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JP4140336B2 - 製紙用フェルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明のフェルトは、製紙機械で紙を製造する工程で、湿紙から水分を搾水するプレスパートに使用される製紙用フェルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製紙工程におけるプレスパートは、ワイヤーパートで脱水された湿紙を受け取り、これから水を絞り、同時に紙の表面を平滑にしてドライパートに送っている。
近年、抄紙速度の高速化が進み、湿紙がプレスロール間に滞在する時間は大幅に減少している。そのため湿紙中の水を絞りだすためにロール間に加えられる荷重は従来に比べて高くなり、絞り出された水の圧で紙の繊維がずれ易くなり、一方、フェルトは通水性、通気性、弾性が悪くなるなどの性能劣化、さらに切断、扁平化など形状の劣化も伴いやすくなっている。従って製紙用フェルトは、脱水性能の向上とともに、強度、耐磨耗性、形状安定性など機械的性能の向上や振動の抑制がますます要求されるようになってきた。一方、プレスロールの高荷重化とともに、抄造される紙にフェルトの基布の跡(マーク)が残りやすくなり、そのための対策も急務となっている。
【0003】
製紙用フェルトの性能の向上を目的として、一重織や二重織などの比較的製造が容易で低コストの無端状の二枚の製織布を上基布および下基布として重ね合わせて基布とする方法が提案された〔特許文献1参照〕。この方法は、製織が容易で品質的に安定し、比較的薄手の布を基布として利用でき、同じ厚さの多重織単層の基布に比べて柔軟でニードリングなどの加工が容易で、空隙容量があり、プレスを繰返してもへたりが少ない。しかし、あらかじめ寸法が合うように設計して製織した無端状の上基布と下基布をニードルマシン上で合わせた後、バットをニードリングして製紙用フェルトを製造しているが、かなりの技術を要する上に、上基布と下基布の丈寸法が少しでも異なると、製造がより困難になってしまう。特に、バットをニードリングしている製造段階で2枚の基布にずれが生ずると、マシンから外してバットを剥がさなければならないという問題があった。
【0004】
また、製織された基布を連続して環状に巻回積層して無端状の基布構造体を形成し、その両面あるいは片面に繊維ウエブをニードリングして一体化する方法〔特許文献2参照〕が提案された。この特許の利点は、多重織からなる基布を重織機を使用して製織するよりも短時間に低コストで製造でき、基布構造体の厚みを薄くすることができることである。また、巻回時点でフェルトの寸法を任意に決定できるので寸法精度が向上する。しかし基布のみを積層した後バットをニードリングするため、ニードリング時に生ずる衝撃により積層されているそれぞれの基布にずれが生じてしまう。特に3層以上に積層した場合にそのずれが顕著であった。また基布のみを積層しているため基布間の結合力が弱く、高速抄紙機に使用するときに要求される強度的にも問題がある。また、紙に基布の始端と終端の段差のマークが残ることがあり、マークについて厳しい洋紙を製造する工程には不適当である。
【0005】
この他、表面バット層の下層に微細な穴のあいたフィルム状物を置いて再湿潤防止をして脱水効率を上げる方法〔特許文献3、特許文献4参照〕、繊維布と熱可塑性樹脂の網目状成形体を組み合わせて基礎布地とし、その上に非巻縮補強ヤーンさらに繊維層(バット層)を重ねて強度を上げるとともに、フェルト圧縮に対する抵抗力を強め、大きな圧力がかかることによるマーク形成の欠点を解消する方法〔特許文献5参照〕、基布の重なり部分の一方向の糸を抜いて紙の表面に基布の段差マークを残さないようにする方法〔特許文献2参照〕などの提案がある。
【0006】
【特許文献1】
特公平2−2997号公報
【特許文献2】
特許3045895号公報
【特許文献3】
特許2718611号公報、
【特許文献4】
特開平3−8888号公報
【特許文献5】
特表2001−504167号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案された方法により、ある程度目的は達しているが、抄紙速度の高速化が進むとともに要求はますます高度となって、脱水性能、機械的性能、さらに紙表面に残る基布のマークなど全てを満足させることが難しくなってきた。
