属からなるメッキ層とこれに嵌合するように設計されたケース20とによって気密が保持される。これにより、圧電振動子が得られる。
ここで、従来のようにパレット全体が樹脂である場合には、この圧入工程(S250)において、樹脂製パレットからの放出ガス等によって加熱時に真空度が低下するという問題があった。しかし、本実施形態のようにステンレス製(金属製)の基材にポリイミド(絶縁材)をコーティングしたパレット10を使用することにより、真空度の低下の問題を解消することができる。また、加熱温度についても、前記したように耐熱性に優れているため、従来と同程度以上の温度に設定することが可能であり、効率的に水分等の脱離やガスを放出させ、圧入工程時間の短縮化を図ることが可能になる。
この後、発振周波数の安定化を目的として、所定の温度でスクリーニングを行う。
その後、治具を用いてパレット10から圧電振動子を外す(S260)。圧電振動子を外した後のパレット10については再利用する。再利用する場合、使用前に以前の使用で付着したメッキ残滓等を超音波洗浄等で除去し、乾燥炉等で水分を蒸発させておく。ポリイミドがコーティングされたステンレスであり、薄厚であるため、洗浄や乾燥は容易である。このような洗浄処理を行うことで、再利用の場合にも異物等による組立工程の不良を防ぐことができる。また、このように洗浄後乾燥処理したパレット10については、S210に戻して再利用する。
一方、パレット10から外した圧電振動子については、電気特性検査装置により、発振周波数、共振抵抗値その他の電気特性を検査する(S270)。この電気特性検査工程では、圧電振動子のアウターリード4をプロービングすることにより、各特性を測定する。以上の工程により、音叉型水晶振動子が完成する。
このような製造方法において用いられるパレット10にあっては、アウトガスによる悪影響を抑制し、繰り返しの使用によってもほとんど変形を生じることがなく、しかも、圧電振動子片の周波数を微調整する工程においてアウターリード4、4間の導通を確実に防止することができる。よって、繰り返しの使用を可能にしたことでコストの低減化を図ることもできる。
また、気密端子1の2本のアウターリード4、4をそれぞれガイド溝12a、12aに容易に保持させることができるので、例えば小型化された気密端子についてもこれを圧電振動子組立工程に容易に流動させることができる。
また、このパレット10を用いた圧電振動子の製造方法にあっては、前記パレット10を用いることで気密端子1を圧電振動子組立工程に容易に流動させることができ、さらに、圧電振動子片の周波数を微調整する工程での処理も容易にすることができる。
[圧電振動子]
次に、前述した製造工程によって製造される圧電振動子の一実施形態として、音叉型の水晶振動子片を有底円筒状のケースで密閉したシリンダータイプの圧電振動子の構成について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す概略構成図であり、図9において符号40は、音叉型の圧電振動子片8を有した圧電振動子である。圧電振動子片8の表面には励振電極(図示せず)が形成されている。また、圧電振動子片8の振動腕の先端には重りが設けられていることにより、圧電振動子片8は所定の周波数に調整されている。
圧電振動子片8の基部に配置されたマウントパッド9は、略円筒状のリング7とリング7内に充填された充填材5内とを貫通する2本のリード2のインナーリード3側の先端に、インナーリードの3の表層に形成されたメッキ(図示せず)を溶融させて固定されたものである。そして、圧電振動子片8を覆って二点鎖線で示すケース20が被着されており、このケース20はリング7の外周面に嵌合されている。ケース20とリング7の外周との嵌合は、前記したように真空雰囲気下で行われているため、ケース20内の圧電振動子片8を囲む空間は、高真空状態に保持されて密閉されている。
また、圧電振動子片8の表面に形成された励振電極は、基部に形成されたマウントパッド9を通して2本のリード2(インナーリード3)に接続されている。該リード2はリング7の外へ延長されて外部電極(アウターリード4)を形成している。アウターリード4の表面には、図示しないメッキ層が形成されており、基板実装用のハンダに対して十分な濡れ性を有している。
このような構成からなる圧電振動子40は、その組立工程において、気密端子1がパレット10に容易に保持されて工程を流動して製造されたものであり、特に圧電振動子片8の周波数を微調整する工程での処理も容易になっているので、生産性が良好であり、したがって生産コストの低減化が図られたものとなる。
[発振器]
図10は、本発明に係る音叉型水晶発振器の構成を示す概略模式図であり、前述した圧電振動子(音叉型水晶振動子)を利用した表面実装型圧電発振器の平面図を示している。 図10に示すように、この実施形態の発振器100は、シリンダーパッケージ型の圧電振動子40を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。なお、圧電振動子40については、前記実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子40が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子40は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子40に電圧を印加すると、圧電振動子40内の圧電振動子片2が振動し、この振動が水晶の圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子40が発振子として機能する。また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
以上のように本実施形態の発振器100によれば、上記のような小型で、かつ、短絡のおそれが無い圧電振動子40を備えることで、小型で、信頼性の高い発振器を提供することができる。
[電子機器]
次に、本発明に係る電子機器として、前述した圧電振動子40を有する携帯情報機器を例にして説明する。図11は、この電子機器の構成を示すブロック図である。図11に示すように、この実施形態の携帯情報機器110は、圧電振動子40と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池で構成されている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、シリング全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子40とを備えている。圧電振動子40に電圧を印加すると圧電振動子片2が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等から構成され、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えていて、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。なお、携帯情報機器110は、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えており、この電源遮断部126によって、通信部114の機能が確実に停止される。
