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JP4696531B2 - セラミック電子部品の製造方法および製造装置 - Google Patents

セラミック電子部品の製造方法および製造装置 Download PDF

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JP4696531B2
JP4696531B2 JP2004324169A JP2004324169A JP4696531B2 JP 4696531 B2 JP4696531 B2 JP 4696531B2 JP 2004324169 A JP2004324169 A JP 2004324169A JP 2004324169 A JP2004324169 A JP 2004324169A JP 4696531 B2 JP4696531 B2 JP 4696531B2
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Description

本願発明は、セラミック電子部品の製造方法および製造装置に関し、詳しくは、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストを焼き付けることにより外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造方法および製造装置に関する。
内部電極や外部電極を備えたセラミック電子部品のコストを低減するため、内部電極や外部電極の構成材料として、AgやPdなどの貴金属に代えて、Ni、Cuなどの卑金属を使用することが広く行われている。
図3は、卑金属(例えばNi)からなる内部電極と、卑金属(例えばCu)からなる外部電極を備えたセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す図である。すなわち、この積層セラミックコンデンサは、図3に示すように、積層セラミック素子51中に、複数の内部電極52a,52bがセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52a,52bが交互に積層セラミック素子51の逆方向の端面54a,54bに引き出されて、該端面に形成された外部電極55a,55bに接続された構造を有している。
そして、このような積層セラミックコンデンサは、卑金属粉末(例えばNi粉末)を導電成分とする導電ペーストを印刷、塗布して表面に内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極が形成されていないセラミックグリーンシート(ダミーシート)を積層、圧着し、個々の素子への分割(カット)、焼成を行った後、焼成後の積層体(積層セラミック素子)の両端部に、卑金属粉末(例えばCu粉末)を導電成分とする導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより、外部電極を形成する工程を経て製造されている。
ところで、外部電極の形成に用いられる導電ペーストとしては、通常、金属(Cu)粉末、ガラス、有機バインダおよび溶剤を混練して調製されたものが用いられており、上記導電ペーストを焼け付けるに際しては、有機バインダや溶剤などの有機物を燃焼・飛散させる脱バインダ工程を実施した後、本焼き付け工程を実施して外部電極を形成するようにしている。
また、外部電極材料(導電成分)として、卑金属(例えばCu)を用いる場合には、その酸化を防止するために、窒素ガスなどの不活性ガスを炉内に供給し、非酸化性雰囲気下において焼き付けが行われている。
そして、従来は、例えば図4に示すように、酸素濃度100ppm程度の雰囲気中で脱バインダ工程を実施し、導電ペースト(Cuペースト)中の有機物を燃焼・飛散させた後、約650℃の温度を超えたあたりから、酸素濃度を10ppm程度に低下させてCuが酸化されることを防止しつつ、外部電極の焼き付けを行っている(特許文献1の段落0008)。
すなわち、この従来の方法によれば、Cu粉末を導電成分とする導電ペーストを用いて外部電極を形成する場合、脱バインダ工程では、有機物の燃焼を促進させるために酸素濃度を高くし、その後のCuの焼き付け工程では、酸素濃度を低下させてCuの酸化を防止しつつCuを焼結させるようにしている。
上述のように脱バインダ工程の後の、焼き付け工程で酸素濃度を低くした場合、内部電極と外部電極との合金化が促進され、外部電極と内部電極の電気的接続の信頼性を高めることが可能になる。しかしながら、焼き付け工程で酸素濃度を低くした場合、外部電極の焼結密度を十分に高めることができず、外部電極中に空孔が形成されやすくなる。
そして、その結果、形成される外部電極の耐衝撃性が不十分になったり、外部電極表面にめっき層を形成するために、外部電極にめっきを施す工程で、めっき液が外部電極に浸入し、セラミック電子部品素子の内部にまで達して、内部欠陥の発生や絶縁抵抗の劣化を招くという問題点がある。
すなわち、上述のような外部電極の形成方法では、CuやNiなどの卑金属を含む外部電極ペーストを用いた場合、
(a)内部電極と外部電極との電気的接続の信頼性を高めることと、
(b)外部電極の焼結密度を高めること
の両方の目的を達成することが困難で、特性が良好で信頼性の高いセラミック電子部品を得ることができないという問題点がある。
特開平7−335477号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、卑金属を主たる成分とする内部電極を有するセラミック電子部品素子に、該内部電極と導通する外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品を生産するにあたって、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度が高く、耐衝撃性に優れた外部電極を備えた信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく製造することが可能なセラミック電子部品の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、発明者は、従来のセラミック電子部品素子への外部電極の形成方法について検討を行い、従来のトンネル式熱処理炉を用いて導電ペースト(外部電極)の焼き付けを行う方法においては、
(a)大気と窒素ガスを混合して、酸素濃度を制御した雰囲気ガスを、被焼成物(外部電極形成用の導電ペーストが付与されたセラミック電子部品素子)の進行方向(搬送方向)と平行に、かつ、進行方向と同一方向に流れるようにトンネル式熱処理炉内に供給していること、