かかる観点から本発明の目的は、抄紙速度の高速化に耐え得る脱水性能、機械的性能を備え、かつ紙表面に基布のマークを残さず、振動を抑制することができる製紙用フェルトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達すべく請求項1の発明は製紙用フェルトであり、ニードルマシン上で有端状の基布とバットを供給しながら、有端状の基布にバットを重ねてニードリングして絡ませつつ基布/バット層を形成し、引き続き基布/バット層をニードリングしながら環状に巻回積層して基布/バット層が複数層積層された基布/バット積層とし、さらに基布/バット積層の外側にバットを最外周面バット層として配して多層構造体とし、全体をニードリングして一体化してなっている。
【0009】
請求項2の発明は請求項1記載の製紙用フェルトであり、予め有端状の基布にバットを重ねてニードリングして絡ませた基布/バット層でなるプリフォームを作り、前記プリフォームをニードリングしながら環状に巻回積層して前記基布/バット層が複数層積層された基布/バット積層とし、さらに前記基布/バット積層の外側にバットを最外周面バット層として配して多層構造体とし、全体をニードリングして一体化してなっている。
【0012】
請求項の発明は請求項1または2に記載の製紙用フェルトであり、前記基布/バット積層におけるバットは、始端と終端の少なくとも一端部において他の部分より厚さを薄くしたものである。
【0013】
請求項の発明は請求項1ないしのいずれか1項に記載の製紙用フェルトであり、前記多層構造体は、基布/バット積層の内側に、さらにバットを配した最内周面バット層を有している。
【0014】
請求項の発明は請求項1ないしのいずれか1項に記載の製紙用フェルトであり、前記多層構造体は、基布/バット積層と最外周面バット層との間に、さらに互いに略平行に円周方向にのみ糸を配列した不織布層を有している。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、有端状の基布にバットを重ねて環状に巻回積層してなる基布/バット積層と、その外側にバットを配した最外周面バット層を有する多層構造体、あるいはさらに基布/バット積層の内側に、バットを配した最内周面バット層を有する多層構造体、あるいはこれらに加えてさらに基布/バット積層と最外周面バット層との間に、互いに略平行に円周方向にのみ糸を配列した不織布層を配してなる層を有する多層構造体をニードリングして一体化した製紙用フェルトである。
【0017】
すなわち、本発明の製紙用フェルトは、基布2にバット3を重ねて環状に巻回積層してなる基布/バット積層4を作り、その外側にバットを配した最外周面バット層5を有する多層構造体であり、これをニードリングして一体化して用いることにその特徴がある。
【0018】
基布2に使用される織布の経糸及び緯糸は必要に応じて種々のものとすることができるが、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどのモノフィラメントあるいはモノフィラメントの撚糸を使用することができる。モノフィラメントの径は任意に選ばれるが、通常は0.1〜0.5mmのモノフィラメント、あるいはこのモノフィラメント糸を2〜10本含む撚糸である。織布の経糸及び/又は緯糸の密度も任意に選ばれるが、通常は12〜40本/インチである。織り組織についても限定するものではなく、平織、斜文織など従来の製紙用フェルトの基布に使われてきた簡単な織り組織とすることができる。
【0019】
バット3は、繊維集合体であり、その材料は、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどから選ばれる。バットの目付は特に限定するものではないが、一般的には30〜180g/cm程度、好ましくは50〜160g/cmである。
【0020】
基布/バット積層4は、有端状の基布2にバット3を配置し、これを巻回積層したもので、ニードルマシン上で有端状の基布2とバット3を供給してニードリングして絡ませながら環状に巻回積層してもよく、あるいは予め有端状の基布2にバット3をニードリングして絡ませたプリフォームを作り、これをさらにニードリングしながら環状に巻回積層してもよい。
【0021】
