JP4026923B2 - ポリペプチド - Google Patents
ポリペプチド Download PDFInfo
- Publication number
- JP4026923B2 JP4026923B2 JP07854998A JP7854998A JP4026923B2 JP 4026923 B2 JP4026923 B2 JP 4026923B2 JP 07854998 A JP07854998 A JP 07854998A JP 7854998 A JP7854998 A JP 7854998A JP 4026923 B2 JP4026923 B2 JP 4026923B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypeptide
- cells
- dna
- present
- seq
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明はサイトカインを認識する新規な受容体蛋白質、とりわけ、インターロイキン−18(以下、「IL−18」と略記する。)を認識する新規なポリペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】
IL−18は、免疫系における情報伝達物質であるサイトカインの一種である。IL−18は、特開平8−27189号公報、特開平8−193098号公報及びハルキ・オカムラら『ネイチャー』、第378巻、第6,552号、88乃至91頁(1995年)に見られるように、発見当初、インターフェロン−γ誘導因子として記載されていたが、その後、シンペイ・ウシオら『ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー』、第156巻、4,274乃至4,279頁(1996年)における提案にしたがって、「IL−18」と呼称されるようになった。成熟型のIL−18は157個のアミノ酸からなり、免疫担当細胞において生理活性物質として有用なインターフェロン−γ(以下、「IFN−γ」と略記する。)の産生を誘導する性質と、キラー細胞の細胞障害性を増強したり、キラー細胞の生成を誘導する性質を兼備している。これらの性質故に、IL−18は抗ウイルス剤、抗菌剤、抗腫瘍剤、抗免疫疾患剤などの医薬品として広範な用途が期待され、鋭意研究が進められている。
【0003】
前述のとおり、IL−18にかぎらず、サイトカインは、本来、免疫系における情報伝達を担う物質として産生され、分泌される。したがって、サイトカインが哺乳類の体内で過剰に産生されたり、外部から投与されたりすると、免疫系のバランスに片寄りを生じる可能性がある。哺乳類の細胞の表面には、通常、受容体と呼ばれるサイトカインを認識する部位があり、分泌されたサイトカインは、この受容体に結合することによって、初めて所期の情報を細胞に伝達することができる。正常な免疫系においては、サイトカインとサイトカインを認識する受容体がある一定のバランスを保っていると考えられる。したがって、斯界においては、IL−18を医薬品として実用化するためにも、IL−18そのものの生理作用の解明に加えて、IL−18受容体(以下、「IL−18R」と略記する。)の性質・性状が一刻も早く解明され、量産されることが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、この発明の第一の課題は、量産容易なIL−18Rとしてのポリペプチドを提供することにある。
【0005】
さらに、この発明の第二の課題は、斯かるポリペプチドの医薬としての用途を提供することにある。
【0006】
加えて、この発明の第三の課題は、斯かるポリペプチドをコードするDNAを提供することにある。
【0007】
さらに加えて、この発明の第四の課題は、斯かるポリペプチドの製造方法を提供することにある。
【0008】
さらに加えて、この発明の第五の課題は、斯かるポリペプチドを用いるIL−18の中和剤を提供することにある。
【0009】
さらに加えて、この発明の第六の課題は、斯かるポリペプチドによるIL−18の中和方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らがこれらの課題を解決すべく鋭意研究したところ、ホジキン病患者に由来するリンパ芽球様細胞の一種であるL428細胞中にIL−18を認識する物質が存在していることを突き止めた。本発明者がこの物質を分離し、性質・性状を調べたところ、その本質は蛋白質であり、分離された状態においてもIL−18をよく認識し、結合することが判明した。斯くして存在が確認されたIL−18Rは、ヒトを含む哺乳類において、免疫系を活性化するIL−18を認識し、その生理活性を中和するので、自己免疫疾患を初めとする過剰な免疫反応に起因する種々の疾患の治療・予防に効果を発揮することが判明した。さらに、本発明者がこのIL−18Rの部分アミノ酸配列を手掛りにL428細胞を鋭意検索したところ、IL−18RをコードするDNAを取得するに到った。そして、このDNAを人為的に発現させて得られるポリペプチドがIL−18をよく認識し、L428細胞から分離されたIL−18Rと同様の生理活性を有することを確認するとともに、そのポリペプチドが斯かるDNAを用いる組換えDNA技術により、所望量を製造し得るものであることを確認してこの発明を完成した。
【0011】
すなわち、この発明は前記第一の課題を、遺伝子の発現によって得ることができる、IL−18Rとしてのポリペプチドにより解決するものである。
【0012】
この発明は前記第二の課題を、有効成分として、斯かるポリペプチドを含んでなるIL−18R感受性疾患剤により解決するものである。
【0013】
この発明は前記第三の課題を、斯かるポリペプチドをコードするDNAにより解決するものである。
【0014】
この発明は前記第四の課題を、斯かるポリペプチドをコードするDNAを発現させる工程と、生成したポリペプチドを採取する工程を含んでなるポリペプチドの製造方法により解決するものである。
【0015】
この発明は前記第五の課題を、斯かるポリペプチドを有効成分とするIL−18の中和剤により解決するものである。
【0016】
この発明は前記第六の課題を、IL−18に斯かるポリペプチドを作用させることを特徴とするIL−18の中和方法により解決するものである。なお、この発明で用いるL428細胞は、平成8年12月24日以降、茨城県つくば市東1丁目1番3号にある通商産業省、工業技術院、生命工学工業技術研究所に受託番号『FERM BP−5777』で寄託されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明は、遺伝子の発現によって得ることができる、IL−18Rとしてのポリペプチドに関するものである。この発明によるヒト由来のポリペプチドは、通常、部分アミノ酸配列として、配列表における配列番号12乃至19に示すアミノ酸配列の1又は複数を含有し、全体としては、例えば、配列表における配列番号20に示すアミノ酸配列の一部又は全部を含有する。また、この発明によるマウス由来のポリペプチドは、通常、配列表における配列番号21に示すアミノ酸配列の一部又は全部を含有する。したがって、この発明でいうポリペプチドとは、配列表における配列番号20又は21に示すアミノ酸配列をそっくりそのまま含有するポリペプチドに加えて、例えば、それらのアミノ酸配列に1又は複数のアミノ酸が付加したポリペプチド、とりわけ、C末端及び/又はN末端に1又は複数のアミノ酸が付加したアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号20及び21に示すアミノ酸配列におけるアミノ酸の1又は複数が欠失したアミノ酸配列を含有するポリペプチド、とりわけ、配列番号22乃至25に示すアミノ酸配列を含有する可溶性ポリペプチド、さらには、上述のごときポリペプチドに糖鎖が結合したポリペプチドであっても、それらが遺伝子の発現によって得ることができ且つIL−18Rとしての機能を有するかぎり、すべて包含するものとする。ちなみに、IL−18は、すでに、ヒト及びマウスに由来するものが知られており、これらはいずれも157個のアミノ酸を含んでなり、それぞれ、配列表における配列番号26に示すアミノ酸配列(ただし、符合「Xaa」を付して示したアミノ酸は、イソロイシン又はトレオニンを表すものとする。)、及び、配列表における配列番号27に示すアミノ酸配列(ただし、符合「Xaa」を付して示したアミノ酸は、メチオニン又はトレオニンを表すものとする。)を有する。
【0018】
この発明のポリペプチドは、通常、組換えDNA技術を応用して製造される。すなわち、当該ポリペプチドをコードするDNAを人為的に発現させ、生成したポリペプチドを採取する。この発明は、当該ポリペプチドをコードするDNAに加えて、組換えDNA技術を用いる当該ポリペプチドの製造方法を提供するものでもあり、この発明の製造方法によるときには、所望量の当該ポリペプチドが容易に得られる。
【0019】
この発明の製造方法で用いるDNAとしては、それが当該ポリペプチドをコードするかぎり、天然の給源から得られたDNAであっても、これを人為的に改変したり、化学合成したものであってもよい。すなわち、斯界においては、一般に、あるポリペプチドをコードするDNAを人為的に発現させるに際し、そのDNAの発現効率を改善したり、あるいは、ポリペプチドそのものの生理活性や物性を改善する目的で、DNAにおける塩基の1又は複数を他の塩基で置換したり、DNAに適宜の塩基配列を連結することがある。この発明のDNAにおいても斯かる変更は当然可能であり、具体的には、最終的に得られるポリペプチドが所期の生理活性を失わない範囲で、前述のごときこの発明のポリペプチドをコードするDNAにおける5´末端及び/又は3´末端に適宜の制限酵素による認識部位、開始コドン、終止コドン、プロモーター、エンハンサーなどの塩基配列を連結し得ることは言うまでもない。したがって、この発明でいうDNAとは、前述のごときポリペプチドをコードするDNA、そのDNAの塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNA、さらには、それらのDNAがコードするアミノ酸配列を変更することなく、塩基の1又は複数を他の塩基で置換したDNAのすべてを包含することとなる。
【0020】
