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JP4679262B2 - 送信方法および装置ならびに受信方法および装置ならびにそれらを利用した通信システム - Google Patents

送信方法および装置ならびに受信方法および装置ならびにそれらを利用した通信システム Download PDF

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Description

本発明は、送信技術および受信技術に関し、特に複数のサブキャリアが使用された信号を送信し、あるいは受信する送信方法および装置ならびに受信方法および装置ならびにそれらを利用した通信システムに関する。
無線通信システムの高品質化や大容量化を達成するための技術のひとつが、MIMO(Multiple Input Multiple Output)である。MIMOシステムでは、送信装置と受信装置がそれぞれ複数のアンテナを備え、それぞれのアンテナに対応したチャネルを設定する。そのため、MIMOシステムは、送信装置と受信装置との間の通信に対して、最大アンテナ数までのチャネルを設定することによって、大容量化を実現する。このようなMIMOシステムの中でも、MIMO固有モードシステムは、通信容量を増大できる。MIMO固有モードシステムでは、送信装置と受信装置にそれぞれ備えられた複数のアンテナ間の伝送路特性の値から生成されるチャネル行列(以下、「H行列」という)を導出し、H行列のランクに相当する数の直交伝送路を形成する。その際、直交伝送路のそれぞれに対応した固有ビームが形成される(例えば、非特許文献1参照。)。
坂口啓、「MIMO固有モード通信システムの構築と測定実験結果」、電子情報通信学会誌B、2004年9月、J87−B、9、p.1454−1466
高速なデータ伝送を可能にしつつ、マルチパス環境下に強い通信方式として、マルチキャリア方式のひとつであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式がある。このOFDM変調方式に対応した受信装置は、一般的に受信信号から伝送路特性を推定し、推定した伝送路特性をもとにそれぞれのキャリアを単位にした復調を実行する。ここで、受信装置は、信号の受信特性を向上させるために、推定した伝送路特性に含まれた雑音の影響を低減する。例えば、受信装置は、時間軸領域において平均処理を施したり、周波数領域において平均処理を施す。
しかしながら、前述のMIMO固有モードシステムに対応した受信装置は、固有ビームが形成された信号を受信する。一般的に、固有ビームにおいて、周波数領域における信号内の相関は、小さくなっている。これは、OFDM変調方式において、隣接したキャリア間の相関が小さくなっていることに相当する。このような信号に対して、周波数領域における平均処理を施せば、直交伝送路が形成されなくなってしまう。そのため、MIMO固有モードシステムに対応した受信装置は、周波数領域における平均処理を実行できず、雑音の影響を低減できない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、MIMO固有モード伝送であっても、雑音の影響を低減する送信技術あるいは受信技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の送信装置は、複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する複数の送信用アンテナと、複数の送信用アンテナの数と、受信装置に備えられた複数の受信用アンテナの数から定められる要素の数を有した伝送路行列であって、かつ複数の送信用アンテナのそれぞれと複数の受信用アンテナのそれぞれとの間の伝送路特性を要素の値とした伝送路行列を周波数領域にて取得する取得部と、取得部において取得した周波数領域の伝送路行列をそれぞれ特異値分解することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際の仮のステアリング行列を周波数領域にて導出する第1導出部と、第1導出部において導出した周波数領域の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行することによって、時間領域の応答特性をそれぞれ導出する変換部と、変換部において導出した時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくすることによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際のステアリング行列を導出する第2導出部と、を備える。
この態様によると、時間領域の応答特性のうちの一部の値を小さくしたのちに、ステアリング行列を導出するので、サブキャリア間の相関を増大させたようなステアリング行列を導出でき、MIMO固有モード通信であっても受信装置に雑音の影響を低減させることができる。
本発明の別の態様もまた、送信装置である。この装置は、複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する複数の送信用アンテナと、複数の送信用アンテナの数と、受信装置に備えられた複数の受信用アンテナの数から定められる要素の数を有した伝送路行列であって、かつ複数の送信用アンテナのそれぞれと複数の受信用アンテナのそれぞれとの間の伝送路特性を要素の値とした伝送路行列をサブキャリア単位に取得する取得部と、取得部において取得したサブキャリア単位の伝送路行列をそれぞれ特異値分解することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際の仮のステアリング行列をサブキャリア単位に導出する第1導出部と、第1導出部において導出したサブキャリア単位の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行することによって、時間領域の応答特性をそれぞれ導出する変換部と、変換部において導出した時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくした後、周波数領域への変換を実行することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際のステアリング行列をサブキャリア単位に導出する第2導出部と、を備える。
この態様によると、時間領域の応答特性のうちの一部の値を小さくしたのちに、ステアリング行列を導出するので、サブキャリア間の相関を増大させたようなステアリング行列を導出でき、MIMO固有モード通信であっても受信装置に雑音の影響を低減させることができる。
取得部において取得したサブキャリア単位の伝送路行列をもとに、伝送路での遅延特性を導出する第3導出部をさらに備えてもよい。第2導出部は、第3導出部において導出した遅延特性に応じて、小さくすべき一部の値の数を決定してもよい。この場合、遅延特性に応じて小さくすべき一部の値の数を変更するので、遅延特性に応じて、サブキャリア間の相関を増大させたようなステアリング行列を導出できる。
第2導出部は、時間領域の応答特性のそれぞれのうち、後方の時間に対応した部分の値をゼロに置換することによって、一部の値を小さくしてもよい。この場合、ゼロに置換するだけなので、処理を簡易にできる。
複数の送信用アンテナから複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する際に、受信装置に対して、ステアリング行列を使用している旨の通知を中止する通知部をさらに備えてもよい。この場合、受信装置は、受信信号にステアリング行列が使用されていないと認識し、サブキャリア間の相関を利用した雑音低減処理を実行できるので、雑音の影響を低減できる。
