JP4817541B2 - フッ素化ビニルエーテルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食塩電解用隔膜として有用なフッ素系ポリマーの原料モノマーであるフッ素化ビニルエーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
苛性ソーダや塩素を製造する食塩電解ではイオン交換膜法が広く採用されており、その隔膜であるイオン交換膜としては、電流効率が優れていることからパーフルオロスルホン酸ポリマーとパーフルオロカルボン酸ポリマーの積層タイプの膜が主として用いられている。
用いられているパーフルオロスルホン酸ポリマーおよびパーフルオロカルボン酸ポリマーとしては下記一般式(4):
【化4】
(式中、m=0〜1、n=1〜5の整数、X=COOH,SO3 Hである。)
の構造のものが一般的である(三宅晴久、「フッ素系材料の開発」p105、シーエムシー、1994年)。これらのポリマーは、下記一般式(5):
【化5】
(式中、m、nは上記一般式(4)と同じ、X’=COOR,SO2 F、R=アルキル基である。)
で表されるフッ素化ビニルエーテルモノマーとテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体を製膜した後、加水分解反応を施すことによって得られる。
【0003】
このフッ素化ビニルエーテルモノマーのうち、パーフルオロカルボン酸ポリマーの原料となるのは上記一般式(5)におけるX’=COORのモノマーであり、それぞれの構造に応じた種々の製造方法が提案されている。例えば、末端にCH3 OCF2 CF2 −基を有するビニルエーテルを強酸で処理してエステル基を導入する方法(特開昭60−156632号公報)、末端に酸フルオリドを有するビニルエーテルをエステル化する方法(特開昭54−112822号公報)、ICF2 CF2 O−構造を有する前駆体から脱IF反応でビニル基を導入する方法(特開昭55−31004号公報)等が提案されているが、原料合成が容易で、比較的好収率を与える製造法は、以下に示すように、酸フルオリドを熱分解して製造する方法であり、最も有用な製造方法のひとつである。
【0004】
【化6】
(式中、Mはアルカリ金属等の金属)
この方法には、加熱した炭酸ナトリウム等のアルカリ粉末中に上記一般式(1)の酸フルオリドをフィードし、熱分解して生成したビニルエーテルモノマーを冷却捕集する方法(以下、フロー法と称す)、上記一般式(1)の酸フルオリドを一旦アルカリと反応させて上記一般式(6)のカルボン酸塩に変換した後、加熱熱分解してビニルエーテルモノマーを得る方法(以下、2段法と称す)が知られている。
【0005】
前者のフロー法の例としては、特開昭53−132519号公報に上記一般式(1)、(6)、(2)においてm=1または2、n=2、M=Na、R=CH3 の場合の例があり、m=1の場合で収率67%、m=2の場合、収率61%でビニルエーテルモノマーを得ている。
一方、後者の2段法の例は特開昭52−78827号公報に記載があり、m=0、n=3、M=Na、R=C2 H5 の場合で収率61%、m=0、n=3、M=K、R=C2 H5 の場合で収率63〜65%、m=1、n=3、M=K、R=C2 H5 の場合で収率51%という結果が報告されている。
即ち、いずれの場合も収率は50〜60%台にとどまり決して高いものではなかった。特に前者のフロー法では一般に原料の酸フルオリドの沸点が反応温度よりも低いため、炭酸塩との接触効率が悪く、転化率を上げにくい欠点もあった。
【0006】
また、特表平7−505164号公報には、上記一般式(1)においてm=1、n=2、R=CH3 の酸フルオリドをシリルエステルに変換した後、高温でKFと反応させることにより、上記一般式(2)のビニルエーテルを得る方法が開示されている。しかしながらこの方法は、プロセスが繁雑な上、収率も69%であり、それほど改善されたものではなかった。
尚、上記一般式(6)においてMがナトリウムの場合とカリウムの場合との反応性の違いについてはそのことを示唆するような報告例はなく、実際、特開昭52−78827号公報の例(m=0、n=3)においても有意の差は認められていなかった。
【0007】
前述のように、これまでに上記一般式(1)で表される酸フルオリドより、上記一般式(2)で表されるフッ素化ビニルエーテルを製造する方法としては、高収率製造法が知られていなかった。それらの公知文献の反応成績を以下にまとめて示す。
<フロー法>(特開昭53−132519号公報)
m=1、n=2、M=Na 収率67%
m=2、n=2、M=Na 収率61%
<2段法>(特開昭52−78827号公報)
m=0、n=3、M=Na 収率61%
m=0、n=3、M=K 収率63〜65%
m=1、n=3、M=K 収率51%
