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JP4269335B2 - ハンマドリル - Google Patents

ハンマドリル Download PDF

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JP4269335B2
JP4269335B2 JP2003120788A JP2003120788A JP4269335B2 JP 4269335 B2 JP4269335 B2 JP 4269335B2 JP 2003120788 A JP2003120788 A JP 2003120788A JP 2003120788 A JP2003120788 A JP 2003120788A JP 4269335 B2 JP4269335 B2 JP 4269335B2
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真護 山崎
誠一 古田土
博 芳賀
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Koki Holdings Co Ltd
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Hitachi Koki Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無負荷時における打撃子の連続打撃運動(以下空打ちと呼ぶ)の防止機構を備えたハンマドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータの回転を往復動に変換しシリンダ内に設けられたピストンを往復動させ、シリンダ内において空気室を介して打撃子を連動させると共にツールホルダに着脱可能に保持された先端工具の端部と当接可能な中間子を打撃することにより先端工具に打撃を伝達する打撃伝達機構と、モータの回転をシリンダ及びツールホルダを介して先端工具に伝達する回転伝達機構とを有する構成をしているハンマドリルにおいて、シリンダの軸方向に移動可能に保持され、中間子を常時先端工具側前方に付勢して中間子がピストン側後方に所定以上移動した状態にある時には呼吸孔を閉塞し、中間子が先端工具側前方に所定以上移動した状態にある時には呼吸孔を開放するスライドスリーブを備えた空打ち防止機構が採用された従来のハンマドリルの一例として、特願2002−268153(特開2003−211370)号に開示されたものがある。
【0003】
上記のハンマドリルの空打ち防止機構は、中間子の打撃子側端部近傍外周にスライドスリーブと係合する係合部を設けると共に、シリンダ及びツールホルダ外周に中間子の軸方向移動量よりも大きな寸法を有する長穴を設け、且つスライドスリーブを、中間子の係合部と係合する内径部及びシリンダの長穴よりシリンダ外に突出する突起部を有する円環部と、シリンダ外周にシリンダの軸方向に移動可能に保持され、端が反先端工具側において円環部材の突起部と係合すると共に端が付勢手段により先端工具側前方に付勢されるスライド部とを有する構成をしており、これによって中間子が打撃子によって打撃される近傍部分で中間子が円環部材によって保持されるようになるため、中間子が往復動する際に中間子に径方向におけるぶれの発生を抑制することができるようになるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のハンマドリルにおいては、円環部材の打撃子側への移動を規制していないため、打撃動作時の衝撃すなわち中間子の打撃子側への移動時の衝撃により円環部材が後方に移動するすなわち円環部材が跳ね上がり、円環部材が打撃子またはシリンダ及びツールホルダ長穴のピストン側端面と衝突して破損に至る可能性がある。
【0005】