受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有するかの情報を予め受けつける受付部をさらに備えてもよい。第2導出部では、受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していれば、一部の値を小さくし、受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していなければ、一部の値を小さくしない。「サブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能」は、ビームフォーミングされた信号を受信する機能に相当する。この場合、受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有するかの情報を予め受けつけるので、受信装置の機能に応じた処理を実行できる。
本発明のさらに別の態様は、受信装置である。この装置は、送信装置から、複数のサブキャリアが使用された信号を受信する受信部と、受信部において受信した信号から、送信装置との間における伝送路の応答特性を導出する導出部と、受信部において受信した信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を送信装置から受けつける受付部と、受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、導出部によって導出された応答特性を変形させる変形部と、変形部によって変形された応答特性をもとに、受信部において受信した信号を復調する復調部とを備える。変形部は、受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくせず、復調部は、導出部によって導出された応答特性をもとに、受信部において受信した信号を復調する。
「サブキャリア間での相関を保持しないような処理」とは、ビームフォーミングやMIMO固有モード伝送などを実現するための処理を示す。この態様によると、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報の内容に応じて処理の内容を変更するので、送信された信号に適した処理を実行できる。
変形部は、応答特性のうち、後方の部分の値をゼロに置換することによって、一部の値を小さくしてもよい。この場合、ゼロに置換するだけなので、処理を簡易にできる。
本発明のさらに別の態様は、送信方法である。この方法は、複数の送信用アンテナによって、複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信するステップと、複数の送信用アンテナの数と、受信装置に備えられた複数の受信用アンテナの数から定められる要素の数を有した伝送路行列であって、かつ複数の送信用アンテナのそれぞれと複数の受信用アンテナのそれぞれとの間の伝送路特性を要素の値とした伝送路行列をサブキャリア単位に取得するステップと、サブキャリア単位の伝送路行列をそれぞれ特異値分解することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際の仮のステアリング行列をサブキャリア単位に導出するステップと、サブキャリア単位の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行することによって、時間領域の応答特性をそれぞれ導出するステップと、時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくした後、周波数領域への変換を実行することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際のステアリング行列をサブキャリア単位に導出するステップと、を備える。
取得するステップにおいて取得したサブキャリア単位の伝送路行列をもとに、伝送路での遅延特性を導出するステップをさらに備え、ステアリング行列をサブキャリア単位に導出するステップは、遅延特性を導出するステップにおいて導出した遅延特性に応じて、小さくすべき一部の値の数を決定してもよい。ステアリング行列をサブキャリア単位に導出するステップは、時間領域の応答特性のそれぞれのうち、後方の時間に対応した部分の値をゼロに置換することによって、一部の値を小さくしてもよい。
複数の送信用アンテナから複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する際に、受信装置に対して、ステアリング行列を使用している旨の通知を中止するステップをさらに備えてもよい。受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有するかの情報を予め受けつけるステップをさらに備え、ステアリング行列をサブキャリア単位に導出するステップでは、受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していれば、一部の値を小さくし、受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していなければ、一部の値を小さくてもよい。
本発明のさらに別の態様は、受信方法である。この方法は、送信装置から、複数のサブキャリアが使用された信号を受信するステップと、受信した信号から、送信装置との間における伝送路の応答特性を導出するステップと、受信した信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を送信装置から受けつけるステップと、受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、導出された応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、応答特性を変形させるステップと、変形された応答特性をもとに、受信した信号を復調するステップとを備える。変形させるステップは、受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、導出された応答特性のうちの一部の値を小さくせず、復調するステップは、導出された応答特性をもとに、受信した信号を復調する。変形させるステップは、応答特性のうち、後方の部分の値をゼロに置換することによって、一部の値を小さくしてもよい。
本発明のさらに別の態様は、通信システムである。この通信システムは、複数の送信用アンテナによって、複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する送信装置と、複数の受信用アンテナによって、複数のサブキャリアが使用された信号を受信する受信装置とを備える。送信装置は、複数の送信用アンテナの数と、複数の受信用アンテナの数から定められる要素の数を有した伝送路行列であって、かつ複数の送信用アンテナのそれぞれと複数の受信用アンテナのそれぞれとの間の伝送路特性を要素の値とした伝送路行列をサブキャリア単位に取得する取得部と、取得部において取得したサブキャリア単位の伝送路行列をそれぞれ特異値分解することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際の仮のステアリング行列をサブキャリア単位に導出する第1導出部と、第1導出部において導出したサブキャリア単位の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行することによって、時間領域の応答特性をそれぞれ導出する変換部と、変換部において導出した時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくした後、周波数領域への変換を実行することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際のステアリング行列をサブキャリア単位に導出する第2導出部とを備える。
