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JP4461783B2 - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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JP4461783B2 JP2003393173A JP2003393173A JP4461783B2 JP 4461783 B2 JP4461783 B2 JP 4461783B2 JP 2003393173 A JP2003393173 A JP 2003393173A JP 2003393173 A JP2003393173 A JP 2003393173A JP 4461783 B2 JP4461783 B2 JP 4461783B2
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Description

本発明は、被噴射液を吐出する液体噴射ヘッドに関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面の圧電体層を形成して、圧電体層の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドに適用して好適なものである。
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。また、このような圧電素子は、例えば、湿気等の外部環境に起因して破壊され易いという問題がある。この問題を解決するために、圧力発生室が形成される流路形成基板に、圧電素子保持部を有する封止基板を接合し、この圧電素子保持部内に圧電素子を密封するようにしたものがある。
そして、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法としては、シリコンウェハの表面に振動板及び圧電素子を形成し、このシリコンウェハ上に封止基板形成材を接合した後、シリコンウェハの封止基板形成材とは反対側の面を異方性エッチングすることによって圧力発生室等を形成する。また、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法では、シリコンウェハに封止基板形成材を接合後、異方性エッチングによって圧力発生室を形成しているため、圧力発生室を形成する際、封止基板形成材の表面を、例えば、樹脂材料等からなる保護膜によって覆い、エッチング液による圧電素子等の破壊を防止していた。
しかしながら、このような保護膜は、封止基板上に樹脂材料等を塗布して硬化させることにより形成しているため、保護膜を形成する作業に比較的手間がかかっていた。また、このような保護膜は、圧力発生室形成後にエッチング等によって除去しているため、保護膜の除去にも手間がかかり、製造効率が低くコストが高くなってしまうという問題があった。さらに、封止基板形成材には貫通孔等が形成されており形状が複雑であるため、保護膜によって封止基板形成材を完全に保護するのは難しいという問題があった。
このような問題を解決するために、封止基板形成材の周縁部にシリコン単結晶基板からなる保護基板を接合し、この保護基板で封止基板形成材の表面を覆った状態でシリコンウェハをエッチングして圧力発生室を形成するインクジェット式記録ヘッドの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような製造方法によれば、樹脂材料を塗布して形成した保護膜を用いた製造方法と比較すると、製造効率を向上することはできるかもしれないが、保護基板を切断して除去しているため、やはりある程度の時間が必要となり十分に製造効率が向上しているとは言えない。また、保護基板の材料であるシリコンウェハは比較的高価であるため、コストが増加してしまうという問題もある。なお、このような問題は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液滴を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
特開2003−220708号公報(特許請求の範囲)
本発明は、このような事情に鑑み、圧力発生室を良好に形成することができ、且つ製造効率を向上できると共にコストを大幅に削減できる液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板上に振動板を介して設けられ前記圧力発生室に圧力を付与する圧電素子と、前記圧電素子を保護する圧電素子保持部を有する保護基板と、を具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記流路形成基板が一体的に形成される流路形成基板用ウェハ上に前記振動板及び前記圧電素子を形成する工程と、前記保護基板が一体的に形成される保護基板用ウェハを前記流路形成基板用ウェハ上に接合すると共に前記保護基板用ウェハの前記保護基板となる領域上に保護シートを配置して前記保護基板用ウェハの表面全面に封止シートを接着した後、前記流路形成基板用ウェハをエッチングすることにより前記圧力発生室を形成する工程と、前記保護シートを配置した領域の前記封止シートと、前記保護シートとを除去する工程と、前記圧力発生室が形成された前記流路形成基板用ウェハと前記保護シートの配置領域の外側に前記封止シートが残存する前記保護基板用ウェハと、を所定の大きさに分割する工程と、を有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第1の態様では、保護基板用ウェの表面が封止シートにより完全に封止されているため、流路形成基板用ウェハに圧力発生室等をエッチングにより形成する際に、例えば、KOH等のエッチング液による圧電素子等の破壊を確実に防止できる。また、保護シートを設けることで、保護基板(保護基板用ウェハ)上に設けられる配線パターン等への悪影響、例えば、配線パターンの剥離や損傷等が確実に防止される。また、封止シートを比較的容易に除去することができるため、製造効率が大幅に向上する
本発明の第2の態様は、前記保護シートがフッ素樹脂からなることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第2の態様では、保護シートによる保護基板用ウェハの表面への悪影響が抑えられる。
本発明の第3の態様は、前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする第2の態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第3の態様では、保護シートによる保護基板用ウェハの表面への悪影響がより確実に抑えられる。
本発明の第4の態様は、前記封止シートを前記保護基板用ウェハに接合する工程では、前記保護基板用ウェハの少なくとも前記保護基板となる領域上を除く前記保護基板用ウェハの周縁部に、前記封止シートを選択的に接合することを特徴とする第1〜3の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第4の態様では、封止シートを比較的容易に除去できる。また、保護基板(保護基板用ウェハ)上に設けられる配線パターン等に悪影響を及ぼすことがない。
本発明の第5の態様は、前記封止シートがポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)からなることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第5の態様では、封止シートとして用いているPPTAが流路形成基板用ウェハ及び保護基板用ウェハであるシリコンウェハと略同等の線膨張係数を有するため、流路形成基板用ウェハ等をエッチングする際の熱による各ウェハの変形(反り)を防止することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
このような圧力発生室12等が形成される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ましい。例えば、1インチ当たり180個(180dpi)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望ましくは、220μm程度とするのが好適である。また、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。本実施形態では、圧力発生室12の配列密度を360dpi程度としているため、流路形成基板10の厚さを約70μmとしている。
