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JP4491233B2 - 基材上に酸化物層を形成する方法 - Google Patents

基材上に酸化物層を形成する方法 Download PDF

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Description

この発明は、基材上に透明な酸化物層を形成する方法に関し、その方法は、特に光電池、又別に太陽電池と称される電池の製造に特に適用可能である
現時点において、もっとも技術的に進歩した太陽電池は、基材、その基材の表面に形成された一層のTCO(導電性透明酸化物、transparent conductive oxide)、及びその酸化物層の上に形成された光電的に活性な層を有する。この感光性層は、有利には、アモルファスの、微結晶性の、又はナノオーダーの結晶を有する微細結晶性の、p−i−n結合を形成する水素化ケイ素の三層の下層からなる。より正確に言うと、下層における二つの外側層のうち一方は陽にドープされ、他方は陰にドープされ、下層における中間層は固有の層となっている。
この種の電池は、欧州特許出願(特許文献1)の明細書中に、いくつかの態様で、詳細に例示されている。
EP96934294.8 現在までの技術においては、光電池は、一般に、CVD法(化学蒸着法)と言った公知の方法によりガラス基板の上に析出された二酸化錫(SnO2)又は酸化亜鉛(ZnO)からなる透明導電性酸化物層を使用する。前記CVD法は、一般に400〜550℃の温度で行われる。
そして、その方法においては、戸外での使用に対する安全基準を満たしている強化ガラスのような基材を使用することができるので、それは低温度で酸化物層を有利に析出形成させることができる。
しかしながら、上記温度は、強化により付与された基材の特性を損なう効果を有する。
特許文献2は、強化ガラス上に形成された太陽電池を開示する。その太陽電池においては、強化操作が、酸化物層が形成された後に、行われる。層が劣化するのを防止するために、最高650℃までの加熱操作が2分以下の時間をかけて行われ、次いで大気中で急冷される。しかしながら、これらの予防策は、その方法を高価なものにし、強化特性を確実なものにしない。
米国特許第5 252 140 現時点において、製造者は、それ故に、非強化ガラス上に形成された太陽電池で満足しなければならない。その非強化ガラスは脆いので常に粉々に破壊されてしまうと言う潜在的な危険性がある。家屋内でのそれらの使用は制限されてしまい、カーテンウォールの場合には使用禁止とせざるを得ない。
特許文献3及び4は、気相で酸化層を析出させる方法を開示する。その方法では、反応に与る化学物質がキャリヤーガスとともにチャンバに導入され、そのチャンバが吹き込みによりこれらの化合物で飽和される。
米国特許第4 751 149 米国特許第5 002 796 明らかに、そのような方法は、反応条件がより穏やかなものであり、基材の特性を阻害しないことを意味する。それ故に、その方法は、強化ガラス上に太陽電池を形成するために特に使用されることができる。しかしながら、キャリヤーガスの飽和限界を支配する熱力学的平衡が温度及びキャリヤーガスの流速に依存するので、その方法は関与する大量の反応物を適正に制御し得ない。製造のための全経路を通じて正確に反応温度を維持することに問題があるので、製造プラントでは冷却温度における反応物の制御が不能になることを考慮しなければならないと言うリスクがある。その層の均一性及び再現性を確実にするのが、かなり困難になる。
この発明の目的は、強化ガラスで形成された基材、及び高温度(300℃以上)に対する耐久性の貧弱な他の材料で形成された基材の使用を可能にするのみならず、関与する大量の反応物の正確な制御を可能にし、それによって供給系内の実験条件が不慮の事態を避けるのに充分である析出方法を提供することにある。
より正確には、この発明は、チャンバ内に配置された基材の表面上に導電性透明酸化物層を析出させる方法に関し、その特徴とするところは、
−酸素を基礎にした液状化合物、酸化物を形成するようにし向けられた金属の液状化合物、及びガス状又は液状でドーパントをそれぞれ含む原料を供給し、
−チャンバ内の温度を130〜300℃の範囲内にするとともに圧力を0.01〜2mbarの範囲内に確立し、
前記液状化合物の表面から液体を、前記チャンバ内の圧力と前記原料を装填したコンテナ内の圧力とを前記圧力範囲に一定に保持し、かつ前記コンテナを前記チャンバに直接に結合することによって蒸発させ、キャリヤーガスを使用する必要もなくチャンバ内に前記原料を導入することができ、酸化物層が基材の表面上で形成されるようにドーパントとそれら原料とを共に反応させることができるチャンバに設けられた連絡路に前記原料を導入することである。