斯かるDNAを天然の給源から得るには、例えば、配列表における配列番号12乃至25に示すアミノ酸配列に基づき調製したオリゴヌクレオチドをプローブにして、上皮細胞、内皮細胞、間質細胞、軟骨細胞、単球、顆粒球、リンパ球、神経細胞及びそれらを培養株化して得られるヒト及びマウスを含む哺乳類由来の細胞を検索すればよい。細胞の検索に当たり、検索対象の細胞を培養する培養培地に、斯かる細胞においてIL−18R遺伝子の発現を誘発し得る物質、とりわけ、IL−12やIL−18を細胞1×106 当たり約0.01pg乃至1μg、望ましくは、約1pg乃至100ng含有せしめると、目的とするDNAの取得を容易にすることができる。望ましい細胞の具体例としては、リンパ球を始めとする造血系細胞などを培養株化して得られる、例えば、ジュン・ミノワダ『キャンサー・レビュー』、第10巻、1乃至18頁(1988年)に記載されているJM細胞、HDLM−2細胞、MOLT−16細胞及びPEER細胞、さらには、L428細胞(FERM BP−5777)、KG−1細胞(ATCC CCL−246)、U−937細胞(ATCC CRL−1593.2)などのリンパ芽球様細胞が挙げられる。斯くして得られるDNAのうち、ヒト及びマウス由来のDNAは、通常、それぞれ配列表における配列番号1及び2に示す塩基配列の一部又は全部を含有する。例えば、ホジキン病患者由来のリンパ芽球様細胞の一種であるL428細胞(FERM BP−5777)から得られるDNAは、配列表における配列番号7に示したとおり、配列番号20に示すアミノ酸配列をコードする配列番号1に示す塩基配列と、配列番号1に示す塩基配列の5´末端に連結されたシグナルペプチドをコードする塩基配列からなる。また、配列表における配列番号22乃至25に示すアミノ酸配列の可溶性ポリペプチドは、それぞれ、配列番号3乃至6に示す塩基配列によってコードされ、配列番号8乃至11の塩基配列に示したように、通常、その5´末端にシグナルペプチドをコードする塩基配列を連結した形態で用いられる。斯かるDNAは通常の化学合成によっても得られ、いずれにしても、一旦DNAが入手されれば、これにPCR法を適用することによって所望のレベルに容易に増幅することができる。なお、配列表における配列番号20及び21に示すアミノ酸配列は、いずれも、シグナルペプチドのアミノ酸配列とともに、ピー・パーネットら、『ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー』、第271巻、3,967乃至3,970頁(1996年)に報告されている。しかしながら、同論文においては、配列番号20及び21に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドがIL−18Rとして機能する事実について、示唆も教示もなされていない。
【0021】
斯かるDNAは、微生物及び動植物由来の適宜の宿主に導入すると、当該ポリペプチドを発現する。この発明のDNAは、通常、組換えDNAの形態で宿主に導入される。組換えDNAはこの発明のDNAと自律複製可能なベクターを含んでなり、DNAさえ入手できれば、通常一般の組換えDNA技術により比較的容易に調製することができる。この発明のDNAを挿入し得るベクターとしては、例えば、pKK223−3、pcDNAI/Amp、BCMGSNeo、pcDL−SRα、pKY4、pCDM8、pCEV4、pME18S、pEF−BOSなどのプラスミドベクターが挙げられる。自律複製可能なベクターは、通常、プロモーター、エンハンサー、複製起点、転写終結部位、スプライシング配列及び/又は選択配列などの、この発明のDNAが個々の宿主において発現するための適宜塩基配列を含んでなる。なお、プロモーターとして、例えば、熱ショック蛋白質プロモーターや、あるいは、同じ特許出願人による特開平7−163368号公報に開示されたインターフェロン−αプロモーターを用いるときには、形質転換体における当該DNAの発現を外部刺激により人為的に制御できることになる。
【0022】
斯かるベクターにこの発明のDNAを挿入するには、斯界において慣用の方法が用いられる。具体的には、まず、この発明のDNAを含む遺伝子と自律複製可能なベクターとを制限酵素及び/又は超音波により切断し、次に、生成したDNA断片とベクター断片を連結する。遺伝子及びベクターの切断にヌクレオチドに特異的に作用する制限酵素、とりわけ、AccI、BamHI、BstXI、EcoRI、HindIII、NotI、PstI、SacI、SalI、SmaI、SpeI、XbaI、XhoIなどを用いれば、DNA断片とベクター断片を連結するのが容易となる。DNA断片とベクター断片を連結するには、必要に応じて、両者をアニーリングした後、生体内又は生体外でDNAリガーゼを作用させればよい。斯くして得られる組換えDNAは、微生物や動物由来の宿主において無限に複製可能である。
【0023】
斯かる組換えDNAは、適宜宿主に導入して当該ポリペプチドの製造に用いられる。宿主としては、斯界において慣用される微生物及び動植物由来のものを用いることができるが、ポリペプチドの最終用途が医薬品である場合には、酵母や哺乳類由来の宿主が望ましい。哺乳類由来の宿主細胞の具体例としては、例えば、3T3細胞(ATCC CCL−92)、C127I細胞(ATCC CRL−1616)、CHO−K1細胞(ATCC CCL−61)、CV−1細胞(ATCC CCL−70)、COS−1細胞(ATCC CRL−1650)、HeLa細胞(ATCC CCL−2)、MOP−8細胞(ATCC CRL−1709)及びそれらの変異株を始めとする、ヒト、サル、マウス及びハムスター由来の上皮系細胞、間質系細胞及び造血系細胞が挙げられる。斯かる宿主にこの発明のDNAを導入するには、例えば、公知のDEAE−デキストラン法、燐酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、さらには、レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルスなどによるウイルス感染法などを用いればよい。形質転換体から当該ポリペプチドを産生するクローンを選択するには、形質転換体を培養培地で培養し、当該ポリペプチドの産生が観察されたクローンを選択すればよい。なお、哺乳類由来の宿主細胞を用いる組換えDNA技術については、例えば、黒木登志夫、谷口克、押村光雄編集、『実験医学別冊細胞工学ハンドブック』、1992年、羊土社発行や横田崇、新井賢一編集、『実験医学別冊バイオマニュアルシリーズ3 遺伝子クローニング実験法』、1993年、羊土社発行などにも詳述されている。
【0024】
斯くして得られる形質転換体は、培養培地で培養すると、宿主内外に当該ポリペプチドを産生する。培養培地としては、形質転換体を培養するための慣用の培養培地を用いればよく、斯かる培養培地は、通常、緩衝水を基材とし、これにナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、燐イオン、塩素イオンなどの無機イオンと、宿主の代謝能力に応じた微量元素、炭素源、窒素源、アミノ酸、ビタミンなどを加え、必要に応じて、さらに血清、ホルモン、細胞成長因子、細胞接着因子などを含有せしめて構成される。個々の培養培地としては、例えば、199培地、DMEM培地、Ham´s F12培地、IMDM培地、MCDB104培地、MCDB153培地、MEM培地、RD培地、RITC80−7培地、RPMI−1630培地、RPMI−1640培地、WAJC404培地などが挙げられる。斯かる培養培地に形質転換体を約1×104乃至1×107個/ml、望ましくは、約1×105乃至1×106個/ml接種し、必要に応じて新鮮な培養培地と取替えながら、温度37℃前後で1日乃至1週間、望ましくは、2乃至4日間浮遊培養又は単層培養すると、当該ポリペプチドを含む培養物が得られる。形質転換体の種類や培養条件にもよるが、斯くして得られる培養物は、通常、1l当り当該ポリペプチドを約1μg乃至1mg含む。
【0025】
このようにして得られた培養物は、必要に応じて、超音波、細胞溶解酵素及び/又は界面活性剤により菌体又は細胞を破砕した後、濾過、遠心分離などにより当該ポリペプチドを菌体若しくは細胞又はそれらの破砕物から分離し、精製する。精製には菌体若しくは細胞又はそれらの破砕物を除去した培養物に、例えば、塩析、透析、濾過、濃縮、分別沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、等電点クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル電気泳動、等電点電気泳動などの生理活性蛋白質を精製するための斯界における慣用の方法が適用され、必要に応じて、これらは適宜組合せて適用される。そして、最終使用形態に応じて、精製ポリペプチドを濃縮・凍結乾燥して液状又は固状にすればよい。なお、同じ特許出願人による特開平8−193098号公報に開示されたIL−18及び特願平8−356426号明細書に開示されたモノクローナル抗体は当該ポリペプチドの精製に極めて有用であり、これらを用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーによるときには、高純度の当該ポリペプチドが最少の時間と労力で得られる。
【0026】
この発明のポリペプチドは、ヒトを含む哺乳類において、免疫系を活性化するIL−18を認識・結合して免疫反応を抑制したり調節する性質を有するので、過剰な免疫反応に起因する種々の疾患の治療・予防に著効を発揮する。免疫系は、本来、有害な異物から生体を防御するためのものであるが、ときとして、その働き故に、却って、生体に有害な結果をもたらすことがある。哺乳類に、例えば、皮膚、腎臓、肝臓、心臓、骨髄などの臓器を移植すると、同種異系抗原に対する拒絶反応や免疫反応により、T細胞が活性化され、リンパ球が増殖したり、炎症が生じることがある。症状の程度こそ違え、同様の現象は、例えば、アレルゲンのように、宿主が固有のものと見做さない異種異系抗原が侵入した場合にも観察される。自己免疫疾患においては、本来、固有のものと見做されるべき成分がアレルギー反応を惹起する。この発明のポリペプチドは、ヒトを含む哺乳類に投与すると、斯かる免疫反応を抑制又は調節し、それらに起因する各種疾患の治療・予防に著効を発揮する。したがって、この発明でいう感受性疾患とは免疫反応の亢進に起因する疾患であって、IL−18Rが直接又は間接に作用して治療又は予防し得るすべての疾患ということになり、個々の感受性疾患としては、例えば、上記のごとき臓器移植に伴う拒絶反応や、悪性貧血、萎縮性胃炎、インスリン抵抗性糖尿病、ウェジナー肉芽腫症、円板状エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、寒冷凝集素症、グッドパスチャー症候群、クローン病、原発性胆汁性肝硬変症、交感性眼炎、甲状腺機能亢進症、若年性糖尿病、シェーグレン症候群、自己免疫性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、進行性全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、多発性寒冷血色素尿症、多発性筋炎、多発性結節性動脈炎、多発性硬化症、特発性アジソン病、特発性血小板減少性紫班病、バセドウ病、白血球減少症、ベーチェット病、早発性更年期、慢性関節リウマチ、リウマチ熱、慢性甲状腺炎、ホジキン病、HIV感染症、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症及びハチ毒アレルギーを含む自己免疫疾患及びアレルギー性疾患が挙げられる。なお、この発明のポリペプチドは、IFN−γの過剰産生や過剰投与などに起因する敗血症ショックの治療や予防にも有効である。
