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JP4187352B2 - ビルドアップ多層プリント配線板及びビルドアップ多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

ビルドアップ多層プリント配線板及びビルドアップ多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ICチップなどの電子部品を載置するパッケージ基板に用い得るビルドアップ多層プリント配線板に関し、特にコア基板に層間樹脂絶縁層をビルドアップしてなるビルドアップ多層プリント配線板及びビルドアップ多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号に開示される方法にて製造されている。
すなわち、スルーホールを形成したコア基板の上に層間樹脂絶縁層を積層し、該層間樹脂絶縁層の上に回路パターンを形成する。これを繰り返すことにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
現在、コア基板にスルーホールを形成する際に、ドリルにより通孔を穿設している。このため、通孔の径として、300μmが最小限界であり、スルーホールの密度をドリル径で決定される値以上高めることができなかった。このため、コア基板にレーザにより通孔を穿設する方法が検討されているが、コア基板は1mm程度の厚みがあるため、微細な通孔を形成することは難しかった。
【0004】
一方、パッケージ基板として用いられる多層プリント配線板では、ICチップに発生する熱を効率良く発散させれる必要がある。ここで、多層プリント配線板は、1mm程度の積層樹脂板からなるコア基板に、数10μmの層間樹脂絶縁層及び配線層を積層してなる。このため、多層プリント配線板の厚みとしては、コア基板が大半を占めることになる。即ち、コア基板が、多層プリント配線板の厚みを厚くし、熱伝導性を下げさせる原因となっていた。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、スルーホールの配設密度を高め得ると共に、厚みを薄くできるビルドアップ多層プリント配線板及び該ビルドアップ多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、請求項1では、
表面と裏面に導体回路が形成されたコア基板に層間樹脂絶縁層をビルドアップしてなるビルドアップ多層プリント配線板において、
前記コア基が、回路パターンを2層の樹脂で挟んでなり、当該樹脂に形成された前記回路パターンへ至る非貫通孔をめっきで充填することで、スルーホールとしたことを技術的特徴とする。
【0008】
請求項は、少なくとも以下の(A)〜()の工程を備えることを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法にある:
(A)上面に回路パターンの形成された樹脂絶縁層の上層に、樹脂絶縁層を形成してコア基板とする工程;
(B)前記コア基板の樹脂絶縁層に、レーザで前記回路パターンへ至る非貫通孔を形成する工程;
(C)前記樹脂絶縁層の非貫通孔をめっきで充填してスルーホールとする工程
(D)前記コア基板上に層間樹脂絶縁層をビルドアップする工程
【0009】
請求項は、少なくとも以下の(A)〜()の工程を備えることを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法にある:
(A)樹脂絶縁層に金属層を積層して成る片面金属張り樹脂板の金属層をエッチングして、回路パターンを形成する工程;
(B)前記回路パターン上に、樹脂絶縁層となる樹脂フィルムを貼り付けコア基板とする工程;
(C)前記コア基板の樹脂絶縁層に、レーザで前記回路パターンへ至る非貫通孔を形成する工程;
(D)前記樹脂絶縁層の非貫通孔をめっきで充填してスルーホールとする工程
(E)前記コア基板上に層間樹脂絶縁層をビルドアップする工程
【0010】
請求項は、少なくとも以下の(A)〜()の工程を備えることを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法にある:
(A)樹脂絶縁層に金属層を積層して成る片面金属張り樹脂板の金属層をエッチングして、回路パターンを形成する工程;
(B)前記回路パターン上に、樹脂を塗布した後に研磨して、回路パターンを平坦にする工程;
(C)前記回路パターン上に樹脂絶縁層となる樹脂フィルムを貼り付けコア基板とする工程;
(D)前記コア基板の樹脂絶縁層に、レーザで前記回路パターンへ至る非貫通孔を形成する工程;
(E)前記樹脂絶縁層の非貫通孔をめっきで充填してスルーホールとする工程
(F)前記コア基板上に層間樹脂絶縁層をビルドアップする工程
【0011】