本発明のさらに別の態様もまた、通信システムである。この通信システムは、複数のサブキャリアが使用された信号を送信する送信装置と、複数のサブキャリアが使用された信号を受信する受信装置とを備える。受信装置は、受信した信号から、送信装置との間における伝送路の応答特性を導出する導出部と、受信した信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を送信装置から受けつける受付部と、受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、導出部によって導出された応答特性を変形させる変形部と、変形部によって変形された応答特性をもとに、受信した信号を復調する復調部とを含む。変形部は、受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくせず、復調部は、導出部によって導出された応答特性をもとに、受信した信号を復調する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、MIMO固有モード伝送であっても、雑音の影響を低減できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、少なくともふたつの無線装置によって構成されるMIMOシステムに関する。無線装置のうちの送信側(以下、「送信装置」という)は、MIMO固有モード伝送に対応する。そのため、送信装置から送信されるマルチキャリア信号において、キャリア間の相関は、ある程度小さくなっている。一方、無線装置のうちの受信側(以下、「受信装置」という)は、マルチキャリア信号を受信する。その際、受信装置は、受信特性の向上のために、受信したマルチキャリア信号に含まれた雑音を抑圧するための処理を実行する。具体的には、実際の無線伝送路において、大きい遅延時間の遅延波成分が小さいことを利用しながら、雑音を抑圧するための処理を実行する。MIMO固有モード伝送がなされている場合に、このような処理がなされれば、受信特性が悪化することもある。そのため、本実施例では、以下のように、送信処理と受信処理を実行する。
送信装置は、送信装置の複数のアンテナと、受信装置の複数のアンテナとの組合せにそれぞれ対応した伝送路特性を推定する(以下、前述のごとく、組合せのそれぞれ対応した伝送路特性を行列の形式等にまとめたものを「H行列」という)。ここで、H行列は、キャリア単位に導出される。送信装置は、H行列を特異値分解することによって、仮のステアリング行列をキャリア単位に導出する。通常のMIMO固有モード伝送では、送信すべき信号に仮のステアリング行列を乗算し、その乗算結果が複数のアンテナから送信される。
本実施例に係る送信装置は、仮のステアリング行列間において互いに対応する要素を単位にしながら、逆フーリエ変換を実行することによって、応答特性を導出する。なお、伝送路特性のうち、特に時間領域において規定されるものを「応答特性」といい、それは遅延時間に対する値として規定される。一般的に、MIMO固有モード伝送が実行される際、遅延時間成分が大きい部分においても、応答特性の値が大きくなっていることがある。送信装置は、所定の遅延時間よりも大きい遅延時間に対する応答特性の値を「ゼロ」にする。すなわち、応答特性のうち、ある程度小さい遅延時間に対応した部分が、抽出される。
以上の処理の後、送信装置は、応答特性に対して、フーリエ変換を実行し、ステアリング行列をキャリア単位に導出する。さらに、送信装置は、送信すべき信号に仮のステアリング行列を乗算し、その乗算結果を複数のアンテナから送信する。また、受信装置は、マルチキャリア信号を受信し、時間領域において応答特性を導出する。受信装置は、送信装置と同様に、所定の遅延時間よりも大きい遅延時間に対する応答特性の値を「ゼロ」にする。このような処理は、フィルタリングに対応する。また、受信装置は、応答特性の値からウエイトベクトルを導出し、ウエイトベクトルによって、受信したマルチキャリア信号をアレイ合成する。
図1は、本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す。特に、図1は、OFDM変調方式での信号のスペクトルを示す。OFDM変調方式における複数のキャリアのひとつをサブキャリアと一般的に呼ぶが、ここではひとつのサブキャリアを「サブキャリア番号」によって指定するものとする。MIMOシステムには、サブキャリア番号「−28」から「28」までの56サブキャリアが規定されている。なお、サブキャリア番号「0」は、ベースバンド信号における直流成分の影響を低減するため、ヌルに設定されている。
また、それぞれのサブキャリアは、可変に設定された変調方式によって変調されている。変調方式には、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QSPK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMのいずれかが使用される。
また、これらの信号には、誤り訂正方式として、畳み込み符号化が適用されている。畳み込み符号化の符号化率は、1/2、3/4等に設定される。さらに、並列に送信すべきデータの数は、可変に設定される。なお、データは、バースト信号として送信されており、ここでは、並列に送信すべきバースト信号のそれぞれを「系列」と呼ぶ。その結果、変調方式、符号化率、系列の数の値が可変に設定されることによって、データレートも可変に設定される。なお、「データレート」は、これらの任意の組合せによって決定されてもよいし、これらのうちのひとつによって決定されてもよい。
図2は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、無線装置10と総称される第1無線装置10a、第2無線装置10bを含む。また、第1無線装置10aは、アンテナ12と総称される第1アンテナ12a、第2アンテナ12b、第3アンテナ12c、第4アンテナ12dを含み、第2無線装置10bは、アンテナ14と総称される第1アンテナ14a、第2アンテナ14b、第3アンテナ14c、第4アンテナ14dを含む。第1無線装置10aと第2無線装置10bのうちの一方が、送信装置に対応し、他方が受信装置に対応する。また、第1無線装置10aと第2無線装置10bのうちの一方が基地局装置に対応し、他方が端末装置に対応してもよい。
通信システム100の構成を説明する前に、MIMOシステムの概略を説明する。データは、第1無線装置10aから第2無線装置10bに送信されているものとする。第1無線装置10aは、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dのそれぞれから、複数の系列のデータをそれぞれ送信する。その結果、データレートが高速になる。なお、第1無線装置10aは、MIMO固有モード伝送に対応する。そのため、第1無線装置10aは、第2無線装置10bから受信した信号をもとに、H行列を導出する。さらに、第1無線装置10aは、H行列からステアリング行列を導出し、ステアリング行列を使用しながら、複数の系列のデータを送信する。第2無線装置10bは、第1アンテナ14aから第4アンテナ14dによって、複数の系列のデータを受信する。さらに、第2無線装置10bは、アダプティブアレイ信号処理によって、受信したデータを分離して、複数の系列のデータを独立に復調する。
ここで、アンテナ12の本数は「4」であり、アンテナ14の本数も「4」であるので、アンテナ12とアンテナ14の間の伝送路の組合せは「16」になる。第iアンテナ12iから第jアンテナ14jとの間の伝送路特性をhijと示す。図中において、第1アンテナ12aと第1アンテナ14aとの間の伝送路特性がh11、第1アンテナ12aから第2アンテナ14bとの間の伝送路特性がh12、第2アンテナ12bと第1アンテナ14aとの間の伝送路特性がh21、第2アンテナ12bから第2アンテナ14bとの間の伝送路特性がh22、第4アンテナ12dから第4アンテナ14dとの間の伝送路特性がh44と示されている。なお、これら以外の伝送路は、図の明瞭化のために省略する。
図3(a)−(b)は、通信システム100におけるバーストフォーマットを示す。図3(a)は、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号が先頭部分に配置されたバーストフォーマットである。ここでは、ふたつの系列に含まれたデータが、送信の対象とされるものとし、第1の系列に対応したバーストフォーマットが上段に示され、第2の系列に対応したバーストフォーマットが下段に示される。第1の系列に対応したバースト信号には、プリアンブル信号として「STS1」と「LTS1」が配置され、第2の系列に対応したバースト信号には、プリアンブル信号として「STS2」と「LTS2」が配置される。ここで、「STS1」と「STS2」、および「LTS1」と「LTS2」は、互いにパターンの異なった信号である。
