以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図18により説明する。
図1は、本実施形態のラベル作成装置(タグラベル作成装置)が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。この実施形態は、本発明を読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、本実施形態によるタグラベル作成装置2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としての2つカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部に、無線タグ(タグシール、タグラベル)Tを生成するためのタグシール用カートリッジ100−1及び印字ラベル(ラベルシール)Sを生成するための印字ラベル用カートリッジ100−2が着脱可能に取り付けられている。
タグシール用カートリッジ100−1は、帯状のタグテープ101A(タグ基材)が巻回されたタグロール102A(タグ収納体)と、上記タグテープ101Aを矢印で示す方向にテープ送りをしカートリッジ100−1から繰り出すテープ送りローラ107Aとを有している。タグロール102Aは、リール部材102Aaの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に等間隔で順次形成された上記タグテープ101Aを巻回している。
また装置本体8は、上記タグシール用カートリッジ100−1側に係わる構成として、上記テープ送りローラ107Aを駆動するテープ送りローラ駆動軸12Aと、このテープ送りローラ駆動軸12Aを駆動する例えばパルスモータであるタグシールカートリッジ用モータ23Aと、このカートリッジ用モータ23Aの駆動を制御するタグシールカートリッジ駆動回路24Aと、タグテープ101Aを所定のタイミングで所定の長さに切断しタグラベルTを生成するカッタ15A(第1切断手段)と、上記カッタ15Aを駆動して切断動作を行わせるソレノイド26Aと、そのソレノイド26Aを制御するソレノイド駆動回路27Aと、切断後の各タグラベルTを案内するための搬送ガイド13と、タグテープ101Aに予め形成された情報(第1視覚識別情報;この例では印字数字;その他、ストライプ、バーコード、パンチ孔等でもよい。後述の変形例参照)を読み取りその認識信号を制御回路30へ出力する光学読み取り手段としての光学読み取り機90(認識手段)と、上記タグテープ101Aに備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ14と、このアンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22とを有している。
一方、印字ラベル用カートリッジ100−2は、帯状のラベル基材テープ101B(ラベルテープ)が巻回された第1ロール102Bと、上記ラベル基材テープ101Bと略同じ幅である透明な印字用カバーフィルム103(被印字材)が巻回された第2ロール104(被印字材収納体)と、インクリボン105を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、ラベル基材テープ101Bとカバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済ラベルテープ110としつつ矢印で示す方向にテープ送りをし、印字ラベル用カートリッジ100−2から繰り出すテープ送りローラ107Bとを有している。上記第1ロール102Bは、リール部材102Baの周りに上記ラベル基材テープ101Bを巻回しており、上記第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。
また装置本体8は、上記印字ラベル用カートリッジ100−2側に係わる構成として、上記カバーフィルム103に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)10と、この印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記リボン巻取りローラ106を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、上記テープ送りローラ107Bを駆動するテープ送りローラ駆動軸12Bと、このテープ送りローラ駆動軸12B及び上記リボン巻取りローラ駆動軸11を駆動する例えばパルスモータである印字ラベルカートリッジ用モータ23Bと、この印字カートリッジ用モータ23Bの駆動を制御する印字ラベルカートリッジ駆動回路24Bと、印字済ラベルテープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断し印字ラベルSを生成するカッタ15B(第2切断手段)と、印字済ラベルテープ110に対しハーフカット(詳細は後述)を行うハーフカッタ15Cと、これらカッタ15B及びハーフカッタ15Cをそれぞれ駆動して切断動作を行わせるカッタ用ソレノイド26B及びハーフカッタ用ソレノイド26Cと、それらソレノイド26B,26Cを個別に制御するソレノイド駆動回路27Bとを有している。
上記構成において、上記カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107Bが矢印で示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、上記テープ送りローラ駆動軸12Bとサブロール109及びプラテンロール108とはギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12Bの駆動に伴いテープ送りローラ107B、サブロール109、及びプラテンロール108が回転する。この結果、第1ロール102Bから4層構造(後述)のラベル基材テープ101Bが繰り出されテープ送りローラ107Bへ供給されるとともに、第2ロール104よりカバーフィルム103が繰り出される。
この繰り出されたカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記ラベル基材テープ101Bと接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105とともに印字ヘッド10とプラテンロール108との間に狭持され、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。このとき上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電され、カバーフィルム103の裏面の所定の領域(被印字面)に所定の文字、記号、バーコード、ストライプ等の印字RB(後述の図7等参照)が印刷される(詳細は後述)。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
印字後のカバーフィルム103は、上記ラベル基材テープ101Bとともにテープ送りローラ107B及びサブロール109との間に狭持され、この結果互いに接着されて一体化され、印字済ラベルテープ110として形成されてカートリッジ100−2外へと搬出される。
なお、上記制御回路30は、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24A,24B、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27A,27B等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御する。この制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線3に接続され、この通信回線3に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっており、さらに電源回路ECに接続されている。
