JP4206790B2 - Diene rubber / inorganic compound composite and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジエン系ゴム・無機化合物複合体及びその製造方法、更に詳しくは、ジエン系ゴム中への無機化合物の分散性が高く、凝固時のクラム径を比較的大きな複合体とすることによって、ジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造時の作業性を向上させることのできる製造方法に関する。本発明により得られるジエン系ゴム・無機化合物複合体は、タイヤトレッド等のタイヤ用ゴムの他、ベルト、ゴムロール、ホース等の各種ゴム製品の原料ゴムとして利用され、耐摩耗性に優れる。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ用等のゴム組成物を構成する補強剤として、シリカ等の無機充填剤が、カーボンブラック等と組み合わせてよく用いられている。このような補強剤は、ゴム原料等とともに乾式混練され、得られるゴム組成物を用いてタイヤ等のゴム製品が製造される。
近年、ジエン系ゴム中に無機化合物が均一に分散されるようなジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法(特許文献1参照)が開示されているが、この方法では、得られる複合体のクラム径の大きさが50μm以下と小さく、ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得るための製造工程において、取り扱いに手間を要し、作業性が悪いという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−241507号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するものであり、ジエン系ゴム中への無機化合物の分散性が高く、比較的大きなクラム径とすることによって、ジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造時の作業性を向上させることのできる製造方法、並びに、耐摩耗性に一段と優れるゴム製品を与えるジエン系ゴム・無機化合物複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下に示される。
1.ジエン系ゴムと下記一般式(I)で表される無機化合物とを含む複合体の製造方法であって、上記無機化合物及び/又は該無機化合物形成物質と、アニオン性化合物と、上記ジエン系ゴムの水系分散液とを混合する工程を備え、上記無機化合物形成物質が金属塩、金属のオキソ酸塩及び有機金属化合物から選ばれる少なくとも1種であり、上記アニオン性化合物がカルボキシル基、スルホン酸基及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種を有するアニオン性界面活性剤であり、上記無機化合物の量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜200質量部であり、上記アニオン性化合物の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部であることを特徴とするジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
wM・xSiOy・zH2O (I)
(式中、Mは、Al、Mg、Ti及びCaから選ばれる少なくとも1種の金属元素、金属酸化物又は金属水酸化物であり、w、x、y及びzはそれぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
2.上記無機化合物形成物質は、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム(六水和物)、硝酸マグネシウム(六水和物)、硫酸マグネシウム、三塩化チタン、四塩化チタン及びアルミン酸塩から選ばれる少なくとも1種である上記1に記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
3.上記無機化合物が、γ−アルミナ、アルミナ一水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、焼成クレー及びカオリンから選ばれる少なくとも1種であり、上記無機化合物形成物質が、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である上記1又は2に記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
4.上記アニオン性化合物が、カルボキシル基を有するアニオン性界面活性剤である上記1乃至3のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
5.上記アニオン性化合物が、ロジン酸塩、脂肪酸塩、ナフテン酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルサルコシン塩及びN−アシルグルタミン酸塩から選ばれる少なくとも1種である上記1乃至4のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
6.上記無機化合物が、γ−アルミナ、アルミナ一水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、焼成クレー及びカオリンから選ばれる少なくとも1種であり、上記無機化合物形成物質が、硫酸アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種であり、上記アニオン性化合物が、ロジン酸塩であり、上記無機化合物の量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜67質量部であり、上記アニオン性化合物の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜6質量部である上記1に記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
7.上記工程により得られる混合液より、金属塩を含む電解液を用いて、ジエン系ゴムと上記無機化合物とを共凝固させ、その後これをろ別し、次いで乾燥する工程を備える上記1乃至6のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
8.上記ジエン系ゴムは、ヘテロ原子を含有する極性基を有するジエン系ゴムである上記1乃至7のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
9.上記極性基は、ヒドロキシル基、オキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、イミノ基、アミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、及びジアゾ基から選ばれる少なくとも1種である上記8に記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
10.上記一般式(I)で表される無機化合物が、下記一般式(II)で表される無機化合物である上記1乃至9のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
Al2O3・mSiO2・nH2O (II)
(式中、mは0〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
11.上記ジエン系ゴムの水系分散液は、乳化重合によって合成されたジエン系ゴムラテックスである上記1乃至10のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
12.上記工程により得られる混合液に、更に、同一のジエン系ゴムの水系分散液を混合する工程を備える上記1乃至11のいずれかに記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
13.上記1乃至12のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とするジエン系ゴム・無機化合物複合体。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、無機化合物の分散性の高いジエン系ゴム・無機化合物複合体を高い生産性をもって製造することができる。凝固工程によって得られる複合体のクラム径の大きさが5mm以上と大きいため、ジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造時の作業性が一層向上する。また、本製造方法により得られたジエン系ゴム・無機化合物複合体を用いることによって、耐摩耗性等ゴム特性に優れたゴム製品を与えるゴム組成物を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係わる「ジエン系ゴム」は、ゴムを構成する単量体単位として共役ジエン系単量体単位を有しているものであり、特に限定はされないが、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジエン系ゴムとしては、共役ジエン系単量体を単独で、あるいは、共役ジエン系単量体と、芳香族ビニル単量体及びオレフィン性不飽和ニトリル単量体から選ばれる単量体とを乳化重合させて得られたものが好ましく、例えば、乳化重合ブタジエンゴム、乳化重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム、乳化重合アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、乳化重合アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。
また、上記ジエン系ゴムは油展ゴムであってもよいし、非油展ゴムであってもよい。更には、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0008】
本発明の製造方法において用いられる「ジエン系ゴムの水系分散液」は、上記例示したジエン系ゴムが、好ましくは水系媒体に分散されたものであり、特に限定されるものではない。また、上記例示したジエン系ゴムの分散方法についても同様である。分散媒は通常、水であるが、水にアルコール等が溶解する水系媒体であってもよい。上記分散液としては、乳化重合により得られるジエン系ゴムラテックスが好ましい。その形態としては、天然ゴムラテックス、ジエン系合成ゴムを再乳化させたエマルジョン、水系媒体中で重合することにより生成するジエン系合成ゴムエマルジョン及びジエン系合成ゴム分散液等が挙げられる。これらは、それぞれ1種単独で、あるいはジエン系ゴムの種類若しくは水系分散液の種類を問わず、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0009】
上記共役ジエン系単量体(以下、「共役ジエン」ともいう。)としては、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレン等が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。また、上記共役ジエンは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0010】
上記芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン等が挙げられる。これらのうち、スチレンが好ましい。また、上記芳香族ビニル単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
上記オレフィン性不飽和ニトリル単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。これらの単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明の製造方法において用いられるジエン系ゴムとしては、上記単量体から形成される単量体単位からなるジエン系ゴムのみならず、ヘテロ原子を含有する極性基を有するジエン系ゴムを用いることができる。この場合には、得られる複合体に含まれる無機化合物の分散性及び得られるゴム製品の補強特性がともに向上する。
【0013】
上記ヘテロ原子としては、周期律表の第2周期ないし第4周期で、且つ第5B族又は第6B族に属する原子、具体的には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子等が挙げられる。これらのうち、窒素原子、酸素原子等が好ましい。このようなヘテロ原子を含有する極性基としては、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、イミノ基、アミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、更には、含酸素複素環基、含窒素複素環基、含硫黄複素環基等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、スルフィド基、スルホニル基、アミノ基、含窒素複素環基、アルコキシシリル基等が好ましく、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、含窒素複素環基、アルコキシシリル基等が更に好ましく、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、含窒素複素環基、アルコキシシリル基等がより更に好ましく、特にヒドロキシル基又はアミノ基が最も好ましい。
【0014】
上記極性基を有するジエン系ゴムとするためには、通常、共役ジエン等の単量体と、上記極性基を有するビニル系単量体とを重合することによって得ることができる。
この極性基を有するビニル系単量体は、分子内に少なくとも1つの極性基を有する重合性単量体であれば特に制限はされない。その例としては、ヒドロキシル基を有するビニル系単量体、アミノ基を有するビニル系単量体、ニトリル基を有するビニル系単量体、カルボキシル基を有するビニル系単量体、アルコキシシリル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。これらのうち、カルボキシル基を有するビニル系単量体、アルコキシシリル基を有するビニル系単量体、アミノ基を有するビニル系単量体が好ましい。また、上記ビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
上記ヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、1分子中に少なくとも1個の第1級、第2級又は第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられる。このようなヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、それぞれヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体、ビニルエーテル系単量体、ビニルケトン系単量体等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体が好ましい。
このヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル、アミド、無水物等の誘導体が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタアクリル酸等のエステル化合物が好ましい。
【0016】
上記ヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば、2〜23)のモノ(メタ)アクリレート類、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基を有する不飽和アミド類、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基を有するビニル芳香族化合物、(メタ)アリルアルコール等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基を有するビニル芳香族化合物が好ましい。これらのヒドロキシル基を有するビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
上記ニトリル基を有するビニル系単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられ、これらのニトリル基を有する単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
上記アミノ基を有するビニル系単量体としては、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を有する重合性単量体が挙げられる。これらのうち、第3級アミノ基を有するビニル系単量体(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、第3級アミノ基を有するビニル芳香族化合物等)が特に好ましい。また、上記アミノ基を有するビニル系単量体は、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
第1級アミノ基を有するビニル系単量体としては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、p−アミノスチレン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第2級アミノ基を有するビニル系単量体としては、(1)アニリノスチレン類、例えば、アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−メチル−β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等、(2)アニリノフェニルブタジエン類、例えば、アニリノフェニルブタジエン及びその誘導体としては、1−アニリノフェニル−1.3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等、(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタアクリルアミド等N−モノ置換(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0020】
第3級アミノ基を有するビニル系単量体としては、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリレート、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物及びピリジル基を有するビニル化合物等が挙げられる。
上記のN,N−ジ置換アミノアクリレートとしては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸又はメタアクリル酸のエステル等が挙げられる。これらのうち、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0021】
上記N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミドとしては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物又はメタアクリルアミド化合物等が挙げられる。これらのうち、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
【0022】
上記のN,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物としては、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、N,N−ジプロピルアミノエチルスチレン、N,N−ジオクチルアミノエチルスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。
【0023】
また、アミノ基の代わりに含窒素複素環基であってもよく、この含窒素複素環としては、ピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。これらの含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。
含窒素複素環基のうち、ピリジル基を有するビニル化合物としては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらのうち、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が好ましい。また、これらのピリジル基を有するビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
上記エポキシ基を有するビニル系単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエポキシ基を有するビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
上記カルボキシル基を有するビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸類、フタル酸、コハク酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基を有するエステル類及びその塩等が挙げられる。これらのうち、不飽和カルボン酸類が好ましい。これらのカルボキシル基を有するビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
上記アルコキシシリル基を有するビニル系単量体としては、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベジロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベジロキシシランや、特開平7−188356号公報等で開示されるトリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン等が挙げられる。これらのアルコキシシリル基を有するビニル系単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
上記ジエン系ゴムを構成する各単量体単位の含有量は、要求される特性に応じて適宜選択され、単量体単位の全量を100質量%とした場合、共役ジエン単量体単位量が、通常、40〜100質量%、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜85質量%の範囲であり、芳香族ビニル単量体単位量が、通常、0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%の範囲である。そして、ヘテロ原子を含有する極性基を有するジエン系ゴムの場合には、その極性基を有する単量体の極性の大きさに応じて適宜選択されるが、その単量体からなる単量体単位の含有量は、通常、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%である。この単量体単位の含有量が0.01質量%未満であると、たとえ大きな極性を有する単量体を用いた場合であっても、複合体を構成することとなる無機化合物との相互作用が小さくなることがあり、それによって、本発明の効果を十分に得られないことがある。一方、20質量%を超えて含有する場合には、無機化合物と強く凝集し加工が困難となる傾向にある。尚、この各単量体単位の含有量を有するジエン系ゴムを用いた場合には、その中に無機化合物が均一に分散した複合体、更には、耐摩耗性に一段と優れるゴム製品を与えるゴム組成物を得ることができる。
【0028】
上記ジエン系ゴムの重合方法は特に限定されず、ラジカル重合法、アニオン重合法等が挙げられる。ラジカル重合法としては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等があるが、本発明においてはジエン系ゴムの水系分散液を用いるため、重合終了時に安定な乳化分散液が得られる乳化重合が特に好ましい。この乳化重合は、公知の方法を適用でき、所定の単量体を乳化剤の存在下に水系媒体中で乳化させ、ラジカル重合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率に達した後、重合停止剤にて重合を停止する等によってジエン系ゴムを得ることができる。
【0029】
上記乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。安定な乳化分散液が得るためには、通常、アニオン系界面活性剤が多用され、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩等が用いられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩及びナトリウム塩等が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。
【0030】
上記ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるジアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
