ところで、上記した従来の技術は、以下に説明するように、データベースのリソースや、生成される個別メールアドレスの必要性などの観点から問題がある。
すなわち、上記した従来の技術では、発信者ごとに生成された個別メールアドレスと発信者のメールアドレスとを対応付けて許可済発信元記録部に登録するので、取り扱う個別メールアドレスの数に比例してデータベースのリソースが大きくなるという問題がある。特に、発信が許可される発信者が多い場合には、多くのリソースが必要になるため実用的ではない。
また、上記した従来の技術では、発信者が個別メールアドレスの利用を希望するか否かとは無関係に、着信者の要求(応答)に応じて個別メールアドレスが生成されるので、利用されることがない個別メールアドレスが不必要に発行されるという問題がある。
このように、上記した従来の技術では、データベースのリソースや、生成される個別メールアドレスの必要性などの観点から問題があるが、これは電子メールを配送するサービスに限った問題ではなく、インスタントメッセージやSIPメッセージなど、発信者の利用者端末から発信されたメッセージを着信者の利用者端末に配送するサービスであれば、同様に生じ得る問題である。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、個別アドレスを記憶するためのデータベースを必要とすることなくメッセージのフィルタリングを行うとともに、不必要な個別アドレスの生成を抑制することが可能なメッセージ配送システム、メッセージ配送方法およびメッセージ配送プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、発信者の利用者端末から発信されたメッセージを着信者の利用者端末に配送するメッセージ配送システムであって、所定の公開アドレスを宛先とし、所定の着信者を特定したアドレス生成要求を前記発信者の利用者端末から受け付け、前記着信者に配送されるメッセージに必要な有効条件を所定の鍵によって含んだ個別アドレスを生成するアドレス生成手段と、前記アドレス生成手段によって生成された個別アドレスを宛先とするメッセージを前記発信者の利用者端末から受け付け、所定の鍵および前記個別アドレスに含まれる有効条件を用いて、前記メッセージの配送可否を判定する配送判定手段と、前記配送判定手段によって前記メッセージの配送が許可された場合に、前記個別アドレスを前記着信者の実アドレスに置換して前記メッセージを配送する配送制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成手段は、前記有効条件として、前記メッセージの配送が許可される期間、時間、発信者、組織若しくはこれらの組み合わせを含んだ個別アドレスを生成することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、無効化される個別アドレスを特定するための情報を記憶する無効化テーブルをさらに備え、前記配送判定手段は、前記無効化テーブルに基づいて、前記発信者から受け付けた個別アドレスが無効化されたものであるか否かをさらに判定し、前記配送制御手段は、前記個別アドレスが無効化されていないことを条件に、前記メッセージを配送することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成手段は、所定の識別情報を含んだ個別アドレスを生成し、前記無効化テーブルは、無効化される個別アドレスを特定するための情報として、当該個別アドレスに含まれる識別情報を記憶し、前記配送判定手段は、前記発信者から受け付けた個別アドレスに含まれる識別情報が前記無効化テーブルに記憶されているか否かを判定し、前記配送制御手段は、前記識別情報が前記無効化テーブルに記憶されていないことを条件に、前記メッセージを配送することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成手段は、前記個別アドレスの生成番号、生成日時もしくはこれらの両者を含んだ個別アドレスを生成し、前記無効化テーブルは、無効化される個別アドレスを特定するための情報として、当該個別アドレスに含まれる生成番号の範囲、生成日時の範囲もしくはこれらの両者の範囲を記憶し、前記配送判定手段は、前記発信者から受け付けた個別アドレスに含まれる生成番号、生成日時もしくはこれらの両者が、前記無効化テーブルに記憶されている生成番号の範囲、生成日時の範囲もしくはこれらの両者の範囲に属するか否かを判定し、前記配送制御手段は、前記生成番号、生成日時もしくはこれらの両者が前記無効化テーブルに記憶された範囲に属しないことを条件に、前記メッセージを配送することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成要求を前記発信者の利用者端末から受け付けた場合に、前記個別アドレスの生成に必要な生成条件を満たすか否かを判定する生成判定手段をさらに備え、前記アドレス生成手段は、前記生成判定手段によって前記個別アドレスの生成が許可された場合に、前記個別アドレスを生成することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記着信者の公開アドレスは、前記生成条件を含んで生成されたアドレスであって、前記生成判定手段は、前記公開アドレスから前記生成条件を抽出し、当該抽出した生成条件を満たすか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記生成判定手段は、前記生成条件として、前記発信者の利用者端末から受け付けた所定のキーワードが予め用意されたキーワードと一致するか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記生成判定手段は、前記生成条件として、所定の質問に対して前記発信者の利用者端末から受け付けた回答が正解であるか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記生成判定手段は、前記発信者の利用者端末から受け付けた所定のキーワードが無効化されたものであるか否かをさらに判定し、前記アドレス生成手段は、前記所定のキーワードが無効化されていないことを条件に、前記個別アドレスを生成することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成要求を前記発信者の利用者端末から受け付けた場合に、前記個別アドレスに含める有効条件を決定する有効条件決定手段をさらに備え、前記アドレス生成手段は、前記有効条件決定手段によって決定された有効条件を含んだ個別アドレスを生成することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記着信者の公開アドレス、所定のキーワードもしくはこれらの組合せに対応付けて、前記個別アドレスに含める有効条件を指定した指定情報を記憶する有効条件記憶手段をさらに備え、前記有効条件決定手段は、前記発信者の利用者端末から受け付けた前記着信者の公開アドレス、所定のキーワードもしくはこれらの組合せに対応した指定情報を前記有効条件記憶手段から取得し、当該指定情報に基づいて前記個別アドレスに含める有効条件を決定することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記着信者の公開アドレスは、メールアドレス形式で生成されたアドレスであって、前記アドレス生成手段は、前記公開アドレスを着信先とするメールを前記発信者の利用者端末から受信することで前記アドレス生成要求を受け付けることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成手段は、前記アドレス生成要求に係るメールの発信元アドレスを用いて、前記メッセージの配送が許可される利用者を当該発信元アドレスに限定するための有効条件を含んだ個別アドレスを生成することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記着信者の公開アドレスは、URI(Uniform Resource Identifier)形式で生成されたアドレスであって、前記アドレス生成手段は、前記公開アドレスをアクセス先とするアクセス要求を前記発信者の利用者端末から受信することで前記アドレス生成要求を受け付けることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成手段は、前記着信者の実アドレスをさらに含んだ個別アドレスを生成し、前記配送制御手段は、前記個別アドレスから前記着信者の実アドレスを抽出し、当該抽出した実アドレスに前記メッセージを配送することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記着信者の実アドレスと当該実アドレスを一意に識別するためのアドレス識別子とを対応付けて記憶する実アドレス記憶手段をさらに備え、前記アドレス生成手段は、前記着信者の実アドレスに対応するアドレス識別子をさらに含んだ個別アドレスを生成し、前記配送制御手段は、前記個別アドレスから前記アドレス識別子を抽出した後に当該アドレス識別子に対応する着信者の実アドレスを前記実アドレス記憶手段から取得し、当該取得した実アドレスに前記メッセージを配送することを特徴とする。
また、本発明は、発信者の利用者端末から発信されたメッセージを着信者の利用者端末に配送するメッセージ配送方法であって、所定の公開アドレスを宛先とし、所定の着信者を特定したアドレス生成要求を前記発信者の利用者端末から受け付け、前記着信者に配送されるメッセージに必要な有効条件を所定の鍵によって含んだ個別アドレスを生成するアドレス生成工程と、前記アドレス生成工程によって生成された個別アドレスを宛先とするメッセージを前記発信者の利用者端末から受け付け、所定の鍵および前記個別アドレスに含まれる有効条件を用いて、前記メッセージの配送可否を判定する配送判定工程と、前記配送判定工程によって前記メッセージの配送が許可された場合に、前記着信者の実アドレスに前記メッセージを配送する配送制御工程と、を含んだことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成工程は、前記有効条件として、前記メッセージの配送が許可される期間、時間、発信者、組織若しくはこれらの組み合わせを含んだ個別アドレスを生成することを特徴とする。
