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JP4423658B2 - 磁気抵抗素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗素子及びその製造方法 Download PDF

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JP4423658B2
JP4423658B2 JP2002284553A JP2002284553A JP4423658B2 JP 4423658 B2 JP4423658 B2 JP 4423658B2 JP 2002284553 A JP2002284553 A JP 2002284553A JP 2002284553 A JP2002284553 A JP 2002284553A JP 4423658 B2 JP4423658 B2 JP 4423658B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,磁気抵抗素子に関する。本発明は,磁気抵抗素子の耐熱性の向上のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)を示す磁気抵抗素子を,磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)及び高密度磁気記録装置の再生用磁気ヘッドに応用するための研究が進められている。TMR効果は,磁気抵抗効果の一種である。磁気抵抗効果としては,TMR効果の他に,巨大磁気抵抗効果(GMR効果)が知られている。しかし,巨大磁気抵抗効果(GMR効果)よりも大きな磁気抵抗効果を示すTMR効果は,MRAM及び再生用磁気ヘッドへの応用に好適である。
【0003】
TMR効果を示す磁気抵抗素子は,典型的には,図10に示されているように,反強磁性層101,固定強磁性層102,トンネルバリア層103,及び自由強磁性層104を備えている。反強磁性層101は,例えばFe−Mn,Ir−Mnのような反強磁性体で形成される。固定強磁性体102,及び自由強磁性層104は,例えばパーマロイのような強磁性体で形成され,それぞれに自発磁化を有している。固定強磁性体102が有する自発磁化は,反強磁性層101から受ける交換結合作用によって固定される。自由強磁性層104の自発磁化は,固定強磁性体102の自発磁化と平行に,又は反平行(antiparallel)に反転可能であるように形成される。トンネルバリア層103は,アルミナ(Al)のような絶縁性の非磁性体で形成される。トンネルバリア層103の厚さは,その表面に垂直な方向にトンネル電流が流れる程度に薄く,典型的には,1nm〜3nmである。このような構造を有する磁気抵抗素子は,磁気トンネル接合(Magnetic tunnel junction:MTJ)と呼ばれることがある。かかる磁気抵抗素子の構造は,特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
TMR効果により,磁気抵抗素子の抵抗は,固定強磁性層102及び自由強磁性層104の自発磁化の相対方向に応じて変化する。磁気抵抗素子を含むMRAMは,磁気抵抗素子の抵抗の変化を,不揮発的に記憶されたデータの検出に利用する。磁気抵抗素子を含む磁気ヘッドは,磁気抵抗素子の抵抗の変化を外部磁場の検出に利用する。
【0005】
特許文献3には,TMR効果を示す磁気抵抗素子の特性を向上するための技術が開示されている。TMR効果を示す磁気抵抗素子は,強磁性層の間の静磁的な相互作用を減少させることが重要である。特許文献3は,固定強磁性層及び自由強磁性層のそれぞれを,2層の強磁性層と該強磁性層の間に介設された非磁性層とで構成する技術を開示している。このような構造は,強磁性層の間の静磁的な相互作用を有効に減少させる。特許文献3には,非磁性層として,Ru層を使用することが開示されている。
【0006】
TMR効果を利用する磁気抵抗素子の一の課題は,熱耐性である。MRAM及び磁気ヘッドの製造工程は,熱処理工程を含む。例えば,MRAMの製造工程は,層間絶縁膜を形成する工程,トランジスタの水素シンター処理,及びパッケージング工程のように,磁気抵抗素子が300℃から400℃に加熱される工程を含む。磁気抵抗素子に高い温度が加わると,反強磁性層101を構成する材料が,固定強磁性層102を介してトンネルバリア層103および自由強磁性層104に拡散し,磁気抵抗素子の特性を劣化させる。特に反強磁性層101がIr−Mn,及びPt−Mnのようなマンガンを含む反強磁性体で形成されている場合には,磁気抵抗素子の劣化の問題はより重大である。拡散しやすい性質を有するマンガンは,反強磁性層101からトンネルバリア層103および自由強磁性層104に短時間で到達することが,組成分析や断面観察によって確認されている。
【0007】
反強磁性層に含まれるMnの拡散を有効に抑制する磁気抵抗素子の構造が,特許文献4に開示されている。公知のその磁気抵抗素子は,Mnを含有する反強磁性層と,該反強磁性層上に形成された磁化固着層と,該磁化固着層の上に形成されたトンネルバリア層と,該トンネルバリア層の上に形成された磁化自由層とを有している。磁化固着層は,第1及び第2強磁性層の間に,絶縁層又はアモルファス磁性層を挟んだ構造を有している。
【0008】