【0027】
斯くして、有効成分としてこの発明のポリペプチドを含んでなる感受性疾患剤は、上記のごとき感受性疾患を治療・予防するための抗自己免疫疾患剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、増血剤、白血球増多剤、血小板増多剤、鎮痛剤、解熱剤などとして多種多様な用途を有することとなる。剤型並びに感受性疾患の種類及び症状にもよるが、この発明の感受性疾患剤は、通常、液状、懸濁状、ペースト状又は固形状に調製され、この発明のポリペプチドを0.00001乃至100%(w/w)、望ましくは、0.0001乃至20%(w/w)含んでなる。
【0028】
この発明の感受性疾患剤は、当該ポリペプチド単独の形態はもとより、それ以外の生理的に許容される、例えば、担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、安定剤、さらには、必要に応じて、他の生理活性物質の1若しくは複数種類との組成物としての形態をも包含する。安定剤としては、例えば、血清アルブミンやゼラチンなどの蛋白質、グルコース、シュークロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトールなどの糖質及びクエン酸塩若しくは燐酸塩を主体とする緩衝剤が、また、併用し得る他の生理活性物質としては、例えば、FK506、グルココルチコイド、シクロフォスファミド、ナイトロゲンマスタード、トリエチレンチオフォスファミド、ブズルファン、フェニラミンマスタード、クロランブシル、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、6−アザグアニン、8−アザグアニン、フルオロウラシル、シタラビン、メトトレキセート、アミノプテリン、マイトマイシンC、塩酸ダウノルビシン、アクチノマイシンD、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、塩酸ドキソルビシン、サイクロスポリンA、L−アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ヒドロキシウレア、塩酸プロカルバジン、副腎皮質ホルモン、金製剤などの他に、IL−18以外のサイトカインの受容体アンタゴニスト、例えば、インターロイキン−1受容体蛋白質、インターロイキン−2受容体蛋白質、インターロイキン−5受容体蛋白質、インターロイキン−6受容体蛋白質、インターロイキン−8受容体蛋白質及びインターロイキン−12受容体蛋白質に対するそれぞれの抗体、さらには、TNF−α受容体、TNF−β受容体、インターロイキン−1受容体、インターロイキン−5受容体及びインターロイキン−8受容体に対するそれぞれのアンタゴニストなどが挙げられる。
【0029】
さらに、この発明の感受性疾患剤は投薬単位形態の薬剤をも包含し、その投薬単位形態の薬剤とは、当該ポリペプチドを、例えば、1回当りの用量又はその整数倍(4倍まで)若しくはその約数(1/40まで)に相当する量を含んでなり、投薬に適する物理的に一体の剤型にある薬剤を意味する。このような投薬単位形態の薬剤としては、注射剤、液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、舌下剤、点眼剤、点鼻剤、坐剤などが挙げられる。この発明の感受性疾患剤は経口的に投与しても非経口的に投与してもよく、いずれの場合にも感受性疾患の治療・予防に効果を発揮する。感受性疾患の種類や症状にもよるが、具体的には、患者の症状や投与後の経過を観察しながら、成人当り約1μg乃至1g/回、通常、約10μg乃至100mg/回の当該ポリペプチドを1乃至4回/日又は1乃至5回/週の用量で1日乃至1年間に亙って経口投与するか、皮内、皮下、筋肉内又は静脈内に非経口投与すればよい。
【0030】
ところで、この発明のポリペプチドをコードするDNAは、いわゆる、「遺伝子療法」にも有用である。すなわち、通常の遺伝子療法においては、この発明のDNAを、例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスなどのウイルス由来のベクターに挿入するか、カチオニックポリマーや膜融合型リポソームなどのリポソームに包埋し、この状態でIL−18Rに感受性を有する疾患に罹患した患者に直接注入するか、あるいは、患者からリンパ球を採取し、生体外で導入した後、患者に自家移植するのである。また、養子免疫遺伝子療法においては、効果細胞にこの発明のDNAを通常の遺伝子療法の場合と同様にして導入すると、例えば、腫瘍細胞やウイルス感染細胞などの標的細胞に対する効果細胞の細胞障害性が高まり、養子免疫療法を強化することができる。さらに、腫瘍ワクチン遺伝子療法においては、患者から摘出した腫瘍細胞にこの発明のDNAを通常の遺伝子療法の場合と同様にして導入し、生体外で一定数に達するまで増殖させた後、患者に自家移植するのである。移植された腫瘍細胞は患者体内においてワクチンとして作用し、強力且つ抗原特異的な抗腫瘍免疫を発揮する。斯くして、この発明のDNAは、例えば、悪性腫瘍、ウイルス性疾患、感染症及び自己免疫疾患を始めとする各種疾患の遺伝子療法、さらには、臓器移植やアレルギー性疾患に伴う拒絶反応や過剰な免疫反応の抑制に著効を発揮することとなる。なお、これらの遺伝子療法を実施するための一般的手順は、例えば、島田隆、斉藤泉、小澤敏也編集、『実験医学別冊バイオマニュアルUPシリーズ 遺伝子治療の基礎技術』、1996年、羊土社発行にも詳述されている。さらに、この発明のポリペプチドをコードするDNAは、その一部又は全てをプローブ又はプライマーとして用いるハイブリダイゼーション法やPCR法を諸種の哺乳類に由来するDNAやRNAに適用することにより、この発明のポリペプチドと構造的に関連する物質をコードするDNA、例えば、この発明に開示された個々のDNAとは相違する起源のIL−18RとしてのポリペプチドをコードするDNA、さらには、IL−18Rに対する作動薬や拮抗薬などをコードするDNAの検索にも有用である。
【0031】
また、この発明のポリペチプチドはIL−18を認識し、結合する性質があるので、当然のことながら、IL−18を精製したり検出するためのアフィニティークロマトグラフィーや標識アッセイにおいても有用である。また、これに加え、この発明のポリペプチド、とりわけ、この発明の可溶性ポリペプチドは、IL−18Rに対する作動薬や拮抗薬の、生体内又は生体外での検索にも有用である。さらに、この発明のポリペプチドには、IL−18を認識し、結合して、その生理作用を中和する性質があるので、当該ポリペプチドを有効成分とするこの発明の中和剤及び、IL−18に当該ポリペプチドを作用させるこの発明の中和方法は、IL−18の過剰産生やIL−18の過剰投与に起因する種々の疾患の治療に有用である。
【0032】
以下、この発明の実施の形態につき、実施例を挙げて説明する。なお、以下の実施例1乃至9において用いられる手法は斯界において慣用のものであり、例えば、黒木登志夫、谷口克、押村光雄編集、『実験医学別冊細胞工学ハンドブック』、1992年、羊土社発行や横田崇、新井賢一編集、『実験医学別冊バイオマニュアルシリーズ3 遺伝子クローニング実験法』、1993年、羊土社発行などにも詳述されている。
【0033】
【実施例1】
〈IL−18Rの調製と特徴付け〉
【0034】
【実施例1−1】
〈IL−18Rの調製〉
常法により、生後間もないハムスター新生児の腹腔内にウサギ由来の抗リンパ球抗体を注射して免疫反応を減弱させた後、背部皮下にホジキン病患者に由来するリンパ芽球様細胞株の一種であるL428細胞(FERM BP−5777)を約5×105 個/匹注射移植し、通常の方法で3週間飼育した。皮下に生じた腫瘍塊(約10g/匹)を摘出し、常法により血清無含有のRPMI−1640培地(pH7.4)により分散させ、洗浄して増殖細胞を得た。
【0035】
この増殖細胞に対して0.83%(w/v)塩化アンモニウムと170mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)との混液(容量比9:1)を細胞湿重量の10倍量加え、撹拌した後、2,000rpmで10分間遠心分離して細胞を回収した。次に、細胞を適量の燐酸緩衝食塩水(以下、「PBS」と言う。)に浮遊させ、撹拌し、2,000rpmで遠心分離して再度回収し、1mM塩化マグネシウムを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)に細胞密度約1×108 個/mlになるように浮遊させ、キネマティカ製細胞破砕機『ポリトロン』により破砕し、1mM塩化マグネシウム及び1Mシュークロースをそれぞれ含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)をシュークロースの最終濃度が0.2Mになるように加えた後、1,000rpmで遠心分離して上清を採取し、これを25,000rpmでさらに60分間遠心分離し、沈澱部を採取した。この沈澱に12mM 3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルフォネート(以下、「CHAPS」と言う。)、10mM EDTA及び1mMフェニルメチルスルフォニルフルオライドをそれぞれ適量加え、4℃で16時間撹拌した後、25,000rpmで60分間遠心分離し、上清を採取した。