また、本発明は、発信者の利用者端末から発信されたメッセージを着信者の利用者端末に配送する方法をコンピュータに実行させるメッセージ配送プログラムであって、所定の公開アドレスを宛先とし、所定の着信者を特定したアドレス生成要求を前記発信者の利用者端末から受け付け、前記着信者に配送されるメッセージに必要な有効条件を所定の鍵によって含んだ個別アドレスを生成するアドレス生成手順と、前記アドレス生成手順によって生成された個別アドレスを宛先とするメッセージを前記発信者の利用者端末から受け付け、所定の鍵および前記個別アドレスに含まれる有効条件を用いて、前記メッセージの配送可否を判定する配送判定手順と、前記配送判定手順によって前記メッセージの配送が許可された場合に、前記着信者の実アドレスに前記メッセージを配送する配送制御手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記アドレス生成手順は、前記有効条件として、前記メッセージの配送が許可される期間、時間、発信者、組織若しくはこれらの組み合わせを含んだ個別アドレスを生成することを特徴とする。
本発明によれば、個別アドレスが生成される度に個別アドレスや有効条件をデータベースに蓄積するのではなく、有効条件を個別アドレスに含めるので、このようなデータベースを必要とすることなくメッセージのフィルタリングを行うことが可能になる。また、着信者の要求(応答)に応じて個別アドレスを生成するのではなく、発信者の要求に応じて個別アドレスを生成するので、個別アドレスを生成するか否かの判断が個別アドレスの使用者である発信者に委ねられ、不必要な個別アドレスの生成を抑制することが可能になる。さらに、鍵を用いて個別アドレスを生成するので、悪意の第三者による個別アドレスの不正な生成や改ざんを困難にし、安全性の高いメッセージ配送を行うことが可能になる。
また、本発明によれば、メッセージの配送が許可される期間、時間、発信者、組織若しくはこれらの組み合わせを有効条件として個別アドレスに含めるので、有効条件の管理負担を生じさせることなく、実用的なメッセージ配送を行うことが可能になる。より具体的には、例えば、発信者アドレスを発信者限定として含んだ個別アドレスを生成することで、個別アドレスを不正に入手した第三者がメッセージを発信しても、異なる発信者アドレスである故に有効条件を満たすことができないので、このような迷惑メッセージが着信者に配送される事態を回避することが可能になる。特に、発信者アドレスを発信者限定として含んだ個別アドレスを生成するだけでなく、かかる発信者アドレス宛に生成した個別アドレスを通知することにすれば、自己の真のアドレスを開示した発信者のみが個別アドレスの生成を受けることができるようになり、迷惑メッセージの発信を抑止することも可能になる。また、例えば、所定の期日を期間限定として含んだ個別アドレスを生成することで、短期間で完結する特定の用事に関してのみメッセージを受け取りたい着信者において、所定の期日以降に発信された迷惑メッセージが着信者に配送される事態を回避することが可能になる。
また、本発明によれば、無効化された個別アドレス宛に発信されたメッセージについては配送を許可しないので、所定の個別アドレスが悪用されている等の理由から当該個別アドレスに係るメッセージの配送を停止したい場合には、かかる個別アドレスを無効化することで当該個別アドレスに係るメッセージを後発的に拒絶することが可能になる。
また、本発明によれば、個別アドレスの生成に際して所定の識別情報を個別アドレスに含める一方で、無効化対象の識別情報を無効化テーブルに記憶するので、かかる識別情報によって特定される個別アドレスを無効化することが可能になる。
また、本発明によれば、個別アドレスが生成された順序(生成番号)や日時(生成日時)を個別アドレスに含める一方で、無効化対象の生成番号や生成日時の範囲を無効化テーブルに記憶するので、生成番号や生成日時が無効化テーブルに記憶された範囲内に属する個別アドレスを一括して無効化することが可能になる。言い換えれば、悪用されている個別アドレスに含まれる生成番号や生成日時を導き出し、これらの生成番号や生成日時を含んだ所定の範囲を無効化テーブルに記憶することで、同じように悪用される可能性が高い一群の個別アドレスを一括して無効化することが可能になる。
また、本発明によれば、所定の生成条件を満たすことを条件に個別アドレスを生成するので、発信者からのアドレス生成要求に応じて個別アドレスが無秩序に生成される事態を回避することが可能になる。
また、本発明によれば、個別アドレスを生成するか否かの判定に用いる生成条件を公開アドレスに含めるので、かかる生成条件を管理するためのデータベースのリソースを低減させることが可能になる。
また、本発明によれば、発信者から受け付けた所定のキーワードが予め用意されたキーワードと一致することを生成条件として要求するので、公開アドレスを知っているだけでなく、予め用意されたキーワードも知っている発信者に対してのみ個別アドレスを生成することが可能になる。
また、本発明によれば、出題した質問(クイズ)に正解することを生成条件として要求するので、コンピュータの自動ソフトを利用して無作為に個別アドレスの生成を受けようとする不正な発信者を排除することが可能になる。
また、本発明によれば、無効化されたキーワードに基づくアドレス生成要求についてはアドレス生成を許可しないので、所定のキーワードが漏洩した等の理由から当該キーワードに基づくアドレス生成を停止したい場合には、かかるキーワードを無効化することで当該キーワードに係るアドレス生成要求を後発的に拒絶することが可能になる。
また、本発明によれば、発信者からアドレス生成要求を受け付けた時点で個別アドレスに含める有効条件を決定するので、アドレス生成要求の受付状況に応じて種々の有効条件を含んだ個別アドレスを生成することが可能になる。
また、本発明によれば、公開アドレスやキーワードに応じて個別アドレスに含める有効条件を決定するので、発信者から受け付けた公開アドレスやキーワードに応じて種々の有効条件を含んだ個別アドレスを生成することが可能になる。より詳細には、発信者から公開アドレスやキーワードを受け付けた時点で個別アドレスに含める有効条件を決定するので、同一の公開アドレスやキーワードからでも受付状況に応じて異なる有効条件を含んだ複数の個別アドレスを生成することが可能になる。このため、生成され得る個別アドレスと同数のキーワード(さらには公開アドレス)をシステムにおいて記憶する必要がなくなり、また、着信者において発信者に伝えるキーワードを管理するような場合でも、生成され得る個別アドレスと同数のキーワードを管理しておく必要がなくなる。特に、着信者にとっては、同等の有効条件(例えば、発信者限定や期間限定)を含んだ個別アドレスを複数の着信者ごとに付与しようとする場合でも、着信者ごとに個別アドレスの生成依頼や通知を行う必要がなく、同一のキーワードを複数の着信者に一括して通知すればよいだけであるので、発信者の負担を大幅に軽減することが可能になる。
また、本発明によれば、メールアドレス形式で生成された公開アドレスを宛先とするメールによってアドレス生成要求を受け付けるので、通信ソフトとしてメールソフトのみが搭載された携帯端末しか有しない発信者でも、アドレス生成要求を行うことが可能になる。特に、メールによってアドレス生成要求を受け付けるだけでなく、このメールの発信者アドレスに対して生成した個別アドレスを通知することにすれば、自己の真のアドレスを開示した発信者のみが個別アドレスの生成を受けることができるようになり、他人のアドレスを用いて個別アドレスの生成を受けるなどの詐欺行為を防止することも可能になる。
また、本発明によれば、発信者アドレスを発信者限定として含んだ個別アドレスを生成する場合に、アドレス生成要求に係るメールの発信元アドレスをそのまま用いるので、着信者に発信者アドレスを問い合わせる処理が不要になり、発信者アドレスを発信者限定として含んだ個別アドレスを円滑に生成することが可能になる。
また、本発明によれば、URI形式で生成された公開アドレスを宛先とするWebアクセスによってアドレス生成要求を受け付けるので、発信者に対して所定のフォーム画面を送信して詳細な情報を入力させることなどができ、かかる詳細な情報を用いて複雑かつ高度な生成判定処理(例えばクイズ)やアドレス生成処理を実行することが可能になる。
また、本発明によれば、着信者の実アドレスを個別アドレスに含めるので、かかる実アドレスを管理するためのデータベースを不要にすることが可能になる。
また、本発明によれば、着信者の実アドレスそのものではなくアドレス識別子を個別アドレスに含めるので、実アドレスを変更した場合でも個別アドレスを変更する必要がなく、個別アドレスを継続して利用することが可能になる。
実施例1では、実施例1で用いる用語、実施例1に係るメッセージ配送システムの概要および特徴を説明した後に、メッセージ配送システムの構成、システムにおける各装置の詳細、アドレス生成要求からメール配送に至る処理の流れ、各処理手順の詳細などを説明し、最後に実施例1の効果を説明する。
[用語の説明(実施例1)]
最初に、実施例1で用いる主要な用語を説明する。実施例1で用いる「発信者(以下、適宜「発信者B」と表記する)」とは、後述する個別アドレスを宛先とするメール(メッセージ)を発信する利用者のことであり、また、実施例1で用いる「着信者(以下、適宜「着信者A」と表記する)」とは、かかる個別アドレスを宛先とするメールを着信する利用者のことである。なお、本実施例では、着信者Aを一意に識別(特定)するための識別情報を着信者識別情報Rと表記し、発信者Bを一意に識別(限定)するための識別情報を発信者識別情報S(もしくは発信者アドレスS)と表記する。