TMR効果を利用する磁気抵抗素子の他の課題は,Neel効果(オレンジピール効果)により,自由強磁性層104の自発磁化を反転させるのに必要な反転磁場が,反転させようとする方向に対して非対称的になることである。Neel効果は,2つの強磁性層と該強磁性層に介設された非磁性層とからなる構造において発生する効果であり,該2つの強磁性層の非平坦性に起因する。Neel効果は,該2つの強磁性層を強磁性的に結合させ,2つの強磁性層の自発磁化を同一方向に(平行に)しようとする。Neel効果は,2つの強磁性層の自発磁化を反平行(antiparallel)にするために必要な磁場を,該2つの強磁性層の自発磁化を平行にするために必要な磁場よりも大きくする。このNeel効果により,自由強磁性層104の自発磁化を反転させるのに必要な反転磁場が非対称的になる。固定強磁性層102と自由強磁性層104との間に介設されるトンネルバリア層103の厚さが極めて薄いため,TMR効果を利用する磁気抵抗素子は,Neel効果による影響が大きい。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−103014号公報
【特許文献2】
米国特許公報第5,650,958号
【特許文献3】
米国特許公報第5,966,012号公報
【特許文献4】
特開2002−158381号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,TMR効果を利用する磁気抵抗素子の熱耐性を向上することにある。
【0011】
本発明の他の目的は,TMR効果を利用する磁気抵抗素子のNeel効果を抑制し,反転可能に設けられる自発磁化を反転させるのに必要な反転磁場を対称的にすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に,[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて,上記目的をを達成するための手段を説明する。これらの番号・符号は,[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されている。但し,付加された番号・符号は,[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
本発明による磁気抵抗素子は,強磁性体で形成された第1強磁性層(6)と,第1強磁性層(6)に接合された,非磁性,且つ絶縁性のトンネルバリア層(5)と,強磁性体で形成され,トンネルバリア層(5)に接合された第2強磁性層(4,13)と,反強磁性体で形成された反強磁性層(3)とを備えている。第2強磁性層(4,13)は,トンネルバリア層(5)と反強磁性層(3)との間に位置している。第2強磁性層(4,13)のうちの少なくとも一部は,第2強磁性層(4,13)の反強磁性層(3)の側の表面に垂直な方向に引かれた垂線が,第2強磁性層(4,13)を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過するように形成されている。このような構造により,第2強磁性層(4,13)の粒界が直線的に第2強磁性層(4,13)を貫通することが回避され,反強磁性層(3)を構成する材料のトンネルバリア層(5)への拡散が抑制される。
【0014】
反強磁性層(3)を構成する材料のトンネルバリア層(5)への拡散を一層に抑制するためには,第2強磁性層(4,13)の反強磁性層(3)の側の表面の任意の位置から該表面に垂直な方向に引かれた垂線が,第2強磁性層(4,13)を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過することが好適である。
【0015】
トンネルバリア層(5)が第2強磁性層(4,13)に対して,第1強磁性層(6),前記トンネルバリア層(5),前記第2強磁性層(4,13),及び反強磁性層(3)が形成される基板(1)の反対側にある,即ち,トンネルバリア層(5)が第2強磁性層(4,13)の上に形成される場合,上記の構造は,第1強磁性層(6),トンネルバリア層(5)及び第2強磁性層(4,13)を平坦化し,Neel効果が抑制される点でも好適である。
【0016】
当該磁気抵抗素子が,更に,非磁性層(12)と,強磁性体で形成された第3強磁性層(11)とを備え,第3強磁性層(11)が反強磁性層(3)の上に形成され,非磁性層(12)が第3強磁性層(11)の上に形成され,第2強磁性層(13)は非磁性層(12)の上に形成されている場合,非磁性層(12)は,第2強磁性層の形成のとき,第2強磁性層(13)の結晶粒を微細化する作用を有するように形成されていることが好適である。
【0017】
第2強磁性層(13)の結晶粒の微細化は,非磁性層(12)と第2強磁性層(11)とを,互いに異なる点群に属する材料で形成することによって達成可能である。
【0018】
当該磁気抵抗素子が,第2強磁性層(13)に接合された非磁性層(12)と,強磁性体で形成され,且つ,非磁性層(12)に接合された第3強磁性層(11)とを備え,第2強磁性層(13)と非磁性層(12)と第3強磁性層(11)とは,トンネルバリア層(5)と反強磁性層(3)との間に位置する場合,非磁性層(12)は,Ta,Al,Mg,Ti,Mo,及びWからなる群から選ばれた一の元素で形成された金属膜,又は,前記群から選ばれた複数の元素の合金で形成されていることが好適である。Ta,Al,Mg,Ti,Mo,及びWからなる群から選ばれた一の元素で形成された金属膜,又は,前記群から選ばれた複数の元素の合金で形成されている非磁性層(12)は,反強磁性層(3)を構成する材料,特に,Mnのトンネルバリア層(5)への拡散を効果的に抑制する。
【0019】
この場合,第3強磁性層(11)が反強磁性層(3)の上に形成され,非磁性層(12)が第3強磁性層(11)の上に形成され,第2強磁性層(13)が非磁性層(12)の上に形成されていることが好適である。第2強磁性層(13)が上述の材料で形成された非磁性層(12)の上に形成することは,第2強磁性層(13)の結晶粒を微細化し,第2強磁性層(13)の表面の任意の位置から表面に垂直な方向に引かれた垂線が第2強磁性層(13)を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過する構造を実現する。
【0020】
第2強磁性層(4,13)の平均粒径は,第2強磁性層(4,13)の膜厚の3分の2以下であることが好ましく,第2強磁性層(4,13)の平均粒径は,第2強磁性層(4,13)の膜厚の2分の1以下であることが一層に好ましい。
