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JP4423527B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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JP4423527B2
JP4423527B2 JP2000373647A JP2000373647A JP4423527B2 JP 4423527 B2 JP4423527 B2 JP 4423527B2 JP 2000373647 A JP2000373647 A JP 2000373647A JP 2000373647 A JP2000373647 A JP 2000373647A JP 4423527 B2 JP4423527 B2 JP 4423527B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の前部に設けられた前照灯または補助前照灯として使用される車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の前照灯は、例えば図7に示すように、構成されている。
即ち、図7において、前照灯1は、光源2と、光源2からの光を前方に向かって反射させる主反射面3と、光源2または主反射面3からの光を集束させる投影レンズ4と、光源2から投影レンズ4への光路中に配置されたカットオフのためのシャッタ5と、から構成されている。
【0003】
このような構成の前照灯1によれば、光源2から出射した光が、直接にまたは主反射面3で反射されて投影レンズ4に入射し、投影レンズ4によって集束されることにより、前方に向かって照射され、所定の範囲を照明するようになっている。その際、投影レンズ4に入射する光の一部がシャッタ5によって遮断されることにより、対向車に幻惑光を与えないように対向車線側で照射距離が短くなるような所望の配光特性が得られるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような前照灯1においては、光源2から(光源2を構成する)口金の方向を除いて他のすべての方向に向かって光が照射されているが、光源2から直接に、あるいは主反射面3で反射されて投影レンズ4に入射する光は、光源2から出射される光の一部である。従って、投影レンズ4を介して前方に照射される光の光量が充分であるとはいえない。
【0005】
ところで、図7にて符号3aで示すように、主反射面3の周縁を延長して、この延長部3aにより光源2からの光を反射させて、投影レンズ4に入射させることも考えられる。これにより、図7にて斜線で示した範囲の光が、投影レンズ4に導かれ、自動車の前方に向かって照射されることになる。
しかしながら、この場合には、上記延長部3aで反射される光は、光軸に対する角度が大きいことから、投影レンズ4の径がこれに対応して拡大される必要があり、投影レンズ4が非常に大型になってしまう。このため、投影レンズ4が大きく且つ重くなり、部品コストが高くなってしまうという。
【0006】
これに対して、図8に示すように、上記延長部3aの代わりに、別体の球面状の副反射面6を設けて、光源2から出た光を再び光源2に戻し、主反射面3により再反射させて投影レンズ4に入射させることにより、前照灯1の光量を増大させることも可能である。
しかしながら、この場合には、光源2がフィラメント2aを有している場合、図9に示すように、副反射面6により光源2に戻された光が、フィラメント2aに入射することにより、フィラメント2aにより遮断されてしまったり、フィラメント2aが戻り光により加熱されて高温になり、寿命が短くなってしまうことがある。
これに対して、光源2が放電灯である場合には、図10に示すように、光源2への戻り光が、光源2を通過し得るので、フィラメント2aの場合のような問題は発生しない。
【0007】
他方、前照灯1には、前述したようにシャッタ5が設けられているので、光源2からの光が球面状の副反射面6により反射された場合、投影レンズ4に入射する光がシャッタ5により遮断されてしまうことがある。この場合、前照灯1の光量増大のために副反射面6を設けた意味がなくなってしまう。
【0008】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、投影レンズを大型化することなく、前方への光量を増大させるようにした、車両用灯具を提供することを目的としている。
【0009】
上記目的は、本発明の構成によれば、光源と、光源からの光を前方に向かって反射させる主反射面と、光源または主反射面からの光を集束させる投影レンズと、光源から投影レンズへの光路中に配置されたカットオフのためのシャッタと、を含むプロジェクタタイプの車両用灯具において、上記光源からの光または主反射面で反射された光のうち、投影レンズに入射しない光の光路中にて、光源の発光中心より前方の灯具光軸の上方または下方の少なくともいずれかに設けられ、光源付近を第一焦点とする楕円反射面から成る副反射面を備え、上記副反射面の第二焦点が、上記灯具光軸より上方に位置する場合には、当該光軸上付近の上記発光中心より前方に配置され、上記灯具光軸より下方に位置する場合には、当該光軸上付近の上記発光中心より後方に配置されていることを特徴とする、車両用灯具により、達成される。
【0010】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記副反射面の光軸より上方に位置する部分の第二焦点が、光源より前方に配置されている。
【0011】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記副反射面の光軸より下方に位置する部分の第二焦点が、光源より後方に配置されている。
【0012】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記副反射面の第二焦点が、光源より下方に配置されている。
