JP4968018B2 - 自動変速機用流体フィルタ及びその組付方法 - Google Patents
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Description
しかし、上記従来の自動変速機用流体フィルタでは、アッパケース、ロアケース及び濾過エレメントの3部品で主に構成されており、部品点数が多くコスト高となっていた。
さらに、バルブボディ及びベース部材を振動溶着する工程が必要であり、部品点数は削減できても加工工数は低減できず、コスト低減においても限界がある。
さらに、平板状の金属枠でシールを行っているので、シールの信頼性を高めるために極めて多数のボルトを用いて金属枠をバルブボディに強固に締付ける必要があり、煩雑な組み付け作業となる。
1.流体路が形成されたバルブボディに取り付けられて該バルブボディとの間で濾過室を形成するケース部材と、
前記濾過室内に配置され、且つ、濾過材及び該濾過材の外周縁を支持する樹脂製の支持枠を有する濾過エレメントと、
前記ケース部材の周壁の上端部内周側の表面、前記支持枠の上端部外周側の表面、及び前記バルブボディの表面に圧接するシール部材と、を備え、
前記シール部材により、前記ケース部材と前記支持枠との間が液密状態に保持されるとともに、前記ケース部材と前記バルブボディとの間が気密状態に保持されることを特徴とする自動変速機用流体フィルタ。
2.前記支持枠は、前記ケース部材の周壁の内周側に形成された段差状部に嵌合固定され、前記シール部材は、前記ケース部材の周壁の上端部内周側及び前記支持枠の上端部外周側のうちの少なくとも一方側に形成された切欠部に配置されている上記1.記載の自動変速機用流体フィルタ。
3.前記支持枠は、前記ケース部材の周壁の内周側に所定の隙間をもって嵌合されており、前記シール部材は、前記所定の隙間に圧入される圧入部を有している上記1.又は上記2.記載の自動変速機用流体フィルタ。
4.前記ケース部材は、前記バルブボディに設けられた係止部に係止する係止フックと、該係止フックを弾性的に支持する弾性支持部と、を有している上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の自動変速機用流体フィルタ。
5.濾過材及び該濾過材の外周縁を支持する樹脂製の支持枠を有する濾過エレメントをケース部材内に配置すると共に、該ケース部材の周壁の上端部内周側と該支持枠の上端部外周側との間にシール部材を配置する第1工程と、
流体路が形成されたバルブボディに前記ケース部材を取り付けて前記シール部材を該バルブボディに圧接させる第2工程と、を備え、
前記シール部材により、前記ケース部材と前記支持枠との間が液密状態に保持されるとともに、前記ケース部材と前記バルブボディとの間が気密状態に保持されることを特徴とする自動変速機用流体フィルタの組付方法。
また、前記シール部材が、前記ケース部材の周壁の上端部内周側及び前記支持枠の上端部外周側のうちの少なくとも一方側に形成された切欠部に配置されている場合は、シール部材が切欠部内で位置決めされるので、バルブボディにケース部材を取り付ける際のシール部材の位置ずれを防止できる。
また、前記支持枠が、前記ケース部材の周壁の内周側に所定の隙間をもって嵌合されており、前記シール部材が、前記所定の隙間に圧入される圧入部を有している場合は、シール部材の圧入部の所定の隙間への圧入によりケース部材、濾過エレメント及びシール部材が一体化されるので、バルブボディに自動変速機用流体フィルタを更に容易に組み付けることができる。また、バルブボディにケース部材を取り付ける際のシール部材の位置ずれを防止できる。さらに、自動変速機用流体フィルタを運搬、保管等する際の取り扱い性に優れる。
さらに、前記ケース部材が、係止フックと弾性支持部とを有している場合は、弾性支持部の弾性変形を伴ってバルブボディに設けられた係止部に係止フックが係止されてバルブボディにケース部材が取り付けられる。従って、バルブボディに自動変速機用流体フィルタを更に容易に組み付けることができる。
本実施形態1.に係る自動変速機用流体フィルタは、以下に述べるケース部材、濾過エレメント及びシール部材を備えている。