【0021】
上述の磁気抵抗素子の構造は,反強磁性層(3)が,Mnを含有する場合に特に好適である。
【0022】
本発明の他の観点から,本発明による磁気抵抗素子は,強磁性体で形成された第1強磁性層(6)と,第1強磁性層(6)に接合された,非磁性,且つ絶縁性のトンネルバリア層(5)と,強磁性体で形成され,トンネルバリア層(5)に接合された第2強磁性層(4,13)と,Mnを含む反強磁性体で形成された反強磁性層(3)とを備えている。第2強磁性層(4,13)は,トンネルバリア層(5)と反強磁性層(3)との間に位置している。第2強磁性層(4,13)の結晶粒は,反強磁性層(3)からトンネルバリア層(5)へのMnの拡散を防止可能に配置されている。
【0023】
本発明による磁気抵抗素子製造方法は,
(A)真空容器の中で,反強磁性層(3)を基板(1)の上面側に形成する工程と,
(B)反強磁性層(3)の形成の後,前記真空容器に酸化性ガスを導入する工程と,
(C)前記真空容器から前記酸化性ガスを排気する工程と,
(D)前記酸化性ガスの排気の後,前記反強磁性層(3)の上に固定強磁性層(4)を形成する工程と,
(E)前記固定強磁性層(4)の上に,トンネルバリア層(5)を形成する工程と,
(F)トンネルバリア層(5)の上に,自由強磁性層(6)を形成する工程
とを備えている。反強磁性層(3)の形成の後,真空容器に酸化性ガスを導入することは,反強磁性層(3)の表面に酸素を吸着させる。吸着された酸素は,固定強磁性層(4)の結晶粒の成長を阻害し,固定強磁性層(4)の結晶粒を微細化する。固定強磁性層(4)の結晶粒の微細化により,固定強磁性層(4)の粒界が直線的に固定強磁性層(4)を貫通することが回避され,反強磁性層(3)を構成する材料のトンネルバリア層(5)への拡散が抑制される。
【0024】
前記酸化性ガスが,酸素ガスである場合,(B)工程において前記酸化性ガスが導入されたときの前記酸化性ガスの分圧は,0より大きく,1×10−4Paより小さいことが好適である。
【0025】
本発明による磁気抵抗素子製造方法は,
(G)反強磁性層(3)を基板(1)の上面側に形成する工程と,
(H)酸化性ガスを含む雰囲気で,反強磁性層(3)の上に固定強磁性層(4)を形成する工程と,
(I)固定強磁性層(4)の上に,トンネルバリア層(5)を形成する工程と,
(J)トンネルバリア層(5)の上に,自由強磁性層(6)を形成する工程
とを備えている。(H)工程の間の前記酸化性ガスの分圧は,形成された前記固定強磁性層が導電性を有するように定められている。酸化性ガスを含む雰囲気で,反強磁性層(3)の上に固定強磁性層(4)を形成することにより,固定強磁性層(4)の結晶粒の成長が阻害され,固定強磁性層(4)の結晶粒が微細化される。固定強磁性層(4)の結晶粒の微細化により,固定強磁性層(4)の粒界が直線的に固定強磁性層(4)を貫通することが回避され,反強磁性層(3)を構成する材料のトンネルバリア層(5)への拡散が抑制される。
【0026】
前記酸化性ガスが,酸素ガスである場合,(H)工程の間の前記酸化性ガスの分圧は,0より大きく,5×10−5Paよりも小さいことが好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照しながら,本発明による磁気抵抗素子の実施の形態を説明する。
【0028】
(実施の第1形態)
図1は,本発明による磁気抵抗素子の実施の第1形態を示す。実施の第1形態では,TMR効果を示す磁気抵抗素子を用いたMRAMのメモリセルが提供される。該メモリセルは,基板1と下地層2とを備えている。下地層2は,基板1の上に形成されている。下地層2は,基板1の上に形成されたシード層2aと,シード層2aの上に形成された初期強磁性層2bとを含む。シード層2aは,典型的にはタンタルで形成され,初期強磁性層2bは,典型的には,Ni−Feで形成される。
【0029】
下地層2の上には,反強磁性層3が形成されている。反強磁性層3は,例えばIr−Mn,Pt−Mnのような反強磁性体で形成される。反強磁性層3の上には,固定強磁性層4が形成されている。固定強磁性層4は,例えばNi−Fe,及びCo−Feのような強磁性体で形成されている。強磁性体で形成されている固定強磁性層4は,自発磁化を有している。固定強磁性層4の自発磁化は,反強磁性層3から受ける相互作用によって固定される。
【0030】
固定強磁性層4の上には,トンネルバリア層5が形成されている。トンネルバリア層5は,例えばアルミナ(Al)のような絶縁性の非磁性材料で形成される。トンネルバリア層5は,厚さ方向にトンネル電流が流れる程度に薄く,トンネルバリア層5の膜厚は,典型的には,1−3nmである。
【0031】
トンネルバリア層5の上には,自由強磁性層6が形成されている。自由強磁性層6は,例えばNi−Fe,及びCo−Feのような強磁性体で形成され,自発磁化を有している。自由強磁性層6の自発磁化は,固定強磁性層4の自発磁化に平行に,又は,反平行に反転可能である。図1のメモリセルは,1ビットのデータを自由強磁性層6の自発磁化の方向として記憶する。固定強磁性層4と自由強磁性層6との間の抵抗(即ち,該メモリセルの抵抗)は,TMR効果に起因して,自由強磁性層6の自発磁化の方向に応じて変化する。該抵抗の変化により,該メモリセルに記憶されているデータが判別可能である。
【0032】
自由強磁性層6の上には,表面保護層7が形成されている。表面保護層7は,典型的には,タンタルで形成される。表面保護層7は,該メモリセルの外部に接続される電極として使用される。
【0033】