【0013】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記副反射面が、左右に分割されており、その左側部分の第二焦点が、光源より左方に配置されており、その右側部分の第二焦点が、光源より右方に配置されている。
【0014】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記副反射面が、左右に分割されており、その左側部分の第二焦点が、光源より左下に配置されており、その右側部分の第二焦点が、光源より右下に配置されている。
【0015】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記副反射面が、主反射面と一体に構成されている。
【0016】
上記構成によれば、光源から直接または主反射面で反射されて投影レンズに入射した光は、投影レンズにより集束され、前方に向かって照射され、所定の照射範囲を照明する。その際、投影レンズに入射する光の一部がシャッタによって遮断されることにより、対向車に幻惑光を与えないように対向車線側で照射距離が長くなるような所望の配向特性が得られる。
【0017】
さらに、光源から副反射面で反射された光は、副反射面の第二焦点に向かって集束され、その後主反射面で反射されて、投影レンズに入射し、同様に投影レンズにより集束され、前方に向かって照射され、所定の照射範囲を照明することになる。その際、副反射面の第一焦点が光源付近に配置されていることにより、副反射面で反射された光は、光源付近の第一焦点ではなく、光源から所定距離だけ離れた第二焦点に向かって集束するので、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されることなく、投影レンズに入射して、前方に向かって照射されるので、前方への照射光量が増大し、充分な光量が得られることになる。
【0018】
上記副反射面の光軸より上方に位置する部分の第二焦点が、光源より前方に配置されている場合には、副反射面の上方部分により反射されて第二焦点より前方に集束する光は、主反射面でやや上向きに反射されることにより、シャッタの上方を通過して、投影レンズに入射することになる。これにより、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されないので、前方に向かって照射される光の照射光量が確実に増大することになる。
【0019】
上記副反射面の光軸より下方に位置する部分の第二焦点が、光源より後方に配置されている場合には、副反射面の下方部分により反射されて第二焦点より前方に集束する光は、主反射面でやや上向きに反射されることにより、シャッタの上方を通過して、投影レンズに入射することになる。これにより、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されないので、前方に向かって照射される光の照射光量が確実に増大することになる。
【0020】
上記副反射面の第二焦点が、光源より下方に配置されている場合には、副反射面により反射されて第二焦点より下方に集束する光は、主反射面でやや上向きに反射されることにより、シャッタの上方を通過して、投影レンズに入射することになる。これにより、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されないので、前方に向かって照射される光の照射光量が確実に増大することになる。
【0021】
上記副反射面が、左右に分割されており、その左側部分の第二焦点が、光源より左方に配置されており、その右側部分の第二焦点が、光源より右方に配置されている場合には、副反射面の左側部分により反射されて第二焦点より左方に集束する光は、主反射面でやや左向きに反射され、また副反射面の右側部分により反射されて第二焦点より右方に集束する光は、主反射面でやや右向きに反射されることにより、光源の外形を構成するガラス管を回避して、投影レンズに入射することになる。これにより、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されないので、前方に向かって照射される光の照射光量が確実に増大することになる。
【0022】
上記副反射面が、左右に分割されており、その左側部分の第二焦点が、光源より左下に配置されており、その右側部分の第二焦点が、光源より右下に配置されている場合には、副反射面の左側部分により反射されて第二焦点より左下に集束する光は、主反射面でやや左下向きに反射され、また副反射面の右側部分により反射されて第二焦点より右下に集束する光は、主反射面でやや右下向きに反射されることにより、光源の外形を構成するガラス管を回避し、シャッタの上方を通過して、投影レンズに入射することになる。これにより、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されないので、前方に向かって照射される光の照射光量が確実に増大することになる。
【0023】
上記副反射面が、主反射面と一体に構成されている場合には、副反射面の主反射面に対する位置が保持されるので、組立が容易になると共に、副反射面の主反射面に対する位置決め精度が正確に保持され得ることになる。
【0024】
このようにして、本発明によれば、上記光源からの光または主反射面で反射され投影レンズに入射しない光の光路中にて、副反射面を配置することによって、副反射面で反射された光は、光源付近の第一焦点ではなく、副反射面の第二焦点に向かって集束され、その後主反射面で反射されて、投影レンズに入射する。従って、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されることなく、投影レンズに入射して、前方に向かって照射されるので、前方への照射光量が増大し、充分な光量が得られることになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図1乃至図6を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0026】
