以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図32に本発明にかかるメダルゲーム装置の実施形態を示す。このメダルゲーム装置は、キャラクタ等の種々のギミックが配された大型の回転センタユニット6を中心とし、その周囲に複数(一例として10個)のサテライト部2を円周状に等間隔に配置し、複数または複数組のプレーヤが同時に遊戯できるようにしたいわゆるマスメダルマシーンの一種であり、プレーヤ(遊戯者)がメダルMを投入した場合にプッシャ機能によってメダルMの払い出しを受けるだけではなく、各種ゲームを実行してより多くのメダルMの払い出しを受けることができるという娯楽性・遊戯性に富むものとして構成されているものである。
本実施形態のメダルゲーム装置は、プレーヤの操作に応じてメダルMを回転センタユニット6等に向けて発射するためのメダル発射装置8と、賞に相当する枚数のメダルMをプレーヤに払い出す払出し装置と、各サテライト部2から回転センタユニット6に向けて発射され落下したメダルMを回収するメインホッパ531と、を備えている。そして、このメダルゲーム装置は、賞を獲得したサテライト部2へのメダルMの払い出し動作に伴い、メインホッパ531におけるメダルMの枚数が所定枚数を下回るかまたはそのおそれがあると判断した場合には、当該サテライト部以外のサテライト部2におけるメダル発射装置8からメダルMを自動発射させてメインホッパ531にて当該メダルMを回収し、以降のメダル払い出し用に補充しておくという動作を行うこととしている。
まず、メダルゲーム装置の全体構成から説明する。図1に、本実施形態におけるメダルゲーム装置の外観図を示す。このメダルゲーム装置は、回転センタユニット6、サテライト部2、プッシャ部3、ジャックポット部4およびターンテーブル部5を備えているもので、回転センタユニット6とジャックポット部4が10個のサテライト部2によって囲まれた形態となっている。ジャックポット部4は、ターンテーブル部5とともに同量だけ回転するように構成されている。
また、このメダルゲーム装置においては、メダル送り機構14を利用してプッシャ部3に向けてメダルMを送ることができるようになっており、当該メダルMがプッシャ部3におけるスリット等の所定位置を通過等すると表示部20にビデオゲームの画像がこれに連動して表示されるようになっている。さらに、このメダルゲーム装置は、プレーヤにより操作されるメダル発射装置8からは回転センタユニット6等に設けられた各種オブジェクトに向けてメダルMを発射して飛ばすことができるようになっている。
メダルゲーム装置の本体を構成する筐体は、ベース筺体Ka、コンソール筺体Kb及び上部筺体Kcからなる。筺体の周囲には10個のサテライト部2が等間隔に配置されており、それぞれのサテライト部2にコンソールパネル10が突設されている(図1参照)。また、上部筺体Kcは、その内部を視認できるように透光性部材で形成されている。なお、隣接するサテライト部2の間には例えば透明ないしは半透明の仕切り板Kdなどを設けてもよい(図1〜図3参照)。
サテライト部2は、表示部20、払出し口21、受け皿22を備えている。表示部20は、図4に示すサテライトユニット200によりビデオゲームの画像が表示されるようになっている。払出し口21は、当該サテライト部2のプレーヤに対してメダルMが払い出される供給口である。例えばこの表示部20にメダルMのオブジェクトを表示すると同時にこの払出し口21からメダルMを払い出すことにより、あたかも表示部20の画像であるメダルMが払い出されたかのような感覚をプレーヤに与えることができる。受け皿22は、払出し口21から払い出されたメダルMを貯め、プレーヤが取り出せるようになっている。
表示部20は、例えば液晶パネル等のモニタ装置であり、後述の駆動モータ214を含む移動機構により、表示部20が上下に移動可能になっている(図5、図6参照)。本実施形態では、表示部20が上下に昇降する移動機構を備えているが、移動の仕方は上下の昇降に限定されず、他の様々な移動態様を含むものである。例えば、モニタ装置が左右にスライドする態様や、所定の軸で回転する態様でもよい。
また、各サテライト部2には、メダルMが保持された状態で遊動できかつ先端に向かって下方に傾斜して設置されたメダル送り機構14が、メダル投入部12と連通するように設けられている。このメダル送り機構14は、ガイド部とレール(図示省略)を備えている。ガイド部は、メダル投入部12の下側部分と連接され、投入されたメダルMを受け、かつこのメダルMをレールに送るための部材である。なお、このメダルゲーム装置においては、各サテライト部2にメダル投入部12およびメダル送り機構14が2セットずつ設けられており、2人のプレーヤが並んで同時に遊技できるようになっている(図1参照)。
さらに、各サテライト部2に対してプッシャ部3が設けられている。通常ゲーム時においてはこのプッシャ部3を標的にしたメダルゲームが行われるようになっている。プッシャ部3は、外周に複数種のスリットが設けられたチャッカ35(皿状体;スリット付きチャッカ)が内部に二つ並設されたプッシャ台36と、そのプッシャ台36の下方からプレーヤ側に延設されたメダル台37と、メダル台37のプレーヤ側前方に開口したメダル回収部38とを有している。
また、プッシャ台36は、固設されたメダル台37に対してプレーヤから見て前後方向に往復動可能に設けられている。さらに、プッシャ台36には、チャッカ35の前方に隙間を空けて設置されたガイド平板39(ガイド部材)が固定されている。このガイド平板39は、プレーヤが下方のメダル台37を視認可能なように透明部材で形成されており、プッシャ台36側からプレーヤ側に向かって斜め上向きにメダル送り機構14まで延設されており、プッシャ台36とともに前後方向に駆動される。
ここで、図33は、チャッカ35を示す斜視図であり、図34は、チャッカ35の周辺の要部を示す斜視図(一部透視図)である。両図に示す如く、チャッカ35は、すり鉢状をなし且つ中央に開口OPが形成された円盤状底部35aが、第1の領域R1、第2の領域R2、及び第3の領域R3に区画されたものである。各領域R1,R2,R3間には、放射状に配置された防壁部35bが設けられており、これらにより各領域R1,R2,R3が画成されている。なお、チャッカ35は、プッシャ部36において、開口OPが後述する入賞口としての開口部33と連通するように設置されている。
第1の領域R1には、円盤状底部35aの周縁部の一部上にその周縁に沿って複数の第1の壁W1が立設されており、隣接する第1の壁W1間に、メダルMの厚さよりも大きい幅(第1の幅)を有する第1のスリットSL1が形成されている。また、第2の領域R2には、円盤状底部35aの周縁部の他部上にその周縁に沿って複数の第2の壁W2が立設されており、隣接する第2の壁W2間に、第1のスリットSL1の幅よりも大きい幅(第2の幅)を有する第2のスリットSL2が形成されている。さらに、第3の領域R3は、上述した第1の壁W1や第2の壁W2のような障害物は設けられておらず、2つの防壁部35b間に、第3の領域R3全体がチャッカ35の円周外方に向かって開放された開放部Pが形成されている。
また、第1の壁W1及び第2の壁W2は、略楔状をなしており、円盤状底部35aの半径方向に沿って所定の厚さを有して先細りに形成されている。このような形状の第1の壁W1及び第2の壁W2により、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2は、円盤状底部35aの半径方向に沿って所定の厚さを有している。さらに、各領域R1,R2,R3における円盤状底部35aの上面には、放射状に延びた凸条Zが複数設けられている。なお、第1の領域R1及び第2の領域R2においては、凸条Zは、第1の壁W1及び第2の壁W2に対応してそれらの内部正面に設けられている。これらの複数の凸条Zにより、それらの間に、放射状に延在する複数の溝Mzが形成されている。
また、図34に示すように、ガイド平板39は、中央部が両端部よりも凹んだ形状を有しており、その両端部の上方にメダル送り機構14が位置するようにされている。また、ガイド平板39は、先述の如く、プッシャ台36側でチャッカ351,352(ともにスリット付きチャッカ)に対向する縁辺39nよりもその反対側の縁辺39fが高くなるように両端部の底壁がアーム部材で支持されている。各アーム部材は、プッシャ台36の下端部に埋設された傾動機構39aに接続されており、この傾動機構39aによって、ガイド部材39が傾動可能に保持されている。さらに、プッシャ部36の内部には、モータ等が内蔵された回動機構18が設けられており、この回動機構18により、チャッカ351,352が、それぞれ独立に開口OPを中心にして回動(すなわち左右動)される。
後述するとおり、メダル投入部12から投入されたメダルMは、メダル送り機構14を通ってガイド平板39上に送出され、そこからチャッカ35へ向かって転動する。チャッカ351,352は、通常は、図34に矢印Y1で示す往復方向に所定の角度範囲で左右往復動をしており、且つ、プッシャ部36の前後往復動に応動して前後動している。メダルMが、このように動いているチャッカ35の第1のスリットSL1又は第2のスリットSL2を通過すると、そのメダルMは、溝Mzが形成された円盤状底部35aの上面を通って直ちに開口OPに達し、そこから開口部33内に落下してチャッカ入賞となる。
このようにしてチャッカ入賞すると、後記のスロット抽選が始まる。一方、メダルMが第1の壁W1や第2の壁W2に邪魔されて第1のスリットSL1も第2のスリットSL2も通過せずにチャッカ入賞が阻まれると、そのメダルMは、チャッカ351,352とガイド平板39との間からメダル台37上に落下して保持される。メダル台37上にメダルMが蓄積(滞積)してくると、やがてプッシャ台36によって前方に押し出されてメダル回収部38へ落下し、回収される。
ジャックポット部4は、特別賞や大当たりに相当するジャックポット処理において動作し、所定の枚数のメダルMを払出し可能に構成されている。具体的には、ジャックポット部4は、例えばモンスターを模したボスキャラクタといった大ターゲット43、あるいはこれを守る衛兵(門兵)役といった小ターゲット42、さらには怪鳥を模した移動ターゲット41を備えている。大ターゲット43には、モータにより揺動可能に手をモチーフにした阻害部44が設けられている。
ターンテーブル部5は、ジャックポット部4を回転させ、発射されたメダルMを回収可能に構成されている。詳しい構成については後述する。
ここで、図4および図7に、プッシャ部3、あるいはジャックポット部4の各ターゲット41〜43におけるメダル検出のための構造例を概略的に示す。例えば大ターゲット43はキャラクタを模したモールドで覆われて、中央部に筒状体31が軸方向を略鉛直方向に向けて設置されている。モールドの一部(例えば中央付近の目を模した部分など)は、孔を有する凹部をなしており、当該部分から飛び込んだメダルMをこの孔から筒状体31に導くことが可能になっている。つまり凹部にメダルMが飛び込めば(命中すれば)、筒状体31を通過させることによりメダルMの命中を検出させることが可能になっている。
筒状体31は開口部33(プッシャ部3の場合、本発明における「入賞口」)から開口部34に向けて一定の径以下のメダルMを通過させることが可能になっており、その中心軸を横切って制御棒32が取り付けられている。この制御棒32は、開口部33から落ちてきたメダルMの向きを一定の範囲に揃える機能を備えている。筒状体31は光を透過可能な材質、例えば樹脂により形成されており、制御棒32の下方に遮蔽物の有無を検出可能に発光素子304とセンサ301が設けられている。制御棒32の延在方向と発光素子304−センサ301間を結ぶ検出線とは直角を成すように設定することが好ましい。
図7に示すように、メダルMのうち最も小さいメダルMの径をd1、最も大きいメダルMの径をd2、筒状体31の内径をD1とした場合に、 √2・d1>D1>d2 という関係を満たすようにdおよびD1を定める。発射されるメダルMの最大径より筒状体31の内径が小さいとメダルMが当該筒状体31を通過できない。また検出線と制御棒32とが直角をなしている場合に、必ず検出線を遮るようなメダルMの大きさは、メダル面と制御棒32とのなす角度が45度より小さくなるようなときである。両者が45度をなす場合にメダル径の√2倍が筒状体31の内径に等しくなるから上記関係が成り立つ。センサ301による検出線と制御棒32との距離D2については、メダル面が検出線となるべく垂直を成す程度に向き制御が完了する程度の距離、例えばメダル径と同程度に設定する。
上記構成において、メダルMが筒状体31内部に入り制御棒32の位置に差し掛かった場合、メダル面が鉛直方向と平行になっていない限り、制御棒32にメダルMの一部が当たる。メダルMの一部が制御棒32に当たると図7の破線で示すようにメダルMが回転する。その力はメダル面を鉛直方向に向ける方向に作用する。またメダル面が制御棒32の延在方向と大きな角度を有している場合には、その角度を45度より小さい角度に抑えるように作用する。その結果として、上記条件を満たす径を有するメダルMは必ず検出線を横切り、メダルMの通過が検出されることになる。
図8に、センサ301から出力される検出信号の波形を(B)〜(F)に示す。波形(B)と(C)はメダルMの径や向きに応じて検出線を遮る期間が異なることによってパルス幅が異なることを示している。波形(D)、(E)および(F)は、制御棒32によってメダルMに回転力が与えられた場合に、同一メダルMが短期間中に複数回検出線を横切り、複数のパルスが発生する場合があることを示している。