反強磁性層3に含まれる材料がトンネルバリア層5に拡散することを防止するために,固定強磁性層4を構成する結晶粒は微細化されている。図2に示されているように,固定強磁性層4の結晶粒の微細化により,固定強磁性層4の少なくとも一部は,固定強磁性層4の表面4aから表面4aに垂直な方向に引かれた垂線が,固定強磁性層4を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過するように形成されている。これにより,固定強磁性層4の粒界が直線的に固定強磁性層4を貫通することが回避されている。薄膜中の物質の拡散は,しばしば,該薄膜の粒界を介する粒界拡散による。固定強磁性層4の粒界が直線的に固定強磁性層4を貫通しない構造は,物質が拡散する拡散経路を長くし,粒界拡散を効果的に抑制する。反強磁性層3に含まれる材料のトンネルバリア層5への拡散をより効果的に抑制するためには,固定強磁性層4の表面4aの任意の位置から表面4aに垂直な方向に引かれた垂線が,固定強磁性層4を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過するように固定強磁性層4が形成されていることが好適である。
【0034】
反強磁性層3に含まれる材料のトンネルバリア層5への拡散を一層に抑制するためには,固定強磁性層4は,固定強磁性層4を構成する結晶粒の平均粒径が固定強磁性層4の膜厚の3分の2以下であるように形成されることが好適であり,該平均粒径が固定強磁性層4の膜厚の2分の1以下であることは,より一層に好適である。
【0035】
固定強磁性層4を構成する結晶粒の微細化は,更に,Neel効果(オレンジピール効果)の抑制の点でも有効である。固定強磁性層4を構成する結晶粒の微細化されることにより,固定強磁性層4が平坦化され,従って,トンネルバリア層5及び自由強磁性層6が平坦化される。固定強磁性層4及び自由強磁性層6の平坦化は,これらの強磁性層とトンネルバリア層5との界面に磁極が発生することを防止し,固定強磁性層4と自由強磁性層6との間に働くNeel効果を効果的に抑制する。Neel効果の抑制により,自由強磁性層6の自発磁化を反転させるのに必要な磁場のオフセットが抑制される。
【0036】
固定強磁性層4の結晶粒の粒径の微細化は,下記2つの製造方法のいずれかによって磁気抵抗素子を製造することによって実現可能である。第1の磁気抵抗素子製造方法は,基板1の上に,シード層2a,初期強磁性層2b,及び反強磁性層3を順次に成膜する工程で開始される。シード層2a,初期強磁性層2b,及び反強磁性層3の成膜は,スパッタ法,又は,蒸着法を用いて,真空容器内において行われる。反強磁性層3の形成の後,反強磁性層3の成膜が行われた真空容器内に,微量の酸化性ガスが導入され,反強磁性層3が酸化雰囲気に曝される。酸化性ガスとしては,典型的には,酸素ガスが使用される。反強磁性層3が酸化雰囲気にさらされることにより,該酸化性ガスに含まれている酸素が,反強磁性層3の表面に吸着される。続いて,該真空容器が高真空に排気された後,反強磁性層3の上に固定強磁性層4が形成される。反強磁性層3の表面に吸着された酸素は,固定強磁性層4の結晶粒の成長を抑制し,結晶粒を微細化する。続いて,固定強磁性層4の上にトンネルバリア層5,自由強磁性層6,および表面保護層7が当業者にとって周知の方法によって形成され,磁気抵抗素子の形成が完了する。上述の酸化性ガスとして酸素ガスが使用される場合,真空容器内に導入される酸素ガスの分圧は,1×10−4Pa以下であることが好適である。導入される酸素ガスの分圧が過剰に大きいことは,固定強磁性層4を酸化させ,磁気抵抗素子のMR比を劣化させる。
【0037】
固定強磁性層4の結晶粒の粒径を微細化する第2の磁気抵抗素子製造方法では,固定強磁性層4の形成が,微少に酸化性ガスを含む雰囲気で行われる。より詳細には,第2の磁気抵抗素子製造方法は,第1の磁気抵抗素子製造方法と同様に,基板1の上にシード層2a,初期強磁性層2b,及び反強磁性層3を順次に成膜する工程で開始される。続いて,微少に酸化性ガスを含む雰囲気中で,固定強磁性層4がスパッタ法又は蒸着法によって形成される。該酸化性ガスに含まれる微少な酸素は,固定強磁性層4に取り込まれる。固定強磁性層4に取り込まれた微少な酸素は,固定強磁性層4の結晶粒の成長を抑制し,結晶粒を微細化する。固定強磁性層4の形成の後,固定強磁性層4の上にトンネルバリア層5,自由強磁性層6,および表面保護層7が当業者にとって周知の方法によって形成され,磁気抵抗素子の形成が完了する。上述の酸化性ガスとして酸素ガスが使用される場合,固定強磁性層4の成膜時の酸素ガスの分圧は,5×10−5Pa以下であることが好適である。導入される酸素ガスの分圧が過剰に大きいことは,固定強磁性層4を酸化させ,磁気抵抗素子のMR比を劣化させる。酸素ガスの分圧は,形成された固定強磁性層4が導電性を有するように定められる。
【0038】
これらの方法による固定強磁性層4を構成する結晶粒の微細化は,反強磁性層3を構成する材料の拡散の防止のために,固定強磁性層4の多層化を必要としない点で好適である。上述の特開2002−158381に開示された技術では,固定強磁性層として作用する2つの強磁性層の間に絶縁層又はアモルファス磁性層が形成されている。固定強磁性層の多層化は,固定強磁性層全体の膜厚を厚くする。強磁性体は,一般に,加工が困難なものが少なくなく,固定強磁性層全体の膜厚が厚いことは好ましくない。また,MTJは,膜面に対して垂直に電流が流れるため,絶縁層が固定強磁性層内に存在することは好ましくない。
【0039】
上述の磁気抵抗素子の構造及び磁気抵抗素子製造方法は,反強磁性層3がIr−Mn,及びPt−Mnのようにマンガンを含む材料であるときに特に好適である。マンガンは,熱処理により拡散しやすい。マンガンを含む反強磁性層3の上に形成される固定強磁性層4の結晶粒の粒径を微細化することにより,マンガンのトンネルバリア層5への拡散が効果的に防止される。
【0040】
本実施の形態において,反強磁性層3及び固定強磁性層4の位置は,自由強磁性層6の位置と交換可能である。即ち,初期強磁性層2bの上に自由強磁性層6が形成され,自由強磁性層6の上にトンネルバリア層5が形成され,トンネルバリア層6の上に固定強磁性層4が形成され,固定強磁性層4の上に反強磁性層3が形成されることが可能である。この場合には,固定強磁性層4,トンネルバリア層5,及び自由強磁性層6は平坦化されないため,Neel効果の抑制の効果は得られない。しかし,かかる構造でも,反強磁性層3を構成する材料の拡散は,有効に抑制可能である。