図1は、本発明による車両用灯具の第一の実施形態の構成を示している。
図1において、車両用灯具10は、自動車の前照灯であって、光源としてのバルブ11と、バルブ11を包囲するように配置された主反射面12と、投影レンズ13,シャッタ14と、さらに副反射面15と、から構成されている。
【0027】
上記バルブ11は、一般に自動車の前照灯または補助前照灯に使用される放電灯として構成されたバルブであり、ソケット11aにより固定保持されると共に、給電されるようになっている。
【0028】
上記主反射面12は、バルブ11からの光を反射して、投影レンズ18に導くように、前方に向かって凹状に形成されている。
【0029】
上記投影レンズ13は、バルブ11の前方に延びる光軸上に配置された凸レンズであって、バルブ11から直接にまたは主反射面12で反射された光を集束させて、前方に向かって照射する。
【0030】
上記シャッタ14は、遮光材料から構成されていて、バルブ11と投影レンズ13との間に配置されており、バルブ11から直接にまたは主反射面12で反射された光の一部を遮断することにより、カットオフを画成して、投影レンズ13により投影される光の配光特性を調整する。
【0031】
上記副反射面15は、楕円反射面であって、その第一焦点15aがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点15bがバルブ11の発光中心より前方に位置するように、バルブ11の上方の領域に配置されている。
ここで、楕円反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円を基本とした自由曲面を含むものである。
さらに、上記副反射面15は、好ましくは、主反射面11と一体に構成される。これにより、副反射面15の主反射面11に対する位置決めが容易に且つ正確に行なわれ得ることになる。
【0032】
本発明実施形態による車両用灯具10は、以上のように構成されており、バルブ11がソケット11aから給電されて発光することにより、バルブ11の発光中心から出射した光L1は、直接にまたは主反射面12で反射されて、シャッタ14により一部が遮断された後、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
【0033】
また、バルブ11の発光中心から出射して副反射面15で反射された光L2は、第二焦点15b即ちバルブ11の発光中心の前方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
ここで、光L2は、主反射面12で反射される際にやや上向きに前方に向かって照射されることにより、シャッタ14の上方を通過することになる。従って、この光L2がシャッタ14により部分的にも遮断されるようなことはなく、副反射面15により反射された光L2が、投影レンズ13により前方に向かって確実に照射されることになり、前方に向かって照射される光量が増大することになる。
【0034】
図2は、本発明による車両用灯具の第二の実施形態の構成を示している。
図2において、車両用灯具20は、副反射面15の代わりに、副反射面21が備えられている点を除いては、図1に示した車両用灯具とほぼ同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0035】
上記副反射面21は、楕円反射面であって、その第一焦点21aがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点21bがバルブ11の発光中心より後方に位置するように、バルブ11の発光中心の下方の領域に配置されている。
さらに、上記副反射面21は、好ましくは、主反射面11と一体に構成される。これにより、副反射面21の主反射面11に対する位置決めが容易に且つ正確に行なわれ得ることになる。
【0036】
このような構成の車両用灯具20によれば、バルブ11がソケット11aから給電されて発光することにより、バルブ11の発光中心から出射した光L3は、直接にまたは主反射面12で反射されて、シャッタ14により一部が遮断された後、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
【0037】
また、バルブ11の発光中心から出射して副反射面21で反射された光L4は、第二焦点21b即ちバルブ11の発光中心の後方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
ここで、光L4は、主反射面12で反射される際にやや上向きに前方に向かって照射されることにより、シャッタ14の上方を通過することになる。従って、この光L4がシャッタ14により部分的にも遮断されるようなことはなく、副反射面21により反射された光L4が、投影レンズ13により前方に向かって確実に照射されることになり、前方に向かって照射される光量が増大することになる。
【0038】
図3は、本発明による車両用灯具の第三の実施形態の構成を示している。
図3において、車両用灯具30は、副反射面15の代わりに、副反射面31が備えられている点を除いては、図1に示した車両用灯具とほぼ同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
上記副反射面31は、楕円反射面であって、その第一焦点31aがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点31bがバルブ11の発光中心より下方に位置するように、バルブ11の発光中心の上方及び下方の領域に配置されている。
さらに、上記副反射面31は、好ましくは、主反射面11と一体に構成される。これにより、副反射面31の主反射面11に対する位置決めが容易に且つ正確に行なわれ得ることになる。