ここで、実施例1で用いる「識別情報」とは、着信者や発信者を一意に識別(特定または限定)するための情報であり、例えば、ユーザ名やユーザ番号のようなユーザIDの他に、これらに対応付けられるユーザアドレスやアカウント(メールアドレスや電話番号など)、さらには、これらのユーザIDやユーザアドレスを用いて生成されるユーザ識別子(ユーザIDやユーザアドレスを暗号化した暗号化データなど)がこれに該当する。
また、実施例1で用いる「実アドレス」とは、着信者Aが本来的に有しているメールアドレス、言い換えれば、迷惑メールの着信防止やプライバシー保護の観点から、限られた者に対してのみ公開される着信者のメールアドレスのことである。一方、実施例1で用いる「公開アドレス(以下、適宜「公開アドレスP」と表記する)」とは、後述する個別アドレスの生成を目的として着信者Aごとに公開されているメールアドレスのことであり、図3に例示するように、個別アドレスを生成するセンタを宛先として含むとともに、着信者Aの識別情報を含んで生成される。
また、実施例1で用いる「個別アドレス(以下、適宜「個別アドレスT」と表記する)」とは、発信者Bが着信者Aに対してメールを発信する場合に、宛先アドレスとして実アドレスの代わりに利用されるメールアドレスのことであり、具体的には、後述する「有効条件」を鍵によって含んで生成される。なお、この個別アドレスTは、上記した「公開アドレスP」および後述する「キーワード」を発信者Bから受け付けることで生成される。
ここで、実施例1で用いる「有効条件(以下、適宜「有効条件C」と表記する)」とは、上記した個別アドレスTを宛先とするメールを着信者Aに配送するに際して必要とされる条件のことであり、例えば、メールの配送が許可される期間(期限)、時間、発信者(発信元アドレス)、組織若しくはこれらの組み合わせを指定した条件がこれに該当する。
また、実施例1で用いる「キーワード」とは、上記した個別アドレスTの生成を発信者Bが要求する際に提示するコードのことであり、具体的には、図6に例示するように、短い文字列として形成される。なお、実施例1では、同図に例示するように、着信者Aごとにキーワードが規定されているものとする。
[メッセージ配送システムの概要および特徴(実施例1)]
続いて、図1を用いて、実施例1に係るメッセージ配送システムの概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係るメッセージ配送システムの概要を説明するための図である。
実施例1に係るメッセージ配送システムの概要は、発信者Bの利用者端末から発信されたメールを着信者Aの利用者端末に配送するというものである。そして、かかるメールの配送に用いられるのが個別アドレスTであり、実施例1では、かかる個別アドレスTを記憶するためのデータベースを必要とすることなくメールのフィルタリングを行うことを可能にするとともに、不必要な個別アドレスTの生成を抑制することを可能にしている点に主たる特徴がある。
これについては図1を用いて簡単に説明すると、実施例1に係るメッセージ配送システムにおいては、予め、着信者Aおよび発信者B以外の第三者(例えば、個別アドレスTを取り扱うサービスセンタ)が、着信者Aごとに着信者識別情報Rおよびキーワードをキーワード記憶部に記憶するとともに、着信者Aごとに着信者識別情報Rおよび実アドレスを実アドレス記憶部に記憶する。
また、予め、発信者Bは着信者Aの公開アドレスPおよびキーワードを取得する。ここで、公開アドレスPおよびキーワードの取得は、着信者Aから発信者Bに公開アドレスP等を含んだメール(もしくはSIPメッセージ)を送信すること、ネットワーク上のホームページや掲示板で公開アドレスP等を公開すること、公開アドレスP等が記載された名刺(例えば、公開アドレスPが二次元バーコードとして印字された名刺)を着信者Aから発信者Bに手渡すこと、着信者Aから発信者Bに公開アドレスP等を口頭で伝えることなど、オンラインであるかオフラインであるかを問わず、何らかの手段を介して行われる。
そして、着信者Aの公開アドレスPおよびキーワードを取得した発信者Bは、着信者Aの公開アドレスPを宛先アドレスとし、同じく着信者Aのキーワードを件名(サブジェクト欄)に含んだアドレス生成要求のメールをセンタに送信する(図1の(1)参照)。なお、このメールは、発信元アドレスとして発信者Bのメールアドレスを含み、また、公開アドレスPは、着信者Aを特定するための着信者識別情報Rを含む(図3参照)。
一方、アドレス生成要求を受信したセンタでは、個別アドレスを生成するか否かを判定する(図1の(2)参照)。具体的には、メールの宛先である公開アドレスPに含まれる着信者識別情報Rと、メールの件名に記載されたキーワードとが、キーワード記憶部に対応付けて記憶されているか否かを判定する。そして、これらが対応付けて記憶されている場合には、センタは個別アドレスTを生成する(図1の(3)参照)。具体的には、着信者識別情報Rと、有効条件C(発信者アドレスSのハッシュ値)と、所定の鍵から定まる関数に着信者識別情報Rおよび有効条件Cを入力して得られる改ざん防止コードとを連結した文字列を「ユーザ名部分」とするメールアドレス形式の個別アドレスTを生成する。なお、同図に示す「P」は鍵を用いることを意味する。さらに、センタは生成した個別アドレスTを発信者Bに送信する(図1の(4)参照)。
その後、センタは個別アドレスTを宛先アドレスとするメール(メッセージ)を発信者Bから受信すると(図1の(5)参照)、メールを着信者Aに配送するか否かを判定する(図1の(6)参照)。具体的には、個別アドレスTに含まれる着信者識別情報Rおよび有効条件Cを所定の鍵から定まる関数に入力して個別アドレスTの正当性を検証するとともに、個別アドレスTに含まれる有効条件C(発信者アドレスSのハッシュ値)およびメールの発信者アドレスSを用いて正当な発信者であるか否かを検証する。なお、図に示す「Q」は、鍵を用いて抽出することを意味する。
その上で、個別アドレスTおよび発信者の正当性が認められた場合には、センタは発信者Bから受け取ったメールを着信者Aに配送する(図1の(7)参照)。具体的には、個別アドレスTに含まれる着信者識別情報Rに対応する実アドレスを実アドレス記憶部から取得し、メールの宛先アドレスを実アドレスに置換して当該メールを配送する。
このように、実施例1に係るメッセージ配送システムでは、個別アドレスTが生成される度に個別アドレスTや有効条件C(発信者アドレスSのハッシュ値)をデータベースに蓄積するのではなく、有効条件Cを個別アドレスTに含めるので、上記した主たる特徴の如く、このようなデータベースを必要とすることなくメールのフィルタリングを行うことが可能になる。また、着信者Aの要求(応答)に応じて個別アドレスTを生成するのではなく、発信者Bの要求に応じて個別アドレスTを生成するので、個別アドレスTを生成するか否かの判断が個別アドレスTの使用者である発信者Bに委ねられ、不必要な個別アドレスTの生成を抑制することが可能になる。
[メッセージ配送システムの構成(実施例1)]
続いて、図2を用いて、実施例1に係るメッセージ配送システムの構成を説明する。図2は、実施例1に係るメッセージ配送システムの構成を示す図である。
同図に示すように、このメッセージ配送システムは、着信者端末1と、発信者端末2と、着信者メールサーバ3と、発信者メールサーバ4と、ユーザ情報サーバ10と、個別アドレス発行サーバ20と、メッセージ転送サーバ30を、ネットワーク(着信者IP網5、発信者IP網6、インターネット7、LAN8、ルータR、ファイアウォールFWなどによって形成される通信網)を介して相互に通信可能に接続して構成される。以下に、各装置の役割や構成を説明する。
[着信者端末および発信者端末(実施例1)]
このうち、着信者端末1および発信者端末2は、少なくとも電子メールソフトがインストールされた、既知のパーソナルコンピュータやワークステーション、家庭用ゲーム機、インターネットTV、PDA、あるいは携帯電話やPHSの如き移動体通信端末などである。より詳細には、着信者端末1は、着信者Aが利用する端末であり、主として、着信者Aの実アドレスを宛先アドレスとするメールをメッセージ転送サーバ30から着信者メールサーバ3を介して受信する役割を有する。
一方、発信者端末2は、発信者Bが利用する端末であり、主として、個別アドレスTの生成要求に係るメール(図8参照)を個別アドレス発行サーバ20に発信者メールサーバ4を介して送信する役割、生成された個別アドレスTを含んだアドレス生成通知メール(図9参照)を個別アドレス発行サーバ20から発信者メールサーバ4を介して受信する役割、個別アドレスTを宛先アドレスとするメール(メッセージ)をメッセージ転送サーバ30に発信者メールサーバ4を介して送信する役割などを有する。
また、発信者端末2は、図2に例示するように、公開アドレスPや個別アドレスTを記憶するためのアドレス記憶部2a(いわゆるメールソフトのアドレス帳)を備える。ここで、公開アドレスPは、図3に例示するように、着信者Aを一意に特定するための着信者識別情報Rをユーザ名部分とするとともに、個別アドレス発行サーバ20に対応する宛先情報をドメイン名部分として構成される。また、個別アドレスTは、図4に例示するように、着信者識別情報Rと、有効条件C(アドレス生成要求メールにおける発信者アドレスSのハッシュ値)と、所定の鍵から定まる関数に着信者識別情報Rおよび有効条件Cを入力して得られる改ざん防止コードとを連結した文字列をユーザ名部分とするとともに、メッセージ転送サーバ30に対応する宛先情報をドメイン名部分として構成される。
なお、公開アドレスPや個別アドレスTを記憶するためのアドレス記憶部2aは、発信者端末2に必須の構成要素ではなく、例えば、公開アドレスPや個別アドレスTが記載されたメールをメールフォルダに記憶して保存する、または、メモ用紙等に公開アドレスPや個別アドレスTをメモ書きして保存するなどしてもよい。
[ユーザ情報サーバ(実施例1)]