従って、上記一般式(1)の酸フルオリドより上記一般式(2)のフッ素化ビニルエーテルを製造する方法は収率が不充分であり、より経済的に有利な、高収率製造法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解消するものであり、上記一般式(1)中の特定の酸フルオリドから上記一般式(2)中の特定のフッ素化ビニルエーテルを高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記一般式(1)で表される酸フルオリドより上記一般式(2)で表されるフッ素化ビニルエーテルを高収率で製造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、上記一般式(1)中の特定の酸フルオリドを、特定の条件で処理することにより、転化率100%かつ高収率で、高品質の、上記一般式(2)中の特定のフッ素化ビニルエーテルを得ることができることを見い出し、本発明をなすに至った。即ち本発明は、
1.下記一般式(1):
【化7】
(式中、m=1、n=2、Rはアルキル基である。)
で表される酸フルオリドを、カリウム原子を含むアルカリと、沸点100℃以下の非プロトン性極性溶媒中で0〜80℃で反応させて、下記式(3):
【化8】
(式中、Rは上記一般式(1)と同じ。)
で表されるカリウム塩に変換してから、上記(3)で表わされるカリウム塩を無溶媒で120〜300℃で熱分解することにより、下記一般式(2):
【化9】
(式中、m、n、Rは上記一般式(1)と同じ。)
で表されるフッ素化ビニルエーテルを製造することを特徴とするフッ素化ビニルエーテルの製造方法、
2.前記一般式(3)で表わされるカリウム塩を固体状態で保って、熱分解を行うことを特徴とする上記1に記載のフッ素化ビニルエーテルの製造方法、
3.前記一般式(1)で表わされる酸フルオリドの純度が、80重量%であることを特徴とする上記1又は2に記載のフッ素化ビニルエーテルの製造方法、
である。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、まずは適用される構造が上記一般式(6)においてm=1、n=2の酸フルオリド、即ち下記式(7):
【化10】
(式中、Rは上記一般式(1)と同じ。)
の酸フルオリドから、上記一般式(2)においてm=1、n=2のフッ素化ビニルエーテル、即ち下記式(8):
【化11】
(式中、Rは上記一般式(1)と同じ。)
のフッ素化ビニルエーテルを製造する方法に限定され、且つその反応条件を特定することで、転化率100%を達成すると同時に反応収率を特異的に高めたものである。特定の反応条件とは、まずフロー法ではなく2段法であること、またその際の中間のカルボン酸塩がカリウム塩に限定されること、熱分解が無溶媒で行われるということである。
【0011】
本発明の製造方法において重要なポイントは、特定の構造である上記式(7)の酸フルオリドをまずは上記式(3)のカリウム塩に変換する点にある。従来方法で広く用いられていたように上記式(7)の酸フルオリドをナトリウム塩に変換すると、上記式(3)に相当するナトリウム塩が室温または熱分解前の温度で溶融しやすく、その際、副反応生成物として上記式(7)の酸フルオリドがエステル化された下記式(9)のジエステル化合物:
【化12】
(式中、Rは上記一般式(1)と同じ。)
が生成することで目的物の収率を引き下げていることがわかった。しかしながら本発明者らはこれをナトリウム塩ではなく、特定の構造である上記式(3)のカリウム塩にすることで熱分解温度においてもカルボン酸塩が固体状態を保つことを見出した。従って、一旦完全にカルボン酸塩に転換してしまっても固体状態(流動性のない状態)で熱分解することが可能になり、カルボン酸塩の流動化による副反応がないので、高収率で目的の上記式(8)のフッ素化ビニルエーテルが得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
上記式(7)の酸フルオリドを上記式(3)のカリウム塩に変換する方法としては、溶媒中または無溶媒でカリウム原子を含むアルカリと反応させればよい。カリウム原子を含むアルカリとしては、具体的には炭酸カリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、酢酸カリウム等が挙げられるが、カリウムの対イオン成分がガスとして除けるので炭酸カリウムが好ましい。炭酸カリウムとしては、顆粒状のもの、粉末状のもの、微粉状のもの、比表面積を高めた顆粒状のものあるいはその粉末状のもの、微粉状のもののいずれを用いることもできる。また、使用前によく乾燥しておくことが好ましい。アルカリとの反応で溶媒を用いる場合、一般には極性溶媒が用いられる。具体的には水または、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は反応後に除去する必要があるが、除去が容易な沸点100℃以下の溶媒が好ましい。また熱分解時にプロトン性溶媒が残存するとトリフルオロビニル基の代わりにプロトン化されたCF3 CHF−基が生成することがあるので、溶媒としては非プロトン性溶媒が好ましい。これらの条件を満たす溶媒としては、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル等が挙げられる。アルカリとの反応で溶媒を用いる場合、副反応を抑制するために反応温度は0〜80℃の範囲が好ましく、20〜60℃の範囲がさらに好ましい。尚、アルカリとの反応は無溶媒で行うこともできる。この場合、カリウムの対イオン成分が反応後に残らない、炭酸カリウムとの反応を無溶媒で行うことが好ましい。この場合には、反応温度は50〜150℃が好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。