この実施形態の携帯情報機器110によれば、前記のような小型で、かつ、短絡のおそれが無い圧電振動子40を備えることで、小型で、信頼性の高い携帯情報機器を提供することができる。
[電波時計]
次に、本発明に係る電波時計を説明する。図12は、この電波時計の一実施形態の構成を示すブロック図である。図12に示すように、この実施形態の電波時計130は、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子40を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子40を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。なお、圧電振動子40として、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する圧電振動子部134、135をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路136により検波復調される。そして、波形整形回路137を介してタイムコードが取り出され、CPU138でカウントされる。CPU138では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC139に反映され、正確な時刻情報が表示される。搬送波は40kHz若しくは60kHzであるから、圧電振動子部134、135は、上述した音叉型の構造を持つ圧電振動子が好適である。60kHzを例にとれば、音叉型振動子片の寸法例として、全長が約2.8mm、基部の幅寸法が約0.5mmの寸法で構成することが可能である。
この実施形態の電波時計130によれば、前記のような小型で、かつ、短絡のおそれが無い圧電振動子40を備えることで、小型で、信頼性の高い電波時計を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、振動のモードは、音叉型である屈曲振動に限定されず、厚み滑り振動モード等の他の振動モードの振動片であってもよい。また、圧電体材料は、水晶に限定されず、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ランガサイト等の圧電材料であってもよい。
また、本発明は前記実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態のパレットでは基材としてステンレスを用いたが、他の金属あるいは合金を用いることもできる。さらに、前記実施形態では基材にコーティングされる絶縁材として絶縁性樹脂を用いたが、絶縁材として例えばガラスを用いることもできる。その場合、ガラスを溶融しておき、その中に基材を浸漬し引き上げることにより、基材に対してガラスを液相法でコーティングすることができる。
(a)、(b)は本発明のパレットの一実施形態を示す図である。 図1に示したパレットの気密端子を保持した状態を示す平面図である。 図2のB−B線矢視断面図である。 図2の要部拡大図である。 圧電振動子の製造工程を説明するためのフローチャートである。 圧電振動子の製造工程説明図である。 圧電振動子の製造工程説明図である。 圧電振動子の製造工程説明図である。 本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る発振器の概要図である。 本発明に係る電子機器のブロック図である。 本発明に係る電波時計のブロック図である。 (a)、(b)は、気密端子とシリンダー型のケース(パッケージ)を示す模式図である。
符号の説明
1…圧電振動子、2…リード、3…インナーリード、4…アウターリード、5…充填材、7…リング、8…圧電振動子片、10…パレット、11…端面、12…ガイド対(保持部)、12a…ガイド溝、14…凹部、20…ケース、40…圧力振動子

Claims (7)

  1. 環状のリングと、該リングを貫通した状態で配置され、リングを間に挟んで一端側が圧電振動子片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされた2本のリードと、を有し、前記インナリードに圧電振動子片を接合する気密端子を、保持するための保持部を有してなるパレットであって、
    金属製で板状の基材と、
    前記基材の、少なくとも前記保持部を形成した面に液相法でコーティングされてなる絶縁材と、を備えてなることを特徴とするパレット。
  2. 前記絶縁材として、絶縁性樹脂が用いられてなることを特徴とする請求項1記載のパレット。
  3. 前記絶縁性樹脂が、ポリイミドであることを特徴とする請求項2記載のパレット。
  4. 前記保持部は、前記気密端子の2本のアウターリードをそれぞれ保持する2本のガイド溝からなるガイド対が、それぞれのガイド溝の一方の端部をパレットの端面側に開口して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパレット。
  5. 前記ガイド溝の他方の端部に連通して、該ガイド溝に保持されたアウターリードの端部を位置させる溝状の凹部が、前記パレットの端面の長さ方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項4記載のパレット。
  6. 前記ガイド対をなす2本のガイド溝間の間隔は、前記パレットの端面側の端縁部での間隔W1が、前記2本のアウターリードの前記リング側における間隔Wより狭く、前記凹部側での間隔W2が、前記間隔Wより広く形成されていることを特徴とする請求項5記載のパレット。
  7. 環状のリングと、該リングを貫通した状態で配置され、リングを間に挟んで一端側が圧電振動子片に電気的に接続されるインナーリードとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリードとされた2本のリードと、を有してなる気密端子の前記インナリードに圧電振動子片を接合し、次いで、前記圧電振動子片の周波数を微調整し、その後、前記圧電振動子片を覆ってケースを前記気密端子のリングに圧入する、圧電振動子の製造方法であって、
    前記気密端子の2本のアウターリードを、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパレットの保持部に保持させ、その状態で前記気密端子を圧電振動子組立工程に流動させることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
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