なお、このような流路形成基板10は、図3に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ100に複数個が一体的に形成され、詳しくは後述するが、この流路形成基板用ウェハ100に圧力発生室12等を形成した後、この流路形成基板用ウェハ100を分割することによって形成される。
また、流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられた絶縁膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、このような各圧電素子300の上電極膜80には、例えば、金(Au)等からなるリード電極90がそれぞれ接続され、このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加される。
また、流路形成基板10上の圧電素子300側の面には、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板30が接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。また、保護基板30には、流路形成基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部32が設けられている。そして、このリザーバ部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110を構成している。さらに、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域には、この保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90は、この貫通孔33まで延設されており、図示しないがワイヤボンディング等により圧電素子300を駆動するための駆動IC等と接続される。なお、保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ110に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
なお、このようなインクジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ110からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない駆動回路からの記録信号に従い、外部配線を介して圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このような本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法について説明する。なお、図4〜図7は、インクジェット式記録ヘッドの製造工程を説明する図であり、圧力発生室の長手方向の断面図である。
まず、図4(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ100を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜52を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ100として、基板厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
次いで、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、ジルコニウム(Zr)層を形成後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。次いで、図4(c)に示すように、例えば、白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜60を形成後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。
次に、図4(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80とを流路形成基板用ウェハ100の全面に形成する。次いで、図5(a)に示すように、圧電体層70及び上電極膜80をパターニングして、各圧力発生室12となる領域に圧電素子300を形成する。次いで、図5(b)に示すように、リード電極90を流路形成基板10の全面に亘って形成すると共に圧電素子300毎にパターニングする。
次に、図5(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ100の圧電素子300側に、シリコンウェハであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハ130を接合する。なお、この保護基板用ウェハ130は、例えば、400μm程度の厚さを有するため、保護基板用ウェハ130を接合することによって流路形成基板用ウェハ100の剛性は著しく向上することになる。
次に、図6(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ100をある程度の厚さとなるまで研磨した後、更に弗化硝酸によってウェットエッチング、例えば、スピンエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ100を所定の厚みにする。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ100を約70μm厚になるようにエッチング加工した。
次いで、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ100上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜51を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図6(c)に示すように、保護基板用ウェハ130に、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)からなる封止シート140を接着剤によって接着することにより、保護基板用ウェハ130の表面をこの封止シート140で覆って封止する。すなわち、保護基板用ウェハ130を厚さ方向に貫通して形成されているリザーバ部32等が封止シート140によって完全に封止されるようにする。
このとき、封止シート140は、保護基板用ウェハ130の周縁部に接着し、保護基板30となる領域には接着されないようにするのが好ましい。ここで言う保護基板用ウェハ130の周縁部とは、保護基板用ウェハ130の表面の周縁部はもちろん、流路形成基板用ウェハ100又は保護基板用ウェハ130の外周面を含む。すなわち、封止シート140は、保護基板用ウェハ130の表面の周縁部に限らず、封止シート140を保護基板用ウェハ130の外周面、または流路形成基板用ウェハ100の外周面に接着するようにしてもよい。
また、本実施形態では、封止シート140は、保護基板用ウェハ130との間に保護シート150を介在させた状態で接着されている。すなわち、封止シート140の全面に接着剤を塗布して保護基板用ウェハ130の保護基板30となる部分に対向する領域に保護シート150を接着する。そして、封止シート140を、この保護シート150が接着された状態で保護基板用ウェハ130に接着するようにしている。これにより、例えば、封止シート140に付着している塵や埃等の異物が保護基板用ウェハ130の表面に付着するのを防止できる。また、保護シート150は、保護基板用ウェハ130の表面に予め設けられている図示しない配線パターンの剥離や損傷等を防止する効果もある。
このような保護シート150の材料としては、保護基板用ウェハ130の表面に悪影響を及ぼさない材料、すなわち、保護基板用ウェハ130の表面に干渉しない高分子材料を用いるのが好ましい。このような材料としては、例えば、フッ素樹脂等を挙げることができ、本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いている。
なお、本実施形態では、保護シート150が接着された封止シート140を保護基板用ウェハ130に接着するようにしたが、これに限定されず、勿論、封止シート140と保護シート150とは接着されていなくてもよい。また、勿論、保護シート150は設けなくてもよいが、何れにしても、封止シート140は、保護基板用ウェハ130の周縁部のみに接着し、保護基板用ウェハ130の保護基板30となる領域には接着されないようにするのが好ましい。また、保護シート150を設けない場合には、保護基板用ウェハ130と封止シート140との間に空間が確保されているようにするのが望ましい。