本実施形態の検出回路(図4のボード302中に存在する)では、検出信号が定常状態(Lレベル)からHレベルに変化した時点で一個のメダルMを通過したと判定し、その後一定期間メダルMの通過の検出を禁止可能に構成されている。例えば所定のサンプリング期間(例えば2ms程度)ごとに検出信号のステータスを検出し、一定期間(例えば3サンプリング)Lレベルが検出された後に一定期間(例えば3サンプリング)Hレベルが検出されると、一個のメダルMが通過したと判定し、その後、波形(D)〜(F)における二番目のパルスを無視し得るに十分な期間(例えば10ms程度)、ステータスの検出を禁止する。図8の波形(A)で示すようにパルスの立ち上がりでメダルMの通過を検出し、立ち上がり後一定期間Tだけ立ち上がり検出を禁止可能に構成してもよい。以上の構成によって、一つのセンサのみによって確実にかつ安価にメダルMの通過の有無を検出できる。なお、二以上のセンサを設けてメダルMの通過の有無を検出してもよいことは言うまでも無い。
メダル発射装置8は、射撃ゲーム時にプレーヤが操作して、ターゲット41〜43等に向けてメダルMを一枚ずつ発射するための装置であり、プレーヤに狙わせるターゲットまでの距離に応じてローラ駆動モータ823の回転数が可変制御され、且つ、プレーヤのレバー23の操作に応じて発射レール831の向き(メダルの発射方向)を上下左右の任意の方向に自在に向けられるようになっている。射撃モードが始まると、メダル発射装置8のローラ駆動モータ823を動作させ、メダル発射装置8からメダルMを発射可能な状態にする。このとき、プレーヤが発射ボタン842を押すと、発射レールからターゲットに向けてメダルMが発射される。制限時間の経過等により、メダル発射装置8のローラ駆動モータ823を停止させ、射撃ゲームを終了する。また、メダル発射装置8はミニホッパ811等のメダル供給手段81を備え、このメダル供給手段81に自動的にメダルが補充され、規定数のメダルを順次発射できるようになっている。
以下、メダル発射装置8の一実施形態について詳細に説明する。
図9及び図10は、本実施形態におけるメダル発射装置8の斜視図である。図9はメダルが発射されるメダル発射口833側から見た斜視図であり、図10は、手前(プレーヤ側)から見た斜視図である。また、図11は、本実施形態におけるメダル発射装置8の右側面半透視図である。
メダル発射装置8は、複数のメダルMを貯蔵可能で、且つメダルMを1枚ずつ取り出して供給可能なメダル供給手段81と、メダル供給手段81から供給されたメダルMを付勢して滑走力を与え、発射レール831に沿って発射させるメダル発射駆動手段89とを含んで構成されている。また、メダル供給手段81とメダル発射駆動手段89は、支持手段88により台座85に対して揺動可能に軸支された操作台80に設けられている。さらに、メダル発射駆動手段89は、メダルMを付勢して滑走力を与えるメダル付勢手段82と、発射レール831を含むメダル射出手段83を含んでいる。少なくともメダル射出手段83は、台座85に対して上下左右任意の方向に揺動自在に構成されている。そして、メダル発射装置8を操作するための操作手段84を備え、メダルMの発射方向(発射レール831の向き)を任意の方向に自在に向けられるようになっている。
本実施形態においては、図示のとおり、操作台80は、メダル供給手段81を含む第1操作台部86と、メダル発射駆動手段89及び操作手段84を含む第2操作台部87とからなる。第1操作台部86は、支持手段88によって台座85に連設され、台座85に対して略垂直方向の支持軸801によってゲームフィールドに向かって左右方向(矢印X802)に揺動可能に軸支されている。また、第2操作台部87は、台座85に対して略水平且つメダル射出手段83の発射レール831の長手方向(メダル発射方向:矢印X834)に対して略垂直の回転中心軸803を中心に、第1操作台部86に対して上下方向(矢印X804)に揺動可能になっている。
第1操作台部86のメダル供給手段81は、多数のメダルMを保持可能なミニホッパ811と、メダルMをミニホッパ811からメダル付勢手段82に供給するメダル供給モータ812とを含んでいる。ミニホッパ811は、第1操作台部86の筐体861のプレーヤ側上部に、着脱可能に載置されている。また、メダル供給モータ812は筐体861の内側に固設されている。さらに、ミニホッパ811の底面に接して回転円板815が設けられている。回転円板815にはメダルMを遊嵌しうる孔(図示されない)が周方向へ亘り多数設けられ、回転円板815がメダル供給モータ812により回転駆動されると、回転円板815の孔に遊嵌されたメダルMが1個ずつメダルガイド813に送込まれ、この回転円板815の送出し力によりメダルMが押し出され、メダルガイド813端部のメダル供給口814からメダル付勢手段82にメダルMが供給される。
また、第2操作台部87の筐体871には、メダル付勢手段82、メダル射出手段83及び操作手段84が固設され、回転中心軸803を中心にして一体に揺動可能となっている。このとき、回転中心軸803がメダル供給手段81のメダル供給口814の出口近傍に位置すると、メダル付勢手段82にメダルMをスムーズに供給できるため、好ましい。また、第1操作台部86の筐体861左右の側壁862に設けられたカイド孔863、864と、第2操作台部87の筐体871左右の側面872から突出した爪873、874とが掛合し、第2操作台部87の可動範囲を制限している。
メダル付勢手段82は、メダル供給手段81から供給されたメダルMに滑走力を強制的に与える手段を備え、付勢されたメダルMはメダル射出手段83に送られる。本実施形態においては、回転ローラ822をローラ駆動モータ823により回転駆動し、二つの回転ローラ821、822の間にメダルMを挟み込んで回転により滑走力を与えている。このとき、回転ローラ821、822は、その回転中心軸が回転中心軸803と略平行方向に向けられ、回転中心軸803の近傍に、メダルガイド813のメダル送り面に対してそれぞれ上下に位置するよう臨設されている。
また、回転ローラ821、822の外周部821a、822aはウレタン等の軟質ゴムで構成されている。そして、各回転ローラ821、822は、回転中心軸間の距離が、各回転ローラ821、822の半径の和よりも若干小さい位置に設置され、外周部821a、822aが周方向に所定長接していることが好ましい。これにより、上下の回転ローラ821、822はローラ駆動モータ823でもって相互に同一速度でかつ逆方向へ回転駆動され、回転ローラ821、822に挟み込まれたメダルMに十分な滑走力を与えるようになっている。なお、本実施形態では、ローラ駆動モータ823としてステッピングモータを使用して、モータの回転数を制御している。
メダル射出手段83では、メダル付勢手段82によって付勢されたメダルMが、発射レール831内部を滑走し、メダル発射口833から斜め上前方(矢印X834)に向けて発射される。発射レール831は、平板形状の筒状体で、その内部を長手方向(矢印X834方向)にメダルMが滑走できるようになっている。発射レール831の一方端(入射端832)は、回転ローラ821、822により付勢されたメダルMの出口付近に位置し、下面835が上面836よりも突き出るとともに端部に向けてラッパ状に広がり、メダルMが発射レール831に入射し易いように形成されている。
なお、メダル供給手段81のメダル供給口814と、回転中心軸803と、回転ローラ821及び822の接面824と、発射レール831の入射端832とが、それぞれプレーヤ側から奥行き方向に向けて略直線状に位置すると、メダルMの搬送及び射出がスムーズにできるため好ましい。
操作手段84は、把持手段として機能するジョイスティック状のレバー23と、メダル発射装置8からメダルMの発射を指示入力するための入力手段としての発射ボタン842とを備えている。プレーヤはこのレバー23を把持してメダル発射装置8を操作することにより、上下左右任意の方向にメダル発射口833を揺動させてメダルMの発射方向を定めることができる。本実施形態では、レバー23は第2操作台部87の筐体871の上面875に対して略垂直に設けられ、レバー23の頂部に発射ボタン842を設置している。さらに、発射ボタン842の少なくとも一部は透光性又は半透光性部材により構成され、ボタン内部又は下部に埋め込まれたLED等の発光素子844による発光を視認できるようになっている。
また、第2操作台部87の筐体871上部中央付近に、筐体871を上下方向に貫通するメダル補充孔876を設け、サテライト用ホッパ25から送り出され、後述の第1の搬送路274により搬送されたメダルMがメダル搬送手段27を介してメダル供給手段81の貯留容器811に補充されるようになっている。このメダル補充孔876は、支持軸801の延長上部に配置され、操作台80を揺動させても、メダルMが確実に貯留容器811に入るようになっている。
なお、各サテライト部2は、メダル受け皿276(回収手段)をプッシャ部3の下側に設け、プッシャ部3の側方又は後方から落下したメダルMやメダル発射装置8から発射されたメダルMを回収できるようになっている。メダル受け皿276により回収されたメダルは、サテライト用ホッパ25に送られる。このサテライト用ホッパ25は、回収されたメダルMを収容するメダル貯蔵手段として機能するものである。
また、サテライト用ホッパ25から送り出されたメダルMは、メダル搬送手段として機能するメダルガイド271及び搬送レール272を通って、メダル発射装置8まで搬送される。搬送レール272は、その搬送路の途中に切替フラップ273があり、図示しない払出先振分ソレノイドによりこの切替フラップ273を切り替えることによって、メダル発射装置8へメダルMを搬送する経路(第1の搬送路274)とメダルプッシャゲームを行うためのフィールドにメダルMの払出しを行う経路(第2の搬送路275)とのいずれか一方に、メダルMの搬送路を切り替える。
さらに、メダル発射装置8は、台座85によって、コンソールパネル10に固定されている。また、台座85と第1操作台部86とを軸支する支持手段88は、ロック機構881を備えている。このロック機構881は、通常ゲームの間、支持手段88をロックして第1操作台部86を揺動不可とし、射撃ゲームモードになると、支持手段88のロックを解除して第1操作台部86を揺動可能とするものである。
次に、各ターゲット41〜43について説明する。上述したように、各ターゲット41〜43は射撃ゲームにおいてメダルMを命中させ、あるいは所定の孔等を通過させる際の標的となるものとして構成されている。なお、各ターゲット41〜43は、メダル発射装置からの距離及び/又は高さの異なる位置に配置されている。
移動ターゲット(トリメカ)41は、各サテライト部2において表示部20の後方(回転センタユニット6側)に配置された怪鳥を模したオブジェクトであり、支持棒411を含む揺動駆動機構によって、あたかも飛んでいるかのように、上下左右に揺動可能に支持されている。この移動ターゲット41の口は開閉可能にされ、さらに口の中にはメダル用のチャッカ(入賞口)が設けられていて、移動ターゲット41の口の中にメダルが入ったか否かを検出できるようになっている。また、演出のため、目に発光素子が埋め込まれるとともに、羽をバタつかせることもできるようになっている。
小ターゲット42と大ターゲット43とはそれぞれジャックポット部4に設けられている(図3等参照)。これらのうち、小ターゲット42は例えば横一例に並ぶ4体の衛兵などのギミックで構成されている。これら例えば4体の小ターゲット42は、発射されたメダルMが当たったときはそれぞれが個別に後方へと倒れ、尚かつメダル発射装置8による射撃のゲームが終了した後は一斉に起こすことが可能な構成となっている。
具体例を簡単に示すと、ギアを介してモータに接続された回転シャフト422を設けておき、この回転シャフト422に、小ターゲット42の取付台座423を備えた4本の支持棒421をそれぞれ回転シャフト422に対して回転自由に取り付ける(図3、図14参照)。したがってメダルMを発射して命中させると、当該小ターゲット42は回転シャフト422を中心として取付台座423および支持棒421ごと後方に倒れる。
それぞれの小ターゲット42が起きているか倒れているかは、例えば支持棒421などに一体的に取り付けた被検出用の突起がどの位置にあるかをセンサで検出することによって判定することができる。また、回転シャフト422には例えば4つのカムを等間隔で一体的に配置しておき、小ターゲット42や支持棒421などに引っ掛かりうるようなピンをこのカムに取り付けておく。モータを駆動し、ギアを介して回転シャフト422を前方へと回転させることにより、各カムおよびピンを一体的に回転させ、当該ピンを利用して4体の小ターゲット42を一度に起こすことができる。
このようにして小ターゲット42を起こした状態としたら、今度はモータとギアを逆回転させて回転シャフト422を後方へと回転させ、ピンを小ターゲット42および支持棒421から退避させる。これにより小ターゲット42はメダルMが命中した場合に後方へと倒れうるフリーの状態となる。なお、回転シャフト422を後方へと1周近く回転させ続け、各ピンを使って4体の小ターゲット42を一斉に後方へと倒すこともできる。