(b)そのため、進行方向に向かって前方側のセラミック電子部品素子の雰囲気ガスとなる周囲ガスは、そのセラミック電子部品素子よりも、進行方向に向かって後方のセラミック電子部品素子に影響されたガス(該後方のセラミック電子部品素子から発生した分解ガスなどを含んだガス)となるため、雰囲気制御が困難で、意図する雰囲気で焼き付けを行うことが困難であること、
(c)その結果、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度が高く、耐衝撃性に優れた外部電極を備えた信頼性の高いセラミック電子部品を得ることが困難になっていること
を知り、さら実験、検討を加えて本願発明を完成した。
すなわち、本願発明(請求項1)のセラミック電子部品の製造方法は、
セラミック電子部品素子に導電ペーストを付与する工程と、導電ペーストが付与されたセラミック電子部品素子をトンネル式熱処理炉で熱処理して、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストを焼き付けて外部電極を形成する工程とを含むセラミック電子部品の製造方法において、
前記トンネル式熱処理炉で導電ペーストを焼き付ける工程において、
前記トンネル式熱処理炉内を進行する前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、
前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給すること
を特徴としている。
また、本願発明(請求項2)のセラミック電子部品の製造方法は、
セラミック電子部品素子に導電ペーストを付与する工程と、導電ペーストが付与されたセラミック電子部品素子をトンネル式熱処理炉で熱処理して、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストを焼き付けて外部電極を形成する工程とを含むセラミック電子部品の製造方法であって、
(a)前記トンネル式熱処理炉の、セラミック電子部品素子の搬入口から所定距離までの領域R1においては、
前記トンネル式熱処理炉内を進行する前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、
前記セラミック電子部品素子の進行方向後方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と同一方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第3の雰囲気ガスを供給し、
(b)前記所定距離までの領域R1を超えた領域R2においては、
前記トンネル式熱処理炉内を進行する前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、
前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給し、かつ、
(c)前記所定距離までの領域R1と該領域R1を超えた領域R2の境界部において、トンネル式熱処理炉内の雰囲気ガスを排気するようにしたこと
を特徴としている。
また、請求項3のセラミック電子部品の製造方法は、請求項1または2記載のセラミック電子部品の製造方法の構成において、前記第2の雰囲気ガスおよび/または第3の雰囲気ガスの酸素濃度を、前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から供給される第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも低くすることを特徴としている。
また、請求項4のセラミック電子部品の製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法の構成において、前記セラミック電子部品が、卑金属を主たる成分とする内部電極と、卑金属を主たる成分とする外部電極を備えたセラミック電子部品であることを特徴としている。
また、本願発明(請求項5)のセラミック電子部品の製造装置は、
セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストをトンネル式熱処理炉で焼き付けて外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造装置において、前記トンネル式熱処理炉が、
トンネル構造の熱処理炉本体と、
外部電極形成用の導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体内に搬入する搬入口と、
前記熱処理炉本体内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体から搬出する搬出口と、
前記搬入口から前記搬出口まで前記セラミック電子部品素子を搬送する搬送手段と、
前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段と、
前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給する第2の雰囲気ガス供給手段と
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項6)のセラミック電子部品の製造装置は、
セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストをトンネル式熱処理炉で焼き付けて外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造装置において、前記トンネル式熱処理炉が、
トンネル構造の熱処理炉本体と、
導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体内に搬入する搬入口と、
前記熱処理炉本体内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体から搬出する搬出口と、
前記搬入口から前記搬出口まで前記セラミック電子部品素子を搬送する搬送手段と、
前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段と、
前記トンネル式熱処理炉の、セラミック電子部品素子の搬入口から所定距離までの領域R1において、前記セラミック電子部品素子の進行方向後方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と同一方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第3の雰囲気ガスを供給する順方向への第3の雰囲気ガス供給手段と、
前記トンネル式熱処理炉の、前記所定距離までの領域R1を超えた領域R2において、前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給する逆方向への第2の雰囲気ガス供給手段と、
前記領域R1と前記領域R2との境界部において、トンネル式熱処理炉内の雰囲気ガスを排気する排気手段と