【0036】
この上清を12mM CHAPSを含むPBSにより平衡化しておいたファルマシア製アフィニティークロマトグラフィー用ゲル『ウィート・ジャーム・レクチン・セファロース6B』のカラムに負荷し、カラムを12mM CHAPSを含むPBSにより洗浄した後、溶出液の蛋白質含量を波長280nmの紫外線に対する吸光度でモニターしながら、0.5M N−アセチル−D−グルコサミン及び12mM CHAPSをそれぞれ含むPBSを通液した。そして、吸光度が0.16乃至0.20の画分を採取し、合一したところ、蛋白質含量約1mg/mlの水溶液が原料細胞1012個当り約25l得られた。
【0037】
この水溶液の一部を小分し、常法にしたがって 125Iで標識したヒトIL−18を4ngずつ加え、4℃で1時間インキュベートし、担体としてγ−グロブリンと平均分子量6,000ダルトンのメルク製ポリエチレングリコール『ポリエチレングリコール6000』をそれぞれ適量加え、氷冷下で30分間静置して結合反応させた後、反応物を6,000rpmで5分間遠心分離し、生じた沈澱を採取し、放射能強度を測定した。同時に、 125I標識ヒトIL−18に加えて未標識のヒトIL−18を3μg用いる系を設け、これを上記と同様に処置して対照とした。対照と比較したところ、被検水溶液から生じた沈澱の放射能強度は有意に高かった。このことは、上記で得た水溶液が正にIL−18Rを含有するものであり、IL−18に作用させると、このIL−18RがIL−18を認識し、結合したことを示している。
【0038】
【実施例1−2】
〈モノクローナル抗体に対する結合性〉
L428細胞(FERM BP−5777)を0.1%(w/v)アジ化ナトリウムを含み、0.1%(v/v)ウシ血清アルブミンを補足したRPMI−1640培地(pH7.4)に細胞密度4×107 個/mlになるように浮遊させる一方、同じ特許出願人による特願平8−356426号明細書に記載された方法により得た、ヒトIL−18Rに特異的なモノクローナル抗体MAb#117−10Cを濃度0.019μg/ml、0.209μg/ml、2.3μg/ml、25.3μg/ml又は139.5μg/mlになるように0.1%(v/v)ウシ血清アルブミンを補足した別のRPMI−1640培地(pH7.4)に溶解した。
【0039】
次に、上記で調製した細胞浮遊液を50μlずつとり、これに濃度の相違する上記モノクローナル抗体溶液のいずれかを50μlずつ加え、4℃で2時間振盪した後、常法にしたがって 125Iにより標識したヒトIL−18を4ng含み、0.1%(v/v)ウシ血清アルブミンを補足したRPMI−1640培地(pH7.5)を50μlずつ加え、同じ温度でさらに30分間振盪した。その後、各細胞浮遊液にジブチルフタレート/ジオクチルフタレート混液(容量比1:1)を200μlずつ加え、20℃、10,000rpmで5分間遠心分離した後、細胞を含む沈澱部を採取し、アロカ製ガンマカウンター『ARC−300型』を用いて放射能強度を測定した。
【0040】
同時に、モノクローナル抗体を省略する一方、 125I標識ヒトIL−18を4ngとともに未標識ヒトIL−18を4μg加える系(非特異的結合区)と未標識ヒトIL−18を加えない系(総結合区)をそれぞれ設け、これらを試験区と同様に処置した。そして、「総結合区」及び「非特異的結合区」において観察された放射能強度と、試験区において観察された放射能強度をそれぞれ数1に示す式に代入し、阻害率(%)を計算した。結果を図1に示す。
【0041】
【数1】
【0042】
さらに、実施例1−1の方法により得たIL−18Rを含む水溶液を50μlずつとり、これを上記と同様の濃度に調製したモノクローナル抗体MAb#117−10Cを50μl加え、4℃で2時間振盪した後、 125I標識ヒトIL−18を4ngずつ加え、同じ温度でさらに30分間振盪した。その後、4mg/ml γ−グロブリンを50μl加え、氷冷下で30分間静置した後、20%(w/v)ポリエチレングリコールを含むPBSを250μl加え、氷冷下でさらに30分間静置し、4℃、6,000rpmで5分間遠心分離し、沈澱部を採取し、その放射能強度を上記と同様にして測定した。
【0043】
同時に、モノクローナル抗体を省略する一方、 125I標識ヒトIL−18を4ngとともに未標識ヒトIL−18を4μg加える系(非特異的結合区)と未標識ヒトIL−18を加えない系(総結合区)をそれぞれ設け、これらを試験区と同様に処置した。そして、「総結合区」及び「非特異的結合区」において観察された放射能強度と、試験区において観察された放射能強度をそれぞれ数1に示す式に代入し、阻害率(%)を計算した。結果を図1に併記する。
【0044】
図1に見られるように、L428細胞を用いる場合も、溶液状のIL−18Rを用いる場合も、モノクローナル抗体MAb#117−10Cの濃度が上昇するにしたがって、IL−18のL428細胞及びIL−18Rへの結合がより強く阻害された。このことは、モノクローナル抗体MAb#117−10Cが溶液中のIL−18R及びL428細胞の表面に存在すると考えられるIL−18RにIL−18と競合して結合したことを示すと同時に、実施例1−1の方法により得た水溶液がIL−18を認識する性質ある蛋白質、すなわちIL−18Rを含有し、そして、モノクローナル抗体MAb#117−10CがそのIL−18Rに特異的に反応するモノクローナル抗体であることを示している。
【0045】
【実施例1−3】
〈ウェスタン・ブロッティング分析〉
実施例1−1の方法により得たIL−18R水溶液の一部をとり、これに2.5%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム及び50%(v/v)グリセリンからなる混液を2/3容量加え、37℃で1時間インキュベートした後、常法にしたがって、還元剤非存在下においてゲル濃度10乃至20%のグラジエントSDS−PAGEを適用して蛋白質成分を分離した。常法によりゲルをニトロセルロース膜上に移取り、適量の大日本製薬製固定化剤『ブロックエース』に1時間浸漬し、さらに、同じ特許出願人による特願平8−356426号明細書に開示された方法により得たモノクローナル抗体MAb#117−10C、ブロックエース及びツイーン20をそれぞれ10μg/ml、10%(v/v)及び0.05%(v/v)の濃度で含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に1時間浸漬した後、0.05%(v/v)ツイーン20を含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄して過剰の抗体を除いた。ニトロセルロース膜を西洋ワサビパーオキシダーゼで標識したウサギ由来の抗マウスイムノグロブリン抗体の適量と10%(v/v)ブロックエース及び0.05%(v/v)ツイーン20をそれぞれ含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に1時間浸漬して反応させ、0.05%(v/v)ツイーン20を含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)により洗浄した後、アマシャム製染色キット『ECL kit』を用いて発色させた。
【0046】
同時に、モノクローナル抗体MAb#117−10Cを省略した系を設け、上記と同様に処置して対照とした。なお、分子量マーカーには、ウシ血清アルブミン(67,000ダルトン)、オボアルブミン(45,000ダルトン)、カルボニックアンヒドロラーゼ(30,000ダルトン)、トリプシンインヒビター(20,100ダルトン)及びα−ラクトアルブミン(14,400ダルトン)を用いた。結果を図2に示す。
【0047】
図2のゲル電気泳動像において、モノクローナル抗体無添加のレーン3には見られないバンドが、モノクローナル抗体添加のレーン2には観察されるが、このバンドはIL−18Rに相当するバンドである。
【0048】
【実施例1−4】
〈IL−18に対する活性阻害〉
ヒト急性骨髄性白血病患者に由来する株化細胞の一種であるKG−1細胞(ATCC CCL−246)を100μg/mlカナマイシンと18.8mM燐酸水素二ナトリウムをそれぞれ含み、10%(v/v)ウシ胎児血清を補足したRPMI−1640培地(pH7.2)に細胞密度1×107 個/mlになるように浮遊させ、同じ特許出願人による特願平8−356426号明細書に開示された方法により得たモノクローナル抗体MAb#117−10Cを濃度10μg/mlになるように加えた後、37℃で30分間インキュベートした。
【0049】
次に、96ウェルマイクロプレートに上記KG−1細胞浮遊液を50μl/ウェルずつ分注し、それに、ヒトIL−18を上記と同一の新鮮な培地に濃度0ng/ml、1.56ng/ml、3.12ng/ml、6.25ng/ml、12.5ng/ml、25ng/ml又は50ng/mlになるように溶解したものを50μl/ウェルずつ加え、さらに、上記と同一の新鮮な培地に濃度5μg/mlになるように溶解したリポ多糖を50μl/ウェルずつ加え、37℃で24時間インキュベートした後、培養上清を採取し、そのIFN−γ含量を通常の酵素免疫アッセイにより調べた。並行して、各々のヒトIL−18濃度につき、モノクローナル抗体MAb#117−10Cを省略した系をそれぞれ設け、これらを上記と同様に処置して対照とした。結果を図3に示す。なお、図3に示すIFN−γ含量は、米国国立衛生研究所(NIH)から入手したIFN−γ標準品(Gg23−901−530)に基づき国際単位(IU)に換算して表示している。
【0050】
図3に示す結果は、モノクローナル抗体MAb#117−10Cが共存すると、免疫担当細胞としてのKG−1細胞におけるIL−18によるIFN−γ産生の誘導が阻害されることを示している。このことは、モノクローナル抗体MAb#117−10CがIL−18と競合してKG−1細胞の表面に存在するIL−18Rを封鎖し、結果として、IL−18によるKG−1細胞への情報伝達を妨げたことを示している。
【0051】
【実施例1−5】
〈IL−18Rの精製〉