また、中間子の打撃子側端部外周部に緩衝部材が配置されているが、単に緩衝部材を設けたのみでは繰り返しかかる応力により緩衝部材には繰り返し疲労が生じ、緩衝部材が早期に寿命に達してしまい緩衝部材としての役割を果たさなくなってしまうという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、ハンマドリルの耐久性の向上を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、中間子の先端工具側前方及び打撃子側後方に位置する前方段部及び後方段部を設けると共に中間子の後退移動時に中間子の前方段部及び後方段部に当接して中間子の衝撃を緩衝する前方緩衝部材及び後方緩衝部材を設け、前方段部が前方緩衝部材に当接した後に後方段部が後方緩衝部材に当接するようにすることによって達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明になるハンマドリルの一実施形態を図1及び図2を用いて説明する。なお図1において左方を前方、右方を後方とすると共に左方の移動を前進、右方への移動を後退として説明する。
【0009】
まず、本実施形態におけるハンマドリルの動作について説明する。
【0010】
モータ13の回転は第一歯車14を通じてクランクシャフト15を回転させ、コンロッド16によってピストン17の往復運動に変換される。シリンダ4内のピストン17と打撃子3の間には、ほぼ密閉された空気室18ができ、ピストン17の往復運動によって空気室18の圧力が変動し、打撃子3が中間子2に対し打撃運動を行い、打撃運動が先端工具1に伝達する。
【0011】
一方、モータ13の回転は第二歯車20、第一傘歯車21を通じ、シリンダ4上で回転可能に設けられた第二傘歯車22を回転させる。第二傘歯車22には軸方向に突出する複数の係合部22aが設けられ、この係合部22aと係合する係合部26aを有するキー部材26がシリンダ4外周上に設けられており、またこのキー部材26の内周部分に設けられた係合部26bがシリンダ4外周に設けられた係合部4bと係合していることにより、第二傘歯車22の回転がシリンダ4に伝達されシリンダ4が回転する。
【0012】
また、シリンダ4の回転はシリンダ4にピン結合(図示省略)されたツールホルダ5に伝達され、ツールホルダ5に係合する先端工具1が回転する。従って、先端工具1は、周 知の如く、回転と往復動により後述する被削材の穿孔等を行うようになる
【0013】
中間子2は先端工具1に近い側の円筒形部2aよりも打撃子3に近い側の円筒形部2bの方が直径を小さく形成しており、打撃子3に近い側の円筒形部2bの外周位置にワッシャ10、ダンパ11、ワッシャ12がシリンダ4端面とツールホルダ5の段差5bとの間で固定されている。ダンパ11は本発明前方緩衝部材を構成し、ワッシャ10及びワッシャ12はそれぞれ本発明第1ワッシャ及び第2ワッシャを構成する。
【0014】
中間子2が打撃子3側に移動すなわち後退した際には、中間子2の径が変わる円筒形部2aと円筒形部2b間の打撃子3側に対面した前方段部2cはワッシャ10に当接し、ワッシャ10を介して前方段部2aと当接する緩衝部材であるダンパ11によって、中間子2が打撃子3側に移動する際の衝撃が緩衝される。また、この前方段部2cとワッシャ10との当接によって中間子2の打撃子3側への移動量は規制されている。
【0015】
中間子2の打撃子3側端部外周の係合部2dは小径部2bよりも外径寸法が小さくシリンダ4の軸方向に平行に伸びる形状とし、この係合部2dと内で係合する緩衝部材23を設け、係合部2dと係合する内部およびシリンダ4内部と係合する外部を有し中間子2の径が変わる円筒形部2bと係合部2d間の打撃子3側に対面した後方段部2eに当接し緩衝部材23を把持する形状のコの字形ワッシャ24を配置している。コの字形ワッシャ24の外周部は図に示すように円環部材6側に突出した形状をしている。コの字形ワッシャ24を介して中間子2の後方段部2aに当接する緩衝部材23は本発明後方緩衝部材を構成し、コの字形ワッシャ24は本発明第3ワッシャを構成する。
【0016】
図2に示すように、円環部材6には緩衝部材23を把持する内径部6aと、外方に突出した突起部6bを設ける(図では2ヶ所)。突起部6bがシリンダ4及びツールホルダ5に設けられた工具軸方向に縦長の長穴4a、5aに係合し、円環部材6はこの長穴4a、5aに沿って軸方向移動する。長穴4a、5aは、中間子2の工具軸前後方向の移動量よりも長い寸法を持っている。また、円環部材6の前端面とコの字形ワッシャ24の後端面間には所定の間隔を持たせるように設定されている。
【0017】
ツールホルダ5の外周にスライドスリーブ8が設けられており、シリンダ4の外周にはスライドスリーブ7及びスリーブ25が設けられている。スライドスリーブ8の前端面は円環部材6の突起部6bの後端面と当接し、スライドスリーブ7の前端面はスライドスリーブ8の後端面に当接する。スライドスリーブ7はばね9により先端工具1側すなわち前方に付勢され、スライドスリーブ8、円環部材6、中間子2も同様に先端工具1側すなわち前方に付勢される。スライドスリーブ7とスリーブ25間には所定の間隔を持たせるように設定する。
【0018】
図1の状態は打撃動作時であり、先端工具1を被材に押し付けると、中間子2、コの字形ワッシャ24、緩衝部材23、円環部材6、スライドスリーブ8、スライドスリーブ7をばね圧に抗してピストン17側すなわち後方に後退移動させる。この打撃動作時の衝撃により円環部材6が跳ね上がり、さらにばね圧に抗して円環部材6、スライドスリーブ8、スライドスリーブ7がピストン17に移動しようとするが、その際スライドスリーブ7はスリーブ25と接触することで移動量を規制され、同時にスライドスリーブ8、円環部材6の移動量も規制されるので、円環部材6の跳ね上がりを抑制することができる。スライドスリーブ7とスリーブ25間の間隔は、円環部材6と打撃子3間の間隔および円環部材6と長穴4a、5aのピストン17側端面間の間隔よりも小さく設定してあるため、円環部材6が打撃子3および長穴4a、5aのピストン17側端面と衝突し破損することを防止できる。
【0019】
また、打撃動作時において中間子2にる打撃子3側への衝撃力が直接円環部材6に伝わらない様に緩衝部材23を設けているが、この緩衝部材23を持する円環部材6とコの字形ワッシャ24間には、緩衝部材23が所定寿命を維持でき得る圧縮量とほぼ同じ間隔を持つ様に設定してあり、緩衝部材23のたわみ量を規制し早期破損を防止できる。さらに、コの字形ワッシャ24の内部は中間子2の係合部2dと係合し、外部はシリンダ4内部と係合する関係となっており、コの字形ワッシャ24は中間子2を径方向で支持する効果も併せ持つ。
【0020】
また、打撃動作時において中間子2による打撃子3側への衝撃力が加わる際、スライドスリーブ7とスリーブ25間の間隔が閉じ始めると同時にダンパ11の圧縮も始まり、ダンパ11が圧縮することで前記衝撃力を緩和できる。この時、スライドスリーブ7とスリーブ25間の間隔をダンパ11のたわみ量よりも大きく設定することで、ダンパ11が最大圧縮した後にスライドスリーブ7とスリーブ25が接触することとなる。
【0021】
なお、図1に示す状態は、中間子2の前方段部2cがワッシャ1を介してダンパ11に当接している状態であるが、この状態において、スライドスリーブ7の反先端工具1側端面すなわち後方端面とスリーブ25の先端工具1側端面すなわち前方端面との間には上記したように間隔が存在する。この間隔の寸法Aは、中間子2の打撃子3側端面と円環部材6の打撃子3側の後端面との間隔の寸法Bよりも小さくなるように設定されており、このため打撃動作時に円環部材6が打撃動作時の衝撃により打撃子3側に跳ね返ったとしても、中間子2による衝撃がダンパ11及び緩衝部材23により緩衝されているので、円環部材6が打撃子3またはシリンダ4及びツールホルダ5の長穴4a、5aのピストン17側端面に衝突することはなく、円環部材6が早期に寿命に達してしまうことを抑制することができるようになる。
【0022】
スライドスリーブ7とスリーブ25は端面同士が衝突する構成であるために、スライドスリーブ7とスリーブ25自身の寿命は比較的長寿命とすることができる。
【0023】
スライドスリーブ7の端面がスリーブ25の端面に衝突した際には、スライドスリーブ8を介して円環部材6にその衝突力が伝達されるものであるが、この衝撃力は、コの字形ワッシャ24と円環部材6との間に設けられた緩衝部材23によって緩衝されるため、円環部材6の寿命の向上を図ることができるようになる。
【0024】
なお、円環部材6の打撃子3側の面すなわち後方端面と中間子2の打撃子3側端面すなわち後方端面との間隔は、中間子2の後方段部2eからコの字形ワッシャ24、緩衝部材23及び円環部材6の軸方向の厚さ寸法等によって決定されるものである。
【0025】
なお、規制部材となるスリーブ25は反先端工具1側への移動すなわち後退移動がキー部材26の端面に当接することにより規制された部材であるが、例えばシリンダ4の外周に軸方向の移動不能に取付けられたCリングなどであっても良い。なお、本実施形態では、スライドスリーブ7及びスリーブ25をほぼ同形状の部材とすることにより、コストの低減を図れるようにしていると共に、両者とも反対側の端面部分に外周方向に突出する突出部を設け、その突出部間でスライドスリーブ7、8を先端工具1側に付勢する付勢手段であるばね9を把持可能な構成となっている。なお、スライドスリーブ7の突出部はスライドスリーブ8の端部との当接を行う機能も併せ持っている。
【0026】
また、上記した実施形態では、スライドスリーブをスライドスリーブ7とスライドスリーブ8との2つの部材により構成するとたが、これらは1つの部材から構成しても良い。
【0027】
以上から、上記通りの構成とすることにより、円環部材6と緩衝部材23の早期破損を防止し、結果として寿命の長い、安定したハンマドリルを提供することができる。
【0028】
上記した実施形態によれば、中間子2の後退移動時に前方段部2cがワッシャ10を介してダンパ11と当接して衝撃がダンパ11によって緩衝された後に後方段部2eがコの字形ワッシャ24に当接するようになるので、円環部材6が受ける中間子2の衝撃は充分に小さくなる。この結果、円環部材が打撃子やシリンダおよびツールホルダの長穴4a、5aのピストン側端面と衝突することを防止できるようになる。結果として寿命の長い、安定したハンマドリルさらに、コの字形ワッシャ24の内および外を、中間子2の後方係合部2dおよびシリンダと係合させることで、中間子を径方向で支持する効果もある。
【0029】
【発明の効果】
本発明よれば、打撃動作時の衝撃を前方緩衝部材で緩衝した後に後方緩衝部材で緩衝するようにしたので、円環部材や後方緩衝部材の早期破損を防止することが可能となり、結果としてハンマドリルの耐久性を向上できるという作用効果を奏し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ハンマドリル一実施形態を示す縦断側面図。
【図2】円環部材を示す拡大図。
【符号の説明】
1は先端工具、2は中間子、2aは円筒形部、2bは円筒形部、2cは前方段部、2dは係合部、2eは後方段部、3は打撃子、4はシリンダ、4aは長穴、5はツールホルダ、5aは長穴、6は円環部材、6aは内径部、6bは突起部、7、8はスライドスリーブ、9はばね、10、12はワッシャ、11はダンパ(前方緩衝部材)、13はモータ、14は第一歯車、15はクランクシャフト、16はコンロッド、17はピストン、18は空気室、19は呼吸孔、20は第二歯車、21は第一傘歯車、22は第二傘歯車、23は緩衝部材(後方緩衝部材)、24はコの字形ワッシャ、25はスリーブである。

Claims (1)

  1. モータと、該モータの回転駆動により回転するクランクシャフトと、前記モータにより回転伝達機構を介して回転され、軸方向に沿って延びたシリンダと、該クランクシャフトと係合し、シリンダ内をシリンダの軸方向に往復動するピストンと、該シリンダ内にシリンダの軸方向に往復動可能に保持され、前記ピストンの前端面との間に形成されたシリンダ内の空気室の圧力により移動される打撃子と、前記空気室を外気と連通させるために前記シリンダに設けられた複数の呼吸孔と、前記シリンダと同軸上に配されると共にシリンダに結合されてシリンダと共に回転し、先端工具を着脱可能に保持するツールホルダと、該ツールホルダあるいは前記シリンダ内にシリンダの軸方向に往復動可能に保持され、前記打撃子の往復動を受け前記先端工具端部を打撃可能な中間子と、前記シリンダの軸方向に移動可能に保持され、前記中間子が前記ピストン側に所定以上後退移動した時に前記呼吸孔を閉塞し、前記中間子が前記先端工具側に所定以上前進移動した時に前記呼吸孔を開放して前記空気室を外気と連通させるスライドスリーブと、前記シリンダ及び前記ツールホルダ外周に前記中間子の軸方向移動量よりも大きな寸法を有する長穴内に位置し、前記シリンダ及び前記ツールホルダ外周上において前記スライドスリーブと当接する突起部を有し、前記中間子の前記打撃子側に位置する後方段部よりも前記打撃子側において前記中間子外周上に位置する円環部材と、前記スライドスリーブを前記先端工具側前方に常時付勢する付勢手段とを備えたハンマドリルであって、
    前記中間子の後退移動時に前記中間子の先端工具側に位置する前方段部に
    第1ワッシャを介して当接する前方緩衝部材と、前方緩衝部材の後方に設けられ、シリンダの前方端面と当接する第2ワッシャと、前記円環部材の前方に設けられ、前記中間子の後退移動時に前記中間子の打撃子側に位置する後方段部に第3ワッシャを介して当接する後方緩衝部材とを備え、前記中間子の後退移動時に中間子の前方段部が前方緩衝部材に当接した後に中間子の後方段部が後方緩衝部材に当接するようにしたことを特徴とするハンマドリル
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