大ターゲット43は、上述した小ターゲット42に続く射撃ゲームの標的として設定されているものである(図3参照)。一例として、例えば本実施形態においてはモンスターの首領といったキャラクタを模したギミックでこの大ターゲット43を構成している。また、この大ターゲット43には、発射されたメダルMが通過可能な入賞口451、およびメダルMがこの入賞口451を通過したことを検出するセンサ452を備えたチャッカ45と、所定の動作をすることによってメダルMがこのチャッカ45に入るのを阻害する阻害部44と、が設けられている(図15等参照)。
阻害部44の構成は例えば以下のようになっている。すなわち、モータ441によって駆動されるカム442が設けられ、さらにこのカム442に従動するカムフォロワ443が設けられている(図16参照)。詳しく図示してはいないがこのカムフォロワ443はカム442のカム面に接触するように付勢されるかあるいは当該カム442のカム溝に係合する等の構造となっており、このカム442に従動して、支点444を中心に揺動する。
また、このカムフォロワ443には支持板445が一体化されており、例えばモンスターの腕を模した阻害部44がこの支持板445に取り付けられている。阻害部44は、その動作部における先端部分(例えば手の部分)が入賞口451の手前に位置するように形成されている(図3等参照)。したがって、カムフォロワ443および支持板445が揺動するとこれらと同じく阻害部44も揺動し、先端部分(手の部分)を上下に動かしてメダルMが入賞口451に入るのを周期的に阻害する。
また、本実施形態では上述のような阻害部44を入賞口451の両側に設け、あたかもモンスターを模した大ターゲット43が両腕を上下に振っているかのようなギミックを形成している(図3等参照)。この場合、反対側の阻害部44を動作させるための構成は上述したものと同様でよい。この場合、左右の阻害部44を同位相で同時に上下させることもできるが、本実施形態では位相を半周期ずらし、左右一対の動作部が互いに逆の方向へ同時に動作するようにしている。このような動きをする阻害部44は、射撃ゲームにおける命中の難度を適度に上げてゲームの面白みを向上させる。なお、このように左右一対の阻害部44を配置する場合、互いの先端部分(例えば手の部分)が重なり合わないにして互いに干渉しないようにしつつ上下動させるようにしてもよいし、先端部分が重なり合う形で両腕を前後にずらしたような配置として上下動させるようにしてもよい。
さらに、大ターゲット43のチャッカ45は例えば以下のようになっている。まず、入賞口451はノズル状に奥が窄んだ形状の例えば樹脂成形品によって形成されている(図15参照)。この入賞口451に打ち込まれたメダルMは、当該入賞口451の奥に形成されている誘導路453を通って下方へと進み、傾斜路505上に落下してこれに続く傾斜路507へと誘導される(図3参照)。また、誘導路453の途中にはメダルMが通過したことを検出するセンサ452が設けられており、入賞口451に打ち込まれたメダルMの枚数をカウントできるようになっている(図15参照)。このようなチャッカ45は、例えば上述したモンスターにおける中央の目といったギミックとして設けられている(図1等参照)。また、チャッカ45の入賞口451などには必要に応じて電飾が併設されている。
続いて、ジャックポット部4におけるメダル貯留および払出しのための機構について説明する(図14等参照)。本実施形態では、ジャックポット部4におけるメダル貯留および払出しのための機構として下ゲート部46と上ゲート部47からなる2段構造のゲート部を利用している。
下ゲート部46は、上述した小ターゲット42の手前に設けられているメダル貯留および払出しのための機構である(図14等参照)。下ゲート部46を構成する下ゲート461は軸462を中心にして前後方向に回動可能に設けられており、直立した状態でメダルMを貯留し、前方に倒れることによってかかる貯留メダルMを一度に払い出すことができる。このように下ゲート461を動作させるための構成は特に限定されることはなく例えばモータやギア等を利用することとしてもよいが、本実施形態では図示しない引張コイルばねを利用して下ゲート461を後方(小ターゲット42の方)へと付勢しておき、通常時は当該下ゲート461を直立した状態としている(図14参照)。この場合、引張コイルばねとしては貯留したメダルMの重みに耐えるものを用い、メダルMが貯留しただけでは下ゲート461が回動しないようにする。
また、下ゲート461の後方(小ターゲット42の手前)には、ジャックポット部4においてメダルMが流れる斜面の傾斜に沿ってスライド可能な下ゲートプッシャ463が設けられている(図14参照)。本実施形態では、この下ゲートプッシャ463を前方に向けてスライドさせ、その先端で下ゲート461を押し込むようにして前方へと倒し、貯留していたメダルMを一気に払い出すようにしている。払い出した後は下ゲートプッシャ463を後方にスライドさせて元に戻せば、引張コイルばねに引っ張られている下ゲート461はこれに伴って再び直立した状態となる(図14参照)。
なお、下ゲートプッシャ463をスライドさせるための機構は特に限定されることはなく、図示してはいないが例えば本実施形態においてはモータやガイドなどを利用している。
上ゲート部47は、小ターゲット42の後方であって大ターゲット43の手前に設けられているメダル貯留および払出しのための機構である(図14等参照)。上ゲート部47を構成する上ゲート471は軸472を中心にして前後方向に回動可能に設けられており、直立した状態でメダルMを貯留し、前方に倒れることによってかかる貯留メダルMを一度に払い出すことができる。このように上ゲート471を動作させるための構成は特に限定されることはなく例えばモータやギア等を利用することとしてもよいが、本実施形態では図示しない引張コイルばねを利用して上ゲート471を後方(大ターゲット43の方)へと付勢しておき、通常時は当該上ゲート471を直立した状態としている(図14参照)。この場合、引張コイルばねとしては貯留したメダルMの重みに耐えるものを用い、メダルMが貯留しただけでは上ゲート471が回動しないようにする。
また、上ゲート471の後方(大ターゲット43の手前)には、ジャックポット部4においてメダルMが流れる斜面の傾斜に沿ってスライド可能な上ゲートプッシャ473が設けられている(図14参照)。本実施形態では、この上ゲートプッシャ473を前方に向けてスライドさせ、その先端で上ゲート471を押し込むようにして前方へと倒し、貯留していたメダルMを一気に払い出すようにしている。払い出した後は上ゲートプッシャ473を後方にスライドさせて元に戻せば、引張コイルばねに引っ張られている上ゲート471はこれに伴って再び直立した状態となる(図14参照)。
なお、上ゲートプッシャ473をスライドさせるための機構は特に限定されることはなく、図示してはいないが例えば本実施形態においてはモータやガイドなどを利用している。ちなみに、本実施形態においては4体の小ターゲット42(およびこれを支持する支持棒421)のすべてが後方に倒れて退避した状態のときのみ上ゲートプッシャ473を動作させて上ゲート471を前方に倒すこととしている(図14参照)。
本実施形態においては、ターゲット42,43に対する射撃ゲームにおいて一定条件をクリアした場合に、下ゲート部46や上ゲート部47に貯留されているメダルMをまとめてプレーヤに払い出す動作を行うようにしている。ここでいう一定条件としては種々の条件を設定することが可能だが、例示すれば、上述した大ターゲット43のチャッカ45に所定枚数以上のメダルMを所定時間内に打ち込むことを挙げることができる。
なお、本実施形態のメダルゲーム装置1においては、上述した下ゲート461および上ゲート471をそれぞれ要塞における第1の城門、第2の城門を模したギミックとして構成している。例えば、小ターゲット42や大ターゲット43を倒した場合にこれら下ゲート461や上ゲート462を倒す動作を実施することにより、次々に敵を倒して要塞を攻め込んでいるかのような雰囲気や間隔、別の表現をすればいわゆるロールプレイングゲームのように順次ステージを進行しているかのような雰囲気や感覚をプレーヤに享受させることが可能となっている。
また、上述したような各ゲート部46,47によるメダル貯留および払出し機構によれば、ジャックポット部4が可視範囲にあるプレーヤないしはそれ以外の者が貯留している大量のメダルMを直接視認することが可能である。これによれば、ジャックポットを引き当ててかかる大量のメダルMを得たい、あるいはかかる大量のメダルMが一度に払い出されるシーンを目の当たりにしてみたいというインセンティブを働かせ、当該メダルゲーム装置1に対する興味をさらに喚起することが可能である。
次に、ジャックポット部4に対するメダル供給、特にメダル供給路49を切り換えるための機構について説明する(図17、図18参照)。別の項でも述べるが、ジャックポット部4へのメダル供給は、回転センタユニット6の底部にて回収されたメダルMを、メダルガイド532を備えたメダル供給装置53が順次送り込むことによって行われる。
また、本実施形態のメダルゲーム装置1は、上述のメダル供給装置53のメダル出口534からメダルMが供給される際、メダル供給路49を切り換えるための切換機構48を備えている(図17、図18参照)。メダル供給路49を切り換えるための機構としては種々のものがあるが、例えば本実施形態の切換機構48は、ジャックポット部4においてメダルMが流れる傾斜路480の下部に軸が横方向(メダルMの払出し方向と垂直となる横向きの方向)となるように配置されたガイドシャフト481、このガイドシャフト481に沿って横方向にスライドするレール482およびスロープ483、これらレール482およびスロープ483をスライドさせるモータ484等によって構成されている(図17、図18参照)。ガイドシャフト481は2本が平行となるように配置されている。
レール482はメダル出口534から供給されるメダルMを下ゲート部46に導く誘導路であり、スロープ483はメダル出口534から供給されるメダルMを上ゲート部47に導く誘導路である。これらレール482とスロープ483は一体化されており、ガイドシャフト481に沿って一体的にスライドすることが可能となっている(図17、図18参照)。これらのうち、レール482はスロープ483の横をバイパスさせる例えば断面がチャネル形状の供給路であり、下ゲート部46に連なるメダル流路485へとメダルMを誘導する。このレール482のメダル導入部482aはメダルMを導入しやすくなるように広い開口部となっている。一方、スロープ483は、メダルMを傾斜路480の中央寄りに導くよう中央寄りに傾斜した斜面483aを有する部材であり、スライドしてメダル出口534の前に位置した状態のときは当該メダル出口534から供給されるメダルMを上ゲート部47へと導く(図17において想像線で示す矢印参照)。
また、レール482およびスロープ483は、ガイドシャフト481に沿って移動可能な例えばチャネル形状の軸受486によって支持されている(図18参照)。さらに、レール482およびスロープ483の下方には回転板487が設けられている。この回転板487は、当該回転板487上の凸部487a、および軸受486等に一体化されている係止片488を介してモータ484の駆動力をレール482およびスロープ483に伝達する。また、回転板487の回転量を検出可能なセンサ489の出力に基づき、レール482およびスロープ483の位置を検出することが可能となっている(図18参照)。
なお、上述したジャックポット部4におけるメダル貯留および払出しのための機構においては、いわゆるプログレッシブ方式を採用することができる。これは、プレーヤによるメダル投入数が所定の枚数をカウントする度(例えば、全プレーヤの合計メダル投入数が10枚をカウントする度)に積算値を増やしていくといったもので、かかる積算値はいわゆるジャックポット値として表示することができる。このようなプログレッシブ方式によれば、積算値が増えるにつれて当選時の払出し数も増えるからプレーヤの興味を強く引くことが可能である。なお、このようなプログレッシブ方式を採用した場合には積算値の増加に応じてメダル供給装置53からジャックポット部4へとメダルMが供給されることになる。
続いて、回転センタユニット6におけるターンテーブル部5の構造の一例を説明する。図19に、ターンテーブル部5の構造を示す斜視図を示す。ターンテーブル部5は、図19に示すように、メダル受け皿51、ラウンドシュート52、メダル供給装置53、回転板54および基台55を備えている。メダル受け皿51および基台55を除く構成要素は、同時に同じ回転軸で回転するようになっている。
メダル受け皿51は、中央に開口部511を備え、その周囲の環状部からメダルMを回収する形状となっている。開口部511から外周部には図示しない梁が渡されている。メダル受け皿51には、回転センタユニット6(あるいはその上部に配置されたターゲット42,43)の周囲に飛んできたメダルMを回収可能なテーパ形状の底部512が設けられている。底部512の最低部は開口し、樋513に繋がっている。この構成により、メダル受け皿51内に飛んできたメダルMは底部512を滑って樋513から排出されるようになっている。
ラウンドシュート52は、開口部521を備えたドーナツ形状を成している。ラウンドシュート52には、最低部(最深部)の開口524に向けてテーパ状に傾斜した底部522が設けられている。開口524にはメダルMを安定して落下させることが可能となるように樋523が設けられている。この構成により、ラウンドシュート内に落下したメダルMが開口524一個所に集まり、樋523から排出されるようになっている。