なお、上記バルブボディの材質としては、アルミニウム、鉄等の金属、樹脂などを挙げることができる。これらのうち、高強度且つ高精度といった観点から、金属であることが好ましい。
上記濾過エレメントは、例えば、上記濾過材及び支持枠をインサート成形により一体成形してなることができる。
上記圧入部としては、例えば、(1)主シール部から下方に延びる平板状に形成されている形態(図5参照)、(2)主シール部の下方に連なる縦断面略L字状に形成されている形態(図7参照)などを挙げることができる。上記(2)形態では、上記圧入部が、支持枠の上端部外周側に形成された係止部に係止可能であることが好ましい。ケース部材と支持枠との所定の隙間に圧入部を圧入させ易いためである。
本実施形態2.に係る自動変速機用流体フィルタの組付方法は、以下に述べる第1工程及び第2工程を備えている。
なお、上記濾過エレメント、ケース部材及びシール部材としては、例えば、上述の実施形態1.で説明した各部材の構成を適用することができる。
上記(1)(2)形態によると、シール部材の圧入部の所定の隙間への圧入によりケース部材、濾過エレメント及びシール部材が一体化されるので、バルブボディに自動変速機用流体フィルタを更に容易に組み付けることができる。さらに、自動変速機用流体フィルタを運搬、保管等する際の取り扱い性に優れる。
(1)自動変速機用流体フィルタの構成
本実施例1に係る自動変速機用流体フィルタ1Aは、図1及び2に示すように、複数の流体路(図示せず)が形成されたアルミニウム製のバルブボディ2(図3参照)に取り付けられ、このバルブボディ2との間で濾過室3を形成する樹脂製のケース部材4を備えている。このケース部材4は、流体の流入口5aが形成された底壁5と、この底壁5の外周縁から立ち上がる周壁6とを有している。この周壁6の上端部外周側には、取付ボルト16(図3参照)のための複数の取付部7が設けられている。
なお、上記バルブボディ2の流体路には、図示しないスプール弁が設けられており、スプール弁による流体路の切り替えに応じて自動変速機のクラッチが切り替えられるようになっている。
次に、上記構成の自動変速機用流体フィルタ1Aの組付方法について説明する。
先ず、図2に示すように、支持枠12をケース部材4の周壁6の内周側に嵌合固定させて濾過エレメント10をケース部材4内に配置して、ケース部材4の周壁6の上端面と支持枠12の上端面とを略同じ高さレベルとする。次に、ケース部材4の周壁6及び支持枠12に形成された切欠部13内にシール部材15を圧入配置する。次いで、図3に示すように、バルブボディ2の吐出口2aを囲むようにバルブボディ2の取付面にケース部材4の周壁6の上端面及び支持枠12の上端面を宛がって、シール部材15をバルブボディ2に圧接させる。その後、ケース部材4の取付部7を介してバルブボディ2にケース部材4をボルト16止めして、自動変速機用流体フィルタ1Aが組み付けられる。
以上より、本実施例1では、アッパケースを省略して、ボルト16止めによりバルブボディ2にケース部材4を取り付けるようにしたので、従来のように振動溶着によりバルブボディ及びケース部材を一体化するものと比べて、部品点数及び加工工数を削減してコスト低減を図ることができると共に、バルブボディ2の材質、形状等に拘わらず容易に自動変速機用流体フィルタ1Aを組み付けることができる。
次に、実施例2に係る自動変速機用流体フィルタについて説明する。なお、本実施例2に係る自動変速機用流体フィルタにおいて、上記実施例1の自動変速機用流体フィルタ1Aと略同じ構成部位には同符合を付けて詳説を省略する。
本実施例2に係る自動変速機用流体フィルタ1Bでは、図4に示すように、ケース部材4の周壁6の上端部外周側に、バルブボディ2に設けられた段付き孔状の係止部2bに係止する係止フック17と、この係止フック17を弾性的に支持する弾性支持部18とが設けられている。
次に、上記構成の自動変速機用流体フィルタ1Bの組付方法について説明する。