同じ特許出願人による特願平8−356426号明細書に記載された方法により得たモノクローナル抗体MAb#117−10C 78mgを適量の蒸留水に溶解し、溶液を0.5M塩化ナトリウムを含む硼酸緩衝液(pH8.5)に対して4℃で16時間透析した。その後、常法にしたがって、透析内液にファルマシア製臭化シアン活性化ゲル『CNBr−アクティベーテッド・セファロース4B』を適量加え、穏やかに撹拌しながら4℃で18時間反応させてゲルにモノクローナル抗体MAb#117−10Cを固定化した。
【0052】
次に、プラスチック製円筒管に上記のゲルをカラム状に充填し、2mM CHAPSを含むPBSにより平衡化した後、実施例1−1の方法により得たIL−18Rを含む水溶液を負荷し、12mM CHAPSを含むPBSを通液して非吸着成分を除いた。その後、カラムに2mM CHAPS含む35mMエチルアミン(pH10.8)を通液しつつ、溶出液を8mlずつ採取し、それぞれの画分におけるIL−18Rの有無を実施例1−1の 125I標識ヒトIL−18を用いる方法により判定した。このとき得られたクロマトグラムを図4に示す。
【0053】
図4に見られるように、実施例1−1のIL−18Rを含む水溶液のようなIL−18Rと夾雑物質を含む混合物にモノクローナル抗体MAb#117−10Cを用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーを適用すると、IL−18Rがシャープな単一ピークとなって溶出した。この単一ピークに相当する画分を採取し、合一し、凍結乾燥したところ、精製IL−18Rの固状物が得られた。
【0054】
その後、このようにして精製したIL−18Rの一部をとり、PBS中、100℃で5分間インキュベートした後、実施例1−2の方法により残存活性を測定したところ、IL−18に対する結合性が全く観察されず、加熱により失活したことが判明した。このことは、この受容体の本質が蛋白質であることを裏付けている。
【0055】
さらに、上記のようにして得た精製IL−18Rを適量のPBSに溶解し、室温下、PBSに対して一晩透析し、実施例1−1の方法により 125I標識ヒトIL−18の適量とピアース製架橋試薬『BS3』を1mMそれぞれ加えた後、0℃で2時間静置してIL−18Rと 125I標識ヒトIL−18との複合体を形成させた。反応物にトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を濃度50mMになるように加え、0℃でさらに1時間静置して反応を停止させ、常法にしたがって、反応物に分子量マーカーとともに還元剤としてジチオトレイトールを用いるSDS−PAGEを適用して蛋白質成分を分離した後、オートラジオグラム分析した。
【0056】
得られたオートラジオグラムにおける分子量マーカーの易動度に基づき計算したところ、このIL−18Rと 125I標識ヒトIL−18との複合体の分子量は、見掛け上、約50,000乃至200,000ダルトンであることが判明した。ヒトIL−18の分子量は約20,000ダルトンであるから、IL−18RにヒトIL−18が1分子結合したと仮定すると、IL−18Rの分子量は約30,000乃至180,000ダルトンということになる。
【0057】
【実施例1−6】
〈IL−18Rのペプチド・マッピング〉
実施例1−5の方法により得た精製IL−18Rを、還元剤としての2%(w/v)ジチオトレイトールを含むゲル濃度7.5%(w/v)のSDS−PAGEによりゲル電気泳動し、ゲルを0.1%(w/v)クーマシーブリリアントブルーを含む40%(v/v)水性メタノールと1%(v/v)酢酸水溶液の混液に5分間浸漬して染色し、40%(v/v)水性メタノールと1%(v/v)酢酸水溶液の混液にさらに2時間浸漬して脱色した後、ゲルにおける分子量約80,000乃至110,000ダルトンに相当する染色部分を切出し、0.2M炭酸アンモニウムを含む50%(v/v)水性アセトニトリルを加え、室温下で繰返し振盪した。次いで、ゲルを真空乾燥し、0.2M炭酸アンモニウム(pH8.0)を加え、5分間静置してゲルを膨潤させ、プロメガ製トリプシン製剤『シーケンシング・グレード・モディファイッド・トリプシン』を0.1μg/μl含む1mM塩酸と0.2M炭酸アンモニウム(pH8.9)をそれぞれ適量加え、37℃で一晩反応させた。10%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液により反応を停止させた後、反応物に0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液と60%(v/v)水性アセトニトリルの混液を加え、室温下で振盪した後、上清を採取し、真空乾燥し、遠心濾過してペプチド断片を含む濃縮物を得た。
【0058】
この濃縮物を予め0.065%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液により平衡化しておいたファルマシア製高速液体クロマトグラフィー用カラム『μRPC C2/C18 SC2.1/10』に負荷し、通液開始から160分間でアセトニトリル濃度が0%(v/v)から80%(v/v)まで直線的に上昇するアセトニトリルの濃度勾配下、80%(v/v)水性アセトニトリルを含む0.055%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液を100μl/分の流速で通液した。波長214nmにおける溶出液の吸光度をモニターしながら溶出液を分画し、溶出開始から約45分後、約50分後、約55分後、約58分後、約62分後、約72分後、約75分後及び約77分後に溶出したペプチド断片をそれぞれ別々に採取した。常法にしたがって、これらのペプチド断片(以下、溶出時間の早い順に「ペプチド断片1」、「ペプチド断片2」、「ペプチド断片3」、「ペプチド断片4」、「ペプチド断片5」、「ペプチド断片6」、「ペプチド断片7」及び「ペプチド断片8」と言う。)のアミノ酸配列をパーキン・エルマー製プロテイン・シーケンサー『473A型』により調べたところ、ペプチド断片1乃至8は、それぞれ、配列表における配列番号12乃至19に示すアミノ酸配列を有することが判明した。このとき得られたペプチド・マップを図5に示す。
【0059】
【実施例2】
〈DNAの調製〉
【0060】
【実施例2−1】
〈全RNAの調製〉
常法にしたがって、L428細胞(FERM BP−5777)を10%(v/v)ウシ胎児血清を補足したRPMI−1640培地(pH7.2)に浮遊させ、培養規模を拡大しながら、37℃で増殖させた。所期の細胞密度に達した時点で増殖細胞を採取し、これを6Mグアニジンイソチオシアナート及び0.5%(w/v)ザルコシルをそれぞれ含む10mMクエン酸ナトリウム水溶液(pH7.0)に浮遊させ、ホモジナイザーで破砕した。
【0061】
次に、35ml容遠心管に5.7M塩化セシウムを含む0.1M EDTA(pH7.5)を注入し、その上部に上記で得られた細胞破砕物を重層し、この状態のまま、20℃、25,000rpmで20時間超遠心分離し、RNA画分を採取した。このRNA画分を15ml容遠心管にとり、クロロホルム/1−ブタノール混液(容量比4:1)を等容量加え、5分間振盪し、4℃、10,000rpmで10分間遠心分離した後、水層部を採取し、これにエタノールを2.5倍容加え、−20℃で2時間静置して全RNAを沈澱させた。この沈澱を採取し、75%(v/v)水性エタノールで洗浄した後、滅菌蒸留水0.5mlに溶解してL428細胞由来の全RNAを含む水溶液を得た。
【0062】
【実施例2−2】
〈mRNAの調製〉
実施例2−1の方法により得た全RNAを含む水溶液に1mM EDTA及び0.1%(w/v)ザルコシルをそれぞれ含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を0.5ml加え、全量を1mlとした。この混液に日本ロシュ製オリゴ(dT)30ラテックス『オリゴテックスdT30スーパー』を1ml加え、65℃で5分間反応させた後、氷浴中で急冷した。次いで、反応物に5M塩化ナトリウムを0.2ml加え、37℃で10分間インキュベートした後、25℃、10,000rpmで10分間遠心分離し、生成したペレット状の沈澱を採取し、これを滅菌蒸留水0.5mlに懸濁し、65℃で5分間インキュベートしてラテックスからmRNAを溶離させた。得られた水溶液に適量のエタノールを加え、生成した沈澱を採取し、凍結乾燥して、mRNAの固状物を得た。
【0063】
【実施例2−3】
〈ポリペプチドをコードするDNA断片の調製〉
0.5ml容反応管に25mM塩化マグネシウムを4μl、500mM塩化カリウムを含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.3)を2μl、25mMdNTPミックスを1μl、40単位/μlのリボヌクレアーゼインヒビターを0.5μl、そして、200単位/μlの逆転写酵素を1μlそれぞれ加えた後、50μMランダムヘキサヌクレオチドの適量と実施例2−2の方法により得たmRNAを10ng加え、滅菌蒸留水で全量を20μlとした。得られた混合物を42℃で20分間インキュベートし、さらに99℃で5分間インキュベートすることにより反応を終結させて第一ストランドcDNAを含む反応物を得た。
【0064】
この反応物を20μlとり、これに2.5単位/μlのストラタジーン製DNAポリメラーゼ『クローンドPfuポリメラーゼ』1μl、ストラタジーン製専用緩衝液10μl及び25mM dNTPミックス1μlをそれぞれ加え、さらに、ピー・パーネットらが『ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー』、第271巻、3,967乃至3,970頁(1996年)に報告しているアミノ酸配列に基づいて調製した5´−TCAGTCGACGCCACCATGAATTGTAGAGAA−3´及び5´−GAAGCGGCCGCATCATTAAGACTCGGAAAGAAC−3´で表される塩基配列のオリゴヌクレオチド0.1μgをそれぞれセンスプライマー及びアンチセンスプライマーとして加え、滅菌蒸留水で全量を100μlとした。この混合物を95℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクルを3回繰返した後、さらに、95℃で1分間、60℃で2分間、72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクルを35回繰返してPCR反応させた。
【0065】