メダル供給装置53は、ラウンドシュート52で集められたメダルMをジャックポット部4に供給可能に構成されている。本実施形態の場合、メダル供給装置53は、メインホッパ(メダル回収容器)531、メダル供給モータ601、メダルガイド532、揺動レバー533およびカウントセンサ405を備えている。
メインホッパ531は、各サテライト部2から回転センタユニット6(あるいはその上部に設けられているターゲット42,43)に向けて発射され、下方に落ちたメダルMを回収するための回収容器である(図3参照)。本実施形態の場合、回転センタユニット6の範囲内で落下したメダルMはすべてこのメインホッパ531にて回収される構造となっている。メインホッパ531の底部には図示しないメダル送出装置が設けられている。また、詳しくは図示していないが、本実施形態のメインホッパ531にはメダル量センサ531aが設けられている(図3参照)。このメダル量センサ531aは、当該メインホッパ内におけるメダル回収量(貯留量)が一定量を超えているかどうかを検出するセンサ(ニアエンプティセンサ)として機能することができる。
メダル送出装置は、メダルMを嵌挿可能な孔が複数設けられた円盤を回転させてメダルMを順次メダルガイド532内に送り出すことが可能になっている。メダル搬送機構として機能するメダルガイド532は、メダルMの通路となっており、メダルMを一列にして長い距離搬送させることが可能になっている。メダルガイド532の出口からメダルMがジャックポット部4内に排出される際に、揺動レバー533が揺動しその揺動に対応してカウントセンサ405が排出されたメダルMを検出するようになっている。
回転板54は、基台55に備えられたモータ501(ただし本実施形態において詳しくは図示していない)によってメダル受け皿51、ラウンドシュート52、メダル供給装置53を一体的に回転させることが可能になっている。
ここで、サテライト部2から回転センタユニット6に向けて発射されたメダルMがメインホッパ531にて回収されるまでの流れの一例を示すと以下のとおりである(図3参照)。すなわち、例えば小ターゲット42の背後に落ちたメダルMは、回転センタユニット6の当該部分に設けられている落下孔506を通って落下し、傾斜路507を滑り(または転がり)、さらに落下孔508を通過して落下する。落下したメダルMは、さらに上述したメダル受け皿51、ラウンドシュート52上を滑り(または転がり)、樋523に案内されてメインホッパ531に回収される(図3、図19参照)。このようにして回収されたメダルMは、その後メダル供給モータ601が駆動されることにより、ジャックポット部4へと供給される。
続いて、メダルゲーム装置における制御ブロックの構成について説明する。図4に、本実施形態のメダルゲーム装置を動作させるシステムブロック図を示す。図4に示すように、システムブロックとしては、メインユニット100、サテライトユニット200、ターゲットユニット300、ジャックポットユニット400、ターンテーブルユニット500、メダル回収ユニット600、照明ユニット700、メンテナンスユニット800およびインターフェースユニット900を備えている。第1の制御装置になるメインユニット100と第2の制御装置になる複数のサテライトユニット200が双方向通信で接続されることによって分散処理システムを形成している点に特徴がある。
メインユニット100は、ターゲットユニット300、ジャックポットユニット400、ターンテーブルユニット500、メダル回収ユニット600、照明ユニット700およびメンテナンスユニット800を制御可能に構成されている。また各サテライトユニット200との間でデータとコマンドの送受信をするようになっている。具体的にメインユニット100は、CPU101、メモリ102、タイマ103、インターフェース回路104,105,106,108、音源回路107などを備えている。
CPU101は、メモリ102に格納されたプログラムを実行することにより、本発明の制御装置の一部として図20および図21に示すような所定の処理を実行可能になっている。メモリ102は、ROM部分にプログラムが格納されている他、RAM部分をCPUのワークエリアとして提供可能になっている。タイマ103は、水晶発振器を分周することによって一定期間ごとにCPU101に割り込みを掛けることで経過時間を通報可能になっている。
インターフェース回路104は、各サテライトユニット200との双方向シリアル通信および音源制御コマンドの送信を行うようになっている。インターフェース回路105は、ターンテーブルユニット500にモータ駆動信号を、メダル回収ユニット600にドライブ信号を、照明ユニット700に点灯指示信号を送出し、ターンテーブルユニット500から位置センサ503の検出信号を受信するようになっている。インターフェース回路106は、インターフェースユニット900を介してジャックポットユニット400との間で、モータ401用の小ターゲット駆動信号、モータ402用の大ターゲット駆動信号およびモータ404用のホッパ駆動信号を出力し、大ターゲット43のウェーブセンサ403、カウントセンサ405およびフルセンサ406の検出信号を入力するようになっている。また各ターゲットユニット300に点灯指示信号を出力し、センサ301の検出信号を入力するようになっている。
インターフェース回路108は、メンテナンスユニット800とメンテナンス用の操作信号を入力するようになっている。音源回路107は、波形メモリを内蔵し、CPU101からの音源制御信号に応じて波形を合成し合成した波形の音響信号を出力するようになっている。この音源回路で合成される音響信号は主としてBGMに関わるものである。音響信号はアンプ110で電力増幅され、メダルゲーム装置の本体に取り付けられたスピーカに供給される。
サテライトユニット200は、サテライト部2に対応して設けられており、メインユニット100とデータの交換をしつつ各サテライト部2の制御が可能に構成されている。例えば10のサテライト部2が設けられている本実施形態のメダルゲーム装置の場合には、各サテライト部2に対応して10のサテライトユニット200が設けられている。このサテライトユニット200は、具体的には、ボード上にCPU201、メモリ202,インターフェース回路203,204,206,208,209、ビデオ表示回路(VDP)207および音源回路205を備えたものとなっている。
CPU201は、メモリ202に格納されたプログラムを実行することにより、制御装置の一部として図22、図23、図24および図25に示すような所定の処理を実行可能なものであり、特に、表示部20に表示させるビデオゲームを実行可能に構成されている。メモリ202は、ROM部分にプログラムや後述の設定テーブル825が格納されている他、RAM部分をCPUのワークエリアとして提供可能になっている。
インターフェース回路203は、メインユニット100とデータやコマンドの送受信を行い、インターフェース回路204は、音源制御信号を受信するようになっている。インターフェース回路206は、プッシャ部3又は各メダル発射装置8にメダルMを供給するサテライト用ホッパ25にモータ212用駆動信号を出力し、カウントセンサ213から検出信号を入力するようになっている。インターフェース回路208は、表示部20を移動させるモータ214に駆動信号を出力し、インターフェース回路209は、メダル発射装置8とデータ(検出信号)やコマンドの送受信を行うようになっているが詳細は後述する。
ビデオ表示回路207は、データメモリとフレームメモリとを内蔵し、ビデオゲームの進行を制御するCPU201のコマンドにより指定されたオブジェクトデータと位置情報に基づいてフレーム画像を生成し、表示部20に映像信号を出力可能に構成されている。音源回路205は、波形メモリを内蔵し、CPU201からの音源制御信号に応じて波形を合成し合成した波形の音響信号を出力するようになっている。この音源回路で合成される音響信号は主としてメダルMの発射音や表示部20に表示するビデオゲームの音響に関わるものである。音響信号はアンプ211で電力増幅され、例えばサテライト部2のレバー23の横に取り付けられたスピーカ等に供給される。
ターゲットユニット300は、例えばプッシャ部3あるいは各ターゲット41〜43の内部に設けられるユニットであり、上述のセンサ301、ボード302および冷陰極管303を備える。また、図示しないがターゲットユニット300はこの他、図7および図26に示す発光素子304を備える。ボード302は、センサ301からの検出信号を入力し前述したような判定方法によりメダルMの通過を検出し検出した旨をCPUに出力可能になっている。またメダルMが通過したと検出された場合に冷陰極管303を点滅させたり、CPUからの点灯制御信号に対応させて、冷陰極管303の点灯を制御したりが可能な回路を備えている。冷陰極管303は、筒状体31を囲んで配置されており、プッシャ部3やターゲット41〜43のモールドを通して対象物を光らせることが可能な程度の光量で発光するものである。
ジャックポットユニット400は、小ターゲット42を駆動するモータ401、大ターゲット43を駆動するモータ402を備えており、尚かつ、他の部品(例えば、図示していないホッパなど)を駆動するモータ404を備えている。また、大ターゲット43の阻害部44の動きを検出するウェーブセンサ403,ホッパのカウントセンサ405とフルセンサ406を備えている。モータ401とモータ402はそれぞれターゲット42,43を動かし視覚的効果を与えることに寄与するものである。モータ404はジャックポット処理においてメダルMの払い出しをするための駆動装置である。
ウェーブセンサ403は阻害部44の位置を検出しモータ402の動きを反転させ、大ターゲット43が例えば両手を交互に上下させているように見せるものである。カウントセンサ405は払い出しメダル数を計数し、フルセンサ406は、ホッパ内にメダルMが充填された場合にそれ以上のメダル供給を停止させるための検出信号を出力するようになっている。
ターンテーブルユニット500は、ターンテーブル部5の制御ブロックであり、モータ501,ジャックポットセンサ502および位置センサ503を備えている。モータ501は回転板54を回転させるために基台55に設けられたものである。ジャックポットセンサ502はジャックポット処理時にメダル払い出しを行う位置を検出しターンテーブル部5を停止させるためのものである。位置センサ503は、サテライト部2ごとに設けられ、各サテライト部2に対応するターゲットを特定するための位置センサである。
メダル回収ユニット600は、ジャックポット用のメダル供給装置53の他、各サテライト部2のメダル発射装置8にメダルMを供給するためのメダル供給装置(図示省略)のメダル供給モータ601を複数備えている。照明ユニット700は、ゲーム空間を照明する照明具が配置されているユニットである。メンテナンスユニット800は、保守用のリセットスイッチ、電源投入スイッチ、試験用選択スイッチ、音響のボリュームなどが配置されたユニットである。インターフェースユニット900は、回転しているターゲットユニット300およびジャックポットユニット400と静止しているメインユニット100とを電気的に接続するためのインターフェース機構を備えている。
図12は、本実施形態におけるメダル発射装置8のシステムブロック図の概略である。各メダル発射装置8は、発射ボタン842が押されたことを検出するトリガセンサ843と、メダルMが発射レール831を通過したことを検出するメダルセンサ837と、射撃ゲーム時に駆動され、ターゲット(標的)の距離等に応じて回転数が制御されるローラ駆動モータ823と、発射ボタン842の押下が検出されている間、ミニホッパ811を動作させるためのメダル供給モータ812と、第1操作台部86のロック及びロック解除をする支持手段88のロック機構881と、を備えている。これらはインターフェース回路(I/O)209を介してサテライトユニット200のCPU201等に接続されている。
そして、トリガセンサ843及びメダルセンサ837からの検出信号をインターフェース回路(I/O)209に出力し、モータの駆動制御コマンド等をインターフェース回路209から入力する。なお、CPU201は、メモリ202のROM部分に格納された所定のプログラムを実行することにより、メダル発射装置8によるメダルMの発射を制御したり、メダル発射装置8へのメダルMの補充を制御したりする制御手段として機能する。
図13は、射撃ゲーム中に実施されるイベントとメダル発射装置8から発射させるメダルの発射速度に関連する発射速度パラメータとを対応付けて記憶した設定テーブル825のテーブル構成の一例である。図13に示すとおり、設定テーブル825は、遊戯者に狙わせる複数のターゲット(イベント826)毎に、それぞれローラ駆動モータ823の回転数827を対応付けたテーブル形式のデータである。モータの回転数はメダル発射装置8から各ターゲットまでの距離及び/又は高さに応じて予め設定されており、各ターゲットにメダルがちょうど到達する程度の回転数に調整されている。図13に示す例では、標的が移動ターゲット41のときのローラ駆動モータ823の毎分回転数は2000〜2100rpmに設定されている。以下、小ターゲット42は3000〜3100rpm、大ターゲット43は4200〜4300rpm、ターゲットメカ911は2800〜2900rpmに設定されている。