ジエン系ゴムの分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、タ−ピノーレン、γ−テルピネン類及びα−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
【0032】
乳化重合によるジエン系ゴムの重合において、各々の単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に各成分を連続的あるいは間欠的に追加し、添加してもよい。本発明に係わるジエン系ゴムの重合は、酸素を除去した反応器を用いて、通常、0〜100℃の温度で、好ましくは0〜80℃で行うことができる。反応途中で温度あるいは攪拌等の操作条件等を適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
【0033】
また、重合転化率が大きくなるとゲル化することがあり、重合転化率は80%以下に抑えることが好ましく、特に、重合転化率30〜70%の範囲で重合を停止することが好ましい。重合の停止は所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等が挙げられる。重合停止後、反応系から必要に応じて水蒸気蒸留等の方法により未反応単量体を除去し、ジエン系ゴムが分散するラテックスとすることができる。
【0034】
本発明において、上記ジエン系ゴムの水系分散液としては、上記ラテックスをそのまま用いてもよいし、ゴム用伸展油が添加された油展ゴムとして分散しているものを用いてもよい。このゴム用伸展油としては特に限定されず、例えば、ナフテン系、パラフィン系、芳香族系のプロセスオイル等を用いることができる。油展ゴムとするためのゴム用伸展油の使用量は、ラテックスに含まれるジエン系ゴムを100質量部とした場合、好ましくは5〜100質量部、特に好ましくは10〜60質量部である。
【0035】
上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有されるジエン系ゴムあるいは油展ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、好ましくは10〜200であり、より好ましくは30〜150である。このムーニー粘度が10未満であると、耐摩耗性をはじめとする物性が十分でなく、200を超える場合には、作業性が悪く、混練することが困難となる。
【0036】
次に、本発明に係わる「一般式(I)で表される無機化合物」は、通常、微粒子状であり、上記ジエン系ゴム中に、均一に分散して、複合体を形成しているものである。
wM・xSiOy・zH2O (I)
(式中、Mは、Al、Mg、Ti及びCaから選ばれる少なくとも1種の金属元素、金属酸化物又は金属水酸化物であり、w、x、y及びzはそれぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
尚、上記無機化合物には、金属自体は含まれない。
【0037】
上記無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、ルチル、アナターゼ等のチタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n−1)、焼成クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、ケイ酸アルミニウム(Al2Si2O5(OH)4、Al2O3・2SiO2・2H2O等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO3)、ケイ酸カルシウム(CaO・SiO2・yH2O)、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。これらの無機化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
上記無機化合物のうち、下記一般式(II)で表される無機化合物であることが好ましい。
Al2O3・mSiO2・nH2O (II)
(式中、mは0〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
この無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム、焼成クレー、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト等が挙げられる。これらの無機化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
上記無機化合物は、その好ましい粒径は10μm以下であり、更に好ましくは3μm以下である。この無機化合物の粒径が大きすぎると、ゴム製品の耐破壊特性、耐摩耗性が悪化することがある。
【0040】
上記無機化合物の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有されるジエン系ゴム100質量部に対し、5〜200質量部であり、より好ましくは5〜67質量部、更に好ましくは7〜60質量部である。この使用量が少なすぎると、タイヤ製品とした場合に、濡れた路面でのグリップ性能の向上が得られにくい。一方、使用量が多すぎると、複合体の製造が困難となることがあり、製造できたとしても、ジエン系ゴム中への無機化合物の分散性が悪化する、複合体が著しく固くなる等の問題が生じるので、好ましくない
【0041】
上記無機化合物を用いて、ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造するためには、上記無機化合物は、他の材料と予め混合する等の目的のためにそのまま用いてもよいし、水等の水性媒体中に溶解あるいは分散させたものを用いてもよい。後者の場合、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー、ダイノーミル、ボールミル、チューブミル、スーパーミキサー等を用いることができる。
【0042】
本発明においては、複合体を構成する無機化合物を上記一般式(I)で表される無機化合物とするために、上記無機化合物を形成可能な物質(以下、「無機化合物形成物質」ともいう。)を製造原料として用いることもできる。
【0043】
上記無機化合物形成物質としては、金属塩、金属のオキソ酸塩及び有機金属化合物から選ばれる少なくとも1種であり、その他の無機化合物形成物質としては、無機物質、有機系物質のいずれでもよい。この無機物質としては、金属塩、金属のオキソ酸塩等が挙げられ、(1)塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩等、(2)亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム(六水和物)、硝酸マグネシウム(六水和物)、硫酸マグネシウム、三塩化チタン、四塩化チタン等、(3)アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩(アルミニウムのオキソ酸塩)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの化合物は、水、酸、アルカリ等に溶解又は分散した形で用いることができる。
また、これらの化合物に、ケイ素塩(塩化ケイ素等)及び/又はケイ素のオキソ酸塩(ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩)を加えることもできる。その際、ケイ酸塩とアルミニウム塩もしくはアルミン酸塩は、同一の水溶液として用いてもよいし、それぞれ別の水溶液を調製して用いてもよい。
【0044】
上記有機系物質としては、有機金属化合物が挙げられ、各金属のアルコキシドが好ましい。例えば、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、又はそれらの少なくとも1つが塩素等の加水分解可能なハロゲン等が置換された化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの有機金属化合物は、通常、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコールに例示される有機溶媒に溶解した状態で用いられる。従って、この有機金属化合物の溶解液に水を加えることにより、有機金属化合物を加水分解させ、次いで、その加水分解物を縮合することにより、無機化合物形成物質を含む溶液が得られる。有機金属化合物と水との反応においては、縮合反応を促進するために、必要に応じて酸性物質又はアルカリ性物質を添加してもよい。これらは、酸又はアルカリの水溶液として添加することもできる。
上記のようにして得られた有機系物質、あるいはこの有機系物質を含む溶液又は分散液は、上記無機物質を含む溶液又は分散液と混合して用いることもできる。使用時には、必要に応じてpH等の調整を行ってもよい。
更に、上記無機化合物形成物質は、上記無機化合物と組み合わせて用いることもできる。
【0045】
尚、上記無機化合物として、上記一般式(II)で表される無機化合物とするためには、無機酸塩及び/又は有機酸塩のアルミニウム塩、有機アルミニウム塩等が水、酸、アルカリ等に溶解あるいは分散したアルミニウム含有溶液を用いることができる。尚、これらの化合物のほとんどは、上記無機化合物形成物質に相当するものである。
【0046】
上記無機酸塩及び有機酸塩としては、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、次亜硝酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、臭素酸塩、亜臭素酸塩、次亜臭素酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、フタル酸塩、ヘキサン酸塩等のオキソ酸塩や、塩酸塩(塩化物、ポリ塩化物)等の水素酸塩、アルミノケイ酸塩等が挙げられる。また、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
上記化合物のうち、水、酸、アルカリ等の媒体に溶解しないものは、これらの媒体中で分散させた状態で用いることができる。その際には、上記で例示したコロイドミル、ホモジナイザー等を用いることができる。
【0048】
また、上記化合物の分散液としては、以下のような方法で調製したもの等を用いることもできる。
(1)塩基性アルミニウム塩を加熱ゲル化し、これを塩基で中和したもの。
(2)塩化アルミニウム等のアルミニウム塩とアルミン酸塩とを加えて中和して得られるようなアルミナゲル。
(3)アルミン酸塩を鉱酸類と反応させるか、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩を水酸化ナトリウム等のアルカリと反応させることにより生成する水酸化アルミニウムの沈殿を、同様に水等の水性媒体中にせん断攪拌により微細に分散させたもの。
(4)特公昭40−8409公報等に開示されているような、アルミン酸ナトリウムや硫酸アルミニウム等から調製したアルミナゲルを解膠して調製したアルミナゾル。
【0049】
また、上記有機アルミニウム塩としては、上記で例示したアルミニウムアルコキシドが好ましく、例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等が挙げられる。また、これら化合物を構成するアルコキシル基が塩素等のハロゲン原子によって置換されたものであってもよい。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
上記のようにして得られたアルミニウム含有溶液は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記アルミニウム塩を用いて調製されたものと、上記有機アルミニウム塩を用いて調製されたものとを組み合わせ(例えば、アルミン酸塩を用いて調製された溶液と、有機アルミニウム塩を用いて調製された溶液とを任意の割合で混合したもの)て用いてもよい。
【0051】
また、上記無機化合物形成物質としては、上記一般式(I)を構成する金属元素の単体金属(Al、Mg、Ti又はCa)をアルカリ処理して得られたものであってもよい。
【0052】
上記無機化合物形成物質の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有されるジエン系ゴム100質量部に対し、形成される一般式(I)あるいは(II)の無機化合物の生成量が5〜200質量部であり、より好ましくは5〜67質量部、更に好ましくは7〜60質量部となるように選択される。上記無機化合物形成物質を用いて上記無機化合物を含有する複合体とする場合には、副生成物を含有することがあるため、それを考慮して使用量を選択すればよい。また、この無機化合物形成物質と、上記無機化合物と、を併用する場合も同様の手法で両者の使用量を選択すればよい。
【0053】
本発明のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法の特徴は、上記ジエン系ゴムの水系分散液と、上記無機化合物及び/又は上記無機化合物形成物質と、更にアニオン性化合物と、を混合する工程を備えることである。
上記アニオン性化合物は、カルボキシル基、スルホン酸基及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種を有するアニオン性界面活性剤である。本発明においては、カルボキシル基を有する化合物が特に好ましい。ここで、「カルボキシル基」とは、−COOH及び−COO−を示す。また、このカルボキシル基が、この化合物1分子中に有する数も、特に限定されない。この化合物としては、上記ジエン系ゴムの説明において、アニオン系界面活性剤(乳化剤)として例示したロジン酸塩や、脂肪酸塩、ナフテン酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩等を用いることができる。これらは、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
上記ロジン酸塩としては、ロジン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。本発明で使用するロジン酸塩としては、カリウム塩が好ましい。
上記脂肪酸塩としては、炭素数10〜20の脂肪酸のカリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩及び低級アミン塩等が挙げられる。これらのうち、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩が好ましい。
【0055】
上記アニオン性化合物は、そのままの状態(固形等)で用いてもよいし、上記ジエン系ゴムの水系分散液、上記無機化合物の分散液あるいは溶解液、又は、上記無機化合物形成物質の分散液あるいは溶解液を構成する水系媒体に溶解あるいは分散させた状態で用いてもよい。
【0056】
上記アニオン性化合物の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有されるジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部であり、より好ましくは1〜6質量部である。このアニオン性化合物の使用量が少なすぎると、得られるジエン系ゴム・無機化合物複合体が小さくなりすぎることがある。
尚、このアニオン性化合物は、上記のように、ジエン系ゴムの水系分散液の製造のためにも用いられるため、ジエン系ゴムの製造時に過剰のアニオン性化合物を使用する方法でもよい。
【0057】
本発明の製造方法における、「上記無機化合物及び/又は上記無機化合物形成物質と、上記アニオン性化合物と、上記ジエン系ゴムの水系分散液とを混合する工程」では、その混合方法は特に限定されない。即ち、各成分を一括して混合してもよいし、分割混合したものを最後に一括して混合してもよい。好ましい混合方法は、(1)上記無機化合物及び/又は上記無機化合物形成物質と、上記アニオン性化合物との混合の後、上記ジエン系ゴムの水系分散液と混合する方法、(2)上記無機化合物及び/又は上記無機化合物形成物質と、上記ジエン系ゴムの水系分散液の一部との混合の後、この混合物と上記アニオン性化合物とを混合し、更に、残りのジエン系ゴムの水系分散液と混合する方法、(3)上記ジエン系ゴムの水系分散液と上記アニオン性化合物とを混合の後、上記無機化合物及び/又は上記無機化合物形成物質を更に混合する方法等が挙げられる。
【0058】
次いで、上記混合物から、ジエン系ゴム・無機化合物複合体を取り出すには、ラテックスからゴム成分を凝固させる一般的な方法を適用して凝固物として取り出すことができ、また、加熱、減圧等の方法により水系媒体を除去して取り出してもよい。より均一なジエン系ゴム・無機化合物複合体とするためには前者の方法が好ましい。ジエン系ゴムの水系分散液に予めゴム用伸展油が配合されている場合には、この凝固によって、油展ゴム・無機化合物複合体として取り出すことができる。
【0059】
凝固方法は、例えば、電解液構成成分である(1)塩化ナトリウム、塩化カリウム、(2)カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の多価金属の塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の水溶液、及び/又は(3)必要に応じ塩酸、硝酸、硫酸等を添加するものであり、これによって、ジエン系ゴム・無機化合物複合体をクラムとして凝固させることができる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。この際に、微細の無機化合物を高分子凝集剤(アニオン系、ノニオン系及びカチオン系のうち特にアニオン系、ノニオン系)等を用いて凝固させることもできる。この共凝固の際の温度、pH等は特に限定されないが、製造されるジエン系ゴム・無機化合物複合体に残留する無機塩を低減するためには、温度を10℃以上、好ましくは10〜80℃、より好ましくは10〜50℃とし、pH値を2〜14(好ましくはpH4〜11)の範囲内に制御することが好ましい。10℃未満では、工業的に適さない傾向にあり、一方、温度が高すぎると、大きなクラムが得られないことがある。上記好ましい温度範囲のうち、より低い温度範囲内で共凝固することにより、大きな複合体を得ることができる。
【0060】
ジエン系ゴム及び無機化合物を共凝固させた後、通常、凝固物を水洗する等により、乳化剤、電解質等を除去し、次いで、熱風乾燥、真空乾燥等により水分を除去して乾燥を行う。以上より、ジエン系ゴム中に無機化合物が均一に分散した複合体が得られる。
【0061】
本発明によって製造されたジエン系ゴム・無機化合物複合体の数平均粒子径は、通常、1〜50mmであり、好ましくは3〜20mmである。このジエン系ゴム・無機化合物複合体の粒径が上記範囲であれば、製造時の作業性を向上させるクラムを得ることができる。
【0062】
本発明によって製造されたジエン系ゴム・無機化合物複合体を、添加剤等とともに用いてゴム組成物を調製することができる。添加剤としては、加硫剤を含む架橋剤、補強用充填剤、他の充填剤、カップリング剤、加硫促進剤、脂肪酸類等が配合される。更に、必要に応じて、他のゴム成分、他のジエン系ゴム・無機化合物複合体を配合することができる。
【0063】
上記架橋剤には、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、又は過酸化物等の非硫黄系架橋剤が含まれ、前者の加硫剤、そのうち特に硫黄が好ましい。この加硫剤の配合量は、ゴム成分の全量を100質量部とした場合、通常、0.5〜10質量部であり、特に好ましくは1〜6質量部である。
【0064】
上記補強用充填剤としては、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラック等があるが、いずれのものも使用することができる。また、このカーボンブラックは窒素吸着比表面積(ASTM D3037−88に準拠して測定したBET値)が70m2/g以上であり、且つジブチルフタレート吸油量(JIS K6221−1982(A法)に準拠して測定したDBP値)が90ミリリットル/100g以上のものが好適である。
上記BET値が70m2/g未満では十分な耐摩耗性が発現しにくく、BET値が大きすぎるとタイヤとした場合に低燃費性が悪化する原因となる。耐摩耗性及び低燃費性を考慮すると、このBET値のより好ましい範囲は、90〜180m2/gである。
また、上記DBP値が90ミリリットル/100g未満では十分な耐摩耗性が得られにくく、DBP値が大きすぎるとゴム製品の破断時の伸びが悪化する原因となる。耐摩耗性及び低燃費性を考慮すると、このDBP値のより好ましい範囲は、100〜180ミリリットル/100gである。
【0065】
シリカとしては、従来からゴム補強用として使用されているもの、例えば、乾式法シリカ、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等を用いることができるが、湿式法シリカが好適である。このシリカは、耐摩耗性及び低燃費性等を考慮すると、窒素吸着比表面積(BET値)が100〜300m2/gの範囲にあるものが好適である。尚、このBET値は、300℃で1時間乾燥後、ASTM D4820−93に準拠して測定した値である。
【0066】
上記補強用充填剤としては、カーボンブラックのみを用いてもよいし、シリカのみを用いてもよい。更には、カーボンブラックとシリカを併用してもよい。また、上記補強用充填剤の配合量は、耐摩耗性、ウェット性能及び低燃費性のバランス等の面から、ゴム成分の全量を100質量部とした場合、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは30〜85質量部である。
【0067】
上記他の充填剤としては、クレー、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0068】
上記カップリング剤としては特に限定されないが、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのカップリング剤を配合すると、耐摩耗性あるいはtanδがより向上する。
上記カップリング剤の配合量は、ゴム組成物に含有される無機化合物の全量を、又は補強用充填剤等の無機充填剤が追加して配合される場合にはこれとの合計量を100質量部とした場合に、好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下(通常、1質量部以上)である。
【0069】
上記加硫促進剤としては、アルデヒドアンモニア系、グアニジン系、チオウレア系、チアゾール系、ジチオカルバミン酸系の各化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記加硫促進剤の配合量は、ゴム成分の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.5〜15質量部、特に好ましくは1〜10質量部である。
【0070】
上記脂肪酸類としては、脂肪酸、そのエステル化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪酸としては高級脂肪酸が好ましく、通常、炭素数が10以上(好ましくは12以上、通常20以下)のモノカルボン酸であり、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよいが、耐候性の点で飽和脂肪酸が好ましい。この脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、脂肪酸のエステル化合物としては、上記高級脂肪酸のアルコール化合物とのエステルが好ましい。このアルコール化合物の炭素数は、1〜10程度のものが好ましい。また、低級脂肪酸(炭素数が1〜10程度)の高級アルコール(炭素数が10以上程度、20以下程度)のエステルを用いることもできる。
【0071】
上記「他のゴム成分」とは、複合体でない他のゴムを意味し、公知の方法で得られるスチレン・ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等を使用することができる。上記ゴム成分は、ヘテロ原子を含有する極性基を有するものであってもよい。
更に、このゴム成分は、ゴム用伸展油によって油展ゴムとなったものであってもよい。
上記添加剤に加え、ゴム用伸展油、亜鉛華、加硫助剤、老化防止剤及び加工助剤等を適量配合することもできる。
【0072】
本発明によって製造されたジエン系ゴム・無機化合物複合体を用い、以下の要領でゴム製品を製造することができる。即ち、先ず、上記複合体、必要に応じて他のゴム成分、シリカ、カーボンブラック、カーボン−シリカデュアル・フェイズフィラー等の補強剤、ゴム用伸展油、その他の配合剤等をバンバリーミキサ等の混練機を使用して70〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却し、硫黄等の加硫剤及び加硫促進剤等を、バンバリーミキサあるいはミキシングロール等を用いて配合してゴム組成物とした後、所定の形状に成形する。次いで、140〜180℃の温度で加硫し、所要の加硫ゴム、即ち、ゴム製品を得る。
上記ゴム組成物は良好な加工性を有し、得られる加硫ゴムは、優れた引張強度、耐摩耗性、耐ウェットスキッド性及び反発弾性等を有しており、特に、タイヤトレッドとして好適である。
【0073】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例及び比較例において、部及び%は特に断らない限り質量基準である。
【0074】
1.ジエン系ゴム(油展ジエン系ゴム及び非油展ジエン系ゴム)の調製
1−1.油展ジエン系ゴム