この発明によると、上記反応温度が低すぎて酸化物を形成するような化学反応が生じない場合であっても、化学蒸着が、析出用ガスのプラズマ中で起こってチャンバ内で形成される。この化学蒸着は、好適には、当業者によく知られたところのPECVD(Plasma-enhanced chemical deposition)と称される技術を使用して、形成される。
この発明はまた、光電池に関し、その特徴とするところは、
−基材と、
−上記のように定義された方法により基材の表面上に析出された導電性透明酸化物層と、
−その酸化物層の表面上に析出された光電活性層とを備えることである。
有利には、その電池における活性層は、非晶質、微結晶性又はナノオーダの結晶性である、p-I-n接合を形成する水素化ケイ素の三層の下層からなり、その外側の層はそれぞれ正にドープされ、また負にドープされる。
有利には、その基材は、ガラスで形成され、好適には強化ガラスで形成され、しかしながら、ステンレス鋼、アルミニウム又は高分子で形成されていても良い。
この発明の他の態様は、添付された図面とともに以下の記述から明らかになる。
図1に示される電池は、基板10として、強化ガラスの薄板を使用する。その強化ガラスの薄板は、約1〜8mmの厚みを有し、その表面上には、導電性透明酸化物(TCO)層12が典型的には0.2〜4μmの厚みをもって析出形成されている。
該層12は、有利には、二酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)又は錫亜鉛酸化物により形成され、後述する方法を使用する化学気相蒸着(CVD)により析出されてなる。
光電活性層14は、約0.2〜10μmの厚みを有し、酸化物層12上に析出される。それは、非晶質、微結晶性又はナノオーダの結晶性である、p-i-n接合を形成する水素化ケイ素の三層16,18,20の下層からなる。その外側の層16及び20は、それぞれ正にドープされ、また負にドープされる。
最後に、その電池はまた、例えば酸化亜鉛で形成され、活性層14の表面上に析出された後部接触層22、及び、例えば銀又はアルミニウムで形成され、層22の表面上に析出された反射層24を含む。
特にn-i-p接合を使用する他の電池の構造は、同様の強化ガラス基材及び同様の透明酸化物層の上に製造されることができる。それらは、上述したEP特許明細書に詳細に記述されている。
図2を参照すると、強化ガラス板10の表面上に酸化亜鉛層12をCVD析出させるための装置が示されている。この図において、26は、強化ガラス板が載置された加熱支持体28を備えた密閉チャンバである。チャンバ26は、真空ポンプ30に結合され、コンテナ32,34,36に結合される。第1のコンテナ32は水を装填し、第2のコンテナ34はジエチル亜鉛((CZn)を装填し、第3のコンテナ36はドーパント、有利にはジボラン(B)を装填する。勿論、この技術分野における当業者によく知られた亜鉛及び他のドーパントが、使用されることもできる。2基のコンテナ32及び34の内容物は液体である。一方、第3のコンテナ36の内容物は、例えば窒素、アルゴン又は水素のようなガスで希釈された、0.5〜2%のジボランを含有するガス混合物である。それらコンテナ32,34は、チャンバに直接に結合される。そのチャンバ36は、コンテナ34の分配ラインに先ず結合されるが、チャンバに直接に結合されていても良い。
操作として、チャンバ26が、加熱された支持体28を使用して、約180℃の温度に加熱される。もっとも加熱温度は130〜300℃の範囲内にあっても良い。一方、ポンプ30は、チャンバ内の圧力を0.3〜0.5mbarにまで低下させるが、チャンバ内の圧力は0.01〜20mbarの範囲内であって良い。コンテナ32,34,36をチャンバ26に接続する調節弁(図示せず。)が、次いで開放状態にされる。チャンバ内で達成された極めて低圧のために、コンテナ内に液状で装填されているジエチル亜鉛及び水が、その表面で蒸発し、ガス状になり、チャンバに吸引され、強化ガラス板10の表面上に公知の反応に従って所望の酸化亜鉛層12を析出させるためにドーパントガス(B)と反応する。
操作が比較的に低温度で行われるので、強化ガラスはその特性劣化を生じることがない。更に、装置内での均一で低い圧力に起因して、蒸発したガスがチャンバ内に導入される前のリスクについて考慮を払う必要はない。
上記方法は、関与する化学反応が上記温度ではいかなる問題も引き起こさないので、ジボランをドープした酸化亜鉛を析出させるのに全く適している。これに対し、二酸化錫又は酸化亜鉛がCVDによってより安定なドーパント例えば四フッ化メタン(CF)とともに析出される場合には、これらの温度は低すぎて反応が通常進行しない。
この発明によると、酸化物層が、プラズマ強化化学蒸着法又はPECVD法により、析出される。この場合において、チャンバ26には、加熱支持体28の上方に配置されるところの、電極、例えばグリッド38の形態をした電極が装備され、電源40がこの電極と支持体とに印加結合される。
このように、操作において、温度及び圧力が上記した範囲内の値に維持されるにも拘わらず、チャンバ26内に導入されたガスは、電極38と支持体28との間で、プラズマを発生させる。活性ラジカルがプラズマにより発生し、通常必要とされるよりも実質的に低い温度で化学反応が酸化物層被覆を引き起こす。このようにして、基材の特性が保持される。
有利には、所望のSnO被覆を得るために、コンテナ34は、例えばテトラメチル錫((CHSn)を含有し、コンテナ36は、ドーパントとして四フッ化メタン(CF)を含有する。この技術分野においてよく知られた他の化合物も使用することができることは、言うまでもない。
コンテナ32内の水は他の酸素含有化合物(NO、CHOH、COH等)で置換することができ、コンテナ36に装填されるドーパントもまた液状の形態であっても良い。
以上の記載は強化ガラス基材に関するが、この発明の適用として、カーテンウォールの場合においても特に有益である。しかし、他の基材、例えば通常のガラス、ステンレス鋼、高分子等もまたこの発明の範疇の範囲内で使用されることのできることは、言うまでもない。
図1は、この発明による電池の断面図である。 図2は、この発明に係る電池を製造する装置を示す概念図である。
符号の説明
10 基板
12 導電性透明酸化物層、酸化亜鉛層、層
14 光電活性層
16 外側の層
20 外側の層
22 後部接触層
24 反射層
26 チャンバ
28 加熱支持体、支持体
30 真空ポンプ
32,34,36 コンテナ
38 電極
40 電源