なお、この設定テーブル825はメモリ202のROMに記憶されていて、CPU201がローラ駆動モータ823を駆動制御する際に参照されるようになっている。
図27は、本実施形態におけるメダル発射装置8から発射されたメダルの軌跡を示す図である。図16に示すとおり、移動ターゲット41を狙うときには、メダルがちょうど移動ターゲット41に到達するような軌跡891を描くよう、メダルの発射速度(モータの回転数)が調整される。同様に、小ターゲット42、大ターゲット43及びターゲットメカ911を狙うときには、メダルがこれらのターゲットに到達するような軌跡892、893及び894を描くよう、メダルの発射速度が調整される。
続いて、天井プロジェクタチャッカ装置の構成について説明する。本実施形態のメダルゲーム装置1では、いわゆるスーパージャックポットチャンスイベント(後の項にて説明)のとき、天井に収容された状態となっているこの天井プロジェクタチャッカ装置を当該プレーヤの目前に位置させて駆動させ、射撃ゲームを中心とした新たなイベントを実施することとしている。
この天井プロジェクタチャッカ装置は、収容された初期位置(図29参照)と射撃ゲームのターゲットとなる位置との間を昇降するターゲット盤からなる投影ユニット91と、このように投影ユニット91を昇降させるための機構と、投影ユニット91の表面に所定の映像を投影するためのプロジェクタ装置92とを備えている。
投影ユニット91は、その表面に複数のターゲット(入賞口)を備えた例えば円盤からなるターゲット盤である。本実施形態の場合、該投影ユニット91の外周に沿って例えば6個のターゲットメカ911が周状かつ等間隔に配置されている。この場合、これらターゲットメカ911の間にダミーを配して計12個のターゲットを配置することとしてもよい。なお、図28等においてはこのターゲットメカ911を簡略化し、円柱状の突起で表現している(図28等参照)。
ターゲットメカ911は、投影ユニット91に標的として配置されているものである。ターゲットメカ911のそれぞれにはメダル用のチャッカ(入賞口)912が設けられ、さらに各チャッカ912には当該入賞口を開けたり閉めたりするための開閉機構913が設けられている(図31参照)。例えば本実施形態の場合、この開閉機構913は口を模して形成されており、当該ターゲットメカ911に施されたギミックおよび当該ターゲットメカ911に投影される映像などの効果により、あたかも口を開閉させているような視覚を与えることとしている。
プロジェクタ装置92は、投影ユニット91の表面に所定の映像を投影するための装置である。この場合、プロジェクタ装置92で投影ユニット91を直接照射して映像を投影することも可能だが、本実施形態では鏡などの反射板93で一度反射させてから投影ユニット91に投影することとしている(図30参照)。こうした場合には、例えばプロジェクタ装置92を投影ユニット91の上方に配置したとしても必要な投影距離を確保することができるからこれら装置をコンパクトに配置することが可能となる。これらプロジェクタ装置92や反射板93、投影ユニット91はすべてターンテーブルユニット500上に配置されており、メダルゲーム装置1の内部にて当該ターンテーブルユニット500とともに回転するようになっている(図3等参照)。
次に、投影ユニット91を昇降させるための機構(符号94で示す)について説明する(図29等参照)。例えば本実施形態の場合には、モータ941や送りねじ942を介して投影ユニット91を前後方向にスライドさせ、さらにこのときの動きに連動して降下してその表面をプレーヤ側に見せるように動くようになっている。
モータ941は投影ユニット91を昇降させる際の駆動源であり、当該投影ユニット91が設けられているターンテーブルユニット500のフレーム509に固定されている。このモータ941の出力軸には、前後方向(サテライト部2と当該ターンテーブルユニット500とを結ぶ方向)に延びる送りねじ942が同軸回転するように接続されている。この送りねじ942には前後方向に移動可能なスライダ943が噛合しており、送りねじ942の回転量に応じてスライドするようになっている。
一方、投影ユニット91は例えば左右に配置された一対の支持アーム944によって支持されている(図31等参照)。さらに、支持アーム944には、左右方向に延びる2本のシャフト945,946が互いに平行に取り付けられている。これらのうち第1のシャフト945は支持アーム944の端部付近に取り付けられている。また、第2のシャフト946は、投影ユニット91と第1のシャフト945の間となる位置に例えば支持片944aを介して支持アーム944に取り付けられている(図31参照)。なお、突起944bは、緩衝器949の一端を回転可能な状態で取り付けるために形成されている。緩衝器949の他端側はスライダ943に回転可能な状態で取り付けられている。
ここで、第1のシャフト945は、上述したスライダ943に対して相対回転可能な状態で連結している(図29参照)。さらに、第1のシャフト945はその両端部分がスライドレール947に案内されており、このスライドレール947に沿って前後方向に移動可能となっている。スライドレール947は、一対が互いに対向するように例えばフレーム509の内側に設けられているものである。
さらに、投影ユニット91を昇降させるための昇降機構94は、傾斜部948a付きのガイド948を備えている(図29、図30参照)。上述した第2のシャフト946はその両端部がこのガイド948に例えば載せられた状態となっており、当該ガイド948に沿って案内される。例えば本実施形態のメダルゲーム装置1の場合、第2のシャフト946がガイド948の傾斜部948aに沿って駆け下りるように降下するのに伴い、投影ユニット91が前方へせり出しながら降下してプレーヤの目前に位置するように動く(図30等参照)。
以上のような構成の昇降機構94における動作を説明する(図28等参照)。まず、投影ユニット91が初期位置にある状態、つまりメダルゲーム装置1の天井部分に収容された状態のとき(図29参照)、モータ941を駆動して送りねじ942を前方(図29中の矢印方向)へと送り出す。これに伴い、第1のシャフト945はスライドレール947に沿って前方へと移動し、さらに第2のシャフト946がガイド948に沿って前方へと移動する。このような動きに伴い、投影ユニット91は前方へとせり出すように移動する。さらに動作を続けると、第2のシャフト946がガイド948の傾斜部948aに差し掛かり、この後は当該傾斜部948aの勾配に沿って下がりながら前方へと移動する。この動きに伴い、投影ユニット91のスライド動作に前方へと回転する動作が加わり、天井からせり出しながら降下し、最終的にプレーヤの目前に位置して停止する(図30参照)。
本実施形態においては、上述のようにしてプレーヤの目前に位置した状態の投影ユニット91に対し、プロジェクタ装置92および反射板93によって例えばドーナツ状のルーレットとそのルーレットの外周に配置されたターゲットメカ911のプロジェクタ画像を投影し、ルーレットの回転映像及びターゲットメカ911が口を開閉する画像を映し出すようにしている。こうした場合、実際にルーレット盤を回転させるような構造をとらずとも、ルーレットで遊戯しているかのような臨場感をプレーヤに感じさせることができるという点で特徴的である。しかも、例えばターゲットメカ911の口の開閉動作に合わせて映像を投影することとすれば、実際のメカの動きと当該部分に映し出される映像とが同期した趣きのある像を作り出すことも可能である。
(動作の説明)
以下、本実施形態におけるメダルゲーム装置の動作を説明する。まず、全体的なゲームの流れを説明する。
〈全体的な流れ〉
本実施形態のゲームは、通常のプッシャゲームに加え、表示部20に表示された主人公が様々な場面に遭遇しながらゲームが進行する一種のロールプレイングゲーム(RPG)を主体とするものである。このRPGは、主人公が複数のゲームゾーンを進みながら、敵キャラクタを退治したり所定のゲームアイテムを集めたりして、その結果に応じたメダルMの払い出しや、更に多量のメダルを獲得できるジャックポットやプログレッシブを採用したスーパージャックポットチャンスの獲得を目指すといった多様な内容を含んでおり、主としてスロット抽選とその抽選結果等に応じて用意されている射撃ゲーム等を織り交ぜながら進行するものである。以下、具体例について詳細に説明する。
[通常ゲーム]
プレーヤが、各サテライト部2のメダル投入部12へメダルMを投入してゲームプレイを開始すると、通常ゲームが開始される。メダルMが投入される前の表示部20には、ゲームのタイトル画面、デモ画面、スクリーンセイバー画面等が表示されており、メダルMの投入により、メダル投入音とともに、ゲーム待機画面が表示部20に表示される。また、一定数のメダルMの投入によりプログレッシブ値(後述するスーパージャックポットゲームで払い出し可能なメダル量)が所定量増大される。なお、現在のプログレッシブ値は表示部20上に数値として表示されるとともに、回転センタユニットの上部に実メダルとして蓄積される。
この通常ゲームは、いわゆるメダルプッシャゲームであり、メダル投入部12から投入されたメダルMは、ガイド平板39上を伝ってチャッカ35(図34においては符号351,352で示す。)に向かって移動する。チャッカ35は、詳しくは、円盤状底部35aの周縁に所定間隔で立設された櫛歯状をなす複数の仕切りである第1の壁W1及び第2の壁W2を有しており、円盤状底部35aの中心に形成された開口OP(つまりチャッカ35の中心軸)を中心にして所定の角度範囲で左右往復動している。メダルMがその仕切りに邪魔されず、第1のスリットSL1又は第2のスリットSL2を通過すると、後述するスロット抽選が開始される。
一方、メダルMがチャッカ35の第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2を通過できず、第1の壁W1や第2の壁W2に阻まれると、そのメダルMは、メダル台37上に落下して保持される。メダル台37上にメダルMが蓄積してくると、やがて、そのメダルMと前後動するプッシャ台36の下端部前壁とが干渉し、一部のメダルMがメダル台37の前方(プレーヤ側)へ押し出され、メダル回収部38内へ落下・回収される。回収されたメダルMはプレーヤへ払い出される。この通常ゲームは、各サテライト部2でゲームの全体を通して所定の場合を除いて常に実行される。
[ロールプレイングゲーム]
上述の如く、ここでのロールプレイングゲームは、主人公が複数のゲームゾーンを進みながら展開されるものであり、例えば、魔法玉と呼ばれるアイテムを集めたり、モンスターとの戦い(モンスターバトル)に挑戦したり、サテライト部2内で射撃ゲームを行ったりする複数のバトルゾーンと、特別なモンスターとのモンスターバトルを行うエキストラゾーンと、いわゆるジャックポット及び獲得メダル数がより多くなるスーパージャックポットチャンスで射撃ゲームを行うファイナルゾーンでのゲームから構成されている。ロールプレイングゲームは、メダルMがチャッカ35を通過して入賞することにより開始され、タマゴ成長イベントとともに、スロット抽選の結果による分岐処理を伴う種々のゲームから構成されている。
(タマゴ成長イベント)
タマゴ成長イベントでは、メダルMがチャッカ35に入賞することにより、チャッカ35を一瞬発光させるとともに、メダルMがチャッカ35に入賞する度に、表示部20の画面において、「保留玉」と呼ばれる円形状の表示が1つずつ増えていくような表示を行う。保留玉は例えば10個まで表示される。
表示部20の画面における保留玉の上部には、ドラゴンのタマゴの画像を表示し、保留玉が10個表示された状態で、メダルMがさらにチャッカ35に入賞するとタマゴの成長値を1つ増加させるとともに、画面上のタマゴを少し大きく表示し、その成長値の増大に伴ってタマゴが徐々にひび割れていく画像を表示する。このタマゴの成長値が10になると、タマゴが割れてドラゴンが羽化する様子の画像を表示部20に表示する。そのようなドラゴンは、複数の種類用意されており、ドラゴンの種別によって表示部20の画面上で異なる技を披露させる。
例えば、ドラゴンは表示色によって「キドラ」、「アカドラ」、「チャドラ」、「アオドラ」のように命名されており、キドラであればアイテムとして所定数(例えば5〜10個)のコインを口から吐き出して落とすとともに、実際に、そのコインと同数のメダルMを払い出す。なお、「アイテムを落とす」とは、アイテムの画像を表示部20の画面上に表示することを示す(以下同様)。また、アカドラであれば、表示部20の画面上で主人公の背後に控え、後述するモンスターバトルで現れるモンスターを一撃で倒す。一方、チャドラであれば、表示部20の画面上に所定のアイテムとしてリーチアイテムと呼ばれるものを1つ落とす。これにより、各アイテムを使用する特別な演出のリーチ状態となる。他方、アオドラであれば、「魔法玉」と呼ばれるアイテムを所定数落とす。その後、これらの羽化したドラゴンは、表示部20の画面上から消え去り、画面外へ消えると同時に新しいドラゴンのタマゴが上方から降ってくる画像を表示部20に表示する。
なお、タマゴ成長イベントにおける保留玉の増大処理は、後記のスロット抽選が行われている間にメダルMがチャッカ35に入賞したときに行い、スロット抽選が1回行われると保留玉が1つ減るように制御する。
(スロット抽選)