先ず、濾過エレメント10をケース部材4内に配置して、ケース部材4の周壁6の上端面と支持枠12の上端面とを略同じ高さレベルとする。次に、ケース部材4の周壁6及び支持枠12に形成された各切欠部13にシール部材15を挿入する。次いで、バルブボディ2の吐出口2aを囲むようにバルブボディ2の取付面にケース部材4の周壁6の上端面及び支持枠12の上端面を宛がって、シール部材15をバルブボディ2に圧接させる。このとき、弾性支持部18の弾性変形を伴って係止フック17がバルブボディ2の係止部2b内に挿通されて係止され、バルブボディ2にケース部材4が取り付けられ、自動変速機用流体フィルタ1Bが組み付けられる。
以上より、本実施例2では、上記実施例1と略同様の作用・効果を発揮できることに加えて、係止フック17によりバルブボディ2にケース部材4を取り付けるようにしたので、バルブボディ2に自動変速機用流体フィルタ1Bを更に容易に組み付けることができる。
次に、実施例3に係る自動変速機用流体フィルタについて説明する。なお、本実施例3に係る自動変速機用流体フィルタにおいて、上記実施例1及び2の自動変速機用流体フィルタ1A,1Bと略同じ構成部位には同符合を付けて詳説を省略する。
本実施例3に係る自動変速機用流体フィルタ1Cでは、図5に示すように、濾過エレメント10を構成する支持枠12は、ケース部材4の周壁6の内周側に所定の隙間Sをもって嵌合される。また、ケース部材4の周壁6の上端部内周側には矩形状の切欠部20が形成されている。この切欠部20内には、ゴム製のシール部材21が配置されている。このシール部材21は、バルブボディ2にケース部材4を取り付けた状態で、ケース部材4の周壁6の上端部内周側の表面、支持枠12の上端部外周側の表面、及びバルブボディ2の表面に圧接する主シール部21aと、この主シール部21aから下方に延びる平板状であり且つ所定の隙間Sに圧入される圧入部21bとからなっている。この圧入部21bは、主シール部21aの全周にわたって設けられている。
次に、上記構成の自動変速機用流体フィルタ1Cの組付方法について説明する。
先ず、図6に示すように、ケース部材4の周壁6に形成された切欠部20内にシール部材21を配置する。次に、支持枠12をケース部材4の周壁6の内周側に所定の隙間Sをもって嵌合させて濾過エレメント10をケース部材4内に配置する。すると、ケース部材4の周壁6の上端面と支持枠12の上端面とが略同じ高さレベルとされると共に、シール部材21の圧入部21bが所定の隙間Sに圧入される。次いで、バルブボディ2の吐出口2aを囲むようにバルブボディ2の取付面にケース部材4の周壁6の上端面及び支持枠12の上端面を宛がって、シール部材21の主シール部21aをバルブボディ2に圧接させる。このとき、弾性支持部18の弾性変形を伴って係止フック17がバルブボディ2の係止部2b内に挿通されて係止され、バルブボディ2にケース部材4が取り付けられ、自動変速機用流体フィルタ1Cが組み付けられる。
以上より、本実施例3では、上記実施例1及び2と略同様の作用・効果を発揮できることに加えて、シール部材21の圧入部21bの所定の隙間Sへの圧入によりケース部材4、濾過エレメント10及びシール部材21が一体化されるので、バルブボディ2に自動変速機用流体フィルタ1Cを更に容易に組み付けることができる。また、バルブボディ2にケース部材4を取り付ける際のシール部材21の位置ずれを防止できる。さらに、自動変速機用流体フィルタ1Cを運搬、保管等する際の取り扱い性に優れる。
また、本実施例3では、圧入部21bを主シール部21aの全周にわたって設けるようにしたので、シール部材21によるシールの信頼性を更に高めることができる。
次に、実施例4に係る自動変速機用流体フィルタについて説明する。なお、本実施例4に係る自動変速機用流体フィルタにおいて、上記実施例1及び2の自動変速機用流体フィルタ1A,1Bと略同じ構成部位には同符合を付けて詳説を省略する。
本実施例4に係る自動変速機用流体フィルタ1Dでは、図7に示すように、濾過エレメント10を構成する支持枠12は、ケース部材4の周壁6の内周側に所定の隙間Sをもって嵌合される。また、支持枠12の上端部は、外側に折り曲げられて係止部23となっている。また、ゴム製のシール部材24は、バルブボディ2にケース部材4を取り付けた状態で、ケース部材4の周壁6の上端部内周側の表面、支持枠12の上端部外周側の表面、及びバルブボディ2の表面に圧接する主シール部24aと、この主シール部24aから下方に連なる縦断面略L字状であり且つ係止部23に係止可能な圧入部24bとからなっている。この圧入部24bは、主シール部24aの全周にわたって設けられている。また、圧入部24bは、上述の所定の隙間S内に圧入されている。