Claims (5)

  1. チャンバ(26)内に配置された基材(10)の表面上に導電性透明酸化物層(12)を析出させる方法であって、
    −酸素を基礎にした液状化合物、酸化物を形成するようにし向けられた金属の液状化合物、及びガス状又は液状でドーパントをそれぞれ含む原料(32,34,36)を供給し、
    −チャンバ内の温度を130〜300℃の範囲内にするとともに圧力を0.01〜2mbarの範囲内に確立し、
    −前記液状化合物の表面から液体を、前記チャンバ内の圧力と前記原料を装填したコンテナ内の圧力とを前記圧力範囲に一定に保持し、かつ前記コンテナを前記チャンバに直接に結合することによって蒸発させ、キャリヤーガスを使用する必要もなくチャンバ内に前記原料を導入することができ、酸化物層が基材の表面上で形成されるようにドーパントとそれら原料とを共に反応させることができるチャンバに設けられた連絡路に前記原料を導入すること
    を特徴とする方法。
  2. 酸化亜鉛の層を析出するための前記請求項1に記載された方法であって、該原料(32,34,36)が、水、液状のテトラメチル錫及びジボランを主成分とするガス混合物であることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載された方法であって、チャンバ内で気化した液体のプラズマを形成することを更に含む前記請求項1に記載の方法。
  4. 酸化錫の層を析出するための請求項3に記載された方法であって、前記原料(32,34,36)が、水、液状のテトラメチル錫、及び四フッ化メタンを主成分とするガス混合物であることを特徴とする方法。
  5. 酸化亜鉛の層を析出するための請求項3に記載された方法であって、前記原料(32,34,36)が、水、液状のジエチル亜鉛、及び四フッ化メタンを主成分とするガス混合物であることを特徴とする方法。
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