また、チャッカ35にメダルMが入賞すると、スロット抽選を開始する。スロット抽選は、表示部20の画面上に表示された3列の仮想リールと各仮想リールに設定された数字又はマーク等の絵柄を用いて行われ、通常のスロットマシーンのリール回転による抽選と同様にこれら3つの絵柄の配列によって、メダルMの払い出しの有無、メダルMの払い出し枚数、各バトルゾーン内での各種ゲームの切り替え、バトルゾーン間の切り替え、エキストラゾーンへの移行、ファイナルゾーンでの射撃ゲームの種類、等を決定する。以下、前提条件として、仮想リールに、1〜7及び9の各数字、金貨マーク、宝箱マーク、エキストラゾーンマーク、及び2種類の特別マークを絵柄として設定した場合の例を用い、各種ゲーム内容について説明する。
〈小当たりイベント〉
3つの仮想リールに少なくとも1つの金貨マークが出ると、小当たりイベントが開始され、表示部20の画面上の主人公が金貨を拾いに行く画像を表示するとともに、それまで表示されていた背景表示をスクロールして別の背景表示を出現させる(つまり背景を前進させる)。また、3つの仮想リールに揃った金貨マークの数(1,2,3つのいずれか)に応じて、所定数のメダルMを払い出すようにしてもよい。なお、この小当たりイベントでは、金貨マークが2つ揃っても、金貨マークが出なかった仮想リールを再度回転させる動作(いわゆるリーチアクション)は行わない。
また、背景の前進表示とともに、金貨マークが出た場合には、表示部20の画面に、(1)「魔法玉が落ちている」画像、(2)「ワルドラが出現する」画像、及び、(3)「モンスターが出現する」画像のいずれかを表示する。このとき、金貨マークの数に応じて、魔法玉とモンスターの出現率が異なるようにされている。
そして、(1)魔法玉が落ちている場合、主人公がその魔法玉を拾う様子を表示し、これにより魔法玉ゲージを1つ増大(1UP)させる。この魔法玉ゲージが1UPすると(主人公が魔法玉を獲得すると)、サテライト部2で囲まれた中央で回転しているギミックが配されたターンテーブルユニット500が自分のサテライト部2に近づいたとき、メダル発射装置8の発射ボタン842が点滅を開始し、さらに、ターンテーブルユニット500上のギミックが、そのサテライト部2のメダル発射エリアに入ると、メダル発射装置8のモータを作動させ、メダル発射装置8からメダルMを発射可能な状態にする。このとき、発射ボタン842を押すことにより、ターンテーブルユニット500に設置された衛兵人形などの小ターゲット42に向かってメダルMを発射させる。このようにして発射ボタン842でメダルMを発射した場合、主人公が持っている魔法玉を1つ減少(1DOWN)させる。
メダルMが小ターゲット42に当たり、その勢いで小ターゲット42を倒した場合、小ターゲット42の下方に設置されたライトを点滅させるとともに、表示部20の画面にアイテム(所定数のコイン、所定数の魔法玉、リーチアイテム、鏡の破片等からランダムに選択されたもの)を落とす。それから、ターンテーブルユニット500上のギミックが自分のサテライト部2を通過してそのメダル発射エリアから外れたとき、主人公が所有する魔法玉が0個になったとき、又は、小ターゲット42が全て倒れたときには、発射ボタン842を消灯し、メダル発射装置8のモータを停止させる。
また、(2)ワルドラが出現すると、移動ターゲット41をメダルMで射撃する射撃ゲームを開始する。この射撃ゲームは、所定時間(例えば10秒間)、所定の発射間隔(例えば、0.2〜0.5秒毎)でメダル発射装置8から移動ターゲット41へ向かってメダルMを発射し、移動ターゲット41の口の中にメダルMを打ち込む(入射させる)ゲームである。
移動ターゲット41は、例えば、予告動作として羽をバタつかせかつ目が光るようにされており、そのサテライト部2でプッシャ部3を停止するとともに、射撃ゲームの実施が確定すると表示部20に射撃ゲームの説明画面が表示され、その説明が終わると、表示部20を下方へ移動させる。移動ターゲット41は、表示部20の上方中央の位置で一旦待機してから、メダル発射装置8の発射ボタン842が点灯すると、プレーヤに向かって左右方向に羽ばたきながら移動する。このとき、移動ターゲット41の動作パターンとして異なる複数の動作パターンを用意しておき、各動作パターンがランダムに選択されるように制御する。例えば、一例として、移動ターゲット41が上下動しながら波のように左右方向に移動する動作パターンが挙げられる。なお、このように移動させても、表示部20が下方に移動しているので、移動ターゲット41と表示部20とが干渉することはない。
それから、メダル発射装置8から発射されたメダルMが移動ターゲット41の口の中に入射してチャッカ入賞すると、移動ターゲット41の目の光を点滅させながら通常の羽ばたきよりも羽を速くバタつかせ(痛がるイメージ)、表示部20の画面にアイテム(所定数のコイン、所定数の魔法玉、リーチアイテム、鏡の破片等からランダムに選択されたもの)を落とす。制限時間が経過すると、メダル発射装置8からのメダル発射を停止し、移動ターゲット41をゆっくり羽ばたきながら元の定位置に帰還させる。そして、移動ターゲット41の羽ばたきを停止し、かつ、目の光を消灯した後、表示部20を上方に移動させて元に位置に復帰し、射撃ゲームを終了する。
一方、表示部20に(3)モンスターが出現すると、モンスターバトルを開始する。このモンスターバトルでは、数字等の絵柄のスロットとは異なるバトルスロットと呼ばれる別のスロットを表示部20に表示し、そのバトルスロットの配列結果によって、モンスターを倒したか否かを決する。その結果、モンスターを倒すことができた場合には、所定数のメダルMを払い出す。
〈大当たりイベント〉
3つの仮想リールに所定の同じ数字が揃うと、大当たりイベントとなり、前述の小当たりイベントモードよりも多量(例えば20〜50枚で数字によって5枚きざみで異なるようにしてもよい)のメダルMを払い出す。また、大当たりイベントでは、バトルゾーンをランダムに変更し、以降、異なるバトルゾーンで前述の及び後述の各種ゲームを行う。なお、この大当たりイベントでは、同じ数字が2つ揃った場合、同じ数字が出なかった仮想リールを再度回転させる動作(いわゆるリーチアクション)を行う。
さらに、大当たりイベントでは、揃った数字に応じて「ノーマル当たり」と「確率変動(確変)当たり」という2種類のモードが用意されている。ノーマル当たりの場合には、それまでのチャッカ35の状態から、チャッカ35における最も狭いスリット幅を有する第1のスリットSL1が形成された第1の領域R1がプレーヤに向かって前方に位置するように、回動機構18によってチャッカ35を一定角度回動させる(例えば、図34に矢印Y2で示す方向に回動させる)設定変更を行う。一方、確変当たりの場合には、それまでのチャッカ35の状態から、スリット幅がより広い第2のスリットSL2が形成された第2の領域R2がプレーヤ側(正面)を向くように、回動機構18によってチャッカ35を一定角度回動させる(例えば、図34に矢印Y2で示す方向に回動させる)設定変更を行う。そして、プレーヤは、新たに設定されたその状態で、メダル投入部12からメダルMの投入を行ってゲームを継続する。
ここで、第1の領域R1と第2の領域R2とを切り替える制御処理の具体的な手順は、特に制限されるものではないが、例えば、以下の手順が挙げられる。すなわち、メダルMが開口OPを通して入賞口である開口部33へ入ると、センサ301からの検出信号に基づいて、制御手段としてのCPU201がチャッカ入賞を判定する。このチャッカ入賞を条件としてスロット抽選処理を実行し、当たり役の種類(上記の例では、「ノーマル当たり」か「確変当たり」)を決定するとともに、その当たり役に応じた領域R1,R2を、例えばメモリ202に予め記憶しておいたデータテーブルを参照して選定する。そして、CPU201からの制御信号に基づいて、選定した領域(第1の領域R1か第2の領域R2)がプレーヤに向かって前方に位置するように、回動機構18を作動させ、さらに回動機構18に指令信号を送出してその領域のスリットを左右往復動させる。
〈チャンスゲームイベント〉
3つの仮想リールに特定の数字(例えば、3か7)が揃うと、表示部20に表示されたバトルゾーン及び背景画面を変えることなく、「チャンスゲーム」を実行する。このチャンスゲームでは、チャッカ35を一定角度回動させ、それまでのチャッカ35の状態から、メダルMの入賞の障害となる第1の壁W1や第2の壁W2が設けられておらず開放部Pが形成された第3の領域R3が正面を向くように設定変更する。なお、このような第3の領域R3への切り替え設定処理も、上述した制御手段としてのCPU201及び回動機構18による第1の領域R1と第2の領域R2との切り替え制御と同様に行うことができる。これにより、メダル投入部12から投入されたメダルMは、その殆ど全てがチャッカ35へ連続入賞することとなる。この開放状態を所定時間(例えば10秒間)1セットとし、3セット繰り返すとともに、チャッカ35に入った枚数の所定数倍のメダルMを払い出す。そして、3セット終了した後、スロットの再抽選を例えば10回行う。ここで、3つの仮想リールに特定の数字が再度揃うと連荘となり、再度チャンスゲームを行う。
〈宝箱イベント〉
3つの仮想リールに宝箱の絵柄が揃うと、表示部20に表示されたバトルゾーン及び背景画面を変えることなく、「宝箱イベント」を実行する。ここでは、表示部20の画面において、主人公が走り出し、その前方に大きな宝箱の画像を表示する。主人公が宝箱にたどり着くとその宝箱が開き、アイテムとメダルMを大量に吐き出す画像を表示する。メダルMの量は、例えば20〜50枚で宝箱によって5枚きざみで異なるようにしてもよい。
〈特別モンスターイベント〉
3つの仮想リールにエキストラゾーンマークの絵柄が揃うと、所定数(例えば20〜50枚)のメダルMを払い出すとともに、表示部20の画面を切り替えて、エキストラゲームゾーンでの処理が行われる。エキストラゲームゾーンでは、バトルゾーンで登場するモンスターの特別な種類としての特別モンスターを、表示部20の画面上に出現させる。特別モンスターが出現すると、上述した小当たりイベントでのモンスターバトルと同様にバトルスロットを用い、その配列結果によって、特別モンスターを倒したか否かを決する。その結果、特別モンスターを倒すことができた場合には、小当たりイベントでモンスターを倒したときよりも多くの所定数(例えば、後述するジャックポットチャンスで成功したときと同等の枚数)のメダルMを払い出す。
〈ジャックポットチャンス〉
各バトルゾーンのゲームで鏡の破片を所定数(例えば3つ)集めて「鏡」を完成させると、ゲーム場面がバトルゾーンからファイナルゾーンへ移行する。ファイナルゾーンでは、表示部20の画面上に表示された3列の仮想リールと各仮想リールに設定された例えば2種類の特別マークの絵柄を用いたスロット抽選を実施する。
このスロット抽選において、3つの仮想リールにジャックポット図柄が揃うと、メダルゲーム装置1の筐体の照明及び音楽(BGM)を変化させつつ、ターンテーブルユニット500上のギミックをそのサテライト部2の正面に位置するように回動させる。この回転移動の間は、表示部20にジャックポットチャンスのゲーム説明画面を表示し、プレーヤにルールの説明等を行う。ターンテーブルユニット500のギミックが対象のサテライト部2の正面に位置したらその回動を停止し、所望の光と音の演出を行う。それから、衛兵人形といった小ターゲット42を全て倒すとともに、小ターゲット42よりも大型の大ターゲット43の阻害部44(人形の腕等)を動かしながら、そのサテライト部2のプッシャ部3を停止し、かつ、表示部20を下方へ移動させる。次に、メダル発射装置8のモータを動作させ、メダル発射装置8からメダルMを発射可能な状態にする。
この射撃ゲームは、所定時間(例えば20秒間)、所定の発射間隔(例えば、0.2〜0.5秒毎)でメダル発射装置8から大ターゲット43へ向かってメダルMを発射し、大ターゲット43の口の中にメダルMを打ち込むゲームである。発射ボタン842を押すと、大ターゲット43に向かってメダルMが発射される。このとき、大ターゲット43の阻害部44を動かして、メダルMが大ターゲット43の口に入るのを阻止する。大ターゲット43の口にメダルMが入賞すると、メダルMの払い出し枚数が所定数(例えば5枚)ずつ加算され、最終的には、制限時間内のメダルMの入賞数に応じたメダル加算数とジャックポットの基本払い出し枚数(例えば50枚)との合計枚数が払い出される。
制限時間が経過すると、大ターゲット43の阻害部44の動きを停止し、ターンテーブルユニット500上の前方下部に設けられた門を下降させて開放し、その門の奥方(プレーヤと反対側)に設置されておりかつ払い出しメダルが貯留されたカップ状ユニット17をリンク機構によってそのサテライト部2のメダル台37上方へ移動かつ前方(プレーヤ側)へ傾動させ、これにより、カップ状ユニット17内のメダルMをサテライト部2へ排出する。
それから、カップ状ユニット17を元の位置に戻し、門を上昇させて閉止した後、表示部20を上方に移動させるとともに、ターンテーブルユニット500を通常の回動状態へ戻し、プッシャ部3を再稼動させて、射撃ゲームを終了する。
〈スーパージャックポットゲーム〉
一方、そのスロット抽選において、3つの仮想リールにスーパージャックポット図柄が揃うと、メダルゲーム装置1の照明ユニット700及び音楽(BGM)を変化させつつ、ターンテーブルユニット500上のギミックをそのサテライト部2の正面に位置するように回動させる。この回転移動の間は、表示部20にジャックポットチャンスのゲーム説明画面を表示し、プレーヤにルールの説明等を行う。ターンテーブルユニット500のギミックが対象のサテライト部2の正面に位置したらその回動を停止し、所望の光と音の演出を行う。それから、小ターゲット42を全て倒すとともに、プロジェクタ映像の投影ユニットを前方(プレーヤ側)へ迫り出すようにかつ降下するように移動させる。それから、そのサテライト部2のプッシャ部3を停止し、かつ、表示部20を下方へ移動させる。次に、メダル発射装置8のモータを動作させ、メダル発射装置8からメダルMを発射可能な状態にする。