を具備することを特徴としている。
本願発明(請求項1)のセラミック電子部品の製造方法は、トンネル式熱処理炉で導電ペーストを焼き付ける工程で、トンネル式熱処理炉内を進行するセラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、トンネル式熱処理炉内に供給する前の第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給するようにしているので、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から供給される第1の雰囲気ガスの影響を強く与えながら熱処理するとともに、セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって供給される第2の雰囲気ガスにより、第1の雰囲気ガスの影響の程度を制御して、所望の雰囲気中での熱処理を行うことが可能となり、特性の良好な外部電極を備えたセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
すなわち、本願請求項1のセラミック電子部品の製造方法の発明によれば、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向からの第1の雰囲気ガスの影響を受ける熱処理と、セラミック電子部品素子の進行方向とは逆方向に流れる第2の雰囲気ガスにより、第1の雰囲気ガスの影響がある程度抑制された雰囲気下での熱処理とが同時あるいは交互に行われることになり、第1および第2の雰囲気ガスを調整することにより、所望の雰囲気中での熱処理を行うことが可能となり、信頼性の高い外部電極を備えた、特性の良好なセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、連続して同一方向に搬送される複数のセラミック電子部品素子についてみた場合に、前後のセラミック電子部品素子の影響を受けにくい、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向からの第1の雰囲気の供給により、トンネル式熱処理炉へのセラミック電子部品素子の投入個数などの影響を抑制して、ロット内の製品の特性のばらつきを小さくすることが可能になる。
また、本願発明(請求項2)のセラミック電子部品の製造方法のように、 (a)トンネル式熱処理炉の、セラミック電子部品素子の搬入口から所定距離までの領域R1においては、トンネル式熱処理炉内を進行するセラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、セラミック電子部品素子の進行方向後方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と同一方向に向かって、トンネル式熱処理炉内に供給する前の第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも、トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第3の雰囲気ガスを供給し、(b)所定距離までの領域R1を超えた領域R2においては、トンネル式熱処理炉内を進行するセラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、トンネル式熱処理炉内に供給する前の第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給し、かつ、(c)所定距離までの領域R1と該領域R1を超えた領域R2の境界部において、トンネル式熱処理炉内の雰囲気ガスを排気するようにした場合、例えば、領域R1において、有機物を燃焼・飛散させる脱バインダを効率よく行うとともに、外部電極の焼き付けを領域R2で確実に行って、特性の良好な外部電極を備えたセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
すなわち、ある程度の酸素の存在下で行うべき脱バインダ工程では、第3の雰囲気ガスをセラミック電子部品素子の進行方向に沿って流し、最初に酸素濃度の雰囲気の高い条件で熱処理を行い、その後は、領域R2において、第2の雰囲気ガスをセラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に流しながら熱処理を行うことにより、脱バインダと焼き付けを確実に行って、特性の良好な外部電極を備えたセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
なお、第2の雰囲気ガス、および、第3の雰囲気ガスとして、同じ組成(酸素濃度)のガスを用いることも可能であり、酸素濃度の異なるガスを用いることも可能である。
また、請求項3のセラミック電子部品の製造方法のように、セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって供給される第2の雰囲気ガスおよび/または進行方向と同一方向に向かって供給される第3の雰囲気ガスの酸素濃度を、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から供給される第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも低くすることにより、進行方向に直交する方向からの第1の雰囲気ガス(酸素濃度の高い酸化性ガス)中で導電ペーストの焼結を進める一方で、過度な酸化雰囲気による外部電極と内部電極の相互拡散の阻害を、セラミック電子部品素子の進行方向とは逆方向に流れる第2の雰囲気ガス(酸素濃度の低い還元性ガス)および/または進行方向と同一方向に向かって供給される第3の雰囲気ガスにより抑制して、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度の高い外部電極を備えた、全体的な信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
なお、本願発明において、「第2の雰囲気ガスおよび/または第3の雰囲気ガスの酸素濃度を、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から供給される第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも低くする」とは、トンネル式熱処理炉内部の、焼き付けが行われているセラミック電子部品素子の近傍を流れる際の雰囲気ガスの酸素濃度を意味する概念であり、トンネル式熱処理炉に供給するために調整した時点における酸素濃度を意味するものではない。