請求項の多層プリント配線板及び請求項の多層プリント配線板の製造方法では、回路パターンを樹脂で挟むことでコア基板の強度を保つため、コア基板を薄く形成することが可能となり、多層プリント配線板の厚みを減らすことができる。また、回路パターンへ至る非貫通孔を樹脂層に形成すればよいため、従来のコア基板と比較してレーザにより穿設する通孔の深さが半分以下になる。従って、レーザにより容易に微細な非貫通孔を穿設でき、小径のスルーホールを形成することが可能になるので、多層プリント配線板の集積度を高めることができる。更に、コア基板が多層になるので、コア基板を構成する樹脂間の回路パターンで配線を取り回すことができ、多層プリント配線板の層数を削減することができる。
【0012】
請求項3、4の多層プリント配線板の製造方法では、回路パターンを樹脂で挟むことでコア基板の強度を保つため、コア基板を薄く形成することが可能となり、多層プリント配線板の厚みを減らすことができる。また、回路パターンへ至る非貫通孔を樹脂層に形成すればよいため、従来のコア基板と比較してレーザにより穿設する通孔の深さが半分以下になる。従って、レーザにより容易に微細な非貫通孔を穿設でき、小径のスルーホールを形成することが可能になるので、多層プリント配線板の集積度を高めることができる。更に、コア基板が多層になるので、コア基板を構成する樹脂間の回路パターンで配線を取り回すことができ、多層プリント配線板の層数を削減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
先ず、本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の構成について、断面図を示す図6を参照して説明する。
図6に示すように、多層プリント配線板10では、コア基板30の表面及び裏面に導体回路34、34が形成され、更に、該導体回路34、34の上に層間樹脂絶縁層40、40が形成されている。該層間樹脂絶縁層40には、ビア52及び導体回路54が配設されており、該層間樹脂絶縁層40、40上の上層にはソルダーレジスト60、60が形成されており、該ソルダーレジスト60の開口部62を介して、ビア52及び導体回路54に半田バンプ68が形成されている。
【0014】
本実施形態の多層プリント配線板においては、コア基板30が、金属層(回路パターン)18を下層絶縁層14及び上層絶縁層20で挟んでなる。ここで、回路パターン18の上下に対応するようにビア32を設けることでスルーホール36としている。一方、回路パターン18の上下のビア32の位置をずらして配置することで、当該回路パターン18を介して配線を取り回している。
【0015】
本実施形態では、金属層(回路パターン)18を樹脂(絶縁層)20,14で挟むことで強度を保つため、コア基板30を薄く形成することが可能となり、多層プリント配線板を厚みを減らし、熱伝導性を高めることができる。
【0016】
本実施形態では、コア基板30の下層絶縁層14及び上層絶縁層20に金属層18へ至る非貫通孔22をレーザ加工にて形成し、めっきで充填することでビア32としている。ここで、金属層18へ至る非貫通孔22を下層絶縁層14及び上層絶縁層20に形成すればよいため、従来のコア基板と比較してレーザにて穿設する通孔の深さが半分以下になる。即ち、従来技術では、スルーホール用の通孔を下層絶縁層14と上層絶縁層20とを加えた厚みに相当する基板に穿設する必要があった。これに対して、本実施形態では、下層絶縁層14と上層絶縁層20とに別々に通孔を穿設すればよいため、通孔の深さは半分になる。従って、レーザにより容易に微細な非貫通孔を穿設でき、小径のスルーホールを形成することが可能になるので、多層プリント配線板の集積度を高めることができる。
【0017】
更に、コア基板30が多層になるので、コア基板を構成する下層絶縁層14及び上層絶縁層20間の金属層(回路パターン)18で配線を取り回すことができ、多層プリント配線板の層数を削減することができる。
【0018】
ひき続き、図6を参照して上述した多層プリント配線板の製造方法について、図1〜図5を参照して説明する。
(1) 厚さ30〜200μmの樹脂からなる基板(下層絶縁層)14の上面に5〜50μmの銅箔122がラミネートされている片面銅張板10を出発材料とする(図1の工程(A))。ここで、下層絶縁層14としては、ガラスクロス又アライミドクロスにエポキシ、BT(ビスマレイミドトリアジン)、ポリイミド、オレフィンを浸漬してなるもの他、ガラスクロス、アライミドクロス等の心材を有さない樹脂、或いは、補強樹脂層をラミネートした樹脂フィルムを用いることができる。
【0019】
まず、この片面銅張板10をパターン状にエッチングすることにより、基板14の上面に回路パターン18を形成する(工程(B))。そして、厚さ30〜200μmの樹脂からなるフィルム20αを、回路パターン18の上にプレスして貼り付ける(工程(C))。ここで、樹脂フィルム20αとしては、上述したガラスクロス又はアライミドクロスにエポキシ、BT、ポリイミド、オレフィンを浸漬したもの、更には、ガラスクロス、アライミドクロス等の心材を有さない樹脂を用いることができる。即ち、下層絶縁層14と上層絶縁層20とを同じ材質で構成することも、また、異なる材質で構成することも可能であるが、多層プリント配線板の特性としては、同じ材質、構成(心材の有無)のものが望ましい。一方、異なる材質・構成の物を用いれば、材料の選択の幅が広がる。なお、ガラスクロス、アライミドクロス等の心材を有する樹脂にて下層絶縁層14及び上層絶縁層20を構成することで、コア基板30の強度を高めることができる。他方、心材を用いないことで、心材を介しての金属マイグレーションが無くなり、スルーホール間の絶縁性を長期に渡り保つことができる。ここでは、樹脂フィルムを貼り付けているが、この代わりに樹脂を塗布してから硬化させることも可能である。