この射撃ゲームは、投影ユニット上に、ドーナツ状のルーレットとそのルーレットの外周に配置されたターゲットメカ911のプロジェクタ画像を投影し、ルーレットの回転映像及びターゲットメカ911が口を開閉する画像を映し出した状態で、そのターゲットメカ911の口の内部にメダルMを当てるゲームである。ターゲットメカ911の口が開いているときに、その口の内側の領域にメダルMが当たると、その瞬間にルーレットの回転映像を停止し、ルーレットの内側の領域に当たり枚数を示す数字又はスーパージャックポット絵柄を表示する。
(ルーレットの当たりがスーパージャックポット絵柄であった場合)
この場合、ターンテーブルユニット500のギミックが、この射撃ゲームを行ったサテライト部2の両隣のサテライト部2,2の正面に向くように、ターンテーブルユニット500を一定角度の範囲で往復動させ、その動作を数回繰り返す。この間、対象のサテライト部2及びその両隣のサテライト部2,2から、ターンテーブルユニット500上のギミックに向けてメダルMの発射が可能となり、それぞれのメダル発射装置8を使ってそれぞれのプレーヤがギミックに向かってメダルMを発射する。総発射枚数が規定数に達すると、ターンテーブルユニット500の往復動を停止し、ギミックが射撃ゲームイベントの発生したサテライト部2の正面を向くようにターンテーブルユニット500を回動し停止する。
そして、投影ユニットを初期状態に戻すとともに、ターンテーブルユニット500のギミックの下部に設けられた下ゲート部46を開き、さらに、ギミックの上部に設けられた上ゲート部47を開いて、それらのゲート部で堰き止められて保持されていたメダルMを上述したカップ状ユニット17内へ排出する。なお、下ゲート部46には、スーパージャックポットの基本枚数(例えば50枚)のメダルMが集積している一方、上ゲート部47には、プログレッシブ値に相当する大量のメダルMが滞溜している。
それから、ターンテーブルユニット500の前方下部に設けられた門を開放し、その門の奥方に設置されておりかつ払い出しメダルが受け渡されたそのカップ状ユニット17を、リンク機構によってサテライト部2のメダル台37上方へ移動かつ前方(プレーヤ側)へ傾動させ、これにより、カップ状ユニット17内のメダルMをサテライト部2へ全て排出する。そして、カップ状ユニット17を元の位置に戻し、門を閉止した後、表示部20を上方に移動させるとともに、ターンテーブルユニット500を通常の回動状態へ戻し、プッシャ部3を再稼動させて、射撃ゲームを終了する。
(ルーレットの当たりがスーパージャックポット絵柄ではなかった場合)
この場合、ルーレットが停止したときに表示された当たり枚数のメダルMを、払い出しメダルに加算する。メダルMが当たったターゲットメカ911の口の開閉が停止されるが、隣のターゲットメカ911が標的として入れ替わって表示され、プレーヤは他のターゲットメカ911の口を狙って更にメダルMの発射を続けることができる。
そして、他のすべてのターゲットメカ911の口にメダルMを当ててかつルーレットの当たりがスーパージャックポット絵柄ではなかった場合、又は、所定の制限時間が経過したときに、投影ユニットを初期状態に戻すとともに、ターンテーブルユニット500の下部に設けられた下ゲート部46を開いて、その下ゲート部46で堰き止められて保持されていたメダルMを上述したカップ状ユニット17内へ排出する。なお、下ゲート部46には、スーパージャックポットの基本枚数(例えば50枚)のメダルMが集積している。
それから、ターンテーブルユニット500の前方下部に設けられた門を開放し、その門の奥方に設置されておりかつ払い出しメダルが受け渡されたそのカップ状ユニット17を、リンク機構によってサテライト部2のメダル台37上方へ移動かつ前方(プレーヤ側)へ傾動させ、これにより、カップ状ユニット17内のメダルMをサテライト部2へ全て排出する。そして、カップ状ユニット17を元の位置に戻し、門を閉止した後、表示部20を上方に移動させるとともに、ターンテーブルユニット500を通常の回動状態へ戻し、プッシャ部3を再稼動させて、射撃ゲームを終了する。
以上の一連のゲームは、メダル投入部12からメダルMを投入している間、繰り返される。また、上記の各動作は、メインユニット100及び各サテライトユニット200間でステータスの通報を適宜行い、両者のいずれかの制御によって適宜処理が行われる。
このように構成されたチャッカ35及びそれを備えるメダルゲーム装置1によれば、チャッカ35の第1のスリットSL1の第1の幅と第2のスリットSL2の第2の幅が異なるので、メダル通過の難易度も異なる。よって、メダル投入部12から投入されたメダルが、第1の領域R1及び第2の領域R2のいずれかに到達するように、回動機構18によるチャッカ35の回動設定で単に切り換えることにより、従来のような複雑な機構を必要とせずメダル通過の難易度ひいては入賞口への入賞確率を簡易に変動させることができる。
また、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2が、円盤状底部35aの周縁に沿って形成されており、弧状に整列しているので、従来の平板状のスリットに比して、メダルMが到達したときの入射角が緩和される。これにより、スリットのメダル通過の難易度がプレーヤにとって過度に高くなく、適度な入賞確率が確保され、ゲームへの興味を維持できる。換言すれば、メダルゲーム装置1の構成を簡略化して装置規模を縮小できるとともに、適度に且つゲームの状況に合わせて第1のスリットSL1と第2のスリットSL2とを単に切り替えることにより、簡易にメダル通過の難易度を調整することができる。
さらに、チャッカ35の中央部に開口OPが設けられ、その開口OPが入賞口である開口部33と連通しているので、実質的に入賞口がチャッカ35と一体に設けられ、第1のスリットSL1又は第2のスリットSL2を通過したメダルMは、直ちに入賞口に導入される。したがって、入賞口やそこまでの導入部を別体に設ける必要がなく、メダルゲーム装置1の構成の更なる簡略化を図ることができる。またさらに、円盤状底部35aがすり鉢状をなし、そのすり鉢の中央に開口OPが形成されているので、第1のスリットSL1又は第2のスリットSL2を通過したメダルMを入賞口である開口部33へより導き易くなる。
さらにまた、第1のスリットSL1が、複数の第1の壁W1によって形成されたものであり、第2のスリットSL2が、複数の第2の壁W2によって形成されたものであるので、板に孔を穿設するようにして孔状のスリットを形成しなくとも、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2を形成でき、スリットの上壁をなくしてチャッカ35ひいてはメダルゲーム装置1の構成を更に簡略化できる。また、第1の壁W1及び第2の壁W2が、それぞれ第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2を通過したメダルMを中央の開口OPへ案内するガイドとなって、メダルMを開口部33へ更に導入し易くなる。
また、第1の壁W1及び第2の壁W2が、円盤状底部35aの開口OP(つまり中央部)に向かって所定の厚さを有して先細りに形成されたものであるので、第1のスリットSL1又は第2のスリットSL2を通過したメダルMをより一層開口部33へ案内し易くなるとともに、モールド(型)を用いて第1の壁W1及び第2の壁W2を製作する際に型抜きがし易く、チャッカ35の製造効率を高めることができる。
またさらに、円盤状底部35aに、半径方向に沿って放射状に延びる溝Mzが形成されているので、第1のスリットSL1又は第2のスリットSL2を通過したメダルMが更に一層、入賞口である開口部33へ導入され易くなる。
さらにまた、第1の幅及び/又は第2の幅よりも大きな幅を有し、第1の領域R1、第2の領域R2、及び第3の領域のそれぞれの両側に防壁部35bが設けられているので、各領域R1,R2,R3を互いに確実に区画し易くなるとともに、チャッカ35を所定の角度範囲で回動させて第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2を円盤状底部35aの外周方向に左右往復動させるときに、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2の両側からのメダルMの進入を抑止できる。
加えて、円盤状底部35aが、スリットや壁等の障害物が設けられていない第3の領域R3を備えるので、この第3の領域R3が正面を向くように設定された場合、チャッカ35へのメダルMの流入が規制されない。よって、入賞口である開口部33へのメダルの入賞確率が格段に高められ、これにより、チャッカ35そのものを使用してプレーヤに所定の特典を与えることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
なお、スロット抽選において所定の条件が満たされたときに、制御手段としてのCPU201からの制御信号に基づいて回動機構18の作動を停止してチャッカ35の往復(左右)動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、チャッカ35を左右往復動するように回動させている場合に比してメダルMのスリット通過の難易度が低下するので、定常的にチャッカ35を所定の角度範囲で回動させているときに、メダルの入賞確率を高めるといった調節制御を行うことができる。
またさらに、ガイド平板39を備えるので、投入されたメダルMがガイド平板39上に放出され、そのメダルMはガイド平板39の傾斜によってチャッカ35へ向かって速やかに且つ円滑に移動することができ、チャッカ35への到達効率が高められる。また、ガイド平板39が傾斜しているので、転がらないでガイド平板39上に転倒したメダルMもチャッカ35側へ移動させることができ、メダルMを下方のメダル台37へ落下させることができる。さらにまた、ガイド平板39が、プッシャ台36に固定されているので、ガイド平板39がプッシャ台36とともに前後動してチャッカ35とガイド平板39との距離を一定に保つことができる。よって、ガイド平板39とチャッカ35の距離が開きすぎてしまってメダルMがチャッカ35に到達できずにメダル台37上に落下してしまうことを防止できる。
次に、本実施形態のメダル発射装置8における、メダルMの発射処理の流れを詳細に説明する。
まず、通常ゲームのときはメダル発射装置8を使用しないので、サテライトユニット200のCPU201は、ロック機構881を制御して第1操作台部86をロックして、メダル発射装置8が左右に揺動しないようにしている。また、ローラ駆動モータ823及びメダル供給モータ812の動作を停止させておく。プレーヤは通常ゲームの間、メダル投入部12からメダルMを投入して、メダルプッシャゲーム等のメダルゲームを行う。なお、通常ゲームのとき、表示部20は基準位置(デフォルトの位置)にある。
通常ゲームのメダルゲームにおいて、チャッカ入賞やスロット成立等、予め定められた条件を満たしたことをCPU201が検出すると、射撃フラグがセットされる。メインユニット100とサテライトユニット200では、ループ処理の途中で現在のゲームモードをフラグ判定しており、この射撃フラグが検出されると、通常ゲームから射撃ゲームにゲームモードが変更される。また、射撃フラグがセットされるとき、CPU201は、今回の射撃ゲームにおいて発射できるメダルMの最大数を決定する。
例えば、所定のチャッカに入賞すると、表示部20においてスロットゲームが実行され、成立したスロット内容に応じて、発射できるメダルMの数が最大30個などと決定される。このように、通常ゲームと射撃ゲームが連動し、表示部20で実行されるゲームの結果に応じて発射できるメダルMの数が決定されるようになっている。
射撃ゲームが開始されると、CPU201はローラ駆動モータ823を駆動制御して、回転ローラ822の回転駆動を開始する。また、駆動モータ214を駆動制御して、表示部20を下方に移動させる。さらに、発射ボタン842に埋め込まれた発光素子844を点滅等させるとともに、スピーカ26から射撃ゲーム用のBGMを流す等の演出を制御し、メダル発射装置8を用いる射撃ゲームが開始されることをプレーヤに認識させる。また、このとき、CPU201は、ゲームの進行状況に応じて発生するイベントに基づいて発射速度パラメータを決定し、この発射速度パラメータに従ってメダル付勢手段82でメダルに与える滑走力を調整し、メダル発射装置8から発射されるメダルの発射速度を制御する。
このメダル発射速度制御処理の詳細は、次のとおりである。まず、通常ゲームから射撃ゲームにゲームモードが変更されたとき、CPU201はゲームの進行状況に応じてイベントを決定する。ここでは、例えば、遊戯者に狙わせるターゲットを決定する。そして、CPU201は、メモリ202の設定テーブル825を参照してローラ駆動モータ823の回転数を読み出し、この回転数でローラ駆動モータ823の回転駆動を開始する。表示部20等で演出等をしている間にローラ駆動モータ823の回転数が上がっていき、演出が終わる頃には、先に読み出された回転数でローラ駆動モータ823が等速回転するようになる。