【0041】
(実施例)
本発明による磁気抵抗素子の実施例1と実施例2とが,比較例1と対比された。実施例1,実施例2,及び比較例1の全てについて,シード層2aは,3nmのの厚さを有するタンタル層で形成された。初期強磁性層2bは,3nmの厚さを有するNiFe層で形成された。反強磁性層3は,10nmの厚さを有するIrMn層で形成された。固定強磁性層4は,10nmの厚さを有するCoFe層で形成された。トンネルバリア層5は,1.5nmの厚さを有するAlO層で形成された。自由強磁性層6は,5nmの厚さを有するNiFe層で形成された。表面保護層7は,5nmの厚さを有するTa層で形成された。
【0042】
実施例1の磁気抵抗素子は,上述の第1の磁気抵抗素子製造方法で形成された。下地層2,及び反強磁性層3がスパッタ法によって順次に形成された後,反強磁性層3の成膜が行われた真空容器内に,酸化性ガスである酸素ガスが微量に導入された。酸素ガスの分圧は,5×10−5Paであった。酸素ガスの導入の後,該真空容器が高真空に排気され,スパッタ法によって固定強磁性層4となるCoFe層が反強磁性層3の上に形成された。続いて,1.5nmのAl膜がスパッタ法によって形成された後に,酸素プラズマで該Al膜が酸化され,トンネルバリア層5となるAlO層が形成された。続いて,自由強磁性層6及び表面保護層7がスパッタ法によって順次に形成された。
【0043】
実施例2の磁気抵抗素子は,上述の第2の磁気抵抗素子製造方法で形成された。Ta層,NiFe層,及びIrMn層をスパッタ法によって順次に形成した後,固定強磁性層4に相当するCoFe層の形成が,酸素ガスを微少に含む雰囲気でスパッタ法によって行われた。CoFe層の形成の間の酸素ガスの分圧は,1×10−5Paであった。続いて,実施例1の磁気抵抗素子と同一の工程により,AlO層,NiFe層,及びTa層の形成が順次に行われた。
【0044】
比較例1の磁気抵抗素子は,固定強磁性層4の積極的な微細化を行わずに形成された。Ta層,NiFe層,及びIrMn層を順次にスパッタ法によって形成した後,酸素ガスを含む雰囲気に暴露することなく,且つ,成膜の間に酸素ガスを導入することなくCoFe層が形成された。実施例1の磁気抵抗素子と同一の工程により,AlO層,NiFe層,及びTa層の形成が順次に行われた。
【0045】
図3は,実施例1及び比較例1について,θ−2θ法によって測定されたCoFe層のX線回折強度を示すグラフである。実施例1の磁気抵抗素子のCoFe層は,比較例1の磁気抵抗素子のCoFe層よりも回折ピーク強度が低く,回折ピークの半値幅が広い。これは,実施例1の磁気抵抗素子のCoFe層は,比較例1よりも結晶粒の粒径が小さいことを意味している。
【0046】
磁気抵抗素子のCoFe層の平均粒径は,回折ピークの半値幅Bを用いて,下記式:
t=0.9λ/Bcosθ …(1)
によって算出可能である。ここでλは,測定に使用されたX線の波長(0.1541nm)であり,θは,X線の入射角である。
【0047】
上記式(1)により算出された実施例1,実施例2,及び比較例1の磁気抵抗素子のCoFe層の平均粒径は,それぞれ,5.0nm,5.0nm,及び9.1nmであった。この結果は,実施例1,及び実施例2の磁気抵抗素子のCoFe層には,膜厚方向に複数の結晶粒が存在するのに対し,比較例1の磁気抵抗素子のCoFe層には,膜厚方向に一の結晶粒しか存在しないことを示している。
【0048】
実施例1,実施例2,及び比較例1の磁気抵抗素子に対して,400℃,1時間のアニールが行われた。該アニールの後,CoFe層とAlOx層との界面におけるMnの濃度が,オージェ電子分光分析法(AES)を用いて比較された。Mn濃度の比較では,Mnのピーク強度が,Al及びCoのピークを利用して補正された。比較例1のMn濃度を1として正規化すると,実施例1及び実施例2のMn濃度は,0.2であった。この結果は,実施例1及び実施例2の磁気抵抗素子は,Mnの拡散を効果的に抑制することを示している。
【0049】
Mnの拡散の抑制に起因して,実施例1及び実施例2の磁気抵抗素子では,アニールによるMR比の低下が抑制された。アニールがされていない状態での実施例1,実施例2,及び比較例1の磁気抵抗素子のMR比は,それぞれ,35%,34.5%,及び34.8%であり,実質的に同一であった。400℃,1時間のアニールの後における実施例1,実施例2,及び比較例1のMR比は,それぞれ,21%,19%,及び3%であり,実施例1,及び実施例2の磁気抵抗素子は,MR比の減少が少なかった。
【0050】
CoFe層の結晶粒の微細化の効果は,自由強磁性層6の自発磁化を反転させるに必要な磁場のオフセットの抑制としても現れた。実施例1及び実施例2の磁気抵抗素子は,オフセット磁場がそれぞれ4.4(Oe)であったのに対し,比較例1の磁気抵抗素子は,オフセット磁場が11.30(Oe)であった。これは,実施例1及び実施例2では,CoFe層の結晶粒の微細化により,その上に形成されたAlO層が平坦化され,Neel効果が抑制されたことに起因すると考えられる。
【0051】
(実施の第2形態)
図4は,本発明による磁気抵抗素子の実施の第2形態を示す。実施の第2形態では,実施の第1形態と異なる方法により,反強磁性層3を構成する材料のトンネルバリア層5への拡散が防止されている。
【0052】
実施の第2形態では,反強磁性層3の上に,第1固定強磁性層11,非磁性層12,及び第2固定強磁性層13が順次に形成されている。トンネルバリア層5は,第2固定強磁性層13の上に形成されている。第1固定強磁性層11は,例えばNi−Fe,及びCo−Feのような強磁性体で形成されている。強磁性体で形成されている第1固定強磁性層11は,自発磁化を有している。第1固定強磁性層11の自発磁化は,反強磁性層3から受ける相互作用によって固定される。