【0040】
このような構成の車両用灯具30によれば、バルブ11がソケット11aから給電されて発光することにより、バルブ11の発光中心から出射した光(図示せず)は、直接にまたは主反射面12で反射されて、シャッタ14により一部が遮断された後、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
【0041】
また、バルブ11の発光中心から出射して副反射面31で反射された光L5は、第二焦点31b即ちバルブ11の発光中心の下方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
ここで、光L5は、主反射面12で反射される際にやや上向きに前方に向かって照射されることにより、シャッタ14の上方を通過することになる。従って、この光L5がシャッタ14により部分的にも遮断されるようなことはなく、副反射面31により反射された光が、投影レンズ13により前方に向かって確実に照射されることになり、前方に向かって照射される光量が増大することになる。
【0042】
図4は、本発明による車両用灯具の第四の実施形態の構成を示している。
図4において、車両用灯具40は、副反射面15の代わりに、副反射面41が備えられている点を除いては、図1に示した車両用灯具とほぼ同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0043】
上記副反射面41は、中心から左右に分割された左側部分41L及び41Rから成る楕円反射面である。
そして、副反射面41の左側部分41Lは、その第一焦点41Laがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点41Lbがバルブ11の発光中心より左方に位置するように、バルブ11の発光中心の上方及び下方の領域に配置されている。
また、副反射面41の右側部分41Rは、その第一焦点41Raがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点41Rbがバルブ11の発光中心より右方に位置するように、バルブ11の発光中心の上方及び下方の領域に配置されている。
さらに、上記副反射面41即ち左側部分41L及び右側部分41Rは、好ましくは、主反射面11と一体に構成される。これにより、副反射面41の主反射面11に対する位置決めが容易に且つ正確に行なわれ得ることになる。
【0044】
このような構成の車両用灯具40によれば、バルブ11がソケット11aから給電されて発光することにより、バルブ11の発光中心から出射した光(図示せず)は、直接にまたは主反射面12で反射されて、シャッタ14により一部が遮断された後、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
【0045】
また、バルブ11の発光中心から出射して副反射面41の左側部分41Lで反射された光L6Lは、第二焦点41Lb即ちバルブ11の発光中心の左方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
他方、バルブ11の発光中心から出射して副反射面41の右側部分41Rで反射された光L6Rは、第二焦点41Rb即ちバルブ11の発光中心の右方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
このようにして、上記光L6L,L6Rは、主反射面12で反射される際にそれぞれやや左向きまたは右向きに前方に向かって照射されることにより、バルブ11の外形を構成するガラス管を回避しながら、シャッタ14の上方を通過することになる。従って、この光L6L,L6Rがバルブ11のガラス管により部分的にも遮断されるようなことはなく、副反射面41により反射された光が、投影レンズ13により前方に向かって確実に照射されることになり、前方に向かって照射される光量が増大することになる。
【0046】
図5は、本発明による車両用灯具の第五の実施形態の構成を示している。
図5において、車両用灯具50は、副反射面15の代わりに、副反射面51が備えられている点を除いては、図1に示した車両用灯具とほぼ同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
上記副反射面51は、中心から左右に分割された左側部分51L及び51Rから成る楕円反射面である。
そして、副反射面51の左側部分51Lは、その第一焦点51Laがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点51Lbがバルブ11の発光中心より左下方に位置するように、バルブ11の発光中心の上方及び下方の領域に配置されている。
また、副反射面51の右側部分51Rは、その第一焦点51Raがバルブ11の発光中心付近に位置すると共に、第二焦点51Rbがバルブ11の発光中心より右下方に位置するように、バルブ11の発光中心の上方及び下方の領域に配置されている。
さらに、上記副反射面51即ち左側部分51L及び右側部分51Rは、好ましくは、主反射面11と一体に構成される。これにより、副反射面51の主反射面11に対する位置決めが容易に且つ正確に行なわれ得ることになる。
【0048】
このような構成の車両用灯具50によれば、バルブ11がソケット11aから給電されて発光することにより、バルブ11の発光中心から出射した光(図示せず)は、直接にまたは主反射面12で反射されて、シャッタ14により一部が遮断された後、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
【0049】
また、バルブ11の発光中心から出射して副反射面51の左側部分51Lで反射された光L7Lは、第二焦点51Lb即ちバルブ11の発光中心の左下方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