得られたPCR産物を50ngとり、これにストラタジーン製プラスミドベクター『pCR−Script Cam SK(+)』を1ng加え、さらに、宝酒造製DNAライゲーションキット『DNAライゲーション・キット・バージョン2』を用い、16℃で2時間反応させてプラスミドベクター内にこのPCR産物であるDNA断片を挿入した。反応物の一部をとり、常法にしたがってストラタジーン製大腸菌株『XL1−Blue MRF´Kan』を形質転換した。
【0066】
【実施例3】
〈組換えDNAの調製〉
実施例2−3の方法により得た形質転換体をクロラムフェニコールを30μg/ml含むLB培地(pH7.5)に接種し、37℃で18時間培養した後、培養物から菌体を採取し、これを常法にしたがって処理してプラスミドDNAを得た。ジデオキシ法により、このプラスミドDNAが配列表における配列番号7に示す塩基配列を含有していることを確認した後、制限酵素NotI及びSalIをそれぞれ作用させ、得られたDNA断片100ngに、制限酵素NotI及びXhoIにより予め同様に切断しておいたマルチクローニングサイト改変インビトロジェン製プラスミドベクター『pcDNAI/Amp』を10ng加え、宝酒造製ライゲーション・キット『ライゲーション・キット・バージョン2』を用い、16℃で2時間反応させた。反応物の一部をとり、これを常法にしたがって『XL1−Blue MRF´Kan』に導入してこの発明の組換えDNA『pcDNA/HuIL−18R』を含む形質転換体『cDNA/HuIL−18R』を得た。常法にしたがって分析したところ、組換えDNA『pcDNA/HuIL−18R』においては、この発明のポリペプチドをコードする、配列表における配列番号1に示す塩基配列を含有するcDNAである『IL−18R cDNA』が、図6に示すように、サイトメガロウイルス・プロモーターPcmvの下流に連結されていた。
【0067】
【実施例4】
〈形質転換体の調製〉
実施例3の方法により得た形質転換体『cDNA/HuIL−18R』をアンピシリンを100μg/ml含むLB培地(pH7.5)に接種し、37℃で18時間培養した後、培養物から菌体を採取し、これを常法にしたがって処理してプラスミドDNAを採取した。別途、アフリカミドリザルの腎臓に由来する線維芽細胞株の一種であるCOS−1細胞(ATCC CRL−1650)を常法にしたがって増殖させ、これに上記で得られたプラスミドDNAを20μgとり、これを通常一般のエレクトロポレーション法により1×107 個のCOS−1細胞に導入して、この発明のDNAを含む形質転換体を得た。
【0068】
【実施例5】
〈ポリペプチドの製造〉
平底培養瓶に10%(v/v)ウシ胎児血清を補足したDMEM培地(pH7.2)をとり、これに実施例4の方法により得た形質転換体を1×105 個/mlの割合で接種し、5%CO2 インキュベーター中、37℃で3日間培養した。培養物から培養液を除去した後、培養瓶内に5mM EDTA及び0.02%(w/v)アジ化ナトリウムをそれぞれ含むPBSを注入して増殖細胞を脱着させた。
【0069】
この増殖細胞をPBSで洗浄した後、20mM HEPES、10mM塩化カリウム、1.5mM塩化マグネシウム、0.1mM EDTAを含む緩衝液(pH7.4)(以下、「ハイポトニックバッファー」と言う。)で再度洗浄し、細胞密度を2×107 個/mlとなるようにハイポトニックバッファーに懸濁した。この細胞懸濁液を氷上でダウンス型ホモジナイザーによりホモジナイズし、15,000rpmで5分間遠心分離して細胞核及び非破砕細胞を除去した後、2mM CHAPSを含むPBSに対して一夜透析した。
【0070】
この透析物を実施例1−5に示した方法で作製したモノクローナル抗体MAb#117−10Cを固定化したカラムに負荷し、12mM CHAPSを含むPBSを通液して非吸着成分を除いた。その後、カラムに2mM CHAPSを含む35mMエチルアミン(pH10.8)を通液し、溶出液を分画採取した。そして、それぞれの画分におけるヒト由来のポリペプチドの有無を実施例1−1に示した 125I標識ヒトIL−18を用いる方法により判定し、選別し、合一したところ、配列表における配列番号20に示すアミノ酸配列のポリペプチドを含む水溶液が原料細胞108 個当り約2ml得られた。なお、この水溶液の蛋白質含量は約10μg/mlであった。
【0071】
斯くして得られたこの発明のポリペプチドに実施例1で述べた方法を適用し、その理化学的性質を調べた。その結果、本実施例で得られたポリペプチドは、部分アミノ酸配列として、配列表における配列番号12乃至19に示すアミノ酸配列をそれぞれ有するとともに、L428細胞由来のIL−18Rと同様の生理活性を示した。
【0072】
【実施例6】
〈ヒト由来の可溶性ポリペプチド〉
【0073】
【実施例6−1】
〈組換えDNAの調製〉
0.5ml容反応管に実施例3の方法により得た組換えDNA『pcDNA/HuIL−18R』1ng、10×PCR緩衝液10μl及び25mM dNTPミックス1μlをそれぞれとり、2.5単位/μl Pfu DNAポリメラーゼを1μl加えた後、センスプライマー及びアンチセンスプライマーとして5´−TCAGTCGACGCCACCATGAATTGTAGAGAATTA−3´及び5´−GAAGCGGCCGCATCATTATCTTGTGAAGACGTG−3´で表される塩基配列のポリヌクレオチドをそれぞれ適量加え、滅菌蒸留水で100μlとした。次いで、混合物を、常法にしたがって、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクルを3回繰返した後、さらに、94℃で1分間、60℃で2分間、72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクルを35回繰返してPCR反応させた。
【0074】
得られたPCR産物を50ngとり、これに宝酒造製プラスミドベクター『pCR−Script SK(+)』を1ng加え、さらに、宝酒造製DNAライゲーションキット『DNAライゲーション・キット・バージョン2』を用い、16℃で2時間反応させてプラスミドベクター内にPCR産物であるDNA断片を挿入した。反応物の一部をとり、常法にしたがってストラタジーン製大腸菌『XL1−Blue MRF´Kan』を形質転換した。
【0075】
上記で得られた形質転換体をアンピシリンを100μg/ml含むLB培地(pH7.5)に接種し、37℃で18時間培養した後、培養物から菌体を採し、これを常法にしたがって処理してプラスミドDNAを得た。ジデオキシ法により、このプラスミドDNAが配列表における配列番号10に示す塩基配列を含有していることを確認した後、制限酵素NotI及びSalIをそれぞれ作用させ、得られたDNA断片100ngに、予め制限酵素NotI及びXhoIにより切断しておいた、エス・ミズシマら『ニュークレイック・アシッド・リサーチ』、第18巻、第17号、5,332頁(1990年)に記載された方法に準じて調製したプラスミドベクター『pEF−BOS』を10ng加え、宝酒造製ライゲーションキット『ライゲーション・キット・バージョン2』を用い、16℃で2時間反応させた。反応物の一部をとり、これを常法にしたがって『XL1−Blue MRF´Kan』に導入して、この発明の組換えDNA『pEFHIL18R−14』を含む形質転換体『EFHIL18R−14』を得た。常法にしたがって分析したところ、この組換えDNA『pEFHIL18R−14』においては、この発明のポリペプチドをコードする、配列表における配列番号6に示す塩基配列を含有するcDNAである『EFHIL18R−14 cDNA』が、図7に示すように、延長因子1プロモーター『EF1αP』の下流に連結されていた。
【0076】
【実施例6−2】
〈形質転換体の調製〉
実施例6−1の方法により得た形質転換体『EFHIL18R−14』をアンピシリンを100μg/ml含むLB培地(pH7.5)に接種し、37℃で18時間培養した後、培養物から菌体を採取し、これを常法にしたがって処理してプラスミドDNAを採取した。別途、アフリカミドリザルの腎臓に由来する線維芽細胞株の一種であるCOS−1細胞(ATCC CRL−1650)を常法にしたがって増殖させ、これに上記で得られたプラスミドDNAを20μgとり、これを通常一般のエレクトロポレーション法により1×107 個のCOS−1細胞に導入して、この発明のDNAを含む形質転換体を得た。
【0077】
【実施例6−3】
〈可溶性ポリペプチドの製造〉
平底培養瓶に味の素製無血清培地『ASF104』をとり、これに実施例6−2の方法により得た形質転換体を1×10 5 個/mlの割合で接種し、常法にしたがって5%CO2インキュベーター中、37℃で3日間培養した。培養物から培養上清を採取し、実施例1−5の方法により得たモノクローナル抗体MAb#117−10Cを固定化したカラムに負荷し、12mM CHAPSを含むPBSを通液して非吸着画分を除いた。その後、カラムに2mM CHAPSを含む35mMエチルアミン(pH10.8)を通液し、溶出液を分画採取した。そして、それぞれの画分におけるヒト由来の可溶性ポリペプチドの有無を実施例1−1に示した125I標識ヒトIL−18を用いる方法により判定し、選別し、合一したところ、配列表における配列番号22に示すアミノ酸配列のポリペプチドを含む水溶液が原料細胞108個当り約2ml得られた。なお、この水溶液の蛋白質含量は約10μg/mlであった。
【0078】
斯くして得られたこの発明の可溶性ポリペプチドに実施例1で述べた方法を適用し、その理化学的性質を調べた。その結果、本実施例で得られた可溶性ポリペプドは、部分アミノ酸配列として、配列表における配列番号12乃至17及び配列番号19に示すアミノ酸配列をそれぞれ含有するとともに、L428細胞由来のIL−18Rと同様の生理活性を示した。
【0079】
【実施例7】
〈ヒト由来の可溶性ポリペプチド〉
