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JP4771613B2 - 粘着シート - Google Patents

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JP4771613B2
JP4771613B2 JP2001155054A JP2001155054A JP4771613B2 JP 4771613 B2 JP4771613 B2 JP 4771613B2 JP 2001155054 A JP2001155054 A JP 2001155054A JP 2001155054 A JP2001155054 A JP 2001155054A JP 4771613 B2 JP4771613 B2 JP 4771613B2
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、表面シートを剥離性脆質層との界面で容易に剥離でき、剥離した表面シートの表面には粘着剤が残らず、配送伝票、親展葉書などに利用できる粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷物に配送伝票を貼付して、荷物を配送することが行われている。例えば、受領書部と送り状部からなる粘着剤層付き配送伝票を荷物に貼付して、荷物を配送し、配送先で受領書部を送り状部から分離して剥ぎ取り、受領書部を持ち帰ることが行われている。
受領書部を持ち帰る際に、受領書部に粘着剤が付着していると、複数の受領書部を積層した場合にお互いが接着し、受領書部に印字されている文字情報が破損されることがある。また、自動読み取り機を用いて情報を読み取る際に、受領書が重送して正確な情報を読み取ることができないという問題もある。
これを防ぐ為に、従来、配送伝票として、表面シートに樹脂層を2層積層し、その樹脂層の表面に粘着剤層を設けた配送伝票が提案されている。この配送伝票は、荷物に貼付された後、2層の樹脂層の界面で剥離させて、表面シートを剥離するものである。
しかし、この配送伝票は、樹脂層の剥離を容易に開始させることが難しいという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決し、表面シートを剥離性脆質層との界面で容易に剥離でき、剥離した表面シートの表面に粘着剤が残らない粘着シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂から成る表面シートに、充填剤を10〜80質量%及び熱可塑性樹脂を90〜20質量%含有する剥離性脆質層を積層し、該剥離性脆質層を粘着シートを被着体に貼付した後に剥がそうとすると表面シートが剥離性脆質層の界面から剥がされる剥離性脆質層にすることにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂から成る表面シートに、充填剤を10〜80質量%及び熱可塑性樹脂を90〜20質量%含有する剥離性脆質層が積層され、その剥離性脆質層の表面に粘着剤層が設けられている粘着シートであって、該剥離性脆質層が粘着シートを被着体に貼付した後に剥がそうとすると表面シートが剥離性脆質層の界面から剥がされる剥離性脆質層であり、粘着シート縁部の少なくとも一部に粘着剤層が欠落していることを特徴とする粘着シートを提供するものである。
また、本発明は、熱可塑性樹脂から成る表面シートに、充填剤を10〜80質量%及び熱可塑性樹脂を90〜20質量%含有する剥離性脆質層が積層され、その剥離性脆質層の表面に粘着剤層が設けられている粘着シートであって、該剥離性脆質層が粘着シートを被着体に貼付した後に剥がそうとすると表面シートが剥離性脆質層の界面から剥がされる剥離性脆質層であり、粘着シート縁部の粘着剤層の少なくとも一部表面に皮膜層が設けられていることを特徴とする粘着シートを提供するものである。
さらに、本発明は、上記粘着シートにおいて、表面シートと剥離性脆質層がポリプロピレン樹脂を含む粘着シートを提供するものである。
また、本発明は、上記粘着シートにおいて、表面シートが、ポリプロピレン樹脂50〜95重量%と高密度ポリエチレン樹脂5〜50重量%からなる混合物からなる表面シートである粘着シートを提供するものである。
さらに、本発明は、上記粘着シートにおいて、粘着シートが、配送伝票または親展葉書に用いる粘着シートである粘着シートを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着シートにおいて、表面シートは、熱可塑性樹脂からなるシートである。熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン/エチレン/環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、それらの共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド、フッ素系樹脂、またはこれらのいずれかを含む共重合体、ポリマーブレンド、ポリマーアロイなどが使用できるが、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン樹脂が好ましく用いられる。さらに、耐水性及び耐薬品性の面からポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂がより好ましく用いられ、ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂の混合物が特に好ましい。