【0020】
その後、樹脂フィルム20αを加熱して硬化させ上層絶縁層20とした後、CO2レーザ、YAGレーザ又はエキシマレーザにより、上層絶縁層20及び下層絶縁層14に、回路18パターンへ至る開口径100〜250μmの非貫通孔22を形成する(工程(D))。本実施形態では、上層絶縁層20及び下層絶縁層14の厚みが30〜200μmと薄いので、レーザで微細な孔を明けることができる。
【0021】
デスミヤ処理を施した後、パラジウム触媒を付与し、無電解めっき液へ浸漬して、コア基板30の表面に均一に厚さ15μmの無電解めっき膜24を析出させる(工程(E))。ここでは、無電解めっきを用いているが、スパッタにより銅、ニッケル等の金属膜を形成することも可能である。スパッタはコスト的には不利であるが、樹脂との密着性を改善できる利点がある。
【0022】
引き続き、コア基板30の表面に感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、露光・現像処理し、厚さ15μmのめっきレジストレジスト26を形成する(図2の工程(F))。そして、コア基板30を無電解めっき液に浸漬し、無電解めっき膜24を介して電流を流してレジスト26の非形成部に電解めっき28を形成する。この際に、非貫通孔22の表面を平坦にするように、電解めっき28を充填する(工程(G))。
【0023】
そして、レジスト26を5%KOH で剥離除去した後、硫酸と過酸化水素混合液でエッチングし、めっきレジスト下の無電解めっき膜24を溶解除去し、無電解めっき24及び電解銅めっき28からなる厚さ18μm(10〜30μm)の導体回路34及びビア32を得る(工程(H))。本実施形態では、回路パターン18の上下に対応するようにビア32を設けることでスルーホール36としている。一方、回路パターン18の上下のビア32の位置をずらして配置することで、当該回路パターン18を介して配線を取り回している。
【0024】
更に、クロム酸に3分間浸漬して、導体回路34間のコア基板30の表面を1μmエッチング処理し、表面のパラジウム触媒を除去する。更に、第2銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液により、導体回路34及びビア32の表面に粗化面(図示せず)を形成し、さらにその表面にSn置換を行う。
【0025】
エポキシ、BT、ポリイミド、オレフィン等からなる熱硬化性樹脂36αをコア基板30の表面に塗布し、乾燥(プリベーク)を行う(工程(I))。次いで、該樹脂36αにCO2レーザ、YAGレーザ又はエキシマレーザにより、導体回路34及びビア32へ至る開口径100〜250μmの非貫通孔42を形成した後、加熱して非貫通孔42を有する層間樹脂絶縁層40を形成する(図3の工程(J))。層間樹脂絶縁層を構成する樹脂としては、上述した下層絶縁層14及び上層絶縁層20と同じ樹脂を用いることもでき、異なる樹脂を用いることも可能である。また、熱硬化性樹脂の他、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合物を用いることができ、更に、シリコン、樹脂等のフィラーを混入することができる。ここで、溶解性フィラーを混合し、該フィラーを薬液で溶解することで、層間樹脂絶縁層の表面を粗化することもできる。なお、ここでは樹脂を塗布しているが、上層絶縁層20と同様に、樹脂フィルムを用いることもできる。
【0026】
デスミヤ処理を施した後、パラジウム触媒を付与し、無電解めっき液へ浸漬して、層間樹脂絶縁層40の表面に均一に厚さ15μmの無電解めっき膜44を析出させる(工程(K))。
【0027】
引き続き、無電解めっき膜44の表面にめっきレジストレジスト46を形成する(工程(L))。そして、レジスト46の非形成部に電解めっき48を形成する(図4の工程(G))。
【0028】
そして、レジスト46を剥離除去した後、エッチングし、めっきレジスト下の無電解めっき膜42を溶解除去し、無電解めっき42及び電解銅めっき48からなる厚さ18μm(10〜30μm)の導体回路54及びビア52を得る(工程(N))。その後、導体回路54及びビア52の表面に粗化層(図示せず)を設ける。
【0029】
上述した多層プリント配線板にはんだバンプを形成する。基板の両面に、ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、乾燥処理を行った後、円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルム(図示せず)を密着させて載置し、紫外線で露光し、現像処理する。そしてさらに、加熱処理し、はんだパッド部分(バイアホールとそのランド部分を含む)の開口62を有するソルダーレジスト層(厚み20μm)60を形成する(図5の工程(O))。