窒素置換した重合容器に、水200部、ロジン酸石鹸4.5部、ブタジエン及び表1に示す他の単量体の所定量(単量体の合計量は100部)、及びt−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込んだ。その後、重合容器の温度を5℃に設定し、重合開始剤としてのp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第1鉄7水和物0.05部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシアミンを添加して重合を停止した。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収して、固形分濃度21%程度のジエン系ゴムを含有する水系分散液を得た。
その後、表1に示す単量体を用いて得られたジエン系ゴムの水系分散液については、含有されるジエン系ゴムの固形分100部に対して37.5部のアロマオイル(富士興産社製、商品名「フッコール・アロマックス#3」)を配合して乳化物とし、これを、硫酸及び塩化ナトリウムにより凝固させてクラムを得た。次いで、このクラムを水洗後、熱風乾燥機で乾燥させ、油展ジエン系ゴム(表1のa〜j)を得た。
【0075】
上記のようにして得られた油展ジエン系ゴムを構成する単量体単位の含有量及びムーニー粘度を、以下に示す方法により測定し、その結果を表1に併記した。(a)結合スチレン量(質量%);赤外吸収スペクトル法により検量線を作成して求めた。
(b)カルボキシル基を有する単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノ−ルで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、ゴムをクロロホルムに溶解し、中和滴定により求めた。
(c)アミノ基及びニトリル基を有する単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールにより再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、元素分析を行い、窒素含有量から算出した。
(d)ヒドロキシル基を有する単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、270MHz 1H−NMRで測定した。
(e)ブチルアクリレート結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、270MHz 13C−NMRで測定した。
(f)アルコキシシリル基を有する単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、270MHz 1H−NMRで測定した。
(g)ムーニー粘度[ML1+4(100℃)];JIS K6300−1994に準拠し、測定温度100℃、予熱1分、測定4分の条件で測定した。
【0076】
【表1】
【0077】
1−2.非油展ジエン系ゴム
窒素置換した重合容器に、水200部、ロジン酸石鹸4.5部、ブタジエン及び表2に示す他の単量体の所定量(単量体の合計量は100部)、及びt−ドデシルメルカプタン0.3部(スチレン使用の場合)又は0.7部(スチレン不使用の場合)を仕込んだ。その後、重合容器の温度を5℃に設定し、重合開始剤としてのp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第1鉄7水和物0.05部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止した。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収して、固形分濃度21%のジエン系ゴムを含有する水系分散液を得た。
その後、この水系分散液を、硫酸及び塩化ナトリウムにより凝固させてクラムを得た。次いで、このクラムを水洗後、熱風乾燥機で乾燥させ、ジエン系ゴム(表2のk〜t)を得た。そして、上記油展ジエン系ゴムと同様にして、ジエン系ゴムの単量体単位量及びムーニー粘度を測定し、その結果を表2に併記した。
【0078】
【表2】
【0079】
2.ジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造
上記で得られた油展ジエン系ゴムと、非油展ジエン系ゴムと、天然ゴムラテックス「NR」(フェルダーラバー社製、商品名「HA」、固形分62%)と、をそれぞれゴム成分の合計量を100部となるように用い、表3に示す5種類の複合体構成(i)〜(v)とするために、ゴム成分と、含有される各無機化合物との含有割合が表3に示す値になるように、ジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造を行った。例えば、表3の(i)の場合、ジエン系ゴム100部を含む油展ジエン系ゴム137.5部に対し、無機化合物30部を含有する複合体が製造されるように適宜調整した。
尚、無機化合物としては、以下に示すものを用いた。
(1)水酸化アルミニウム(ギブサイト);昭和電工社製、商品名「ハイジライトH−43M」、平均粒子径0.6μm、
(2)アルミナ一水和物(ベーマイト);コンデアジャパン社製、商品名「PURAL200」、平均粒子径0.14μm、
(3)γ−アルミナ;Baikowski社製、商品名「Baikalox CR125」、平均粒子径0.3μm、
(4)焼成クレー;J.M.HUBER社製、商品名「ポリフィル40」、平均粒子径1.2μm、
(5)カオリン;J.M.HUBER社製、商品名「ポリフィルDL」、平均粒子径1.0μm、
(6)水酸化マグネシウム;協和化学工業社製、商品名「キスマ5A」、平均粒子径0.8μm、
(7)酸化チタン(アナターゼ);石原産業社製、商品名「タイペークA−100」、平均粒子径0.15μm。
【0080】
【表3】
【0081】
2−1.ホモミキサーによる方法
実施例1
表3に示した複合体構成(i)とするために、上記で得られた油展ジエン系ゴム137.5部(うち、ジエン系ゴム100部)を含む乳化物539部と、無機化合物として上記水酸化アルミニウム(ギブサイト)30部を水200部にホモミキサーを用いて分散させた分散液と、ロジン酸カリウム2部とを、25℃で攪拌混合した。
その後、得られた混合物に硫酸を加えて、混合分散液をpH4〜5に調整しながら、塩化ナトリウムにより凝固させクラムを形成させた。このクラムの大きさは、8mm以上であり、通常の乳化重合により製造されるスチレン・ブタジエンゴムからなるクラムの大きさと同等であった。
次いで、得られたクラムを水洗後、熱風乾燥機で乾燥させ、油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た(表5参照)。得られた複合体を、電気炉を用い、640℃で8時間加熱し灰化させ、灰分から算出される無機化合物の含有量は、ジエン系ゴム100部に対して無機化合物換算で30部であった。
尚、表5における「凝固クラム粒径」は、数平均粒子径が5mm以上である場合、「○」で示した。以下も同様である。
【0082】
実施例2〜40
表3に示した複合体構成(i)とするために、油展ジエン系ゴム及び無機化合物の種類を変え、上記実施例1と同様にして、油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造した。得られたクラムの大きさは、いずれも5mm以上であった。
【0083】
実施例136〜155
表3に示した複合体構成(iv)とするために、油展ジエン系ゴム及び無機化合物の種類を変え、上記実施例1と同様にして、油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造した。得られたクラムの大きさは、いずれも5mm以上であった。
【0084】
表3に示した複合体構成(i)において、水酸化アルミニウムを用いた実施例(1〜10)は、表5に、アルミナ一水和物を用いた実施例(11〜15)は、表6に、γ−アルミナを用いた実施例(16〜20)は、表7に、焼成クレーを用いた実施例(21〜25)は、表8に、カオリンを用いた実施例(26〜30)は、表9に、水酸化マグネシウムを用いた実施例(31〜35)は、表10に、酸化チタンを用いた実施例(36〜40)は、表11に示した。
また、表3に示した複合体構成(iv)において、水酸化アルミニウムを用いた実施例(136〜140)は、表24に、アルミナ一水和物を用いた実施例(141〜145)は、表25に、γ−アルミナを用いた実施例(146〜150)は、表26に、焼成クレーを用いた実施例(151〜155)は、表27に示した。
【0085】
比較例1
上記実施例1において、ロジン酸カリウムを未添加とした以外は同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造し、光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所社製)によりクラムの大きさを測定したところ、700μmであった。
【0086】
実施例71〜105、実施例116〜125、及び実施例166〜175
表3に示した複合体構成(ii)又は(iii)とするために、上記で得られた非油展ジエン系ゴム100部を含む水系分散液476部と、上記各無機化合物20部又は50部を水200部にホモミキサーを用いて分散させた分散液と、ロジン酸カリウム3部とを、25℃で攪拌混合した。
その後、得られた混合物に硫酸を加えて、混合分散液をpH4〜5に調整しながら、塩化ナトリウムにより凝固させクラムを形成させた。このクラムの平均粒子径は、5mm以上であり、通常の乳化重合により製造されるスチレン・ブタジエンゴムからなるクラムの大きさと同等であった。以下の操作は、上記実施例と同様にして行い、非油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た。得られた複合体を、電気炉を用い、640℃で8時間加熱し灰化させ、灰分から算出される無機化合物の含有量は、いずれもジエン系ゴム100部に対して無機化合物換算で20部又は50部であった。
表3に示した複合体構成(ii)において、水酸化アルミニウムを用いた実施例(71〜75)は、表13に、アルミナ一水和物を用いた実施例(76〜80)は、表14に、γ−アルミナを用いた実施例(81〜85)は、表15に、焼成クレーを用いた実施例(86〜90)は、表16に、カオリンを用いた実施例(91〜95)は、表17に、水酸化マグネシウムを用いた実施例(96〜100)は、表18に、酸化チタンを用いた実施例(101〜105)は、表19に示した。
表3に示した複合体構成(iii)において、水酸化アルミニウムを用いた実施例(116〜120)は、表21に、アルミナ一水和物を用いた実施例(121〜125)は、表22に示した。
また、表3に示した複合体構成(v)において、水酸化アルミニウムを用いた実施例(166〜170)は、表29に、アルミナ一水和物を用いた実施例(171〜175)は、表30に示した。
【0087】
2−2.in-situ (I)による方法
実施例41
表3に示した複合体構成(i)とするために、2.4%のアルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3換算では0.9%)2570部に10%の硫酸380部を添加し、pH7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有スラリー溶液を得た。その後、ロジン酸カリウム3部を添加し、25℃で十分に攪拌した。次いで、この混合液と、ジエン系ゴム100部及びアロマオイル37.5部を含有する固形分濃度21%の乳化物と、を攪拌しながら混合し、クラムスラリーを生成させた。このクラムの大きさは、10mmであった。
得られたクラムを水洗後、熱風乾燥機で乾燥させ、油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た。得られた複合体の灰分から算出される無機化合物の導入量は、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)換算において30部であった。
【0088】
実施例42〜50、実施例106〜110、実施例126〜130、実施例156〜160、及び実施例176〜180
表3に示した5種類の複合体構成(i)〜(v)とするために、油展ジエン系ゴム乳化液又は非油展ジエン系ゴムの水系分散液(それぞれジエン系ゴム100部を含むもの)を用い、上記実施例41と同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体又は非油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た。
【0089】
表3に示した複合体構成(i)における実施例(41〜50)は、表12に、複合体構成(ii)における実施例(106〜110)は、表20に、複合体構成(iii)における実施例(126〜130)は、表23に、複合体構成(iv)における実施例(156〜160)は、表28に、複合体構成(v)における実施例(176〜180)は、表31に示した。
【0090】
比較例2
上記実施例41において、ロジン酸カリウムを未添加とした以外は同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造し、上記粒径分布測定装置によりクラムの大きさを測定したところ、320μmであった。
【0091】
2−3.in-situ (II)による方法
実施例51
表3に示した複合体構成(i)とするために、2.4%のアルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3換算では0.9%)2570部に10%の硫酸380部を添加し、pH7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有スラリー溶液を得た。その後、ジエン系ゴム100部及びアロマオイル37.5部を含有する固形分濃度21%の乳化物の所定量の30%を、25℃で攪拌しながら、上記アルミニウム含有スラリー溶液と混合し、ジエン系ゴム・無機化合物複合体スラリーを生成させた。次いで、ロジン酸カリウム3部、及び、先の残りの70%を添加、更に混合してクラムを生成させた。このクラムの大きさは9mmであった。得られたクラムを上記実施例と同様に処理し、油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た(表12参照)。
【0092】
実施例52〜60
表1に示す油展ジエン系b〜jを含有する乳化液(ジエン系ゴム100部を含むもの)を用い、上記実施例51と同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た(表12参照)。
【0093】
比較例3
上記実施例51において、ロジン酸カリウムを未添加とした以外は同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造し、上記粒径分布測定装置によりクラムの大きさを測定したところ、280μmであった。
【0094】
2−4.in-situ (III)による方法
実施例61
表3に示した複合体構成(i)とするために、3.4%の硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3換算では0.9%)2660部に水酸化ナトリウム95部を添加してpH14に調整した水溶液に、10%硫酸500部を添加し、pH7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有スラリー溶液を得た。その後、ロジン酸カリウム3部を添加し、25℃で十分に攪拌した。次いで、この混合液と、ジエン系ゴム100部及びアロマオイル37.5部を含有する固形分濃度21%の乳化物と、を攪拌しながら混合し、クラムスラリーを生成させた。このクラムの大きさは、8mmであった。得られたクラムを上記実施例と同様に処理し、油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た(表12参照)。
【0095】
実施例62〜70、実施例111〜115、実施例131〜135、実施例161〜165、及び実施例181〜185
表3に示した5種類の複合体構成(i)〜(v)とするために、油展ジエン系ゴム乳化液又は非油展ジエン系ゴムの水系分散液(それぞれジエン系ゴム100部を含むもの)を用い、上記実施例61と同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体又は非油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を得た。
【0096】
表3に示した複合体構成(i)における実施例(61〜70)は、表12に、複合体構成(ii)における実施例(111〜115)は、表20に、複合体構成(iii)における実施例(131〜135)は、表23に、複合体構成(iv)における実施例(161〜165)は、表28に、複合体構成(v)における実施例(181〜185)は、表31に示した。
【0097】
比較例4
上記実施例61において、ロジン酸カリウムを未添加とした以外は同様にして油展ジエン系ゴム・無機化合物複合体を製造し、上記粒径分布測定装置によりクラムの大きさを測定したところ、250μmであった。
【0098】
3.ゴム組成物の調製
上記実施例1〜185において製造された複合体と、以下に示す配合剤とを用い、表4の配合処方A〜E、及び以下に説明する2段階の混練工程に従ってゴム組成物を得た。尚、表4における「無機化合物」は、複合体に含有される各種無機化合物を意味する。
(1)「N339」;東海カーボン社製カーボンブラック、商品名「シーストKH」、
(2)「シリカ」;日本シリカ工業社製シリカ、商品名「ニプシルAQ」、
(3)「アロマオイル」;富士興産社製、商品名「フッコール.アロマックス#3」、
(4)「ステアリン酸」;花王社製、商品名「ルナックS−30」、
(5)「6C」;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製老化防止剤、商品名「ノクラック6C」、
(6)「Si69」;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、デグサ社製シランカップリング剤、商品名「Si69」、
(7)「DPG」;ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業社製加硫促進剤、商品名「ノクセラーD」、
(8)「DM」;ジベンゾチアジルスルフィド、大内新興化学工業社製加硫促進剤、商品名「ノクセラーDM」、
(9)「NS」;N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製加硫促進剤、商品名「ノクセラーNS−F」。
【0099】
(第1段階の混練方法)
表4に示す配合処方により、1段目の配合剤を混練装置(東洋精機社製、商品名「ラボプラストミル」)により、最高温度160℃で混練した。
(第2段階の混練方法)
上記で得られた混練物に、2段目の配合剤を添加し、上記装置により混練した。但し、混練時の最高温度を100℃とした。
【0100】
また、比較例5〜119として、油展ジエン系ゴムa〜j又は非油展ジエン系ゴムk〜tと、市販の水酸化アルミニウム粉末(昭和電工社製、商品名「ハイジライトH−43M」、平均粒径0.6μm)とを用いて表4の配合処方に従い、ドライブレンドにより調製したゴム組成物を得た。
【0101】
【表4】
【0102】
4.性能評価
上記で得られたゴム組成物を160℃で15分間熱処理を行い、加硫物を得た。この加硫物を測定試料として、以下の性能評価を行った。
(1)TB;JIS K6251−1993に準拠し、3号型試験片を用い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張強度を測定した。単位はMPaである。
(2)耐摩耗性;ランボーン型摩耗試験機を使用し、スリップ率が25%での摩耗量を算出した。測定温度は25℃、摩耗量の逆数を、同系列の比較例を100として指数表示をした。指数が大きいほど耐摩耗性は良好である。
【0103】
以上の結果を表5〜表31に示す。
表4の配合処方Aにおいて、無機化合物として、水酸化アルミニウムを用いた実施例(1〜10及び41〜70)は、表5及び表12に、アルミナ一水和物を用いた実施例(11〜15)は、表6に、γ−アルミナを用いた実施例(16〜20)は、表7に、焼成クレーを用いた実施例(21〜25)は、表8に、カオリンを用いた実施例(26〜30)は、表9に、水酸化マグネシウムを用いた実施例(31〜35)は、表10に、酸化チタンを用いた実施例(36〜40)は、表11に示した。
表4の配合処方Bにおいて、無機化合物として、水酸化アルミニウムを用いた実施例(71〜75及び106〜115)は、表13及び表20に、アルミナ一水和物を用いた実施例(76〜80)は、表14に、γ−アルミナを用いた実施例(81〜85)は、表15に、焼成クレーを用いた実施例(86〜90)は、表16に、カオリンを用いた実施例(91〜95)は、表17に、水酸化マグネシウムを用いた実施例(96〜100)は、表18に、酸化チタンを用いた実施例(101〜105)は、表19に示した。
表4の配合処方Cにおいて、無機化合物として、水酸化アルミニウムを用いた実施例(116〜120及び126〜135)は、表21及び表23に、アルミナ一水和物を用いた実施例(121〜125)は、表22に示した。
表4の配合処方Dにおいて、無機化合物として、水酸化アルミニウムを用いた実施例(136〜140及び156〜165)は、表24及び表28に、アルミナ一水和物を用いた実施例(141〜145)は、表25に、γ−アルミナを用いた実施例(146〜150)は、表26に、焼成クレーを用いた実施例(151〜155)は、表27に示した。
また、表4の配合処方Eにおいて、水酸化アルミニウムを用いた実施例(166〜170及び176〜185)は、表29及び表31に、アルミナ一水和物を用いた実施例(171〜175)は、表30に示した。
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】
【表13】
【0113】
【表14】
【0114】
【表15】
【0115】
【表16】
【0116】
【表17】
【0117】
【表18】
【0118】
【表19】
【0119】
【表20】
【0120】
【表21】
【0121】
【表22】
【0122】
【表23】
【0123】
【表24】
【0124】
【表25】
【0125】
【表26】
【0126】
【表27】
【0127】
【表28】
【0128】
【表29】
【0129】
【表30】
【0130】
【表31】
【0131】
5.実施例の効果
5−1.ジエン系ゴム・無機化合物複合体の大きさについて
表5〜表31より、ホモミキサーを用いた製造方法によっても、in-situ(I)、(II)及び(III)による方法によっても、各種無機化合物の分散性が高く、平均粒子径が5mm以上のクラムを得ることができた。
【0132】
5−2.加硫ゴムの性能評価について
表5〜表31に示した評価結果をまとめたものを表32〜34に示した。これらの表より、対応する比較例と比べて、本実施例の場合は、いずれも、無機化合物の分散性の高い複合体を用いているために、TB値(引張強度)が高く、耐摩耗性に優れることが分かる。
【0133】
【表32】
【0134】
【表33】
【0135】
【表34】
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a diene rubber / inorganic compound composite and a method for producing the same, and more specifically, by making a composite having a high dispersibility of the inorganic compound in the diene rubber and a relatively large crumb diameter during solidification. The present invention relates to a production method capable of improving workability during production of a diene rubber / inorganic compound composite. The diene rubber / inorganic compound composite obtained by the present invention is used as a raw material rubber for various rubber products such as belts, rubber rolls, hoses, etc. in addition to tire rubbers such as tire treads, and is excellent in wear resistance.
[0002]
[Prior art]
An inorganic filler such as silica is often used in combination with carbon black or the like as a reinforcing agent constituting a rubber composition for tires or the like. Such a reinforcing agent is dry-kneaded with a rubber raw material and the like, and a rubber product such as a tire is manufactured using the obtained rubber composition.
In recent years, a method for producing a diene rubber / inorganic compound composite (see Patent Document 1) in which an inorganic compound is uniformly dispersed in a diene rubber has been disclosed. In the production process for obtaining a diene rubber / inorganic compound composite, the crumb diameter is as small as 50 μm or less, and there is a problem that handling is troublesome and workability is poor.