また、請求項4のセラミック電子部品の製造方法のように、セラミック電子部品が、卑金属(例えばNi)を主たる成分とする内部電極と、卑金属(例えばCu)を主たる成分とする外部電極を備えた積層セラミック電子部品である場合には、内部電極と外部電極との電気的接続の信頼性を高めることと、外部電極の焼結密度を高めることを両立させることは困難である場合が少なくないが、そのような場合に本願発明を適用することにより、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度が高く、耐衝撃性に優れた外部電極を備えた、信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本願発明(請求項5)のセラミック電子部品の製造装置は、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストをトンネル式熱処理炉で焼き付けて外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造装置において、トンネル式熱処理炉が、トンネル構造の熱処理炉本体と、導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子を熱処理炉本体内に搬入する搬入口と、熱処理炉本体内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子を熱処理炉本体から搬出する搬出口と、搬入口から搬出口までセラミック電子部品素子を搬送する搬送手段と、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段と、セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、トンネル式熱処理炉内に供給する前の第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも、トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給する第2の雰囲気ガス供給手段とを備えているので、本願発明(請求項1)のセラミック電子部品の製造方法を確実に実施して、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度が高く、耐衝撃性に優れた外部電極を備えた、信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本願発明(請求項6)のセラミック電子部品の製造装置のように、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストをトンネル式熱処理炉で焼き付けて外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造装置において、トンネル式熱処理炉が、トンネル構造の熱処理炉本体と、導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子を熱処理炉本体内に搬入する搬入口と、熱処理炉本体内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子を熱処理炉本体から搬出する搬出口と、搬入口から搬出口までセラミック電子部品素子を搬送する搬送手段と、セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段と、トンネル式熱処理炉の、セラミック電子部品素子の搬入口から所定距離までの領域において、セラミック電子部品素子の進行方向後方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と同一方向に向かって、
トンネル式熱処理炉内に供給する前の第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第3の雰囲気ガスを供給する順方向への第3の雰囲気ガス供給手段と、所定距離までの領域R1を超えた領域R2において、セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、トンネル式熱処理炉内に供給する前の第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給する逆方向への第2の雰囲気ガス供給手段と、領域R1と領域R2との境界部において、トンネル式熱処理炉内の雰囲気ガスを排気する排気手段とを備えているので、本願発明(請求項2)のセラミック電子部品の製造方法を確実に実施して、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度が高く、耐衝撃性に優れた外部電極を備えた、信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施例(実施例1)にかかる方法により製造したセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す図である。
この積層セラミックコンデンサは、積層セラミック素子(セラミック電子部品素子)1中に、Niからなる複数の内部電極2a,2bがセラミック層3を介して積層され、かつ、セラミック層3を介して互いに対向する内部電極2a,2bが交互に積層セラミック素子1の逆方向の端面4a,4bに引き出されて、該端面に形成された外部電極5a,5bに接続された構造を有する積層セラミックコンデンサである。
この積層セラミックコンデンサは、長さL:2.0mm、幅W:1.25mm、厚み1.25mm、内部電極2a,2b間のセラミック層3の厚みが3μmで、B特性、静電容量2.2μFの積層セラミックコンデンサである。
そして、この積層セラミックコンデンサにおいては、内部電極2a,2bの構成材料(導電成分)としてNiが用いられており、外部電極5a,5bの構成材料(導電成分)としてCuが用いられている。
そして、この積層セラミックコンデンサは、Ni粉末を導電成分とする導電ペーストを印刷、塗布して表面に内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層し、その上下両面側に、内部電極が形成されていないセラミックグリーンシート(ダミーシート)を積層、圧着することにより得られたマザー積層体をカットし、個々のセラミック電子部品素子(図1のセラミック電子部品素子1の未焼成のもの)に分割し、焼成を行った後、焼成後の積層体(積層セラミック素子1)の両端部に、Cuを導電成分とする外部電極5a,5bを形成する工程を経て製造されている。
なお、外部電極5a,5bは、セラミック電子部品素子1の両端部にCu粉末を導電成分とする導電ペーストを塗布した後、以下に説明するような方法で熱処理を行い、導電ペーストを焼き付けることにより形成されている。
以下、外部電極の形成工程で導電ペーストの焼き付けを行うのに用いたトンネル式熱処理炉およびそれを用いた熱処理方法について図2を参照しつつ説明する。