図3(b)は、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号の前段に、IEEE802.11a等の従来のシステム(以下、「従来システム」という)に対応したプリアンブル信号が、さらに配置されたバーストフォーマットを示す。ここで、従来システムに対応したプリアンブル信号のSTSとLTSは、第1の系列において、「L−STS」と「L−LTS」とそれぞれ示される。一方、第2の系列にも、「L−STS」等が割り当てられる。その際、例えば、第2の系列に割り当てられる「L−STS」等には、CDD(Cyclic Delay Diversity)がなされている。すなわち、第2の系列に割り当てられるL−STSには、第1の系列に割り当てられるL−STSに対して、タイミングシフトがなされている。ここで、図示のごとく、CDDがなされた「L−STS」は、「L−STS+CDD」と示される。なお、「L−STS」等が、第3の系列等に割り当てられる場合も同様である。
また、従来システムに対応したプリアンブル信号とMIMOシステムに対応したプリアンブル信号との間には、「シグナル」が配置されている。「シグナル」には、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号が配置された旨を示した情報が含まれている。そのため、従来システムの通信装置が当該パケット信号を受信しても、「シグナル」の内容から当該パケット信号を破棄してもよい。また、プリアンブル信号が配置された旨を示した情報は、パケット信号の長さであってもよく、つまり何らかの信号がある時間継続することが判断できればよい。図3(a)−(b)に示されたバーストフォーマットのうち、いずれが使用されてもよい。図3(a)のバーストフォーマットは、冗長な信号成分が少ないので利用効率を向上できる。一方、図3(b)のバーストフォーマットには、従来システムに対応したプリアンブル信号が付加されているので、従来システムに対応した通信装置でも検出される。
図4は、第1無線装置10aの構成を示す。第1無線装置10aは、無線部20と総称される第1無線部20a、第2無線部20b、第4無線部20d、ベースバンド処理部22、変復調部24、IF部26、制御部30を含む。また信号として、時間領域信号200と総称される第1時間領域信号200a、第2時間領域信号200b、第4時間領域信号200d、周波数領域信号202と総称される第1周波数領域信号202a、第2周波数領域信号202b、制御信号210を含む。ここでは、説明を明瞭にするために、送信されるべき系列と受信した系列の数を「2」に固定している。しかしながら、これらの数は、適応的に調節されてもよい。なお、第2無線装置10bも同様に構成される。
無線部20は、受信動作として、アンテナ12によって受信した無線周波数の信号を周波数変換し、ベースバンドの信号を導出する。無線部20は、ベースバンドの信号を時間領域信号200としてベースバンド処理部22に出力する。一般的に、ベースバンドの信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、AGC(Automatic Gain Control)やA/D変換部も含まれる。無線部20は、送信動作として、ベースバンド処理部22からのベースバンドの信号を周波数変換し、無線周波数の信号を導出する。ここで、ベースバンド処理部22からのベースバンドの信号も時間領域信号200として示す。無線部20は、無線周波数の信号をアンテナ12に出力する。また、PA(Power Amplifier)、D/A変換部も含まれる。時間領域信号200は、時間領域に変換されたマルチキャリア信号であり、デジタル信号であるものとする。
ベースバンド処理部22は、受信動作として、複数の時間領域信号200をそれぞれ周波数領域に変換し、周波数領域の信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。ベースバンド処理部22は、アダプティブアレイ信号処理の結果を周波数領域信号202として出力する。ひとつの周波数領域信号202が、図示しない第2無線装置10bから送信された複数の系列のそれぞれに含まれたデータに相当する。ベースバンド処理部22は、送信動作として、変復調部24から、周波数領域の信号としての周波数領域信号202を入力し、ステアリング行列による分散処理を実行する。すなわち、MIMO固有モード伝送におけるビームの形成がなされる。
ベースバンド処理部22は、周波数領域の信号を時間領域に変換し、時間領域信号200として出力する。送信処理において使用すべきアンテナ12の数は、制御部30によって指定されるものとする。ここで、周波数領域の信号である周波数領域信号202は、図1のごとく、複数のサブキャリアの成分を含むものとする。図を明瞭にするために、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に並べられて、シリアル信号を形成しているものとする。
図5は、周波数領域の信号の構成を示す。ここで、図1に示したサブキャリア番号「−28」から「28」のひとつの組合せを「OFDMシンボル」というものとする。「i」番目のOFDMシンボルは、サブキャリア番号「1」から「28」、サブキャリア番号「−28」から「−1」の順にサブキャリア成分を並べているものとする。また、「i」番目のOFDMシンボルの前に、「i−1」番目のOFDMシンボルが配置され、「i」番目のOFDMシンボルの後ろに、「i+1」番目のOFDMシンボルが配置されているものとする。
図4に戻る。ベースバンド処理部22は、送信の際に使用するステアリング行列を以下のように導出する。ベースバンド処理部22は、図示しない第2無線装置10bから受信した信号をもとに、H行列を導出する。ここで、H行列は、複数のアンテナ12の数と、複数の図示しないアンテナ14の数から定められる要素の数を有し、サブキャリア単位に導出される。図2のごとく、複数のアンテナ12の数は、「4」であり、複数のアンテナ14の数も「4」であるので、H行列は、4行4列となる。また、ベースバンド処理部22は、サブキャリア単位のH行列をそれぞれ特異値分解する。その結果、複数のアンテナ12から信号を送信する際に使用すべき仮のステアリング行列をサブキャリア単位で導出する。
さらに、導出されたサブキャリア単位の仮のステアリング行列に対して、互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換が実行され、時間領域の応答特性がそれぞれ導出される。時間領域の応答特性は、前述のごとく、遅延時間に応じた値として規定される。ベースバンド処理部22は、時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくした後、周波数領域への変換を実行することによって、ステアリング行列をサブキャリア単位に導出する。
また、ベースバンド処理部22は、受信動作の際のアダプティブアレイ信号処理を実行するために、ウエイトベクトルを以下のように導出する。ベースバンド処理部22は、図示しない第2無線装置10bから受信した信号から、第2無線装置10bとの間における伝送路の応答特性を導出する。なお、応答特性は、アンテナ12によって受信された信号に含まれた系列のそれぞれを単位にして導出される。また、受信した信号にサブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報が、制御信号210として、制御部30から入力される。「サブキャリア間での相関を保持しないような処理」の一例は、MIMO固有モード伝送のための処理である。ベースバンド処理部22は、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、応答特性のうちの一部の値を小さくする。ベースバンド処理部22は、一部の値を小さくした応答特性をもとに、ウエイトベクトルを導出する。一方、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、ベースバンド処理部22は、応答特性のうちの一部の値を小さくせずに、ウエイトベクトルを導出する。