他方、バルブ11の発光中心から出射して副反射面51の右側部分51Rで反射された光L7Rは、第二焦点51Rb即ちバルブ11の発光中心の右下方に向かって集束し、その後主反射面12で反射されて、投影レンズ13に入射し、投影レンズ13の屈折作用によって集束して、前方に向かって照射される。
このようにして、上記光L7L,L7Rは、主反射面12で反射される際にそれぞれやや左上向きまたは右上向きに前方に向かって照射されることにより、図6に示すように、バルブ11の外形を構成するガラス管を回避しながら、シャッタ14の上方を通過することになる。従って、この光L7L,L7Rがバルブ11のガラス管により部分的にも遮断されるようなことはなく、副反射面51により反射された光が、投影レンズ13により前方に向かって確実に照射されることになり、前方に向かって照射される光量が増大することになる。
【0050】
このようにして、本発明実施形態による車両用灯具10乃至50によれば、バルブ11から出射して投影レンズ13に入射しない光L2,L4,L5,L6L,L6R,L7L,L7Rが、副反射面15,21,31,41,51により反射された後、主反射面11で反射されて投影レンズ13に入射するので、バルブ11からの光をより多く、投影レンズ13を介して前方に向かって照射することができ、その際シャッタ14の上方を通過させることにより、これらの光がシャッタ14によって遮断されることがないので、前方に向かって照射される光量が確実に増大され得ることになる。
【0051】
尚、上述した実施形態のうち、第一の実施形態では、副反射面15がバルブ11の発光中心の上側に配置され、また第二の実施形態では、副反射面21がバルブ11の発光中心の下側に配置されているが、これらを組み合わせて、バルブ11の発光中心の上側及び下側に、それぞれ副反射面15及び副反射面21を配置するようにしてもよい。これにより、前方に向かって照射される光の光量がより一層増大され得ることになる。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光源から副反射面で反射された光は、副反射面の第二焦点に向かって集束され、その後主反射面で反射されて、投影レンズに入射し、同様に投影レンズにより集束され、前方に向かって照射され、所定の照射範囲を照明することになる。その際、副反射面の第一焦点が光源付近に配置されていることにより、副反射面で反射された光は、光源付近の第一焦点ではなく、光源から所定距離だけ離れた第二焦点に向かって集束するので、副反射面で反射された光がシャッタにより遮断されることなく、投影レンズに入射して、前方に向かって照射されるので、前方への照射光量が増大し、充分な光量が得られることになる。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、投影レンズを大型化することなく、前方への光量を増大させるようにした、極めて優れた車両用灯具が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用灯具の第一の実施形態を示す概略側面図である。
【図2】本発明による車両用灯具の第二の実施形態を示す概略側面図である。
【図3】本発明による車両用灯具の第三の実施形態を示す概略側面図である。
【図4】本発明による車両用灯具の第四の実施形態を示す概略側面図である。
【図5】本発明による車両用灯具の第五の実施形態を示す概略側面図である。
【図6】図5の車両用灯具における副反射面による反射光を示す正面図である。
【図7】従来の車両用灯具の一例を示す概略側面図である。
【図8】従来の車両用灯具の他の例を示す概略側面図である。
【図9】図8の車両用灯具における副反射面による反射光のフィラメントへの入射状態を示す部分拡大側面図である。
【図10】図8の車両用灯具における副反射面による反射光の放電灯の放電部分への入射状態を示す部分拡大側面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 車両用灯具
11 バルブ
12 主反射面
13 投影レンズ
14 シャッタ
15,21,31,41,51 副反射面

Claims (5)

  1. 光源と、光源からの光を前方に向かって反射させる主反射面と、光源または主反射面からの光を集束させる投影レンズと、光源から投影レンズへの光路中に配置されたカットオフのためのシャッタと、を含むプロジェクタタイプの車両用灯具において、
    上記光源からの光または主反射面で反射された光のうち、投影レンズに入射しない光の光路中にて、光源の発光中心より前方の灯具光軸の上方または下方の少なくともいずれかに設けられ、光源付近を第一焦点とする楕円反射面から成る副反射面を備え
    上記副反射面の第二焦点が、
    上記灯具光軸より上方に位置する場合には、当該光軸上付近の上記発光中心より前方に配置され、上記灯具光軸より下方に位置する場合には、当該光軸上付近の上記発光中心より後方に配置されていることを特徴とする、車両用灯具。
  2. 上記副反射面の第二焦点が、光源より下方に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 上記副反射面が、左右に分割されており、その左側部分の第二焦点が、光源より左方に配置されており、その右側部分の第二焦点が、光源より右方に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
  4. 上記副反射面が、左右に分割されており、その左側部分の第二焦点が、光源より左下に配置されており、その右側部分の第二焦点が、光源より右下に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
  5. 上記副反射面が、主反射面と一体に構成されていることを特徴とする、請求項1からの何れかに記載の車両用灯具。
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