【0053】
非磁性層12は,Al,Ta,Mg,Ti,Mo,及びWのうちから選択された一の金属,又は,これらの合金で形成される。このような材料で形成される非磁性層12は,非磁性の導電体である。
【0054】
第2固定強磁性層13は,第1固定強磁性層11と同様に,例えばNi−Fe,及びCo−Feのような強磁性体で形成されている。強磁性体で形成されている第2固定強磁性層13は,自発磁化を有している。第2固定強磁性層13の自発磁化は,第1固定強磁性層11から受ける相互作用によって固定される。非磁性層12がAl,Ta,Mg,Ti,Mo,及びWのうちから選択された一の金属,又は,これらの合金で形成されているため,第1固定強磁性層11と第2固定強磁性層13との間の交換結合は,強磁性的である。従って,第1固定強磁性層11と第2固定強磁性層13とがそれぞれに有する自発磁化は,同一の方向を向いている。第1固定強磁性層11と第2固定強磁性層13との自発磁化の向きを所望の向きに向ける工程は,外部磁化の印加によって行われるが,第1固定強磁性層11と第2固定強磁性層13との自発磁化の向きが同一であることは,自発磁化の向きを所望の向きに向ける工程において強磁場を必要としない点で好適である。
【0055】
自由強磁性層6と第2固定強磁性層13との間の抵抗(即ち,メモリセルの抵抗)は,TMR効果により,自由強磁性層6の自発磁化の方向に応じて変化する。該抵抗の変化により,メモリセルに記憶されているデータが判別可能である。
【0056】
Al,Ta,Mg,Ti,Mo,及びWのうちから選択された一の金属,又は,これらの合金で形成される非磁性層12は,その上に形成される第2固定強磁性層13の結晶粒を微細化する。実施の第1形態の固定強磁性層4と同様に,第2固定強磁性層13の結晶粒の微細化により,第2固定強磁性層13の少なくとも一部は,第2固定強磁性層13の表面から該表面に垂直な方向に引かれた垂線が,第2固定強磁性層13を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過するように形成される。これにより,第2固定強磁性層13の粒界が直線的に固定強磁性層4を貫通することが回避され,反強磁性層3に含まれる材料,特にMnのトンネルバリア層5への拡散が抑制される。反強磁性層3に含まれる材料のトンネルバリア層5への拡散をより効果的に抑制するためには,第2固定強磁性層13の表面の任意の位置から該表面に垂直な方向に引かれた垂線が,第2固定強磁性層13を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過するように,第2固定強磁性層13が形成されていることが好適である。
【0057】
非磁性層12による第2固定強磁性層13の結晶粒の微細化のメカニズムは,必ずしも明確でない。発明者は,上述の材料で形成された非磁性層12と,強磁性体で形成された第2固定強磁性層13とが異なる点群に属すること,及び/又は,それらの格子定数が異なるために,大きな結晶粒の成長が妨げられることに関連していると推定している。
【0058】
第2固定強磁性層13の結晶粒の微細化は,実施の第1形態と同様に,第2固定強磁性層13,トンネルバリア層5及び自由強磁性層6を平坦化し,Neel効果を効果的に抑制する。既述のとおり,Neel効果の抑制は,自由強磁性層6の反転磁場のオフセットを低減する点で有効である。
【0059】
非磁性層12がAl,Ta,Mg,Ti,Mo,及びWのうちから選択された一の金属,又は,これらの合金で形成されることは,非磁性層12自体に,Mnの拡散を防止する機能を与える点でも好適である。
【0060】
反強磁性層3に含まれる材料のトンネルバリア層5への拡散を一層に抑制するためには,第2固定強磁性層13は,固定強磁性層13を構成する結晶粒の平均粒径が固定強磁性層13の膜厚の3分の2以下であるように形成されることが好適であり,該平均粒径が第2固定強磁性層13の膜厚の2分の1以下であることは,より一層に好適である。
【0061】
(実施例)
本発明による磁気抵抗素子の実施例3乃至実施例12が,比較例1及び比較例2と対比された。実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子と,比較例1及び比較例2の磁気抵抗素子との構造は,下記の通りである。
【0062】
実施例3乃至実施例12では,2nmの厚さを有するCoFe層が第1固定強磁性層11として使用され,10nmの厚さを有するCoFe層が第2固定強磁性層13として使用された。
【0063】
実施例3乃至実施例12は,互いに,非磁性層12の材料及び/又は厚さが異なる。図5に示されているように,実施例3乃至実施例7の磁気抵抗素子の非磁性層12は,Al層で形成された。実施例3乃至実施例7の非磁性層12の厚さは,それぞれ,0.3,0.5,0.7,1.0,及び1.5nmであった。実施例8乃至実施例12の磁気抵抗素子の非磁性層12は,Ta層で形成された。実施例8乃至実施例12の非磁性層12の厚さは,それぞれ,0.3,0.5,0.7,1.0,及び1.5nmであった。
【0064】
比較例1の磁気抵抗素子の構造は,実施の第1形態で説明された通りである。比較例1の磁気抵抗素子では,第1固定強磁性層11,非磁性層12,及び第2固定強磁性層13の代わりに,10nmの厚さを有するCoFe層が固定強磁性層として使用された。
【0065】
比較例2の磁気抵抗素子は,非磁性層12の材料が実施例3乃至実施例12と異なる。実施例3乃至実施例12では,非磁性層12は,Al層又はTa層で形成されているが,比較例2では,非磁性層12は,1.0nmのRu層で形成された。
【0066】