【0030】
その後、塩化ニッケル2.3 ×10−1mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.8 ×10−1mol/l、クエン酸ナトリウム1.6 ×10−1mol/l、からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に、20分間浸漬して、開口部62に厚さ5μmのニッケルめっき層64を形成する。さらに、その基板を、シアン化金カリウム7.6 ×10−3mol/l、塩化アンモニウム1.9 ×10−1mol/l、クエン酸ナトリウム1.2 ×10−1mol/l、次亜リン酸ナトリウム1.7 ×10−1mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層64上に厚さ0.03μmの金めっき層66を形成する(工程(P))。
【0031】
そして、ソルダーレジスト層60の開口部62に、半田ペーストを充填する(図示せず)。その後、開口部62に充填された半田を 200℃でリフローすることにより、半田バンプ(半田体)68を形成する(図6参照)。
【0032】
フラックス洗浄後、ルーターを持つ装置で、基板を適当な大きさに分割切断した後、プリント配線板の短絡、断線を検査するチェッカー工程を経て、所望の該当するプリント配線板を得る。
【0033】
引き続き、本発明の第2実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について、図7を参照して説明する。
この第2実施形態では、上述した第1実施形態の工程(A)、(B)と同様である。但し、第1実施形態では、工程(C)にて上層絶縁層20となるフィルム20を直接貼り付けた。これに対して、第2実施形態では、図7の工程(A)に示すように、先ず、樹脂19を回路パターン18上に塗布し、樹脂をBステージ状態に成るまで半硬化させた後、フィルム20αをプレスにより圧着させる(工程(B))。この第2実施形態のコア基板は、第1実施形態と比較して表面の平滑性に優れる。
【0034】
引き続き、本発明の第3実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について、図8を参照して説明する。
この第3実施形態では、上述した第2実施形態の工程(A)と同様である。但し、第2実施形態では、工程(B)にて樹脂19の上に上層絶縁層20となるフィルム20を直接貼り付けた。これに対して、第3実施形態では、図8の工程(A)に示すように樹脂19を回路パターン18上に塗布した後、樹脂をBステージ状態に成るまで半硬化させる。その後、該樹脂19を、#600 のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、バフ研磨を行って平滑化させる(工程(B))。次いで、加熱処理を行って樹脂19を硬化させる。その後、フィルム20αをプレスにより圧着させる(工程(C))。この第2実施形態のコア基板は、第2実施形態と比較して表面の平滑性に更に優れる。
【0035】
この第3実施形態においては、コア基板30にビア32及び導体回路34を形成した後(図2の工程(H))、層間樹脂絶縁層となる樹脂40αを塗布する前に(図2の工程(I))、上述した樹脂の塗布及び研磨を行いビア32及び導体回路34の表面の平滑化を行うことができる。
【0036】
引き続き、本発明の第4実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について、図9、図10を参照して説明する。
この第4実施形態では、片面銅張り板110として、第1実施形態のものより銅箔12の厚みの厚いもの(100μm)を用いる(図9の工程(A))。先ず、当該片面銅張り板110に外周にマスクを貼り、エッチングを行うことで、中央部分の銅箔の厚さを30μm程度まで薄くする(工程(B))。図10(A)は、工程(B)に示す該片面銅張り板110の平面図を示している。ここで、図9の工程(B)の図は、図10(A)中のX−X断面、即ち、右端部近傍に相当している。
【0037】
次に、銅箔12をパターンエッチングして、中央部に回路パターン18を形成し、外周部には銅箔12を厚み100μmのまま残す(工程(C))。図10(B)は、工程(C)の該片面銅張り板110の平面図を示している。図中に示すように、片面銅張り板110の外周には、銅箔12が残り、銅箔12の内側には、9個の回路パターン70が形成されている。この回路パターン70は、図9(C)に示す回路パターン18の集合したものを表している。
【0038】
本実施形態の片面銅張り板110は、9個取り用であり、以下の工程で第1実施形態と同様に層間樹脂絶縁層及び回路等が形成された後、裁断されて9個の多層プリント配線板が形成されることになる。この裁断の際に、銅箔12の残された外周部は廃棄されることになる。
【0039】