変復調部24は、受信処理として、ベースバンド処理部22からの周波数領域信号202に対して、復調および復号を実行する。なお、復調および復号は、サブキャリア単位でなされる。変復調部24は、復号した信号をIF部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、符号化および変調を実行する。変復調部24は、変調した信号を周波数領域信号202としてベースバンド処理部22に出力する。送信処理の際に、変調方式および符号化率は、制御部30によって指定されるものとする。
IF部26は、受信処理として、複数の変復調部24からの信号を合成し、ひとつのデータストリームを形成する。IF部26は、データストリームを出力する。また、IF部26は、送信処理として、ひとつのデータストリームを入力し、これを分離する。さらに、分離したデータを複数の変復調部24に出力する。
制御部30は、第1無線装置10aのタイミング等を制御する。また、制御部30は、図示しない第2無線装置10bから受信した信号の中から、受信した信号にサブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を受けつける。その結果は、前述のごとく制御信号210として出力される。
なお、一般的に、MIMO固有モード伝送に対応した信号を送信する無線装置は、受信側の無線装置に対して、ステアリング行列を使用している旨を通知する。受信側の無線装置は、当該通知をもとに、受信した信号に対してサブキャリア間の相関を利用した雑音低減処理を実行しない。しかしながら、制御部30は、複数のアンテナ12から信号をそれぞれ送信する際に、第2無線装置10bに対して、ステアリング行列を使用している旨の通知を中止する。第2無線装置10bは、受信した信号に対してサブキャリア間の相関を利用した雑音低減処理を実行する。その結果、第2無線装置10bは、受信した信号に含まれる雑音を低減できる。当該通知は、データを送信する前に、第2無線装置10bに予め送信してもよく、あるいはデータに含ませる形で送信してもよい。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図6は、ベースバンド処理部22の構成を示す。ベースバンド処理部22は、受信用処理部50、送信用処理部52を含む。受信用処理部50は、ベースバンド処理部22における動作のうち、受信動作に対応する部分を実行する。すなわち、受信用処理部50は、時間領域信号200に対してアダプティブアレイ信号処理を実行しており、そのために時間領域信号200の応答特性の導出、ウエイトベクトルの導出を実行する。なお、受信用処理部50は、以上の動作において制御信号210を使用する。また、受信用処理部50は、アレイ合成した結果を周波数領域信号202として出力する。
送信用処理部52は、ベースバンド処理部22における動作のうち、送信動作に対応する部分を実行する。すなわち、受信用処理部50は、周波数領域信号202に対して、ステアリング行列を乗算することによって、MIMO固有モード伝送のための時間領域信号200を生成する。以上の処理のために、H行列の導出、特異値分解、応答特性の導出、応答特性の変形、ステアリング行列の導出が実行される。なお、送信用処理部52は、H行列を導出するために時間領域信号200を入力する。
図7は、送信用処理部52の構成を示す。送信用処理部52は、FFT部60、H行列導出部62、ステアリング行列導出部64、分散部66と総称される第1分散部66a、第2分散部66b、IFFT部68を含む。
FFT部60は、フーリエ変換を実行する。その結果、FFT部60は、時間領域信号200をそれぞれ周波数領域に変換する。FFT部60は、時間領域信号200のそれぞれに対応づけながら、複数のサブキャリアによって構成される信号を出力する。ひとつの時間領域信号200に対応した信号の構成は、図5と同様である。
H行列導出部62は、FFT部60からの信号をもとに、H行列をサブキャリア単位に導出する。以下、説明を容易にするためにひとつのサブキャリアに対する処理を説明する。図示しないアンテナ12にて受信される信号であって、FFT部60によって周波数領域に変換された信号は、受信信号ベクトルYとして示される。なお、Yは、アンテナ12の数を要素の数とする。また、図示しないアンテナ14から送信される信号は、送信信号ベクトルXとして示される。なお、Xは、アンテナ14の数を要素の数とする。これらのように定義すれば、Y、X、H行列の関係は、以下のように示される。
Figure 0004679262
nは、雑音ベクトルである。H行列は、アンテナ12の数を行の数とされ、アンテナ14の数を列の数とされる。また、図2の場合、H行列の各要素は、以下のように示される。
Figure 0004679262
図示しない第2無線装置10bにおいて、MIMO固有モード伝送等のビームフォーミングがなされている場合、それらの成分がH行列に含まれていてもよい。なお、H行列に含まれた伝送路特性hijは、例えば、相関処理等によって導出される。これは、公知の技術であるので、ここでは、説明を省略する。
ステアリング行列導出部64は、以下の3段階の処理を実行することによって、MIMO固有モード伝送を実現するためのステアリング行列を導出する。第1段階では、サブキャリア単位のH行列をそれぞれ特異値分解する。H行列に対する特異値分解は、以下のように示される。
Figure 0004679262
Σは、以下のように示される対角行列である。
Figure 0004679262
なお、mは、無線伝送路において設定されるチャネルの数に相当しており、アンテナ12の数とアンテナ14の数のうちの少ない方であればよい。ここでΣは、m行m列の行列によって構成されており、その要素は、固有モードにおける利得に相当する。また、UとVは、特異行列であり、アンテナ14の数の行m列、アンテナ12の数の行m列によってそれぞれ構成される行列である。通常のMIMO固有モード伝送であれば、特異行列Vは、ステアリング行列として送信に使用される。しかしながら、本発明では、当該特異行列Vを仮のステアリング行列とする。以上の処理は、サブキャリアを単位に実行される。
第2段階では、サブキャリア単位の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行する。すなわち、複数の仮のステアリング行列から要素(k、l)がそれぞれ抽出され、抽出された値の組合せに対して、IFFTが実行される。ひとつの要素は、図2におけるひとつの伝送路に相当するので、IFFTの結果は、ひとつの伝送路に対する応答特性に相当する。前述のごとく、応答特性は、遅延時間のそれぞれに対応した値として規定される。
第3段階では、時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくするような変換が施される。具体的には、応答特性に対応すべき遅延時間のうち、後方の時間に対応した部分の値、すなわち、しきい値よりも大きな遅延時間に相当した部分の値が「ゼロ」に置換される。図8(a)−(b)は、ステアリング行列導出部64における処理の概要を示す。図8(a)は、第2段階において導出された応答特性を示す。ここでは、ひとつの要素に対応する応答特性を示す。図の横軸が「遅延時間」を示し、縦軸が「応答特性の値」を示す。また、遅延時間は、FFTの単位である「64」ポイントを最大値として示されている。図示のごとく、遅延時間の前方の部分において、応答特性は、「P1」のように大きな値となっている。また、遅延時間の中間的な部分、「16」から「48」の部分において、応答特性の値は、「P2」のように小さな値になっている。さらに、遅延時間の後方の部分において、応答特性は、「P3」のように再び大きな値になっている。