図2は、セラミック素子に導電ペーストを塗布したセラミック電子部品素子1を焼成する際に用いたトンネル式熱処理炉の構成を模式的に示す図である。
この実施例のトンネル式熱処理炉Fは、図2に示すように、一本の連続したトンネル構造を有する熱処理炉本体11と、導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子1(図1)が多数搭載された匣1aを熱処理炉本体11内に搬入する搬入口12と、熱処理炉本体11内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子(積層セラミックコンデンサ)1が搭載された匣1aを熱処理炉本体11から搬出する搬出口13と、搬入口12から搬出口13までセラミック電子部品素子1が搭載された匣1aを搬送する搬送手段(例えばベルトコンベア)14とを備えている。
また、このトンネル式熱処理炉Fは、匣1aに搭載されたセラミック電子部品素子1の進行方向(矢印Aで示す方向)と直交する方向(この実施例では両側方(矢印D1,D2で示す方向))から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段15と、セラミック電子部品素子1の進行方向前方側から、セラミック電子部品素子1の進行方向と逆方向(矢印Bで示す方向)に向かって第2の雰囲気ガスを供給する第2の雰囲気ガス供給手段16と、セラミック電子部品素子1の進行方向後方側から、セラミック電子部品素子1の進行方向と同じ方向(矢印Cで示す方向)に向かって第3の雰囲気ガス(この実施例では上記矢印Bの方向に供給される第2の雰囲気ガスと同じ組成の雰囲気ガス)を供給する第3の雰囲気ガス供給手段17と、熱処理炉本体11の略中央部から内部の雰囲気ガスを排出する排気手段18を備えている。
なお、この排気手段18により雰囲気ガスが排出される位置よりも、セラミック電子部品素子1の進行方向についてみた場合の手前側の領域を領域R1とし、排気手段18により雰囲気ガスが排出される位置よりも、セラミック電子部品素子1の進行方向についてみた場合の前方側の領域を領域R2とした場合に、領域R1において第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)と、セラミック電子部品素子1の進行方向と同じ方向に向かって供給される第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)が供給され、領域R2においては第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)と、セラミック電子部品素子1の進行方向と逆方向に向かって供給される第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)が供給されるように構成されている。
そして、この実施例では、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)、および、第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)の酸素濃度を、表1および表2に示すような範囲で変化させて、外部電極の焼き付けを行った。
なお、表1は、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)と第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)を大気50cc/min、窒素ガス60L/minの条件に固定し、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)の組成を変化させた場合の条件をまとめて示しており、表2は、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)を、大気40cc/min、窒素ガス70L/minの条件に固定し、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)と第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)の組成を変化させた場合の条件をまとめて示している。
なお、この実施例では、表1および2のいずれの場合にも第2の雰囲気ガスと第3の雰囲気ガスに同じ組成(酸素濃度)の雰囲気ガスを使用した。
また、この実施例における外部電極の焼き付け条件は以下の通りでる。
ピーク温度:780℃
ピーク温度での焼き付け時間:15分
そして、上述の雰囲気条件および焼き付け条件で焼き付けを行って外部電極を形成した積層セラミックコンデンサ(試料)について、電気的接合性の良否の判定の指標となる静電容量値のばらつき(3CV(%))を調べるとともに、電極緻密性の良否の判定の指標となる耐湿負荷試験(70℃、RH95%、10V、1000hr後)におけるIRの劣化の発生率(試料100個当たりのIR劣化の発生した試料の数)を調べた。なお、logIRが6以下の場合をIRの劣化が発生していると判定した。
上述の測定結果を表1および表2に示す。
Figure 0004696531
Figure 0004696531
なお、表1および表2において、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)の酸素濃度、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)の酸素濃度はいずれも熱処理炉本体に供給する前の酸素濃度であり、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)を供給しない表1の試験番号1−1、および、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)を供給しない表2の試験番号2−1の場合を除いて、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)の酸素濃度が、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)の酸素濃度よりも高くなっているが、熱処理炉本体の内部においては、焼き付けの際の脱バインダや焼結などの際に酸素が消費されるため、表1および2に示した酸素濃度よりも低くなる。そして、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)は連続して複数個のセラミック電子部品素子の外部電極の脱バインダや焼結に繰り返して使用されることになるため、その酸素濃度は、熱処理炉本体に供給されて直ちにセラミック電子部品素子に吹き付けられることになる第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)の酸素濃度よりも薄くなる。