図3は、上記タグテープ101Aの側断面構造を表す縦断面図であり、図2中のIII部の部分拡大図に相当する図である。
図3において、タグテープ101Aは、この例では3層構造となっており、内側に巻かれる側(図3中上側)よりその反対側(図3中下側)へ向かって、保護紙101e、タグラベルTを貼り付け対象に貼り付けるための粘着材を備えた粘着層101f、この粘着層101fの貼り付け側を覆う剥離紙101gの順序で積層され構成されている。
粘着層101fには、情報を記憶するIC回路部151とこのIC回路部151に接続され情報の送受信を行うアンテナ(アンテナ部)152が形成されており、これらIC回路部151及びアンテナ152によって無線タグ回路素子Toが構成されている。
剥離紙101gは、最終的にラベル状に完成したタグラベルTが印字ラベルSと貼り合わせられた後(印字ラベルSで覆われつつ)所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101fにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
保護紙101eの表側(図3中上側)表面には、各無線タグ回路素子Toに対応して、第1視覚識別情報としての印字RA(識別文字;後述の図7等参照)が予め形成されており、この印字RAが上記光学読み取り機90によって読み取られるようになっている。
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を増幅(この例では制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に位相が90°ずらされた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
図5は、上記タグテープ101Aに備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
この図5において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの無線通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図6は、上記印字済ラベルテープ110の側断面構造を表す縦断面図であり、図2中のVI部の部分拡大図に相当する図である。
図6において、印字済ラベルテープ110は、前述したようにカバーフィルム103の裏面にこの例では4層構造の上記ラベル基材テープ101Bが接着された構造となっている。ラベル基材テープ101Bの部分は、カバーフィルム103側(図6中上側)よりその反対側へ向かって、粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、印字ラベルSを貼り付け対象に貼り付けるための粘着材を備えた粘着層101c、この粘着層101cの貼り付け側を覆う剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの表側には、上記カバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側には、上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した印字ラベルSに対応するタグラベルTが貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより接着できるようにしたものである。
図7は、この印字済ラベルテープ110より生成された上記印字ラベルSを対応するタグラベルTとともに表す図であり、図7(a)がタグラベルTの上面図、図7(b)が印字ラベルSの上面図である。
図7(b)において、印字ラベルSのカバーフィルム103の裏面(被印字面)には、前述したように、所定の文字、記号、バーコード、ストライプ等の印字RBが印刷されている。この印字RBは、印字ラベルSの一方側端部(余白領域)に設けられる所定の印字領域に形成される関連印字(余白部印字)RBa(第2視覚識別情報)と、その領域とハーフカット線HC(ハーフカッタ15Cによって形成される)を介し区切られ印字ラベルSの大部分を占める残りのスペースに形成された通常印字(ラベル印字)RBbとから構成される。
ラベル印字RBbは、ユーザの便宜のために設けられる印字であり、例えばタグラベルT及び印字ラベルSを貼り合わせた後に貼り付ける対象物品に関する情報や、対応する無線タグ回路素子Toの内容にある程度対応する情報等を表すものである。
余白部印字RBaは、本実施形態の最も大きな特徴をなすもので、連続的に供給されるタグテープ101Aにおいて印字RAが上記光学読み取り機90で順次認識された後、それぞれの印字RAに対応づけられた印字(この例では印字RAの数字「3」と同じ数字「3」)が情報形成手段としての上記印字ヘッド10によって順次形成されたものである(但し、実際は前述したように裏面から印刷するので印字ヘッド10はその印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷する)。
なお、図7(a)及び図7(b)には、上述のようにタグラベルTの印字RAが数字で、印字ラベルSの余白部印字RBaにこれと同じ数字を印字ヘッド10で印刷した例を示したが、これに限られず、他の態様でもよい。例えば、図8(a)及び図8(b)に示すように、タグラベルTの印字RAがアルファベット(この例では「A」)で、印字ラベルSの余白部印字RBaにこれと同じアルファベット(この例では「A」)を印刷してもよい。また例えば、図9(a)及び図9(b)に示すように、タグラベルTの印字RAがストライプ(この例では1本の縦縞)で、印字ラベルSの余白部印字RBaにこのストライプの数の数字(この例では「1」)を印刷してもよい。同様に、図10(a)及び図10(b)は、ストライプが3本である場合の例である。
図11は、上述したようなタグラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(この例では読み取り)時に、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
図11において、この例では、無線タグ回路素子Toに対応してカバーフィルム103に印刷される(又は印刷された)上記ラベル印字RBb、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(この例では読み取り)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。アクセス時には、上記端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりタグラベル作成装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字RBが印刷されると共に、IC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読み出される。
図12は、制御回路30によって実行される制御のうち、上記タグラベルT及び印字ラベルSの作成手順を表すフローチャートである。
この図12において、前述したように端末5又は汎用コンピュータ6の入力(読み取り指示入力)によりタグラベル作成装置2が作動されるとこのフローが開始される。
まず、ステップS5において、通信不良等が疑われるときのリトライ(再試行)の回数をカウントする変数N、通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
そして、ステップS10において、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、印字ヘッド10によりカバーフィルム103へ印字すべき印字情報(ラベル印字RBb)が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
その後、ステップS15において、カートリッジ駆動回路24Aに制御信号を出力し、上記タグシールカートリッジ用モータ23Aの駆動力をテープ送りローラ107Aに伝達し、回転駆動させる。これにより、タグロール102Aから4層構造のタグテープ101Aの繰り出し・搬送が開始され、テープ送りローラ107Aへ供給される。
そして、ステップS20において、上記タグテープ101Aの搬送開始に伴い光学読み取り機90で読みとった認識信号(タグテープ101Aの印字RA)を入力する。
その後、ステップS100に移り、タグ情報読み取り処理を行い、読み込むための問いかけ信号を無線タグ回路素子Toに送信し、無線タグ情報を含む返答信号を受信して読み込む(詳細は後述の図13参照)。このステップS100が終了したらステップS25に移る。
ステップS25では、タグテープ101Aの搬送量の検出信号を入力し、タグテープ101Aがカッタ15Aでカットすべき位置(例えば、対象とする無線タグ回路素子Toがカッタ15Aを十分に越えるだけの搬送距離)まで搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離検出は、例えば、タグテープ101Aの適宜の位置に搬送距離検出用に別途設けたマーキング(図示せず)を何らかの公知のセンサ(図示せず)で検出することにより行えば足りる。
判定が満たされたらステップS30に移り、タグシールカートリッジ駆動回路24Aに制御信号を出力し、タグシールカートリッジ用モータ23Aの駆動を停止して、テープ送りローラ107Aの回転を停止する。これにより、タグロール102Aからのタグテープ101Aの繰り出し及び搬送が停止する。
そして、ステップS35において、フラグF=0であるかどうか(言いかえれば無線タグ情報読み込みが正常に終了したかどうか)を判定する。
読み取り処理が正常に完了していればF=0のままである(後述の図13に示すフローのステップS180参照)ので、この判定が満たされ、ステップS40に移る。なお、何らかの理由で読み取り処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図13に示すフローのステップS180参照)のでステップS35の判定が満たされず、ステップS90に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS80へ移る。
ステップS40では、印字ラベルカートリッジ駆動回路24Bに制御信号を出力し、印字ラベルカートリッジ用モータ23Bの駆動力をリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107Bに伝達し回転駆動させる。これにより、第1ロール102Bから4層構造のラベル基材テープ101Bが繰り出され、テープ送りローラ107Bへ供給され、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。
またこのとき、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103のうちまず余白部以外の領域(例えば対応する無線タグ回路素子Toの反対側に位置することとなる領域)に、ステップS10で読み込んだラベル印字(文字、記号、バーコード、ストライプ等)RBbを印刷させる。
その後ステップS45でラベル印字RBbの印刷が完了したかどうかを適宜の手法で確認(印刷駆動回路25や印字ヘッド10よりフィードバック信号を入力してもよいし、公知のセンサで検出してもよい)した後、ステップS50に移り、さらに印刷駆動回路25に制御信号を出力し印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103の余白部領域に、ステップS20で読み込んだ認識信号(印字RA)に対応した余白印字(文字、記号、バーコード、ストライプ等)RBaを印刷させる。
以上の結果、前述したように、上記4層構造のラベル基材テープ101Bと上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りロール107及びサブロール109により接着されて一体化され、印字済ラベルテープ110として形成され、カートリッジ100−2外方向へと搬送される。
その後、ステップS55で上記ステップS45と同様、ラベル印字RBbの印刷が完了したかどうかを適宜の手法で確認した後、ステップS60に移り、印字済ラベルテープ110(又はラベル基材テープ101B、もしくはカバーフィルム103)の搬送量の検出信号を入力し、印字済ラベルテープ110がカッタ15Bでカットすべき位置(例えば、ラベル印字RBbのみならず余白部印字RBaまでがカッタ15Bを十分に越えるだけの搬送距離)まで搬送されたかどうかを判断する。このときも、前述と同様、例えば、カバーフィルム103(又はラベル基材テープ101B)に設けたマーキングを検出すればよい。
判定が満たされたらステップS65に移り、印字ラベルカートリッジ駆動回路24Bに制御信号を出力し、印字ラベルカートリッジ用モータ23Bの駆動を停止して、テープ送りローラ107B及びリボン巻取りローラ106の回転を停止する。これにより、第1ロール102Bからのラベル基材テープ101Bの繰り出し・搬送、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し・搬送、及びリボン供給側ロール111からのインクリボン105の繰り出しが停止する。
その後、ステップS70において、ソレノイド駆動回路27Bに制御信号を出力し、例えばまずハーフカッタ用ソレノイド26Cを駆動しハーフカッタ15Cによって印字済ラベルテープ110の剥離紙101d以外を切断(ハーフカット)しハーフカット線HCを形成する。またカッタ用ソレノイド26Bを駆動しカッタ15Bによって印字済ラベルテープ110の切断を行う。このカッタ15Bの切断によって、ラベル印字RBb及び余白部印字RBaが行われたラベル状の印字ラベルSが生成される。
その後、ステップS75に移り、例えば適宜の駆動回路を介し、ハーフカッタ15Cより装置本体8の排出口8B(図1参照)側に位置する送出ローラ(図示せず)を回転させる。これにより、上記ステップS70で生成された印字ラベルSが排出口8Bから装置2外へと排出される。
上記ステップS75が終了したら、ステップS80において、ソレノイド駆動回路27Aに制御信号を出力し、カッタ用ソレノイド26Aを駆動しカッタ15Aによってタグテープ101Aの切断を行う。ステップS25で前述したように、この時点で、処理対象の無線タグ回路素子Toはカッタ15Aの位置を十分に越える位置まで搬送されており、このカッタ15Aの切断によってラベル状のタグラベルTが生成される。
その後、ステップS85に移り、例えば適宜の駆動回路を介し、カッタ15Aより装置本体8の排出口8A(図1参照)側に位置する送出ローラ(図示せず)を回転させる。これにより、上記ステップS80で生成されたタグラベルTがは搬送ガイド13に沿って導かれた後排出口8Aから装置2外へと排出され、このフローを終了する。
図13は、上述したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS120において、通信範囲にある全ての無線タグに応答を求める「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路52に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス可能範囲(この例では読み取り可能範囲)にある無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
次に、ステップS130において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス可能範囲の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS140において、上記ステップS130で受信したリプライ信号に誤りがないか否か(1つだけであるかどうか)を図示及び説明を省略する周知の誤り検出信号により判定する。
判定が満たされない場合はステップS150に移って前述の変数Nに1を加え、さらにステップS160においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS120に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS180に移り、前述のフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このようにして読み取りが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS140の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
以上のルーチンにより、アクセス対象である無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスし、これを読み出すことができる。
図14は、以上のようにして生成されたタグラベルT及び印字ラベルSの利用法を説明するための説明図である。
図14に示すように、印字ラベルSは、ラベル印字RBbが印字されたラベル印字領域(印字ラベル本体領域)Sbを印字長さに応じて任意の長さ(自由長)にでき、ハーフカット線HSを挟んだ余白印字領域Saに印字された余白印字RBaが、使用時にタグラベルT側との照合の目印となる。タグラベルTは、前述のように裏側に無線タグ回路素子Toを内包しており、無線タグ回路素子Toの配置間隔に対応した固定長に作成される。照合の目印となる印字RAは、表側に印字されている。
上記のようにして印字ラベルS及びタグラベルTの貼り合わせ相手を互いに照合した後、印字ラベルSの裏面にタグラベルTを貼り合わせ印字長さに応じた任意の長さ(自由長)のタグラベルSTを完成させ、これを例えば文書その他の物品等の貼り付け対象物に貼り付けて用いることができる。もちろん、最初にタグラベルTを貼り付け対象物に貼り付け、その上から印字ラベルSを重ねて貼り合わせても良い。
以上において、信号処理回路22は、各請求項記載の、IC回路部151へアクセスするためのアクセス情報(「Scroll All ID」信号や、後述する「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等)を生成するアクセス情報生成手段を構成する。また、高周波回路21の送信部32とアンテナ14とが、アクセス情報生成手段で生成したアクセス情報を、無線タグ回路素子のIC回路部に無線通信を介して非接触で伝達し、無線タグ情報にアクセスを行う情報アクセス手段を構成する。
以上のように構成した本実施形態の作用効果を以下に説明する。
本実施形態のラベル作成装置2においては、タグシール用カートリッジ100−1においてタグロール102Aからタグテープ101Aが連続的に供給されると、各無線タグ回路素子Toに対応してタグテープ101Aの表面に形成された印字RAが光学読み取り機90で認識され対応する信号が制御回路30に入力される。制御回路30は、その認識印字RAに対応づけた余白印字RBaを、印字ラベル用カートリッジ100−2の第2ロール104から連続的に供給されるカバーフィルム103に順次形成する。これにより、印字RAが認識された後にカッタ15Aでカットされ装置2外へ排出されたタグラベルTと、印字ヘッド10によって余白印字RBaが形成され装置2外へ排出された、上記タグラベルTと貼り合わされるべき印字ラベルSとの対応関係が視覚的に一目瞭然となる。したがって、それらタグラベルT及び各タグラベルTに対応する印字ラベルSを別々に排出しながら連続的に生成を行っても、操作者は貼り合わせるものどうしの正しい組み合わせを容易に認識することができる。このとき特に、余白印字RBbの形成にあたっては、カバーフィルム103の余白領域を活用することで、第2ロール104から連続的に供給されるカバーフィルム103に対し印字RAに対応づけられた印字RBbの形成を容易に行うことができる。
また、印字ヘッド10は、図12のステップS100〜ステップS50に示したように、タグテープ101Aの無線タグ回路素子Toの無線タグ情報へのアクセスが完了した後に余白印字RBaをカバーフィルム103へ形成するようにすることで、アクセス不良時には(ステップS35→ステップS90→ステップS85の流れで示したように)余白印字RBaの形成が行われなくなり、無駄な印字ラベルSの生成を防止することができる。また、余白印字RBaが形成されなかったときには、アクセス不良があったことを知ることができる効果もある。
なお、上記第1の実施形態においては、タグテープ101Aに予め形成した第1視覚識別情報としての印字RAを光学読み取り機90で読み取り、これと同じ文字又は数字を印字ヘッド10でカバーフィルム103に印字するようにしたが、これに限られない。すなわち、タグテープ101Aに予めパンチ孔(切り込み)をあけておき、このパンチ孔を上記光学読み取り機90で認識してそれに対応する数字をカバーフィルム103に印字するようにしてもよい。
図15及び図16はそれぞれそのような変形例を示しており、図15(b)では、図15(a)に示すタグテープ101Aの(読み取り用)パンチ孔HR(第1視覚識別情報)を光学読み取り機90で読みとったときのその認識した個数(この例では1個)に応じて、カバーフィルム103の余白領域に余白印字RBa(この例では「1」)を行っている。同様に、図16(b)では、図16(a)に示すタグテープ101Aの(読み取り用)パンチ孔HRの個数(この例では3個)に応じて、カバーフィルム103の余白領域に余白印字RBa(この例では「3」)を行った例である。
また、上記第1の実施形態においては、図12に示したように、制御回路30がラベルプリンタ機能(印字ラベル用カートリッジ100−2に関し印字を行う機能)とタグリーダ/ライタ機能(タグシール用カートリッジ100−1に関し無線タグ情報にアクセスする機能)とを1つのフローの中で連携させて機能させたが、これに限られず、例えば適宜の手段(上記端末5又は汎用コンピュータ6)からの操作入力によりそれぞれを全く別個独立に機能させるように制御することもできる。この場合、例えば、タグリーダ/ライタ機能でタグラベルTのみを作成し、既存のラベルプリンタで作成したラベルと貼り合わせることも可能となって、ユーザの使い勝手をさらに向上できる。
さらに、上記第1の実施形態においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに本発明を適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に無線タグ情報の書き込みを行う無線タグの生成システムに本発明を適用してもよい。
図17は、この変形例において制御回路30によって実行される制御のうち、上記タグラベルT及び印字ラベルSの作成手順を表すフローチャートであり、上記第1の実施形態の図12に相当する図である。
図17では、図12と同等の手順には同一の符号を付している。図17において、ステップS5に準ずるステップS5Aで、前述の変数N、フラグFに加え、さらに変数M(詳細は後述)を初期化する。その後のステップS10は図12と同様であり、この手順が終了した後は新たに設けたステップS13に移る。
ステップS13では、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに書き込むべき無線タグ情報が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
その後、図12と同様のステップS15,S20を経て、ステップS200で、無線タグ回路素子Toへの情報書き込みを行う(詳細は後述の図18参照)。このステップS200が終了したら前述と同様、ステップS25に移る。
ステップS25では図12と同様にタグテープ101Aがカット位置まで搬送されたかがどうかが判定され、ステップS30ではタグロール102Aからのタグテープ101Aの繰り出し及び搬送が停止され、ステップS35において無線タグ情報書き込みが正常に終了したかどうか(後述のフラグF=0であるかどうか)を判定する。
書き込み処理が正常に完了していればF=0のままである(後述の図18に示すフローのステップS285参照)ので、この判定が満たされ、ステップS40に移り、以降ステップS85まで同様の手順を行い、印字ラベルSと、無線タグ回路素子Toに所定の無線タグ情報の書き込みが行われたタグラベルTとが生成され排出される。
なお、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図18に示すフローのステップS285参照)のでステップS35の判定が満たされず、前述のステップS90に準ずるステップS90Aに移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS80へ移る。
以上のように、本変形例においては、無線タグ情報の書き込みを行うタグラベルTに関し、上記第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
図18は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS220において、メモリ部157のデータを消去する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス対象(この例では書き込み対象)の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
次に、ステップS230において、先に行った処理(ここではステップS220のEraseコマンド)が成功したか否かを確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS240において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS250において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS260に移ってMに1を加え、さらにステップS270においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS285に移り、フラグF=1にしてこのルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS250の判定が満たされた場合、ステップS290に移り、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で本来書き込みたい所定の情報であるアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に上記所定の情報が書き込まれる。
その後、ステップS300において、「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS310において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS320において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS330に移ってNに1を加え、さらにステップS340においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS290に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS285に移り、同様にF=1として、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS320の判定が満たされた場合、ステップS350に移り、「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止し、このルーチンを終了する。
以上のルーチンにより、書き込み対象の無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し、所望の情報(無線タグ情報)を書き込むことができる。
本発明の第2の実施形態を図19〜図29により説明する。上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
この実施形態は、上記第1の実施形態と同様に読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。但し、上記第1実施形態のように、タグテープ側に予め形成された情報(印字RA)に基づきラベル基材テープに情報(余白印字RBa)を形成するのではなく、無線タグ回路素子ごとに設定され互いに関連づけられる情報をタグテープ側とラベル基材テープ側とにそれぞれ形成することである。本実施形態によるタグラベル作成装置2′は、第1の実施形態と同様、図1に示す無線タグ生成システム1においてルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
図19は、本実施形態によるタグラベル作成装置2′の詳細構造を表す概念的構成図である。
図19において、タグラベル作成装置2の装置本体(図示せず)には、凹所としての1つカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部に、無線タグ(タグシール、タグラベル)Tを生成しかつ印字ラベル(ラベルシール)Sを生成するための共通カートリッジ100−3が着脱可能に取り付けられている。
共通カートリッジ100−3は、上記タグテープ101A(タグ基材)が巻回された上記タグロール102A(タグ収納体)と、上記タグテープ101Aを矢印で示す方向にテープ送りするテープ送りローラ107Aと、帯状のラベル基材テープ101B(ラベルテープ)が巻回された上記第1ロール102Bと、上記印字用カバーフィルム103(被印字材)が巻回された上記第2ロール104(被印字材収納体)と、上記インクリボン105を繰り出す上記リボン供給側ロール111と、上記リボン105を巻取る上記リボン巻取りローラ106と、上記ラベル基材テープ101Bと上記カバーフィルム103とを接着させ印字済ラベルテープ110としつつカートリッジ100−3から繰り出す上記テープ送りローラ107Bとを有している。
装置本体8はまた、上記テープ送りローラ107Aを駆動する上記テープ送りローラ駆動軸12Aと、これを駆動する上記カートリッジ用モータ(カートリッジ用第1モータ)23Aと、これを制御する上記カートリッジ駆動回路(カートリッジ第1駆動回路)24Aと、上記タグテープ101Aを所定の長さに切断する上記カッタ15A(第3切断手段)と、上記カッタ15Aを駆動する上記ソレノイド26Aと、これを制御する上記ソレノイド駆動回路27Aと、上記各タグラベルTを案内するための搬送ガイド13と、上記タグテープ101Aの無線タグ回路素子To(詳細は後述)と信号の授受を行う上記アンテナ14と、上記高周波回路21と、上記信号処理回路22と、上記インクリボン105を用いてタグテープ101Aに所定の印字(後述)を行う第1印字ヘッド(第1関連情報形成手段)10A及び上記カバーフィルム103に所定の印字(後述)を行う第2印字ヘッド(第2関連情報形成手段)10Bと、これら印字ヘッド10A,10Bへの通電をそれぞれ制御する第1印刷駆動回路25A及び第2印刷駆動回路25Bと、上記リボン巻取りローラ106を駆動する上記リボン巻取りローラ駆動軸11と、上記テープ送りローラ107Bを駆動する上記テープ送りローラ駆動軸12Bと、上記テープ送りローラ駆動軸12B及び上記リボン巻取りローラ駆動軸11を駆動するカートリッジ用モータ(カートリッジ用第2モータ)23Bと、この駆動を制御するカートリッジ駆動回路(カートリッジ第2駆動回路)24Bと、印字済ラベルテープ110を切断する上記カッタ15B(第4切断手段)と、印字済ラベルテープ110をハーフカットする上記ハーフカッタ15Cと、これらを駆動する上記カッタ用ソレノイド26B及び上記ハーフカッタ用ソレノイド26Cと、それらを個別に制御するソレノイド駆動回路27Bとを有している。
制御回路30′は、上記第1実施形態の制御回路30同様のいわゆるマイクロコンピュータであり、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24A,24B、印刷駆動回路25A,25B、ソレノイド駆動回路27A,27B等を介し、タグラベル作成装置2′全体の動作を制御する。
以上の構成において、前述の第1の実施形態と同様、上記カートリッジ用第1モータ23Aの駆動力によってテープ送りローラ107Aが矢印で示す方向に回転駆動され、さらにこれに伴いプラテンロール108Aが回転する。この結果、タグロール102Aから先の第1の実施形態と同様の(図3参照)3層構造のタグテープ101Aが繰り出されテープ送りローラ107Aへ供給される。
タグロール102Aから繰り出されたタグテープ101Aは、上記リボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105とともに印字ヘッド10Aとプラテンロール108Aとの間に狭持され、上記印字ヘッド10Aに押圧されることで、タグテープ101Aの表面の所定領域(後述の図20(b)参照)に、各無線タグ回路素子Toごとに予め定められた(上記端末5又は汎用コンピュータ6によって入力しても良い)所定の文字、記号、バーコード、ストライプ等の印字RA′(第1視覚識別関連情報;後述の図20(b)参照)が印刷される。印字終了後のインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動により巻取られる。印字後のタグテープ101Aは、カートリッジ100−3外へと搬出される。
一方、上記カートリッジ用第2モータ23Bの駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107Bが矢印で示す方向にそれぞれ同期して回転駆動され、さらにこれに伴いサブロール109及びプラテンロール108Bが回転する。この結果、第1ロール102Bから先の第1の実施形態と同様の(図6参照)4層構造のラベル基材テープ101Bが繰り出されテープ送りローラ107Bへ供給されるとともに、第2ロール104よりカバーフィルム103が繰り出される。
第2ロール104から繰り出されたカバーフィルム103は、上記リボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105とともに印字ヘッド10Bとプラテンロール108Bとの間に狭持され、上記印字ヘッド10Bに押圧されることで、カバーフィルム103の裏面の余白領域(被印字面;後述の図20(a)参照)に、上記タグテープ101への関連印字RA′に関連づけられた所定の文字、記号、バーコード、ストライプ等の関連印字RBa′(第2視覚識別関連情報;後述の図20(a)参照)が印刷される。印字終了後のインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動により上記印字ヘッド10A側へとへと搬送され印字ヘッド10Aにて再度使用される。印字後のカバーフィルム103は、上記ラベル基材テープ101Bとともにテープ送りローラ107B及びサブロール109との間で接着されて一体化され、印字済ラベルテープ110として形成されてカートリッジ100−3外へと搬出される。
図20は、このようにして生成された印字ラベルS′を対応するタグラベルT′とともに表す図であり、図20(a)が印字ラベルS′の上面図、図20(b)がタグラベルT′の上面図であって、上記第1の実施形態の図7(b)及び図7(a)にそれぞれ相当する図である。
図20(a)において、印字ラベルS′のカバーフィルム103の裏面(被印字面)の一方側端部(余白領域)に設けた所定の印字領域に上記関連印字(余白部印字)RBa′が、またそれ以外の領域に上記通常印字(ラベル印字)RBbが上記印字ヘッド10Bにより印字されている。また、図20(b)において、タグラベルTの上面に上記印字ヘッド10Aにより上記関連印字RA′が印字されている。これら関連印字RA′と関連印字RBa′とは、前述したように、各無線タグ回路素子Toごとに予め定められた互いに関連する印字情報であり、この例では、関連印字RBa′の数字「1」と同じ本数(1本)のストライプが第1関連情報形成手段としての上記印字ヘッド10Aによって順次形成されたものである(但し、実際は前述したように裏面から印刷するので印字ヘッド10Aはその印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷する)。
このとき、この実施形態では、印字ヘッド10Aは、印字ヘッド10Bでのインクリボン印字箇所との関連性を持たずに独立して印字を行う(例えば印字ヘッド10Bの印字と略同じタイミングで印字を行う、あるいは印字ヘッド10Bの印字に先んじて印字を行う;後述の図22参照)。但し、前述のように印字ヘッド10Bで一度利用したインクリボン105をそのまま印字ヘッド10Aに順次導いて利用(再利用)する構成であるので、図20(b)及び図20(c)に示すように上記関連印字RA′として形成したストライプは白抜き文字を含む場合がある。
すなわち、印字ヘッド10Aによるストライプ印字位置は、その時点で印字ヘッド10Bが通常印字RBbを印字している無線タグ回路素子Toよりもタグテープ101Aにおいて先行する別の無線タグ回路素子Toの通常印字に対応することとなる。
図20(b)は、印字ヘッド10Bで印字中の通常印字RBbに係る無線タグ回路素子Toの前後複数の無線タグ回路素子Toにわたって通常印字RBbがすべて同一(この例では「RFID−1234」)であった場合の例である。図示の例では、印字ヘッド10Bの通常印字RBbの印字と共に印字ヘッド10Aで関連印字(ストライプ印字)RA′を行ったとき、先行する無線タグ回路素子Toに係る「RFID−1234」の端部文字「4」の白抜き文字がストライプ中に形成された場合を示している。
図20(c)は、無線タグ回路素子Toごとにそれらに係る通常印字RBbが異なる場合の例である。図示の例では、印字ヘッド10Bの通常印字RBb(この例では「RFID−1234」)の印字と共に印字ヘッド10Aで関連印字(ストライプ印字)RA′を行った際、先行する無線タグ回路素子Toに係る別の通常印字「RFID−5678」の端部文字「8」の白抜き文字がストライプ中に形成された場合を示している。
同様に、図21(a)、図21(b)、及び図21(c)は、ストライプが3本である場合の例である。
図22は、制御回路30′によって実行される制御のうち、上記タグラベルT′及び印字ラベルS′の作成手順を表すフローチャートである。
この図22において、第1の実施形態で前述したのと同様、端末5又は汎用コンピュータ6の入力(読み取り指示入力)によりタグラベル作成装置2′が作動されるとこのフローが開始される。
まず、上記第1の実施形態と同様、ステップS5で変数N、フラグFを0に初期化した後、ステップS10に準ずるステップS10′に移る。
ステップS10′では、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、各無線タグ回路素子Toの識別番号(関連印字RA′及び関連印字RBa′となる番号あるいはそれに対応づけられる番号)と、各識別番号に対応した印字ヘッド10Bでカバーフィルム103へ印字すべき印字情報(ラベル印字RBb)とが、通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
その後、上記ステップS15に準ずるステップS15′に移り、カートリッジ第1駆動回路24Aに制御信号を出力し、カートリッジ用第1モータ23Aの駆動力をテープ送りローラ107Aに伝達し、回転駆動させる。またこのとき、第1印刷駆動回路25Aに制御信号を出力し、印字ヘッド10Aを通電して、タグテープ101Aの表面の所定領域(例えば無線タグ回路素子Toの反対側)に、ステップS10′で読み込んだ識別番号に基づく関連印字RA′を印刷させる。
これにより、タグロール102Aから4層構造のタグテープ101Aの繰り出しが開始され、関連印字RA′が順次印字された後、テープ送りローラ107Aへ供給される。
その後新たに設けたステップS17で関連印字RA′の印刷が完了したかどうかを適宜の手法で確認した後、ステップS100に移り、タグ情報読み取り処理を行う。
このステップS100の詳細手順は前述の図13と同様なので説明を省略する。上記ステップS100が終了したらステップS25に移る。
ステップS25〜ステップS45は、上記図12と同様である。すなわち、タグテープ101Aがカッタ15Aでカットすべき位置まで搬送されたかどうかを判断した後、テープ送りローラ107Aの回転を停止する。無線タグ情報読み込みが正常に終了していたら、リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107Bに伝達し回転駆動させ、第1ロール102Bから4層構造のラベル基材テープ101Bをテープ送りローラ107Bへ供給し、第2ロール104からカバーフィルム103を繰り出す。さらにカバーフィルム103のうちまず余白部以外の領域に、ステップS10′で読み込んだラベル印字RBbを印刷させ、その印刷が完了したかどうかを確認する。
その後、上記第1の実施形態のステップS50に準ずるステップS50′に移り、第2印刷駆動回路25Bに制御信号を出力し印字ヘッド10Bを通電して、カバーフィルム103の余白部領域に、ステップS10′で読み込んだ識別番号に基づく関連印字RBb′を印刷させる。
以降、ステップS85まで、及びステップS90は上記第1の実施形態の図12と同様であるので説明を省略する。
図23は、以上のようにして生成されたタグラベルT′及び印字ラベルS′の利用法を説明するための説明図である。
図23に示すように、印字ラベルS′は、通常印字RBbが印字されたラベル印字領域(印字ラベル本体領域)Sbを印字長さに応じて任意の長さ(自由長)にでき、ハーフカット線HSを挟んだ余白印字領域Sa′に印字された関連印字RBa′が、使用時にタグラベルT′側との照合の目印となる。タグラベルTは、前述のように裏側に無線タグ回路素子Toを内包しており、無線タグ回路素子Toの配置間隔に対応した固定長に作成される。照合の目印となる関連印字RA′は、表側に印字されている。
上記のようにして印字ラベルS′及びタグラベルT′の貼り合わせ相手を互いに照合した後、印字ラベルS′の裏面にタグラベルT′を貼り合わせ印字長さに応じた任意の長さ(自由長)の可変長のタグラベルST′を完成させ、これを例えば文書その他の物品等の貼り付け対象物に貼り付けて用いることができる。
以上説明した本実施形態のラベル作成装置2′においても、上記第1の実施形態とほぼ同様の効果を得る。
すなわち、タグロール102Aからタグテープ101Aが連続的に供給されるとともに第2ロール104からカバーフィルム103が連続的に供給されると、互いに関連づけられた関連印字RA′及び関連印字RBb′が、印字ヘッド10A及び印字ヘッド10Bによってそれらタグテープ101A及びカバーフィルム103にそれぞれ順次形成される。これにより、関連印字RA′及び関連印字RBb′が形成された後に装置2′外へそれぞれ排出されたタグラベルT′及び印字ラベルS′について、貼り合わせる相手方との対応関係が視覚的に一目瞭然となる。したがって、タグラベルT′及び各タグラベルT′に対応する印字ラベルS′を別々に排出しながら連続的に生成を行っても、操作者は貼り合わせるものどうしの正しい組み合わせを容易に認識することができる。このとき特に、カバーフィルム103の余白領域を活用することで、第2ロール104から連続的に供給されるカバーフィルム103に対し関連印字RA′に関連づけられた関連印字RBa′の形成を容易に行うことができる。
また、印字ヘッド10Bは、図22のステップS100〜ステップS50′に示したように、タグテープ101Aの無線タグ回路素子Toの無線タグ情報へのアクセスが完了した後に関連印字RBa′をカバーフィルム103へ形成するようにすることで、アクセス不良時には(ステップS35→ステップS90→ステップS85の流れで示したように)関連印字RBa′の形成が行われなくなり、無駄な印字ラベルS′の生成を防止することができる。また、関連印字RBa′が形成されなかったときには、アクセス不良があったことを知ることができる効果もある。
なお、上記第2の実施形態においては、カバーフィルム103側の関連印字RBa′と関連づけられた第1視覚識別関連情報として、タグテープ101Aに関連印字RA′を印刷したが、これに限られない。すなわち、この印字RA′に代えて、タグテープ101Aにパンチ孔(切り込み)をあけタグラベルT″を生成するようにしてもよい。
図24はそのような変形例によるタグラベル作成装置2″の詳細構造を表す概念的構成図である。第2の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図24において、タグラベル作成装置2″が図19に示した上記第2の実施形態のタグラベル装置2′と異なる点は、図14に示した第1の実施形態によるタグラベル装置2のように、タグラベルT″の生成に関わる機能はタグシール用カートリッジ100−1′に、印字ラベルS′の生成に関わる機能は印字ラベル用カートリッジ100−2′に集約配置されていることと、前述したように印字ヘッド10Aに代えてパンチ形成用のパンチ機90(第1関連情報形成手段)がタグシール用カートリッジ100−1′に設けられ、さらにパンチ機90を駆動制御するパンチ駆動回路29が設けられていることである。
図25は、上記タグラベル作成装置2″に備えられる制御回路30″によって実行される制御のうち、上記タグラベルT″及び印字ラベルS′の作成手順を表すフローチャートである。
この図25において、前述の図22と異なる点は、ステップS15′及びステップS17に代えてステップS15″及びステップS17″が設けられている点である。すなわち、ステップS15″では、カートリッジ第1駆動回路24Aに制御信号を出力し、カートリッジ用第1モータ23Aの駆動力をテープ送りローラ107Aに伝達し、回転駆動させる。またこのとき、パンチ駆動回路29に制御信号を出力し、パンチ機90を駆動して、タグテープ101Aの所定領域(例えば幅方向一方側縁部)に、ステップS10′で読み込んだ識別番号に基づく(例えば識別番号と同数の)パンチ孔PH(後述の図26等参照)を形成する。これにより、タグロール102Aから4層構造のタグテープ101Aの繰り出しが開始され、パンチ孔PHが順次印字された後、テープ送りローラ107Aへ供給される。
ステップS17″では、上記パンチ機90によるパンチ孔PHの形成が完了したかどうかを適宜の手法(パンチ駆動回路29やパンチ機90自体よりフィードバック信号を入力してもよいし、公知のセンサ等で検出してもよい)で確認する。
図26は、このようにして生成された印字ラベルS′と対応するタグラベルT″とを表す図であり、図26(a)が印字ラベルS′の上面図、図26(b)がタグラベルT″の上面図である。
図26(a)において、印字ラベルS′のカバーフィルム103の裏面の一方側端部に設けた所定の印字領域に上記関連印字RBa′が、またそれ以外の領域に上記通常印字RBbが上記印字ヘッド10Bにより印字されている。また、図26(b)において、タグラベルT″の幅方向一方側(図中上側)に上記パンチ機90により上記パンチ孔PHが印字されている。これらパンチ孔PHと関連印字RBa′とは、前述したように、各無線タグ回路素子Toごとに予め定められた互いに関連する印字情報であり、この例では、関連印字RBa′の数字「1」と同じ個数(1本)のパンチ孔PHが第1関連情報形成手段としての上記パンチ機90によって順次形成されたものである。
同様に、図27(a)、図27(b)は、パンチ孔PHが3個である場合の例である。
また、上記第2の実施形態では、印字ヘッド10Bで一度利用したインクリボン105をそのまま印字ヘッド10Aに順次導いて利用(再利用)する構成でありながらも、印字ヘッド10Aは、印字ヘッド10Bでのインクリボン印字箇所との関連性を持たずに独立して印字を行っていた。しかしながら、これに限られず、図19に示した上記第2の実施形態の装置構成において、インクリボン105の流れにおける上流側にあたる印字ヘッド10Bにおける印字と直接関連づけた印字を下流側にあたる印字ヘッド10Aで行うようにしてもよい。
すなわち、この場合、詳細な制御手順の説明を省略するが、リボン巻取りローラ106によるインクリボン105の駆動と印字ヘッド10A及び10Bの印字タイミングとを同期させ、第1関連情報形成手段としての印字ヘッド10Aが、インクリボン105を用いた印字ヘッド10Bによるカバーフィルム103への印字が終了した後、その使用済みの箇所のインクリボン105を用いて、対応する印字をタグテープ101Aに行う。
図28は、このようにして生成された印字ラベルS″′と対応するタグラベルT″″とを表す図であり、図28(a)が印字ラベルS″′の上面図、図28(b)がタグラベルT″′の上面図である。図28(a)において、この変形例では、印字ラベルS″′は上述のようにハーフカットHSはなく(したがって図19の構成においてハーフカッタ15C等も省略可能である)、その中央領域に第2視覚識別関連情報としての印字RC(この例では「RFID−1234」)が印字ヘッド10Bにより形成されている。また図28(b)において、タグラベルT″′には、その印字RCを印刷した後のインクリボン105を用いた印字RD(この例では「RFID−1234」の白抜き文字)が印字ヘッド10Aにより形成されている。このように、本変形例においては、第2視覚識別関連情報である印字RCの形成用に一度使用したインクリボン105をそのまま廃品とせず、第1視覚識別関連情報である印字RDの形成のために有効に活用し再利用することができる。
さらに、上記第2の実施形態においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに本発明を適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に無線タグ情報の書き込みを行う無線タグの生成システムに本発明を適用してもよい。
図29は、この変形例において制御回路30によって実行される制御のうち、上記タグラベルT′及び印字ラベルS′の作成手順を表すフローチャートであり、上記実施形態の図22に相当する図である。
図29では、図22と同等の手順には同一の符号を付している。図29において、ステップS5に準ずるステップS5Aで、前述の変数N、フラグFに加え、さらに変数M(詳細は後述)を初期化する。その後のステップS10′は図22と同様であり、この手順が終了した後は新たに設けたステップS13′に移る。
ステップS13′では、上記端末5又は汎用コンピュータ6を介して入力操作された、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに書き込むべき無線タグ情報が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し読み込まれる。
その後、図22と同様のステップS15′,ステップS17を経て、ステップS200に移り、無線タグ回路素子Toへの情報書き込みを行う。
このステップS200の詳細手順は前述の図18と同様なので説明を省略する。上記ステップS200が終了したらステップS25に移る。
上記ステップS200が終了したら前述と同様、図29のステップS25に移る。
図29において、ステップS25では図22と同様にタグテープ101Aがカット位置まで搬送されたかがどうかが判定され、ステップS30ではタグロール102Aからのタグテープ101Aの繰り出し及び搬送が停止され、ステップS35において前述のフラグF=0であるかどうか(この場合は無線タグ情報書き込みが正常に終了したかどうか)を判定する。
書き込み処理が正常に完了していればF=0のままであるので、この判定が満たされ、ステップS40に移り、以降ステップS85まで同様の手順を行い、印字ラベルS′と、無線タグ回路素子Toに所定の無線タグ情報の書き込みが行われたタグラベルT′とが生成され排出される。
何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はF=1となっているのでS35の判定が満たされず、前述のステップS90に準ずるステップS90Aに移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS80へ移る。
以上のように、本変形例においては、無線タグ情報の書き込みを行うタグラベルT′に関し、上記第2の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、タグ収納体としてリール部材102Aaの周りにタグテープ101Aを巻回したタグロール102を用いたが、これに限られず、他の態様でもよい。例えば、略平箱状のトレイ部材の中に、それぞれに1つの無線タグ回路素子Toが形成された平紙状の複数のラベル素材を平積み方向に積層して収納し、例えばトレイ部材の側面に設けた取り出し口より上記平紙状のラベル素材を1枚ずつ引き出すことで、複数の無線タグ回路素子Toを順次取り出し、無線タグ情報のアクセスが終了したものを順次タグラベルT等とすればよい。
また、タグラベルは印字ラベルより幅が同じか又は狭くされている。また印字ラベルの長さはタグラベルの長さよりも長くなるよう印字数が少ない場合は余白等が追加される。さらにタグラベルの幅を印字ラベルより大きくし、タグが用いられるときに視認できるようにしてもよい。
なお、以上で用いた「Scroll All ID信号」、「Erase信号」、「Verify信号」、「Program信号」とは、EPC glovalが策定したAuto−ID仕様に準拠しているものとする。EPC glovalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。