このような応答特性は、一例であり、伝送路特性に応じて変化する。「P3」のように遅延時間の後方の部分の値が大きくなることは、周波数領域においてサブキャリア間の相関が小さくなることに相当する。すなわち、固有モード伝送のように、サブキャリア間の相関を考慮しないような処理がなされれば、遅延時間の後方の部分の値が大きくなる傾向にある。図8(b)は、第3段階において変形された応答行列を示す。ここでは、しきい値を遅延時間の「17」ポイント目に設定し、それ以降の応答特性の値を「ゼロ」に置換している。なお、「17」ポイント目は、ガードインターバルの期間よりも長くなる期間に相当する。このような処理によって、図8(a)の「P3」のような値を除去する。これは、サブキャリア間の相関を大きくするような処理に相当する。また、「P2」のような値も除去する。「P2」のように値が小さければ、雑音の影響が一般的に大きくなるので、前述の処理は、雑音の影響の低減に相当する。以上の処理は、すべての応答特性に対して実行される。
図7に戻る。変形された応答特性に対して、FFTが実行される。すなわち、前述の処理と逆の処理が実行されることによって、ステアリング行列がサブキャリア単位に導出される。以上の処理の結果、サブキャリア単位に、アンテナ12の数の行m列のステアリング行列が導出され、このようなステアリング行列の要素のそれぞれが、送信すべき系列に含まれたサブキャリアのそれぞれに対するウエイトとなる。
分散部66は、送信すべき系列のそれぞれに対して、ステアリング行列導出部64において導出したウエイトを乗算する。送信すべき系列は、周波数領域信号202によって示される。ここで、第1分散部66aは、第1の系列に対するウエイトの乗算を実行し、第2分散部66bは、第2の系列に対するウエイトの乗算を実行する。なお、乗算は、サブキャリアを単位に実行される。系列とウエイトの乗算は、ひとつのサブキャリアに対して、以下のように示される。
Figure 0004679262
ここで、V’は、ウエイトに対応した行列であり、ステアリング行列導出部64において変形されたステアリング行列に対応する。また、V’は、アンテナ12の数の行m列にて規定される。sは、送信すべき系列に対応した系列ベクトルである。また、mは、m行にて規定されるが、ここでは、ふたつの系列が考慮されているので、ふたつの要素が有効な値を有する。
IFFT部68は、分散部66から出力された周波数領域の信号に対してIFFTを実行し、時間領域の信号を出力する。なお、IFFTは、系列とアンテナ12を単位にして、複数のサブキャリアに対応した値に対して実行される。すなわち、時間領域の信号は、系列の数とアンテナ12の数を乗算した結果の数だけ生成される。さらに、IFFT部68は、ひとつのアンテナ12に割り当てられるべき、複数の系列の時間領域の信号を合成し、合成した結果をひとつの時間領域信号200として出力する。例えば、第1アンテナ12aに割り当てられるべき第1の系列の時間領域の信号と、第2の系列の時間領域の信号とが合成される。
図9は、受信用処理部50の構成を示す。受信用処理部50は、応答ベクトル導出部70、変形部72、FFT部74、ウエイトベクトル導出部76、FFT部78、合成部80と総称される第1合成部80a、第2合成部80bを含む。
応答ベクトル導出部70は、時間領域信号200から、第2無線装置10bとの間における伝送路の応答特性を導出する。応答ベクトル導出部70は、ひとつの時間領域信号200において、受けつけた信号の系列のそれぞれに対応した応答特性を導出する。応答特性のために、応答ベクトル導出部70は、図3(a)−(b)の「LTS1」、「LTS2」を時間領域の値として予め記憶しており、「LTS1」等の時間領域の値と時間領域信号200との相関処理によって、応答特性を導出する。ここで、導出された応答係数は、図8(a)のように、遅延時間に対する応答特性の値として規定される。以上の処理の結果、応答ベクトル導出部70は、時間領域信号200の数と、受けつけた信号の系列の数との乗算結果に応じた数の応答特性を導出する。
変形部72は、図示しない制御部30から、制御信号210を受けつける。制御信号210は、信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を含んでいる。なお、制御部30は、予め第2無線装置10bから、当該情報を受けつけているものとする。なお、「サブキャリア間での相関を保持しないような処理」は、前述の通りであるので、説明を省略する。
変形部72は、情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、すなわち、応答特性のうちの後方の部分の値をゼロに置換することによって、応答特性を変形させる。この処理は、図7のステアリング行列導出部64における処理と同様の処理であるので、説明を省略する。以上の処理によって、応答特性の値が小さくなるような部分は除去されるので、雑音の影響を低減できる。
変形部72は、情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、応答ベクトル導出部70によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくしない。すなわち、何の処理も実行しない。サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされている場合、特性が大きく悪化するおそれがあり、これを回避できる。
FFT部74は、変形部72からの応答特性に対して、FFTを実行することによって、応答特性を周波数領域の値に変換する。ウエイトベクトル導出部76は、周波数領域に変換した応答特性からウエイトベクトルを導出する。なお、これらの処理に関しては、例えば、特開2003−124857号公報に開示されているので、ここでは、説明を省略する。最終的に、サブキャリア、アンテナ12、系列のそれぞれを単位にして、ウエイトが導出される。
FFT部78は、時間領域信号200に対してFFTを実行することによって、時間領域信号200を周波数領域の値に変換する。合成部80は、FFT部78にて変換された周波数領域の値と、ウエイトベクトル導出部76において、合成を実行する。例えば、ひとつの乗算対象として、応答ベクトル導出部70からのウエイトベクトルのうち、ひとつのサブキャリアに対応したウエイトであって、かつ第1の系列に対応したウエイトベクトルが選択される。選択されたウエイトは、アンテナ12のそれぞれに対応づけられている。
また、別の乗算対象として、FFT部78にて変換された周波数領域の値のうち、ひとつのサブキャリアに対応した値が選択される。選択された値は、アンテナ12のそれぞれに対応づけられている。なお、選択されたウエイトと選択された値は、同一のサブキャリアに対応する。アンテナ12のそれぞれに対応づけられながら、選択されたウエイトと選択された値が、それぞれ乗算され、乗算結果が加算されることによって、第1の系列のうちのひとつのサブキャリアに対応した値が導出される。第1合成部80aでは、以上の処理が他のサブキャリアに対しても実行され、第1の系列が導出される。また、第2合成部80bでは、同様の処理によって、第2の系列が導出される。導出された第1の系列と第2の系列は、第1周波数領域信号202a、第2周波数領域信号202bとしてそれぞれ出力される。
図10は、第1無線装置10aにおける受信処理の手順を示すフローチャートである。応答ベクトル導出部70は、応答特性を導出する(S10)。ビームフォーミングがされている旨を受けつけなければ(S12のN)、変形部72は、応答特性を変形する(S14)。一方、ビームフォーミングがされている旨を受けつければ(S12のY)、変形部72は、応答特性を変形しない。FFT部74、ウエイトベクトル導出部76は、応答特性からウエイトベクトルを導出する(S16)。合成部80は、アレイ合成を実行する(S18)。