すなわち、表1の試験番号1−2、1−3、1−4の条件、および、表2の試験番号2−2、2−3、2−4の条件は、実際には第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)の酸素濃度が、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)の酸素濃度よりも薄くなるような条件である。
表1に示すように、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)を供給していない試験番号1−1の条件で焼き付けた場合、耐湿負荷試験におけるIR劣化の発生割合が高く、電極緻密性が不十分であることが確認された。
一方、横方向雰囲気ガスと、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)を試験番号1−2、1−3、1−4に示すような条件で供給しながら焼き付けを行った場合、静電容量の3CVの値が小さく、内部電極と外部電極の電気的接合の信頼性が高く、かつ焼結密度が高く緻密で耐衝撃性に優れた外部電極が形成されていることが確認された。
また、表2に示すように、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)を供給せずに横方向雰囲気ガスのみ供給して焼き付けを行った試験番号2−1の場合、静電容量のばらつきが大きくなった。これは、内部電極と外部電極の合金化が進まなかったことによるものと考えられる。
一方、横方向雰囲気ガスと、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)を表2の試験番号2−2、2−3、2−4に示すような条件で供給しながら焼き付けを行った場合、静電容量の3CVの値が小さく、内部電極と外部電極の電気的接合の信頼性が高く、かつ焼結密度が高く緻密で耐衝撃性に優れた外部電極が形成されていることが確認された。
表1の試験番号1−2、1−3、1−4に示す条件および表2の試験番号2−2、2−3、2−4に示す条件で特性の良好な外部電極が形成されるのは、トンネル構造の熱処理炉本体の主要部において、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)により外部電極の焼結を促進させ、かつ、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)により、過度な酸化雰囲気による外部電極と内部電極の相互拡散の阻害を防止する効果が得られることによるものと考えられる。
なお、上記実施例では、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)に同じ組成(酸素濃度)の雰囲気ガスを使用しているが、本願発明においては、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)として、組成(酸素濃度)の異なる雰囲気ガスを用いることも可能である。
また、上記実施例では、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)とともに、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)を供給するようにした場合を例にとって説明したが、本願発明は、順方向雰囲気ガスを供給せずに、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)と、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)のみを供給するように構成することも可能であり、その場合にも、上記実施例の場合に準じる作用効果を得ることができる。
また、上記実施例では、内部電極を構成する材料がNiであり、外部電極を構成する導電材料がCuである場合を例にとって説明したが、本願発明は内部電極および外部電極が他の金属材料である場合にも適用することが可能である。なお、本願発明において用いることが可能な内部電極を構成する金属材料としては、 Cu、Niなどが例示され、外部電極を構成する金属材料としてはCu、Niなどが例示される。
本願発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、第1の雰囲気ガス(横方向雰囲気ガス)、第2の雰囲気ガス(逆方向雰囲気ガス)および第3の雰囲気ガス(順方向雰囲気ガス)の組成、焼き付け温度、焼き付け時間、トンネル構造の熱処理炉本体の具体的な構造、セラミック電子部品素子を搬送する搬送手段の種類や具体的な構成、雰囲気ガス供給手段の構成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、内部電極と外部電極の電気的接続の信頼性が高く、かつ、焼結密度の高い外部電極を備えた信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく形成することが可能になる。
したがって、本願発明は、導電ペーストを焼き付けることにより外部電極を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサやセラミック多層基板などのセラミック電子部品の製造方法およびその製造装置に広く利用することが可能である。
本願発明の一実施例にかかるセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。 本願発明の一実施例にかかるセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の製造装置を構成するトンネル式熱処理炉の構成を示す平面図である。 従来のセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す図である。 従来のセラミック電子部品の製造工程で外部電極を焼き付ける際のプロファイルを示す図である。
1 積層セラミック素子(セラミック電子部品素子)
1a 匣
2a,2b 内部電極
3 セラミック層
4a,4b 積層セラミック素子の端面
5a,5b 外部電極
11 熱処理炉本体
12 搬入口
13 搬出口
14 搬送手段
15 第1の雰囲気ガス供給手段
16 第2の雰囲気ガス供給手段
17 第3の雰囲気ガス供給手段
18 排気手段
A セラミック電子部品素子の進行方向
B セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向
C セラミック電子部品素子の進行方向と同じ方向
D1、D2 セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向
F トンネル式熱処理炉
R1 セラミック電子部品素子の進行方向についてみた場合の手前側の領域
R2 セラミック電子部品素子の進行方向についてみた場合の前方側の領域

Claims (6)