その後、CPU201の制御によって、支持手段88のロック機構881のロックが解除され、操作台80を上下左右に操作可能とするとともに、CPU201は、トリガセンサの操作信号の受付を開始して、メダル発射装置8からメダルMを発射可能な状態にする。こうして、遊戯者からメダル発射の指示入力があれば即座に所定の発射速度でメダルを発射できるように準備される。
その後の射撃ゲームでは、プレーヤはレバー23により操作台80を操作して発射レール831の向きを上下左右に揺動させ、メダルMの発射方向を定める。そして、メダルMをターゲットに向けて発射させるべく、発射ボタン842を押下する。
このとき、CPU201は、トリガセンサ843から発せされた発射ボタン842の操作信号に応答して、メダル供給モータ812の駆動を開始し、ミニホッパ811の回転円板815を回転させ、メダル供給口814を介してメダル付勢手段82にメダルMを1個供給するよう、ミニホッパ811を作動制御する。そして、メダル付勢手段82の回転ローラ821、822に挟み込まれたメダルMは、回転ローラ821、822の回転力によって付勢され(滑走力が与えられ)、発射レール831を滑走して、メダル発射口833からメダルMが発射される。なお、発射ボタン842が押下され続けている場合は、予め定めた所定の時間毎に、メダルMを連続して発射するよう制御される。
サテライトユニット200では、メダル発射装置8のトリガセンサ843から検出信号が供給され、一定時間以内にさらにメダルセンサ837から検出信号が供給された場合に実際に有効なメダルMの射撃があったものと判定する。発射ボタン842を押下してもメダル詰まりなどで実際にメダルMが発射されない場合があるからである。実射撃があったと判断されたら、インターフェース回路203を介してメインユニット100に実射撃があった旨を示すコマンドを通報する。
また、CPU201は、メダル発射装置8によるメダルMの発射に連動してメダル搬送手段27を介してメダル発射装置8のメダル供給手段81にメダルMを自動的に補充するよう制御する。このとき、CPU201は、メダルセンサ837からの発射検出信号を受けて、搬送レール272上に設けられた払出先振分ソレノイドを制御して切替フラップ273をメダル発射装置8側(第1の搬送路274)に切り替えた後、サテライト用ホッパ25のモータ212を駆動させる。モータ駆動によりメダルMがメダルガイド271内を下から上へ押し上げられ、搬送レール272を通り、搬送レール272の出口からメダル補充孔876を介してメダル発射装置8のミニホッパ811の貯留部へ所定枚数のメダルMが送られ、メダル補充がなされる。なお、プッシャ部3へ小当たりのメダル払出し処理を行うとき、CPU201は、払出先振分ソレノイドにより切替フラップ273をプッシャ部3側(第2の搬送路275)に切り替えた後、サテライト用ホッパ25を動作させ、プッシャ部3に所定枚数のメダル払出し処理を実行する。
その後、予め規定された条件を満たして射撃ゲームのイベントをクリアしたり、制限時間が経過したり、発射可能な最大数のメダルMを発射し尽くしたりすると、CPU201は、トリガセンサ843の操作信号を受け付けないようにし、ローラ駆動モータ823の駆動を停止させるとともに、ロック機構881をロックしてメダル発射装置8が左右に揺動しないようにする。さらに、駆動モータ214を制御して、表示部20を上方に移動させて元の基準位置に復帰させる。こうして、射撃ゲームを終了する。なお、イベントをクリアしたときには、遊戯者にメダルの払出し等を行い、当該イベントのクリアに応じたゲーム画像等を表示部20に表示してもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、チャッカ35は、更に他のスリット幅を有するスリットが形成された他の領域を有していてもよい。また、チャッカ35のスリットは、円盤状底部35aの外周の曲率と同等の曲げ板に孔を穿設して形成しても構わない。
また、ここで、メインホッパ531に対してメダルMを補充するフローの一例を示す(図32参照)。まず、メインホッパ531に対してメダルMを補充するフローを開始する(ステップ1)。メインホッパ531に対するメダル補充の実施時期は特に限られるものではないが、例えば本実施形態においてはいずれかのサテライト部2においてSJP(スーパージャックポット)、すなわち通常のJP(ジャックポット)よりも払い出し数の多い懸賞が当たった場合に、当該SJP処理に移行する前の段階でこのフローにしたがって実施し、メダルMをあらかじめ補充することとしている(図32参照)。
スーパージャックポットチャンスが始まり、補充フローを開始したら、まずはメダル補充数(総打ち出し数)を決定する(ステップ2)。例えば、各サテライト部2におけるメダル発射装置8から回転センタユニット6に向けて打ち出される総メダル数(総打ち出し数)をここでいうメダル補充数として取り扱うことができる。一例として、この場合における各サテライト部2からの総打ち出し数は、前回の補充以降、メインホッパ531からジャックポット部4へと供給されたメダル数と、上述したメダル量センサ531aによって検出ないしは概算したメダル回収量(貯留量)とから決定することができる。
メダル補充数を決定したら各サテライト部2からの打ち出し(メダル発射)に移行する。ここでは、打ち出し対象となるサテライト部2のメダル発射装置8からメダル打ち出しを実施するべく、メインユニット100のCPU101からサテライトユニット200のCPU201に対して発射命令が送信される(ステップ3)。なお、本実施形態の場合における打ち出し対象のサテライト部2は、スーパージャックポットチャンスに移行したサテライト部2を除く他のサテライト部2のすべてである。これらサテライト部2は、上述の発射命令を受けて打ち出し(メダル発射)を開始する(ステップ4)。
打ち出しを開始したら、各サテライト部2において、当該サテライト部2におけるメダル残量が一定値を下回っているかどうかを判断する(ステップ5)。下回った場合には(ステップ5においてYes)、当該サテライト部2におけるメダル残量が少ないと判定してそれ以降の打ち出し(メダル発射)を拒否し、当該サテライト部2における一連の補充フローを終了する(ステップ7)。
また、サテライト部2におけるメダル残量が一定を下回っていないと判断した場合には(ステップ5においてNo)、メダルゲーム装置1におけるメダル補充数が、ステップ2において決定したメダル補充数(総打ち出し数)に達したかどうかを判断する(ステップ6)。メダル補充数に達したと判断したら(ステップ6においてYes)、すべてのサテライト部2において打ち出しを止めて一連の補充フローを終了する(ステップ7)。一方、メダル補充数に達していなければステップ5にループし、メダル補充数に達するか、当該サテライト部2においてメダル残量が一定値を下回るまで打ち出し(メダル発射)を継続する(図32参照)。
このようなメインホッパ531に対するメダルMの補充フローを採用したメダルゲーム装置1によれば、スーパージャックポットチャンスの開始時に上述のような補充フローに基づきメダルMを移動させ、当該メダルゲーム装置1内におけるメダル分布の偏りをなくす処理を実施するから、メインホッパ(メダル回収容器)531における収容枚数が一時的に不足する状態をあらかじめ解消しておくことが可能である。
しかも、メダル発射装置8という既存の装置を利用したメダル補充が可能であるため、回収のための装置を別途設ける必要がない。このようないわばメダルの配分調整手法は、サテライト部2の設置数の多い本実施形態のようなメダルゲーム装置1において特に効果的である。また、本実施形態ではスーパージャックポットチャンスに移行したプレーヤに対してその他のプレーヤからの祝福を自動的に演出しつつメダルの配分調整を実施するから、メダルゲーム装置1の全体の雰囲気を盛り上げることができるという意味でも特徴的である。
なお、かかるメダル補充フローでは(図32参照)、打ち出し開始後(ステップ4)、各サテライト部2において当該サテライト部2におけるメダル残量が一定値を下回っているかどうかのみ判断することとしており(ステップ5)、これは具体的にはメダル残量が一定量以下となったかどうかのみ判断するいわゆるニアエンプティセンサのようなもので足りる。これに対し、メダル残量を具体的に把握できるセンサを利用することとすれば、各サテライト部2が打ち出し(メダル発射)ができる状況にあるかどうかを当該サテライト部2において判断することも可能である。こうした場合には、スーパージャックポットチャンスへの移行時に各サテライト部2が打ち出し可能かどうかを自ら判断していわば自己管理を行うことが可能となる。
1…メダルゲーム装置、2…サテライト部、3…プッシャ部、4…ジャックポット部、5…ターンテーブル部、6…回転センタユニット、8…メダル発射装置、10…コンソールパネル、12…メダル投入部、14…メダル送り機構、17…カップ状ユニット、18…回動機構、20…表示部、21…払出し口、22…受け皿、23…レバー、25…サテライト用ホッパ、26…スピーカ、27…メダル搬送手段、31…筒状体、32…制御棒、33,34…開口部、35,351,352…チャッカ(スリット付きチャッカ)、35a…円盤状底部、35b…防壁部、36…プッシャ台、37…メダル台、38…メダル回収部、39…ガイド平板(ガイド部材)、39a…傾動機構、39f,39n…縁辺、41…移動ターゲット、42…小ターゲット、43…大ターゲット、44…阻害部、45…チャッカ、46…下ゲート部、47…上ゲート部、48…切換機構、49…メダル供給路、51…メダル受け皿、52…ラウンドシュート、53…メダル供給装置、54…回転板、55…基台、80…操作台、81…メダル供給手段、82…メダル付勢手段、83…メダル射出手段、84…操作手段、85…台座、86…第1操作台部、87…第2操作台部、88…支持手段、89…メダル発射駆動手段、91…投影ユニット、92…プロジェクタ装置、93…反射板、94…昇降機構、100…メインユニット、101…CPU、102…メモリ、103…タイマ、104,105,106,108…インターフェース回路、107…音源回路、110…アンプ、200…サテライトユニット、201…CPU、202…メモリ、203,204,206,208,209…インターフェース回路、205…音源回路、207…ビデオ表示回路、211…アンプ、212…モータ、213…カウントセンサ、214…モータ、214…駆動モータ、271…メダルガイド、272…搬送レール、273…切替フラップ、274…第1の搬送路、275…第2の搬送路、276…メダル受け皿、300…ターゲットユニット、301…センサ、302…ボード、303…冷陰極管、304…発光素子、400…ジャックポットユニット、401,402…モータ、403…ウェーブセンサ、404…モータ、405…カウントセンサ、406…フルセンサ、411,421…支持棒、422…回転シャフト、423…取付台座、441…モータ、442…カム、443…カムフォロワ、444…支点、445…支持板、451…入賞口、452…センサ、453…誘導路、461…下ゲート、462…軸、462…上ゲート、463…下ゲートプッシャ、471…上ゲート、472…軸、473…上ゲートプッシャ、480…傾斜路、481…ガイドシャフト、482a…メダル導入部、482…レール、483…スロープ、483a…斜面、484…モータ、485…メダル流路、486…軸受、487…回転板、487a…凸部、488…係止片、489…センサ、500…ターンテーブルユニット、501…モータ、502…ジャックポットセンサ、503…位置センサ、505,507…傾斜路、506,508…落下孔、509…フレーム、511…開口部、512…底部、513…樋、521…開口部、522…底部、523…樋、524…開口、531…メインホッパ、531a…メダル量センサ、532…メダルガイド、533…揺動レバー、534…メダル出口、600…メダル回収ユニット、601…メダル供給モータ、700…照明ユニット、800…メンテナンスユニット、801…支持軸、803…回転中心軸、811…ミニホッパ、812…メダル供給モータ、813…メダルガイド、814…メダル供給口、815…回転円板、821…回転ローラ、821a…外周部、822…回転ローラ、823…ローラ駆動モータ、825…設定テーブル、826…イベント、827…回転数、831…発射レール、832…入射端、833…メダル発射口、835…下面、836…上面、837…メダルセンサ、842…発射ボタン、843…トリガセンサ、844…発光素子、861…筐体、862…側壁、863,864…カイド孔、871…筐体、872…側面、873,874…爪、875…上面、876…メダル補充孔、881…ロック機構、891,892…軌跡、900…インターフェースユニット、911…ターゲットメカ、912…各チャッカ、913…開閉機構、941…モータ、943…スライダ、944…支持アーム、944a…支持片、944b…突起、945,946…シャフト、947…スライドレール、948…ガイド、948a…傾斜部、949…緩衝器、Ka…ベース筺体、Kb…コンソール筺体、Kc…上部筺体、Kd…仕切り板、M…メダル、Mz…溝、OP…開口、P…開放部、R1…第1の領域、R2…第2の領域、R3…第3の領域、SL1…第1のスリット、SL2…第2のスリット、W1…第1の壁、W2…第2の壁、Y1…左右動方向、Y2…回動方向、Z…凸条。