本発明の実施例によれば、時間領域の応答特性のうちの一部の値を小さくしたのちに、ステアリング行列を導出するので、サブキャリア間の相関を増大させたようなステアリング行列を導出できる。また、サブキャリア間の相関を増大させたようなステアリング行列を使用するので、MIMO固有モード通信であっても受信側の無線装置に雑音の影響を低減させることができる。また、応答特性のうちの遅延時間の大きい部分だけをゼロに置換するだけなので、置換によっても伝送特性の低下を抑制できる。また、ゼロに置換するだけなので、処理を簡易にできる。また、処理を簡易にできるので、処理量の増加を抑制できる。また、固有モード伝送に対応したステアリング行列の一部を変形するので、固有モード伝送による特性の向上と、雑音の影響の低減による特性の向上を両立できる。また、サブキャリア間の相関を増大させたようなステアリング行列を使用するので、受信側の無線装置に、サブキャリア間の相関を増大させるための処理を実行させることができる。
また、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報の内容に応じて処理の内容を変更するので、送信された信号に適した処理を実行できる。また、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、導出した応答特性をそのまま使用するので、MIMO固有モード伝送に対応できる。また、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、導出した応答特性を変形することによって、雑音の影響を低減できる。また、MIMO固有モード伝送への対応による特性の向上と、雑音の影響の低減による特性の向上を実現できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、ステアリング行列導出部64は、予め固定的な値として規定されたしきい値を使用している。しかしこれに限らず例えば、ステアリング行列導出部64は、しきい値を可変に設定してもよい。この場合、ステアリング行列導出部64は、時間領域の応答特性から、伝送路での遅延特性を導出する。遅延特性の一例は、遅延スプレッドである。応答特性から遅延スプレッドの導出は、公知の技術であるので、説明を省略する。さらに、ステアリング行列導出部64は、遅延スプレッドの値に応じて、しきい値を調節する。なお、以上の処理は、変形部72においてなされてもよい。本変形例によれば、実際の伝送路特性に応じて、しきい値を設定できる。つまり、サブキャリア間の相関を大きくするような処理がなされればよい。
本発明の実施例において、ステアリング行列導出部64は、応答特性の一部の値をゼロに置換している。しかしながらこれに限らず例えば、ステアリング行列導出部64は、通信対象の第2無線装置10bに備えられた機能に応じて、置換を実行してもよい。この場合、制御部30は、第2無線装置10bがサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信するための機能を有しているかの情報を予め受けつける。そのために、第1無線装置10aと第2無線装置10bの間において、ネゴシエーションがなされればよい。第2無線装置10bがサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信するための機能を有していなければ、ステアリング行列導出部64は、一部の値を小さくする。一方、第2無線装置10bがサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信するための機能を有していれば、ステアリング行列導出部64は、一部の値を小さくしない。本変形例によれば、第2無線装置10bがサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信するための機能を有していれば、通常のMIMO固有モード伝送を実行するので、特性を向上できる。
本発明の実施例において、第1無線装置10aのH行列導出部62は、受信した信号からH行列を導出している。しかしながらこれに限らず、H行列は、送信側に相当する第1無線装置10aでなく、受信側に相当する第2無線装置10bにおいて導出されてもよい。その際、第2無線装置10bは、第1無線装置10aに対して、H行列をデータとして送信する。ステアリング行列導出部64は、受けつけたH行列から、ステアリング行列を導出する。本変形例によれば、受信側において導出されたH行列を使用できるので、信号の受信特性を向上できる。つまり、伝送路の特性が取得できればよい。
本発明の実施例において、ステアリング行列導出部64は、応答特性の一部、特に後方の遅延時間に対応した値をゼロに置換している。しかしながらこれに限らず例えば、応答特性に含まれた値のそれぞれをしきい値と比較し、しきい値よりも低い値をゼロに置換してもよい。なお、以上の処理は、変形部72においてなされてもよい。本変形例によれば、伝送路特性を反映しながら、雑音の影響を低減できる。
本発明の実施例において、ステアリング行列導出部64は、サブキャリア単位にウエイトを導出しており、分散部66は、サブキャリア単位に乗算を実行し、IFFT部68は、周波数領域から時間領域への変換を実行している。しかしながらこれに限らず例えば、ステアリング行列導出部64での第3段階におけるFFTを省略することによって、ステアリング行列導出部64は、時間領域のウエイトをアンテナ12ごとに導出してもよい。この場合、IFFT部68は、周波数領域信号202を時間領域に変換し、分散部66は、このようなウエイトと、時間領域に変換された系列との間においてたたみ込みを実行する。また、以上の処理は、受信用処理部50においてなされてもよい。すなわち、FFT部74の処理が省略されることによって、時間領域のウエイトベクトルが導出される。さらに、合成部80におけるたたみ込み処理の後、FFT部78の処理がなされる。本変形例によれば、装置の構成を多様にできる。
本発明の実施例において、受信用処理部50と送信用処理部52に含まれた各構成要素は、サブキャリアを単位にして、処理を実行している。しかしながらこれに限らず、所定の数のサブキャリアをグループ化し、グループ化したサブキャリアのそれぞれに対して、H行列の導出やステアリング行列の導出が実行されてもよい。その際、グループ化されていないサブキャリアに対して、グループ化されたサブキャリアに対するウエイト等が使用されればよい。本変形例によれば、処理を簡易にできる。
本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す図である。 本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図3(a)−(b)は、図2の通信システムにおけるバーストフォーマットを示す図である。 図2の第1無線装置の構成を示す図である。 図4における周波数領域の信号の構成を示す図である。 図4のベースバンド処理部の構成を示す図である。 図6の送信用処理部の構成を示す図である。 図8(a)−(b)は、図7のステアリング行列導出部における処理の概要を示す図である。 図6の受信用処理部の構成を示す図である。 図4の第1無線装置における受信処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 無線装置、 12 アンテナ、 14 アンテナ、 20 無線部、 22 ベースバンド処理部、 24 変復調部、 26 IF部、 30 制御部、 50 受信用処理部、 52 送信用処理部、 100 通信システム。

Claims (9)

  1. 複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する複数の送信用アンテナと、
    前記複数の送信用アンテナの数と、受信装置に備えられた複数の受信用アンテナの数から定められる要素の数を有した伝送路行列であって、かつ複数の送信用アンテナのそれぞれと複数の受信用アンテナのそれぞれとの間の伝送路特性を要素の値とした伝送路行列を周波数領域にて取得する取得部と、
    前記取得部において取得した周波数領域の伝送路行列をそれぞれ特異値分解することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際の仮のステアリング行列を周波数領域にて導出する第1導出部と、