【0013】
カリウム塩に変換するときに用いられるアルカリの量は、一般には酸フルオリドを完全にカリウム塩に変換するために必要な当量を用いればよいが、必要により過剰量用いてもよい。例えば炭酸カリウムの場合、一般には当量〜4当量の範囲、好ましくは当量〜2当量の範囲で用いられる。
本発明の製造方法において、用いる上記式(7)の酸フルオリドは純度が高いことが好ましい。上記式(7)の酸フルオリドに不純物が含まれると副反応が起こりやすくなり収率が低下する。このような不純物の影響を実質的に排除することためには上記式(7)の酸フルオリドの純度は80重量%以上が好ましく、さらに好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上である。
【0014】
付け加えるならば、上記式(7)の酸フルオリドの製造する際には下記一般式(10):
【化13】
(式中、mは0または2以上の整数、Rは上記一般式(1)と同じ。)
の酸フルオリドが副生することが一般的であって、従ってそれらが不純物として混入してくることがあり得る。即ち、上記式(7)の酸フルオリドに不純物として上記一般式(10)の化合物を含む場合、その量は20重量%未満であることが好ましく、さらに好ましくは10重量%未満であり、さらに好ましくは5重量%未満である。
【0015】
本発明の製造方法において、上記式(7)の酸フルオリドにおけるRのアルキル基は、蒸留精製が容易になるので炭素数は少ない方が好ましく、通常は炭素数1〜4個の低級アルキル基が採用される。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等が例示され、中でもメチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記式(3)のカリウム塩は熱分解温度以上に加熱することで脱炭酸反応し、上記式(8)のビニルエーテルを生成する。この熱分解そのものは、溶媒中でも無溶媒でも進行するが、副反応を抑制し、収率を高めるためには無溶媒で行う必要がある。加熱温度は脱炭酸反応が進行する温度であれば差し支えないが、一般には120〜300℃、好ましくは150〜250℃で行われる。熱分解中は生成したビニルエーテルが系内に滞留しないようにすることが望ましく、熱分解温度がビニルエーテルの常圧での沸点以上である場合には、ビニルエーテルを速やかにコンデンサーに導き、捕集することが好ましい。また熱分解温度がビニルエーテルの沸点以下の場合でも系内を減圧にする、あるいは不活性ガスをフローする等の方法によりビニルエーテルを系内から除去することが好ましい。
【0016】
本発明の方法で製造されたフッ素化ビニルエーテルは、高収率で得られる上に転化率100%なので未反応酸フルオリドを含まず、また副反応も少ないので高純度で得られる。従って、本発明の製造方法は反応後の精製が極めて容易であるという特長を有する。
以上のように本発明の製造方法は、食塩電解用イオン交換膜の原料として用いられているフッ素化ビニルエーテルを高収率で製造でき、極めて有用である。また本発明の方法で製造されたビニルエーテルは、その純度が高く、後工程としての精製が容易であるという特長を有する。
【0017】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。尚、反応収率は原料純度から換算して求めた。
【実施例1】
100mlのフラスコに、14.5gの炭酸カリウムと20mlのエチレングリコールジメチルエーテルを入れておき、上記式(7)の酸フルオリドにおいてR=CH3 の化合物(純度96重量%)48.8gを、40℃で滴下した。そのまま2時間攪拌を続けた後、溶媒を減圧で留去し、さらに100℃で真空乾燥し、KFを含む固体状のカリウム塩を得た。完全にカリウム塩に変換されていることは19F−NMRで確認した。フラスコに蒸留ヘッドとコンデンサーを付け、そのまま常圧で200℃まで加熱し、液の生成が収まるまで200℃で加熱を続けた。その間、カリウム塩は固体状態を維持していた。回収された液体38.3gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記式(8)のビニルエーテルが純度96重量%で含まれていた(収率91%)。また、上記式(9)のジエステルが2重量%含まれていた。