また、封止シート140と保護基板用ウェハ130とを接着するための接着剤は、封止シート140又は保護基板用ウェハ130の何れに塗布してもよい。接着剤の塗布方法も特に限定されず、封止シート140に塗布する場合には、例えば、フィルム転写方法等を用いればよい。また、保護基板用ウェハ130に塗布する場合には、例えば、ディスペンサ等により直接塗布するようにすればよい。
そして、このように封止シート140を接着した後は、マスク膜51を介して流路形成基板用ウェハ100を異方性エッチングすることにより、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ100に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。このとき、保護基板用ウェハ130の表面は封止シート140によって覆われて流路形成基板用ウェハ100の圧電素子300側の面が完全に封止されているため、流路形成基板用ウェハ100又は圧電素子300がエッチング液によって破壊されるのを確実に防止することができる。
また、本発明の封止シート140は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)からなり、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ100及び保護基板用ウェハ130と略同等の熱膨張係数を有するため、流路形成基板用ウェハ100のエッチング時等に発生する熱により各ウェハ100,130に反り等の変形が生じることがない。したがって、圧力発生室12等をエッチングにより高精度に形成することができ、良好な吐出特性が得られるインクジェット式記録ヘッドを実現することができる。
具体的には、流路形成基板用ウェハ100をエッチングする際には、各ウェハ100,130及び封止シート140は、約80℃程度まで加熱されるため、この熱によって膨張してしまう。このため、流路形成基板用ウェハ100及び保護基板用ウェハ130と封止シート140との線膨張係数が大きく異なると、その膨張率の違いによって各ウェハ100,130が変形して割れてしまう虞がある。また、例えば、この熱によって封止シート140を接着している接着剤が一旦軟化する場合がある。この場合には、封止シート140は熱により膨張した状態で保護基板用ウェハ130に固定されてしまい、エッチング終了後に各ウェハ100,130及び封止シート140が冷却されて収縮する際に、各ウェハ100,130が変形して割れてしまう虞がある。
しかしながら、本発明では、封止シート140がポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)からなり、この封止シート140の線膨張係数(2.0×10−6/℃)が、シリコンウェハの線膨張係数(3.0×10−6/℃)と略同等であるため、加熱又は冷却により各ウェハ100,130及び封止シート140はほぼ同じ量だけ膨張又は収縮することになり、各ウェハ100,130に反り等の変形が生じることはない。
なお、封止シート140の材料として、耐アルカリ性を有する他の材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いても、保護基板用ウェハ130の表面を封止することはできるが、線膨張係数が3.0×10−5/℃であり、シリコンウェハの線膨張係数とは大きく異なり、上述したように各ウェハ100,130に変形が生じる虞があるため好ましくない。
次に、図7(b)に示すように、封止シート140を、保護基板用ウェハ130とは接着されていない領域、例えば、本実施形態では、保護シート150によって形成されている空間部分に沿って切断し、封止フィルム140及び保護フィルム150を除去する。このように封止シート140だけを切断し、封止シート140等を除去するようにすれば、封止シート140の除去に必要な時間を著しく短縮することができ、製造効率を大幅に向上することができる。
なお、その後は、図7(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ100及び保護基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分、すなわち、封止シート140が接着されていた部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ100の保護基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハ100等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとする。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。また、上述した実施形態においては、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を一例として本発明を説明したが、これに限定されず、本発明は、広く液体噴射ヘッドの製造方法全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る流路形成基板用ウェハを示す斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 11 隔壁、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 50 弾性膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 100 流路形成基板用ウェハ、 110 リザーバ、 130 保護基板用ウェハ、 140 封止シート、 150 保護シート、 300 圧電素子

Claims (5)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板上に振
    動板を介して設けられ前記圧力発生室に圧力を付与する圧電素子と、前記圧電素子を保護
    する圧電素子保持部を有する保護基板と、を具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記流路形成基板が一体的に形成される流路形成基板用ウェハ上に前記振動板及び前記圧電素子を形成する工程と、
    前記保護基板が一体的に形成される保護基板用ウェハを前記流路形成基板用ウェハ上に
    接合すると共に前記保護基板用ウェハの前記保護基板となる領域上に保護シートを配置し
    て前記保護基板用ウェハの表面全面に封止シートを接着した後、前記流路形成基板用ウェ
    ハをエッチングすることにより前記圧力発生室を形成する工程と、
    前記圧力発生室を形成後、前記保護シートを配置した領域の前記封止シートと前記保護シートとを除去する工程と、
    前記圧力発生室が形成された前記流路形成基板用ウェハと前記保護シートの配置領域の
    外側に前記封止シートが残存する前記保護基板用ウェハとを所定の大きさに分割する工
    程と、
    を有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法
  2. 前記保護シートがフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッ
    ドの製造方法。
  3. 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする請
    求項2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 前記封止シートを前記保護基板用ウェハに接合する工程では、前記保護基板用ウェハの
    少なくとも前記保護基板となる領域上を除く前記保護基板用ウェハの周縁部に、前記封止
    シートを選択的に接着することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射
    ヘッドの製造方法。
  5. 前記封止シートがポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)からなることを特
    徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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