    前記第1導出部において導出した周波数領域の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行することによって、時間領域の応答特性をそれぞれ導出する変換部と、
    前記変換部において導出した時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくすることによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際のステアリング行列を導出する第2導出部と、
    サブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有するかの情報を予め受けつける受付部を備え、
    前記第2導出部では、前記受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していれば、一部の値を小さくし、前記受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していなければ、一部の値を小さくしないことを特徴とする送信装置。
  2. 複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する複数の送信用アンテナと、
    前記複数の送信用アンテナの数と、受信装置に備えられた複数の受信用アンテナの数から定められる要素の数を有した伝送路行列であって、かつ複数の送信用アンテナのそれぞれと複数の受信用アンテナのそれぞれとの間の伝送路特性を要素の値とした伝送路行列をサブキャリア単位に取得する取得部と、
    前記取得部において取得したサブキャリア単位の伝送路行列をそれぞれ特異値分解することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際の仮のステアリング行列をサブキャリア単位に導出する第1導出部と、
    前記第1導出部において導出したサブキャリア単位の仮のステアリング行列間での互いに対応する要素を単位にしながら、時間領域への変換を実行することによって、時間領域の応答特性をそれぞれ導出する変換部と、
    前記変換部において導出した時間領域の応答特性のそれぞれに対して、一部の値を小さくした後、周波数領域への変換を実行することによって、複数の送信用アンテナから信号を送信する際のステアリング行列をサブキャリア単位に導出する第2導出部と、
    サブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有するかの情報を予め受けつける受付部を備え、
    前記第2導出部では、前記受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していれば、一部の値を小さくし、前記受信装置がサブキャリア間の相関を保持しない信号を受信する機能を有していなければ、一部の値を小さくしないことを特徴とする送信装置。
  3. 前記取得部において取得したサブキャリア単位の伝送路行列をもとに、伝送路での遅延特性を導出する第3導出部をさらに備え、
    前記第2導出部は、前記第3導出部において導出した遅延特性に応じて、小さくすべき一部の値の数を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
  4. 前記第2導出部は、時間領域の応答特性のそれぞれのうち、後方の時間に対応した部分の値をゼロに置換することによって、一部の値を小さくすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送信装置。
  5. 前記複数の送信用アンテナから複数のサブキャリアが使用された信号をそれぞれ送信する際に、前記受信装置に対して、ステアリング行列を使用している旨の通知を中止する通知部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送信装置。
  6. 送信装置から、複数のサブキャリアが使用された信号を受信する受信部と、
    前記受信部において受信した信号から、送信装置との間における伝送路の応答特性を導出する導出部と、
    前記受信部において受信した信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を送信装置から受けつける受付部と、
    前記受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、前記導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、前記導出部によって導出された応答特性を変形させる変形部と、
    前記変形部によって変形された応答特性をもとに、前記受信部において受信した信号を復調する復調部とを備え、
    前記変形部は、前記受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、前記導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくせず、
    前記復調部は、前記導出部によって導出された応答特性をもとに、前記受信部において受信した信号を復調することを特徴とする受信装置。
  7. 前記変形部は、応答特性のうち、後方の部分の値をゼロに置換することによって、一部の値を小さくすることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  8. 送信装置から、複数のサブキャリアが使用された信号を受信するステップと、
    受信した信号から、送信装置との間における伝送路の応答特性を導出するステップと、
    受信した信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を送信装置から受けつけるステップと、
    受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、導出された応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、応答特性を変形させるステップと、
    変形された応答特性をもとに、受信した信号を復調するステップとを備え、
    前記変形させるステップは、受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、導出された応答特性のうちの一部の値を小さくせず、
    前記復調するステップは、導出された応答特性をもとに、受信した信号を復調することを特徴とする受信方法。
  9. 複数のサブキャリアが使用された信号を送信する送信装置と、
    複数のサブキャリアが使用された信号を受信する受信装置とを備え、
    前記受信装置は、
    受信した信号から、送信装置との間における伝送路の応答特性を導出する導出部と、
    受信した信号に対して、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされているかの情報を送信装置から受けつける受付部と、
    前記受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていなければ、前記導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくすることによって、前記導出部によって導出された応答特性を変形させる変形部と、
    前記変形部によって変形された応答特性をもとに、受信した信号を復調する復調部とを含み、
    前記変形部は、前記受付部が受けつけた情報をもとに、サブキャリア間での相関を保持しないような処理がなされていれば、前記導出部によって導出された応答特性のうちの一部の値を小さくせず、
    前記復調部は、前記導出部によって導出された応答特性をもとに、受信した信号を復調することを特徴とする通信システム。
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