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2002-241507 A
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems, and the dispersibility of the inorganic compound in the diene rubber is high, and the work during the production of the diene rubber / inorganic compound composite is achieved by using a relatively large crumb diameter. It is an object of the present invention to provide a production method capable of improving the property, a diene rubber / inorganic compound composite that provides a rubber product with further improved wear resistance, and a method for producing the same.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is shown below.
1. A method for producing a composite comprising a diene rubber and an inorganic compound represented by the following general formula (I), the inorganic compound and / or the inorganic compound:Forming substanceAnd a step of mixing the anionic compound and the aqueous dispersion of the diene rubber,The inorganic compound-forming substance is at least one selected from metal salts, metal oxoacid salts, and organometallic compounds, and the anionic compound has at least one selected from a carboxyl group, a sulfonic acid group, and a phosphoric acid group. It is an anionic surfactant, and the amount of the inorganic compound is 5 to 200 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. The amount used is 0.5 to 10 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber.A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite, characterized in that:
wM · xSiOy・ ZH2O (I)
(Wherein, M is at least one metal element selected from Al, Mg, Ti and Ca, a metal oxide or a metal hydroxide, and w, x, y and z are integers of 1 to 5, respectively. An integer from 0 to 10, an integer from 2 to 5, and an integer from 0 to 10.)
2. Inorganic compoundsForming substanceIsAluminum chloride, aluminum nitrate, aluminum sulfate, basic aluminum chloride, basic aluminum sulfate, polyaluminum chloride, calcium nitrite, calcium nitrate, calcium chloride, magnesium chloride (hexahydrate), magnesium nitrate (hexahydrate) , Magnesium sulfate, titanium trichloride, titanium tetrachloride and aluminate2. The method for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to 1 above, which is at least one selected from the group consisting of:
3.The inorganic compound is at least one selected from γ-alumina, alumina monohydrate, aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, titanium oxide, calcined clay and kaolin, and the inorganic compound forming substance is aluminum chloride, nitric acid The above 1 or 2 which is at least one selected from aluminum, aluminum sulfate, basic aluminum chloride, basic aluminum sulfate, polyaluminum chloride and sodium aluminateA process for producing a diene rubber / inorganic compound composite as described in 1.
4). The anionic compound has a carboxyl groupAnionic surfactantThe method for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of 1 to 3 above.
5).1 to 3 above, wherein the anionic compound is at least one selected from rosin acid, fatty acid salt, naphthenate, ether carboxylate, alkenyl succinate, N-acyl sarcosine salt and N-acyl glutamate.5. A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of 4 above.
6).The inorganic compound is at least one selected from γ-alumina, alumina monohydrate, aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, titanium oxide, calcined clay and kaolin, and the inorganic compound forming substance is aluminum sulfate and alumina. At least one selected from sodium acid, the anionic compound is a rosinate, and the amount of the inorganic compound is 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. On the other hand, the amount of the anionic compound used is 5 to 67 parts by mass, and 1 to 6 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. 2. A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to 1.
7. The above 1 to 3 comprising the steps of co-coagulating the diene rubber and the inorganic compound from the mixed solution obtained by the above step using an electrolytic solution containing a metal salt, and then filtering and then drying it.6A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of the above.
8). The diene rubber is a diene rubber having a polar group containing a hetero atom.7A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of the above.
9. The polar group is a hydroxyl group, oxy group, alkoxysilyl group, epoxy group, carboxyl group, carbonyl group, oxycarbonyl group, sulfide group, disulfide group, sulfonyl group, sulfinyl group, thiocarbonyl group, imino group, amino group, The above is at least one selected from a nitrile group, an ammonium group, an imide group, an amide group, a hydrazo group, an azo group, and a diazo group8A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite as described in 1.
10. 1 to 3 above, wherein the inorganic compound represented by the general formula (I) is an inorganic compound represented by the following general formula (II):9A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of the above.
Al2O3・ MSiO2・ NH2O (II)
(In the formula, m is an integer of 0 to 4, and n is an integer of 0 to 4.)
11. The diene rubber aqueous dispersion is a diene rubber latex synthesized by emulsion polymerization.10A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of the above.
12 In addition to the liquid mixture obtained by the above process,SameSaid 1 thru | or provided with the process of mixing the aqueous dispersion of a diene rubber11A process for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of the above.
13. 1 to above12A diene rubber / inorganic compound composite obtained by the production method according to any one of the above.
[0006]
【The invention's effect】
According to the present invention, a diene rubber / inorganic compound composite having a highly dispersible inorganic compound can be produced with high productivity. Since the crumb diameter of the composite obtained by the coagulation step is as large as 5 mm or more, the workability during the production of the diene rubber / inorganic compound composite is further improved. Further, by using the diene rubber / inorganic compound composite obtained by this production method, a rubber composition that provides a rubber product excellent in rubber properties such as wear resistance can be provided.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The “diene rubber” according to the present invention has a conjugated diene monomer unit as a monomer unit constituting the rubber, and is not particularly limited, but natural rubber, butadiene rubber, isoprene rubber. Styrene / butadiene copolymer rubber, butadiene / isoprene copolymer rubber, butadiene / styrene / isoprene copolymer rubber, acrylonitrile / butadiene copolymer rubber, acrylonitrile / styrene / butadiene copolymer rubber, and chloroprene rubber. These can be used alone or in combination of two or more.
As the diene rubber, a conjugated diene monomer alone or a conjugated diene monomer and a monomer selected from an aromatic vinyl monomer and an olefinically unsaturated nitrile monomer may be used. Those obtained by emulsion polymerization are preferred, and examples thereof include emulsion-polymerized butadiene rubber, emulsion-polymerized styrene / butadiene copolymer rubber, emulsion-polymerized acrylonitrile / butadiene copolymer rubber, and emulsion-polymerized acrylonitrile / styrene / butadiene copolymer rubber. .
The diene rubber may be an oil-extended rubber or a non-oil-extended rubber. Furthermore, these may be used in combination.
[0008]
The “aqueous dispersion of diene rubber” used in the production method of the present invention is not particularly limited, as the diene rubber exemplified above is preferably dispersed in an aqueous medium. The same applies to the method of dispersing the diene rubber exemplified above. The dispersion medium is usually water, but may be an aqueous medium in which alcohol or the like dissolves in water. The dispersion is preferably a diene rubber latex obtained by emulsion polymerization. Examples of the form include natural rubber latex, emulsion obtained by re-emulsifying diene synthetic rubber, diene synthetic rubber emulsion produced by polymerization in an aqueous medium, and diene synthetic rubber dispersion. These may be used alone or in combination of two or more regardless of the type of diene rubber or the type of aqueous dispersion.
[0009]
Examples of the conjugated diene monomer (hereinafter also referred to as “conjugated diene”) include 1,3-butadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 2-chloro-1,3-butadiene, 1 , 3-pentadiene, isoprene and the like. Of these, 1,3-butadiene, isoprene and the like are preferable, and 1,3-butadiene is more preferable. Moreover, the said conjugated diene can be used individually by 1 type or in combination of 2 or more types.
[0010]
Examples of the aromatic vinyl monomer include styrene, α-methylstyrene, 2-methylstyrene, 3-methylstyrene, 4-methylstyrene, 2,4-diisopropylstyrene, 2,4-dimethylstyrene, 4-t- Examples thereof include butyl styrene, 5-t-butyl-2-methyl styrene, monochlorostyrene, dichlorostyrene, and monofluorostyrene. Of these, styrene is preferred. Moreover, the said aromatic vinyl monomer can be used individually by 1 type or in combination of 2 or more types.
[0011]
Examples of the olefinically unsaturated nitrile monomer include (meth) acrylonitrile and vinylidene cyanide. These monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0012]
As the diene rubber used in the production method of the present invention, not only a diene rubber composed of monomer units formed from the above monomers but also a diene rubber having a polar group containing a hetero atom is used. Can do. In this case, both the dispersibility of the inorganic compound contained in the resulting composite and the reinforcing properties of the resulting rubber product are improved.
[0013]
Examples of the hetero atom include atoms belonging to the second to fourth periods of the periodic table and belonging to Group 5B or Group 6B, specifically nitrogen atom, oxygen atom, sulfur atom, phosphorus atom, and the like. It is done. Among these, a nitrogen atom, an oxygen atom, etc. are preferable. Examples of polar groups containing such heteroatoms include hydroxyl, alkoxysilyl, epoxy, carboxyl, carbonyl, oxycarbonyl, sulfide, disulfide, sulfonyl, sulfinyl, thiocarbonyl, and imino. Groups, amino groups, nitrile groups, ammonium groups, imide groups, amide groups, hydrazo groups, azo groups, diazo groups, and oxygen-containing heterocyclic groups, nitrogen-containing heterocyclic groups, sulfur-containing heterocyclic groups, and the like. . Of these, hydroxyl group, carboxyl group, epoxy group, sulfide group, sulfonyl group, amino group, nitrogen-containing heterocyclic group, alkoxysilyl group and the like are preferable, hydroxyl group, amino group, carboxyl group, nitrogen-containing heterocyclic group, An alkoxysilyl group or the like is more preferable, a hydroxyl group, a carboxyl group, an amino group, a nitrogen-containing heterocyclic group, an alkoxysilyl group, or the like is still more preferable, and a hydroxyl group or an amino group is most preferable.
[0014]
In order to obtain the diene rubber having the polar group, it can be usually obtained by polymerizing a monomer such as conjugated diene and the vinyl monomer having the polar group.
The vinyl monomer having a polar group is not particularly limited as long as it is a polymerizable monomer having at least one polar group in the molecule. Examples include vinyl monomers having a hydroxyl group, vinyl monomers having an amino group, vinyl monomers having a nitrile group, vinyl monomers having a carboxyl group, and alkoxysilyl groups. A vinyl-type monomer etc. are mentioned. Among these, a vinyl monomer having a carboxyl group, a vinyl monomer having an alkoxysilyl group, and a vinyl monomer having an amino group are preferable. Moreover, the said vinylic monomer can be used individually by 1 type or in combination of 2 or more types.
[0015]
Examples of the vinyl monomer having a hydroxyl group include polymerizable monomers having at least one primary, secondary, or tertiary hydroxyl group in one molecule. Examples of such a vinyl monomer having a hydroxyl group include an unsaturated carboxylic acid monomer having a hydroxyl group, a vinyl ether monomer, and a vinyl ketone monomer. Of these, unsaturated carboxylic acid monomers having a hydroxyl group are preferred.
Examples of the unsaturated carboxylic acid monomer having a hydroxyl group include esters such as acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, fumaric acid and maleic acid, and derivatives such as amide and anhydride. Of these, ester compounds such as acrylic acid and methacrylic acid are preferred.
[0016]
Examples of the vinyl monomer having a hydroxyl group include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 3-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-hydroxybutyl (meth) acrylate, 3 -Hydroxyalkyl (meth) acrylates such as hydroxybutyl (meth) acrylate and 4-hydroxybutyl (meth) acrylate, polyalkylene glycols such as polyethylene glycol and polypropylene glycol (the number of alkylene glycol units is, for example, 2 to 23) Such as mono (meth) acrylates, N-hydroxymethyl (meth) acrylamide, N- (2-hydroxyethyl) (meth) acrylamide, N, N-bis (2-hydroxyethyl) (meth) acrylamide, etc. Unsaturated amides having a roxyl group, o-hydroxystyrene, m-hydroxystyrene, p-hydroxystyrene, o-hydroxy-α-methylstyrene, m-hydroxy-α-methylstyrene, p-hydroxy-α-methylstyrene , Vinyl aromatic compounds having a hydroxyl group such as p-vinylbenzyl alcohol, (meth) allyl alcohol and the like. Of these, hydroxyalkyl (meth) acrylates and vinyl aromatic compounds having a hydroxyl group are preferred. These vinyl monomers having a hydroxyl group can be used singly or in combination of two or more.
[0017]
Examples of the vinyl monomer having a nitrile group include (meth) acrylonitrile and vinylidene cyanide. These monomers having a nitrile group may be used singly or in combination of two or more. Can do.
[0018]
Examples of the vinyl monomer having an amino group include polymerizable monomers having at least one amino group selected from primary, secondary, and tertiary amino groups in one molecule. Of these, vinyl monomers having a tertiary amino group (dialkylaminoalkyl (meth) acrylates, vinyl aromatic compounds having a tertiary amino group, etc.) are particularly preferred. Further, the vinyl monomers having an amino group can be used singly or in combination of two or more.
[0019]
Examples of vinyl monomers having primary amino groups include acrylamide, methacrylamide, p-aminostyrene, aminomethyl (meth) acrylate, aminoethyl (meth) acrylate, aminopropyl (meth) acrylate, aminobutyl (meth) ) Acrylate and the like.
Examples of vinyl monomers having a secondary amino group include (1) anilinostyrenes such as anilinostyrene, β-phenyl-p-anilinostyrene, β-cyano-p-anilinostyrene, β -Cyano-β-methyl-p-anilinostyrene, β-chloro-p-anilinostyrene, β-methyl-β-methoxycarbonyl-p-anilinostyrene, β-carboxy-p-anilinostyrene, β- Methoxycarbonyl-p-anilinostyrene, β- (2-hydroxyethoxy) carbonyl-p-anilinostyrene, β-formyl-p-anilinostyrene, β-formyl-β-methyl-p-anilinostyrene, α -Carboxy-β-carboxy-β-phenyl-p-anilinostyrene, etc. (2) anilinophenyl butadienes such as anilinophenyl butadiene And derivatives thereof include 1-anilinophenyl-1.3-butadiene, 1-anilinophenyl-3-methyl-1,3-butadiene, 1-anilinophenyl-3-chloro-1,3-butadiene, 3-anilinophenyl-2-methyl-1,3-butadiene, 1-anilinophenyl-2-chloro-1,3-butadiene, 2-anilinophenyl-1,3−Butadiene, 2-anilinophenyl-3-methyl-1,3-butadiene, 2-anilinophenyl-3-chloro-1,3-butadiene, etc. (3) N-methyl (meth) acrylamide, N-ethyl ( Examples include N-monosubstituted (meth) acrylamides such as (meth) acrylamide, N-methylolacrylamide, and N- (4-anilinophenyl) methacrylamide.
[0020]
Examples of vinyl monomers having tertiary amino groups include N, N-disubstituted aminoalkyl acrylates, N, N-disubstituted aminoalkylacrylamides, N, N-disubstituted aminoaromatic vinyl compounds, and pyridyl groups. Examples thereof include vinyl compounds.
Examples of the N, N-disubstituted aminoacrylate include N, N-dimethylaminomethyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylate, N , N-dimethylaminobutyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminobutyl (meth) acrylate, N-methyl-N- Ethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dipropylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dibutylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dibutylaminopropyl (meth) acrylate, N, N-dibutyl Aminobutyl (meth) acrylate, N, - dihexylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dioctyl aminoethyl (meth) acrylate, esters of acrylic acid or methacrylic acid such as acryloyl morpholine and the like. Among these, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dipropylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dioctylaminoethyl (meth) Preferred are acrylate, N-methyl-N-ethylaminoethyl (meth) acrylate, and the like.
[0021]
Examples of the N, N-disubstituted aminoalkylacrylamide include N, N-dimethylaminomethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylamide, N , N-dimethylaminobutyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminobutyl (meth) acrylamide, N-methyl-N- Ethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dipropylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dibutylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dibutylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-dibutyl Aminobu Acrylamide compounds such as ru (meth) acrylamide, N, N-dihexylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dihexylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-dioctylaminopropyl (meth) acrylamide, etc. or methacrylamide compounds Is mentioned. Of these, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylamide, N, N-dioctylaminopropyl (meth) acrylamide and the like are preferable.
[0022]
Examples of the N, N-disubstituted aminoaromatic vinyl compound include N, N-dimethylaminoethylstyrene, N, N-diethylaminoethylstyrene, N, N-dipropylaminoethylstyrene, and N, N-dioctylaminoethyl. Examples thereof include styrene derivatives such as styrene.
[0023]
Further, it may be a nitrogen-containing heterocyclic group instead of an amino group, and as this nitrogen-containing heterocyclic ring, pyrrole, histidine, imidazole, triazolidine, triazole, triazine, pyridine, pyrimidine, pyrazine, indole, quinoline, purine, Examples include phenazine, pteridine, and melamine. These nitrogen-containing heterocycles may contain other heteroatoms in the ring.
Among the nitrogen-containing heterocyclic groups, examples of the vinyl compound having a pyridyl group include 2-vinylpyridine, 3-vinylpyridine, 4-vinylpyridine, 5-methyl-2-vinylpyridine, 5-ethyl-2-vinylpyridine, and the like. Is mentioned. Of these, 2-vinylpyridine, 4-vinylpyridine and the like are preferable. These vinyl monomers having a pyridyl group can be used alone or in combination of two or more.
[0024]
Examples of the vinyl monomer having an epoxy group include (meth) allyl glycidyl ether, glycidyl (meth) acrylate, and 3,4-oxycyclohexyl (meth) acrylate. These vinyl monomers having an epoxy group can be used singly or in combination of two or more.
[0025]
Examples of the vinyl monomer having a carboxyl group include unsaturated carboxylic acids such as (meth) acrylic acid, maleic acid, fumaric acid, itaconic acid, tetraconic acid, cinnamic acid, phthalic acid, succinic acid, adipic acid, etc. Non-polymerizable polyvalent carboxylic acids and esters having free carboxyl groups such as monoesters of unsaturated compounds having hydroxyl groups such as (meth) allyl alcohol and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, and salts thereof Is mentioned. Of these, unsaturated carboxylic acids are preferred. These vinyl monomers having a carboxyl group can be used singly or in combination of two or more.
[0026]
Examples of the vinyl monomer having an alkoxysilyl group include (meth) acryloxymethyltrimethoxysilane, (meth) acryloxymethylmethyldimethoxysilane, (meth) acryloxymethyldimethylmethoxysilane, and (meth) acryloxymethyl. Triethoxysilane, (meth) acryloxymethylmethyldiethoxysilane, (meth) acryloxymethyldimethylethoxysilane, (meth) acryloxymethyltripropoxysilane, (meth) acryloxymethylmethyldipropoxysilane, (meth) acrylic Roxymethyldimethylpropoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyldimethylmethoxysilane, γ- ( T) Acryloxypropyltriethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropylmethyldiethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyldimethylethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyltripropoxysilane, γ- (meta ) Acryloxypropylmethyldipropoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyldimethylpropoxysilane, γ- (meth) acryloxypropylmethyldiphenoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyldimethylphenoxysilane, γ- (meta ) Acryloxypropylmethyl dibejiroxysilane, γ- (meth) acryloxypropyldimethylbeziroxysilane, trimethoxyvinylsilane, triethoxyvinylsilane, 6-trimethoxysilane disclosed in JP-A-7-188356 Examples include ryl-1,2-hexene and p-trimethoxysilylstyrene. These vinyl monomers having an alkoxysilyl group can be used singly or in combination of two or more.
[0027]
The content of each monomer unit constituting the diene rubber is appropriately selected according to required properties. When the total amount of monomer units is 100% by mass, the amount of conjugated diene monomer units is The amount of aromatic vinyl monomer units is usually 0 to 60% by mass, preferably 40 to 100% by mass, preferably 50 to 90% by mass, more preferably 60 to 85% by mass. It is 10-50 mass%, More preferably, it is the range of 15-40 mass%. In the case of a diene rubber having a polar group containing a heteroatom, it is appropriately selected according to the polarity of the monomer having the polar group, but the monomer comprising the monomer The content of the unit is usually 0.01 to 20% by mass, preferably 0.05 to 10% by mass. When the content of this monomer unit is less than 0.01% by mass, even when a monomer having a large polarity is used, the interaction with the inorganic compound constituting the complex May become small, and thereby the effects of the present invention may not be sufficiently obtained. On the other hand, when it contains exceeding 20 mass%, it exists in the tendency for it to aggregate with an inorganic compound and to process easily. In addition, when the diene rubber having the content of each monomer unit is used, a composite in which an inorganic compound is uniformly dispersed therein, and further, a rubber that gives a rubber product that is further excellent in wear resistance. A composition can be obtained.
[0028]
The polymerization method of the diene rubber is not particularly limited, and examples thereof include a radical polymerization method and an anionic polymerization method. The radical polymerization method includes bulk polymerization, suspension polymerization, emulsion polymerization, and the like. In the present invention, since an aqueous dispersion of a diene rubber is used, emulsion polymerization that provides a stable emulsion dispersion at the end of polymerization is particularly preferred. preferable. A known method can be applied to this emulsion polymerization. A predetermined monomer is emulsified in an aqueous medium in the presence of an emulsifier, polymerization is initiated with a radical polymerization initiator, and after reaching a predetermined polymerization conversion rate, A diene rubber can be obtained by stopping the polymerization with a polymerization terminator.
[0029]
Examples of the emulsifier include anionic surfactants, nonionic surfactants, cationic surfactants, and amphoteric surfactants. These emulsifiers can be used alone or in combination of two or more. In order to obtain a stable emulsified dispersion, an anionic surfactant is usually used frequently, for example, a long-chain fatty acid salt having 10 or more carbon atoms, a rosin acid salt, or the like. Specific examples include capric acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, oleic acid, and potassium and sodium salts of stearic acid. Moreover, a fluorine-type surfactant can also be used.
[0030]
Examples of the radical polymerization initiator include organic peroxides such as benzoyl peroxide, lauroyl peroxide, tert-butyl hydroperoxide, cumene hydroperoxide, paramentane hydroperoxide, di-tert-butyl peroxide and dicumyl peroxide. Oxides can be used. Also, a diazo compound typified by azobisisobutyronitrile, an inorganic peroxide typified by potassium persulfate, and a redox catalyst typified by a combination of these peroxides and ferrous sulfate are used. You can also. These radical polymerization initiators can be used singly or in combination of two or more.
[0031]
Chain transfer agents can also be used to adjust the molecular weight of the diene rubber. Examples of the chain transfer agent include alkyl mercaptans such as tert-dodecyl mercaptan and n-dodecyl mercaptan, carbon tetrachloride, thioglycols, diterpenes, terpinolene, γ-terpinenes and α-methylstyrene dimer.
[0032]
In the polymerization of the diene rubber by emulsion polymerization, each monomer, emulsifier, radical polymerization initiator, chain transfer agent, etc. may be charged by starting the polymerization by adding all of them into the reaction vessel at once. Each component may be added continuously or intermittently during the continuation. The polymerization of the diene rubber according to the present invention can be carried out usually at a temperature of 0 to 100 ° C., preferably 0 to 80 ° C., using a reactor from which oxygen has been removed. During the reaction, the operating conditions such as temperature or stirring can be appropriately changed. The polymerization method may be a continuous method or a batch method.
[0033]
Further, when the polymerization conversion rate increases, gelation may occur, and the polymerization conversion rate is preferably suppressed to 80% or less, and it is particularly preferable to stop the polymerization in the range of the polymerization conversion rate of 30 to 70%. The polymerization is stopped by adding a polymerization terminator when a predetermined polymerization conversion rate is reached. Examples of the polymerization terminator include amine compounds such as hydroxylamine and diethylhydroxylamine, and quinone compounds such as hydroquinone. After the polymerization is stopped, the unreacted monomer is removed from the reaction system by a method such as steam distillation as necessary to obtain a latex in which the diene rubber is dispersed.
[0034]
In the present invention, as the aqueous dispersion of the diene rubber, the latex may be used as it is, or a dispersion dispersed as an oil-extended rubber to which a rubber extending oil is added may be used. The extending oil for rubber is not particularly limited, and for example, naphthenic, paraffinic, and aromatic process oils can be used. When the diene rubber contained in the latex is 100 parts by mass, the amount of the rubber extending oil used to make the oil-extended rubber is preferably 5 to 100 parts by mass, particularly preferably 10 to 60 parts by mass.
[0035]
Mooney viscosity [ML of diene rubber or oil-extended rubber contained in aqueous dispersion of diene rubber]1 + 4(100 ° C.)] is preferably 10 to 200, more preferably 30 to 150. When the Mooney viscosity is less than 10, physical properties such as wear resistance are not sufficient, and when it exceeds 200, workability is poor and kneading becomes difficult.
[0036]
Next, the “inorganic compound represented by the general formula (I)” according to the present invention is usually in the form of fine particles, and is uniformly dispersed in the diene rubber to form a composite. It is.
wM · xSiOy・ ZH2O (I)
(Wherein, M is at least one metal element selected from Al, Mg, Ti and Ca, a metal oxide or a metal hydroxide, and w, x, y and z are integers of 1 to 5, respectively. An integer from 0 to 10, an integer from 2 to 5, and an integer from 0 to 10.)
The inorganic compound does not include metal itself.
[0037]
Examples of the inorganic compound include alumina such as γ-alumina and α-alumina (Al2O3), Boehmite, diaspore, etc. alumina monohydrate (Al2O3・ H2O), aluminum hydroxide such as gibbsite, bayerite (Al (OH)3), Magnesium oxide (MgO), magnesium hydroxide (Mg (OH)2), Calcium oxide (CaO), calcium hydroxide (Ca (OH))2), Aluminum magnesium oxide (MgO · Al2O3), Titanium white such as rutile, anatase (TiO)2), Titanium Black (TiO2n-1), Calcined clay (Al2O3・ 2SiO2), Kaolin (Al2O3・ 2SiO2・ H2O), pyrophyllite (Al2O3・ 4SiO2・ H2O), bentonite (Al2O3・ 4SiO2・ 2H2O), talc (3MgO · 4SiO2・ H2O), attapulgite (5MgO · 8SiO)2・ 9H2O), magnesium calcium silicate (CaMgSiO)4), Aluminum silicate (Al2Si2O5(OH)4, Al2O3・ 2SiO2・ 2H2O), magnesium silicate (MgSiO3), Calcium silicate (CaO · SiO2・ YH2O), crystalline aluminosilicate containing hydrogen, alkali metal, or alkaline earth metal that corrects the charge, such as various zeolites. These inorganic compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0038]
Among the inorganic compounds, an inorganic compound represented by the following general formula (II) is preferable.
Al2O3・ MSiO2・ NH2O (II)
(In the formula, m is an integer of 0 to 4, and n is an integer of 0 to 4.)
Examples of the inorganic compounds include alumina such as γ-alumina and α-alumina, alumina monohydrate such as boehmite and diaspore, aluminum hydroxide such as gibbsite and bayerite, calcined clay, kaolin, pyrophyllite, bentonite and the like. Can be mentioned. These inorganic compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0039]
The inorganic compound preferably has a particle size of 10 μm or less, more preferably 3 μm or less. If the particle size of the inorganic compound is too large, the fracture resistance and wear resistance of the rubber product may deteriorate.
[0040]
The amount of the inorganic compound used is 5 to 200 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber.AndMore preferably, it is 5-67 mass parts, More preferably, it is 7-60 mass parts. If the amount used is too small, it is difficult to obtain improved grip performance on wet road surfaces when used as a tire product. On the other hand, if the amount used is too large, it may be difficult to produce the composite, and even if it can be produced, the dispersibility of the inorganic compound in the diene rubber will deteriorate, the composite will become extremely hard, etc. It causes problems and is not preferable
[0041]
In order to produce a diene rubber / inorganic compound composite using the inorganic compound, the inorganic compound may be used as it is for the purpose of premixing with other materials, Those dissolved or dispersed in an aqueous medium may be used. In the latter case, a colloid mill, a vibration mill, a homogenizer, a dyno mill, a ball mill, a tube mill, a super mixer, or the like can be used.
[0042]
In the present invention, since the inorganic compound constituting the composite is the inorganic compound represented by the above general formula (I), it is also referred to as a substance capable of forming the inorganic compound (hereinafter also referred to as “inorganic compound forming substance”). ) Can also be used as a production raw material.
[0043]
As the inorganic compound forming substance,It is at least one selected from metal salts, metal oxoacid salts and organometallic compounds, and other inorganic compound forming substances include:Either an inorganic substance or an organic substance may be used. Examples of the inorganic substance include metal salts, metal oxoacid salts, and the like. (1) Aluminum salts such as aluminum chloride, aluminum nitrate, aluminum sulfate, basic aluminum chloride, basic aluminum sulfate, and polyaluminum chloride, (2) Calcium nitrite, calcium nitrate, calcium chloride, magnesium chloride (hexahydrate), magnesium nitrate (hexahydrate), magnesium sulfate, titanium trichloride, titanium tetrachloride, etc. (3) sodium aluminate, etc. And aluminate (aluminum oxoacid salt). These compounds can be used alone or in combination of two or more.
These compounds can be used in the form dissolved or dispersed in water, acid, alkali or the like.
In addition, silicon salts (such as silicon chloride) and / or silicon oxoacid salts (silicates such as sodium silicate) can be added to these compounds. At that time, the silicate and the aluminum salt or aluminate may be used as the same aqueous solution, or different aqueous solutions may be prepared and used.
[0044]
Examples of the organic substance include organic metal compounds, and alkoxides of each metal are preferable. For example, triethoxyaluminum, tripropoxyaluminum, diethoxymagnesium, dipropoxymagnesium, tetraethoxytitanium, tetrapropoxytitanium, or a compound in which at least one of them is substituted with a hydrolyzable halogen such as chlorine, etc. . These compounds can be used alone or in combination of two or more.
Moreover, these organometallic compounds are normally used in the state melt | dissolved in the organic solvent illustrated by water-soluble alcohols, such as ethanol, methanol, and isopropyl alcohol. Accordingly, by adding water to the organometallic compound solution, the organometallic compound is hydrolyzed, and then the hydrolyzate is condensed to obtain a solution containing the inorganic compound forming substance. In the reaction between the organometallic compound and water, an acidic substance or an alkaline substance may be added as necessary in order to accelerate the condensation reaction. These can also be added as an acid or alkali aqueous solution.
The organic substance obtained as described above, or a solution or dispersion containing this organic substance can be used by mixing with a solution or dispersion containing the inorganic substance. At the time of use, you may adjust pH etc. as needed.
Furthermore, the inorganic compound-forming substance can be used in combination with the inorganic compound.
[0045]
In addition, in order to make the inorganic compound represented by the above general formula (II) as the inorganic compound, an aluminum salt or an organic aluminum salt of an inorganic acid salt and / or an organic acid salt is converted into water, an acid, an alkali, or the like. A dissolved or dispersed aluminum-containing solution can be used. Most of these compounds correspond to the above-mentioned inorganic compound forming substances.
[0046]
Examples of the inorganic acid salt and organic acid salt include aluminate such as sodium aluminate, sulfate, sulfite, hyposulfite, nitrate, nitrite, hyponitrite, chlorate, chlorite, hypochlorite. Chlorate, bromate, bromite, hypobromite, phosphate, phosphite, hypophosphite, acetate, succinate, phthalate, hexanoate, etc. Examples include oxo acid salts, hydrogen acid salts such as hydrochlorides (chlorides, polychlorides), and aluminosilicates. Moreover, these can be used individually by 1 type or in combination of 2 or more types.
[0047]
Among the above compounds, those that do not dissolve in a medium such as water, acid, alkali, etc. can be used in a state dispersed in these media. In that case, the colloid mill, the homogenizer etc. which were illustrated above can be used.
[0048]
In addition, as a dispersion of the above compound, one prepared by the following method can be used.
(1) A basic aluminum salt is gelled by heating and neutralized with a base.
(2) An alumina gel obtained by neutralization by adding an aluminum salt such as aluminum chloride and an aluminate.
(3) Precipitation of aluminum hydroxide produced by reacting aluminate with mineral acids or reacting aluminum salt such as aluminum sulfate with alkali such as sodium hydroxide, is similarly carried out in an aqueous medium such as water. Finely dispersed by shearing stirring.
(4) An alumina sol prepared by peptizing an alumina gel prepared from sodium aluminate, aluminum sulfate or the like as disclosed in Japanese Patent Publication No. 40-8409.
[0049]
Moreover, as said organoaluminum salt, the aluminum alkoxide illustrated above is preferable, for example, a trimethoxyaluminum, a triethoxyaluminum, a tripropoxyaluminum, a tributoxyaluminum etc. are mentioned. Moreover, the alkoxyl group which comprises these compounds may be substituted by halogen atoms, such as chlorine. These can be used alone or in combination of two or more.
[0050]
The aluminum-containing solution obtained as described above can be used alone or in combination of two or more. Also, a combination of the one prepared using the above aluminum salt and the one prepared using the above organic aluminum salt (for example, a solution prepared using an aluminate and a preparation using an organic aluminum salt) And a mixed solution in an arbitrary ratio).
[0051]
The inorganic compound-forming substance may be obtained by alkali treatment of a single metal element (Al, Mg, Ti or Ca) constituting the general formula (I).
[0052]
The amount of the inorganic compound-forming substance used is that the amount of the inorganic compound of the general formula (I) or (II) formed is based on 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. 5 to 200 parts by massAndMore preferably, it is selected to be 5 to 67 parts by mass, and more preferably 7 to 60 parts by mass. In the case of using the inorganic compound-forming substance as a composite containing the inorganic compound, a by-product may be contained. Moreover, what is necessary is just to select the usage-amount of both by the same method also when using together this inorganic compound formation substance and the said inorganic compound.
[0053]
The production method of the diene rubber / inorganic compound composite of the present invention is characterized by mixing the aqueous dispersion of the diene rubber, the inorganic compound and / or the inorganic compound-forming substance, and further an anionic compound. It is to provide a process.
The anionic compound isAn anionic surfactant having at least one selected from a carboxyl group, a sulfonic acid group and a phosphoric acid group.In the present invention, a compound having a carboxyl group is particularly preferred. Here, the “carboxyl group” means —COOH and —COO.−Indicates. Further, the number of the carboxyl group in one molecule of the compound is not particularly limited. Examples of this compound include rosinate, fatty acid salt, naphthenate, ether carboxylate, alkenyl succinate, N-acyl sarcosine exemplified as the anionic surfactant (emulsifier) in the description of the diene rubber. A salt, N-acyl glutamate, etc. can be used. These can be used singly or in combination of two or more.
[0054]
Examples of the rosinate include alkali metal salts, alkaline earth metal salts and ammonium salts of rosin acid. Examples of the alkali metal atom include lithium, sodium, potassium and the like. As the rosinate used in the present invention, a potassium salt is preferable.
Examples of the fatty acid salts include potassium salts, sodium salts, lithium salts, ammonium salts and lower amine salts of fatty acids having 10 to 20 carbon atoms. Of these, palmitate, stearate, laurate, linoleate and linolenate are preferred.
[0055]
The anionic compound may be used as it is (solid or the like), or an aqueous dispersion of the diene rubber, a dispersion or solution of the inorganic compound, or a dispersion of the inorganic compound-forming substance, or You may use it in the state melt | dissolved or disperse | distributed to the aqueous medium which comprises a solution.
[0056]
The amount of the anionic compound used is 0.5 to 10 parts by mass, more preferably 1 to 6 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. is there. If the amount of the anionic compound used is too small, the resulting diene rubber / inorganic compound composite may be too small.
In addition, since this anionic compound is used also for manufacture of the aqueous dispersion liquid of a diene rubber as mentioned above, the method of using an excess anionic compound at the time of manufacture of a diene rubber may be used.
[0057]
The “mixing method of the inorganic compound and / or the inorganic compound-forming substance, the anionic compound, and the aqueous dispersion of the diene rubber” in the production method of the present invention is not particularly limited. . That is, each component may be mixed at once, or the divided and mixed components may be mixed at the end. A preferred mixing method is (1) a method of mixing the inorganic compound and / or the inorganic compound-forming substance with the anionic compound, and then mixing with the aqueous dispersion of the diene rubber, and (2) the inorganic compound. And / or after mixing the inorganic compound forming substance and a part of the aqueous dispersion of the diene rubber, the mixture and the anionic compound are mixed, and the remaining aqueous dispersion of the diene rubber is further mixed. (3) A method of further mixing the inorganic compound and / or the inorganic compound-forming substance after mixing the aqueous dispersion of the diene rubber and the anionic compound.
[0058]
Next, in order to take out the diene rubber / inorganic compound composite from the above mixture, a general method of coagulating the rubber component from the latex can be applied and taken out as a coagulated product. The aqueous medium may be removed and removed. In order to obtain a more uniform diene rubber / inorganic compound composite, the former method is preferred. When an extending oil for rubber is blended in advance with an aqueous dispersion of a diene rubber, it can be taken out as an oil-extended rubber / inorganic compound composite by this coagulation.
[0059]
Solidification methods include, for example, electrolyte components (1) sodium chloride, potassium chloride, (2) salts of polyvalent metals such as calcium, magnesium, zinc, aluminum, such as calcium chloride, magnesium chloride, zinc chloride, chloride Aqueous solution of aluminum, calcium nitrate, magnesium nitrate, zinc nitrate, aluminum nitrate, magnesium sulfate, zinc sulfate, aluminum sulfate, and / or (3) hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, etc. are added as necessary. The diene rubber / inorganic compound composite can be solidified as crumb. These can be used alone or in combination of two or more. At this time, the fine inorganic compound can be coagulated by using a polymer flocculant (anionic, nonionic and nonionic among anionic, nonionic and cationic). The temperature, pH and the like during the co-coagulation are not particularly limited, but in order to reduce inorganic salts remaining in the produced diene rubber / inorganic compound composite, the temperature is 10 ° C. or higher, preferably 10-80. It is preferable to control at a pH value within a range of 2 to 14 (preferably pH 4 to 11). If it is less than 10 degreeC, it exists in the industrially unsuitable tendency, On the other hand, when temperature is too high, a big crumb may not be obtained. A large composite can be obtained by co-solidifying within a lower temperature range within the above preferred temperature range.
[0060]
After the co-coagulation of the diene rubber and the inorganic compound, the emulsifier, the electrolyte, etc. are usually removed by washing the coagulated product with water, etc., and then the water is removed by drying with hot air, vacuum drying, etc. As described above, a composite in which the inorganic compound is uniformly dispersed in the diene rubber can be obtained.
[0061]
The number average particle diameter of the diene rubber / inorganic compound composite produced according to the present invention is usually 1 to 50 mm, preferably 3 to 20 mm. When the particle size of the diene rubber / inorganic compound composite is in the above range, a crumb that improves workability during production can be obtained.
[0062]
A rubber composition can be prepared using the diene rubber / inorganic compound composite produced according to the present invention together with additives and the like. As the additive, a crosslinking agent containing a vulcanizing agent, a reinforcing filler, other fillers, a coupling agent, a vulcanization accelerator, fatty acids and the like are blended. Further, if necessary, other rubber components and other diene rubber / inorganic compound composites can be blended.
[0063]
The cross-linking agent includes a vulcanizing agent such as sulfur and a sulfur-containing compound, or a non-sulfur-based cross-linking agent such as a peroxide. Among the former vulcanizing agents, sulfur is particularly preferable. The compounding amount of the vulcanizing agent is usually 0.5 to 10 parts by mass, particularly preferably 1 to 6 parts by mass, when the total amount of the rubber component is 100 parts by mass.
[0064]
Examples of the reinforcing filler include carbon black and silica.
Examples of carbon black include channel black, furnace black, acetylene black, and thermal black depending on the production method, and any of them can be used. In addition, this carbon black has a nitrogen adsorption specific surface area (BET value measured according to ASTM D3037-88) of 70 m.2It is preferable that the oil absorption of dibutyl phthalate (DBP value measured according to JIS K6221-1982 (Method A)) is 90 ml / 100 g or more.
The BET value is 70m2If it is less than / g, sufficient wear resistance is difficult to be exhibited, and if the BET value is too large, the fuel efficiency is deteriorated when the tire is used. In consideration of wear resistance and low fuel consumption, a more preferable range of the BET value is 90 to 180 m.2/ G.
Further, if the DBP value is less than 90 ml / 100 g, sufficient wear resistance is difficult to obtain, and if the DBP value is too large, the elongation at break of the rubber product is deteriorated. In consideration of wear resistance and low fuel consumption, a more preferable range of this DBP value is 100 to 180 ml / 100 g.
[0065]
As silica, those conventionally used for rubber reinforcement, for example, dry process silica, wet process silica (hydrous silicic acid) and the like can be used, and wet process silica is preferred. This silica has a nitrogen adsorption specific surface area (BET value) of 100 to 300 m in consideration of wear resistance and low fuel consumption.2Those in the range of / g are preferred. The BET value is a value measured in accordance with ASTM D4820-93 after drying at 300 ° C. for 1 hour.
[0066]
As the reinforcing filler, only carbon black may be used, or only silica may be used. Furthermore, carbon black and silica may be used in combination. In addition, the amount of the reinforcing filler is preferably 5 to 100 parts by mass when the total amount of the rubber component is 100 parts by mass in terms of the balance of wear resistance, wet performance and fuel efficiency. Preferably it is 30-85 mass parts.
[0067]
Examples of the other filler include clay, calcium carbonate, and magnesium carbonate. These can be used alone or in combination of two or more.
[0068]
Although it does not specifically limit as said coupling agent, A silane coupling agent is preferable. As silane coupling agents, vinyltrichlorosilane, vinyltriethoxysilane, vinyltris (β-methoxy-ethoxy) silane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) -ethyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxy Silane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, N- (β-aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, N- (β-aminoethyl) -γ- Aminopropyltomethyldimethoxysilane, N-phenyl-γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltrimethoxysilane, bis- (3- (tri Ethoxysilyl) propi ) Tetrasulfide, bis - (3- (triethoxysilyl) propyl) disulfide, .gamma.-trimethoxysilylpropyl dimethylthiocarbamoyl tetrasulfide, .gamma.-trimethoxysilylpropyl benzothiazyl tetrasulfide and the like. These can be used alone or in combination of two or more. When these coupling agents are blended, the wear resistance or tan δ is further improved.
The blending amount of the coupling agent is 100% of the total amount of the inorganic compound contained in the rubber composition, or when the inorganic filler such as a reinforcing filler is additionally blended. Part, preferably 20 parts by mass or less, particularly preferably 15 parts by mass or less (usually 1 part by mass or more).
[0069]
Examples of the vulcanization accelerator include aldehyde ammonia type, guanidine type, thiourea type, thiazole type and dithiocarbamic acid type compounds. These can be used alone or in combination of two or more. Further, the blending amount of the vulcanization accelerator is preferably 0.5 to 15 parts by mass, particularly preferably 1 to 10 parts by mass, when the total amount of the rubber component is 100 parts by mass.
[0070]
Examples of the fatty acids include fatty acids and ester compounds thereof. These can be used alone or in combination of two or more.
The fatty acid is preferably a higher fatty acid, usually a monocarboxylic acid having 10 or more (preferably 12 or more, usually 20 or less) carbon atoms, which may be a saturated fatty acid or an unsaturated fatty acid. preferable. Examples of the fatty acid include palmitic acid, stearic acid, lauric acid, oleic acid, linoleic acid, and linolenic acid.
The fatty acid ester compound is preferably an ester of the above higher fatty acid with an alcohol compound. The alcohol compound preferably has about 1 to 10 carbon atoms. Further, esters of higher alcohols (having about 10 or more and about 20 or less carbon atoms) of lower fatty acids (having about 1 to 10 carbon atoms) can also be used.
[0071]
The above-mentioned “other rubber component” means other rubber that is not a composite, and styrene / butadiene copolymer rubber, butadiene rubber, isoprene rubber, butadiene / isoprene copolymer rubber, butadiene / styrene / rubber, which are obtained by a known method. Isoprene copolymer rubber, acrylonitrile / butadiene copolymer rubber, acrylonitrile / styrene / butadiene copolymer rubber, acrylic rubber, butyl rubber, natural rubber, chloroprene rubber and the like can be used. The rubber component may have a polar group containing a hetero atom.
Further, the rubber component may be oil-extended rubber by rubber extending oil.
In addition to the above additives, rubber extender oil, zinc white, vulcanization aid, anti-aging agent, processing aid and the like can be blended in appropriate amounts.
[0072]
Using the diene rubber / inorganic compound composite produced according to the present invention, a rubber product can be produced in the following manner. That is, first, kneading the above composite, if necessary, other rubber components, reinforcing agents such as silica, carbon black, carbon-silica dual phase filler, rubber extension oil, other compounding agents, etc. in a Banbury mixer Kneading at a temperature of 70 to 180 ° C. using a machine. Thereafter, the kneaded product is cooled, and a vulcanizing agent such as sulfur and a vulcanization accelerator are blended using a Banbury mixer or a mixing roll to obtain a rubber composition, which is then molded into a predetermined shape. Next, vulcanization is performed at a temperature of 140 to 180 ° C. to obtain a required vulcanized rubber, that is, a rubber product.
The rubber composition has good processability, and the resulting vulcanized rubber has excellent tensile strength, abrasion resistance, wet skid resistance, impact resilience, etc., and is particularly suitable as a tire tread. is there.
[0073]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. In Examples and Comparative Examples, parts and% are based on mass unless otherwise specified.
[0074]
1. Preparation of diene rubber (oil-extended diene rubber and non-oil-extended diene rubber)
1-1. Oil-extended diene rubber
In a polymerization vessel purged with nitrogen, 200 parts of water, 4.5 parts of rosin acid soap, butadiene and a predetermined amount of other monomers shown in Table 1 (total amount of monomers is 100 parts), and t-dodecyl mercaptan 0.3 parts were charged. Thereafter, the temperature of the polymerization vessel was set to 5 ° C., 0.1 part of p-menthane hydroperoxide as a polymerization initiator, 0.07 part of ethylenediaminetetraacetate, 0.05 part of ferrous sulfate heptahydrate And 0.15 parts of sodium formaldehyde sulfoxylate were added to initiate the polymerization. When the polymerization conversion reached 60%, diethylhydroxyamine was added to terminate the polymerization. Next, the unreacted monomer was recovered by steam stripping to obtain an aqueous dispersion containing a diene rubber having a solid concentration of about 21%.
Then, about the aqueous dispersion of the diene rubber obtained using the monomer shown in Table 1, 37.5 parts of aroma oil (Fuji Kosan Co., Ltd.) with respect to 100 parts of the solid content of the diene rubber contained therein. Product name “Fukkor Aromax # 3”) to obtain an emulsion, which was solidified with sulfuric acid and sodium chloride to obtain crumb. Next, this crumb was washed with water and then dried with a hot air dryer to obtain oil-extended diene rubbers (a to j in Table 1).
[0075]
The content of the monomer units constituting the oil-extended diene rubber obtained as described above and the Mooney viscosity were measured by the following methods, and the results are also shown in Table 1. (A) Amount of bound styrene (% by mass): Determined by preparing a calibration curve by infrared absorption spectroscopy.
(B) Monomer bond amount (% by mass) having a carboxyl group: The rubber was dissolved in toluene and purified by reprecipitating with methanol twice. After vacuum drying, the rubber was dissolved in chloroform. And obtained by neutralization titration.
(C) Amount of monomer bond having amino group and nitrile group (mass%): The rubber was dissolved in toluene and purified by reprecipitation with methanol twice, vacuum dried, and then subjected to elemental analysis. Calculated from the nitrogen content.
(D) Amount of bonded monomers having hydroxyl groups (mass%): The rubber was dissolved in toluene and reprecipitated with methanol twice, purified, vacuum dried, and then 270 MHz.1It was measured by 1 H-NMR.
(E) Amount of butyl acrylate bond (% by mass): The rubber was dissolved in toluene and purified by reprecipitation with methanol twice, followed by vacuum drying, and then 270 MHz.13Measured by C-NMR.
(F) Monomer bond amount (mass%) having an alkoxysilyl group: The rubber was dissolved in toluene and purified by reprecipitation with methanol twice, vacuum dried, and then 270 MHz.1It was measured by 1 H-NMR.
(G) Mooney viscosity [ML1 + 4(100 ° C.)]: Based on JIS K6300-1994, measurement was performed under the conditions of a measurement temperature of 100 ° C., a preheating of 1 minute, and a measurement of 4 minutes.
[0076]
[Table 1]
[0077]
1-2. Non-oil extended diene rubber
In a polymerization vessel substituted with nitrogen, 200 parts of water, 4.5 parts of rosin acid soap, butadiene and a predetermined amount of other monomers shown in Table 2 (total amount of monomers is 100 parts), and t-dodecyl mercaptan 0.3 parts (when styrene was used) or 0.7 parts (when styrene was not used) were charged. Thereafter, the temperature of the polymerization vessel was set to 5 ° C., 0.1 part of p-menthane hydroperoxide as a polymerization initiator, 0.07 part of ethylenediaminetetraacetate, 0.05 part of ferrous sulfate heptahydrate And 0.15 parts of sodium formaldehyde sulfoxylate were added to initiate the polymerization. When the polymerization conversion reached 60%, diethylhydroxylamine was added to terminate the polymerization. Subsequently, the unreacted monomer was recovered by steam stripping to obtain an aqueous dispersion containing a diene rubber having a solid concentration of 21%.
Thereafter, this aqueous dispersion was coagulated with sulfuric acid and sodium chloride to obtain crumb. Next, this crumb was washed with water and then dried with a hot air dryer to obtain a diene rubber (kt in Table 2). Then, in the same manner as the oil-extended diene rubber, the monomer unit amount and Mooney viscosity of the diene rubber were measured, and the results are also shown in Table 2.
[0078]
[Table 2]
[0079]
2. Manufacture of diene rubber and inorganic compound composites
The oil-extended diene rubber, the non-oil-extended diene rubber, and the natural rubber latex “NR” (trade name “HA”, solid content 62%) manufactured by Felder Rubber Co., Ltd. Using the total amount to be 100 parts, in order to obtain the five types of composite structures (i) to (v) shown in Table 3, the content ratio of the rubber component and each inorganic compound contained is shown in Table 3. The diene rubber / inorganic compound composite was produced so as to have the value shown in FIG. For example, in the case of (i) of Table 3, it adjusted suitably so that the composite_body | complex containing 30 parts of inorganic compounds might be manufactured with respect to 137.5 parts of oil-extended diene rubbers containing 100 parts of diene rubbers.
In addition, what was shown below was used as an inorganic compound.
(1) Aluminum hydroxide (Gibsite); manufactured by Showa Denko KK, trade name “Hijilite H-43M”, average particle size 0.6 μm,
(2) Alumina monohydrate (boehmite); manufactured by Condea Japan, trade name “PURAL200”, average particle size 0.14 μm,
(3) γ-alumina; manufactured by Baikowski, trade name “Baikalox CR125”, average particle size 0.3 μm,
(4) calcined clay; M.M. Product name “Polyfil 40”, average particle size 1.2 μm, manufactured by HUBER
(5) Kaolin; M.M. Product name “Polyfil DL”, average particle size 1.0 μm, manufactured by HUBER
(6) Magnesium hydroxide; manufactured by Kyowa Chemical Industry Co., Ltd., trade name “Kisuma 5A”, average particle size 0.8 μm,
(7) Titanium oxide (anatase); manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd., trade name “Taipeke A-100”, average particle size 0.15 μm.
[0080]
[Table 3]
[0081]
2-1. Homomixer method
Example 1
In order to obtain the composite structure (i) shown in Table 3, 539 parts of an emulsion containing 137.5 parts of the oil-extended diene rubber obtained above (including 100 parts of the diene rubber), and an inorganic compound A dispersion obtained by dispersing 30 parts of the above aluminum hydroxide (gibbsite) in 200 parts of water using a homomixer and 2 parts of potassium rosinate were stirred and mixed at 25 ° C.
Thereafter, sulfuric acid was added to the obtained mixture to adjust the mixed dispersion to pH 4-5, and solidified with sodium chloride to form a crumb. The size of this crumb was 8 mm or more, which was equivalent to the size of a crumb made of styrene-butadiene rubber produced by ordinary emulsion polymerization.
Next, the obtained crumb was washed with water and then dried with a hot air dryer to obtain an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite (see Table 5). The obtained composite was heated and ashed at 640 ° C. for 8 hours using an electric furnace, and the content of the inorganic compound calculated from the ash was 30 parts in terms of inorganic compound with respect to 100 parts of the diene rubber. there were.
In Table 5, “solidified crumb particle diameter” is indicated by “◯” when the number average particle diameter is 5 mm or more. The same applies to the following.
[0082]
Examples 2-40
In order to obtain the composite structure (i) shown in Table 3, the types of the oil-extended diene rubber and inorganic compound were changed, and the oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was produced in the same manner as in Example 1 above. did. The sizes of the obtained crumbs were all 5 mm or more.
[0083]
Examples 136-155
In order to obtain the composite structure (iv) shown in Table 3, the oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the types of the oil-extended diene rubber and the inorganic compound were changed. did. The sizes of the obtained crumbs were all 5 mm or more.
[0084]
In the composite structure (i) shown in Table 3, Examples (1-10) using aluminum hydroxide are shown in Table 5, Examples (11-15) using alumina monohydrate are shown in Table 5. 6, Examples (16-20) using γ-alumina are shown in Table 7, Examples (21-25) using calcined clay are shown in Table 8, Examples using kaolin (26-30). ) Is shown in Table 9, Examples (31 to 35) using magnesium hydroxide are shown in Table 10, and Examples (36 to 40) using titanium oxide are shown in Table 11.
Moreover, in the composite structure (iv) shown in Table 3, Examples (136 to 140) using aluminum hydroxide are shown in Table 24. Examples (141 to 145) using alumina monohydrate are shown in Table 24. In Table 25, Examples (146 to 150) using γ-alumina are shown in Table 26, and Examples (151 to 155) using baked clay are shown in Table 27.
[0085]
Comparative Example 1
In Example 1 above, an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was produced in the same manner except that potassium rosinate was not added, and crumb was obtained using a light scattering particle size distribution analyzer (Horiba Seisakusho). It was 700 micrometers when the magnitude | size was measured.
[0086]
Examples 71-105, Examples 116-125, and Examples 166-175
In order to obtain the composite structure (ii) or (iii) shown in Table 3, 476 parts of an aqueous dispersion containing 100 parts of the non-oil-extended diene rubber obtained above and 20 parts or 50 of each of the above inorganic compounds A dispersion obtained by dispersing a part in 200 parts of water using a homomixer and 3 parts of potassium rosinate were stirred and mixed at 25 ° C.
Thereafter, sulfuric acid was added to the obtained mixture to adjust the mixed dispersion to pH 4-5, and solidified with sodium chloride to form a crumb. The average particle size of this crumb was 5 mm or more, which was equivalent to the size of a crumb made of styrene-butadiene rubber produced by ordinary emulsion polymerization. The following operations were carried out in the same manner as in the above example, to obtain a non-oil-extended diene rubber / inorganic compound composite. The obtained composite was heated to ash at 640 ° C. for 8 hours using an electric furnace, and the content of the inorganic compound calculated from the ash was 20 in terms of inorganic compound relative to 100 parts of the diene rubber. Part or 50 parts.
In the composite structure (ii) shown in Table 3, examples (71 to 75) using aluminum hydroxide are shown in Table 13, and examples (76 to 80) using alumina monohydrate are shown in Table 13. 14, Examples (81-85) using γ-alumina are shown in Table 15, Examples (86-90) using calcined clay are shown in Table 16, Examples using kaolin (91-95). ) Is shown in Table 17, Examples (96 to 100) using magnesium hydroxide are shown in Table 18, and Examples (101 to 105) using titanium oxide are shown in Table 19.
In the composite structure (iii) shown in Table 3, Examples (116 to 120) using aluminum hydroxide are shown in Table 21 and Examples (121 to 125) using alumina monohydrate are shown in Table 21. 22 shows.
Further, in the composite structure (v) shown in Table 3, Examples (166 to 170) using aluminum hydroxide are shown in Table 29, and Examples (171 to 175) using alumina monohydrate are shown in Table 29. The results are shown in Table 30.
[0087]
2-2. In-situ (I) method
Example 41
In order to obtain the composite structure (i) shown in Table 3, a 2.4% sodium aluminate aqueous solution (Al2O3380 parts of 10% sulfuric acid was added to 2570 parts (0.9% in terms of conversion), adjusted to pH 7, and an aluminum-containing slurry solution containing aluminum hydroxide as a main component was obtained. Thereafter, 3 parts of potassium rosinate was added and stirred sufficiently at 25 ° C. Subsequently, this mixed liquid and an emulsion having a solid content concentration of 21% containing 100 parts of diene rubber and 37.5 parts of aroma oil were mixed with stirring to produce a crumb slurry. The crumb size was 10 mm.
The obtained crumb was washed with water and then dried with a hot air dryer to obtain an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite. The amount of inorganic compound introduced calculated from the ash content of the resulting composite is aluminum hydroxide (Al (OH)3) 30 parts in terms of conversion.
[0088]
Examples 42-50, Examples 106-110, Examples 126-130, Examples 156-160, and Examples 176-180
In order to obtain the five types of composite structures (i) to (v) shown in Table 3, an oil-extended diene rubber emulsion or an aqueous dispersion of a non-oil-extended diene rubber (each containing 100 parts of a diene rubber) In the same manner as in Example 41, an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite or a non-oil extended diene rubber / inorganic compound composite was obtained.
[0089]
The examples (41-50) in the complex configuration (i) shown in Table 3 are shown in Table 12, the examples (106-110) in the complex configuration (ii) are listed in Table 20, and the complex configuration (iii) Examples (126 to 130) in Table 23, Examples (156 to 160) in the complex configuration (iv), Table 28 (Examples 176 to 180) in the complex configuration (v) The results are shown in Table 31.
[0090]
Comparative Example 2
An oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was produced in the same manner as in Example 41 except that potassium rosinate was not added, and the crumb size was measured by the particle size distribution measuring apparatus. Met.
[0091]
2-3. In-situ (II) method
Example 51
In order to obtain the composite structure (i) shown in Table 3, a 2.4% sodium aluminate aqueous solution (Al2O3380 parts of 10% sulfuric acid was added to 2570 parts (0.9% in terms of conversion), adjusted to pH 7, and an aluminum-containing slurry solution containing aluminum hydroxide as a main component was obtained. Thereafter, 30% of a predetermined amount of an emulsion having a solid content concentration of 21% containing 100 parts of diene rubber and 37.5 parts of aroma oil is mixed with the above-mentioned aluminum-containing slurry solution while stirring at 25 ° C. A rubber / inorganic compound composite slurry was produced. Next, 3 parts of potassium rosinate and the remaining 70% were added and further mixed to form crumb. The size of this crumb was 9 mm. The obtained crumb was treated in the same manner as in the above example to obtain an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite (see Table 12).
[0092]
Examples 52-60
An oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was obtained in the same manner as in Example 51 above using an emulsion (containing 100 parts of diene rubber) containing oil-extended diene b to j shown in Table 1. (See Table 12).
[0093]
Comparative Example 3
An oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was produced in the same manner as in Example 51 except that potassium rosinate was not added, and the size of the crumb was measured with the particle size distribution measuring apparatus. Met.
[0094]
2-4. In-situ (III) method
Example 61
In order to obtain the composite structure (i) shown in Table 3, a 3.4% aqueous solution of aluminum sulfate (Al2O3(Conversion 0.9%) Addition of 500 parts of 10% sulfuric acid to an aqueous solution adjusted to pH 14 by adding 95 parts of sodium hydroxide to 2660 parts, and adjusting the pH to 7 to contain aluminum containing aluminum hydroxide as a main component A slurry solution was obtained. Thereafter, 3 parts of potassium rosinate was added and stirred sufficiently at 25 ° C. Subsequently, this mixed liquid and an emulsion having a solid content concentration of 21% containing 100 parts of diene rubber and 37.5 parts of aroma oil were mixed with stirring to produce a crumb slurry. The crumb size was 8 mm. The obtained crumb was treated in the same manner as in the above example to obtain an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite (see Table 12).
[0095]
Examples 62-70, Examples 111-115, Examples 131-135, Examples 161-165, and Examples 181-185
In order to obtain the five types of composite structures (i) to (v) shown in Table 3, an oil-extended diene rubber emulsion or an aqueous dispersion of a non-oil-extended diene rubber (each containing 100 parts of a diene rubber) In the same manner as in Example 61, an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite or a non-oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was obtained.
[0096]
Examples (61 to 70) in the complex configuration (i) shown in Table 3 are shown in Table 12, Examples (111 to 115) in the complex configuration (ii) are shown in Table 20, and the complex configuration (iii) Example (131-135) in Table 23, Examples (161-165) in Complex Configuration (iv) are in Table 28, Examples (181-185) in Complex Configuration (v) The results are shown in Table 31.
[0097]
Comparative Example 4
In Example 61, an oil-extended diene rubber / inorganic compound composite was produced in the same manner except that potassium rosinate was not added, and the crumb size was measured with the particle size distribution measuring apparatus. Met.
[0098]
3. Preparation of rubber composition
Using the composites produced in Examples 1 to 185 and the compounding agents shown below, rubber compositions were obtained according to the compounding formulas A to E in Table 4 and the two-stage kneading process described below. In addition, “inorganic compound” in Table 4 means various inorganic compounds contained in the composite.
(1) “N339”; carbon black manufactured by Tokai Carbon Co., Ltd., trade name “Seast KH”,
(2) “Silica”; silica manufactured by Nippon Silica Industry Co., Ltd., trade name “Nipsil AQ”,
(3) “Aroma oil”; manufactured by Fuji Kosan Co., Ltd., trade name “Fukkor. Aromax # 3”,
(4) “Stearic acid”; manufactured by Kao Corporation, trade name “Lunac S-30”,
(5) “6C”; N- (1,3-dimethylbutyl) -N′-phenyl-p-phenylenediamine, an anti-aging agent manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Co., Ltd., trade name “NOCRACK 6C”,
(6) “Si69”; bis (triethoxysilylpropyl) tetrasulfane, silane coupling agent manufactured by Degussa, trade name “Si69”,
(7) “DPG”; diphenylguanidine, a vulcanization accelerator manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Industry Co., Ltd., trade name “Noxeller D”,
(8) “DM”: dibenzothiazyl sulfide, vulcanization accelerator manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Industry Co., Ltd., trade name “Noxeller DM”,
(9) “NS”; Nt-butyl-2-benzothiazoylsulfenamide, a vulcanization accelerator manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Industry Co., Ltd., trade name “Noxeller NS-F”.
[0099]
(First stage kneading method)
According to the formulation shown in Table 4, the first-stage compounding agent was kneaded at a maximum temperature of 160 ° C. with a kneading device (trade name “Laboplast Mill” manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd.).
(Second-stage kneading method)
A second-stage compounding agent was added to the kneaded product obtained above and kneaded by the above apparatus. However, the maximum temperature during kneading was set to 100 ° C.
[0100]
In addition, as Comparative Examples 5 to 119, oil-extended diene rubbers a to j or non-oil extended diene rubbers k to t and a commercially available aluminum hydroxide powder (trade name “Hijilite H-43M” manufactured by Showa Denko KK) , Average particle size 0.6 μm)4A rubber composition prepared by dry blending was obtained according to the formulation of
[0101]
[Table 4]
[0102]
4). Performance evaluation
The rubber composition obtained above was heat-treated at 160 ° C. for 15 minutes to obtain a vulcanizate. Using this vulcanizate as a measurement sample, the following performance evaluation was performed.
(1) TBIn accordance with JIS K6251-1993, tensile strength was measured using a No. 3 type test piece under the conditions of a measurement temperature of 25 ° C. and a tensile speed of 500 mm / min. The unit is MPa.
(2) Abrasion resistance: A wear amount at a slip rate of 25% was calculated using a Lambone type abrasion tester. The measurement temperature was 25 ° C., and the reciprocal of the amount of wear was shown as an index with the comparative example of the same series as 100. The higher the index, the better the wear resistance.
[0103]
The above results are shown in Tables 5 to 31.
In Formulation A of Table 4, Examples (1 to 10 and 41 to 70) using aluminum hydroxide as an inorganic compound are examples (11 to 10) using alumina monohydrate in Tables 5 and 12. -15) are shown in Table 6, Examples (16-20) using γ-alumina are shown in Table 7, Examples (21-25) using baked clay are used in Table 8, and kaolin is used. Examples (26-30) are shown in Table 9, Examples (31-35) using magnesium hydroxide are shown in Table 10, and Examples (36-40) using titanium oxide are shown in Table 11. It was.
In Formulation B of Table 4, Examples (71 to 75 and 106 to 115) using aluminum hydroxide as an inorganic compound are shown in Table 13 and Table 20 as examples using alumina monohydrate (76). -80) are shown in Table 14, Examples (81-85) using γ-alumina are shown in Table 15, Examples (86-90) using baked clay are used in Table 16, and kaolin is used. Examples (91 to 95) are shown in Table 17, Examples (96 to 100) using magnesium hydroxide are shown in Table 18, and Examples (101 to 105) using titanium oxide are shown in Table 19. It was.
In Formulation C of Table 4, Examples (116 to 120 and 126 to 135) using aluminum hydroxide as an inorganic compound are shown in Tables 21 and 23 as examples using alumina monohydrate (121). ~ 125) are shown in Table 22.
In Formulation D of Table 4, Examples (136 to 140 and 156 to 165) using aluminum hydroxide as an inorganic compound are shown in Table 24 and Table 28 as examples using alumina monohydrate (141). ˜145) are shown in Table 25, Examples (146 to 150) using γ-alumina are shown in Table 26, and Examples (151 to 155) using baked clay are shown in Table 27.
Moreover, in the mixing | blending prescription E of Table 4, the Example (166-170 and 176-185) using aluminum hydroxide is the Example (171-175) using an alumina monohydrate in Table 29 and Table 31. ) Is shown in Table 30.
[0104]
[Table 5]
[0105]
[Table 6]
[0106]
[Table 7]
[0107]
[Table 8]
[0108]
[Table 9]
[0109]
[Table 10]
[0110]
[Table 11]
[0111]
[Table 12]
[0112]
[Table 13]
[0113]
[Table 14]
[0114]
[Table 15]
[0115]
[Table 16]
[0116]
[Table 17]
[0117]
[Table 18]
[0118]
[Table 19]
[0119]
[Table 20]
[0120]
[Table 21]
[0121]
[Table 22]
[0122]
[Table 23]
[0123]
[Table 24]
[0124]
[Table 25]
[0125]
[Table 26]
[0126]
[Table 27]
[0127]
[Table 28]
[0128]
[Table 29]
[0129]
[Table 30]
[0130]
[Table 31]
[0131]
5. Effects of the embodiment
5-1. Diene rubber / inorganic compound composite size
From Tables 5 to 31, the dispersibility of various inorganic compounds is high and the average particle size is 5 mm, both by the production method using a homomixer and by the methods according to in-situ (I), (II) and (III). The above crumbs were obtained.
[0132]
5-2. Performance evaluation of vulcanized rubber
Tables 32-34 summarize the evaluation results shown in Tables 5-31. From these tables, compared with the corresponding comparative examples, in the present example, all of the composites having a high dispersibility of the inorganic compound are used.BIt can be seen that the value (tensile strength) is high and the wear resistance is excellent.
[0133]
[Table 32]
[0134]
[Table 33]
[0135]
[Table 34]
Claims (13)
上記無機化合物及び/又は該無機化合物形成物質と、アニオン性化合物と、上記ジエン系ゴムの水系分散液とを混合する工程を備え、
上記無機化合物形成物質が金属塩、金属のオキソ酸塩及び有機金属化合物から選ばれる少なくとも1種であり、
上記アニオン性化合物がカルボキシル基、スルホン酸基及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種を有するアニオン性界面活性剤であり、
上記無機化合物の量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜200質量部であり、
上記アニオン性化合物の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部であることを特徴とするジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。
wM・xSiOy・zH2O (I)
(式中、Mは、Al、Mg、Ti及びCaから選ばれる少なくとも1種の金属元素、金属酸化物又は金属水酸化物であり、w、x、y及びzはそれぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)A method for producing a composite comprising a diene rubber and an inorganic compound represented by the following general formula (I):
A step of mixing the inorganic compound and / or the inorganic compound- forming substance , an anionic compound, and an aqueous dispersion of the diene rubber,
The inorganic compound-forming substance is at least one selected from metal salts, metal oxoacid salts and organometallic compounds,
The anionic compound is an anionic surfactant having at least one selected from a carboxyl group, a sulfonic acid group and a phosphoric acid group;
The amount of the inorganic compound is 5 to 200 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber.
The amount of the anionic compound used is 0.5 to 10 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. A method for producing an inorganic compound composite.
wM · xSiO y · zH 2 O (I)
(Wherein, M is at least one metal element selected from Al, Mg, Ti and Ca, a metal oxide or a metal hydroxide, and w, x, y and z are integers of 1 to 5, respectively. An integer from 0 to 10, an integer from 2 to 5, and an integer from 0 to 10.)
上記無機化合物形成物質が、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。 The inorganic compound is at least one selected from γ-alumina, alumina monohydrate, aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, titanium oxide, calcined clay and kaolin;
The diene according to claim 1 or 2 , wherein the inorganic compound forming substance is at least one selected from aluminum chloride, aluminum nitrate, aluminum sulfate, basic aluminum chloride, basic aluminum sulfate, polyaluminum chloride, and sodium aluminate. Method for producing a composite rubber / inorganic compound composite
上記無機化合物形成物質が、硫酸アルミニウム及びアルミン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種であり、The inorganic compound-forming substance is at least one selected from aluminum sulfate and sodium aluminate;
上記アニオン性化合物が、ロジン酸塩であり、The anionic compound is a rosinate;
上記無機化合物の量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜67質量部であり、The amount of the inorganic compound is 5 to 67 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber.
上記アニオン性化合物の使用量は、上記ジエン系ゴムの水系分散液に含有される上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜6質量部である請求項1に記載のジエン系ゴム・無機化合物複合体の製造方法。2. The diene rubber / inorganic according to claim 1, wherein the amount of the anionic compound used is 1 to 6 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the diene rubber contained in the aqueous dispersion of the diene rubber. A method for producing a compound complex.
Al2O3・mSiO2・nH2O (II)
(式中、mは0〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)The method for producing a diene rubber / inorganic compound composite according to any one of claims 1 to 9 , wherein the inorganic compound represented by the general formula (I) is an inorganic compound represented by the following general formula (II): .
Al 2 O 3 .mSiO 2 .nH 2 O (II)
(In the formula, m is an integer of 0 to 4, and n is an integer of 0 to 4.)
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