【0018】
【比較例1】
炭酸カリウムの代わりに11.1gの炭酸ナトリウムを用いた以外、実施例1と同様に反応を行った。溶媒を留去して得られたナトリウム塩は粘稠な液体であった。また、熱分解で得られた液体35.3gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記式(8)のビニルエーテルの純度は80重量%であり(収率66%)、上記式(9)のジエステルは17重量%含まれていた。
【比較例2】
200mlの三口フラスコに18.5gの炭酸カリウムを入れておき、220℃に加熱した。この中に、実施例1で用いたものと同じ上記式(7)の酸フルオリド48.8gを少量ずつ滴下した。生成物はコンデンサーで捕集し、得られた39.2gの液体をガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記式(8)のビニルエーテルが65重量%(収率61%、選択率76%)、未反応の酸フルオリドが25重量%、上記式(9)のジエステルが1重量%含まれていた。
【0019】
【比較例3】
炭酸カリウムの代わりに14.2gの炭酸ナトリウムを用いた以外、比較例2と同様に反応を行った。得られた液体40.3gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記式(8)のビニルエーテルが68重量%(収率64%、選択率72%)、未反応の酸フルオリドが13重量%、上記式(9)のジエステルが9重量%含まれていた。
【0020】
【参考実施例2】
200mlの三口フラスコに27.6gの炭酸カリウムを入れておき、100℃で実施例1と同じ上記式(7)の酸フルオリド(純度95重量%)48.8gを滴下した。さらに2時間反応を続けたところ、全体が固化した。この段階で、19F−NMRで酸フルオリドが完全にカリウム塩に変換されていることを確認した。そのままフラスコを200℃まで加熱し、熱分解反応を行った。得られた39.5gの液体をガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記式(8)のビニルエーテルが91重量%(収率89%)、上記式(9)のジエステルが4重量%含まれていた。
【0021】
【比較例4】
上記式(7)の酸フルオリドの代わりにCH3 OCOCF2 CF2 OCF(CF3 )COF(上記一般式(1)においてm=0、n=2、R=CH3 )(純度93重量%)32.2gを用いた以外、実施例1と同様に反応を行った。中間で完全にカリウム塩に変換されていることは19F−NMRで確認した。カリウム塩は200℃まで加熱すると激しく白煙を生じながら分解したが、液の生成が収まるまで200℃で加熱を続けた。回収された液体15.7gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記一般式(2)においてm=0、n=2、R=CH3 のビニルエーテルを少量含む複雑な混合物であった。
【比較例5】
炭酸カリウムの代わりに11.1gの炭酸ナトリウムを用いた以外、比較例4と同様に反応を行った。中間で生成したナトリウム塩は粘稠な液体であった。また、熱分解で得られた液体16.5gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、比較例4と同じビニルエーテルを少量含む複雑な混合物であった。
【0022】
【比較例6】
上記式(7)の酸フルオリドの代わりに上記一般式(1)においてm=1、n=3、R=CH3 の酸フルオリド(純度95重量%)53.8g、炭酸カリウムの代わりに11.1gの炭酸ナトリウムを用いた以外、実施例1と同様に反応を行った。溶媒を留去して得られたナトリウム塩は粘稠な液体であった。また、熱分解で得られた液体39.2gをガスクロマトグラフィーで分析したところ、上記一般式(2)においてm=1、n=3、R=CH3 のビニルエーテルの純度は73重量%であり(収率64%)、ジエステル化合物が18重量%含まれていた。
【0023】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、食塩電解用イオン交換膜の原料として用いられているフッ素化ビニルエーテルを高収率で製造でき、極めて有用である。また本発明の方法で製造されたビニルエーテルは、その純度が高く、後工程としての精製が容易であるという特長を有する。
Claims (3)
- 前記一般式(3)で表わされるカリウム塩を固体状態で保って、熱分解を行うことを特徴とする請求項1に記載のフッ素化ビニルエーテルの製造方法。
- 前記一般式(1)で表わされる酸フルオリドの純度が、80重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素化ビニルエーテルの製造方法。
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