図1は、有端状の基布2に原料繊維からカーディングして形成したバット3を直接乗せ、ニードリングして絡ませながら、環状に巻回積層している説明図であり、図2は、有端状の基布2にカーディングしたバットをあらかじめニードリングして巻き取ったプレバットを乗せ、ニードリングして絡ませながら、環状に巻回積層している説明図であり、図3は、予め有端状の基布2にバット3をニードリングして絡ませたプリフォームを作りこれを環状に巻回積層している説明図である。
【0022】
積層する毎にニードリングして基布とバットを接合はもちろん、プリフォーム同士の接合をより強固にすることができ、層間強度の高いフェルトとすることができる。積層の数は特に限定するものではないが、実用的には2〜5層、特に好ましくは2〜3層である。
【0023】
基布2とバット3を互いに重ねて環状に巻回積層するとき、その始端と終端が同一線上に位置させるのが好ましいが、実際には終端と始端が多少重なった状態で巻回積層を終えるため、積層の合計厚さに不均等が生じることがあり、この厚さの不均一が紙にマークを残す原因となる。従って、この段差を緩くするため基布2について、始端と終端のうちの少なくとも一端部において円周と直交する方向(幅方向)の糸を抜糸し、あるいはバット3について、始端と終端の少なくとも一方について他の部分より薄くするのが好ましい。特に終端部分を薄くすると紙に付くマークを防止する効果は大きい。もちろん、基布とバットの両方についてこの処置を施してもよい。ここでいう始端、終端とは、積層した始端部と終端部で他の部分より多く重なった部分であり、通常は5〜10mm重なっている。始端と終端を5〜10mm重ねることにより、段差を緩和する処置を施すことが出来るので好ましい。
【0024】
最外周面バット層5は、前記基布/バット積層4の外側に配置したバットである。このバットは、前記基布2とともに用いたバット3と同種でもよく、あるいは別種のものでもよく、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどから任意に選ばれる。最外周面バット層5のバットの目付は特に限定するものではないが、一般的には400〜1100g/cm程度、好ましくは500〜900g/cmである。
【0025】
本発明の別の実施の形態においては、前記基布/バット積層4と最外周面バット層5に加え、さらに基布/バット積層の内側に最内周面バット層6を有する多層構造体にし、これをニードリングして一体化する。
【0026】
最内周面バット層6におけるバットは、前記基布/バット積層4や最外周面バット層5におけるバットと同種でもあるいは別種のものでもよい。すなわち、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどから任意に選ばれる。最内周面バット層6のバットの目付は特に限定するものではないが、一般的には50〜220g/cm程度、好ましくは60〜200g/cmである。
【0027】
本発明の別の実施の形態においては、前記基布/バット積層4と最外周面バット層5からなる多層構造体、あるいは最内周面バット層6、基布/バット積層4、最外周面バット層5からなる多層構造体に、さらに基布/バット積層と最外周面バット層との間に、互いに略平行に円周方向にのみ糸を配列した不織布層7を有する多層構造体層をおいて、これをニードリングして一体化する。あるいは、多層構造体層に細孔を有する熱可塑性樹脂シート層を加えることもできる。
【0028】
不織布層7は、糸を互いに略平行に円周方向にのみ配列した不織布で、織布のように経糸と緯糸とが交差するナックル部を有しない。この一方向に略平行に配列した不織布層は、特許文献〔特公昭46−3315号公報〕に記載されている。不織布層7を有することにより、基布/バット積層4の始端と終端の重なり部分の影響が紙に現れないように緩和することができると共に、不織布層7自身も上記のようにナックル部を持たないことから、抄造する紙にマークが付くことを防止して、紙の平滑性、表面性を向上させることができる。不織布を構成する糸は必要に応じて種々のものとすることができるが、例えばポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどのモノフィラメントあるいはモノフィラメントの撚糸を使用することができる。モノフィラメントの径は任意に選ばれるが、通常は0.10〜0.45mmのモノフィラメント、あるいはこのモノフィラメント糸を2〜10本含む撚糸あるいは無撚糸である。
【0029】
熱可塑性樹脂シート層8は、熱可塑性樹脂を多数の細孔を持つように溶融成形してシート状にしたものである。ここで熱可塑性樹脂は、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどから任意に選ばれる。シートの厚さは特に限定するものではないが、代表的には0.5〜1.5mm程度である。熱可塑性樹脂シート層8は、圧が加わったとき一方の面にあるバットと他方面のバットとが隙間を通して接触し水分を移動させるが、圧が緩和されると両面のバットが離れ水の移動ができなくなる再湿潤抵抗層として機能する。しかも、織物のように経糸と緯糸が重なり合う構造でないため表面が平滑であり、紙にマークを残さないという有利さがある。
【0030】
【実施例】
1.フェルトの作成
1)実施例1: 実施例1の製紙用フェルト1の断面模式図を図4に示した。実施例1の製紙用フェルト1は、基布2の片面にバット3を重ねて環状に巻回積層してなる基布/バット積層4と、その外側及び内側に配した最外周面バット層5及び最内周面バット層6とを有する構成である。図4においては、理解し易くするためフェルトの厚さ、段差部分など誇張して描いてあり、実際は円筒形状の径を考慮すればフェルトの厚さは遥かに薄く、各層の厚さの割合も異なり、また段差も実質感じない程である。
基布2は、径が0.15mmのポリアミドモノフィラメントである糸を2本撚って撚糸とし、更にこの撚糸3本撚って撚糸(合計6本の糸を含む撚糸)とした経糸を20本/インチ、径が0.21mmのポリアミドモノフィラメントである緯糸を15本/インチ用いて平組織に織り込んだ目付131g/mの織布とした。バット3は、17dtex100%で目付80g/mのポリアミドスフのウェブで、基布2の上面(製紙面)にバット3を乗せ、ニードリングして絡ませながら環状に3周し、目付633g/mの基布/バット積層4を得た。終端部は始端部より10mm重ねて切断し、終端部の緯糸は始端部の緯糸のある位置まで抜いた。
基布/バット積層4の外側に配した最外周面バット層5は、17dtex100%で目付600g/mのポリアミドスフをウェブとした。また、上記基布/バット積層4の内側に配した最内周面バット層6には、17dtex100%で目付100g/mのポリアミドスフをウェブとした。そして、上記最外周面バット層5及び最内周面バット層6は、上記基布/バット積層4の外側及び内側に重ねてニードリングなどの公知の方法により結合した。
【0031】
2)実施例2: 実施例2の製紙用フェルト1の断面模式図を図5に示した。図5も、理解し易くするためフェルトの厚さ、段差部分など誇張して描いてある。実施例2の製紙用フェルト1は、実施例1の製紙用フェルト1の構成に加えてさらに基布/バット積層4と最外周面バット層5との間に、互いに略平行に円周方向にのみ糸を配列した不織布層7を配した。
即ち、実施例2の製紙用フェルト1の上記不織布層7は、径が0.21mmのポリアミドモノフィラメントである糸2本を撚った撚糸2本と、12メートル番手の紡績糸1本とを撚り合わせた糸を、製紙用フェルト長さ方向に27本/インチとなるように略平行に配列した目付269g/mの不織布を用いた。
【0032】
3)比較例: 比較例として、上記実施例1の製紙用フェルトのうち、バット3のみを除いて他の条件、構成は全く同様のものとした製紙用フェルトを製作した。
【0033】
2.評価方法
基布/バット積層4の始端と終端の重なり部にプレスケール感圧紙を重ね、プレスロール加圧条件41.2kN/mで実験用抄紙機によりプレスして発色させた。これは、フェルトの厚さが異なるとフェルトにかかる圧力が変わり、その圧力の違いにより発色の度合いが異なることを利用したものである。圧力が高い程濃い発色になる。
【0034】
3.結果
実施例1,2及び比較例の製紙用フェルトについて、製紙用フェルト長さ方向に発色の度合いを比較した結果を図6〜8に示した。発色の濃度と圧力には相関があり、濃度を測定することで圧力を計算することができる。
【0035】
図6〜8においては、X軸が製紙用フェルトの長さ方向の距離を、Y軸は圧力(Mpa)を示している。X軸の中央部から右側が基布/バット積層4の始端部であり、始端部は終端部と重なっている為、重なり部分である右側は若干厚く、圧力が高めになっているが、終端部の緯糸は始端部の端まで抜いてあるので、図6に示したように実施例1の中央部付近の圧力斑は小さくなっている。また、実施例2は基布/バット積層4の上にさらに不織布層7を有しているので、図7に示したように中央部付近の圧力斑がほとんどない。しかし、図8に示した比較例では、中央部の圧力斑が大きく、段差になっている。これは、ニードリング時に積層されている基布にずれが生じ、始端と終端の緯糸部分が離れてしまった為にその部分の厚さが薄くなって段差が生じていることを示しており、実際の製紙工程ではこの部分で紙にマークが発生する。これに対し、実施例1,2は基布/バット積層4の始端と終端の重なり部の厚さ斑が緩和され、また基布/バット積層4の始端と終端の重なり部にずれがないため圧力斑が小さく、紙へのマークが抑制出来る事がわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の製紙用フェルトは、基布/バット積層を中心とした多層構造体であり、これにより脱水性能に優れ、抄紙速度の高速化に耐える機械的性能を備え、かつ紙表面に基布のマークを残さず、振動を抑制することができる。高速抄紙工程に使用でき、紙の品質も高くなるので製紙工程において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】有端状の基布に原料繊維からカーディングして形成したバットを直接乗せ、ニードリングして絡ませながら環状に巻回積層している説明図である。
【図2】有端状の基布にカーディングしたバットをあらかじめニードリングして巻き取ったプレバットを乗せ、ニードリングして絡ませながら、環状に巻回積層している説明図である。
【図3】 予め有端状の基布にバットをニードリングして絡ませたプリフォームを作りこれを環状に巻回積層している説明図である。
【図4】実施例1における製紙用フェルト1の断面模式図である。
【図5】実施例2における製紙用フェルト1の断面模式図である。
【図6】実施例1の製紙用フェルトについて、フェルトにかかる圧力を発色の度合いから算出した結果であり、横軸(X軸)は製紙用フェルトの長さ方向の距離を、縦軸(Y軸)は圧力(Mpa)を示している。
【図7】実施例2の製紙用フェルトについて、フェルトにかかる圧力を発色の度合いから算出した結果である。横軸(X軸)は製紙用フェルトの長さ方向の距離を、縦軸(Y軸)は圧力(Mpa)を示している。
【図8】比較例の製紙用フェルトについて、フェルトにかかる圧力を発色の度合いから算出した結果である。X軸が製紙用フェルトの長さ方向の距離を、Y軸は圧力(Mpa)を示している。
【符号の説明】
1: 製紙用フェルト
2: 基布
3: バット
4: 基布/バット積層
5: 最外周面バット層
6: 最内周面バット層
7: 不織布層

Claims (5)

  1. ニードルマシン上で有端状の基布とバットを供給しながら、有端状の基布にバットを重ねてニードリングして絡ませつつ基布/バット層を形成し、引き続き前記基布/バット層をニードリングしながら環状に巻回積層して前記基布/バット層が複数層積層された基布/バット積層とし、さらに前記基布/バット積層の外側にバットを最外周面バット層として配して多層構造体とし、全体をニードリングして一体化してなることを特徴とする製紙用フェルト。
  2. 予め有端状の基布にバットを重ねてニードリングして絡ませた基布/バット層でなるプリフォームを作り、前記プリフォームをニードリングしながら環状に巻回積層して前記基布/バット層が複数層積層された基布/バット積層とし、さらに前記基布/バット積層の外側にバットを最外周面バット層として配して多層構造体とし、全体をニードリングして一体化してなることを特徴とする製紙用フェルト。
  3. 前記基布/バット積層におけるバットは、始端と終端の少なくとも一端部において他の部分より厚さを薄くしたものであることを特徴とする請求項1または2項に記載の製紙用フェルト。
  4. 前記多層構造体は、基布/バット積層の内側に、さらにバットを配した最内周面バット層を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の製紙用フェルト。
  5. 前記多層構造体は、基布/バット積層と最外周面バット層との間に、さらに互いに略平行に円周方向にのみ糸を配列した不織布層を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の製紙用フェルト。
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