【0006】
ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂の混合物におけるポリプロピレン樹脂の混合割合は、50〜95質量%好ましく、60〜90質量%がより好ましく、70〜85質量%が特に好ましい。ここで、ポリプロピレン樹脂としては、アイソタクティックプロピレン単独重合体又はシンジオタクティックプロピレン単独重合体、及び種々の程度の立体規則性を有するポリプロピレン樹脂、プロピレンを主成分とし、エチレン、ブテン−1、へキセン−1、ヘプテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの少なくとも1種との共重合体樹脂が挙げられる。α−オレフィンは2種、3種又は4種以上の組合せであってもよい。また、プロピレン/α−オレフィン共重合体樹脂は、ランダム構造であってもよいし、ブロック構造であってもよい。また、高密度ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体、又はエチレンを主成分とし、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1等のα−オレフィンの少なくとも1種との共重合体樹脂が挙げられる。α−オレフィンは2種、3種又は4種以上の組合せであってもよい。高密度ポリエチレン樹脂の密度は、0.945〜0.960g/cmが好ましく、0.950〜0.959g/cmが特に好ましい。高密度ポリエチレン樹脂の引張弾性率は、6.5×10〜12.5×10kg/cmが好ましく、7×10〜12×10kg/cmが特に好ましい。
【0007】
表面シートには、熱可塑性樹脂の他に、充填剤を含有していてもよい。充填剤としては、無機微粉末及び/又は有機微粉末を用いることができる。無機微粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等が挙げられる。無機微粉末の平均粒径は特に制限ないが、通常0.01〜15μmが好ましく、0.01〜8μmがより好ましく、0.03〜4μmが特に好ましい。有機微粉末としては、表面シートの主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂が好ましい。例えば、表面シートがポリオレフィン樹脂シートである場合には、有機微粉末としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド樹脂、環状オレフィンの単独重合体、環状オレフィンとエチレンなどの不飽和モノマーとの共重合体等が挙げられる。有機微粉末は、融点が120〜300℃のものが好ましく、また、ガラス転移温度が120〜280℃のものが好ましい。
【0008】
表面シートに含まれる充填剤の含有量は、剥離性脆質層の充填剤の含有量よりも少ないことが好ましい。また、表面シートの全体量に対しては30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
表面シートは、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。表面シートは、1軸延伸又は2軸延伸等のように延伸処理されていてもよい。延伸倍率は1.2〜12倍が好ましい。
表面シートの厚みは、通常10〜500μmの範囲が好ましく、15〜300μmの範囲が特に好ましい。
表面シートは、剥離性脆質層よりも強度が高いことが必要である。表面シートの破断点応力は、150〜2000kg/cmが好ましく、300〜1800kg/cmが好ましい。
【0009】
表面シートの表面に積層されている剥離性脆質層は、充填剤を10〜80質量%及び熱可塑性樹脂を90〜20質量%含有する。
充填剤としては、無機微粉末及び有機微粉末を用いることができる。無機微粉末及び有機微粉末としては、上記と同様のものが挙げられる。無機微粉末及び有機微粉末の平均粒径も、上記と同様である。
また、熱可塑性樹脂は、特に制限なく、上記と同様のものが挙げられるが、特にポリプロピレン樹脂が好ましく用いられる。
充填剤の含有割合は、10〜80質量%であり、好ましくは15〜75質量%であり、より好ましくは20〜70質量%であり、特に好ましくは30〜60質量%である。熱可塑性樹脂の含有割合は、90〜20質量%であり、好ましくは85〜25質量%であり、より好ましくは80〜30質量%であり、特に好ましくは70〜40質量%である。
剥離性脆質層の厚みは、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.5〜4μmが特に好ましい。
【0010】
表面シートと剥離性脆質層との積層は、種々の積層成形方法で行うことができる。積層成形方法としては、例えば、押出機に接続された単層のTダイ等のダイスから溶融樹脂をシート状に押出し、表面シートに積層するラミネート成形、押出機に接続された複層のTダイ等のダイスから溶融樹脂をシート状に押出すキャスティング成形、押出機に接続された複層の円形ダイから溶融樹脂をチューブ状に押出し、内部の圧力を高くして膨張させるインフレーション成形、混練した樹脂をロールの間で圧延するカレンダー法等及びこれらの組合せが挙げられる。
本発明の粘着シートにおいては、表面シートと剥離性脆質層が積層された後、延伸されていてもよい。延伸は、少なくとも1軸方向への延伸であればよいが、2軸延伸でもよい。
延伸方法としては、種々の延伸方法が適用できるが、例えば、周速の異なるロール群による縦方向1軸延伸方法、テンターオーブンによる横方向1軸延伸方法、これらの組合せによる2軸延伸方法、インフレーションのチューブラー延伸方法等が挙げられる。
【0011】
延伸温度は、適宜選定すればよいが、熱可塑性樹脂の融点から1〜70℃低い温度が好ましい。
延伸倍率は、特に制限ないが、1軸延伸においては、1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、2軸延伸においては、面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは4〜50倍である。
延伸後は、アニ−リング処理してもよい。
表面シートの片面又は両面には、印刷等により文字、記号、線、図形、絵などの表示層を設けることができる。特に、配送伝票として使用する場合、表面シートの表面には、荷受人、配送先などを印刷することができる。
また、表面シートの表面には、感熱記録、インクジェット、熱転写、インパクトプリンター、レーザープリンターなどの印刷適性を向上させるために、各種のコート層を設けてもよい。
【0012】
本発明においては、剥離性脆質層の表面には、粘着剤層が設けられている。
粘着剤層に使用される粘着剤は、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤などが挙げられる。合成ゴム系粘着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。アクリル樹脂系粘着剤の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリルなどの単独重合体もしくは共重合体などが挙げられる。ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤の具体例としては、ポリビニルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。シリコーン樹脂系粘着剤の具体例としては、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
また、上記粘着剤層には、必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、填料、染料又は顔料などの着色剤などを配合することができる。粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。軟化剤としては、プロセスオイル、液状ゴム、可塑剤などが挙げられる。填料としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
粘着剤層の厚みは、特に制限ないが、通常10〜100μmであればよく、好ましくは15〜50μmである。
【0014】
粘着剤層は、表面シートの片面に設けられた剥離性脆質層に直接塗布、形成してもよく、また、剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布、乾燥させ粘着剤層を形成した後、剥離性脆質層が設けられた表面シートと貼り合わせてもよい。粘着剤層の形成方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどが挙げられる。
【0015】
本発明においては、粘着シート縁部の少なくとも一部に粘着剤層が欠落している。粘着剤層の欠落部は、粘着シート縁部の少なくとも一部に存在しておればよく、粘着シート縁部の全部に存在してもよい。粘着剤層の欠落部の形状は、任意であり、三角形状、四角形状、帯状など種々の形状にすることができる。
また、本発明においては、上記粘着剤層の欠落部の代わりに、粘着シート縁部の粘着剤層の少なくとも一部表面に皮膜層が設けられてもよい。皮膜層は、粘着シート縁部の粘着剤層の少なくとも一部に存在しておればよく、粘着シート縁部の粘着剤層の全部に存在してもよい。皮膜層は、紙、樹脂フィルム、印刷層など粘着性のない種々の皮膜が挙げられる。皮膜層の形状は、粘着剤層の欠落部の形状と同様なものが挙げられる。皮膜層の厚さは、特に制限されないが、紙、樹脂フィルムでは10〜100μm、印刷層では1〜5μm程度が好ましい。
【0016】
粘着剤層の表面は、剥離シートで覆うことが好ましい。また、剥離シートを使用しないで、表面シートの表面に剥離剤を塗布するなどにより剥離性を付与し、粘着シートをロール巻きにして保存してもよい。このようにして、粘着剤層の表面を保護することができる。
剥離シートとしては、いずれのものを使用してもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレートなどの各種樹脂よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙等の各種紙材を基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、必要により剥離処理が施されたものを用いることができる。
この場合、剥離処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤よりなる剥離剤層の形成が挙げられる。
剥離シートの厚みは、特に制限されず、適宜選定すればよい。
【0017】
本発明の粘着シートを被着体に貼付するには、粘着シートの粘着剤層の表面に剥離シートが覆われている場合はその剥離シートを剥ぎ取り、その粘着剤層を被着体の表面に密着させることにより、行うことができる。
粘着シートが被着体に貼付された状態を、図を用いて説明する。
図1では、被着体7に貼付された粘着シート1は、粘着剤層4の欠落部5の部分は粘着性がないので、それらの部分は被着体7に固定されておらず、浮いた状態になっている。図3では、被着体7に貼付された粘着シート1は、皮膜層6の部分は粘着性がないので、それらの部分は被着体7に固定されていない状態になっている。従って、粘着剤層4の欠落部5又は皮膜層6の部分から容易に剥離させることができる。
図2に示すように、本発明の粘着シート1を、被着体7に貼付した後に粘着剤層4の欠落部5から剥がそうとすると、欠落部5の近傍で剥離性脆質層3が破壊され、その破壊された剥離性脆質層3と共に表面シート2が剥離性脆質層3との界面から剥がされ、他の剥離性脆質層3は粘着剤層4と共に被着体7に残る。また、図4に示すように、本発明の粘着シート1を、被着体7に貼付した後に皮膜層6のある縁部から剥がそうとすると、皮膜層6の近傍で剥離性脆質層3が破壊され、その破壊された剥離性脆質層3と共に表面シート2が剥離性脆質層3との界面から剥がされ、他の剥離性脆質層3は粘着剤層4と共に被着体7に残る。剥離性脆質層3及び皮膜層6は、粘着性がなく、その表面がべとつかない。また、表面シートの剥離面には粘着剤は残らない。
【0018】
表面シートの剥離性脆質層からの剥離強度は、150〜1400mN/25mmが好ましく、350〜950mN/25mmが特に好ましい。なお、ここでいう剥離強度とは、JIS Z0237に準拠して測定したものである。表面シートの脆質樹脂層からの剥離強度を調節するために、表面シートの表面を表面処理してもよい。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電処理、化学処理等が挙げられる。
また、剥離性脆質層と粘着剤層との剥離強度は、表面シートの脆質樹脂層からの剥離強度よりも大きくする必要がある。
粘着シートを被着体から剥離する時の剥離強度は、表面シートの脆質樹脂層からの剥離強度よりも大きくする必要があり、500mN/25mm以上大きくすることが好ましい。
剥離性脆質層と粘着剤層との剥離強度が小さい場合には、剥離性脆質層の表面を表面処理してもよい。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電処理、化学処理等が挙げられる。
本発明の粘着シートを、配送伝票として使用する場合には、例えば、受領書部と送り状部を有する配送伝票が挙げられる。受領書部と送り状部には、それぞれ荷受人と配送先を記載できることが好ましい。受領書部と送り状部は、容易に分離できることが好ましい。受領書部と送り状部を容易に分離する手段としては、例えば、表面シートにミシン目を入れることなどが挙げられる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例によって、何ら限定されるものではない。
【0020】
(実施例1)
表面シートとして、ポリプロピレン樹脂(アイソタクティックポリプロピレン)70質量%、高密度ポリエチレン樹脂(密度0.955g/cm、引張弾性率9.5×10kg/cm)20質量%、及び充填剤として炭酸カルシウム(平均粒径1.5μm)10質量%からなる樹脂組成物を、押出し機で溶融混練し、250℃のダイからシート状に押出し、長さ20m、幅20cm、厚さ93μmの白色二軸延伸ポリプロピレンフィルムを作製した。この白色二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、ポリプロピレン樹脂50質量%、及び炭酸カルシウム(平均粒径1.5μm)50質量%からなる樹脂組成物を、押出し機で溶融混練し、270℃のダイからシート状に押出し、ラミネート成形により積層して、放冷し、厚み7μの脆質層が積層された白色二軸延伸ポリプロピレンフィルム(総厚み100μm)を成形した。
次に、脆質層が積層された白色二軸延伸ポリプロピレンフィルムを120℃に加熱し、周速の異なるロール群により延伸倍率5倍に縦方向1軸延伸を施し、延伸積層シート(剥離性脆質層の厚み1μm、表面シート(ポリプロピレンフィルム)の厚み80μm)を得た。その延伸積層シートを縦10cm、横15cmの寸法に裁断し、表面シートと剥離性脆質層の積層物から成る基材を作製した。