実施例3乃至実施例12並びに比較例1及び比較例2の磁気抵抗素子の他の部分の構造は,同一であった。実施例3乃至実施例12並びに比較例1及び比較例2の全てについて,シード層2aは,3nmの厚さを有するタンタル層で形成された。初期強磁性層2bは,3nmの厚さを有するNiFe層で形成された。反強磁性層3は,10nmの厚さを有するIrMn層で形成された。トンネルバリア層5は,1.5nmの厚さを有するAlO層で形成された。自由強磁性層6は,5nmの厚さを有するNiFe層で形成された。表面保護層7は,5nmの厚さを有するTa層で形成された。
【0067】
図6は,実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子の第2固定強磁性層13の結晶粒の平均粒径を示す。平均粒径は,実施の第1形態と同様に,X線回折ピークの半値幅から算出されている。実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子の平均粒径は,4.5nm〜6.0nmであり,これは,実施例3乃至実施例12の第2固定強磁性層13には,厚さ方向に複数の結晶粒が存在することを意味している。
【0068】
図7は,磁気抵抗素子に400℃,1時間のアニールを行った後の,第2固定強磁性層13とトンネルバリア層5との間の界面におけるMn濃度を示す。該Mn濃度は,比較例1の固定強磁性層とトンネルバリア層との間の界面のMn濃度によって正規化されている。Mn濃度は,実施の第1形態と同様に,AESによって測定されている。
【0069】
図7に示されているように,非磁性層12がAl層又はTa層で形成されている実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子では,Mnのトンネルバリア層5への拡散が抑制されている。実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子では,0.3nmという薄い膜厚を有する非磁性層12でも,Mnのトンネルバリア層5への拡散が抑制されている。
【0070】
非磁性層12がRu層で形成されている比較例2でも,微少に,Mnのトンネルバリア層5への拡散を抑制する効果がみられた。しかし,拡散を抑制する観点では,非磁性層12がAl層又はTa層で形成されている実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子の方がより効果的であった。これは,非磁性層12がRu層で形成されている比較例2の磁気抵抗素子は,第2固定強磁性層13の結晶粒の微細化の効果が充分でないのに対し,非磁性層12がAl層又はTa層で形成されている実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子は,Mnの拡散を充分に抑制できる程度に第2固定強磁性層13の結晶粒が微細化されることに起因すると考えられる。
【0071】
トンネルバリア層5の界面に拡散されたMn濃度の,非磁性層12の膜厚に対する依存性は小さい。非磁性層12が拡散バリアとして作用することよりも,第2固定強磁性層13の結晶粒が微細化し,第2固定強磁性層13中の拡散が抑制されることの方が,よりMnの拡散の防止に寄与していることを示唆している。
【0072】
実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子では,Mnのトンネルバリア層5への拡散が抑制されることに起因して,アニールによるMR比の劣化も低減された。図8に示されているように,400℃,1時間のアニールの後における実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子のMR比は,17〜23%であり,比較例1の磁気抵抗素子のMR比の3%よりも顕著に大きかった。
【0073】
非磁性層12の挿入は,反強磁性体3と第2固定強磁性層13とを離間させ,反強磁性体3と第2固定強磁性層13との交換結合による交換バイアス磁場Hexを弱くする可能性がある。交換バイアス磁場Hexが弱くなると,第2固定強磁性体13が反転しやすくなり,従って,自由強磁性層6と第2固定強磁性層13との自発磁化が反平行である状態が実現される磁場の範囲が狭くなる。交換バイアス磁場Hexは,定性的には,大きい方が好適である。
【0074】
図9は,実施例3乃至実施例12のそれぞれについて,第2固定強磁性層13に印加される交換バイアス磁場Hexを示す。反強磁性層の上に直接,固定強磁性層が接合されている比較例1では,該固定強磁性層に印加される交換バイアス磁場Hexは,約980(Oe)であった。非磁性層12がAl層で形成されている実施例3乃至実施例7では,比較例1の磁気抵抗素子とほぼ同じ交換バイアス磁場Hexが第2固定強磁性層13に印加され,第2固定強磁性層13の自発磁化の固定力の劣化は発生しなかった。一方,非磁性層12がTa層で形成されている実施例8乃至実施例12の磁気抵抗素子では,交換バイアス磁場Hexが弱められた。しかし,非磁性層12がTa層で形成されている場合でも,交換バイアス磁場Hexの大きさは,実用上充分な大きさに保たれている。交換バイアス磁場Hexの確保の観点からは,非磁性層12はAl層で形成されることが好適である。
【0075】
実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子では,実施の第1形態と同様に,自由強磁性層6の自発磁化の反転磁場のオフセットが抑制された。実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子のオフセット磁場は,最大でも5.4(Oe)であり,比較例1のオフセット磁場(11.30(Oe))よりも小さかった。
【0076】
非磁性層12として,0.7nmの厚さを有するMg層,Ti層,Mo層,及びW層が使用された場合にも,第2固定強磁性層13とトンネルバリア層5との間の界面におけるMn濃度は,比較例1のMn濃度に対して半分以下に減少し,Mnの拡散の抑制の効果が得られた。非磁性層12としてMg層,Ti層,Mo層,及びW層が使用可能であることが,明らかにされた。