ユーザ情報サーバ10は、実施例1に係るメッセージ配送システムによる各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するデータベース装置であり、主として、メール配送サービスによってメールを着信する着信者Aに係る情報を管理する役割を有する。そして、本発明に密接に関連するものとして、図2に示すように、実アドレス記憶部11およびキーワード記憶部12を備える。なお、実アドレス記憶部11は特許請求の範囲に記載の「実アドレス記憶手段」に対応する。
このうち、実アドレス記憶部11は、図5に例示するように、各着信者Aの着信者識別情報Rに対応付けて、メッセージ転送サーバ30によるメール配送処理に用いる「実アドレス」を記憶して構成される。また、キーワード記憶部12は、図6に例示するように、各着信者Aの着信者識別情報Rに対応付けて、個別アドレス発行サーバ20による生成判定処理に用いる「キーワード」を記憶して構成される。
[個別アドレス発行サーバ(実施例1)]
個別アドレス発行サーバ20は、個別アドレスTを発行するサーバ装置であり、主として、発信者端末2からアドレス生成要求に係るメール(図8参照)を受信する役割、アドレス生成要求に応えて個別アドレスTを生成するか否かを判定する役割、個別アドレスTを生成する役割、生成した個別アドレスTを含んだアドレス生成通知メール(図9参照)を発信者端末2に送信する役割などを有する。そして、本発明に密接に関連するものとして、図2に示すように、通信部21と、生成判定部22と、発行鍵記憶部23と、アドレス生成部24とを備える。なお、生成判定部22は特許請求の範囲に記載の「生成判定手段」に対応し、アドレス生成部24は同じく「アドレス生成手段」に対応する。
このうち、通信部21は、いわゆるSMTPやHTTPの通信プロトコル等に従って、発信者端末2等との間における通信を制御する処理部である。具体的には、発信者端末2から発信者メールサーバ4を介してアドレス生成要求に係るメール(図8参照)を受信する処理や、生成した個別アドレスTを含んだアドレス生成通知メール(図9参照)を発信者端末2に発信者メールサーバ4を介して送信する処理などを実行する。
生成判定部22は、発信者端末2から受け付けたアドレス生成要求メールについて、個別アドレスTの生成を許可するか否かを判定する処理部である。なお、かかる生成判定処理については後に図10を用いて詳述する。
発行鍵記憶部23は、個別アドレスTの生成に用いる発行鍵(マスター鍵)を記憶する手段であり、この発行鍵は、後述するメッセージ転送サーバ30の検証鍵記憶部32に記憶される検証鍵と同一の鍵である。
アドレス生成部24は、生成判定部22によって個別アドレスTの生成が許可された場合に、発行鍵記憶部23に記憶された発行鍵を用いて個別アドレスTを生成する処理部である。なお、かかるアドレス生成処理については後に図11を用いて詳述する。
[メッセージ転送サーバ(実施例1)]
メッセージ転送サーバ30は、メール配送サービスを提供するサーバ装置であり、主として、発信者端末2から個別アドレスTを宛先アドレスとするメール(メッセージ)を受信する役割、受信したメールを着信者Aに配送するか否かを判定する役割、メールの宛先アドレスを着信者Aの実アドレスに置換して着信者端末1に配送する役割などを有する。そして、本発明に密接に関連するものとして、図2に示すように、通信部31と、検証鍵記憶部32と、配送判定部33と、配送処理部34とを備える。なお、配送判定部33は特許請求の範囲に記載の「配送判定手段」に対応し、配送処理部34は同じく「配送制御手段」に対応する。
このうち、通信部31は、いわゆるSMTPやHTTPの通信プロトコル等に従って、発信者端末2等との間における通信を制御する処理部である。具体的には、発信者端末2から発信者メールサーバ4を介して個別アドレスTを宛先アドレスとするメール(メッセージ)を受信する処理、かかるメールの宛先アドレスを着信者Aの実アドレスに置換したメールを着信者端末1に着信者メールサーバ3を介して送信する処理などを実行する。
検証鍵記憶部32は、個別アドレスTの検証に用いる検証鍵(マスター鍵)を記憶する手段であり、この検証鍵は、個別アドレス発行サーバ20の発行鍵記憶部23に記憶される発行鍵と同一の鍵である。
配送判定部33は、発信者端末2から受け付けた個別アドレスTを宛先アドレスとするメール(メッセージ)について、着信者Aへの配送を許可するか否かを判定する処理部である。なお、かかる配送判定処理については後に図12を用いて詳述する。
配送処理部34は、配送判定部33によってメールの配送が許可された場合に、発信者Bの発信者端末2から受信したメールを着信者Aの着信者端末1に送信する処理部である。なお、かかるメール配送処理については後に図13を用いて詳述する。
[アドレス生成要求からメール配送に至る処理の流れ(実施例1)]
次に、図7を用いて、アドレス生成要求からメール配送に至る処理の流れを説明する。図7は、アドレス生成要求からメール配送に至る処理の流れを示すシーケンス図である。なお、以下では、既に、発信者Bがオンラインであるかオフラインであるかを問わず、何らかの手段によって着信者Aの公開アドレスPおよびキーワードを取得しているものとして説明する。
同図に示すように、個別アドレス発行サーバ20は、図8に例示するような「アドレス生成要求メール」を発信者端末2から発信者メールサーバ4を介して受信する(ステップS701)。言い換えれば、発信者Bの発信者端末2は、着信者Aの公開アドレスPを宛先アドレスとするとともに、同じく着信者Aのキーワードを件名(サブジェクト欄)に記載したアドレス生成要求メールを個別アドレス発行サーバ20に送信する。なお、上述したように、このメールは、発信元アドレスとして発信者Bのメールアドレスを含み、また、公開アドレスPは、着信者Aを特定するための着信者識別情報Rを含む(図3参照)。
一方、アドレス生成要求メールを受信した個別アドレス発行サーバ20では、個別アドレスTの生成を許可するか否かを判定する(ステップS702)。具体的には、メールの宛先である公開アドレスPに含まれる着信者識別情報Rと、メールの件名に記載されたキーワードとが、ユーザ情報サーバ10のキーワード記憶部12に対応付けて記憶されているか否かを判定する。なお、かかる生成判定処理については後に図10を用いて詳述する。
かかる生成判定処理によって個別アドレスTの生成が許可された場合に、個別アドレス発行サーバ20は、発行鍵記憶部23に記憶された発行鍵を用いて個別アドレスTを生成する(ステップS703)。具体的には、着信者識別情報Rと、有効条件C(発信者アドレスSのハッシュ値)と、所定の鍵から定まる関数に着信者識別情報Rおよび有効条件Cを入力して得られる改ざん防止コードとを連結した文字列を「ユーザ名部分」とするメールアドレス形式の個別アドレスTを生成する。なお、かかるアドレス生成処理については後に図11を用いて詳述する。
さらに、個別アドレス発行サーバ20は、生成した個別アドレスTを含んだアドレス生成通知メール(図9参照)を作成し、このアドレス生成通知メールを発信者端末2に発信者メールサーバ4を介して送信する(ステップS704)。そして、発信者端末2では、図9に例示したような「アドレス生成通知メール」の内容がモニタ等に出力され、このメール上で個別アドレスTがキーボードやマウスを介して発信者Bによって指定されると、アドレス記憶処理として、指定された個別アドレスTをアドレス記憶部2a(いわゆるメールソフトのアドレス帳)に登録する(ステップS705)。
その後、発信者端末2は、発信者Bの指示に応じて、若しくは、所定時間ごと定期的に、個別アドレスTを宛先アドレスとするともに、着信者A向けのメッセージを本文に記載したメール(メッセージ)をメッセージ転送サーバ30に発信者メールサーバ4を介して送信する(ステップS706)。なお、このメールの発信元アドレスとして、発信者Bのメールアドレス(発信者アドレスS)もメッセージ転送サーバ30に送信される。
かかるメールを受信したメッセージ転送サーバ30では、かかるメールについて着信者Aへの配送を許可するか否かを判定する(ステップS707)。具体的には、個別アドレスTに含まれる着信者識別情報Rおよび有効条件Cを所定の鍵から定まる関数に入力して個別アドレスTの正当性を検証するとともに、個別アドレスTに含まれる有効条件C(発信者アドレスSのハッシュ値)およびメールの発信者アドレスSを用いて正当な発信者であるか否かを検証する。なお、かかる配送判定処理については後に図12を用いて詳述する。
かかる配送判定処理によってメールの配送が許可された場合には、メッセージ転送サーバ30は、発信者Bの発信者端末2から受信したメールを着信者Aの着信者端末1に着信者メールサーバ3を介して送信する(ステップS708)。具体的には、個別アドレスTに含まれる着信者識別情報Rに対応する実アドレスをユーザ情報サーバ10の実アドレス記憶部11から取得し、メールの宛先アドレスをかかる実アドレスに置換して当該メールを配送する。なお、かかるメール配送処理については後に図13を用いて詳述する。
[生成判定処理(実施例1)]
次に、図10を用いて、個別アドレス発行サーバ20による個別アドレスTの生成判定処理(図7に示したステップS702に対応する処理)を説明する。図10は、かかる生成判定処理の詳細を示すフローチャートである。
同図に示すように、個別アドレス発行サーバ20において、図8に例示するような「アドレス生成要求メール」を発信者端末2から受信して、公開アドレスPおよびキーワードが入力されると、生成判定部22は、公開アドレスPから着信者識別情報Rを抽出する(ステップS1001)。具体的には、図3に例示するように、公開アドレスPのユーザ名部分が着信者識別情報Rであるので、この部分を着信者識別情報Rとして抽出する。
続いて、生成判定部22は、ユーザ情報サーバ10のキーワード記憶部12に記憶されたキーワードのなかから、上記のステップS1001で抽出した着信者識別情報Rに対応付けて記憶されているキーワードを取得する(ステップS1002)。そして、生成判定部22は、このステップS1002でキーワード記憶部12から取得したキーワードと、「アドレス生成要求メール」の件名に記載されていたキーワードとが一致するか否かを判定し、一致しない場合には個別アドレスTを生成不可とする(ステップS1003)。
その結果、上記した生成判定(ステップS1003)を満足する場合には、生成判定部22は、公開アドレスPから抽出した着信者識別情報Rおよび生成判定結果をアドレス生成部24に出力して生成判定処理を終了する。なお、上記のステップS1003でキーワードが一致しなかった場合には、その旨を記載した応答メール(アドレス生成不可メール)を発信者端末2に送信して生成判定処理を終了する。
[アドレス生成処理(実施例1)]
続いて、図11を用いて、個別アドレス発行サーバ20による個別アドレスTの生成処理(図7に示したステップS703に対応する処理)を説明する。図11は、かかるアドレス生成処理の詳細を示すフローチャートである。
同図に示すように、個別アドレス発行サーバ20において、生成判定部22で生成許可の判定がなされ、「着信者識別情報R」およびアドレス生成要求メールの「発信者アドレスS」がアドレス生成部24に入力されると、アドレス生成部24は、発信者限定に係る有効条件Cを生成する(ステップS1101)。具体的には、アドレス生成要求メールの発信者アドレスSのハッシュ値を求めた後に、このハッシュ値の下位30ビットをBASE32で符号化して、6文字の文字列V_S(例えば「sbtwr3」)を生成する。
続けて、アドレス生成部24は、個別アドレスTの正当性を担保するための改ざん防止コードを生成する(ステップS1102)。具体的には、着信者識別情報R(例えば「matsui」。これが着信者特定情報に対応する。)と上記のステップSで生成した6文字の文字列V_S(例えば「sbtwr3」。これが発信者限定情報に対応する。)とをドット文字“.”で連結した文字列Kを生成した後に、発行鍵記憶部23の発行鍵を用いて文字列Kの鍵付きハッシュ関数の値を求め、さらに、この値の下位20ビットをBASE32で符号化して、4文字の改ざん防止コードV(例えば「gr5b」)を生成する。
そして、アドレス生成部24は、上記の文字列Kおよび改ざん防止コードVを用いて個別アドレスTを生成する(ステップS1103)。具体的には、文字列K(例えば「matsui.sbtwr3」)と改ざん防止コードV(例えば「gr5b」)とを連結した文字列を生成し、この文字列の後にドメイン名“@private.ne.jp”を付加することで、個別アドレスTを生成して出力する。なお、個別アドレスTに含められるドメイン名(例えば「@private.ne.jp」)は、個別アドレスTを処理する装置のアドレスであり、実施例1では、メッセージ転送サーバ30のアドレスがこれに該当する。このため、個別アドレスTを宛先とするメールは、メッセージ転送サーバ30に配送されることになる。
[配送判定処理(実施例1)]
続いて、図12を用いて、メッセージ転送サーバ30によるメールの配送判定処理(図7に示したステップS707に対応する処理)の詳細を説明する。図12は、かかる配送判定処理の詳細を示すフローチャートである。
同図に示すように、メール転送サーバ30において、個別アドレスTを宛先アドレスとするともに、着信者A向けのメッセージを本文に記載したメール(メッセージ)を発信者端末2から受信し、「個別アドレスT」およびメールの「発信者アドレスS」が配送判定部33に入力されると、配送判定部33は、個別アドレスT(改ざん防止コード)の正当性を検証する(ステップS1201)。
具体的には、配送判定部33は、到着メール(発信者端末2から受信したメール)の着信先アドレス(つまり個別アドレスT)のユーザ名部分の末尾から5文字目までの前半部分を文字列Kとして取得するとともに、末尾から4文字目以降の後半部分を文字列Vとして取得する。そして、配送判定部33は、検証鍵記憶部32の検証鍵を用いて文字列Kの鍵付きハッシュ関数の値を求め、この値の下位20ビットをBASE32で符号化して4文字の文字列Tを求め、文字列Vと文字列Tとが一致するか否かを判定する。この判定で両者が一致する場合には、改ざん防止コードが正当であるとして、以下に示すステップS1202の処理に進むが、両者が一致しない場合には、個別アドレスTが不正であるとして、その旨を記載した応答メール(配送不可メール)を発信者端末2に送信して配送判定処理を終了する。
このような改ざん防止コードの検証に続いて、配送判定部33は、正当な発信者であるか否かを検証する(ステップS1202)。具体的には、到着メール(発信者端末2から受信したメール)の発信者アドレスSのハッシュ値を個別アドレスTの生成処理の場合と同じアルゴリズム(上記した図10のステップS1001で実行されるアルゴリズム)で求めた後に、このハッシュ値の下位30ビットをBASE32で符号化して、6文字の文字列T_Sを生成する。そして、配送判定部33は、上記のステップS1201で取得した文字列Kにおけるドット文字“.”より以降の部分を文字列V_Sとして取得し、この文字列V_Sと文字列T_Sとが一致するか否かを判定する。この判定で両者が一致する場合には、発信者Bが正当であるとして、以下に示すステップS1203の処理に進むが、両者が一致しない場合には、発信者Bが不正であるとして、その旨を記載した応答メール(配送不可メール)を発信者端末2に送信して配送判定処理を終了する。
その結果、上記した配送判定(ステップS1201およびS1202)をいずれも満足する場合には、配送判定部33は、個別アドレスTのユーザ名部分におけるドット文字“.”の直前までの文字列(例えば「matsui」)を着信者識別情報Rとして抽出し(ステップS1203)、この着信者識別情報Rおよび配送判定結果を配送処理部34に出力して配送判定処理を終了する。
[メール配送処理(実施例1)]
続いて、図13を用いて、メッセージ転送サーバ30によるメール配送処理(図7のステップS708に対応する処理)の詳細を説明する。図13は、かかるメール配送処理の詳細を示すフローチャートである。
同図に示すように、メール転送サーバ30において、配送判定部33で配送許可の判定がなされ、「着信者識別情報R」が配送処理部34に入力されると、配送処理部34は、着信者Aの実アドレスを取得する(ステップS1301)。具体的には、ユーザ情報サーバ10の実アドレス記憶部11に記憶された実アドレスのなかから、上記した配送判定処理で個別アドレスTから抽出した着信者識別情報Rに対応付けて記憶されている実アドレスを取得する。
そして、配送処理部34は、到着メール(発信者端末2から受信したメール)の着信先アドレスを個別アドレスTから上記のステップS1301で取得した実アドレスに置換して当該メールを送信する(ステップS1302)。すなわち、発信者Bから発信されたメールを、着信者Aの着信者端末1に対して着信者メールサーバ3を介して配送する。
[実施例1の効果等]
上述してきたように、実施例1によれば、個別アドレスTが生成される度に個別アドレスTや有効条件C(発信者アドレスSのハッシュ値)をデータベースに蓄積するのではなく、有効条件Cを個別アドレスTに含めるので、上記した主たる特徴の如く、このようなデータベースを必要とすることなくメールのフィルタリングを行うことが可能になる。また、着信者Aの要求(応答)に応じて個別アドレスTを生成するのではなく、発信者Bの要求に応じて個別アドレスTを生成するので、個別アドレスTを生成するか否かの判断が個別アドレスTの使用者である発信者Bに委ねられ、不必要な個別アドレスTの生成を抑制することが可能になる。さらに、鍵を用いて個別アドレスTを生成するので、悪意の第三者による個別アドレスTの不正な生成や改ざんを困難にし、安全性の高いメール配送を行うことが可能になる。
また、実施例1によれば、メールの配送が許可される発信者を有効条件Cとして個別アドレスTに含めるので、有効条件Cの管理負担を生じさせることなく、実用的なメール配送を行うことが可能になる。より具体的には、例えば、発信者アドレスSを発信者限定として含んだ個別アドレスTを生成することで、個別アドレスTを不正に入手した第三者がメールを発信しても、異なる発信者アドレスである故に有効条件Cを満たすことができないので、このような迷惑メールが着信者Aに配送される事態を回避することが可能になる。さらに、発信者アドレスSを発信者限定として含んだ個別アドレスTを生成するだけでなく、かかる発信者アドレスS宛に生成した個別アドレスTを通知するので、自己の真のアドレスを開示した発信者Bのみが個別アドレスTの生成を受けることができるようになり、迷惑メールの発信を抑止することも可能になる。
また、実施例1によれば、所定の生成条件を満たすことを条件に個別アドレスTを生成するので、発信者Bからのアドレス生成要求に応じて個別アドレスTが無秩序に生成される事態を回避することが可能になる。より具体的には、発信者Bから受け付けた所定のキーワードが予め用意されたキーワードと一致することを生成条件として要求するので、公開アドレスPを知っているだけでなく、予め用意されたキーワードも知っている発信者Bに対してのみ個別アドレスTを生成することが可能になる。なお、かかる生成条件は必ずしも本発明に必須のものではなく、何らの生成条件も要求することなく、アドレス生成要求に応えて無条件に個別アドレスTを生成するようにしてもよい。
また、実施例1によれば、メールアドレス形式で生成された公開アドレスPを宛先とするメールによってアドレス生成要求を受け付けるので、通信ソフトとしてメールソフトのみが搭載された携帯端末(発信者端末2)しか有しない発信者Bでも、アドレス生成要求を行うことが可能になる。特に、メールによってアドレス生成要求を受け付けるだけでなく、このメールの発信者アドレスSに対して生成した個別アドレスを通知するので、自己の真のアドレスを開示した発信者のみが個別アドレスTの生成を受けることができるようになり、他人のアドレスを用いて個別アドレスTの生成を受けるなどの詐欺行為を防止することも可能になる。
また、実施例1によれば、発信者アドレスを発信者限定として含んだ個別アドレスTを生成する場合に、アドレス生成要求に係るメールの発信元アドレスSをそのまま用いるので、着信者Bに発信者アドレスSを問い合わせる処理が不要になり、発信者アドレスSを発信者限定として含んだ個別アドレスTを円滑に生成することが可能になる。
また、実施例1によれば、着信者Aの実アドレスそのものではなくアドレス識別子(実アドレスを一意に特定するための着信者識別情報R)を個別アドレスTに含めるので、実アドレスを変更した場合でも個別アドレスTを変更する必要がなく、実アドレス記憶部11内に記憶された実アドレスを更新するだけで、個別アドレスTを継続して利用することが可能になる。
さて、これまで実施例1に係るメッセージ配送システムについて説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2に係るメッセージ配送システムとして、種々の異なる実施例を(1)〜(19)に区分けして説明する。
(1)URI形式の公開アドレス
上記の実施例1では、メールアドレス形式で生成された公開アドレスPを宛先とするメールによってアドレス生成要求を受け付ける場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図14に例示するように、URI(Uniform Resource Identifier)形式で生成された公開アドレスを宛先とするWebアクセスによってアドレス生成要求を受け付けるようにしてもよい。すなわち、この場合には、同図に示すように、公開アドレスPは、着信者識別情報R(例えば「matsui」)を含んで生成される。
そして、発信者端末2のWebブラウザソフトを用いて、URLアドレス(公開アドレスP)を接続先アドレスとするメール生成要求メッセージ(図14参照)が個別アドレス発行サーバ20に送信されると、個別アドレス発行サーバ20は、図15に例示するような応答画面を発信者端末2に送信することで、発信者Bのメールアドレスおよび着信者Aのキーワードを受け付ける。なお、かかる応答画面には、着信者識別情報RがHIDDENパラメータとして埋め込まれるようにしてもよい。
一方、発信者端末2において、かかる応答画面に対してキーワードおよびメールアドレスが入力されて送信ボタンが押下されると、発信者端末2は、入力されたキーワードおよびメールアドレスと、HIDDENパラメータとして埋め込まれていた着信者識別情報Rとを個別アドレス発行サーバ20に送信する。その結果、個別アドレス発行サーバ20は、キーワード、発信者Aのメールアドレス(発信者アドレスS)および着信者識別情報Rを用いて生成判定処理およびアドレス生成処理を実行し、生成した個別アドレスTを発信者アドレスSに対してメールによって送信する。なお、個別アドレスTの通知は、図15に示したような応答画面によって行うようにしてもよい。
このように、URI形式で生成された公開アドレスを宛先とするWebアクセスによってアドレス生成要求を受け付ければ、発信者Bに対して所定のフォーム画面を送信して詳細な情報を入力させることなどができ、かかる詳細な情報を用いて複雑かつ高度な生成判定処理(例えば後述するクイズ)やアドレス生成処理を実行することが可能になる。
(2)他形式の公開アドレスP
さらに、上記した公開アドレスPは、メッセージアドレス形式やURI形式のものに限定されるものではなく、例えば、電話番号、バーコード(例えば、二次元バーコード)、各種のカード情報(例えば、カードの磁気情報、ICカードの内蔵情報)など、公開アドレスPが表現可能な情報部材であれば、本発明を同様に適用することができる。
より具体的には、電話番号で表現された個別アドレスTの場合には、例えば、かかる電話番号を接続先とする接続要求(アドレス生成要求)を発信者Bの電話端末から電話回線網の接続装置(上記の個別アドレス発行サーバに対応する。)で受け取り、生成判定処理やアドレス生成処理を行って、個別アドレスTを発信者Bの電話端末に回答する。また、バーコードで表現された個別アドレスTの場合には、例えば、かかるバーコード付きの媒体(例えば、名刺やプリペイドカード)をバーコード読取装置(上記の個別アドレス発行サーバに対応する。)で読み取り、生成判定処理やアドレス生成処理を行って、バーコード読取装置に接続された表示装置から個別アドレスTを出力する。さらに、カード情報で表現された個別アドレスTの場合にも、上記のバーコードと同様の手法で個別アドレスTを出力する。
(3)他の生成条件
また、上記の実施例1では、キーワードの一致を個別アドレスTの生成条件として要求する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図16に一部を例示するように、個別アドレスTの生成が許可される期限(発行期限)、個別アドレスTの生成が許可される発信者Bの識別情報(発信元アドレス)やドメイン名、個別アドレスTの生成に必要とされる発行金額など、他の生成条件を要求するようにしてもよい。すなわち、上記したキーワードや、ここに列挙した他の生成条件、さらには後述するクイズなど、これらの組合せを個別アドレスTの生成条件として要求してもよい。
(4)複数のキーワード
また、上記の実施例1では、着信者Aごとに一つのキーワードをキーワード記憶部12に記憶する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図17に例示するように、着信者Aごとに複数のキーワード(並びに各キーワードに対応付けられた他の生成条件)をキーワード記憶部12に記憶するようにしてもよい。この場合には、発信者端末2から受け付けたキーワードの一致だけでなく、当該キーワードに対応付けられた生成条件も個別アドレスTの生成に際して要求されることになる。したがって、着信者Aは、如何なる生成条件を発信者Bに要求するかを意図した上で、発信者Bに伝えるキーワードを複数のキーワードのなかから選択することができる。
(5)システムで共通のキーワード
また、上記の実施例1では、キーワード記憶部12に着信者Aごとのキーワードを記憶する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図18に例示するように、着信者Aを区別することなく、システムで共通のキーワードをキーワード記憶部12に記憶するようにしてもよい。また、この場合にも、同図に例示するように、複数のキーワードを用意することで、発信者Bに伝えるキーワードを複数のキーワードのなかから選択できるようにしてもよい。
(6)生成条件としてのクイズ
また、上記の実施例1では、キーワードの一致を個別アドレスTの生成条件として要求する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19に例示するように、発信者Bに対して所定の質問(例えば「一週間は何日ですか?」)を出題し、発信者端末2から受け付けた回答が正解であるか否かを判定することで、クイズに対する正解を生成条件として要求するようにしてもよい。
このように、出題した質問(クイズ)に正解することを生成条件として要求すれば、コンピュータの自動ソフトを利用して無作為に個別アドレスの生成を受けようとする不正な発信者Bを排除することが可能になる。なお、図19では、URI形式で生成された公開アドレスを宛先とするWebアクセスによってアドレス生成要求を受け付け、発信者端末2に対してクイズ入りの応答画面を送信して回答を受け付ける例を示しているが、メールアドレス形式で生成された公開アドレスPを宛先とするメールによってアドレス生成要求を受け付け、発信者端末2に対してクイズ入りのメールを返信して回答を受け付けるようにしてもよい。
(7)生成条件を含んだ公開アドレス、着信者特定情報を含まない公開アドレス
また、上記の実施例では、キーワードや発行期限などの生成条件をキーワード記憶部12に記憶する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような生成条件を含んだ公開アドレスPを予め生成しておき、生成判定処理において、公開アドレスPから生成条件を抽出し、当該抽出した生成条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
具体的には、図20に例示するように、生成条件を含むことなく公開アドレスPを生成する場合(キーワード記憶部12に生成条件を記憶する場合)に限定されず、着信者識別情報Rの他に、キーワードや発行期限などの生成条件、クイズ(質問および正解)、もしくはこれらの組合せを含んだ公開アドレスP(例えば「matsui.yankees55@public.pvg.jp」)を生成するようにしてもよい。さらに、この場合には、生成条件、クイズもしくはこれらの組合せの全てを公開アドレスPに含める場合に限定されず、例えば、キーワードや発行期限などの生成条件のみを公開アドレスPに含める一方で、クイズはシステム側(個別アドレス発行サーバ20側)で用意するなど、生成条件の一部を公開アドレスPに含めるようにしてもよい。
このように、個別アドレスTを生成するか否かの判定に用いる生成条件(キーワードや発行期限、さらにはクイズなど)を公開アドレスPに含めれば、かかる生成条件を管理するためのデータベースのリソースを低減させることが可能になる。
ところで、上記の実施例では、公開アドレスPに着信者特定情報(着信者識別情報R)を含める場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、着信者特定情報を含まない公開アドレスP(着信者を区別していない共通の公開アドレス)を生成するようにしてもよい。この場合には、個別アドレスTの生成要求に際して、公開アドレスPとは別の情報から、生成される個別アドレスTの着信者を別途特定することになる。具体例を挙げれば、個別アドレスTの生成要求に係るメールのサブジェクト欄に着信者のユーザID、もしくは、着信者のユーザIDに対応付けられるキーワードを記載することなどで着信者を特定する。
(8)キーワードの無効化
また、上記の実施例1では、キーワード記憶部12に一旦記憶されたキーワードが半永久的に有効である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、既にあるキーワードを無効化することで、キーワードが無効化されていないことも条件にして個別アドレスTを生成するようにしてもよい。