  1. セラミック電子部品素子に導電ペーストを付与する工程と、導電ペーストが付与されたセラミック電子部品素子をトンネル式熱処理炉で熱処理して、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストを焼き付けて外部電極を形成する工程とを含むセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記トンネル式熱処理炉で導電ペーストを焼き付ける工程において、
    前記トンネル式熱処理炉内を進行する前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、
    前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給すること
    を特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
  2. セラミック電子部品素子に導電ペーストを付与する工程と、導電ペーストが付与されたセラミック電子部品素子をトンネル式熱処理炉で熱処理して、セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストを焼き付けて外部電極を形成する工程とを含むセラミック電子部品の製造方法であって、
    (a)前記トンネル式熱処理炉の、セラミック電子部品素子の搬入口から所定距離までの領域R1においては、
    前記トンネル式熱処理炉内を進行する前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、
    前記セラミック電子部品素子の進行方向後方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と同一方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第3の雰囲気ガスを供給し、
    (b)前記所定距離までの領域R1を超えた領域R2においては、
    前記トンネル式熱処理炉内を進行する前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給するとともに、
    前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給し、かつ、
    (c)前記所定距離までの領域R1と該領域R1を超えた領域R2の境界部において、トンネル式熱処理炉内の雰囲気ガスを排気するようにしたこと
    を特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記第2の雰囲気ガスおよび/または第3の雰囲気ガスの酸素濃度を、前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から供給される第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも低くすることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記セラミック電子部品が、卑金属を主たる成分とする内部電極と、卑金属を主たる成分とする外部電極を備えたセラミック電子部品であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  5. セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストをトンネル式熱処理炉で焼き付けて外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造装置において、前記トンネル式熱処理炉が、
    トンネル構造の熱処理炉本体と、
    外部電極形成用の導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体内に搬入する搬入口と、
    前記熱処理炉本体内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体から搬出する搬出口と、
    前記搬入口から前記搬出口まで前記セラミック電子部品素子を搬送する搬送手段と、
    前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段と、
    前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガスの酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給する第2の雰囲気ガス供給手段と
    を具備することを特徴とするセラミック電子部品の製造装置。
  6. セラミック電子部品素子に付与した導電ペーストをトンネル式熱処理炉で焼き付けて外部電極を形成する工程を経て製造されるセラミック電子部品の製造装置において、前記トンネル式熱処理炉が、
    トンネル構造の熱処理炉本体と、
    導電ペーストを付与したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体内に搬入する搬入口と、
    前記熱処理炉本体内で熱処理の完了したセラミック電子部品素子を前記熱処理炉本体から搬出する搬出口と、
    前記搬入口から前記搬出口まで前記セラミック電子部品素子を搬送する搬送手段と、
    前記セラミック電子部品素子の進行方向と直交する方向から第1の雰囲気ガスを供給する第1の雰囲気ガス供給手段と、
    前記トンネル式熱処理炉の、セラミック電子部品素子の搬入口から所定距離までの領域R1において、前記セラミック電子部品素子の進行方向後方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と同一方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第3の雰囲気ガスを供給する順方向への第3の雰囲気ガス供給手段と、
    前記トンネル式熱処理炉の、前記所定距離までの領域R1を超えた領域R2において、前記セラミック電子部品素子の進行方向前方側から、前記セラミック電子部品素子の進行方向と逆方向に向かって、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の前記第1の雰囲気ガス酸素濃度よりも、前記トンネル式熱処理炉内に供給する前の酸素濃度が高く、かつ、大気と窒素を混合した第2の雰囲気ガスを供給する逆方向への第2の雰囲気ガス供給手段と、
    前記領域R1と前記領域R2との境界部において、トンネル式熱処理炉内の雰囲気ガスを排気する排気手段と
    を具備することを特徴とするセラミック電子部品の製造装置。
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