【0077】
【発明の効果】
本発明により,TMR効果を利用する磁気抵抗素子の熱耐性が向上する。
【0078】
また,本発明により,TMR効果を利用する磁気抵抗素子のNeel効果が抑制され,反転可能に設けられる自発磁化を反転させるのに必要な反転磁場が対称的になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,本発明による磁気抵抗素子の実施の第1形態を示す。
【図2】図2は,固定強磁性層4の拡大図である。
【図3】図3は,本発明の実施例1と比較例1とについて,固定強磁性層4のX線回折強度を示す図である。
【図4】図4は,本発明による磁気抵抗素子の実施の第2形態を示す。
【図5】図5は,本発明の実施例3乃至実施例12の非磁性層12の材料及び厚さを示す表である。
【図6】図6は,実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子の第2固定強磁性層13の平均粒径を示す。
【図7】図7は,実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子について,第2固定強磁性層13とトンネルバリア層5との界面に存在するMn量を示す。
【図8】図8は,実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子の,熱処理(アニール)後のMR比を示す図である。
【図9】図9は,実施例3乃至実施例12の磁気抵抗素子について,第2固定強磁性層13に印加される交換バイアス磁場を示す。
【図10】図10は,従来の磁気抵抗素子を示す。
【符号の説明】
1:基板
2:下地層
2a:シード層
2b:初期強磁性層
3:反強磁性層
4:固定強磁性層
4a:表面
5:トンネルバリア層
6:自由強磁性層
7:表面保護層
11:第1固定強磁性層
12:非磁性層
13:第2固定強磁性層
101:反強磁性層
102:固定強磁性層
103:トンネルバリア層
104:自由強磁性層

Claims (7)

  1. 強磁性体で形成された第1強磁性層と、
    前記第1強磁性層に接合された、非磁性、且つ絶縁性のトンネルバリア層と、
    強磁性体で形成され、前記トンネルバリア層に接合された第2強磁性層と、
    Al、Ta、Mg、Ti、Mo、及びWからなる群から選ばれた一の元素で形成された金属膜、又は、前記群から選ばれた複数の元素の合金で形成され、前記第2強磁性層に接合された非磁性層と、
    強磁性体で形成され、前記非磁性層に接合された第3強磁性層と、
    Mnを含む反強磁性体で形成され、前記第3強磁性層に接合された反強磁性層と
    を備え、
    前記第2強磁性層のうちの少なくとも一部は、前記第2強磁性層の前記反強磁性層の側の表面に垂直な方向に引かれた垂線が、前記第2強磁性層を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過し、且つ該垂線が通過する2つの結晶粒の粒界が直線的に配置されていないように形成されている
    磁気抵抗素子。
  2. 強磁性体で形成された第1強磁性層と、
    前記第1強磁性層に接合された、非磁性、且つ絶縁性のトンネルバリア層と、
    強磁性体で形成され、前記トンネルバリア層に接合された第2強磁性層と、
    前記第2強磁性層の形成のとき、前記第2強磁性層の結晶粒を微細化する作用を有し、前記第2強磁性層に接合された非磁性層と、
    強磁性体で形成され、前記非磁性層に接合された第3強磁性層と、
    Mnを含む反強磁性体で形成され、前記第3強磁性層に接合された反強磁性層と
    を備え、
    前記第2強磁性層のうちの少なくとも一部は、
    前記第2強磁性層の前記反強磁性層の側の表面に垂直な方向に引かれた垂線が、前記第2強磁性層を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過し、且つ該垂線が通過する2つの結晶粒の粒界が直線的に配置されていないように形成されている
    磁気抵抗素子。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気抵抗素子において、
    前記非磁性層と前記第2強磁性層とは、互いに異なる点群に属する材料で形成されている
    磁気抵抗素子。
  4. 請求項1又は2に記載の磁気抵抗素子において、
    前記第2強磁性層の平均粒径は、前記第2強磁性層の膜厚の3分の2以下である
    磁気抵抗素子。
  5. 請求項に記載の磁気抵抗素子において,
    前記第2強磁性層の平均粒径は、前記第2強磁性層の膜厚の2分の1以下である
    磁気抵抗素子。
  6. (G)反強磁性層を基板の上面側に形成する工程と、
    (H)酸化性ガスを含む雰囲気で、前記反強磁性層の上に第2強磁性層を形成する工程と、(I)前記第2強磁性層の上に、トンネルバリア層を形成する工程と、
    (J)前記トンネルバリア層の上に、第1強磁性層を形成する工程
    とを含み、
    前記(H)工程の間の前記酸化性ガスの分圧は、前記第2強磁性層のうちの少なくとも一部を、前記第2強磁性層の前記反強磁性層の側の表面に垂直な方向に引かれた垂線が、前記第2強磁性層を構成する結晶粒の少なくとも2つを通過し、且つ該垂線が通過する2つの結晶粒の粒界が直線的に配置されていない
    ように形成するように定められ、且つ
    前記(J)工程で形成された前記第1強磁性層が導電性を有するように定められた
    磁気抵抗素子製造方法。
  7. 請求項に記載の磁気抵抗素子製造方法において、
    前記酸化性ガスは、酸素ガスであり、前記(H)工程の間の前記酸化性ガスの分圧は、0より大きく、5×10−5Paよりも小さい
    磁気抵抗素子の製造方法。
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