ここで、キーワードの無効化手法を具体的に説明すると、キーワード記憶部12にキーワードを記憶する場合には、図21に例示するように、無効化対象のキーワードをキーワード記憶部12から削除することで、生成判定処理においてキーワード記憶部12に一致するキーワードが記憶されていなければキーワードは無効化されたとする手法が考えられる。また、同じくキーワード記憶部12にキーワードを記憶する場合には、同図に例示するように、無効化対象のキーワードについてはキーワード記憶部12に有効期限(発行期限)を登録することで、生成判定処理においてキーワード記憶部12に記憶された有効期限を過ぎていればキーワードは無効化されたとする手法が考えられる。
一方、キーワード記憶部12にキーワードを記憶しない場合(公開アドレスPにキーワードを含める場合)には、同図に例示するように、無効化対象のキーワードを無効キーワード記憶部に登録することで、生成判定処理において無効キーワード記憶部に一致するキーワードが記憶されていればキーワードは無効化されたとする手法が考えられる。
このように、無効化されたキーワードに基づくアドレス生成要求についてはアドレス生成を許可しないようにすれば、所定のキーワードが漏洩した等の理由から当該キーワードに基づくアドレス生成を停止したい場合には、かかるキーワードを無効化することで当該キーワードに係るアドレス生成要求を後発的に拒絶することが可能になる。なお、ここでは、キーワードの無効化を説明したが、これと同様に公開アドレスPを無効化することで、当該公開アドレスPに係るアドレス生成要求を後発的に拒絶するようにしてもよい。
(9)他のメッセージアドレス
上記の実施例1では、インターネットメールや携帯メール等の電子メールメッセージに利用されるメールアドレスの形式で個別アドレスTを生成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、いわゆるインスタントメッセージ、プレゼンス交換のメッセージ、IP電話の制御メッセージ等のSIPメッセージなどに利用されるメッセージアドレスの形式で個別アドレスTを生成するようにしてもよい。言い換えれば、発信者Bから着信者Aに電子メールメッセージを配送する場合だけでなく、インスタントメッセージ、プレゼンス交換のメッセージ、IP電話の制御メッセージ等のSIPメッセージを配送する場合にも本発明を同様に適用することができる。
(10)他の有効条件
また、上記の実施例1では、メールの配送が許可される発信者(発信者アドレス)を有効条件Cとして指定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、メールの配送が許可される期間(例えば週末のみ)や期限(例えば何月何日まで)、時間(例えば昼間のみ)、メールの配送が許可される組織(例えばドメイン名)など、他の有効条件Cを指定するようにしてもよい。言い換えれば、図22に例示するように、発信者限定情報、発信組織限定情報、配送期間(配送期限)、配送時間もしくはこれらの組合せを、有効条件Cとして含んだ個別アドレスTを生成するようにしてもよい。
このように、例えば、所定の期日を期間限定として含んだ個別アドレスTを生成すれば、短期間で完結する特定の用事に関してのみメッセージを受け取りたい着信者Aにおいて、所定の期日以降に発信された迷惑メッセージが着信者Aに配送される事態を回避することが可能になる。
(11)キーワードごとの有効条件
また、上記の実施例1では、有効条件Cとして発信者限定情報を含んだ個別アドレスTをシステム側で常に生成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図23に例示するように、着信者識別情報Rおよびキーワードごとに、個別アドレスTに含める有効条件Cをキーワード記憶部12に記憶し、アドレス生成要求に係る着信者識別情報Rおよびキーワードに応じて、異なる種類の有効条件Cを個別アドレスTに含めるようにしてもよい。
したがって、着信者Aは、如何なる有効条件Cを個別アドレスTに含めるかを意図した上で、発信者Bに伝えるキーワードを複数のキーワードのなかから選択することができる。なお、ここでは、着信者Aごとに複数のキーワードを用意する場合を説明したが、上記したように、着信者Aを区別することなく、システムで共通である複数のキーワードをキーワード記憶部12に記憶するようにしてもよい。また、個別アドレスTに含める有効条件Cを着信者識別情報Rおよびキーワードに対応付けるのではなく、公開アドレスP、キーワードもしくはこれらの組合せに対応付けるようにしてもよい。
このように、個別アドレスTに含める有効条件Cを公開アドレスPやキーワードに応じて決定すれば、発信者Bから受け付けた公開アドレスPやキーワードに応じて種々の有効条件Cを含んだ個別アドレスTを生成することが可能になる。
(12)個別アドレス生成時の有効条件決定
また、このように、キーワードに対応付けた有効条件Cをキーワード記憶部12に記憶する場合には、図24に例示するように、有効条件Cそのもの(例えば、発信者のメールアドレスそのもの、発信組織のドメイン名そのもの、配送期限日そのもの、配送時間そのもの)を記憶するだけでなく、有効条件Cの種類(例えば、要求メールの発信者アドレスに限定、要求メールの発信者アドレスにおけるドメイン名に限定、発行日から1ヶ月など)を記憶するようにしてもよい。
すなわち、後者の場合には、アドレス生成要求を発信者端末2から受け付けた場合の発信者アドレスや日時に応じて、異なる発信者限定情報、発信組織限定情報、配送期間(配送期限)もしくはこれらの組合せを、有効条件Cとして含んだ個別アドレスTを生成することになる。このように、発信者Bからアドレス生成要求を受け付けた時点で個別アドレスTに含める有効条件Cを決定すれば、アドレス生成要求の受付状況に応じて種々の有効条件Cを含んだ個別アドレスTを生成することが可能になる。
より詳細には、発信者Bから公開アドレスPやキーワードを受け付けた時点で個別アドレスTに含める有効条件Cを決定することで、同一の公開アドレスPやキーワードからでも受付状況に応じて異なる有効条件Cを含んだ複数の個別アドレスTを生成することが可能になる。このため、生成され得る個別アドレスTと同数のキーワード(さらには公開アドレス)をシステムにおいて記憶する必要がなくなり、また、着信者Aにおいて発信者Bに伝えるキーワードを管理するような場合でも、生成され得る個別アドレスTと同数のキーワードを管理しておく必要がなくなる。特に、着信者Aにとっては、同等の有効条件(例えば、発信者限定や期間限定)を含んだ個別アドレスTを複数の着信者Bごとに付与しようとする場合でも、着信者Bごとに個別アドレスTの生成依頼や通知を行う必要がなく、同一のキーワードを複数の着信者Bに一括して通知すればよいだけであるので、発信者Aの負担を大幅に軽減することが可能になる。
(13)実アドレスを含んだ個別アドレス
また、上記の実施例1では、着信者Aの実アドレスではなく着信者識別情報Rを含んだ個別アドレスTを生成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図25に示すように、着信者Aの実アドレスそのもの含んだ個別アドレスTを生成するようにしてもよい。このように、着信者Aの実アドレスを個別アドレスに含めれば、かかる実アドレスを管理するためのデータベース(実アドレス記憶部11に対応する。)を不要にすることが可能になる。
(14)改ざん防止コード、暗号化データ
また、上記の実施例1では、着信者識別情報Rおよび発信者アドレスSを用いて改ざん防止コードを生成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、個別アドレスTの生成に用いる情報、すなわち、着信者識別情報R、有効条件R若しくはこれらの組合せを、適宜用いて生成される改ざん防止コードであればよい。
また、上記の実施例1では、いわゆる改ざん防止コードを含んだ個別アドレスTを生成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、かかる改ざん防止コードに代えて、着信者識別情報Rおよび発信者アドレスSを所定の鍵で暗号化して得られる暗号化データを含んだ個別アドレスTを生成するようにしてもよい。すなわち、この場合には、メッセージ転送サーバ30において、かかる暗号化データを所定の鍵で復号することで個別アドレスTの正当性を検証する。また、この場合の暗号化データは、上記の改ざん防止コードと同様、個別アドレスTの生成に用いる情報、すなわち、着信者識別情報R、有効条件R若しくはこれらの組合せを、適宜用いて生成される暗号化データであればよい。なお、鍵としては共通鍵または公開鍵を適宜用いることができる。
(15)個別アドレスの通知
また、上記の実施例1では、個別アドレスTを含んだアドレス生成通知メールを発信者Bに送信することによって個別アドレスTを通知する場合を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、ネットワーク上のホームページや掲示板で個別アドレスTを公開すること、個別アドレスTが記載された書類を発信者Bに郵送すること、個別アドレスを発信者Bに電話もしくは口頭で伝えることなど、オンラインであるかオフラインであるかを問わず、何らかの手段を介して発信者Bが個別アドレスTを取得する態様であればよい。
また、上記の実施例1では、個別アドレス発行サーバ20が個別アドレスTの生成通知メールを発信者Bにのみ通知する場合を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、発信者Bに生成通知メールを送信するとともに、かかる発信者Bに個別アドレスTを発行した旨を着信者Aに対して通知するようにしてもよい。
(16)メッセージの配送判定
また、上記の実施例1では、個別アドレスTおよび発信者の正当性を配送判定で検証する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記した他の有効条件Cが個別アドレスTに含まれる場合には、これらの有効条件C(発信者限定、発信組織限定、配送期間、配送期限、配送時間もしくはこれらの組合せ)も併せて検証する。