0.5ml容反応管に実施例6−1の方法により得た組換えDNA『pEFHIL18R−14』1ng、10×PCR緩衝液10μl及び25mM dNTPミックス1μlをそれぞれとり、2.5単位/μl Pfu DNAポリメラーゼを1μl加え、さらに、センスプライマー及びアンチセンスプライマーとして、それぞれ、5´−TCAGTCGACGCCACCATGAATTGTAGAG−3´及び5´−GAAGCGGCCGCTCATTAGTGATGGTGATGGTGATGTGCAACATGGTTAAGCTT−3´で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをそれぞれ適量加えた後、滅菌蒸留水で全量を100μlとした。この混合物を94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクルを3回繰返した後、さらに、94℃で1分間、60℃で1分間、72℃で1分間この順序でインキュベートするサイクルを35回繰返してPCR反応させて、配列表における配列番号5に示す塩基配列、その塩基配列の5´末端に連結された制限酵素SalIによる切断部位とコザック配列、そして、3´末端に連結された制限酵素NotIにより切断部位と(His)6 タグをコードする塩基配列からなるDNA断片を得た。このDNA断片を実施例6−1におけると同様にしてストラタジーン製大腸菌株『XL1−Blue MRF´Kan』に導入し、この発明の組換えDNA『pEFHIL18RD1−2−H』を含む形質転換体を得た。常法にしたがって分析したところ、この組換えDNAにおいては、この発明のポリペプチドをコードする、配列表における配列番号5に示す塩基配列を含有するcDNAである『HIL18RD1−2−H』が、図8に示すように、延長因子プロモーター『EF1αP』の下流に連結されていた。
【0080】
斯くして得られた形質転換体を用い、実施例6−2におけると同様にして組換えDNA『pEFHIL18RD1−2−H』をCOS−1細胞に導入した後、そのCOS−1細胞を実施例6−3におけると同様に培養した。培養物から培養上清を採取し、膜濾過により濃縮した後、キアジェン製アフィニティークロマトグラフィー用ゲル『Ni−NTA Spin Kit』のカラムに負荷し、カラムに20mMイミダゾールを含むPBSを通液して非吸着画分を除いた。その後、カラムに250mMイミダゾールを含むPBSを通液し、溶出液を分画採取する一方、それぞれの画分におけるヒト由来の可溶性ポリペプチドの有無を実施例1−1に示した 125I標識ヒトIL−18を用いる方法により判定し、選別し、合一したところ、配列表における配列番号23に示すアミノ酸配列のポリペプチドを含む水溶液が原料細胞108 個当り約2ml得られた。なお、この水溶液の蛋白質含量は約10μg/mlであった。
【0081】
斯くして得られたこの発明の可溶性ポリペプチドに実施例1で述べた方法を適用し、その理化学的性質を調べた。その結果、本実施例で得られた可溶性ポリペプチドは、部分アミノ酸配列として、配列表における配列番号14乃至16及び19に示すアミノ酸配列のそれぞれの一部又は全てを含有するとともに、L428細胞由来のIL−18Rと同様の生理活性を示した。
【0082】
【実施例8】
〈ヒト由来の可溶性ポリペプチド〉
センスプライマー及びアンチセンスプライマーとして、それぞれ、5´−TCAGTCGACGCCACCATGAATTGTAGAG−3´及び5´−GAAGCGGCCGCTCATTAGTGATGGTGATGGTGATGTCTTTCAGTGAAACAGCT−3´で表される塩基配列のオリゴヌクレチオドを用いた以外は実施例7と同様にして、この発明の組換えDNA『pEFHIL18RD1−H』を含む形質転換体を得た。常法にしたがって分析したところ、この組換えDNAにおいては、この発明のポリペプチドをコードする、配列表における配列番号3に示す塩基配列を含有するcDNAである『HIL18RD1−H』が、図9に示すように、延長因子プロモーター『EF1αP』の下流に連結されていた。その後、実施例7におけると同様にして、この組換えDNAをCOS−1細胞に導入し、発現させたところ、配列表における配列番号24に示すアミノ酸配列のポリペプチドを含む水溶液が原料細胞108 個当り約2ml得られた。なお、この水溶液の蛋白質含量は約10μg/mlであった。
【0083】
斯くして得られたこの発明の可溶性ポリペプチドに実施例1で述べた方法を適用し、その理化学的性質を調べた。その結果、本実施例で得られた可溶性ポリペプチドは、部分アミノ酸配列として、配列表における配列番号14及び15に示すアミノ酸配列をそれぞれ含有するとともに、L428細胞由来のIL−18Rと同様の生理活性を示した。
【0084】
【実施例9】
〈マウス由来の可溶性ポリペプチド〉
【0085】
【実施例9−1】
〈組換えDNAの調製〉
L428細胞由来のmRNAに代えて、マウス肝細胞から常法にしたがって調製したmRNAを用いた以外は、実施例2−3と同様に反応させて第一ストランドcDNAを含む反応物を得た。さらに、ピー・パーネットらが『ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー』、第271巻、3,967乃至3,970頁(1996年)に報告しているアミノ酸配列及び配列表における配列番号1に示す塩基配列に基づいて調製した5´−TCAGTCGACGCCACCATGCATCATGAAGAA−3´及び5´−GAAGCGGCCGCATCATTAGTGATGGTGATGGTGATGTGTAAAGACATGGCC−3´で表される塩基配列のオリゴヌクレオチドをそれぞれセンスプライマー及びアンチセンスプライマーとして用い、上記で得た反応物を実施例2−3と同様にPCR反応させて、配列表における配列番号11に示す塩基配列と、その塩基配列の5´末端に連結された制限酵素SalIによる切断部位と、配列番号11に示す塩基配列の3´末端に連結された制限酵素NotIによる切断部位及び(His)6 タグをコードする塩基配列とを含んでなるDNA断片を得た。
【0086】
その後、実施例6−1に示す方法により、このDNA断片を大腸菌『XL1−Blue MRF´Kan』に導入して形質転換し、形質転換体からプラスミドDNAを採取し、それが配列表における配列番号11に示す塩基配列を含んでなることを確認した後、プラスミドベクター『pEF−BOS』を用いて大腸菌『XL1−Blue MRF´Kan』に導入し、この発明の組換えDNA『pEFMIL−18RSHT』を含む形質転換体『EFMIL18RSHT』を得た。常法にしたがって分析したところ、この組換えDNA『pEFMIL18RSHT』においては、この発明のポリペプチドをコードする、配列表における配列番号4に示す塩基配列を含有するcDNAである『EFMIL18RSHT cDNA』が、図10に示すように、延長因子1プロモーター『EF1αP』の下流に連結されていた。
【0087】
【実施例9−2】
〈形質転換体と可溶性ポリペプチドの調製〉
実施例6−2で述べた方法により、実施例9−1の方法により得た形質転換体『EFMIL18RSHT』からプラスミドDNAを採取し、これをCOS−1細胞に導入して、マウス由来の可溶性ポリペプチドをコードするDNAを含む形質転換体を得た。
【0088】
平底培養瓶に味の素製無血清培地『ASF104』をとり、これに形質転換したCOS−1細胞を1×105 個/mlの割合で接種し、常法にしたがって5%CO2 インキュベーター中、37℃で3日間培養した。培養物から培養上清を採取し、キアジェン製アフィニティークロマトグラフィー用ゲル『Ni−NTA』のカラムに負荷し、20mMイミダゾールを含むPBSを通液して非吸着画分を除去した後、カラムに250mMイミダゾールを含むPBSを通液し、溶出液を分画採取した。それぞれの画分におけるマウス由来の可溶性ポリペプチドの有無を実施例1−1に示した 125I標識マウスIL−18を用いる方法により判定し、選別し、合一したところ、配列表における配列番号25に示すアミノ酸配列のポリペプチドを含む水溶液が原料細胞108 個当り約2ml得られた。なお、この水溶液の蛋白質含量は約100μg/mlであった。実施例1で述べた方法に準じて調べたところ、斯くして得られた可溶性ポリペプチドはマウスIL−18をよく中和した。
【0089】
【実施例10】
〈液剤〉
安定剤として林原製結晶トレハロース粉末『トレハオース』を1%(w/v)含む生理食塩水に実施例5乃至8に記載されたいずれかの方法により得たポリペプチドのいずれかを1mg/mlになるように溶解し、常法にしたがって精密濾過により除菌して4種類の液剤を得た。
【0090】
安定性に優れた本品は、自己免疫疾患を含む感受性疾患を治療・予防するための注射剤、点眼剤、点鼻剤などとして有用である。
【0091】
【実施例11】
〈乾燥注射剤〉
安定剤としてシュークロースを1%(w/v)含む生理食塩水100mlに実施例5乃至8に記載されたいずれかの方法により得たポリペプチドのいずれかを100mg溶解し、常法にしたがって精密濾過により除菌した後、バイアル瓶に1mlずつ分注し、凍結乾燥し、密栓して、4種類の粉末製剤を得た。
【0092】
安定性に優れた本品は、自己免疫疾患を含む感受性疾患を治療・予防するための乾燥注射剤として有用である。
【0093】
【実施例12】
〈軟膏剤〉
滅菌蒸留水に和光純薬工業製カルボキシビニルポリマー『ハイビスワコー104』と林原製結晶トレハロース粉末『トレハオース』をそれぞれ濃度1.4%(w/w)及び2.0%(w/w)になるように溶解し、実施例5乃至8に記載されたいずれかの方法により得たポリペプチドのいずれかを均一に混合した後、pH7.2に調整して、1g当り、この発明のポリペプチドを約1mg含む4種類のペースト製剤を得た。
【0094】
延展性と安定性に優れた本品は、自己免疫疾患を含む感受性疾患を治療・予防するための軟膏剤として有用である。
【0095】
【実施例13】
〈錠剤〉
林原製無水結晶α−マルトース粉末『ファイントース』に実施例5乃至8に記載されたいずれかの方法により得たポリペプチドのいずれかと細胞賦活剤としてのルミンを均一に混合し、得られた混合物を常法により打錠して、製品1錠(約200mg)当り、この発明のポリペプチド及びルミンをそれぞれ約1mg含む4種類の錠剤を得た。
【0096】
摂取性、安定性に優れ、細胞賦活作用も有する本品は、自己免疫疾患を含む感受性疾患を治療・予防するための錠剤として有用である。
【0097】
【実験】
〈急性毒性試験〉