この第4実施形態に係る多層プリント配線板では、下層絶縁層14の外周に厚みの厚い銅箔12を強度保持のため残しておくので、薄い回路パターン(金属層)18、下層絶縁層14及び上層絶縁層20(コア基板)を用いても、製造工程に置いてコア基板に反りが発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板の断面である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る多層プリント配線板の製造工程図である。
【図10】図10(A)、図10(B)は、本発明の第4実施形態に係る多層プリント配線板を構成する銅張り積層板の平面図である。
【符号の説明】
10 片面銅張り板
12 銅箔(金属層)
14 基板
18 回路パターン
20 上層絶縁層
22 非貫通孔
24 無電解めっき膜
26 レジスト
28 電解めっき
30 コア基板
32 ビア
34 導体回路
36 スルーホール
40 層間樹脂絶縁層
42 非貫通孔
44 無電解めっき膜
46 レジスト
48 電解めっき
52 ビア
54 導体回路
60 ソルダーレジスト
62 開口部
64 ニッケルめっき膜
66 金めっき膜
68 半田バンプ

Claims (11)

  1. 表面と裏面に導体回路が形成されたコア基板に層間樹脂絶縁層をビルドアップしてなるビルドアップ多層プリント配線板において、
    前記コア基板が、回路パターンを2層の樹脂で挟んでなり、当該樹脂に形成された前記回路パターンへ至る非貫通孔をめっきで充填することで、スルーホールとしたことを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板。
  2. 少なくとも以下の(A)〜()の工程を備えることを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法:
    (A)上面に回路パターンの形成された樹脂絶縁層の上層に、樹脂絶縁層を形成してコア基板とする工程;
    (B)前記コア基板の樹脂絶縁層に、レーザで前記回路パターンへ至る非貫通孔を形成する工程;
    (C)前記樹脂絶縁層の非貫通孔をめっきで充填してスルーホールとする工程
    (D)前記コア基板上に層間樹脂絶縁層をビルドアップする工程
  3. 少なくとも以下の(A)〜()の工程を備えることを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法:
    (A)樹脂絶縁層に金属層を積層して成る片面金属張り樹脂板の金属層をエッチングして、回路パターンを形成する工程;
    (B)前記回路パターン上に、樹脂絶縁層となる樹脂フィルムを貼り付けコア基板とする工程;
    (C)前記コア基板の樹脂絶縁層に、レーザで前記回路パターンへ至る非貫通孔を形成する工程;
    (D)前記樹脂絶縁層の非貫通孔をめっきで充填してスルーホールとする工程
    (E)前記コア基板上に層間樹脂絶縁層をビルドアップする工程
  4. 少なくとも以下の(A)〜()の工程を備えることを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法:
    (A)樹脂絶縁層に金属層を積層して成る片面金属張り樹脂板の金属層をエッチングして、回路パターンを形成する工程;
    (B)前記回路パターン上に、樹脂を塗布した後に研磨して、回路パターンを平坦にする工程;
    (C)前記回路パターン上に樹脂絶縁層となる樹脂フィルムを貼り付けコア基板とする工程;
    (D)前記コア基板の樹脂絶縁層に、レーザで前記回路パターンへ至る非貫通孔を形成する工程;
    (E)前記樹脂絶縁層の非貫通孔をめっきで充填してスルーホールとする工程
    (F)前記コア基板上に層間樹脂絶縁層をビルドアップする工程
  5. 前記樹脂は心材を有していることを特徴とする請求項1に記載のビルドアップ多層プリント配線板。
  6. 前記層間樹脂絶縁層は心材を有しない樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のビルドアップ多層プリント配線板。
  7. 前記樹脂の厚みは30〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載のビルドアップ多層プリント配線板。
  8. 前記コア基板は回路パターンの上下で位置がずれているビアを有している請求項1に記載のビルドアップ多層プリント配線板。
  9. 前記層間樹脂絶縁層は心材を有していることを特徴とする請求項5に記載のビルドアップ多層プリント配線板。
  10. 前記樹脂絶縁層は心材を有していることを特徴とする請求項2に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  11. 前記層間樹脂絶縁層は心材を有していることを特徴とする請求項10に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
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