(17)個別アドレスTの無効化
また、上記の実施例1では、一旦生成された個別アドレスTが半永久的に有効である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、既に生成された個別アドレスTを無効化することで、個別アドレスTが無効化されていないことも条件にしてメールの配送判定を行うようにしてもよい。すなわち、この場合には、かかる個別アドレスTの無効化手法としては、無効化される個別アドレスTを特定するための情報を記憶する無効化テーブルをさらに備え、配送判定処理において、発信者から受け付けた個別アドレスTが無効化されたものであるか否かを無効化テーブルに基づいてさらに判定し、メール配送処理において、個別アドレスが無効化されていないことを条件にメッセージを配送する。
ここで、図26〜図29を用いて、個別アドレスTの無効化手法を幾つか具体的に説明する。先ず、個別アドレスTの無効化手法としては、図26に示すように、個別アドレスTの生成手法はそのままで(上記の実施例で説明したように、着信者特定情報Rおよび有効条件Cを含んだ個別アドレスTを生成し)、無効化対象の個別アドレスTそのものを無効化テーブルに登録し、発信者から受け付けた個別アドレスTが無効化テーブルに登録されていれば配送不可とする手法を採用することができる。この無効化手法によれば、所定の個別アドレスTが悪用されている等の理由から当該個別アドレスTに係るメッセージの配送を停止したい場合に、かかる個別アドレスTそのものを無効化テーブルに登録することで、当該個別アドレスTに係るメッセージを後発的に拒絶することが可能になる。
また、これとは別の無効化手法としては、図27に示すように、個別アドレスTの生成手法はそのままで(上記の実施例で説明したように、着信者特定情報Rおよび有効条件Cを含んだ個別アドレスTを生成し)、個別アドレスTの生成に係る情報(すなわち、着信者特定情報R、有効条件C(発信者限定情報)もしくはこれらの組合せ)を無効化テーブルに登録し、発信者から受け付けた個別アドレスTから抽出した着信者特定情報R、有効条件C(発信者限定情報)もしくはこれらの組合せが無効化テーブルに登録されていれば配送不可とする手法を採用することができる。
この無効化手法によれば、ある着信者が自らに配送されるメッセージの全てを配送停止したい場合に、その着信者特定情報Rを無効化テーブルに登録することで、かかる着信者特定情報Rを含んだ一群の個別アドレスTを一括して無効化することが可能になる。また、悪用されている個別アドレスTに含まれる発信者限定情報を導き出し、かかる発信者限定情報を無効化テーブルに登録することで、同じように悪用される可能性が高い一群の個別アドレスTを一括して無効化することが可能になる。なお、着信者特定情報Rおよび発信者限定情報の組合せを無効化テーブルに登録するようにしてもよい。
また、これとは別の無効化手法としては、図28に示すように、個別アドレスTの生成において、着信者特定情報Rおよび有効条件C(発信者限定情報)の他に、無効化される個別アドレスTを特定するための所定の識別情報(例えば、生成要求で受け付けたキーワードまたは当該キーワードを一意に識別するための識別子、生成要求者を一意に識別するための識別情報、生成要求の手続ごとに付与する識別情報もしくはこれらの組合せ)を含んだ個別アドレスTを生成し、これらの識別情報(キーワードまたは当該キーワードの識別子、生成要求者の識別情報、生成要求の手続ごとの識別情報もしくはこれらの組合せ)を無効化テーブルに登録し、発信者から受け付けた個別アドレスTから抽出した識別情報が無効化テーブルに登録されていれば配送不可とする手法を採用することができる。
この無効化手法によれば、悪用されている個別アドレスTに含まれるキーワードまたは当該キーワードの識別子、生成要求者の識別情報、生成要求の手続ごとの識別情報を導き出し、これらの一つまたは組合せを無効化テーブルに登録することで、同じように悪用される可能性が高い一群の個別アドレスTを一括して無効化することが可能になる。また、一つの生成要求に基づいて複数の個別アドレスTを生成する場合に、同一の識別情報を含んだ個別アドレスTをそれぞれ生成することで、同じ生成要求に基づいて生成されて同じように悪用される可能性が高い一群の個別アドレスTを一括して無効化することが可能になる。なお、これらの識別情報を無効化テーブルに登録する場合には、上記した着信者特定情報Rおよび発信者限定情報の組合せとともに登録するようにしてもよい。
また、これとは別の無効化手法としては、図29に示すように、個別アドレスTの生成において、着信者特定情報Rおよび有効条件C(発信者限定情報)の他に、個別アドレスTの生成番号(後に生成される程に値が大きくなるもの)、生成日時もしくはこれらの組合せを含んだ個別アドレスTを生成し、これらの生成番号、生成日時もしくはこれらの組合せを無効化テーブルに登録し、発信者から受け付けた個別アドレスTから抽出した生成番号、生成日時もしくはこれらの組合せが無効化テーブルに登録されていれば配送不可とする手法を採用することができる。これと同様に、生成番号、生成日時もしくはこれらの組合せそのものではなく、生成番号の範囲、生成日時の範囲もしくはこれらの両者の範囲を無効化テーブルに登録し、発信者から受け付けた個別アドレスTから抽出した生成番号、生成日時もしくはこれらの組合せが無効化テーブルに登録されている生成番号の範囲、生成日時の範囲もしくはこれらの両者の範囲に属せば配送不可とする手法を採用することができる。
この無効化手法によれば、所定の生成番号、生成日時もしくはこれらの組合せで特定される個別アドレスTを個別的に無効化することができるだけでなく、悪用されている個別アドレスTに含まれる生成番号や生成日時を導き出し、これらの生成番号や生成日時を含んだ所定の範囲(例えば、ある生成番号よりも古い範囲、ある生成日時から現在までの範囲など)を無効化テーブルに登録することで、同じように悪用される可能性が高い一群の個別アドレスTを一括して無効化することが可能になる。なお、これらの生成番号、生成日時またはこれらの範囲を無効化テーブルに登録する場合には、上記した着信者特定情報Rおよび発信者限定情報や、同じく上記した識別情報(キーワードまたは当該キーワードの識別子、生成要求者の識別情報、生成要求の手続ごとの識別情報)の組合せとともに登録するようにしてもよい。
上記してきたように、無効化された個別アドレスT宛に発信されたメッセージについては配送を許可しないようにすれば、所定の個別アドレスTが悪用されている等の理由から当該個別アドレスTに係るメッセージの配送を停止したい場合には、かかる個別アドレスTを無効化することで当該個別アドレスTに係るメッセージを後発的に拒絶することが可能になる。
(18)着信者Aに配送するメール
また、上記の実施例では、メールヘッダ中の宛先アドレス(TOアドレス)を着信者Aの実アドレスに置換して着信者Aにメールを転送する場合を説明したが、転送に際してのメールヘッダ中の宛先アドレスを置換することは必須ではなく、例えば、転送メールのメールヘッダ中の宛先アドレスは発信者Bが入力した宛先アドレスのままで、着信者メールサーバ3にメールデータを転送する場合の転送プロトコルにおいて、メールの転送先が着信者Aの実アドレスである旨を規定することで、転送メールのメールヘッダ中の宛先アドレスを着信者Aの実アドレスへ置換することなく、着信者Aにメールを転送するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、メッセージ転送サーバ30が、着信者Aの着信者メールサーバ3にメールを転送する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、メッセージ転送サーバ30が着信者Aの着信者メールサーバ3の役割をも有することで、配送判定結果「OK」のメールについては、メッセージ転送サーバ30が備える着信者Aのメッセージボックス(着信者Aの実アドレスに対応するボックス)にメールを振り分けて格納するようにしてもよい。
(19)システム構成等
また、上記の実施例で図示した各装置(例えば、図2に例示したユーザ情報サーバ10、個別アドレス発行サーバ20、メッセージ転送サーバ30など)の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、例えば、個別アドレス発行サーバ20およびメッセージ転送サーバ30を一体として構成するなど、各装置の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施例で説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、キーワード記憶部12に記憶された情報等)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、上記の実施例では、本発明を実現する各装置(例えば、個別アドレス発行サーバ20、メッセージ転送サーバ30など)を機能面から説明したが、各装置の各機能はパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータにプログラムを実行させることによって実現することもできる。すなわち、本実施例1で説明した各種の処理手順は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータ上で実行することによって実現することができる。そして、これらのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。さらに、これらのプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。つまり、例を挙げれば、実施例1に示したような個別アドレス発行サーバ用プログラムや、メッセージ転送サーバ用プログラムを格納したCD−ROM(装置ごとに別個のCD−ROMであってもよい)を配布し、このCD−ROMに格納されたプログラムを各コンピュータが読み出して実行するようにしてもよい。