次いで、この基材の剥離性脆質層の表面に、アクリル系粘着剤(サイデン化学(株)製、商品名「AT−165L」)を塗布し、厚さ20μmの粘着剤層を形成し、その表面を剥離シート(リンテック(株)製、商品名「SP−8Kアオ」)で覆った。さらに、粘着剤層の表面の縦の一辺の縁部に幅5mmの紫外線硬化型インク(ティーアンドケイ東華(株)製、商品名「ベストキュアーUV161スミ」)を厚さ1.5μmになるように印刷し、水銀灯(3KW、2灯)を用いて、約1秒間紫外線を照射し、皮膜層を形成し、粘着シートを得た。
【0021】
この粘着シートの剥離シートを取り除き、粘着シートの粘着剤層を被着体(ダンボール板)に接して押し付け、粘着シートを被着体に貼付した。粘着シートの縁部の一辺にある皮膜層は、被着体には接着されておらず、被着体から浮いた状態であった。その後、皮膜層がある粘着シートの縁部から剥がしたところ、皮膜層近傍の剥離性脆質層が破壊され、一辺に約5mm幅の皮膜層、粘着剤層及び剥離性脆質層が付いた表面シートが剥離性脆質層との界面で剥離し、容易に剥がすことができた。表面シートの脆質樹脂層からの剥離強度は、400mN/25mmであった。剥がされた表面シートの表面には、粘着剤の糊残りはなかった。なお、表面シートの破断点応力は、幅方向1580kg/cmで、流れ方向530kg/cmであった。
【0022】
(実施例2)
実施例1と同様にして、表面シートと剥離性脆質層の積層物から成る基材を得た。この基材の剥離性脆質層の表面に、縦の一辺の縁部に幅5mmの粘着剤層の欠落部を形成するように、アクリル系粘着剤(サイデン化学(株)製、商品名「AT−165L」)を塗布し、厚さ20μmの粘着剤層を形成し、その表面を剥離シート(リンテック(株)製、商品名「SP−8Kアオ」)で覆った。
この粘着シートの剥離シートを取り除き、粘着シートの粘着剤層を被着体(ダンボール板)に接して押し付け、粘着シートを被着体に貼付した。粘着シートの縁部の一辺にある粘着剤層の欠落部は、被着体には接着されておらず、剥離性脆質層が被着体から浮いた状態であった。その後、粘着剤層の欠落部がある粘着シートの縁部から剥がしたところ、粘着剤層欠落部近傍の剥離性脆質層が破壊され、縁部の一辺に約5mm幅の剥離性脆質層が付いた表面シートが剥離性脆質層との界面で剥離し、容易に剥がすことができた。表面シートの脆質樹脂層からの剥離強度は、400mN/25mmであった。剥がされた粘着シートの表面には、粘着剤の糊残りはなかった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の粘着シートは、被着体に貼付後に、被着体から剥離すると、表面シートを容易に剥離でき、剥離した表面シートの表面に粘着剤が残るのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粘着シートの一例を被着体に貼付した状態を示す断面図である。
【図2】 被着体に貼付した図1の粘着シートを、引き剥がす際の状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の粘着シートの他の一例を被着体に貼付した状態を示す断面図である。
【図4】 被着体に貼付した図3の粘着シートを、引き剥がす際の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 表面シート
3 剥離性脆質層
4 粘着剤層
5 欠落部
6 皮膜層
7 被着体

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂から成る表面シートに、充填剤を10〜80質量%及び熱可塑性樹脂を90〜20質量%含有する剥離性脆質層が積層され、その剥離性脆質層の表面に粘着剤層が設けられている粘着シートであって、該剥離性脆質層が粘着シートを被着体に貼付した後に剥がそうとすると表面シートが剥離性脆質層の界面から剥がされる剥離性脆質層であり、粘着シート縁部の少なくとも一部に粘着剤層が欠落していることを特徴とする粘着シート。
  2. 熱可塑性樹脂から成る表面シートに、充填剤を10〜80質量%及び熱可塑性樹脂を90〜20質量%含有する剥離性脆質層が積層され、その剥離性脆質層の表面に粘着剤層が設けられている粘着シートであって、該剥離性脆質層が粘着シートを被着体に貼付した後に剥がそうとすると表面シートが剥離性脆質層の界面から剥がされる剥離性脆質層であり、粘着シート縁部の粘着剤層の少なくとも一部表面に皮膜層が設けられていることを特徴とする粘着シート。
  3. 表面シートと剥離性脆質層がポリプロピレン樹脂を含む請求項1又は2記載の粘着シート。
  4. 表面シートが、ポリプロピレン樹脂50〜95重量%と高密度ポリエチレン樹脂5〜50重量%からなる混合物からなる表面シートである請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 粘着シートが、配送伝票または親展葉書に用いる粘着シートである請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
JP2001155054A 2001-05-24 2001-05-24 粘着シート Expired - Lifetime JP4771613B2 (ja)

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