次に、上記構成の自動変速機用流体フィルタ1Dの組付方法について説明する。
先ず、図8に示すように、支持枠12の係止部23にシール部材24の圧入部24bを係止する。次に、その支持枠12をケース部材4の周壁6の内周側に所定の隙間Sをもって嵌合させて濾過エレメント10をケース部材4内に配置する。すると、ケース部材4の周壁6の上端面と支持枠12の上端面とが略同じ高さレベルとされると共に、シール部材24の圧入部24bが所定の隙間S内に圧入される。次いで、バルブボディ2の吐出口2aを囲むようにバルブボディ2の取付面にケース部材4の周壁6の上端面及び支持枠12の上端面を宛がって、シール部材24の主シール部24aをバルブボディ2に圧接させる。このとき、弾性支持部18の弾性変形を伴って係止フック17がバルブボディ2の係止部2b内に挿通されて係止され、バルブボディ2にケース部材4が取り付けられ、自動変速機用流体フィルタ1Dが組み付けられる。
以上より、本実施例4では、上記実施例1及び2と略同様の作用・効果を発揮できることに加えて、シール部材24の圧入部24bの所定の隙間Sへの圧入によりケース部材4、濾過エレメント10及びシール部材24が一体化されるので、バルブボディ2に自動変速機用流体フィルタ1Dを更に容易に組み付けることができる。また、バルブボディ2にケース部材4を取り付ける際のシール部材24の位置ずれを防止できる。さらに、自動変速機用流体フィルタ1Dを運搬、保管等する際の取り扱い性に優れる。
また、本実施例4では、圧入部24bを主シール部24aの全周にわたって設けるようにしたので、シール部材24によるシールの信頼性を更に高めることができる。
Claims (5)
- 流体路が形成されたバルブボディに取り付けられて該バルブボディとの間で濾過室を形成するケース部材と、
前記濾過室内に配置され、且つ、濾過材及び該濾過材の外周縁を支持する樹脂製の支持枠を有する濾過エレメントと、
前記ケース部材の周壁の上端部内周側の表面、前記支持枠の上端部外周側の表面、及び前記バルブボディの表面に圧接するシール部材と、を備え、
前記シール部材により、前記ケース部材と前記支持枠との間が液密状態に保持されるとともに、前記ケース部材と前記バルブボディとの間が気密状態に保持されることを特徴とする自動変速機用流体フィルタ。 - 前記支持枠は、前記ケース部材の周壁の内周側に形成された段差状部に嵌合固定され、前記シール部材は、前記ケース部材の周壁の上端部内周側及び前記支持枠の上端部外周側のうちの少なくとも一方側に形成された切欠部に配置されている請求項1記載の自動変速機用流体フィルタ。
- 前記支持枠は、前記ケース部材の周壁の内周側に所定の隙間をもって嵌合されており、前記シール部材は、前記所定の隙間に圧入される圧入部を有している請求項1記載の自動変速機用流体フィルタ。
- 前記ケース部材は、前記バルブボディに設けられた係止部に係止する係止フックと、該係止フックを弾性的に支持する弾性支持部と、を有している請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動変速機用流体フィルタ。
- 濾過材及び該濾過材の外周縁を支持する樹脂製の支持枠を有する濾過エレメントをケース部材内に配置すると共に、該ケース部材の周壁の上端部内周側と該支持枠の上端部外周側との間にシール部材を配置する第1工程と、
流体路が形成されたバルブボディに前記ケース部材を取り付けて前記シール部材を該バルブボディに圧接させる第2工程と、を備え、
前記シール部材により、前記ケース部材と前記支持枠との間が液密状態に保持されるとともに、前記ケース部材と前記バルブボディとの間が気密状態に保持されることを特徴とする自動変速機用流体フィルタの組付方法。
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