常法にしたがって、8週齢のマウスに実施例10乃至13の方法により得た種々剤型の感受性疾患剤を経皮、経口又は腹腔内に注射投与した。その結果、被検試料のLD50は、この発明のポリペプチドの量に換算すると、いずれの投与経路によっても約1mg/マウス体重以上であった。このことは、この発明のポリペプチドがヒトを含む哺乳類に投与する医薬品に配合して安全であることを裏付けている。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明はIL−18を認識する新規な受容体蛋白質の発見に基づくものである。この発明のポリペプチドは、ヒトを含む哺乳類において免疫反応を抑制したり調節する性質を有するので、臓器移植に伴う拒絶反応の緩和や、過剰な免疫反応に起因する種々の疾患の治療・予防に著効を発揮する。さらに、この発明のポリペプチドはIL−18の生理作用の解明や、IL−18Rに特異的なモノクローナル抗体を産生し得るハイブリドーマの樹立、さらには、IL−18を精製したり検出するためのアフィニティークロマトグラフィーや標識アッセイにも有用である。また、これに加え、この発明のポリペプチド、とりわけ、この発明の可溶性ポリペプチドは、IL−18Rに対する作動薬や拮抗薬の、生体内又は生体外での検索にも有用である。斯くも有用なるポリペプチドは、組換えDNA技術を利用するこの発明の方法により、所望量を容易に製造することができる。
【0099】
この発明は斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に貢献すること誠に多大な意義のある発明であると言える。
【0100】
【配列表】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクローナル抗体MAb#117−10Cが、IL−18と競合してL428細胞及びIL−18Rに結合する様子を示す図である。
【図2】モノクローナル抗体MAb#117−10Cを用いるウェスタン・ブロッティング法により可視化した、IL−18Rのゲル電気泳動のディスプレー上に表示した中間調画像である。
【図3】モノクローナル抗体MAb#117−10CによるIL−18の活性阻害を示す図である。
【図4】IL−18Rにモノクローナル抗体MAb#117−10Cを用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーを適用したときのクロマトグラムである。
【図5】IL−18Rのペプチド・マップである。
【図6】この発明の組換えDNAである『pcDNA/HuIL−18R』の構造を示す図である。
【図7】この発明の組換えDNAである『pEFHIL18R−14』の構造を示す図である。
【図8】この発明の組換えDNAである『pEFHIL18RD1−2−H』の構造を示す図である。
【図9】この発明の組換えDNAである『pEFHIL18RD1−H』の構造を示す図である。
【図10】この発明の組換えDNAである『pEFMIL18RSHT』の構造を示す図である。
【符合の説明】
Pcmv サイトメガロウイルス・プロモーター
EF1αP 延長因子1プロモーター
IL−18R cDNA この発明のポリペプチドをコードするcDNA
EFHIL18R−14 cDNA この発明によるヒト由来の可溶性ポリペプチドをコードするcDNA
HIL18RD1−2−H cDNA
この発明によるヒト由来の可溶性ポリペプチドをコードするcDNA
HIL18RD1−H cDNA この発明によるヒト由来の可溶性ポリペプチドをコードするcDNA
EFMIL18RSHT cDNA この発明によるマウス由来の可溶性ポリペプチドをコードするcDNA
Claims (3)
- 配列表における配列番号24又は25に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを有効成分とするインターロイキン−18の中和剤。
- 配列表における配列番号24又は25に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを試料に作用させることを特徴とするインターロイキン−18の検出方法。
- 配列表における配列番号20又は21に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを認識し、インターロイキン−18受容体へのインターロイキン−18の結合を阻害する抗体を有効成分とするインターロイキン−18の中和剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07854998A JP4026923B2 (ja) | 1997-03-12 | 1998-03-12 | ポリペプチド |
Applications Claiming Priority (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7469797 | 1997-03-12 | ||
JP9-74697 | 1997-03-12 | ||
JP9-215488 | 1997-07-28 | ||
JP21548897 | 1997-07-28 | ||
JP9-291837 | 1997-10-09 | ||
JP29183797 | 1997-10-09 | ||
JP9-366908 | 1997-12-26 | ||
JP36690897 | 1997-12-26 | ||
JP07854998A JP4026923B2 (ja) | 1997-03-12 | 1998-03-12 | ポリペプチド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11240898A JPH11240898A (ja) | 1999-09-07 |
JP4026923B2 true JP4026923B2 (ja) | 2007-12-26 |
Family
ID=27524524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07854998A Expired - Fee Related JP4026923B2 (ja) | 1997-03-12 | 1998-03-12 | ポリペプチド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4026923B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1322897C (zh) * | 2000-02-21 | 2007-06-27 | 应用研究系统Ars股份公司 | Il-18抑制剂的应用 |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP07854998A patent/JP4026923B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11240898A (ja) | 1999-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100439290B1 (ko) | 인터로이칸-18을인식하는신규의폴리펩티드 | |
CA2219963C (en) | Interleukin-18-receptor proteins | |
KR100537558B1 (ko) | 인터류킨-18 결합 단백질 | |
JP2002515247A (ja) | Il−2の選択的アゴニスト及びアンタゴニスト | |
KR100496460B1 (ko) | 폴리펩티드 | |
Choi et al. | Molecular and functional characterization of chickenIL-15 | |
JP4004088B2 (ja) | 免疫担当細胞においてインターフェロン−γの産生を誘導する蛋白質 | |
JPH10500850A (ja) | インターロイキン−6 スプライス変異体 | |
US7355014B2 (en) | Interferon-γ inducing polypeptide, pharmaceutical composition thereof, monoclonal antibody thereto, and methods of use | |
US6207641B1 (en) | Pharmaceutical composition containing IFN-γ inducing polypeptide or factor for treating and/or preventing IFN-γ susceptive diseases | |
JP4026923B2 (ja) | ポリペプチド | |
JP4216950B2 (ja) | インターロイキン−18結合蛋白質 | |
AU733126B2 (en) | Polypeptides | |
JPH11100400A (ja) | インターロイキン−18受容体蛋白質 | |
JP3993652B2 (ja) | 感受性疾患剤 | |
JP2000236884A (ja) | ペプチド | |
KR100490447B1 (ko) | 인터페론-γ의생산을유도하는폴리펩피드,이폴리펩티드에특이적인모노클로날항체및감수성질환체 | |
JP2007143555A (ja) | ポリペプチド | |
MXPA00008633A (en) | Utilization of cd137 in order to promote the proliferation of peripheral monocytes |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040405 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040405 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060509 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060711 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060822 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060922 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20061024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071002 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071009 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |