JP3907762B2 - Optical wavelength conversion element, short wavelength light generator and optical pickup - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コヒーレント光源を応用した光情報処理或いは光応用計測に使用される光導波路、及びそれを使用した光波長変換素子、ならびにそれらの製造方法に関する。さらに、上記のような光導波路或いは光波長変換素子を用いて構成される短波長光発生装置、及びそれを用いた光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
光導波路は、光波制御技術として、通信、光情報処理、計測などの広い分野で応用されている。中でも、光導波路を光波長変換素子に適用すれば、半導体レーザから出射されるレーザ光(基本波)の波長をそのような光波長変換素子で変換し、より短波長の光(第2高調波)を得ることができる小型の短波長光源が実現されるので、盛んに研究が行われている。
【0003】
従来の光導波路としては、埋め込み型光導波路が一般に用いられている。図1(a)〜(d)は、プロトンイオン(+H)の交換を行うプロトン交換処理と熱処理とによって埋め込み型光導波路を製造する、従来技術による方法を説明する断面図である。
【0004】
具体的には、まず図1(a)に示すように、LiTaO3基板11の表面(+C面)に、直線状の開口部を有するTa層12を形成する。Ta層12は、LiTaO3基板11の表面を、所定の領域を除いてマスクする。
【0005】
次に、Ta層12でマスクされたLiTaO3基板11を、約220℃〜約300℃のピロリン酸で処理して、図1(b)に示すように、マスクされていないLiTaO3基板11の表面近傍にプロトン交換処理された領域13(以下では、「プロトン交換領域」とも称する)を形成する。
【0006】
続いて、Ta層12をフッ酸と硝酸とを1:2で混合した溶液に数秒間浸して、図1(c)に示すようにTa層12を除去する。
【0007】
その後に、LiTaO3基板11をアニール処理して、図1(d)に示すように、アニール処理されたプロトン交換層14を形成する。このようにして形成されたアニール処理されたプロトン交換層14が、埋め込み型光導波路として機能する。
【0008】
一方、光の閉じ込めを強化するためにリッジ型の光導波路構造を採用した光波長変換素子が、例えば特開平1−238631号公報に開示されている。
【0009】
図2(a)に示すのはそのようなリッジ型光導波路22を含む従来の光波長変換素子の構成の一例であり、LiNbO3基板21の上に形成された光導波路22の表面がリッジ状に加工されている。すなわち、図2(a)の線2B−2Bに沿った断面図である図2(b)に示すように、光が導波する部分(すなわち、リッジ部)22aの厚さdが、側部22bの厚さhよりも大きくなっている。光導波路22にリッジを設け、そこを光の導波部分22aとして機能させることにより、光の横方向の閉じ込めが強まって導波路22の内部での基本波のパワー密度が向上され、基本波から第2高調波への変換効率の向上を実現している。
【0010】
さらに、図2(a)の光波長変換素子の構成では、光導波路22の厚さが、基本波P1が入射する端面24の近傍でその他の部分よりも厚くなっていて、LiNbO3基板21への入射部23を構成している。図2(a)の線2C−2Cに沿った断面図である図2(c)に示すように、端面24から入射部23を通ってLiNbO3基板21に入射した基本波P1は、波長が変換されて第2高調波P2となった後に、出射部25からLiNbO3基板21の外へ出ていく。
【0011】
さらに、例えば特開昭61−94031号公報には、装荷型光導波路を用いた光波長変換素子が開示されている。このような光波長変換素子の構成の一例を、図3に示す。
【0012】
具体的には、LiNbO3基板31の上にプロトン交換によって光導波路32が形成され、さらにその上には、光導波路32より低い屈折率を有するSiO2によって、ストライプ状のクラッド層(装荷層)33が形成されている。このような構成を有する装荷型光導波路により、低損失の導波路の形成が可能となって、基本波P1を高効率で第2高調波P2に変換する光波長変換素子が実現される。
【0013】
また、LiNbO3基板にリッジ型導波路を形成する以下のような方法が、すでに報告されている。
【0014】
LiNbO3は機械的及び化学的に安定な材料であってエッチングされ難いために、レジストとのエッチング選択比が小さい。そのため、LiNbO3の表面に深いエッチング形状を作製することは、一般に困難である。しかし、プロトン交換処理されたLiNbO3では、エッチング速度が、未処理の基板の数倍に速まる。この現象を利用して、以下のようなリッジ型光導波路の製造方法が提案されている。すなわち、C板のLiNbO3基板を適切な酸の中で熱処理して、その表面にプロトン交換層を形成する。さらに、形成されたプロトン交換層の上にフォトリソグラフィ法でストライプ状のTi保護マスク層を形成し、ECRエッチングにより非マスク部分をエッチングする。その後にTi保護マスク層を除去し、光導波路の両端面を光学研磨して、入出射部を形成する。
【0015】
一方、図4は、埋め込み型光導波路を用いた光波長変換素子の他の構成を示す。すなわち、LiNbO3基板41の上にプロトン交換光導波路42が形成され、さらにその上には、光導波路42より高い屈折率を有するTiO2によってクラッド層(装荷層)43が形成されている。また、光導波路42に周期的に直交するように、複数の分極反転層44が形成されている。このような構成の入射部45から入射した基本波P1は、光導波路42を伝搬しながら分極反転層44とオーバラップして第2高調波P2に変換され、出射部46から外に出てくる。
【0016】
図5(a)及び(b)は、クラッド層(装荷層)43がない構成とある構成とにおける、光導波路42の導波モードと分極反転層44とのオーバラップを模式的に示す図である。図5(a)及び(b)のそれぞれにおいて、図の左側には光波長変換素子の断面構造を示し、図の右側には、導波路断面の深さ方向の伝搬光の電界分布を表す。
【0017】
図5(a)に示すクラッド層を有さない構成では、分極反転層44とオーバラップして高調波に変換されるのは伝搬光(基本波P1)の約半分(図5(a)の右側に示された電界分布におけるハッチングされた領域)に過ぎず、得られる高調波出力はあまり大きくない。一方、図5(b)に示すように光導波路42の上に屈折率が大きいクラッド層43を有する構成では、伝搬光(基本波P1)の大部分(図5(b)の右側に示された電界分布におけるハッチングされた領域)が分極反転層44にオーバラップするので、基本波P1を高効率で第2高調波P2に変換する光波長変換素子が実現される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
光導波路を光波長変換素子に適用する際には、導波モード(基本波及び第2高調波)間のオーバラップが、高効率の光波長変換素子を実現するための重要な要素である。すなわち、基本波の電界分布と第2高調波と電界分布とのオーバラップが大きいほど、光波長変換素子の変換効率が大きくなる。高効率の光波長変換素子を実現するために基本波の電界分布と第2高調波と電界分布とのオーバラップを大きくするには、例えば、光導波路の屈折率分布をステップ状にすることが考えられる。
【0019】
しかし、上記のようにプロトン交換処理と熱処理とによって埋め込み型光導波路を製造する従来技術の方法では、形成される光導波路の屈折率分布が、プロトンの熱拡散状態に依存して、表面近傍の屈折率が高く深さ方向に向かって次第に低くなるグレーディッド状となる。このような屈折率分布状態の下では、導波する基本波と第2高調波との間で電界分布が大きく異なり、高効率の光波長変換素子の実現が困難である。また、この従来の方法では、光導波路の屈折率分布を自由に制御できない。
【0020】
また、従来の埋め込み型光導波路では、導波路の周辺部への漏れ光によって光損傷が発生しやすく、高いパワー密度を有する光を導波させて高出力の第2高調波を発生させることが難しい。
【0021】
一方、光導波路の上にクラッド層が形成されている構成では、光導波路の閉じ込めを強化して高効率化を図っている。すなわち、光導波路を伝搬する導波光のモード分布(基本モード)を、クラッド層によって表面近傍に移動させて、分極反転部分と基本モードの基本波或いは基本モードの第2高調波とのオーバラップを、向上させようとしている。
【0022】
しかし、従来の構成では、分極反転部と導波モードとの間のオーバラップの増大は図れるが、変換効率への影響が最も大きい基本波と第2高調波との間のオーバラップの増大が図れないために、変換効率の向上に限界がある。これは、基本波と第2高調波とでは、波長の違いより光導波路内での導波モードの分布が互いに大きく異なるため、両モード間のオーバラップの増大に制限があるためである。
【0023】
さらに、基本波と第2高調波とがオーバラップしない部分が大きいために、光損傷の発生による第2高調波出力の不安定性が生じ得る。
【0024】
一方、リッジ型光導波路を用いる従来の光波長変換素子では、光導波路の閉じ込め効果によるパワー密度の増大により、変換効率の向上を達成している。しかし、基本波に対するリッジ導波路による閉じ込め効果の増大は横方向に限られていて、深さ方向の閉じ込めは向上しない。これより、変換効率への影響が最も大きい基本波と第2高調波との間のオーバラップ(特に深さ方向のオーバラップ)の増大がリッジ構造では達成できず、変換効率の向上に限界がある。
【0025】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、(1)屈折率分布の制御が可能であって、基本波と第2高調波とのオーバーラップを大きくすることができるとともに、耐光損傷性に優れた導波構造を有する光導波路を提供すること、(2)上記のような光導波路を利用して、高出力の第2高調波出力を安定して高効率に供給できる光導波路を提供すること、(3)そのような光導波路及び光波長変換素子の製造方法を提供すること、及び、(4)前述の光導波路や光波長変換素子を用いて形成される短波長光発生装置や光ピックアップを提供すること、である。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の光導波路は、光学材料と、該光学材料に形成された光導波層と、該光導波層の表面に形成されたクラッド層と、を備え、該光導波層は波長λ1の光及び波長λ2の光(λ1>λ2)が導波可能であり、該クラッド層の屈折率と厚さは、該波長λ2の光に対する導波条件を満足し且つ該波長λ1の光に対してはカットオフ条件を満たすように設定されていて、そのことによって上記目的が達成される。
【0027】
ある実施形態では、前記光導波層がストライプ状である。
【0028】
ある実施形態では、前記光学材料の表面近傍に形成された屈折率n1の高屈折率層をさらに備え、該光学材料が屈折率nsを有し、前記光導波層は該光学材料の表面近傍にストライプ状に形成され且つ屈折率nfを有しており、該屈折率はnf>n1>nsの関係を満足している。
【0029】
ある実施形態では、前記クラッド層がストライプ状である。さらに、前記光導波層がストライプ状であってもよい。
【0030】
ある実施形態では、前記光導波層の表面にストライプ状にリッジが形成されており、前記クラッド層は該リッジの上にストライプ状に形成されていて、該光導波層の中の前記光は該リッジを導波する。
【0031】
ある実施形態では、前記光学材料は円筒状のコアを形成し、前記クラッド層は該コアの周辺部を覆っている。
【0032】
好ましくは、前記光導波路において、前記波長λ1の光は基本モードで伝搬し、前記波長λ2の光は高次モードで伝搬する。
【0033】
好ましくは、前記クラッド層の実効屈折率Ncと前記光導波層の実効屈折率NfとはNc>1.02・Nfの関係を満足している。
【0034】
前記クラッド層が多層膜からなっていてもよい。
【0035】
本発明の光波長変換素子は、非線形光学効果を有する材料でできた基板と、該基板に形成された光導波層と、該光導波層の表面に形成されたクラッド層と、を備え、該光導波層は波長λの基本波及び波長λ/2の第2高調波が導波可能であり、該クラッド層は、該光導波層内を導波する基本モードの基本波と高次モードの第2高調波との間の電界分布の重なりを高めて、該基本波を該第2高調波に変換し、そのことによって上記目的が達成される。
【0036】
好ましくは、前記クラッド層の屈折率と厚さは、前記第2高調波に対する導波条件を満足し且つ前記基本波に対してはカットオフ条件を満たすように設定されている。
【0037】
ある実施形態では、前記光導波層がストライプ状である。
【0038】
ある実施形態では、前記基板の表面近傍に形成された屈折率n1の高屈折率層をさらに備え、該基板が屈折率nsを有し、前記光導波層は該基板の表面近傍にストライプ状に形成され且つ屈折率nfを有しており、該屈折率はnf>n1>nsの関係を満足していて、前記クラッド層の屈折率と厚さは、前記第2高調波に対する導波条件を満足し且つ前記基本波に対してはカットオフ条件を満たすように設定されている。
【0039】
ある実施形態では、前記クラッド層がストライプ状であり、該クラッド層の屈折率と厚さは、前記第2高調波に対する導波条件を満足し且つ前記基本波に対してはカットオフ条件を満たすように設定されている。好ましくは、前記光導波層がストライプ状である。
【0040】
ある実施形態では、前記光導波層の表面にストライプ状にリッジが形成されており、前記クラッド層は該リッジの上にストライプ状に形成されていて、該光導波層の中の前記光は該リッジを導波し、該クラッド層の屈折率と厚さは、前記第2高調波に対する導波条件を満足し且つ前記基本波に対してはカットオフ条件を満たすように設定されている。
【0041】
好ましくは、前記光導波層において、前記基本モードの基本波と前記高次モードの第2高調波とがお互いに位相整合している。
【0042】
好ましくは、前記クラッド層の実効屈折率Ncと前記光導波層の実効屈折率NfとはNc>1.02・Nfの関係を満足している。
【0043】
前記クラッド層が多層膜からなっていてもよい。
【0044】
前記光導波層を伝搬する前記第2高調波のモードの次数は、前記クラッド層を伝搬可能なモードの次数より1つ大きくあり得る。
【0045】
前記クラッド層がNb2O5を含んでいてもよい。或いは、前記クラッド層が線形材料からなっていてもよい。
【0046】
好ましくは、前記基板がLiNb1-xTaxO3(0≦x≦1)で、該基板内に周期状の分極反転構造が形成されている。
【0047】
本発明の短波長光発生装置は、半導体レーザと、光波長変換素子と、を備え、該半導体レーザから出射された光の波長が該光波長変換素子により変換され、該光波長変換素子が上記の特徴を有しており、そのことによって上記目的が達成される。
【0048】
本発明の光ピックアップは、短波長光発生装置と、集光光学系と、を備え、該短波長光発生装置から出射される短波長光が該集光光学系により集光され、該短波長発生装置が上記の特徴を有しており、そのことによって上記目的が達成される。
【0049】
本発明の光導波路の製造方法は、非線形光学物質からなる基板の表面近傍に第1のイオン交換層を形成する工程と、該第1のイオン交換層をアニール処理してアニール処理イオン交換層を形成する工程と、該アニール処理イオン交換層の所定の位置に第2のイオン交換層を形成する工程と、該第2のイオン交換層の上方に所定のパターンを有するレジストマスクを形成する工程と、該レジストマスクを使用して該第2のイオン交換層の非マスク部分をエッチングで除去し、リッジを形成する工程と、を包含しており、そのことによって上記目的が達成される。
【0050】
ある実施形態では、前記第2のイオン交換層の形成工程は、前記アニール処理イオン交換層の表面に直線状の金属マスクを形成する工程と、該アニール処理イオン交換層のうちで該金属マスクに覆われていない部分に前記第2のイオン交換層を形成する工程と、を含み、前記レジストマスクは、該金属マスクの上のみに選択的に形成される。好ましくは、前記レジストパターンは、裏面露光を利用して前記金属マスクの上のみに選択的に形成される。
【0051】
他の実施形態では、前記第2のイオン交換層の形成工程は、前記アニール処理イオン交換層の表面近傍に前記第2のイオン交換層を形成する工程を含み、前記レジストマスクは、該第2のイオン交換層の表面に直線状に形成される。
【0052】
前記リッジの表面に誘電体膜を形成する工程をさらに包含し得る。
【0053】
前記基板は、C板のLiNb1-XTaxO3(0≦x≦1)基板であり得る。
【0054】
前記第1のイオン交換層及び前記第2のイオン交換層は、いずれもプロトン交換層であり得る。
【0055】
本発明の光波長変換素子の製造方法は、非線形光学物質からなる基板の表面近傍に第1のイオン交換層を形成する工程と、該第1のイオン交換層をアニール処理してアニール処理イオン交換層を形成する工程と、該基板内に分極反転層を形成する工程と、該アニール処理イオン交換層の所定の位置に第2のイオン交換層を形成する工程と、該第2のイオン交換層の上方に所定のパターンを有するレジストマスクを形成する工程と、該レジストマスクを使用して該第2のイオン交換層の非マスク部分をエッチングで除去し、リッジを形成する工程と、を包含しており、そのことによって上記目的が達成される。
【0056】
ある実施形態では、前記第2のイオン交換層の形成工程は、前記アニール処理イオン交換層の表面に直線状の金属マスクを形成する工程と、該前記アニール処理イオン交換層のうちで該金属マスクに覆われていない部分に前記第2のイオン交換層を形成する工程と、を含み、前記レジストマスクは、該金属マスクの上のみに選択的に形成される。好ましくは、前記レジストパターンは、裏面露光を利用して前記金属マスクの上のみに選択的に形成される。
【0057】
他の実施形態では、前記第2のイオン交換層の形成工程は、前記アニール処理イオン交換層の表面近傍に前記第2のイオン交換層を形成する工程を含み、前記レジストマスクは、該第2のイオン交換層の表面に直線状に形成される。
【0058】
前記リッジの表面に誘電体膜を形成する工程をさらに包含し得る。
【0059】
前記基板は、C板のLiNb1-XTaxO3(0≦x≦1)基板であり得る。
【0060】
前記第1のイオン交換層及び前記第2のイオン交換層が、いずれもプロトン交換層であり得る。
【0061】
本発明の他の局面によれば、非線形光学物質からなる基板と、該基板の表面近傍に形成された、光導波領域を含む第1のイオン交換層と、該光導波領域の近傍に形成された、該第1のイオン交換層のイオン交換濃度より高いイオン交換濃度を有する第2のイオン交換層と、を備える光導波路が提供され、そのことによって上記目的が達成される。
【0062】
ある実施形態では、前記第1のイオン交換層が導波方向と実質的に平行な直線状のリッジを有し、該リッジが前記光導波領域を含み、前記第2のイオン交換層は該リッジの側面に形成されている。
【0063】
他の実施形態では、前記第2のイオン交換層は、前記第1のイオン交換層の表面に、導波方向と実質的に平行な直線状のリッジを形成している。
【0064】
前記基板は、C板のLiNb1-XTaxO3(0≦x≦1)基板であり得る。
【0065】
前記第1のイオン交換層及び前記第2のイオン交換層は、いずれもプロトン交換層であり得る。
【0066】
本発明のさらに他の局面によれば、非線形光学物質からなる基板と、該基板内に一定周期で形成された分極反転層と、該基板の表面近傍に形成された、光導波領域を含む第1のイオン交換層と、該光導波領域の近傍に形成された、該第1のイオン交換層のイオン交換濃度より高いイオン交換濃度を有する第2のイオン交換層と、を備える光波長変換素子が提供され、そのことによって上記目的が達成される。
【0067】
ある実施形態では、前記第1のイオン交換層が導波方向と実質的に平行な直線状のリッジを有し、該リッジが前記光導波領域を含み、前記第2のイオン交換層は該リッジの側面に形成されている。
【0068】
他の実施形態では、前記第2のイオン交換層は、前記第1のイオン交換層の表面に導波方向と実質的に平行な直線状のリッジを形成している。
【0069】
前記基板は、C板のLiNb1-XTaxO3(0≦x≦1)基板であり得る。
【0070】
前記第1のイオン交換層及び前記第2のイオン交換層は、いずれもプロトン交換層であり得る。
【0071】
【発明の実施の形態】
本発明は、非線形光学効果による第2高調波の発生を利用した光波長変換素子において、基本モードの基本波と高次モードの第2高調波との間の位相整合を利用して両者のオーバラップを大きくし、基本波から第2高調波への変換効率を高めようとするものである。以下に、まず、その原理について説明する。
【0072】
まず最初に、一般の光導波路における光波長変換について説明する。
【0073】
通常、光導波路は、図6(a)の断面図に示すように、基板61(屈折率:ns)とその上に形成された光導波路62(屈折率:nf)とから構成される。屈折率はnf>nsなる関係を満たし、導波するモード(基本モードの基本波64、基本モードの第2高調波65、及び1次モードの第2高調波66)の電界分布は、図6(b)に示すようになる。基本波と第2高調波との電界のオーバラップは、図6(b)から分かるように、基本モードの基本波64と基本モードの第2高調波65との間が最も大きく、第2高調波の導波モードの次数が高くなるに従って、オーバラップは低下する。光波長変換素子の変換効率は導波モードのオーバラップ量に比例するため、上記のようにオーバラップ量が最も大きい基本モード間の位相整合が、最も変換効率の高い変換となる。
【0074】
次に、光導波路の上に、その屈折率nfより高い屈折率ncを有するクラッド層を形成した場合について、以下に説明する。
【0075】
光導波路の上に、より高い屈折率を有するクラッド層を設けると、基本波のモード分布はクラッド層側に偏り、導波モードは素子の表面近傍に強く閉じ込められる。従って、基本波の強い閉じ込めが実現する。クラッド層を有する従来の光波長変換素子では、この基本波の強い閉じ込めを利用して、変換効率の向上を図る。しかし、基本波と第2高調波とでは波長が異なり、その屈折率分散も存在するため、導波モードの分散はそれぞれ異なる(基本波に比べて第2高調波は、より強くクラッド層に引きつけられる)。従って、モード間のオーバラップの増大には、依然として限界がある。
【0076】
上記のような問題点を解決するために、本願発明者らは、高屈折率のクラッド層を利用して第2高調波の導波モードを制御する、新しい方法を見い出した。その内容を、以下に説明する。
【0077】
先に説明したように、高屈折率のクラッド層を用いると、基本波の閉じ込めを強化することができる。しかし、クラッド層を厚くしていくと、基本波の閉じ込めが強まる一方で、波長の短い第2高調波はクラッド層の内部に閉じ込められて、素子の変換効率が極端に減少する。
【0078】
しかし、本願発明者らの解析によって、第2高調波の高次導波モードが光導波路部分に電界分布を持ち、基本波と十分なオーバラップを達成し得ることを発見した。これを、図7(a)〜(d)を参照して説明する。図7(a)〜(d)のそれぞれにおいて、図の左側には光波長変換素子の断面構造を示し、図の右側には、導波路断面の深さ方向の電界分布を表す。これらの図は、高屈折率のクラッド層を有する光導波路において、クラッド層の厚みを変化させた場合の導波モードの様子を表したものである。
【0079】
図7(a)は、図6(a)及び(b)を参照して説明したクラッド層が無い構成である。ここでは、その説明は省略する。
【0080】
図7(b)は、基板61の上に設けられた光導波路62の上に、さらに薄いクラッド層63が設けられている場合である。クラッド層63は、0次(基本モード)の基本波64及び0次(基本モード)の第2高調波65のそれぞれに対して、カットオフ条件(すなわち、それらの導波モードがクラッド層63の内部に閉じこもらない条件)を満足している。従って、0次(基本モード)の基本波64及び0次(基本モード)の第2高調波65は、ともにクラッド層63の内部のみを導波することができず、光導波路62の内部を伝搬する。但し、クラッド層63により、0次(基本モード)の基本波64及び0次(基本モード)の第2高調波65の電界分布は、素子の表面近傍に引き寄せられている。
【0081】
図7(c)は、より厚いクラッド層63が設けられている場合であって、基本波64に対してはクラッド層63はカットオフ条件を満足しているが、第2高調波に対しては、低次のモード65(この場合は基本モード)の伝搬が可能となる。このとき、基本波の閉じ込めは、図7(b)の構成に比べてさらに強くなる。しかし、基本モードの第2高調波65がクラッド層63の内部に閉じこもってしまうために、基本波から基本モードの第2高調波への変換効率は極端に低下する。一方、第2高調波のうちで、クラッド層63を導波可能なモード(ここでは0次モード65)の次数よりも一つ高い次数のモード(ここでは1次モード66)は、その大部分が光導波路62を伝搬する。
【0082】
このとき、光導波路62の内部における1次モードの第2高調波66の電界分布は、図7(a)に示したクラッド層が無い構成における基本モードの第2高調波65の電界分布とほとんど変わらない。それに対して、0次の基本波の導波モード64は、強くクラッド層63に引きつけられている。即ち、基本モード(0次)の基本波64は閉じ込めの強い導波モードになるのに対し、高次モードの第2高調波(例えば1次の第2高調波66)は、クラッド層63が存在しない構成からほとんど変化しない。そのため、両モード間のオーバラップを飛躍的に増大することができて、これにより、変換効率が大幅に向上される。
【0083】
図7(d)は、さらに厚いクラッド層63が設けられて、0次の基本波64がクラッド層63の中を導波可能となった場合である。しかし、このように基本波がクラッド層63の内部を導波可能となると、光導波路62の内部での基本波と第2高調波とのオーバラップが極端に減少するために、変換効率は大幅に低減する。
【0084】
以上より、本願発明者による検討の結果として、高屈折率のクラッド層63を有する光導波路62においては、図7(c)の構成の場合に、基本モード(0次)の基本波64と高次モード(1次)の第2高調波66との間のオーバラップが増大して、高効率の波長変換が可能となることが見い出された。
【0085】
しかし、図7(c)の構成を実現するには、いくつかの条件を満足する必要がある。
【0086】
まず第1に、クラッド層63が、「基本波がその内部を導波できない」という基本波に対するカットオフ条件を満足するような厚さ及び屈折率を有している必要がある。一方、クラッド層63が、「基本波がその内部を導波できる」という基本波に対する導波条件を満足している状態とは、実際には図7(d)の構成に対応し、高効率の波長変換は不可能である。
【0087】
第2に、図7(c)に示すように、第2高調波の導波モードとして、光導波路62の部分に電界分布のピークを有するような高次モードを導波させる必要がある。その理由は、基本波から第2高調波への波長変換に寄与するのは、光導波路62の内部における基本波の電界と第2高調波の電界とのオーバラップであるからである。この条件を満足させるためには、クラッド層63が第2高調波の導波条件を満足し、かつ、クラッド層63を導波可能な次数の導波モードより一つ高い次数の高次の導波モードの第2高調波が光導波路62の内部を選択的に導波される必要がある。例えば、図7(c)の場合には、クラッド層63を導波可能な第2高調波の導波モードは基本モード(0次モード)65であり、一方、光導波路62にピークを有する第2高調波の導波モードは1次モード66である。
【0088】
従って、光導波路62の上に高屈折率のクラッド層63が設けられている構成を有する高効率の波長変換素子を実現するには、クラッド層63の厚さ及び屈折率を、基本波に対してはカットオフ条件を満足し、且つ第2高調波に対しては導波条件を満足するように設定すればよい。
【0089】
第3に、高効率の波長変換を実現するためには、図7(c)の状態において、光導波路62の内部における高次モードの第2高調波66の電界分布を、クラッド層63の内部における電界分布に対して十分に大きくする(すなわち、クラッド層63の内部における電界分布を十分に小さくする)必要がある。
【0090】
ここで、クラッド層63の屈折率ncと光導波路62の屈折率nfとの比(nc/nf)と、クラッド層63の第2高調波強度のピーク値Icと光導波路62の第2高調波強度のピーク値Iwとの比(Ic/Iw)との間の関係を、図8に示す。これより、クラッド層63及び光導波路62における第2高調波の強度分布の比は、それぞれの屈折率の比の大きさに逆比例し、光導波路62の屈折率に対してクラッド層63の屈折率が増大するにつれて、クラッド層63における電界分布が小さくなる。
【0091】
図8の関係より、クラッド層63における電界強度を光導波路62における電界強度の1/10以下にして第2高調波光の利用効率を上げるには、クラッド層63の屈折率ncを光導波路62の屈折率nfに対してnc>1.02・nfという条件を満たすように設定すれば十分である。サブピーク部分の第2高調波は損失となるが、上記の条件で出射された第2高調波を集光するとサブピークによる出力特性の劣化は観測されず、回折限界までの集光特性が実現できる。
【0092】
上記では、クラッド層が単層である構成について説明しているが、クラッド層が多層膜である場合についても、同様の効果が得られる。特に、多層膜から構成されたクラッド層を用いると、クラッド層の内部における屈折率分布を制御することが可能になるので、素子設計の自由度が増し、許容度の高い素子の作製が可能となる。
【0093】
また、クラッド層は、非線形効果を持たない線形材料で形成されることが望ましい。クラッド層を非線形材料で構成するとクラッド層の内部で波長変換が生じるが、そのようなクラッド層内部での波長変換は、光導波路の内部での第2高調波光の発生効率に対する損失となるからである。
【0094】
また、本発明の構成を3次元光導波路に適用すると、光導波路の横方向の電界分布に対しても、大きな影響を与えることができる。即ち、高屈折率のクラッド層を光導波路の上に形成することにより、第2高調波及び基本波に対する実効屈折率が増大する。このため、横方向の電界分布の閉じ込めが、基本波及び第2高調波のそれぞれについて、大幅に増大する。これによって、光のパワー密度の増大、及び横方向でオーバラップの増大が得られて、結果として、変換効率の向上が可能となる。
【0095】
また、本発明によれば、基本波の波長を選択することにより、光導波路を伝搬する第2高調波の導波モードを一義的に選択できる。このため、基本波と高次モードの第2高調波との間の位相整合を選択的に行って両者の間のオーバラップを大きくして、高効率な波長変換を実現することが可能となる。
【0096】
さらに、本願発明者らの検討によれば、上記の本発明による光導波路の構造が、耐光損傷強度の向上に非常に有効となることがわかった。
【0097】
光損傷は、短波長光(第2高調波)によって結晶内部の不純物が励起され、内部電界を生じることにより発生する。さらに、基本波が介在すると、不純物をトラップする準位を励起して、光損傷による内部電界が固定化する傾向にある。この現象は、第2高調波の電界分布の近傍で基本波が単独で存在する部分で、顕著に現れる。一方、本発明の構成をとれば、光導波路内での基本波と第2高調波とのオーバラップが増大して、第2高調波及び基本波の電界分布のうちで、オーバラップしない部分が減少する。そのため、上記のようにして生じる光損傷の発生が、大幅に低減できる。
【0098】
以上に説明した本発明の光導波路の構造は、光導波路を伝搬する異なる波長の光のオーバラップを高めて、両者の間の相互作用を増大させるのに有効である。具体的には、光波長変換素子のみならず、波長の異なる2つ以上の光を同時に導波させる光導波路に対して、有効である。さらに、光の分布を素子表面の近傍に引き寄せることができるために、表面上に形成された構成要素(例えば電極)による導波光への影響を高めることが可能となり、高い動作効率を有する光集積回路素子を構成することが可能となる。
【0099】
次に、具体的な素子構造を参照して、本発明の光波長変換素子の実施形態を説明する。
【0100】
具体的な素子構造としては、
(1) 周期状の分極反転層を有する結晶の表面に高屈折率層を有し、さらに高屈折率層上に、ストライプ状のクラッド層を有する、装荷型光導波路を用いた素子構造、
(2) 周期状の分極反転層を有する結晶の表面に、ストライプ状のリッジ形状に加工された高屈折率層を有し、さらにこのリッジの表面にクラッド層を有する、装荷リッジ型光導波路を用いた素子構造、及び
(3) 周期状の分極反転層を有する結晶の表面にストライプ状の高屈折率層を有し、さらに結晶表面にクラッド層を有する、埋め込み型光導波路を用いた素子構造、
が挙げられる。以下では、各素子構造について、実施形態の中で説明する。
【0101】
(第1の実施形態)
本実施形態では、装荷型光導波路を用いた光波長変換素子を説明する。
【0102】
図9は、本実施形態における光波長変換素子の構造を示す図である。具体的には、図9の(a)は、光波長変換素子の斜視図であり、(b)は断面図である。
【0103】
本実施形態の光波長変換素子では、C板のLiTaO3結晶(すなわち、その上面及び底面が、結晶のC軸に垂直な面である)からなる基板101の内部に、周期Λ=約3.5μm(周期Λは、図9では参照番号108として示されている)の分極反転層104が形成されている。分極反転層104の幅Wは、約1.7μmである(幅Wは、図9では参照番号109として示されている)。さらに、LiTaO3結晶基板101の表面には、深さ約2μmの光導波路として機能するプロトン交換層105と、ストライプ状のNb2O5クラッド層(装荷層)110が形成されている。さらに、Nb2O5クラッド層110を含む結晶基板101の表面は、SiO2からなるカバー層111で被われている。
【0104】
素子の端面から入射した波長約850nmの基本波106は、プロトン交換層105を伝搬しながら、波長約425nmの第2高調波107に変換され、他方の端面から出射される。
【0105】
図9の構成では、従来技術による構成とは異なり、クラッド層110として、基板101より高い屈折率を有するNb2O5を用いている。具体的には、波長約800nmの光に対して、Nb2O5の屈折率は約2.25であり、LiTaO3の屈折率は約2.15である。但し、素子内部を伝搬する基本波106がクラッド層110の内部に閉じ込もらないように、クラッド層110の厚さは約300nmに設定している。
【0106】
素子内部を伝搬する波長約850nmの基本波106は、基本モード(TM00モード)で伝搬する。一方、第2高調波107は、素子の深さ方向には1次モードで伝搬し、素子の幅方向には0次の高次モード(TM01モード)で伝搬する。分極反転層104の周期108に対する基本波106の波長を選択することにより、第2高調波107の導波モード(TM01)が選択的に励振される。本実施形態の構成では、従来技術による構成とは異なり、基本波を基本モードで伝搬させ、第2高調波を高次モードで伝搬させることによって、両者の間のオーバラップを増大させ、波長変換効率を向上させている。
【0107】
次に、本実施形態の光波長変換素子の構造における、基本波と第2高調波との間のオーバラップの増大による波長変換効率の向上の原理について、以下に説明する。
【0108】
本実施形態に示すように、基板101の上に設けられた光導波路(プロトン交換層)105の上にさらにクラッド層110が形成されている構造を有する光波長変換素子において、基本波を第2高調波に変換する効率は、基本波と第2高調波との間のオーバラップに大きく依存する。図10を参照すれば、基本波と第2高調波との間のオーバラップ122とは、基本波の電界(Ew)の分布120と第2高調波の電界(E2w)の分布121との非線形物質内における重なり(図10でハッチングされている領域)で表される。
【0109】
光導波路層105の上に基板101より屈折率の低いクラッド層(例えば、屈折率n=2.0のTa2O5膜)131を有する光導波路や埋め込み型光導波路(図11(a)参照)においては、図11(c)に示すように、基本モード(TM00モード)の基本波の電界分布123と第2高調波(TM00モード)の電界分布124との間で、最大のオーバラップ125が得られる。しかし、基本波及び第2高調波の波長分散特性により、素子の深さ方向におけるオーバラップ125の大きさは限られている。
【0110】
一方、光導波路層105の上に基板101より屈折率の高いクラッド層(例えば、屈折率n=2.25のNb2O5膜)132を有する本発明の光波長変換素子(図11(b)参照)を導波する光の電界分布を、図11(d)に示す。この場合、基本波(TM00モード)は、高い屈折率を有するクラッド層132により閉じ込めが強くなり、素子の表面近傍にその電界分布126が偏っている。一方、この構成におけるTM01モードの第2高調波の電界分布127は、図11(c)におけるTM00モードの第2高調波の電界分布124とほぼ同じであり、オーバラップ128は、図11(c)におけるオーバラップ125に比べて大幅に増大している。この結果、従来の装荷構造の光波長変換素子に比べて、本発明の光波長変換素子の変換効率は、約2倍以上に高効率化されている。さらに、高い屈折率を有するクラッド層132を形成することにより、図11(d)に示すように、TM01モードの第2高調波の電界分布127のうちでクラッド層132に存在する割合を非常に小さくできるので、図11(c)に示すTM00モードの第2高調波の電界分布124とほとんど変わりない形状とすることができることが見い出された。
【0111】
また、本発明の波長変換素子によって得られる第2高調波出力のビームパターンは、従来の埋め込み型光導波路を伝搬する基本波モードの第2高調波出力のビームパターンと差はなく、回折限界近くまで集光可能な波面特性を示す。
【0112】
本願発明者らは、図11(b)の構造においてTM00モードの第2高調波の光発生についても検討を行ったが、TM00モードの第2高調波はクラッド層132の内部に閉じ込もってしまうために、基本波とのオーバラップは極端に低下することが確認された。すなわち、本発明の構成では、TM00モードの基本波と高次モード(TM01モード)の第2高調波との間で、電界分布のオーバラップの大幅な増大が可能になる。
【0113】
次に、図12(a)〜(d)を参照して、本実施形態の光波長変換素子の作製方法について述べる。
【0114】
まず、図12(a)に示されているように、+C板のLiTaO3基板101の表面に、光導波路として機能するプロトン交換層105を形成する。具体的には、約260℃のピロ燐酸中で約14分間の熱処理を行った後に、約420℃で約8分のアニール処理を行って、光導波路(プロトン交換層)105を形成する。
【0115】
次に、基板101の+C面(実際にはプロトン交換層105の表面)に櫛形電極112を形成し、基板101の−C面(裏面)に平面電極(不図示)を形成する。そして、両電極間に高圧のパルス電圧(約21kV/mm)を印加して、図12(b)に示すような周期状の分極反転層104を形成する。
【0116】
続いて両電極を除去した後に、基板101の+C面(プロトン交換層105の表面)に、図12(c)に示すように、スパッタリング法でNb2O5膜110を約300nmの厚さに堆積する。さらに、堆積されたNb2O5膜110の上にフォトリソグラフィ法でストライプ状マスクパターン(不図示)を形成し、CHF3ガス雰囲気中でドライエッチングを行って、図12(d)に示すようにNb2O5膜110をストライプ状に加工する。
【0117】
以上のような電界印加による分極反転層の形成プロセスにおいて重要なことは、印加電圧波形である。具体的には、LiTaO3に短周期の分極反転層104を形成するには、パルス電圧波形として、反転電圧レベル(分極が反転する電圧レベルであり、LiTaO3では約21kV/mm)以下の大きさのバイアス電圧にパルス電圧を重畳した電圧波形を印加する必要がある。このとき、バイアス電圧レベルとパルス電圧レベルとの和は、反転電圧のレベル以上である必要がある。
【0118】
さらに、上記のプロセスでは、パルス電圧が重畳された電圧を印加した後にさらにバイアス電圧のみを印加するが、本願発明者らの検討によれば、そのバイアス電圧印加時間(Tb)が分極反転層の形状の均一性に影響を与えることが明らかになった。すなわち、Tbが約2秒以下であると、形成される分極反転層104の周期構造の不均一性が大きくなる。分極反転層104の周期構造の均一性を得るには、Tbを約3秒以上に設定する必要である。本願発明者らのさらなる検討によれば、好ましくは約5秒以上にすることで、非常に均一性の高い周期的分極反転層104が形成され、効率の高い光波長変換素子が製造できることが明らかになった。
【0119】
次に、以下では、光導波路を伝搬する導波モードと光波長変換素子の特性との関係について、詳細に説明する。
【0120】
Nb2O5クラッド層を有する光導波路の導波特性を解析する目的で行った屈折率分散特性の測定結果を、図13に示す。図13では、LiTaO3基板(線132)及びNb2O5クラッド層(線131)の屈折率分散の測定結果が示されている。
【0121】
これより、波長によりLiTaO3基板とNb2O5クラッド層との間の屈折率差が異なり、基本波の波長に相当する800nm帯における基板とクラッド層との間の屈折率差に比べて、第2高調波の波長に相当する400nm帯における屈折率差が、大きくなっている。
【0122】
この結果に基づいて行った装荷型光導波路の導波特性の解析結果を、図14に示す。図14は、光導波路を導波する光の波長及びクラッド層(装荷層)の厚さに対して、クラッド層の内部を伝搬可能な導波モードの関係を示す特性要因図である。
【0123】
領域Iでは、クラッド層の内部を光が伝搬することができず、導波層のみが、光を伝搬可能な領域として機能する。領域IIでは、基本モードの光のみがクラッド層の内部を伝搬可能であり、一方、領域IIIでは、クラッド層を基本モード及びTM01モードの光が伝搬可能である。
【0124】
各々の領域での導波モードについて、以下にさらに説明する。
【0125】
まず、第1の場合として、クラッド層152の厚さが約0.1μmよりも小さい場合には、波長約430nmの第2高調波と波長約860nmの基本波とは、いずれも領域Iに分類される。従って、クラッド層152の内部を伝搬可能な導波モードは存在しない。そのために、伝搬光の電界分布の形状は図15(a)に示すようになり、基本波モードの基本波153と基本モードの第2高調波154とがいずれも光導波層151の内部を伝搬して、クラッド層152の内部における伝搬光の電界分布は小さくなる。
【0126】
次に、第2の場合として、クラッド層152の厚さが約0.1μmから約0.36μmの間にある場合には、波長約430nmの第2高調波は領域IIに分類され、クラッド層152の内部を基本モードの第2高調波154が伝搬可能である。一方、波長約860nmの基本波153は領域Iに分類され、クラッド層152の内部を伝搬することは不可能である。この結果、基本モードの第2高調波154は、図15(b)に示すようにクラッド層152の内部に閉じ込もってしまうが、基本波153は導波層151の内部を伝搬する。
【0127】
さらに、第3の場合として、クラッド層152の厚さが約0.36μmよりも大きい場合には、波長約430nmの第2高調波は領域IIIに分類される一方で、波長約860nmの基本波は領域IIに分類される。従って、基本波及び第2高調波のそれぞれについて、クラッド層152における基本モードの伝搬が可能となり、基本モードの基本波153及び基本モードの第2高調波154は、どちらもクラッド層152の内部に閉じ込もる。
【0128】
上記の各々の場合における基本波及び第2高調波の電界分布のオーバラップを考えると、第1の場合には、非線形性を有する光導波層における電界分布が大きく、オーバラップは光導波層の内部に存在する。しかし、第2の場合には、第2高調波がクラッド層内に閉じ込もってしまうため、光導波層におけるオーバラップは非常に小さくなる。さらに、第3の場合には、基本波及び第2高調波がどちらもクラッド層内に閉じ込もってしまうために、光導波路における両者のオーバラップは、0に近くなると予想される。
【0129】
しかし、本願発明者らの実験によれば、第3の場合に相当する厚さを有するクラッド層については、基本波がクラッド層内に閉じ込もってオーバラップが減少して、変換効率の大幅な低下が観測されるものの、第2の場合に相当する厚さを有するクラッド層については、第2高調波への変換効率の大幅な向上が達成されて、第1の場合における値よりも大きい値が得られた。そこで、導波特性についてさらに検討したところ、変換効率の大幅な向上が得られる第2の場合においては、第2高調波の導波モードが、基本モードではなく高次の導波モードであることが発見された。すなわち、上記の第2の場合には、基本モードの基本波と高次モードの第2高調波との間における電界分布のオーバラップの増大によって、変換効率の向上が実現していることが見い出された。
【0130】
クラッド層の厚さと変換効率が最大となる第2高調波の導波モードとの関係を、以下の表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
「第2高調波出力」の欄の記号(◎、△、及び×)は、得られる第2高調波出力の大きさ(波長変換効率の大きさ)を相対的に表すものであって、記号◎が変換効率がよいことを意味し、記号×は変換効率が悪いことを意味し、記号△はその中間を意味している。
【0133】
図16(a)〜(d)は、上記表1の(2)に示すクラッド層の厚さが約0.1μm〜約0.3μmの領域における光の伝搬状態を示す図である。図16(a)の屈折率分布に示すようにクラッド層162の屈折率が導波層161の屈折率より低い場合(クラッド層162が設けられていない場合も含む)には、図16(b)に示すように、導波層161の内部に基本モードの基本波163及び基本モードの第2高調波164が存在している。一方、図16(c)の屈折率分布に示すようにクラッド層162の屈折率が導波層161の屈折率より大きい場合には、図16(d)に示すように、基本モードの第2高調波164はクラッド層162の内部に閉じ込もるが、TM01モードの第2高調波165は光導波層161の内部を伝搬して、基本モードの基本波163とのオーバラップが大幅に向上する。特に、TM01モードの第2高調波の電界分布165の大部分は光導波層161に存在して、非線形性の小さいクラッド層162には電界がほとんど存在せず、しかも基本波163の閉じ込めが強くなるために、オーバラップの向上による変換効率の大幅な増大が可能となる。ここで、第2高調波に関しては、その波長選択性により所望の導波モードを効率よく励起できるので、上記に述べた内容に従って、高い変換効率をもたらす所望の導波モードの第2高調波を選択的に励起できる。
【0134】
また、高次モードの第2高調波の電界分布について、クラッド層に存在する部分と導波層に存在する部分との比は、クラッド層と導波層との屈折率差に依存する。屈折率差が大きい場合は、電界分布のうちで光導波層に存在する部分が大きくなり、クラッド層での電界のピークが小さくなる。一方、屈折率差が小さい場合は、電界分布のうちで光導波層に存在する部分が小さくなり、クラッド層での電界のピークが大きくなる。
【0135】
一方、基本波の電界分布に対しては、クラッド層と導波層との屈折率差が小さい方が有利である。すなわち、屈折率差が小さいと、図14に示す領域Iに相当するクラッド層の厚さの範囲が広がり、厚さの制御に関する制約が緩和される。さらに、第2高調波への変換効率は、TM01モードの第2高調波とTM00モードの基本波との間の結合によって得られる値よりも、TM02モードの第2高調波とTM00モードの基本波との間の結合によって得られる値の方が、大きくなる。この条件を満足するには、クラッド層と基板との屈折率差の関係が、ΔN2w(波長400nm帯の光に対する基板とクラッド層との屈折率差)>ΔNw(波長800nm帯の光に対する基板とクラッド層との屈折率差)なる関係を満たすことが望ましい。先に図13を参照して説明したように、Nb2O5クラッド層は、LiTaO3基板に対してΔN2w>ΔNwの関係を満足するので、非常に有効である。
【0136】
また、第2高調波が高次モードの場合、出射された第2高調波の集光特性が劣化する場合がある。例えば、ステップ状の屈折率分布を有する埋め込み型光導波路において、1次の第2高調波の導波モードはTM01モードとなる。従って、この第2高調波を集光すると2つのピークを有する集光ビームとなり、単一のビームスポットに集光するにはビーム成形処理が必要となる。しかし、Nb2O5装荷型光導波路を伝搬する第2高調波の高次モードは、基本モードとほぼ同様の集光特性を有し、回折限界までの集光が可能である。これは、第2高調波に対する導波層と基板との間の屈折率差(Δn1=約0.02)がクラッド層との間の屈折率差(Δn2=約0.3)に比べて非常に小さいために、図16(d)に示すように、クラッド層における導波モードの電界分布が光導波層における電界分布に比べて非常に小さくなるためである。
【0137】
第2高調波の集光特性を劣化させない第2高調波の高次モードを実現するには、3Δn1<Δn2が必要である。Δn2が小さいとクラッド層における電界分布が大きくなり、変換効率の低下及び集光特性の劣化の原因になる。
【0138】
次に、光波長変換素子の効率向上を目的としたクラッド層の最適構造を得るための設計について、以下に述べる。
【0139】
まず、最適なクラッド層の厚さについて、Nb2O5を例にとって検討した。表2は、クラッド層の厚さに対する、基本波及び第2高調波の導波状態、ならびに第2高調波への変換効率を示す。
【0140】
【表2】
【0141】
「変換効率」の欄の記号(◎、○、△、及び×)は、波長変換効率の大きさを相対的に表すものであって、記号◎が変換効率がよいことを意味し、記号×は変換効率が悪いことを意味し、記号○及び△はその中間を意味している。
【0142】
クラッド層の厚さが約100nm以下の場合には、変換効率が最大となるのは基本波及び第2高調波が基本モードである場合であって、この場合の変換効率は、埋め込み型光導波路とあまり変わらない。厚さが約100nm以上になると、1次(TM01)モードの第2高調波との結合が増大しはじめて、変換効率が向上する。さらに約200nm以上の厚さでは、1次モードの第2高調波への変換が非常に大きくなり、従来の埋め込み型や装荷型光導波路を用いた光波長変換素子の2倍以上の変換効率が得られる。さらに、クラッド層の厚さが約300nm近傍であると、2次(TM02)の第2高調波への変換が行われて、変換効率はさらに向上する。しかし、クラッド層の厚さが約400nm近傍或いはそれ以上になると、クラッド層の内部に基本波が閉じ込もるため、変換効率は大幅に減少する。これより、Nb2O5クラッド層の厚さとしては、変換効率の向上のためには約100nm〜約380nmが必要である。特に、変換効率が向上する厚さとして、約200nm〜約340nmが望ましい。
【0143】
図17には、LiTaO3基板上のプロトン交換層の上に形成したクラッド層の屈折率(基本波波長に対する値)とクラッド層の厚さとの関係を示す。
【0144】
領域Iでは、クラッド層が厚すぎるために基本波はクラッド層内に閉じ込り、変換効率が極端に減少する。領域IIでは、基本波と第2高調波との間のオーバラップが向上して、変換効率が最大になる。領域IIIでも、クラッド層の設置によって変換効率の向上が見られる。このように、領域II及びIIIで、クラッド層の設置による変換効率の向上が可能である。
【0145】
図17から分かるように、クラッド層の屈折率が増大するにつれて、領域II或いはIIIを達成するための最大許容厚さは薄くなり、高精度の厚さの設定が要求される。通常の成膜装置でクラッド層を再現性よく成膜するためには、数100nm以上の厚さが適当であり、屈折率としては約2.8以下が良い。
【0146】
また、クラッド層と導波層との間の屈折率差が小さすぎると、クラッド層によるオーバラップの向上効果が得られない。クラッド層の屈折率が約2.2以上である場合に、基本波と第2高調波との間のオーバラップが大きくなり、変換効率が大幅に向上する。従って、クラッド層の屈折率は、LiTaO3基板の場合には、基本波の波長に対して約2.18以上であることが望ましく、特に高効率化のためには約2.2〜約2.8の範囲に設定することが好ましい。
【0147】
本実施形態ではクラッド層の構成材料としてNb2O5を用いたが、その他に、LiNbO3、TiO2、ZnS、CeO2、またはこれらを含む混合材料、例えばTa2O5、SiO2、Al2O3、SiN等との混合材料も、利用できる。これらによって形成されるクラッド層は、その屈折率を変えることで、より大きなオーバラップを得ることができて、変換効率の大幅な向上が可能となる。
【0148】
また、本実施形態では、基板としてLiTaO3基板を用いているが、他にMgO、Nb或いはNdなどをドープしたLiTaO3やLiNbO3、或いはそれらの混合物であるLiTa1-xNbxO3(0≦x≦1)、或いはKTP(KTiOPO4)等からなる基板を用いても、同様な素子が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、及びKTPは、いずれも高い非線形性を有し、高効率の光波長変換素子が作製できる。特にKTPは、屈折率が約1.8と低いので、その上に形成されるクラッド層の材料としてTa2O5、Al2O3、SiN等の利用も可能となり、有効である。また、これらの材料においては、周期的分極反転層の形成方法が確立されており、高効率の光波長変換素子が形成できるため、有効である。
【0149】
次に、素子表面に形成されるカバー層について説明する。
【0150】
先に説明した図9の構成では、光導波路(詳しくは、プロトン交換層105及びクラッド層110)の表面を、約400nmの厚さのSiO2カバー層111で覆っている。これは以下の理由による。
【0151】
装荷型光導波路では、クラッド層をエッチングにより形成するため、クラッド層の側面に僅かな凹凸が形成されて、導波損失の原因となる。カバー層111でクラッド層を被えば、クラッド層とその他の部分との間の屈折率差が小さくなり、クラッド層の側面の凹凸による導波損失の低減を図ることができる。具体的には、導波損失は、カバー層111を設けることで約1/2以下になる。
【0152】
なお、本実施形態ではカバー層111としてSiO2を用いたが、カバー層111としては基板より屈折率の低い材料が望ましく、例えばTa2O5等も有効である。Ta2O5膜は屈折率が約2と大きいために、より低損失の光導波路が形成できる。或いは、SiN、Al2O3等、高屈折率層よりも小さい屈折率を有し、基本波及び高調波に対して吸収や散乱損失の少ない材料であれば、カバー層として同様の効果が得られる。
【0153】
(第2の実施形態)
ここでは、本発明の他の構造による光波長変換素子の特性向上について述べる。具体的には、装荷リッジ型光導波路を適用した光波長変換素子について述べる。
【0154】
第1の実施形態で、屈折率の高いクラッド層を用いた装荷型光導波路による光波長変換素子の特性向上が確認できた。ここでは、光波長変換素子の構造にさらに工夫を加えることにより、一層の特性向上を試みた結果について述べる。
【0155】
装荷型光導波路により基本波のモードプロファイルの制御が可能になることを前述したが、装荷型光導波路において、第2高調波のモードプロファイルへの影響を抑えながら基本波のモードプロファイルを制御し、オーバラップの向上を図ると、第2高調波の導波モードの幅方向の閉じ込めが弱くなる。その結果、光導波路から出力する第2高調波のビームプロファイルのアスペクト比(出射光をコリメートビームにした場合の縦と横の比)が1:3以上になり、厚み方向の広がり角が幅方向に比べて大きくなる。このため、回折限界の集光特性を得るための光の利用効率が大幅に減少するといった問題が生じる。これを解決するため、本実施形態では、図18に示す光波長変換素子の構造をとる。
【0156】
具体的には、図18の(a)は、光波長変換素子の斜視図であり、(b)は断面図である。本実施形態の光波長変換素子では、C板のLiTaO3結晶(すなわち、その上面及び底面が、結晶のC軸に垂直な面である)からなる基板201の内部に、周期Λ=約3.5μm(周期Λは、図18では参照番号208として示されている)の分極反転層204が形成されている。分極反転層204の幅Wは、約1.7μmである(幅Wは、図18では参照番号209として示されている)。さらに、LiTaO3結晶基板201の表面には、ストライプ状のリッジ213を有するプロトン交換層205が形成され、リッジ213の上面には、Nb2O5クラッド層(装荷層)210が形成されている。さらに、Nb2O5クラッド層210を含む結晶基板201の表面は、SiO2からなるカバー層211で被われている。リッジ213の厚みは約200nmであり、クラッド層210の厚さは約300nmである。
【0157】
導波路を伝搬する波長850nmの基本波206は基本モード(TM00モード)で伝搬しており、第2高調波207は、深さ方向には1次モード、幅方向には0次の高次モード(TM01モード)で伝搬していると考えられる。第1の実施形態で説明した装荷型光導波路では、第2高調波107がTM01モードで伝搬しているため、横方向の閉じ込めが弱く、導波モードのアスペクト比が大きくなっている。これに対して、本実施形態の構成では、リッジ213を付けることで横方向の閉じ込めが改善され、第2高調波の導波モードのアスペクト比が改善される。
【0158】
次に、装荷リッジ型光導波路の特性について述べる。
【0159】
装荷リッジ型光導波路では、プロトン交換層205をリッジ状に加工することにより、第2高調波の幅方向の閉じ込めが強化される。その結果、横方向の第2高調波の導波モードの広がりを、Nb2O5装荷型光導波路の2/3〜1/2に抑えることが可能となり、横方向の閉じ込めが強化される。そのため、横方向の基本波と第2高調波とのオーバラップが増大し、装荷型光導波路に比べて変換効率が1.5倍以上に向上する。このように、装荷リッジ構造が光波長変換素子の高効率化に有効であることが明らかになった。
【0160】
幅方向の閉じ込めを強くするリッジ213の厚さとしては、約100nm以上が必要である。また、幅方向のオーバラップの増大による光波長変換素子の効率向上が見られたのは、リッジ213の厚さが約200nm〜約600nmの場合である。リッジ213の厚さが約1000nm以上になると、光導波路の伝搬損失が増大して光波長変換素子の特性が劣化する。
【0161】
従って、リッジ213の厚みとしては、オーバラップ向上を得るために約100nm〜約1000nmが必要となる。さらに、変換効率の大幅な向上を得るには、約200nm〜約600nmが望ましい。
【0162】
次に、リッジ213の厚さが約300nmの光導波路における、光導波路の幅に対する第2高調波のアスペクト比の関係を説明する。
【0163】
まず、基本波がマルチモード化することなく導波するには、導波路の幅を約10μm以下にする必要がある。さらに、アスペクト比の改善が可能となるのは、導波路幅が約8μm以下の場合である。また、アスペクト比が1:1に近づくのは、導波路幅が約2μm〜約4μmの場合であり、導波路幅が約1μm以下の場合は、変換効率が低下する。
【0164】
光導波路構造を装荷リッジ構造にすることにより、装荷型光導波路を用いた光波長変換素子の特性に加えて出力ビームの成形が可能となり、特性の優れた光波長変換素子の作製が可能となる。単一モード光導波路として成り立つためには、光導波路幅は約1μm〜約10μmであるのが望ましい。さらにアスペクト比を改善するには、光導波路幅約1μm〜約8μmであるのが望ましく、アスペクト比を1:1に近づけるためには、光導波路幅を約2μm〜約4μmに制御する必要がある。
【0165】
本実施形態ではクラッド層の構成材料としてNb2O5を用いたが、その他に、LiNbO3、TiO2、ZnS、CeO2、またはこれらを含む混合材料、例えばTa2O5、SiO2、Al2O3、SiN等との混合材料も、利用できる。これらによって形成されるクラッド層は、その屈折率を変えることで、より大きなオーバラップを得ることができて、変換効率の大幅な向上が可能となる。
【0166】
また、本実施形態では、基板としてLiTaO3基板を用いているが、他にMgO、Nb或いはNdなどをドープしたLiTaO3やLiNbO3、或いはそれらの混合物であるLiTa1-xNbxO3(0≦x≦1)、或いはKTP等からなる基板を用いても、同様な素子が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、及びKTPは、いずれも高い非線形性を有し、高効率の光波長変換素子が作製できる。特にKTPは、屈折率が約1.8と低いので、その上に形成されるクラッド層の材料としてTa2O5、Al2O3、SiN等の利用も可能となり、有効である。また、これらの材料においては、周期的分極反転層の形成方法が確立されており、高効率の光波長変換素子が形成できるため、有効である。
【0167】
(第3の実施形態)
Nb2O5クラッド層によるオーバラップの向上効果を埋め込み型光導波路に適用することにより、簡便な構造による変換効率の向上が図れる。図19は、埋め込み型光導波路を用いた本実施形態の光波長変換素子の構成を示す。
【0168】
具体的には、図19は、光波長変換素子の斜視図である。本実施形態の光波長変換素子では、C板のLiTaO3結晶(すなわち、その上面及び底面が、結晶のC軸に垂直な面である)からなる基板301の内部に、周期Λ=約3.5μm(周期Λは、図19では参照番号308として示されている)の分極反転層304が形成されている。分極反転層304の幅Wは、約1.7μmである(幅Wは、図19では参照番号309として示されている)。さらに、LiTaO3結晶基板301の表面には、ストライプ状のプロトン交換層305が形成されている。さらに、プロトン交換層305を含む結晶基板301の表面には、基板301よりも高い屈折率を有するNb2O5クラッド層310が形成されている。さらに、クラッド層310を含む結晶基板301の表面は、SiO2からなるカバー層(不図示)で被われている。クラッド層310の厚さは、約300nmである。
【0169】
導波路を伝搬する波長850nmの基本波306は基本モード(TM00モード)で伝搬しており、第2高調波307は、深さ方向には1次モード、幅方向には0次の高次モード(TM01モード)で伝搬している。分極反転層304の周期308に対する基本波306の波長を選択することによって、第2高調波307の導波モード(TM01モード)を選択的に励振している。また、従来の構成とは異なって、基本波306の導波モードを基本モードとし、第2高調波307の導波モードを高次モードとすることで、両者の間のオーバラップを増大させて、変換効率の向上を図っている。
【0170】
埋め込み型光導波路の上にNb2O5クラッド層310を約300nm堆積すると、基本波306の導波モードの閉じ込めが向上し、第2高調波307と基本波306のオーバラップが増大する。その結果、光波長変換素子の変換効率が約3倍に向上し、高効率化が達成される。具体的には、クラッド層310の厚さが約100nm程度から、基本波306と第2高調波307とのオーバラップが増大し始め、厚さ約300nmで最大となる。ところが、厚さが約400nmで、急激に変換効率が低下する。これは、装荷型光導波路で得られたクラッド層の厚さと第2高調波への変換効率との関係と、ほぼ同じである。
【0171】
埋め込み型光導波路は、装荷型光導波路に比べて横方向の光の閉じ込めが強く、第2高調波の出射ビームのアスペクト比は1:2.5程度であり、比較的良好なビーム形状が得られる。
【0172】
埋め込み型光導波路の利点は、伝搬損失の小さな光導波路形成が可能なことである。リッジ形状の光導波路は、導波路側面の凹凸により、伝搬損失が増大する傾向にある。本願発明者らにより作製したリッジ型光導波路でも、約1.5dB/cmの伝搬損失が観測されたのに対し、埋め込み型の光導波路では伝搬損失が1dB/cm以下であって、非常に低損失の光導波路の形成が可能であることが確認された。
【0173】
さらに、横方向の閉じ込めを向上させる構造として、クラッド層を光導波路上に選択的に堆積させる方法を試みた。具体的には、幅約5μmの光導波路に対してクラッド層の幅を5μm以下にすることにより、幅方向の閉じ込めが強化され、変換効率が1.2倍に向上した。基本波波長に対するクラッド層の屈折率を約2.18以上にすれば、オーバラップの向上による変換効率が可能である。特に、屈折率が約2.2〜約2.5の範囲では、オーバラップの向上が高まり、大幅な変換効率の向上が可能である。
【0174】
本実施形態ではクラッド層の構成材料としてNb2O5を用いたが、その他に、LiNbO3、TiO2、ZnS、CeO2、またはこれらを含む混合材料、例えばTa2O5、SiO2、Al2O3、SiN等との混合材料も、利用できる。これらによって形成されるクラッド層は、その屈折率を変えることで、より大きなオーバラップを得ることができて、変換効率の大幅な向上が可能となる。
【0175】
また、本実施形態では、基板としてLiTaO3基板を用いているが、他にMgO、Nb或いはNdなどをドープしたLiTaO3やLiNbO3、或いはそれらの混合物であるLiTa1-xNbxO3(0≦x≦1)、或いはKTP等からなる基板を用いても、同様な素子が作製できる。LiTaO3、LiNbO3、及びKTPは、いずれも高い非線形性を有し、高効率の光波長変換素子が作製できる。特にKTPは、屈折率が約1.8と低いので、その上に形成されるクラッド層の材料としてTa2O5、Al2O3、SiN等の利用も可能となり、有効である。また、これらの材料においては、周期的分極反転層の形成方法が確立されており、高効率の光波長変換素子が形成できるため、有効である。
【0176】
上記の第1〜第3の実施形態で示した装荷型、装荷リッジ型、及び埋め込み型の構成は、低損失で閉じ込めが強く、光波長変換素子としてだけではなく光導波構造としても有望であり、光通信、光計測デバイス等の光導波路素子への応用が可能である。
【0177】
次に、埋め込み型光導波路の耐光損傷性の向上を目的とした導波路構造について述べる。
【0178】
埋め込み型光導波路は、高屈折率のクラッド層を設けることにより、導波モード間のオーバラップが増大すると同時に、導波光の閉じ込めが深さ方向及び幅方向ともに非常に強まり、高効率の波長変換が可能になる。また、導波路内での基本波と第2高調波とのオーバラップを高めることで、基本波の電界分布が単独で存在する領域が減少し、耐光損傷強度の向上が図れる。しかし、光損傷の発生を完全に防止することはできず、例えば約10mW以上の第2高調波出力に対して、光損傷の発生が観測される。この特性は、装荷型及び装荷リッジ型の光導波路に比べて、わずかに劣っている。
【0179】
そこで、光損傷の発生原因について詳細に検討したところ、光導波路の側部近傍で光損傷による屈折率変化が最も大きいことが見いだされた。一方、装荷型及び装荷リッジ型の光導波路では、導波路の側面近傍にプロトン交換層が存在するために、横方向の閉じ込めが緩和されるとともに光導波路側部の耐光損傷強度が向上していると考えられる。
【0180】
そこで、埋め込み型の光導波路構造においても、耐光損傷強度の向上を目的として、導波路の側面近傍に導波路より屈折率の低い層(基板より屈折率は高い)を設ける方法を試みた。具体的には、図19の構成において、濃度の薄いプロトン交換層を光導波路の側部に形成した。その結果、光導波路の横方向の閉じ込めがわずかに(数%)緩和され、変換効率は約10%低下する。しかし、耐光損傷強度は大幅に増大し、約20mW以上の第2高調波に対しても光損傷が発生しない。プロトン交換層を設けたことによるこの光損傷強度の増大は、光導波路の横方向閉じ込めの緩和によって生じるだけでなく、プロトン交換層(導波路側部)の耐光損傷強度の増大によっても生じる。即ち、プロトン交換層は、基板に比べて電気伝導度が高いため、光損傷の原因となる不純物準位での光励起電荷の寿命が短く、光損傷が発生しにくい。そこで、光損傷の発生しやすい導波路側部に電気伝導度の高いプロトン交換部を設けることで、その部分の耐光損傷強度を増大することができる。
【0181】
(第4の実施形態)
ここでは、光波長変換素子を用いた短波長光源について述べる。
【0182】
前述した実施形態による光波長変換素子の構成により、高効率で安定な光波長変換素子の実現が可能となる。本発明による光波長変換素子を用いた短波長光源の作製の構成を、図20に示す。
【0183】
具体的には、上記短波長光源は、Siなどから形成されるサブマウント420の上に搭載された波長800nm帯の基本波光P1を発する半導体レーザ421、及び光波長変換素子422より構成され、半導体レーザ421の発光領域423から出た基本波光P1を光波長変換素子422の導波路402の端面に直接に結合させて集光し、導波モードを励起する。光波長変換素子422の導波路402の他の端面からは、波長変換された第2高調波光P2が出射する。基板420と光波長変換素子422との間には、クラッド層403が形成されている。
【0184】
本発明によって変換効率が高い光波長変換素子422が実現するので、出力約100mWの半導体レーザ421を用いて、約10mWの青色の第2高調波光P2が得られる。また、使用される光波長変換素子422は耐光損傷性に優れ且つ安定な出力が得られるので、出力変動を約2%以下に抑えることができ、安定な出力が得られる。
【0185】
400nm帯の波長は、印刷製版、バイオ、蛍光分光特性等の特殊計測分野や、光ディスク分野など、広い応用分野において望まれている。本発明による光波長変換素子を用いた短波長光源は、出力特性及び安定性の両方の観点から、これらの応用分野での実用化が可能である。
【0186】
なお、半導体レーザ421の光を集光光学系を用いて光波長変換素子422の導波路402に結合させる構成であってもよい。但し、半導体レーザ421と光波長変換素子422の光導波路402を直接結合させる構成のほうが、小型且つ低価格の光源が実現できる。
【0187】
(第5の実施形態)
ここでは、短波長光源を光ディスクのピックアップ用光源として用いた光ピックアップについて説明する。
【0188】
光ディスクでは高密度記録が望まれており、小型の短波長光源の実現が必要不可欠である。光ディスクを読み取るためのピックアップは、光源、集光光学系、及び受光部分を含む。具体的には、図21に示すように、Siサブマウント520の上に半導体レーザ521及び光波長変換素子522が搭載された光源から発せられた光P1は、レンズ540で平行光にされ、ビームスプリッタ541を通過してからレンズ542で集光されて、光ディスク543を照射する。光ディスク543からの反射光は、レンズ542で平行光にされた後に、ビームスプリッタ541及びレンズ544を介して、光検出器545に集光される。
【0189】
光源として本発明による光波長変換素子を用いると、波長400nm帯の青色光を光ディスクの読み取り光源として利用できるため、記録密度を2倍に向上させることが可能となる。さらに、高出力の青色光の発生が可能となるため、読み取りだけでなく、光ディスクへ情報を書き込むことも可能となる。半導体レーザを基本波光源として用いることで、非常に小型になり、民生用の小型光ディスク読み取り及び記録装置にも利用できる。
【0190】
さらに、光波長変換素子は、光導波路幅を最適化することで、出力ビームのアスペクト比の最適化が行える。例えば、装荷リッジ型導波路構造を有する光波長変換素子において、光導波路の幅を約3μmにすることにより、アスペクト比を1:1に近づけることが可能となる。この結果、光ピックアップの集光特性を向上させるためのビーム成形プリズムなどが不要になり、高い伝達効率、優れた集光特性、及び低価格化が実現できる。さらに、ビーム成形時に発生する散乱光のノイズが低減でき、ピックアップの簡素化が実現できる。
【0191】
(第6の実施形態)
本実施形態では、閉じ込めの強い光導波路の構成について述べる。
【0192】
第1の実施形態で説明した光波長変換素子の構造は、光導波路構造としても有効な構造である。そこで、図9に示した光波長変換素子における光導波路の特性について説明する。
【0193】
具体的には、図22(h)に示すように、LiTaO3基板の上にプロトン交換層からなる光導波路が形成され、さらにその上にNb2O5からなるクラッド層が形成されている光波長変換素子に、波長約860nmの光を導波させて、導波光の電界分布の観測を行った。比較のために、Ta2O5からなるクラッド層が形成されている装荷型光導波路(図22(g)参照)の導波光の電界分布も測定した。波長約860nmの光に対する屈折率は、プロトン交換層(光導波層)が約2.16、Ta2O5層が約2.0、Nb2O5層が約2.25である。
【0194】
厚さ約2μmのプロトン交換層の上に厚さ約300nm且つ幅約5μmのストライプ状のクラッド層を形成した装荷型光導波路の電界分布を、図22(a)〜(f)を参照して説明する。
【0195】
まず最初に、深さ方向の分布から説明する。図22(a)及び(b)は、Ta2O5からなるクラッド層が形成されている装荷型光導波路とNb2O5からなるクラッド層が形成されている装荷型光導波路についての、深さ方向の導波光の電界強度分布であり、図22(c)及び(d)は、それぞれの構造における深さ方向の屈折率分布である。Ta2O5からなるクラッド層が形成されている場合の深さ方向の電界強度分布(図22(c)参照)は、半値全幅で約3μmに広がっているのに対し、Nb2O5からなるクラッド層が形成されている場合の深さ方向の電界強度分布(図22(d)参照)の半値全幅は約2.5μmにまで減少し、光導波路の閉じ込めが大幅に向上している。他の材料(例えば、SiO2やAl2O3)からなるクラッド層についても検討した結果、深さ方向の導波光の電界強度分布は、光導波層の屈折率(約2.16)以下の屈折率を持つクラッド層ではほとんど変わらない。従って、深さ方向の光の閉じ込めを向上させるには、クラッド層として、導波層より屈折率の高い層を形成する必要がある。
【0196】
次に、幅方向の導波光の電界強度分布を、図22(e)及び(f)にそれぞれ示す。幅方向の閉じ込めに関しても、Ta2O5からなるクラッド層が形成されている場合(図22(e)参照)には、半値全幅で約6μm以上に広がっているのに対して、Nb2O5クラッド層(図22(f)参照)では、半値全幅が約5μmまで低減されて、幅方向に閉じ込めの強い光導波路が形成されていることがわかる。
【0197】
以上の結果、導波層より屈折率の高いクラッド層を設けることにより、閉じ込めの強い光導波路が形成できることが明らかになった。閉じ込めの強い光導波路は、導波する光のパワー密度の増大が図れて光の制御効率が向上するため、光導波路を用いた電気光学素子や非線形光学素子に有効である。
【0198】
(第7の実施形態)
ここでは、光波長変換素子の特性をさらに向上する方法を検討する。
【0199】
クラッド層に屈折率の高い層を設けることにより基本波の導波モードの形状を制御することが可能となるので、導波モードの形状制御を容易にするために図23に示す構造を形成する。具体的には、クラッド層を多層膜構造にすることにより、導波モードの制御を容易にする。
【0200】
図23の(a)は、光波長変換素子の斜視図であり、(b)は断面図である。図23の構成は、クラッド層が、SiO2層712とNb2O5層710との多層構造になっている以外は、図9を参照して説明した構成と同じである。対応する構成要素には、対応する類似した参照番号を付しており、その説明を省略する。
【0201】
導波モードのプロファイルを基板表面側に引き寄せ、基本波と第2高調波とのオーバラップを向上させるには、多層膜内に基板より屈折率の高い層が必要である。ここでは、Ta2O5とNb2O5との多層膜によるクラッド層を形成する。多層膜の厚さを制御することにより、オーバラップの向上が図れて変換効率が向上することを確認した。
【0202】
次に、光導波路の屈折率分布を対称化することによる変換効率の向上について述べる。
【0203】
屈折率分布が深さ方向に対して対称な構造になれば、基本波と第2高調波とのオーバラップを大幅に向上させることができる。そのためには、クラッド層として、基板と等しい屈折率を持つ材料が必要となる。基板であるLiTaO3は、860nmの光に対する屈折率が約2.15である。そこで、この値に近い屈折率をもつクラッド層を形成するため、Ta2O5とNb2O5との混合膜をクラッド層に用いた。Ta2O5及びNb2O5の屈折率は、それぞれ約2.0及び約2.25であり、混合比を制御することにより、全体の屈折率を上記の値(2.15)に近づけた。
【0204】
成膜は、Ta2O5及びNb2O5の混合ターゲットを用いるスパッタ蒸着により行う。クラッド層を厚さ約500nmに堆積し、図23の構成による光波長変換素子を作製したところ、オーバラップの増大による変換効率の大幅な向上を確認できた。
【0205】
このように、クラッド層に基板と同じ屈折率の膜を用いることで、光波長変換素子の変換効率向上が達成できる。変換効率の向上は、クラッド層の屈折率がLiTaO3基板の屈折率以上で且つ導波層の屈折率より小さい場合である。
【0206】
(第8の実施形態)
ここでは、耐光損傷強度に優れた光波長変換素子構造について述べる。
【0207】
光損傷とは、光導波路を導波する光により導波路の屈折率が変化し、出力が不安定になる現象で、特に短波長光に対して顕著に表れる。光波長変換素子は基本波を波長変換して短波長の第2高調波(波長:緑〜青〜紫外)を発生させるが、光損傷により導波路の屈折率が変化すると、第2高調波出力が変動して波長変換特性が不安定になる。
【0208】
以下では、光損傷を低減するため構造について行った検討結果を述べる。
【0209】
従来の埋め込み型光導波路を用いた光波長変換素子の耐光損傷性を測定した。基板にLiTaO3を用い、波長約860nmの基本波を波長変換して約430nmの第2高調波の発生を行ったところ、数mWの第2高調波の出力で光損傷が生じ、出力が不安定になることが明らかになった。そこで、光損傷の原因について検討を行った結果、次のことを発見した。
【0210】
第1に、プロトン交換を行うことによりプロトン交換部分の電気伝導度が向上し、これによって耐光損傷強度が向上する。
【0211】
第2に、光損傷は、導波路内部の耐光損傷強度だけでなく、導波路周辺部の耐光損傷強度の影響を受ける。埋め込み型光導波路は、光導波路周辺部の電気伝導度が低く光損傷が生じ易くなっているため、プロトン交換光導波路周辺部において光損傷が発生している。
【0212】
第3に、分極反転周期のデューティ比(分極反転部の幅W/分極反転周期Λ)の不均一性が光損傷特性に影響を与える。光損傷は、光により励起される電界により、電気光学効果を介して屈折率変化が生じる現象である。このため、周期的な分極反転構造により光励起電界を相殺し、屈折率変化を低減することが可能となる。しかし、埋め込み型光導波路では、周期状の分極反転構造のデューティ比が不均一になり易く、光損傷が低出力の第2高調波光に対して生じる。
【0213】
耐光損傷性に関する検討により、光導波路の周辺部の耐光損傷性が、光導波路の特性に影響を与えることが明らかになった。装荷型光導波路では、導波路側面にプロトン交換層を有するため、埋め込み型光導波路の約10倍の耐光損傷強度を持っている。しかし、装荷型光導波路の底面は、通常の埋め込み型光導波路と同様の構造となっている。
【0214】
そこで、図24に示す構造を形成する。図24の(a)は、光波長変換素子の斜視図であり、(b)は断面図である。具体的には、プロトン交換層を多層構造にし、導波層である第1のプロトン交換層805の底面にプロトン濃度の薄い第2のプロトン交換層815を形成する。図24の構成は、プロトン交換層が上記のように多層構造になっている以外は、図9を参照して説明した構成と同じである。対応する構成要素には対応する類似した参照番号を付しており、その説明を省略する。
【0215】
導波層である第1のプロトン交換層805の底面に第2のプロトン交換層815を設けて電気伝導度を高めることで、光導波路の底部を電気伝導度の高い層で覆って、耐光損傷性をより高めることができる。これにより、耐光損傷性は、装荷型光導波路の2倍以上になる。
【0216】
また、本願発明者らの検討により、光損傷強度が分極反転周期にも依存することが明らかになった。周期状の分極反転構造により光励起による電界を相殺する効果があることは既に述べたが、分極反転周期が粗くなると、この効果が薄れてきて光損傷が生じ易くなる。具体的には、分極反転周期が約4μm以下で、耐光損傷性が顕著に増大する。周期約8μm以下でも、基板に対して2倍以上の耐光損傷性の向上が確認できた。しかし、反転周期が約10μm以上になると、分極反転による耐光損傷性の向上は確認できなかった。
【0217】
(第9の実施形態)
前述した実施形態では、高屈折率の導波層を形成する方法として、ピロ燐酸中で基板を熱処理することによりLiTaO3基板中のLi+と酸中のH+とを交換し、基板表面に高屈折率のプロトン交換層を形成していた。以下では、プロトン交換法にさらなる改良を加え、低損失で且つ光損傷に強い光導波路を形成する方法を提供する。
【0218】
ピロ燐酸は、高温での解離定数が大きく、液中での濃度むらが生じ難いために、ピロ燐酸を用いるプロトン交換処理では、屈折率及び厚みの均一な低損失のプロトン交換層が形成できる。しかし、基板中のLiイオンとプロトンの交換量が大きいので、基板表面に化学損傷を与え、基板の非線形定数を極端に劣化させる。そこで、ピロ燐酸を用いたプロトン交換によるプロトン交換量の制御性について検討した。
【0219】
ピロ燐酸のプロトン交換量を制御する方法として、酸を中和して解離定数を低減する方法がある。そこで、燐酸Li塩をピロ燐酸中に加えて、プロトン交換特性の変化を観測した。しかし、燐酸Liをピロ燐酸の10倍以上加えても、プロトン交換特性(交換速度、屈折率)の変化は見られなかった。また、燐酸Liを加えると、溶液の粘度が増して作業性が極端に悪くなる結果となった。
【0220】
そこで、基板表面にプロトン透過膜を設けてプロトン交換を行う方法を提案する。
【0221】
図25(a)及び(b)に、本実施形態の光導波路の製造方法の工程図を示す。 まず、図25(a)に示すように、スパッタ蒸着によりLiTaO3基板901の+C面にTa2O5膜(透過膜)902を堆積する。次に、基板901をピロ燐酸中で熱処理する。Ta2O5膜902を透過してプロトン交換を行うことにより、図25(b)に示すように、Ta2O5膜902とLiTaO3基板901との間に、プロトン交換層903を形成する。このようなTa2O5膜902を介したプロトン交換では、プロトン交換速度や濃度の制御が可能となる。
【0222】
図26は、Ta2O5膜902の厚さとプロトン交換の拡散定数の関係を示した特性要因図である。約260℃でプロトン交換処理を行う場合、拡散定数は、Ta2O5膜の厚さがそれぞれ0nm、100nm及び400nmであるときに、それぞれ0.227μm2/h、0.05μm2/h、及び0.0132μm2/hとなる。これは、プロトン交換速度がTa2O5膜の厚さにより制御されていることを示している。
【0223】
形成されたプロトン交換層を評価したところ、化学損傷が非常に小さく、光導波路の伝搬損失が1/2以下に低減できることが見いだされた。さらに、耐光損傷強度が2倍以上に向上し、特性の優れた光導波路が形成されていることが確認された。
【0224】
また、プロトン交換濃度を下げることで、プロトン交換層の非線形性を向上させることができる。プロトン交換を行うと、LiTaO3やLiNbO3等の材料にはプロトン交換層が形成され、ステップ状の高屈折率層が形成される。プロトン交換層は、交換濃度が高くなると、非線形性が基板の半分以下に劣化することが知られている。非線形性を回復するには、プロトン交換層をアニール処理してプロトン交換濃度を下げる必要があるが、アニール処理を行うとプロトン交換層が熱拡散により広がり、屈折率分布がステップ状からグレーディッド状に変化してしまう。このため、光波長変換素子等へ応用する場合には、導波モードの電界分布形状のコントロールが難しくなり、変換効率低下の原因になっていた。しかし、Ta2O5膜を透過膜として用いることでプロトン濃度分布の制御が可能となるので、ステップ形状の屈折率分布を有する高非線形性を保った光導波路の形成が可能となる。
【0225】
非線形性の劣化を防ぐTa2O5膜の厚さとしては、最低でも約500nm以上必要である。この方法を用いて光波長変換素子を形成することにより、変換効率の大幅な向上が可能となる。
【0226】
また、図26に示すように、Ta2O5膜の厚さが約100nm以下になると、膜厚に対する拡散定数の変化が大きくなり、プロトン交換の深さを制御するためにTa2O5膜の厚さの精密なコントロールが必要となって、実質的に制御が難しくなる。さらに、Ta2O5膜の厚さが約50nm以下では、化学損傷の低減効果が少ない。一方、Ta2O5膜の厚さが増大すると、拡散定数が低下し、プロトン交換時間が長くなって生産性が悪くなる。
【0227】
このため、Ta2O5膜の厚さは、約1μm以下が適当である。すなわち、高非線形導波路を形成するには約500nm〜約1000nmの厚さの透過膜(Ta2O5膜)が必要であり、プロトン交換速度の制御を行うには、約50nm〜約100nm程度が適当である。
【0228】
さらに、Ta2O5透過膜とプロトン交換選択マスクを組み合わせることにより、プロトン交換形状を大幅に変化させることが可能となり、導波モードの電界分布の制御が可能となる。
【0229】
具体的には、まず図27(a)に示すように、LiTaO3基板910の+C面に、厚さ約60nmのTa膜911で、ストライプ状のマスクパターン911を形成する。次に、図27(b)に示すように、マスクパターン911の上に厚さ約400nmのTa2O5層912を堆積する。さらに、ピロ燐酸中で熱処理して、Ta2O5層912を介したプロトン交換処理を行う。このとき、図27(c)に示すように、Taマスクパターン911によって覆われていない部分のみに、ストライプ状のプロトン交換層913が形成される。プロトン交換処理は、約260℃で約4時間行う。
【0230】
図28(a)及び(b)には、プロトン交換プロファイルの断面図を示す。図28(a)は、Ta2O5透過膜が無い場合であり、(b)は、厚さ約400nmのTa2O5透過膜912を介してプロトン交換を行った場合である。図28(b)に示すようにTa2O5透過膜912を設けることにより、Taマスク911のエッジ部分のみでプロトン交換が進み、中央部分では拡散速度が遅くなる。そのため、プロトン交換層913の深さが、両サイドで深くなる。これは、Taマスク911のエッジ部分ではTa2O5透過膜912が薄くなるため、この部分のプロトン交換速度が速くなるためと考えられる。
【0231】
このようなプロトン交換処理によって形成された光導波路では、2ピークを有する2次伝搬モードを選択的に励起することが可能となり、2ピークの光出力を取り出せる。これより、光コンピュータ、作動検出用の計測装置、光ディスクの検出における位置修正用の検出光として、2ビームの出力を利用できる。また、光分波器に応用することにより、導波光を2つの導波路に効率よく分波できる。
【0232】
また、プロトン交換速度のTa2O5透過膜の厚さへの依存性を利用して、プロトン交換プロファイルの制御が可能となる。通常は、厚さの異なるプロトン交換層を1ウェハ上に形成するには、適切なパターンのプロトン交換マスクを形成して部分的にプロトン交換を行う工程を、繰り返し行う必要がある。しかし、Ta2O5透過膜を用いることで、厚さの異なるプロトン交換層を1回のプロトン交換工程で同時に形成することが可能となる。例えば、図29に示すように、Taマスクパターン911とともに使用するTa2O5透過膜912の厚さを部分的に変えることにより、1回のプロトン交換処理で厚さの異なる複数のプロトン交換層913を基板910に形成できる。さらに、Ta2O5透過膜912の厚さをテーパ状に変化させることにより、深さがテーパ状に変化したプロトン交換層の形成も可能となる。
【0233】
以上の方法を用いれば、プロトン交換層の分布を自由に変えることができて、プロセスの簡素化が行える。
【0234】
次に、長時間にわたるプロトン交換が可能な、耐酸性に優れたマスクについて説明する。
【0235】
LiTaO3、LiNbO3などに深いプロトン交換層を形成するには、長時間のプロトン交換が必要である。例えば、LiTaO3に約2μm以上の深さのプロトン交換層を形成するには、一般に約260℃で約4時間以上のプロトン交換処理が必要となる。ところが、上記のようにして選択的なプロトン交換を行うには、高温で長時間のプロトン処理に耐えるマスクが必要となる。しかし、従来技術によれば、耐酸性に優れたTaマスクを用いても、1時間以上のプロトン交換は難しい。
【0236】
これに対して本願発明者らは、金属膜上に酸化膜を堆積することで、長時間のプロトン交換が可能な耐酸性に優れたマスクが得られることを見い出した。具体的には、Ta膜を約60nm堆積した後に、その表面にTa2O5透過膜を厚さ約400nm堆積する。これによって、プロトン交換を4時間以上行ってもマスクは十分な耐プロトン性を示し、マスクの下の基板は全くプロトン交換されていないことが確認された。このように、金属マスク上に酸化膜を堆積することにより、耐酸性に優れたプロトン交換マスクが実現できた。
【0237】
なお、本実施形態では透過膜としてTa2O5を用いているが、他にNb2O5、SiO2、TiO2、Al2O3、LiNbO3、LiTaO3などの耐酸性に優れた酸化膜を用いれば、同様の効果が得られる。
【0238】
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10〜15の実施形態による光導波路及び光波長変換素子の製造方法における、エッチング速度について説明する。
【0239】
加工が困難で溶剤に腐食され難い構造的及び化学的に安定な基板、例えば石英等は、ウェットエッチング、ドライエッチング、反応性イオンエッチング等のエッチング手段を用いても、高精度にエッチングすることは困難である。このような基板は、エッチングにおいてレジストバターンとの選択比が小さく、微細な形状をエッチングする場合には、深いエッチング形状を形成することが困難である。
【0240】
これに対して、本発明の以下の光導波路及び光波長変換素子の製造方法においては、エッチングする部分のみを選択的にイオン交換することにより基板の特性を変えて、エッチング速度を向上させている。例えば、LiNbO3、LiTaO3等の基板を酸中で熱処理すると、結晶中のLi原子とプロトン(+H)が交換されて、プロトン交換層が形成される。プロトン交換層では原子間の結合が元の結晶に比べて弱くなっており、エッチングされ易い状態となっている。この結果、プロトン交換層は、ウエットエッチング、ドライエッチング、反応性イオンエッチング等により、容易にエッチングされる。したがって、本発明の光導波路及び光波長変換素子の製造方法においては、エッチングする部分のみに選択的にイオン交換を施し、この部分をエッチングすることにより、選択比の高い高精度のエッチング処理が可能となる。このため、本発明の製造方法によれば、均一な品質を有する光導波路及び光波長変換素子の形成が可能となる。
【0241】
次に、導波方向に直交するように一定周期毎に分極反転構造を有する光波長変換素子の製造方法における、導波路の表面に発生する凹凸について説明する。
【0242】
従来の製造方法においては、光導波路の表面はエッチングにより凹凸が形成されて、光の伝搬損失が大きい。この理由は、光導波路の表面における分極反転部分と非反転部分で結晶面が異なるため、エッチング速度に違いが生じるためである。しかし、このような周期的な分極反転構造を有する面に対してイオン交換処理を施すと、そのイオン交換部分においては、周期的に分極反転構造を有する面であっても凹凸が発生しないことが発見された。そこで、エッチングする部分のみに選択的にイオン交換処理を行った後にエッチングすることにより、光導波路表面の凹凸をなくし、光の伝搬損失の少ない高効率の光導波路を有する光波長変換素子の製造が可能となる。
【0243】
次に、本発明の製造方法により作製された光導波路及び光波長変換素子における光損傷について説明する。
【0244】
従来の埋め込み型光導波路では、光導波路を伝搬する光の電界分布が、光導波路より外部へ染みだしている。このため、強い光が導波路を伝搬した場合、導波路の外周部分において、光損傷(光があたることにより物質の屈折率が変化する現象)が生じる。しかし、本発明の製造方法により作製されたリッジ型の光導波路においては、光導波路の表面にリッジ型の導波層が形成されているため、光の電界分布の染みだしが小さくなる。この結果、本発明による光導波路は、光損傷に対し強い構造となる。
【0245】
また、光損傷による屈折率変化は、光の照射により結晶中の不純物から電荷が発生し、結晶内部に電界を生じることにより誘起される。しかし、導波路近傍にイオン交換部分を形成すると、このイオン交換部分において電気伝導度が高くなり、内部電界の発生を抑圧することが可能となる。そこで、本発明の製造方法により形成された構造では、光導波路の表面にリッジ型のイオン交換層を形成しているため、光損傷の発生が抑圧される。
【0246】
次に、本発明の光波長変換素子における電界分布の重なりについて説明する。
【0247】
光波長変換素子において、基本波と第2高調波の電界分布の重なりが変換効率に大きく影響する。本発明による光波長変換素子においては、光導波路の表面にリッジが形成されているために屈折率分布がステップ状となり、従来の埋め込み型光導波路に比べて、基本波と第2高調波の重なりを大きくすることができる。さらに、光導波路の表面近傍にイオン濃度の高い層が形成されているため、深さ方向の電界の重なりも大きくなり、本発明による光波長変換素子は、高い変換効率を有する。
【0248】
図30(a)〜(f)は、本発明の第10の実施形態における光導波路の製造方法を示す図であり、それぞれ、光の導波方向と直交する面にそった断面図である。
【0249】
まず、図30(a)に示すように、非線形光学物質であるC板のLiTa03単結晶基板1001(結晶のC軸に垂直な面で切り出した基板、以下では、「基板1001」と略称する)を、約200℃〜約300℃のピロ燐酸液中に数分間浸してプロトン交換を行い、基板1001の表面に帯板状の1次プロトン交換層1002を形成する。
【0250】
次に、基板1001に対して約400℃〜約450℃でアニール処理を行い、1次プロトン交換層1002の全部を、図30(b)に示すように帯板状のアニール処理プロトン交換層1006にする。
【0251】
次に、基板1001の表面である+C面上に、厚さ約60nmのTa層をスパッタリング又は蒸着により堆積させる。その後、フォトリソグラフィ法とCF4雰囲気中のドライエッチングによって、所定幅の直線状のTa層1003を形成する。
【0252】
さらに、Ta層1003を保護マスクとして非マスク部分を再度プロトン交換し、図30(d)に示すように、アニール処理プロトン交換層1006の表面から所定の深さでの2次プロトン交換層1005を形成する。
【0253】
次に、基板1001の表面にネガレジスト(不図示)を塗布した後に、裏面より紫外線を照射してネガレジストを露光して現像し、図30(e)に示すように直線状のTaマスク1003の上にレジストパターン1004を形成する。このとき、直線状のTa層1003が保護マスクとなって非マスク部分のみ露光されるため、Ta層1003の上のみに、所定幅を有した直線状のレジストパターン1004が、選択的に形成される。
【0254】
次に、形成されたレジストパターン1004とTa層1003を保護マスクとしてCHF3雰囲気中でドライエッチングを行い、非マスク部分の2次プロトン交換層1005をエッチングで除去する。さらに、基板1001をフッ酸:硝酸=1:2の液中に数秒間浸して、残留するTa層1003及びレジストパターン1004を除去する。その後に、光導波路の入出射面となる両端面を光学研磨して、図30(f)に示すようなリッジ1007を有する光導波路が製造される。
【0255】
なお、リッジ1007の側面には、プロトン交換部分1008が形成されている。プロトン交換部分1008は、Ta層1003の保護マスクを用いて2次プロトン交換層1005を形成する際に、プロトンの横方向への拡散により形成される。このプロトン交換部分1008はアニールされていないため、アニール処理されたプロトン交換層1006に比べてプロトン濃度か高く、屈折率変化も大きくなっている。
【0256】
上記の製造方法におけるエッチングについて説明する。
【0257】
上記の製造方法において、エッチング部分のみがTa層1003を保護マスクとして選択的にプロトン交換されるため、エッチング速度は従来に比べて飛躍的に向上しており、また、プロトン交換部分のみが確実にエッチングされるため、導波部分にプロトン交換による影響を全く与えることがない。
【0258】
【表3】
【0259】
表3は、LiTaO3におけるCHF3雰囲気中でのエッチング速度を比較したデータであり、各種エッチング対象基板のエッチング速度、及びレジストパターンに対する選択比を示している。ここで選択比は、プロトン交換したLiTaO3基板の値によって規格化した値を示している。表3におけるエッチング対象基板は、LiTaO3基板、プロトン交換した後にアニール処理したLiTaO3基板、及びプロトン交換したLiTaO3基板の3種類である。
【0260】
表3に示すように、LiTaO3基板をプロトン交換処理することにより、他の基板に比べてレジストパターンに対して高い選択比(5倍)がとれる。このため、プロトン交換したLiTaO3基板では、他の基板に比べて微細かつ深い形状を形成するエッチングが可能となる。
【0261】
次に、上記の製造方法において、プロトン交換を用いることによりエッチングの深さを高精度に制御できることを説明する。
【0262】
一般的なドライエッチング装置においては、エッチングの厚み制御は±数%の誤差を有する。このため、このようなドライエッチング装置を用いて光導波路を製造する場合には、光導波路の特性がばらつくという問題がある。しかし、本発明に係る上記の光導波路の製造方法を用いることにより、エッチング深さは高精度に制御可能である。その理由を以下に記載する。
【0263】
上記の表3に示したように、エッチング速度は、プロトン交換部分とアニールしたプロトン交換部分とで大きく異なっている。このため、本発明の製造方法において、プロトン交換層のエッチングか終了してアニール処理部分に達すると、エッチングの速度は急速に低下し、実質的にエッチングは停止状態となる。従って、エッチング深さは、プロトン交換層の深さとほぼ一致する。また、プロトン交換層の深さは、±1%以下の精度で制御することか可能である。このため、エッチング深さの制御は、プロトン交換層の深さの制御と同等の±1%以下の制御が可能である。
【0264】
さらに、プロトン交換したLiTaO3基板はレジストパターンに対して高い選択比を有しているため、エッチング時に、レジストパターンの形状は確実に保持されている。このため、本発明の製造方法において、プロトン交換していないLiTaO3基板をエッチングする場合に比べ、プロトン交換したLiTaO3基板では、より垂直に近いエッチング形状が得られる。
【0265】
次に、上記の製造方法におけるセルフアライメントについて説明する。
【0266】
上記の製造方法において、直線状のTa層1003が、2次プロトン交換層1005を形成するための保護マスク、及びネガレジストを露光するためのマスクの両方を兼用している。このため、Ta層1003は、エッチング部分のみを選択的にプロトン交換するための保護マスクとして機能するとともに、レジストパターン1004を裏面から露光してTa層1003の上のみに確実に形成させるためのマスクとしても、機能している。この結果、レジストパターン1004はセルフアライメントでTa層1003の上に正確に形成できるため、上記の製造方法によれば、プロトン交換部分のみを正確にエッチングすることが可能である。この結果、光導波路の均一化及び低損失化を達成することができるので、上記の光導波路の製造方法は、再現性及び量産性に優れた特徴を有している。また、セルフアライメントにより金属マスク上のみに確実にレジストバターンを形成できるため、製造が容易であり、且つ大量生産が可能である。
【0267】
次に、上記の製造方法により製造された光導波路の特性評価実験について説明する。
【0268】
図31は、上記の製造方法により作製された光導波路を示す断面図である。図30(a)〜(f)と同じ構成要素には、同じ参照番号を付している、
この光導波路に、波長約860nmの光を伝搬させて特性評価実験を行った。具体的には、光導波路に波長約860nmの半導体レ−ザの光をレンズを用いて結合させ、導波する光の近視野像を光導波路の出射端面より計測した。この計測結果によれば、上記の光導波路は、リッジ1007の側面のプロトン交換部分1008により強い閉じ込めが可能となり、入射したレ−ザ光に対する光導波路内に閉じ込められる光の分布は、従来技術の構造に比べて数%向上していた。さらに、この光導波路には、幅方向にステップ状の屈折率分布が形成されていることが明らかになった。
【0269】
次に、上記特性評価実験における各特性の測定結果について説明する。
【0270】
最初に、形成された光導波路の伝搬特性について説明する。
【0271】
導波する光の伝搬損失の測定値は約2dB/cmであって、比較的低損失の光導波路が形成された。この値は、LiTaO3基板自身を直接にエッチングした場合の約1/2の値であり、上記の製造方法によって低損失の光導波路が形成されることが理解できる。
【0272】
次に、形成された光導波路の非線形性に関する測定結果について説明する。
【0273】
LiTaO3基板がプロトン交換されると非線形光学定数や電気光学定数などが大きく悪化し、プロトン交換したLiTaO3基板を有する光導波路を非線形光学素子及び電気光学素子等に適用する際の大きな問題となっていた。しかし、プロトン交換したLiTaO3基板の光導波路をさらに高温でアニール処理することにより、プロトン濃度が低下し、各定数も通常のLiTaO3基板と同等の値まで回復することが確認された。
【0274】
本実施形態の製造方法により製造した光導波路の非線形光学定数の測定結果より、この光導波路は、アニールしたLiTaO3基板の光導波路とほぼ等しい値の非線形光学定数を有していることを確認できた。この理由は、2次プロトン交換層1005が、エッチングにより除去されて光導波路に影響を与えない部分に選択的に形成されるためである。実際にはリッジ1007の側面に僅かにプロトン交換部分1008が存在するが、光導波路の内部にはプロトン濃度の高い部分が存在しないために、高い非線形特性を維持することができる。
【0275】
次に、形成される光導波路の導波損失特性における測定結果について説明する。
【0276】
リッジ型光導波路の導波損失の原因は、リッジ形状をエッチングした際にその表面に生じる僅かな凸凹である。特に、導波路部分(屈折率:約2.2)と空気層(屈折率:1.0)との間の屈折率差が大きいため、光導波路の表面に凹凸が存在すると、導波損失が大きくなる。この影響を低減するためには、光導波路全体を、空気層より屈折率の高い物質で被う必要がある。
【0277】
そこで、上記で形成されたリッジ型光導波路の全体を空気層の屈折率より高い物質の膜で被覆した際の、被覆膜の屈折率と導波損失との関係を測定した。図32に、その測定結果を示す。図32に示すように、屈折率が1.0より増加すると共に導波損失が低下する。しかし、被覆膜の屈折率が導波路の屈折率を超えると、導波路に光が閉じ込められなくなり、基本波はカットオフされる。このため、被覆膜は、空気層の屈折率(1.0)より大きく且つ光導波路の屈折率(約2.2)より小さい屈折率を有する光透過性材料から形成されることが好ましい。
【0278】
なお、上記の説明では、LiTaO3単結晶基板を用いているが、LiNbO3の単結晶基板、或いは、LiTaO3とLiNbO3との多結晶基板(LiNb1-xTax03(0≦X≦1))でも、上記と同様の効果を得られる。LiNbO3は電気光学定数及び非線形光学定数などが大きいので、多くの分野における光導波路素子(光スイッチ、非線形光学素子、音響光学素子等)に応用されている。したがって、本実施形態の光導波路及び光波長変換素子の製造方法は、これらの応用分野において非常に有効である。
【0279】
さらに、LiTaO3基板の代わりに、MgOを添加したMgO:LiNbO3基板やMgO:LiTaO3基板にも適用できる。これらの材料により形成された基板は光損傷に強いため、高出力の素子が作製できて有効である。
【0280】
さらに、基板としては、KTP基板を用いることもできる。KTPを基板材料とした場合には、イオン交換としてRbイオン交換が用いられて、上記と同様の効果を有する光導波路が形成できる。KTPは耐光損傷性に優れた特性を有しているため、KTP基板の光導波路は、高出力の光導波路として有効である。
【0281】
(第11の実施形態)
図33(a)〜(f)は、本発明の第11の実施形態における光導波路の製造方法を示す図であり、それぞれ、光の導波方向と直交する面にそった断面図である。
【0282】
まず、図33(a)に示すように、非線形光学物質であるC板のLiTa03単結晶基板1101(結晶のC軸に垂直な面で切り出した基板、以下では、「基板1101」と略称する)を、約200℃〜約300℃のピロ燐酸液中に数分間浸してプロトン交換を行い、基板1101の表面に帯板状の1次プロトン交換層1102を形成する。
【0283】
次に、基板1101に対して約400℃〜約450℃でアニール処理を行い、1次プロトン交換層1102の全部を、図33(b)に示すように帯板状のアニール処理プロトン交換層1106にする。
【0284】
次に、基板を再度ピロ燐酸中で熱処理して、図33(c)に示すように、アニール処理プロトン交換層1106の表面から所定の深さまでの2次プロトン交換層1105を形成する。
【0285】
さらに、図33(d)に示すように、2次プロトン交換層1105の上にフォトリソグラフィ法により所定幅の直線状レジストパターン1104を形成する。
【0286】
そして、形成されたレジストパターン1104を保護マスクとして用いて、CHF3雰囲気中でドライエッチングを行い、図33(e)に示すように、非マスク部分の2次プロトン交換層1105をエッチングで除去する。
【0287】
その後に、図33(f)に示すように、残留する直線状の2次プロトン交換層1105の上のレジストパターン1104を除去する。
【0288】
さらに光導波路の入出射面となる両端面を光学研磨して、図面と直交する方向に光が導波する光導波路が製造される。なお、上記の工程で形成されたアニール処理プロトン交換層1106は、典型的にはその深さが約2.5μmであり、最終工程で残存した2次プロトン交換層1105によって形成されるリッジの高さは、典型的には約0.4μmである。
【0289】
上記の製造方法によれば、製造工程が簡便なためにリッジ型光導波路を容易に製造することができる。また、上記の製造方法では、エッチングする部分に2次プロトン交換層1105を形成することによって、前述のようにエッチング部のみの特性を変えて、エッチング速度を飛躍的に向上させている。さらに、エッチングの深さは2次プロトン交換層1105の深さと実質的に一致するため、2次プロトン交換層1105の深さを精度高く形成することにより、エッチング深さを所望の深さに制御できる。このため、本実施形態の製造方法によれば、高い精度でリッジを形成できて品質のそろった光導波路が製造できるとともに、プロトン交換部分が光導波路に悪影響を与えることがほとんど無く、リッジにのみプロトン交換部分を有する光導波路を形成することができる。さらに、本実施形態の製造方法によれば、リッジにはプロトン交換濃度の高い高屈折率層が形成されているため、閉じ込めの強い光導波路が形成できる。
【0290】
さらに、本実施形態の光導波路は、その表面にプロトン濃度の高い部分が形成されているため、優れた耐光損傷性を有する。これは、プロトン濃度の高い部分が基板に比べて高い電気伝導度を有しているので、光損傷の原因となる光励起による自由電荷の偏りに伴う電界の発生が抑圧されるためである。
【0291】
また、光導波路の表面にプロトン濃度の高い部分が形成されているため、光導波路の特性の経時変化が抑圧されている。すなわち、LiNbO3やLiTaO3のアニール処理プロトン交換層においては、屈折率の経時変化が発生するが、本実施形態によれば、さらにプロトン交換を行うことにより、そのような屈折率変化は抑圧される。これは、アニール処理プロトン交換層ではその表面近傍の結晶構造がアニール処理後に徐々に変化するのに対して、その表面部分に再度プロトン交換を施すことにより、その部分の結晶構造が変化するためである。
【0292】
なお、上記の説明では、LiTaO3単結晶基板を用いているが、LiNbO3の単結晶基板、或いは、LiTaO3とLiNbO3との多結晶基板(LiNb1-xTax03(0≦X≦1))でも、上記と同様の効果を得られる。LiNbO3は電気光学定数及び非線形光学定数などが大きいので、多くの分野における光導波路素子(光スイッチ、非線形光学素子、音響光学素子等)に応用されている。したがって、本実施形態の光導波路及び光波長変換素子の製造方法は、これらの応用分野において非常に有効である。
【0293】
さらに、LiTaO3基板の代わりに、MgOを添加したMgO:LiNbO3基板やMgO:LiTaO3基板にも適用できる。これらの材料により形成された基板は光損傷に強いため、高出力の素子が作製できて有効である。
【0294】
さらに、基板としては、KTP基板を用いることもできる。KTPを基板材料とした場合には、イオン交換としてRbイオン交換が用いられて、上記と同様の効果を有する光導波路が形成できる。KTPは耐光損傷性に優れた特性を有しているため、KTP基板の光導波路は、高出力の光導波路として有効である。
【0295】
さらに、上記では光導波路にプロトン交換導波路を用いているが、他に、Ti、Cu、Nd、Cd、Zなどの金属拡散導波路も適用できる。これらの金属拡散導波路は、非線形定数や電気光学定数の劣化が少ないために、優れた特性を有する光学素子が製造できる。
【0296】
(第12の実施形態)
図34(a)〜(g)は、本発明の第10の実施形態で説明した光導波路の製造方法を利用した光波長変換素子の製造方法を示す図であり、それぞれ、光の導波方向と直交する面にそった断面図である。
【0297】
まず、図34(a)に示すように、非線形光学物質であるC板のLiTa03単結晶基板1201(結晶のC軸に垂直な面で切り出した基板、以下では、「基板1201」と略称する)を、約200℃〜約300℃のピロ燐酸液中に数分間浸してプロトン交換を行い、基板1201の表面に帯板状の1次プロトン交換層1202を形成する。
【0298】
次に、基板1201に対して約400℃〜約450℃でアニール処理を行い、1次プロトン交換層1202の全部を、図34(b)に示すように帯板状のアニール処理プロトン交換層1206にする。
【0299】
次に、基板1201の表面である+C面上に櫛形電極1209aを設け、基板1201の裏面である−C面には平面電極1209bを形成する。このように取付けられた両電極間に電圧を印加して、図34(c)に示すように、光導波方向に直交する分極反転層1210が形成される。この分極反転層1210は、櫛形電極1209aの形状に応じた一定周期毎に形成される。
【0300】
さらに、両電極を取り除いた後に、基板1201の+C面上に、厚さ約60nmのTa層をスパッタリング又は蒸着により堆積させる。その後、フォトリソグラフィ法とCF4雰囲気中のドライエッチングによって、図34(d)に示すような所定幅の直線状のTa層1203を形成する。
【0301】
さらに、Ta層1203を保護マスクとして非マスク部分を再度プロトン交換し、図34(e)に示すように、アニール処理プロトン交換層1206の表面から所定の深さでの2次プロトン交換層1205を形成する。
【0302】
次に、基板1201の表面にネガレジスト(不図示)を塗布した後に、裏面より紫外線を照射してネガレジストを露光して現像し、図34(f)に示すように直線状のTaマスク1203の上にレジストパターン1204を形成する。このとき、直線状のTa層1203が保護マスクとなって非マスク部分のみ露光されるため、Ta層1203の上のみに、所定幅を有した直線状のレジストパターン1204が、選択的に形成される。
【0303】
次に、形成されたレジストパターン1204とTa層1203を保護マスクとしてCHF3雰囲気中でドライエッチングを行い、図34(g)に示すように、非マスク部分の2次プロトン交換層1205をエッチングで除去する。さらに、基板1201をフッ酸:硝酸=1:2の液中に数秒間浸して、残留するTa層1203及びレジストパターン1204を除去する。その後に、光導波路の入出射面となる両端面を光学研磨して、図34(g)に示すようなリッジ1207を有する光導波路が製造される。
【0304】
なお、リッジ1207の側面には、プロトン交換部分1208が形成されている。プロトン交換部分1208は、Ta層1203の保護マスクを用いて2次プロトン交換層1205を形成する際に、プロトンの横方向への拡散により形成される。このプロトン交換部分1208はアニールされていないため、アニール処理されたプロトン交換層1206に比べてプロトン濃度が高く、屈折率変化も大きくなっている。
【0305】
本実施形態の製造方法においては、帯板状の光導波路を形成した後に分極反転層1210が形成されるため、分極反転層1210は光導波路形成時の製造工程により影響されることがない。従って、均一な分極反転層1210を確実に形成ができる。
【0306】
通常は、分極反転層をエッチングすると、非分極反転層と分極反転層間でエッチング速度に違いがあるために光導波路の表面に凹凸が形成される。しかし、本実施形態の製造方法では、エッチングすべき分極反転層1210を有する表面には2次プロトン交換層1205が形成されているため、分極反転層1210の表面にエッチングによる凹凸が形成されない。この結果、本実施形態の製造方法は、低損失の光波長変換素子を形成するのに適した製造方法である。
【0307】
さらに、上記の製造方法によれば、2次プロトン交換層1205の深さの制御により、エッチングの深さを精度高く制御できるため、特性のそろった光波長変換素子の製造が可能である。
【0308】
次に、本実施形態の製造方法により製造された光波長変換素子の原理について説明する.
図35は、本実施形態の製造方法により製造された光波長変換素子の構造を示す斜視図である。図34(a)〜(g)と同じ構成要素には同じ参照番号を付しており、その説明は省略する。
【0309】
図35の光波長変換素子は、擬似位相整合型の第2高調波発生素子であり、光導波路内の光の伝搬の方向に周期的に形成された分極反転層1210により、光導波路を伝搬する基本波が半分の波長の第2高調波に変換される。例えば、波長860nmの赤外光をこの光導波路に入射すれば、半分の波長の430nmの青色光が出射される。光波長変換素子の特性は、光導波路の非線形光学定数、及び光導波路を伝搬する基本波と第2高調波との電界の重なりに大きく依存している。
【0310】
次に、上記の製造方法により製造された光波長変換素子の特性評価結果について説明する。
【0311】
最初に、リッジ型の光導波路を有する光波長変換素子の導波モード(基本波と第2高調波)の重なりについて説明する。
【0312】
本実施形態の光波長変換素子の評価実験において、光導波路を伝搬する導波光の近視野像を観測して、導波光の電界分布の横方向(図35におけるX方向)の重なりを求めた。図36(a)及び(b)は、基本波光及び第2高調波光の光導波路における強度分布を示すグラフであり、図36(a)は従来の埋め込み型導波路の場合を示し、図36(b)は本実施形態のリッジ型光導波路の場合を示している。これらのグラフより、横方向の重なりは、従来の埋め込み型光導波路の強度分布に比べて、本実施形態のリッジ型光導波路で非常に大きくなっていることが分かる。この理由は、リッジ型光導波路の屈折率分布がリッジ1207によってステップ状になるとともに、リッジ1207の側面に形成されたプロトン交換部分1208が高屈折率部となって、光導波路の閉じ込めに大きく貢献しているためである。この結果、リッジ型光導波路を用いた本実施形態の光波長変換素子では、従来の埋め込み型光導波路を用いた光波長変換素子に比べて、変換効率が1.5倍に向上した。
【0313】
次に、本実施形態で製造された光波長変換素子における耐光損傷性について説明する。
【0314】
光導波路における光損傷は、光導波路等の光の閉じ込めの強い場所で発生しやすい。また、このような光損傷の発生は、光の波長が短い程、顕著になる。従来の光波長変換素子においては、第2高調波の発生により光損傷が生じて、出力持性か不安定になる。そこで、従来の埋め込み型光導波路においては、耐光損傷性に優れるとともに基板に比較して大きな耐光損傷強度を有するプロトン交換したLiTaO3が用いられていた。しかし、従来の埋め込み型光導波路では、導波する光がプロトン交換領域以外の部分へも染み出すため、導波路の外周部で光損傷が生じて、結果として高出力の第2高調波を発生させることは困難であった。
【0315】
これに対して、本実施形態の製造方法により製造された光波長変換素子について耐光損傷性の評価実験を行ったところ、従来の埋め込み型光導波路を用いた光波長変換素子の10倍以上の耐光損傷性を有していた。その理由は、リッジ型光導波路を用いた光波長変換素子は、光導波路の表面にリッジ形状のプロトン交換層を形成して、光導波路からの光の染みだしを抑制しているためである。また、プロトン交換層は電気伝導度が高いため、光損傷の原因となる光励起自由電子の偏りによる電界の発生を抑圧している。このため、本実施形態の波長変換素子では、導波路の表面に形成されたリッジ形状のプロトン交換層により、耐光損傷性に優れた導波路構造が実現されている。さらに、本実施形態の光波長変換素子では、リッジ1207の側面に形成されたプロトン交換部分1208が高いプロトン濃度を有して電気伝導度を高めているため、この点でも耐光損傷性が向上している。
【0316】
次に、本実施形態の光波長変換素子の変換効率について説明する。
【0317】
リッジ型光導波路において、リッジ1207の側面に微細な凹凸が形成されると導波損失が大きくなる。このような導波損失を低減するするために、前述の第10の実施形態では、空気層の屈折率より高く且つ光導波路の屈折率より低い膜で、光導波路を覆う。このような被膜は、本実施形態の波長変換素子についても有効である。
【0318】
また、本実施形態の光波長変換素子では、リッジ型光導波路を用いることにより、光導波路における横方向の伝搬光の重なりを大きくすることが可能になっている。しかし、光導波路における深さ方向(図35におけるZ方向)の光の強度分布の重なりはあまり改善されておらず、高効率の光導波路を有する光波長変換素子を形成するためには、その深さ方向の重なりを大きくする必要が有る。そこで、深さ方向の導波光の強度分布を制御する方法として、光導波路のリッジ1207の表面に高屈折率層を形成する(すなわち、リッジ1207の表面のみを選択的に屈折率の高い層で覆う)。このように高屈折率の膜をリッジ1207の表面に形成することにより、光導波路の深さ方向の閉じこめを強くして、導波モード間の重なりを大きくすることができる。
【0319】
図37(a)及び(b)は、光波長変換素子における基本波と第2高周波の深さ方向の重なり状態を示した状態図であり、(a)は前述の本実施形態の製造方法により製造された光波長変換素子における導波モード間の重なり状態を示し、(b)は、リッジ1207の表面にさらに高屈折率層1220を形成した光波長変換素子における導波モード間の重なり状態を示す。
【0320】
図37(b)に示した光波長変換素子で、リッジ1207の表面上のみに選択的に形成した高屈折率層1220は、アモルファス状のLiNbO3である。光導波路の閉じ込めを強くするには、光導波路の屈折率より高い屈折率を持つ膜を、リッジ1207の表面上に形成することが有効である。このため、LiTaO3の光導波路の屈折率(約2.15)よりも大きい屈折率(約2.25)を有するアモルファス状のLiNbO3を、高屈折率層1220の構成材料として用いている。高屈折率層1220の厚さは、光導波路を伝搬する第2高調波がこの高屈折率層1220を導波しない程度の厚さ、例えば約100nm〜約500nmとする。この理由は、第2高調波がLiNbO3の表面層を導波すると、この表面層に第2高調波が閉じ込もり、変換効率か大幅に低下してしまうためである。図37(b)に示すように、LiNbO3の高屈折率層1220を有する光波長変換素子では、深さ方向の導波光における基本波と第2高調波間の強度分布の重なりが大きいために、図37(a)に示した光波長変換素子に比べて変換効率が1.3倍向上した。
【0321】
なお、上記の説明では、LiTaO3単結晶基板を用いているが、LiNbO3の単結晶基板、或いは、LiTaO3とLiNbO3との多結晶基板(LiNb1-xTax03(0≦X≦1))でも、上記と同様の効果を得られる。LiNbO3は電気光学定数及び非線形光学定数などが大きいので、多くの分野における光導波路素子(光スイッチ、非線形光学素子、音響光学素子等)に応用されている。したがって、本実施形態の光導波路及び光波長変換素子の製造方法は、これらの応用分野において非常に有効である。
【0322】
さらに、LiTaO3基板の代わりに、MgOを添加したMgO:LiNbO3基板やMgO:LiTaO3基板にも適用できる。これらの材料により形成された基板は光損傷に強いため、高出力の素子が作製できて有効である。
【0323】
さらに、基板としては、KTP基板を用いることもできる。KTPを基板材料とした場合には、イオン交換としてRbイオン交換が用いられて、上記と同様の効果を有する光導波路が形成できる。KTPは耐光損傷性に優れた特性を有しているため、KTP基板の光導波路は、高出力の光導波路として有効である。
【0324】
さらに、基板としては、他にZnS、GaAsなどの半導体基板を用いることもできる。半導体材料は大きな非線形光学定数を有し、製造技術も発達しているため、高出力の光波長変換素子が作製できる。
【0325】
さらに、上記では光導波路にプロトン交換導波路を用いているが、他に、Ti、Cu、Nd、Cd、Zなどの金属拡散導波路も適用できる。これらの金属拡散導波路は、非線形定数や電気光学定数の劣化が少ないために、優れた特性を有する光学素子が製造できる。
【0326】
(第13の実施形態)
図38(a)〜(f)は、本発明の第11の実施形態で説明した光導波路の製造方法を利用した光波長変換素子の製造方法を示す図であり、それぞれ、光の導波方向と直交する面にそった断面図である。
【0327】
まず、図38(a)に示すように、非線形光学物質であるC板のLiTa03単結晶基板1301(結晶のC軸に垂直な面で切り出した基板、以下では、「基板1301」と略称する)を、約200℃〜約300℃のピロ燐酸液中に数分間浸してプロトン交換を行い、基板1301の表面に帯板状の1次プロトン交換層1302を形成する。
【0328】
次に、基板1301に対して約400℃〜約450℃でアニール処理を行い、1次プロトン交換層1302の全部を、図38(b)に示すように帯板状のアニール処理プロトン交換層1306にする。
【0329】
次に、基板を再度ピロ燐酸中で熱処理して、図38(c)に示すように、アニール処理プロトン交換層1306の表面から所定の深さまでの2次プロトン交換層1305を形成する。
【0330】
次に、基板1301の表面である+C面上に櫛形電極1309aを設け、基板1301の裏面である−C面には平面電極1309bを形成する。このように取付けられた両電極間に電圧を印加して、図38(d)に示すように、光導波方向に直交する分極反転層1310が形成される。この分極反転層1310は、櫛形電極1309aの形状に応じた一定周期毎に形成される。
【0331】
さらに、両電極を取り除いた後に、さらに、図38(e)に示すように、基板1301の上にフォトリソグラフィ法により所定幅の直線状レジストパターン1304を形成する。
【0332】
そして、形成されたレジストパターン1304を保護マスクとして用いて、CHF3雰囲気中でドライエッチングを行い、非マスク部分の2次プロトン交換層1305をエッチングで除去する。その後に、図38(f)に示すように、残留する直線状の2次プロトン交換層1305の上のレジストパターン1304を除去する。さらに光導波路の入出射面となる両端面を光学研磨して、光波長変換素子が製造される。なお、上記の工程で形成されたアニール処理プロトン交換層1106は、典型的にはその深さが約2.5μmであり、最終工程で残存した2次プロトン交換層1305によって形成されるリッジの高さは、典型的には約0.4μmである。
【0333】
上記の本実施形態の光波長変換素子の製造方法では、簡便な製造工程で、リッジ型光導波路を有する光波長変換素子を容易に製造できる。さらに、形成される光波長変換素子は、そのリッジがプロトン濃度が高く屈折率変化の大きな2次プロトン交換層1305に設けられているため、光の閉じ込めの強い導波路構造が実現される。
【0334】
さらに、上記の製造方法によれば、2次プロトン交換層1305の深さの制御により、エッチングの深さを精度高く制御できるため、特性のそろった光波長変換素子の製造が可能である。
【0335】
次に、上記の製造方法により製造された光波長変換素子の特性評価結果について説明する。
【0336】
図39は、本実施形態の製造方法により製造された光波長変換素子の構造を示す斜視図である。図38(a)〜(f)と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。具体的には、基板1301の上に、アニール処理プロトン交換層1306が形成されている。このアニール処理プロトン交換層1306の上には、リッジ1307であるプロトン交換部分1380が形成されている。また、光の導波方向と直交するように、一定周期毎に分極反転層1310が形成されている。プロトン交換部分1380は、プロトン交換時に形成されたプロトン濃度の高い2次プロトン交換層1305の一部分である。
【0337】
上記の構成を有する光波長変換素子は、リッジ1307として屈折率の高いプロトン交換層1305を有するため、深さ方向の導波モード間(基本波と第2高調波)の電界分布の重なりが大きく、高効率の光波長変換素子となっている。以下に、その理由を述べる。
【0338】
図40は、リッジの厚さと光波長変換素子の変換効率との関係を示したグラフである。図40の(a)、(b)及び(c)は、リッジの高さの異なる3種類の光波長変換素子における各導波モード間(基本波と第2高調波)の厚さ方向の重なりを示している。
【0339】
図40の(a)に示す光波長変換素子では、リッジ1307が非常に薄く、実質的には表面に高屈折率層が存在しない。この場合には、導波路の屈折率分布がグレーデイッド状(中心部の屈折率か高く、外周部分の屈折率か低い状態)になり、基本波と第2高調波の重なりが小さくて、変換効率が低い。
【0340】
図40の(b)に示す光波長変換素子では、やや厚いリッジ1307が設けられている。このような表面における高屈折率層により、基本波の強度分布が表面近傍に引き寄せられ、基本波と第2高調波の重なりか増大して、高い変換効率か得られる。具体的には、図40の(b)に示す光波長変換素子の変換効率は、リッジに高屈折率層を形成しない場合に比べて約1.5倍に増大しており、変換効率の高効率化を達成するためにはリッジに高屈折率層を形成することが有効な手段であることが、明らかである。
【0341】
図40の(c)に示す光波長変換素子では、さらに厚い高屈折率層が設けられて、基本波と第2高調波の重なりが増大している。このとき、基本波及び第2高調波は、いずれも、表面の高屈折率層ではカットオフされている。しかし、図40の(c)の光波長変換素子では、第2高調波が高屈折率層を導波するので、変換効率は逆に低下している。この理由は、高屈折率層におけるプロトン濃度が高く非線形光学定数か劣化しているために、この高屈折率層では高効率の波長変換が生じないからである。
【0342】
従って、高効率の光波長変換素子を構成するためには、リッジの厚さを第2高調波のみがカットオフとなる程度にするのが望ましい。
【0343】
さらに、本実施形態の光波長変換素子では、光導波路の表面にプロトン濃度の高い部分が形成されているため、優れた耐光損傷性を有する。これは、プロトン濃度の高い部分が基板に比べて高い電気伝導度を有しているので、光損傷の原因となる光励起による自由電荷の偏りに伴う電界の発生が抑圧されるためである。
【0344】
また、光導波路の表面にプロトン濃度の高い部分が形成されているため、光導波路の特性の経時変化が抑圧されている。すなわち、LiNbO3やLiTaO3のアニール処理プロトン交換層においては、屈折率の経時変化が発生するが、本実施形態によれば、さらにプロトン交換を行うことにより、そのような屈折率変化は抑圧される。これは、アニール処理プロトン交換層ではその表面近傍の結晶構造がアニール処理後に徐々に変化するのに対して、その表面部分に再度プロトン交換を施すことにより、その部分の結晶構造が変化するためである。
【0345】
なお、上記の説明では、LiTaO3単結晶基板を用いているが、LiNbO3の単結晶基板、或いは、LiTaO3とLiNbO3との多結晶基板(LiNb1-xTax03(0≦X≦1))でも、上記と同様の効果を得られる。LiNbO3は電気光学定数及び非線形光学定数などが大きいので、多くの分野における光導波路素子(光スイッチ、非線形光学素子、音響光学素子等)に応用されている。したがって、本実施形態の光導波路及び光波長変換素子の製造方法は、これらの応用分野において非常に有効である。
【0346】
さらに、LiTaO3基板の代わりに、MgOを添加したMgO:LiNbO3基板やMgO:LiTaO3基板にも適用できる。これらの材料により形成された基板は光損傷に強いため、高出力の素子が作製できて有効である。
【0347】
さらに、基板としては、KTP基板を用いることもできる。KTPを基板材料とした場合には、イオン交換としてRbイオン交換が用いられて、上記と同様の効果を有する光導波路が形成できる。KTPは耐光損傷性に優れた特性を有しているため、KTP基板の光導波路は、高出力の光導波路として有効である。
【0348】
さらに、基板としては、他にZnS、GaAsなどの半導体基板を用いることもできる。半導体材料は大きな非線形光学定数を有し、製造技術も発達しているため、高出力の光波長変換素子が作製できる。
【0349】
さらに、上記では光導波路にプロトン交換導波路を用いているが、他に、Ti、Cu、Nd、Cd、Zなどの金属拡散導波路も適用できる。これらの金属拡散導波路は、非線形定数や電気光学定数の劣化が少ないために、優れた特性を有する光学素子が製造できる。
【0350】
なお、本発明における光導波路の構成は、例えばファイバ状の導波路に適用することもできる。その場合には、光学材料によって形成される円筒状コアが上記の説明における光導波層に相当し、そのコアの表面を覆うように、上述の特徴を有するクラッド層が形成されている。
【0351】
【発明の効果】
以上に説明したように、光導波路上にクラッド層を設け、光導波路を伝搬する基本モードの基本波と一部がクラッド層を導波する高次モードの第2高調波との間で位相整合をとることにより、モード間のオーバラップを高めて変換効率を大幅に向上することができるので、実用上、大きな効果が得られる。
【0352】
また、屈折率の高い材料でクラッド層を形成することにより、導波路の幅方向の閉じ込めも、強くすることができる。これによって、導波路から出射される光の出射角を幅方向と深さ方向でほぼ等しくすることができて、出射ビームのアスペクト比を改善し、光の利用効率を大幅に向上させることができる。これによって、実用上、大きな効果が得られる。
【0353】
また、光波長変換素子において、高屈折率層と基板より屈折率を有するクラッド層とを設けることにより、光導波路を伝搬する光の閉じ込めを強くして、光のパワー密度を向上することができる。さらに、これによって、光導波路内を伝搬する基本波と高調波との電界分布のオーバラップが増大するため、変換効率を大幅に向上することが可能となり、実用上、大きな効果が得られる。
【0354】
また、本発明の光波長変換素子の構造により、光損傷による第2高調波出力の変動を大幅に低減することが可能となる。これにより、高出力で安定な第2高調波出力が得られるようになり、実用上、大きな効果が得られる。
【0355】
さらに、本発明によれば、高屈折率のクラッド層により電界分布の制御が可能となるので、光導波路を伝搬するモードプロファイルの制御性が向上する。これによって、第2高調波出力の放射パターンのアスペクト比を1に近づけることが可能となり、光の利用効率が大幅に向上し、実用上、大きな効果が得られる。
【0356】
さらに、光導波路の製造方法として、プロトン交換時に透過膜を通してプロトン交換を行うことにより、プロトン交換層表面の化学損傷を低減できる。これによって、導波損失の小さな光導波路が形成できて、実用上、大きな効果が得られる。
【0357】
また、透過膜の厚さの制御によって形成されるプロトン交換層の厚さをコントロールすることができるため、1回のプロトン交換処理により異なった深さを有するプロトン交換層が形成できる。さらに、形成されるプロトン交換層の形状を透過膜の形状により制御できるため、作業の単純化、プロセス工程の削減による量産性の向上が可能となり、実用上、大きな効果が得られる。
【0358】
さらに、本発明の光導波路及び光波長変換素子の製造方法では、金属マスクを用いてエッチング部分のみを選択的にプロトン交換し、さらに金属マスク上にレジストバターンを裏面露光により形成してエッチングすることにより、容易に光導波路を形成できる。また、上記製造工程において、エッチング部分をイオン交換にすることにより、エッチング速度及びエッチング精度の向上を達成することができ、品質のそろった光導波路の形成か可能となる。
【0359】
さらに、製造された光導波路は、低損失で且つ耐光損傷性に優れ、導波路を伝搬する導波モードの電界分布の最適化が図られており、高効率且つ高出力の光波長変換素子へ適用が可能である。
【0360】
例えば、第10の実施形態の製造方法によれば、エッチングの深さを高精度に制御できるため、光導波路の均一化及び導波損失の低減化を達成することができる。第11の実施形態における製造方法では、リッジにプロトン交換濃度の高い高屈折率層を形成して、光の閉じ込めの強い素子を実現するとともに、耐光損傷性に優れた光導波路を容易に製造することができる。さらに、第12の実施形態によれば、光導波路表面にリッジを形成し、このリッジに高屈折率部分を形成することによって、高い変換効率を有し、且つ耐光損傷性に優れた光波長変換素子を得ることができる。また、第13の実施形態に示した製造方法によれば、エッチングの深さを高精度に制御できるため、均一な品質を有する光波長変換素子を容易に製造できるとともに、変換効率の高い光波長変換素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、従来の埋め込み型光導波路の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】(a)は、従来の光波長変換素子の構成の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の線2B−2Bにおける断面図であり、(c)は、(a)の線2C−2Cにおける断面図である。
【図3】従来の光波長変換素子の構成の他の一例を示す斜視図である。
【図4】従来の光波長変換素子の構成のさらに他の一例を示す斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は、光導波層の導波モードと分極反転層とのオーバラップを模式的に示す図である。
【図6】(a)は、光導波路の模式的な断面図であり、(b)は、(a)の構成における導波モードの電界分布を表す図である。
【図7】(a)〜(d)は、様々な構成の光導波路の模式的な断面図とそれぞれの構成における導波モードの電界分布を表す図である。
【図8】クラッド層及び光導波層における屈折率比と第2高調波強度比との関係を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における光波長変換素子の構成を示す図である。
【図10】基本波と第2高調波とのオーバラップを表す図である。
【図11】(a)及び(b)は、それぞれクラッド層を有する光波長変換素子の構成を示す断面図であり、(c)及び(d)は、それぞれ(a)及び(b)の構成における導波光の電界強度分布を示す図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態における光波長変換素子の製造工程を説明する断面図である。
【図13】 LiTaO3及びNb2O5の屈折率分散特性を表す図である。
【図14】導波光の波長及びクラッド層の厚さに対する、導波モードの特性を表す図である。
【図15】(a)〜(c)は、異なる厚さのクラッド層に対する導波モードの電界分布を表す図である。
【図16】(a)〜(d)は、光の伝搬状態(基本波及び第2高調波の導波モード)を説明するための図である。
【図17】クラッド層の屈折率と厚さとの関係を表す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態における光波長変換素子の構成を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施形態における光波長変換素子の構成を示す図である。
【図20】短波長光源の構成を示す図である。
【図21】光ピックアップの構成を示す図である。
【図22】(a)〜(h)は、異なる材料から構成されたクラッド層が形成されている場合の導波モードの電界分布を説明するための図である。
【図23】本発明の第7の実施形態における光波長変換素子の構成を示す図である。
【図24】本発明の第8の実施形態における光波長変換素子の構成を示す図である。
【図25】(a)及び(b)は、本発明の第9の実施形態における光導波路の製造工程を説明する断面図である。
【図26】 Ta2O5透過膜の厚さと拡散定数との関係を表す図である。
【図27】(a)〜(c)は、本発明の第9の実施形態における光導波路の他の製造工程を説明する断面図である。
【図28】(a)及び(b)は、形成されるプロトン交換層の断面図である。
【図29】透過膜を用いるプロトン交換処理で形成されるプロトン交換層の他の断面図である。
【図30】(a)〜(f)は、本発明の第10の実施形態における光導波路の製造工程を説明する断面図である。
【図31】光導波路の構成を示す断面図である。
【図32】図31の光導波路の表面に形成される層の屈折率と導波損失との関係を示す図である。
【図33】(a)〜(f)は、本発明の第11の実施形態における光導波路の製造工程を説明する断面図である。
【図34】(a)〜(g)は、本発明の第12の実施形態における光波長変換素子の製造工程を説明する断面図である。
【図35】光波長変換素子の構成を示す斜視図である。
【図36】(a)及び(b)は、光導波路を伝搬する光の横方向強度分布を示す図である。
【図37】(a)及び(b)は、光導波路を伝搬する光の深さ方向強度分布を示す図である。
【図38】(a)〜(f)は、本発明の第13の実施形態における光波長変換素子の製造工程を説明する断面図である。
【図39】光波長変換素子の構成を示す斜視図である。
【図40】光波長変換素子におけるリッジの厚さと変換効率との関係を示す図である。
【符号の説明】
101 LiTaO3基板
104 分極反転層
105 プロトン交換層
106 基本波光
107 第2高調波光
108 分極反転層の周期Λ
109 分極反転層の幅W
110 クラッド層
111 カバー層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical waveguide used for optical information processing or optical applied measurement using a coherent light source, an optical wavelength conversion element using the optical waveguide, and a manufacturing method thereof. Furthermore, the present invention relates to a short-wavelength light generator configured using the above-described optical waveguide or optical wavelength conversion element, and an optical pickup using the same.
[0002]
[Prior art]
Optical waveguides are applied in a wide range of fields such as communication, optical information processing, and measurement as a light wave control technique. In particular, if an optical waveguide is applied to an optical wavelength conversion element, the wavelength of laser light (fundamental wave) emitted from a semiconductor laser is converted by such an optical wavelength conversion element, and light having a shorter wavelength (second harmonic wave) is converted. ) Has been actively researched.
[0003]
As a conventional optical waveguide, a buried optical waveguide is generally used. FIGS. 1A to 1D are cross-sectional views illustrating a conventional method for manufacturing a buried optical waveguide by proton exchange treatment for exchanging proton ions (+ H) and heat treatment.
[0004]
Specifically, first, as shown in FIG. Three A
[0005]
Next, LiTaO masked with
[0006]
Subsequently, the
[0007]
After that, LiTaO Three The
[0008]
On the other hand, an optical wavelength conversion element employing a ridge-type optical waveguide structure for enhancing light confinement is disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-238631.
[0009]
FIG. 2A shows an example of the configuration of a conventional optical wavelength conversion element including such a ridge-type
[0010]
Further, in the configuration of the optical wavelength conversion element in FIG. 2A, the thickness of the
[0011]
Furthermore, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-94031 discloses an optical wavelength conversion element using a loaded optical waveguide. An example of the configuration of such an optical wavelength conversion element is shown in FIG.
[0012]
Specifically, LiNbO Three An
[0013]
LiNbO Three The following method for forming a ridge waveguide on a substrate has already been reported.
[0014]
LiNbO Three Is a mechanically and chemically stable material and is difficult to be etched, so that the etching selectivity with respect to the resist is small. Therefore, LiNbO Three It is generally difficult to produce a deep etched shape on the surface of the film. However, proton exchanged LiNbO Three Then, the etching rate is several times faster than that of an untreated substrate. By utilizing this phenomenon, the following ridge type optical waveguide manufacturing method has been proposed. That is, LiNbO of C plate Three The substrate is heat treated in a suitable acid to form a proton exchange layer on the surface. Further, a striped Ti protective mask layer is formed on the formed proton exchange layer by photolithography, and the non-mask portion is etched by ECR etching. Thereafter, the Ti protective mask layer is removed, and both end faces of the optical waveguide are optically polished to form an incident / exit portion.
[0015]
On the other hand, FIG. 4 shows another configuration of an optical wavelength conversion element using an embedded optical waveguide. That is, LiNbO Three A proton exchange
[0016]
FIGS. 5A and 5B are diagrams schematically showing the overlap between the waveguide mode of the
[0017]
In the configuration having no cladding layer shown in FIG. 5A, it is about half of the propagation light (fundamental wave P1) that overlaps with the domain-inverted
[0018]
[Problems to be solved by the invention]
When an optical waveguide is applied to an optical wavelength conversion element, an overlap between waveguide modes (fundamental wave and second harmonic) is an important factor for realizing a highly efficient optical wavelength conversion element. That is, the greater the overlap between the electric field distribution of the fundamental wave, the second harmonic, and the electric field distribution, the greater the conversion efficiency of the optical wavelength conversion element. In order to increase the overlap between the electric field distribution of the fundamental wave, the second harmonic, and the electric field distribution in order to realize a highly efficient optical wavelength conversion element, for example, the refractive index distribution of the optical waveguide may be stepped. Conceivable.
[0019]
However, in the prior art method of manufacturing an embedded optical waveguide by proton exchange treatment and heat treatment as described above, the refractive index distribution of the optical waveguide to be formed depends on the thermal diffusion state of the proton and is near the surface. It becomes a graded shape in which the refractive index is high and gradually decreases in the depth direction. Under such a refractive index distribution state, the electric field distribution differs greatly between the fundamental wave to be guided and the second harmonic wave, and it is difficult to realize a highly efficient optical wavelength conversion element. Also, with this conventional method, the refractive index distribution of the optical waveguide cannot be freely controlled.
[0020]
Further, in the conventional embedded optical waveguide, optical damage is likely to occur due to leakage light to the periphery of the waveguide, and light having a high power density is guided to generate a high-output second harmonic. difficult.
[0021]
On the other hand, in the configuration in which the clad layer is formed on the optical waveguide, confinement of the optical waveguide is enhanced to achieve high efficiency. That is, the mode distribution (fundamental mode) of the guided light propagating through the optical waveguide is moved to the vicinity of the surface by the cladding layer, and the overlap between the polarization inversion portion and the fundamental wave of the fundamental mode or the second harmonic of the fundamental mode is caused. Trying to improve.
[0022]
However, the conventional configuration can increase the overlap between the polarization inversion unit and the waveguide mode, but increases the overlap between the fundamental wave and the second harmonic that have the greatest influence on the conversion efficiency. Since it cannot be achieved, there is a limit to improving the conversion efficiency. This is because the fundamental wave and the second harmonic wave are greatly different from each other in the distribution of the waveguide modes in the optical waveguide due to the difference in wavelength, and thus the increase in overlap between the two modes is limited.
[0023]
Furthermore, since the portion where the fundamental wave and the second harmonic do not overlap is large, instability of the second harmonic output due to the occurrence of optical damage may occur.
[0024]
On the other hand, in the conventional optical wavelength conversion element using the ridge type optical waveguide, the conversion efficiency is improved by increasing the power density due to the confinement effect of the optical waveguide. However, the increase of the confinement effect by the ridge waveguide with respect to the fundamental wave is limited to the lateral direction, and the confinement in the depth direction is not improved. As a result, an increase in overlap (especially in the depth direction) between the fundamental wave that has the greatest effect on conversion efficiency and the second harmonic cannot be achieved with the ridge structure, and there is a limit to improving conversion efficiency. is there.
[0025]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems, and the object thereof is (1) the refractive index distribution can be controlled, and the overlap between the fundamental wave and the second harmonic is increased. And providing an optical waveguide having a waveguide structure with excellent light damage resistance, and (2) using the optical waveguide as described above, stably providing a high output second harmonic output. Providing an optical waveguide that can be supplied efficiently, (3) Providing a method for manufacturing such an optical waveguide and an optical wavelength conversion element, and (4) Forming using the optical waveguide and optical wavelength conversion element described above It is to provide a short wavelength light generator and an optical pickup.
[0026]
[Means for Solving the Problems]
The optical waveguide of the present invention includes an optical material, an optical waveguide layer formed on the optical material, and a clad layer formed on the surface of the optical waveguide layer, and the optical waveguide layer includes light of wavelength λ1 and Light of wavelength λ2 (λ1> λ2) can be guided, and the refractive index and thickness of the cladding layer satisfy the waveguide conditions for the light of wavelength λ2 and are cut for the light of wavelength λ1. It is set so as to satisfy the off-state, whereby the above object is achieved.
[0027]
In one embodiment, the optical waveguide layer has a stripe shape.
[0028]
In one embodiment, the optical material further comprises a high refractive index layer having a refractive index n1 formed in the vicinity of the surface of the optical material, the optical material having a refractive index ns, and the optical waveguide layer in the vicinity of the surface of the optical material. It is formed in a stripe shape and has a refractive index nf, and the refractive index satisfies the relationship of nf>n1> ns.
[0029]
In one embodiment, the clad layer is striped. Furthermore, the optical waveguide layer may be striped.
[0030]
In one embodiment, a ridge is formed in a stripe shape on the surface of the optical waveguide layer, the cladding layer is formed in a stripe shape on the ridge, and the light in the optical waveguide layer is Waveguide the ridge.
[0031]
In one embodiment, the optical material forms a cylindrical core, and the cladding layer covers the periphery of the core.
[0032]
Preferably, in the optical waveguide, the light of wavelength λ1 propagates in the fundamental mode, and the light of wavelength λ2 propagates in the higher order mode.
[0033]
Preferably, the effective refractive index Nc of the cladding layer and the effective refractive index Nf of the optical waveguide layer satisfy a relationship of Nc> 1.02 · Nf.
[0034]
The clad layer may be a multilayer film.
[0035]
An optical wavelength conversion element of the present invention comprises a substrate made of a material having a nonlinear optical effect, an optical waveguide layer formed on the substrate, and a cladding layer formed on the surface of the optical waveguide layer, The optical waveguide layer can guide a fundamental wave having a wavelength λ and a second harmonic wave having a wavelength λ / 2, and the cladding layer has a fundamental wave of a fundamental mode and a higher-order mode guided in the optical waveguide layer. The overlap of the electric field distribution with the second harmonic is increased, and the fundamental wave is converted into the second harmonic, thereby achieving the above object.
[0036]
Preferably, the refractive index and the thickness of the cladding layer are set so as to satisfy a waveguide condition for the second harmonic and a cutoff condition for the fundamental wave.
[0037]
In one embodiment, the optical waveguide layer has a stripe shape.
[0038]
In one embodiment, the substrate further comprises a high refractive index layer having a refractive index n1 formed near the surface of the substrate, the substrate has a refractive index ns, and the optical waveguide layer is striped near the surface of the substrate. Formed and has a refractive index nf, the refractive index satisfies a relationship of nf>n1> ns, and the refractive index and thickness of the cladding layer satisfy the waveguide conditions for the second harmonic. Satisfactory and the cut-off condition is set for the fundamental wave.
[0039]
In one embodiment, the clad layer has a stripe shape, and the refractive index and thickness of the clad layer satisfy a waveguide condition for the second harmonic wave and satisfy a cutoff condition for the fundamental wave. Is set to Preferably, the optical waveguide layer has a stripe shape.
[0040]
In one embodiment, a ridge is formed in a stripe shape on the surface of the optical waveguide layer, the cladding layer is formed in a stripe shape on the ridge, and the light in the optical waveguide layer is The refractive index and the thickness of the clad layer are set so as to satisfy the waveguide condition for the second harmonic and the cutoff condition for the fundamental wave.
[0041]
Preferably, in the optical waveguide layer, the fundamental wave of the fundamental mode and the second harmonic of the higher order mode are phase-matched with each other.
[0042]
Preferably, the effective refractive index Nc of the cladding layer and the effective refractive index Nf of the optical waveguide layer satisfy a relationship of Nc> 1.02 · Nf.
[0043]
The clad layer may be a multilayer film.
[0044]
The order of the second harmonic mode propagating through the optical waveguide layer may be one greater than the order of modes capable of propagating through the cladding layer.
[0045]
The cladding layer is Nb 2 O Five May be included. Alternatively, the cladding layer may be made of a linear material.
[0046]
Preferably, the substrate is LiNb 1-x Ta x O Three (0 ≦ x ≦ 1), a periodic domain-inverted structure is formed in the substrate.
[0047]
The short wavelength light generation device of the present invention includes a semiconductor laser and a light wavelength conversion element, the wavelength of light emitted from the semiconductor laser is converted by the light wavelength conversion element, and the light wavelength conversion element is the above-mentioned Thus, the above object can be achieved.
[0048]
The optical pickup of the present invention includes a short wavelength light generator and a condensing optical system, and the short wavelength light emitted from the short wavelength light generator is condensed by the condensing optical system, and the short wavelength light is collected. The generator has the above characteristics, whereby the above object is achieved.
[0049]
An optical waveguide manufacturing method of the present invention includes a step of forming a first ion exchange layer in the vicinity of a surface of a substrate made of a nonlinear optical material, and annealing the first ion exchange layer to form an annealed ion exchange layer. Forming, a step of forming a second ion exchange layer at a predetermined position of the annealing ion exchange layer, and a step of forming a resist mask having a predetermined pattern above the second ion exchange layer; And removing the non-masked portion of the second ion exchange layer by etching using the resist mask to form a ridge, thereby achieving the above object.
[0050]
In one embodiment, the step of forming the second ion exchange layer includes the step of forming a linear metal mask on the surface of the annealed ion exchange layer, and the step of forming the metal mask in the annealed ion exchange layer. Forming the second ion exchange layer on an uncovered portion, and the resist mask is selectively formed only on the metal mask. Preferably, the resist pattern is selectively formed only on the metal mask using backside exposure.
[0051]
In another embodiment, the step of forming the second ion exchange layer includes a step of forming the second ion exchange layer in the vicinity of the surface of the annealed ion exchange layer, and the resist mask includes the second ion exchange layer. It is formed linearly on the surface of the ion exchange layer.
[0052]
The method may further include forming a dielectric film on the surface of the ridge.
[0053]
The substrate is a C-plate LiNb 1-X Ta x O Three (0 ≦ x ≦ 1) substrate.
[0054]
Both the first ion exchange layer and the second ion exchange layer may be proton exchange layers.
[0055]
The method for manufacturing an optical wavelength conversion element according to the present invention includes a step of forming a first ion exchange layer in the vicinity of a surface of a substrate made of a nonlinear optical material, and an annealing treatment ion exchange by annealing the first ion exchange layer. Forming a layer, forming a domain-inverted layer in the substrate, forming a second ion exchange layer at a predetermined position of the annealed ion exchange layer, and the second ion exchange layer Forming a resist mask having a predetermined pattern above the substrate, and etching the non-masked portion of the second ion exchange layer by using the resist mask to form a ridge. This achieves the above objective.
[0056]
In one embodiment, the step of forming the second ion exchange layer includes the step of forming a linear metal mask on the surface of the annealed ion exchange layer, and the metal mask of the annealed ion exchange layer. Forming the second ion exchange layer in a portion not covered with the resist mask, and the resist mask is selectively formed only on the metal mask. Preferably, the resist pattern is selectively formed only on the metal mask using backside exposure.
[0057]
In another embodiment, the step of forming the second ion exchange layer includes a step of forming the second ion exchange layer in the vicinity of the surface of the annealed ion exchange layer, and the resist mask includes the second ion exchange layer. It is formed linearly on the surface of the ion exchange layer.
[0058]
The method may further include forming a dielectric film on the surface of the ridge.
[0059]
The substrate is a C-plate LiNb 1-X Ta x O Three (0 ≦ x ≦ 1) substrate.
[0060]
Both the first ion exchange layer and the second ion exchange layer may be proton exchange layers.
[0061]
According to another aspect of the present invention, a substrate made of a nonlinear optical material, a first ion exchange layer including an optical waveguide region formed in the vicinity of the surface of the substrate, and formed in the vicinity of the optical waveguide region. In addition, an optical waveguide provided with a second ion exchange layer having an ion exchange concentration higher than that of the first ion exchange layer is provided, thereby achieving the above object.
[0062]
In one embodiment, the first ion exchange layer has a linear ridge substantially parallel to the waveguide direction, the ridge includes the optical waveguide region, and the second ion exchange layer includes the ridge. It is formed on the side.
[0063]
In another embodiment, the second ion exchange layer forms a linear ridge substantially parallel to the waveguide direction on the surface of the first ion exchange layer.
[0064]
The substrate is a C-plate LiNb 1-X Ta x O Three (0 ≦ x ≦ 1) substrate.
[0065]
Both the first ion exchange layer and the second ion exchange layer may be proton exchange layers.
[0066]
According to still another aspect of the present invention, a substrate including a substrate made of a nonlinear optical material, a polarization inversion layer formed in the substrate at a constant period, and an optical waveguide region formed near the surface of the substrate. An optical wavelength conversion element comprising: an ion exchange layer of 1; and a second ion exchange layer formed in the vicinity of the optical waveguide region and having an ion exchange concentration higher than that of the first ion exchange layer Which achieves the above objective.
[0067]
In one embodiment, the first ion exchange layer has a linear ridge substantially parallel to the waveguide direction, the ridge includes the optical waveguide region, and the second ion exchange layer includes the ridge. It is formed on the side.
[0068]
In another embodiment, the second ion exchange layer forms a linear ridge substantially parallel to the waveguide direction on the surface of the first ion exchange layer.
[0069]
The substrate is a C-plate LiNb 1-X Ta x O Three (0 ≦ x ≦ 1) substrate.
[0070]
Both the first ion exchange layer and the second ion exchange layer may be proton exchange layers.
[0071]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical wavelength conversion element using the generation of the second harmonic due to the non-linear optical effect, and using the phase matching between the fundamental wave of the fundamental mode and the second harmonic wave of the higher order mode, the overshoot of both. The wrap is enlarged to increase the conversion efficiency from the fundamental wave to the second harmonic. First, the principle will be described below.
[0072]
First, optical wavelength conversion in a general optical waveguide will be described.
[0073]
Normally, as shown in the sectional view of FIG. 6A, the optical waveguide is composed of a substrate 61 (refractive index: ns) and an optical waveguide 62 (refractive index: nf) formed thereon. The refractive index satisfies the relationship of nf> ns, and the electric field distribution of the guided modes (fundamental
[0074]
Next, a case where a clad layer having a refractive index nc higher than the refractive index nf is formed on the optical waveguide will be described below.
[0075]
When a cladding layer having a higher refractive index is provided on the optical waveguide, the mode distribution of the fundamental wave is biased toward the cladding layer, and the waveguide mode is strongly confined near the surface of the device. Therefore, strong confinement of the fundamental wave is realized. In a conventional optical wavelength conversion element having a cladding layer, conversion efficiency is improved by utilizing the strong confinement of the fundamental wave. However, since the fundamental wave and the second harmonic have different wavelengths and their refractive index dispersion exists, the dispersion of the waveguide mode is different (the second harmonic is more strongly attracted to the cladding layer than the fundamental wave). ). Therefore, the increase in overlap between modes is still limited.
[0076]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found a new method for controlling the waveguide mode of the second harmonic using a clad layer having a high refractive index. The contents will be described below.
[0077]
As described above, the confinement of the fundamental wave can be enhanced by using a clad layer having a high refractive index. However, as the cladding layer is made thicker, the confinement of the fundamental wave becomes stronger, while the second harmonic with a short wavelength is confined inside the cladding layer, and the conversion efficiency of the device is extremely reduced.
[0078]
However, through the analysis by the inventors of the present application, it has been found that the higher-order waveguide mode of the second harmonic has an electric field distribution in the optical waveguide portion and can achieve sufficient overlap with the fundamental wave. This will be described with reference to FIGS. In each of FIGS. 7A to 7D, the cross-sectional structure of the optical wavelength conversion element is shown on the left side of the figure, and the electric field distribution in the depth direction of the cross section of the waveguide is shown on the right side of the figure. These figures show the mode of the waveguide mode when the thickness of the cladding layer is changed in the optical waveguide having the cladding layer with a high refractive index.
[0079]
FIG. 7A shows a configuration without the cladding layer described with reference to FIGS. 6A and 6B. Here, the description is omitted.
[0080]
FIG. 7B shows a case where a
[0081]
FIG. 7C shows a case where a
[0082]
At this time, the electric field distribution of the second harmonic 66 of the first mode in the
[0083]
FIG. 7D shows a case where a
[0084]
As described above, as a result of the study by the present inventor, in the
[0085]
However, in order to realize the configuration of FIG. 7C, it is necessary to satisfy several conditions.
[0086]
First, the clad
[0087]
Secondly, as shown in FIG. 7C, it is necessary to guide a higher-order mode having a peak of the electric field distribution in the portion of the
[0088]
Therefore, in order to realize a highly efficient wavelength conversion element having a configuration in which the clad
[0089]
Third, in order to realize highly efficient wavelength conversion, in the state of FIG. 7C, the electric field distribution of the second harmonic 66 of the higher order mode inside the
[0090]
Here, the ratio (nc / nf) between the refractive index nc of the
[0091]
From the relationship shown in FIG. 8, in order to increase the use efficiency of the second harmonic light by setting the electric field intensity in the
[0092]
In the above description, the configuration in which the clad layer is a single layer is described, but the same effect can be obtained when the clad layer is a multilayer film. In particular, when a clad layer composed of a multilayer film is used, the refractive index distribution inside the clad layer can be controlled, so that the degree of freedom in element design is increased, and an element with high tolerance can be manufactured. Become.
[0093]
The clad layer is preferably formed of a linear material having no nonlinear effect. If the cladding layer is made of a non-linear material, wavelength conversion occurs inside the cladding layer, but such wavelength conversion inside the cladding layer is a loss for the generation efficiency of the second harmonic light inside the optical waveguide. is there.
[0094]
In addition, when the configuration of the present invention is applied to a three-dimensional optical waveguide, the electric field distribution in the lateral direction of the optical waveguide can be greatly affected. That is, by forming a high refractive index cladding layer on the optical waveguide, the effective refractive index for the second harmonic and the fundamental wave increases. For this reason, confinement of the electric field distribution in the lateral direction is greatly increased for each of the fundamental wave and the second harmonic. As a result, an increase in light power density and an increase in overlap in the lateral direction can be obtained, and as a result, conversion efficiency can be improved.
[0095]
Further, according to the present invention, by selecting the wavelength of the fundamental wave, it is possible to uniquely select the second harmonic waveguide mode propagating through the optical waveguide. For this reason, it is possible to selectively perform phase matching between the fundamental wave and the second harmonic of the higher-order mode to increase the overlap between the two, thereby realizing highly efficient wavelength conversion. .
[0096]
Further, according to the study by the inventors of the present application, it has been found that the structure of the optical waveguide according to the present invention is very effective in improving the light damage resistance.
[0097]
Optical damage occurs when impurities inside the crystal are excited by short-wavelength light (second harmonic) to generate an internal electric field. Further, when the fundamental wave is present, the level for trapping impurities is excited and the internal electric field due to optical damage tends to be fixed. This phenomenon is prominent in the portion where the fundamental wave exists alone in the vicinity of the electric field distribution of the second harmonic. On the other hand, if the configuration of the present invention is adopted, the overlap between the fundamental wave and the second harmonic wave in the optical waveguide increases, and the portion of the electric field distribution of the second harmonic wave and the fundamental wave that does not overlap. Decrease. Therefore, the occurrence of optical damage that occurs as described above can be greatly reduced.
[0098]
The structure of the optical waveguide of the present invention described above is effective in increasing the overlap of light of different wavelengths propagating through the optical waveguide and increasing the interaction between the two. Specifically, it is effective not only for an optical wavelength conversion element but also for an optical waveguide that simultaneously guides two or more lights having different wavelengths. Furthermore, since the light distribution can be drawn to the vicinity of the device surface, it is possible to increase the influence on guided light by components (for example, electrodes) formed on the surface, and optical integration with high operating efficiency. A circuit element can be configured.
[0099]
Next, an embodiment of the optical wavelength conversion element of the present invention will be described with reference to a specific element structure.
[0100]
As a specific element structure,
(1) An element structure using a loaded optical waveguide having a high refractive index layer on the surface of a crystal having a periodic domain-inverted layer, and further having a striped clad layer on the high refractive index layer,
(2) A loaded ridge type optical waveguide having a high refractive index layer processed into a striped ridge shape on the surface of a crystal having a periodic domain-inverted layer, and further having a cladding layer on the surface of the ridge. Element structure used, and
(3) An element structure using a buried optical waveguide having a stripe-shaped high refractive index layer on the surface of a crystal having a periodic domain-inverted layer and further having a cladding layer on the crystal surface;
Is mentioned. Hereinafter, each element structure will be described in the embodiment.
[0101]
(First embodiment)
In this embodiment, an optical wavelength conversion element using a loaded optical waveguide will be described.
[0102]
FIG. 9 is a diagram showing the structure of the optical wavelength conversion element in the present embodiment. Specifically, FIG. 9A is a perspective view of an optical wavelength conversion element, and FIG. 9B is a cross-sectional view.
[0103]
In the optical wavelength conversion element of this embodiment, the LiTaO of C plate Three In a
[0104]
The
[0105]
In the configuration of FIG. 9, unlike the configuration according to the prior art, the
[0106]
The
[0107]
Next, the principle of improving the wavelength conversion efficiency by increasing the overlap between the fundamental wave and the second harmonic in the structure of the optical wavelength conversion element of the present embodiment will be described below.
[0108]
As shown in the present embodiment, in the optical wavelength conversion element having a structure in which the
[0109]
A cladding layer having a refractive index lower than that of the substrate 101 (for example, Ta having a refractive index n = 2.0) is formed on the
[0110]
On the other hand, a clad layer having a refractive index higher than that of the substrate 101 (for example, Nb having a refractive index n = 2.25) is formed on the
[0111]
The beam pattern of the second harmonic output obtained by the wavelength conversion element of the present invention is not different from the beam pattern of the second harmonic output of the fundamental wave mode propagating through the conventional buried optical waveguide, and is close to the diffraction limit. Wavefront characteristics that can be focused up to
[0112]
The inventors of the present application have also studied light generation of the second harmonic of the TM00 mode in the structure of FIG. 11B, but the second harmonic of the TM00 mode is confined inside the
[0113]
Next, with reference to FIGS. 12A to 12D, a method for manufacturing the optical wavelength conversion element of this embodiment will be described.
[0114]
First, as shown in FIG. 12A, the LiTaO of the + C plate Three A
[0115]
Next, the comb-shaped
[0116]
Subsequently, after removing both electrodes, as shown in FIG. 12C, Nb is formed on the + C surface of the substrate 101 (the surface of the proton exchange layer 105) by sputtering. 2 O Five Film 110 is deposited to a thickness of about 300 nm. In addition, the deposited Nb 2 O Five A stripe mask pattern (not shown) is formed on the
[0117]
What is important in the process of forming a domain-inverted layer by applying an electric field as described above is an applied voltage waveform. Specifically, LiTaO Three In order to form a
[0118]
Further, in the above process, only the bias voltage is applied after applying the voltage on which the pulse voltage is superimposed. According to the study by the inventors of the present application, the bias voltage application time (Tb) is the time of the polarization inversion layer. It was found that it affects the uniformity of shape. That is, when Tb is about 2 seconds or less, the non-uniformity of the periodic structure of the domain-inverted
[0119]
Next, the relationship between the waveguide mode propagating through the optical waveguide and the characteristics of the optical wavelength conversion element will be described in detail below.
[0120]
Nb 2 O Five FIG. 13 shows the measurement result of the refractive index dispersion characteristic performed for the purpose of analyzing the waveguide characteristic of the optical waveguide having the cladding layer. In FIG. 13, LiTaO Three Substrate (line 132) and Nb 2 O Five The measurement result of the refractive index dispersion of the cladding layer (line 131) is shown.
[0121]
From this, depending on the wavelength, LiTaO Three Substrate and Nb 2 O Five The refractive index difference between the cladding layer and the refractive index difference between the substrate and the cladding layer in the 800 nm band corresponding to the fundamental wave wavelength is different from the refractive index difference in the 400 nm band corresponding to the second harmonic wavelength. The rate difference is increasing.
[0122]
FIG. 14 shows the analysis result of the waveguide characteristic of the loaded optical waveguide performed based on this result. FIG. 14 is a characteristic factor diagram showing the relationship between the wavelength of light guided through the optical waveguide and the thickness of the cladding layer (loading layer) and the waveguide mode capable of propagating inside the cladding layer.
[0123]
In the region I, light cannot propagate through the cladding layer, and only the waveguide layer functions as a region where light can propagate. In region II, only fundamental mode light can propagate through the cladding layer, while in region III, fundamental mode and TM01 mode light can propagate through the cladding layer.
[0124]
The waveguide mode in each region will be further described below.
[0125]
First, as a first case, when the thickness of the
[0126]
Next, as a second case, when the thickness of the
[0127]
Further, as a third case, when the thickness of the
[0128]
Considering the overlap between the electric field distributions of the fundamental wave and the second harmonic in each of the above cases, in the first case, the electric field distribution in the optical waveguide layer having nonlinearity is large. Exists inside. However, in the second case, since the second harmonic is confined in the cladding layer, the overlap in the optical waveguide layer is very small. Further, in the third case, since both the fundamental wave and the second harmonic are confined in the cladding layer, the overlap between the two in the optical waveguide is expected to be close to zero.
[0129]
However, according to the experiments by the inventors of the present application, for the cladding layer having a thickness corresponding to the third case, the fundamental wave is confined in the cladding layer, the overlap is reduced, and the conversion efficiency is greatly increased. Although a decrease is observed, for the cladding layer having a thickness corresponding to the second case, a significant improvement in the conversion efficiency to the second harmonic is achieved, and a value larger than the value in the first case was gotten. Therefore, when the waveguide characteristics are further examined, in the second case where the conversion efficiency is greatly improved, the second harmonic waveguide mode is not a fundamental mode but a higher-order waveguide mode. It was discovered. That is, in the second case, it is found that the conversion efficiency is improved by increasing the overlap of the electric field distribution between the fundamental wave of the fundamental mode and the second harmonic of the higher order mode. It was.
[0130]
The relationship between the thickness of the cladding layer and the waveguide mode of the second harmonic that maximizes the conversion efficiency is shown in Table 1 below.
[0131]
[Table 1]
[0132]
Symbols (◎, Δ, and ×) in the “second harmonic output” column relatively represent the magnitude of the obtained second harmonic output (the magnitude of wavelength conversion efficiency). “” Means that the conversion efficiency is good, “x” means that the conversion efficiency is bad, and “Δ” means the middle.
[0133]
FIGS. 16A to 16D are diagrams showing light propagation states in the region where the thickness of the cladding layer shown in (1) of Table 1 is about 0.1 μm to about 0.3 μm. When the refractive index of the
[0134]
In addition, regarding the electric field distribution of the second harmonic of the higher order mode, the ratio between the portion existing in the cladding layer and the portion existing in the waveguide layer depends on the refractive index difference between the cladding layer and the waveguide layer. When the difference in refractive index is large, the portion of the electric field distribution existing in the optical waveguide layer becomes large, and the electric field peak in the cladding layer becomes small. On the other hand, when the difference in refractive index is small, the portion of the electric field distribution existing in the optical waveguide layer becomes small, and the electric field peak in the cladding layer becomes large.
[0135]
On the other hand, with respect to the electric field distribution of the fundamental wave, it is advantageous that the refractive index difference between the cladding layer and the waveguide layer is small. That is, when the refractive index difference is small, the range of the thickness of the cladding layer corresponding to the region I shown in FIG. 14 is widened, and restrictions on the thickness control are relaxed. Further, the conversion efficiency to the second harmonic is higher than the value obtained by the coupling between the second harmonic of the TM01 mode and the fundamental wave of the TM00 mode, and the fundamental wave of the TM02 mode and the TM00 mode. The value obtained by the connection between and becomes larger. In order to satisfy this condition, the relationship of the refractive index difference between the cladding layer and the substrate is ΔN 2w (Refractive index difference between substrate and clad layer for light of
[0136]
In addition, when the second harmonic is in the higher order mode, the light collection characteristic of the emitted second harmonic may be deteriorated. For example, in a buried optical waveguide having a stepped refractive index profile, the first-order second-harmonic waveguide mode is a TM01 mode. Therefore, when this second harmonic is condensed, it becomes a condensed beam having two peaks, and a beam shaping process is required to condense it into a single beam spot. But Nb 2 O Five The higher-order mode of the second harmonic propagating through the loaded optical waveguide has light collection characteristics almost the same as those of the fundamental mode, and light collection up to the diffraction limit is possible. This is because the refractive index difference between the waveguide layer and the substrate for the second harmonic (Δ n1 = Approximately 0.02) is the difference in refractive index from the cladding layer (Δ n2 == about 0.3), because the electric field distribution of the waveguide mode in the cladding layer is much smaller than the electric field distribution in the optical waveguide layer, as shown in FIG. is there.
[0137]
In order to realize a higher-order mode of the second harmonic that does not deteriorate the condensing characteristic of the second harmonic, 3Δ n1 <Δ n2 is required. Δ n2 If it is small, the electric field distribution in the clad layer becomes large, which causes a decrease in conversion efficiency and a deterioration in light collecting characteristics.
[0138]
Next, the design for obtaining the optimum structure of the cladding layer for the purpose of improving the efficiency of the optical wavelength conversion element will be described below.
[0139]
First, for the optimum cladding layer thickness, Nb 2 O Five Was considered as an example. Table 2 shows the waveguide state of the fundamental wave and the second harmonic, and the conversion efficiency to the second harmonic with respect to the thickness of the cladding layer.
[0140]
[Table 2]
[0141]
Symbols (◎, ○, Δ, and ×) in the column of “conversion efficiency” represent the relative magnitude of wavelength conversion efficiency, and symbol ◎ means that conversion efficiency is good, and symbol × Means that the conversion efficiency is poor, and the symbols ◯ and Δ mean the middle.
[0142]
When the thickness of the cladding layer is about 100 nm or less, the conversion efficiency is maximized when the fundamental wave and the second harmonic are in the fundamental mode, and the conversion efficiency in this case is the embedded optical waveguide. And not much different. When the thickness is about 100 nm or more, coupling with the second harmonic of the first order (TM01) mode begins to increase, and the conversion efficiency is improved. Furthermore, when the thickness is about 200 nm or more, the conversion of the first-order mode to the second harmonic becomes very large, and the conversion efficiency is more than twice that of a conventional optical wavelength conversion element using a buried type or loaded type optical waveguide. can get. Further, when the thickness of the cladding layer is about 300 nm, conversion to the second-order (TM02) second harmonic is performed, and the conversion efficiency is further improved. However, when the thickness of the cladding layer is about 400 nm or more, the fundamental wave is confined inside the cladding layer, and the conversion efficiency is greatly reduced. From this, Nb 2 O Five The thickness of the clad layer needs to be about 100 nm to about 380 nm in order to improve the conversion efficiency. In particular, the thickness that improves the conversion efficiency is preferably about 200 nm to about 340 nm.
[0143]
FIG. 17 shows LiTaO Three The relationship between the refractive index (value with respect to a fundamental wave wavelength) of the clad layer formed on the proton exchange layer on the substrate and the thickness of the clad layer is shown.
[0144]
In region I, since the cladding layer is too thick, the fundamental wave is confined in the cladding layer, and the conversion efficiency is extremely reduced. In the region II, the overlap between the fundamental wave and the second harmonic is improved, and the conversion efficiency is maximized. Even in region III, the conversion efficiency is improved by the installation of the cladding layer. Thus, in the regions II and III, the conversion efficiency can be improved by installing the cladding layer.
[0145]
As can be seen from FIG. 17, as the refractive index of the cladding layer increases, the maximum allowable thickness for achieving region II or III decreases, and a highly accurate thickness setting is required. In order to form a clad layer with high reproducibility by a normal film forming apparatus, a thickness of several hundred nm or more is appropriate, and a refractive index is preferably about 2.8 or less.
[0146]
Further, if the refractive index difference between the cladding layer and the waveguide layer is too small, the effect of improving the overlap by the cladding layer cannot be obtained. When the refractive index of the cladding layer is about 2.2 or more, the overlap between the fundamental wave and the second harmonic becomes large, and the conversion efficiency is greatly improved. Therefore, the refractive index of the cladding layer is LiTaO Three In the case of a substrate, it is desirable that it is about 2.18 or more with respect to the wavelength of the fundamental wave.
[0147]
In this embodiment, the constituent material of the cladding layer is Nb 2 O Five In addition, LiNbO Three , TiO 2 , ZnS, CeO 2 Or mixed materials containing these, for example Ta 2 O Five , SiO 2 , Al 2 O Three A mixed material with SiN or the like can also be used. By changing the refractive index of the clad layer formed by these, a larger overlap can be obtained, and the conversion efficiency can be greatly improved.
[0148]
In this embodiment, the substrate is LiTaO. Three LiTaO doped with MgO, Nb, Nd, etc. Three Or LiNbO Three LiTa, or a mixture of them 1-x Nb x O Three (0 ≦ x ≦ 1) or KTP (KTiOPO Four A similar element can be manufactured even if a substrate made of) is used. LiTaO Three , LiNbO Three , And KTP have high nonlinearity, and a highly efficient optical wavelength conversion element can be produced. In particular, since KTP has a low refractive index of about 1.8, Ta clad is used as a material for the clad layer formed thereon. 2 O Five , Al 2 O Three SiN and other materials can be used and are effective. In addition, these materials are effective because a method for forming a periodic polarization inversion layer has been established and a highly efficient optical wavelength conversion element can be formed.
[0149]
Next, the cover layer formed on the element surface will be described.
[0150]
In the configuration of FIG. 9 described above, the surface of the optical waveguide (specifically, the
[0151]
In the loaded optical waveguide, since the cladding layer is formed by etching, slight irregularities are formed on the side surface of the cladding layer, which causes waveguide loss. If the
[0152]
In the present embodiment, the
[0153]
(Second Embodiment)
Here, the improvement of the characteristics of the optical wavelength conversion element by another structure of the present invention will be described. Specifically, an optical wavelength conversion element using a loaded ridge type optical waveguide will be described.
[0154]
In the first embodiment, it was confirmed that the characteristics of the optical wavelength conversion element were improved by the loaded optical waveguide using the clad layer having a high refractive index. Here, the results of attempts to further improve the characteristics by further devising the structure of the optical wavelength conversion element will be described.
[0155]
As described above, the mode profile of the fundamental wave can be controlled by the loaded optical waveguide. In the loaded optical waveguide, the mode profile of the fundamental wave is controlled while suppressing the influence on the mode profile of the second harmonic, When the overlap is improved, confinement in the width direction of the waveguide mode of the second harmonic becomes weak. As a result, the aspect ratio of the second harmonic beam profile output from the optical waveguide (the ratio of length to width when the emitted light is a collimated beam) is 1: 3 or more, and the spread angle in the thickness direction is the width direction. Larger than For this reason, the problem that the utilization efficiency of the light for obtaining the condensing characteristic of a diffraction limit significantly reduces arises. In order to solve this, the present embodiment adopts the structure of the optical wavelength conversion element shown in FIG.
[0156]
Specifically, FIG. 18A is a perspective view of an optical wavelength conversion element, and FIG. 18B is a cross-sectional view. In the optical wavelength conversion element of this embodiment, the LiTaO of C plate Three A period Λ = about 3.5 μm (period Λ is shown as
[0157]
The
[0158]
Next, the characteristics of the loaded ridge type optical waveguide will be described.
[0159]
In the loaded ridge type optical waveguide, confinement of the second harmonic in the width direction is enhanced by processing the
[0160]
The thickness of the
[0161]
Accordingly, the thickness of the
[0162]
Next, the relationship of the aspect ratio of the second harmonic to the width of the optical waveguide in an optical waveguide having a
[0163]
First, in order for the fundamental wave to be guided without becoming a multimode, the width of the waveguide needs to be about 10 μm or less. Furthermore, the aspect ratio can be improved when the waveguide width is about 8 μm or less. Also, the aspect ratio approaches 1: 1 when the waveguide width is about 2 μm to about 4 μm. When the waveguide width is about 1 μm or less, the conversion efficiency decreases.
[0164]
By making the optical waveguide structure into a loaded ridge structure, it becomes possible to form an output beam in addition to the characteristics of the optical wavelength conversion element using the loaded optical waveguide, and it becomes possible to produce an optical wavelength conversion element with excellent characteristics. . In order to be realized as a single mode optical waveguide, the width of the optical waveguide is desirably about 1 μm to about 10 μm. In order to further improve the aspect ratio, the optical waveguide width is desirably about 1 μm to about 8 μm. In order to make the aspect ratio close to 1: 1, it is necessary to control the optical waveguide width to about 2 μm to about 4 μm. .
[0165]
In this embodiment, the constituent material of the cladding layer is Nb 2 O Five In addition, LiNbO Three , TiO 2 , ZnS, CeO 2 Or mixed materials containing these, for example Ta 2 O Five , SiO 2 , Al 2 O Three A mixed material with SiN or the like can also be used. By changing the refractive index of the clad layer formed by these, a larger overlap can be obtained, and the conversion efficiency can be greatly improved.
[0166]
In this embodiment, the substrate is LiTaO. Three LiTaO doped with MgO, Nb, Nd, etc. Three Or LiNbO Three LiTa, or a mixture of them 1-x Nb x O Three A similar element can be manufactured even when a substrate made of (0 ≦ x ≦ 1) or KTP is used. LiTaO Three , LiNbO Three , And KTP both have high nonlinearity, and a highly efficient optical wavelength conversion element can be produced. In particular, since KTP has a low refractive index of about 1.8, Ta clad is used as a material for the cladding layer formed thereon. 2 O Five , Al 2 O Three SiN and other materials can be used and are effective. In addition, these materials are effective because a method for forming a periodic polarization inversion layer has been established and a highly efficient optical wavelength conversion element can be formed.
[0167]
(Third embodiment)
Nb 2 O Five By applying the overlap improvement effect of the clad layer to the buried optical waveguide, conversion efficiency can be improved with a simple structure. FIG. 19 shows the configuration of the optical wavelength conversion element of this embodiment using an embedded optical waveguide.
[0168]
Specifically, FIG. 19 is a perspective view of an optical wavelength conversion element. In the optical wavelength conversion element of this embodiment, the LiTaO of C plate Three In a
[0169]
The
[0170]
Nb on buried optical waveguide 2 O Five When the
[0171]
The buried optical waveguide is more confined in the lateral direction than the loaded optical waveguide, and the aspect ratio of the output beam of the second harmonic is about 1: 2.5, and a relatively good beam shape can be obtained. It is done.
[0172]
The advantage of the embedded optical waveguide is that an optical waveguide with a small propagation loss can be formed. Ridge-shaped optical waveguides tend to increase propagation loss due to irregularities on the side surfaces of the waveguide. In the ridge type optical waveguide produced by the inventors of the present application, a propagation loss of about 1.5 dB / cm was observed, whereas in the buried type optical waveguide, the propagation loss was 1 dB / cm or less, which is very low loss. It was confirmed that the optical waveguide can be formed.
[0173]
Furthermore, as a structure for improving the lateral confinement, an attempt was made to selectively deposit a clad layer on an optical waveguide. Specifically, by making the width of the clad layer 5 μm or less for an optical waveguide having a width of about 5 μm, confinement in the width direction is enhanced and the conversion efficiency is improved by 1.2 times. If the refractive index of the clad layer with respect to the fundamental wavelength is set to about 2.18 or more, conversion efficiency due to improved overlap is possible. In particular, when the refractive index is in the range of about 2.2 to about 2.5, the overlap is improved, and the conversion efficiency can be greatly improved.
[0174]
In this embodiment, the constituent material of the cladding layer is Nb 2 O Five In addition, LiNbO Three , TiO 2 , ZnS, CeO 2 Or mixed materials containing these, for example Ta 2 O Five , SiO 2 , Al 2 O Three A mixed material with SiN or the like can also be used. By changing the refractive index of the clad layer formed by these, a larger overlap can be obtained, and the conversion efficiency can be greatly improved.
[0175]
In this embodiment, the substrate is LiTaO. Three LiTaO doped with MgO, Nb, Nd, etc. Three Or LiNbO Three LiTa, or a mixture of them 1-x Nb x O Three A similar element can be manufactured even when a substrate made of (0 ≦ x ≦ 1) or KTP is used. LiTaO Three , LiNbO Three , And KTP both have high nonlinearity, and a highly efficient optical wavelength conversion element can be produced. In particular, since KTP has a low refractive index of about 1.8, Ta clad is used as a material for the cladding layer formed thereon. 2 O Five , Al 2 O Three SiN and other materials can be used and are effective. In addition, these materials are effective because a method for forming a periodic polarization inversion layer has been established and a highly efficient optical wavelength conversion element can be formed.
[0176]
The loaded type, loaded ridge type, and buried type configurations shown in the first to third embodiments are low loss and strong confinement, and are promising not only as an optical wavelength conversion element but also as an optical waveguide structure. Application to optical waveguide elements such as optical communication and optical measurement devices is possible.
[0177]
Next, a waveguide structure for the purpose of improving the optical damage resistance of the buried optical waveguide will be described.
[0178]
By providing a cladding layer with a high refractive index, the buried optical waveguide increases the overlap between guided modes, and at the same time, the confinement of the guided light is very strong in both the depth and width directions, resulting in highly efficient wavelength conversion. Is possible. Further, by increasing the overlap between the fundamental wave and the second harmonic wave in the waveguide, the region where the electric field distribution of the fundamental wave exists alone is reduced, and the light damage resistance can be improved. However, the occurrence of optical damage cannot be completely prevented. For example, the occurrence of optical damage is observed for the second harmonic output of about 10 mW or more. This characteristic is slightly inferior to the loaded and loaded ridge type optical waveguides.
[0179]
Therefore, when the cause of the optical damage was examined in detail, it was found that the refractive index change due to the optical damage was the largest in the vicinity of the side portion of the optical waveguide. On the other hand, in the loading type and loading ridge type optical waveguides, since the proton exchange layer exists in the vicinity of the side surface of the waveguide, lateral confinement is relaxed and the optical damage resistance at the side of the optical waveguide is improved. it is conceivable that.
[0180]
Therefore, in the buried optical waveguide structure, an attempt was made to provide a layer having a refractive index lower than that of the waveguide (having a higher refractive index than that of the substrate) in the vicinity of the side surface of the waveguide in order to improve the light damage resistance. Specifically, in the configuration of FIG. 19, a proton exchange layer with a low concentration was formed on the side portion of the optical waveguide. As a result, the lateral confinement of the optical waveguide is slightly relaxed (several percent), and the conversion efficiency is reduced by about 10%. However, the light damage resistance is greatly increased, and no light damage occurs even for the second harmonic of about 20 mW or more. This increase in the optical damage strength due to the provision of the proton exchange layer is caused not only by the relaxation of the lateral confinement of the optical waveguide, but also by the increase in the optical damage resistance of the proton exchange layer (waveguide side portion). That is, since the proton exchange layer has higher electrical conductivity than the substrate, the lifetime of the photoexcited charge at the impurity level that causes photodamage is short, and photodamage is less likely to occur. Therefore, by providing a proton exchange part with high electrical conductivity at the side of the waveguide where light damage is likely to occur, the light damage resistance at that part can be increased.
[0181]
(Fourth embodiment)
Here, a short wavelength light source using an optical wavelength conversion element will be described.
[0182]
With the configuration of the optical wavelength conversion element according to the above-described embodiment, a highly efficient and stable optical wavelength conversion element can be realized. FIG. 20 shows a configuration for producing a short wavelength light source using the light wavelength conversion element according to the present invention.
[0183]
Specifically, the short wavelength light source includes a
[0184]
Since the optical
[0185]
The wavelength in the 400 nm band is desired in a wide range of application fields such as printing plate making, biotechnology, special measurement fields such as fluorescence spectroscopic characteristics, and optical disk fields. The short wavelength light source using the light wavelength conversion element according to the present invention can be put into practical use in these application fields from the viewpoints of both output characteristics and stability.
[0186]
In addition, the structure which couple | bonds the light of the
[0187]
(Fifth embodiment)
Here, an optical pickup using a short wavelength light source as an optical disk pickup light source will be described.
[0188]
For optical discs, high-density recording is desired, and realization of a small short-wavelength light source is indispensable. A pickup for reading an optical disc includes a light source, a condensing optical system, and a light receiving portion. Specifically, as shown in FIG. 21, light P1 emitted from a light source in which a
[0189]
When the light wavelength conversion element according to the present invention is used as a light source, blue light having a wavelength of 400 nm band can be used as a reading light source of an optical disk, so that the recording density can be doubled. Further, since high-output blue light can be generated, not only reading but also information can be written to the optical disc. By using a semiconductor laser as a fundamental wave light source, it becomes very small and can be used for a consumer-use compact optical disk reading and recording apparatus.
[0190]
Furthermore, the optical wavelength conversion element can optimize the aspect ratio of the output beam by optimizing the width of the optical waveguide. For example, in an optical wavelength conversion element having a loaded ridge-type waveguide structure, the aspect ratio can be made close to 1: 1 by setting the width of the optical waveguide to about 3 μm. As a result, a beam shaping prism or the like for improving the light collecting characteristic of the optical pickup becomes unnecessary, and high transmission efficiency, excellent light collecting characteristic, and cost reduction can be realized. Furthermore, noise of scattered light generated during beam shaping can be reduced, and pickup can be simplified.
[0191]
(Sixth embodiment)
In the present embodiment, a configuration of an optical waveguide having strong confinement will be described.
[0192]
The structure of the optical wavelength conversion element described in the first embodiment is an effective structure as an optical waveguide structure. Therefore, the characteristics of the optical waveguide in the optical wavelength conversion element shown in FIG. 9 will be described.
[0193]
Specifically, as shown in FIG. Three An optical waveguide consisting of a proton exchange layer is formed on the substrate, and Nb is further formed thereon. 2 O Five A light having a wavelength of about 860 nm was guided through an optical wavelength conversion element in which a clad layer made of was formed, and the electric field distribution of the guided light was observed. For comparison, Ta 2 O Five The electric field distribution of the guided light of the loaded optical waveguide (see FIG. 22 (g)) in which the clad layer made of is formed was also measured. The refractive index for light with a wavelength of about 860 nm is about 2.16 for the proton exchange layer (optical waveguide layer), Ta 2 O Five Layer is about 2.0, Nb 2 O Five The layer is about 2.25.
[0194]
The electric field distribution of a loaded optical waveguide in which a striped clad layer having a thickness of about 300 nm and a width of about 5 μm is formed on a proton exchange layer having a thickness of about 2 μm is described with reference to FIGS. explain.
[0195]
First, the distribution in the depth direction will be described. 22 (a) and 22 (b) show Ta 2 O Five Nb and a loaded optical waveguide with a cladding layer made of 2 O Five FIG. 22 (c) and FIG. 22 (d) show the refractive index in the depth direction in each structure for the loaded optical waveguide in which the clad layer made of is formed. Distribution. Ta 2 O Five The electric field intensity distribution in the depth direction when the clad layer made of (see FIG. 22C) spreads to about 3 μm at the full width at half maximum, whereas Nb 2 O Five The full width at half maximum of the electric field strength distribution in the depth direction (see FIG. 22 (d)) when the clad layer made of is reduced to about 2.5 μm, and the optical waveguide confinement is greatly improved. . Other materials (eg SiO 2 Or Al 2 O Three As a result of studying the clad layer made of (3), the electric field intensity distribution of the guided light in the depth direction is hardly changed in the clad layer having a refractive index equal to or lower than the refractive index (about 2.16) of the optical waveguide layer. Therefore, in order to improve the light confinement in the depth direction, it is necessary to form a layer having a higher refractive index than the waveguide layer as the cladding layer.
[0196]
Next, the electric field intensity distribution of the guided light in the width direction is shown in FIGS. 22 (e) and 22 (f), respectively. For confinement in the width direction, Ta 2 O Five When the clad layer made of (see FIG. 22 (e)) is formed, the full width at half maximum spreads to about 6 μm or more, whereas Nb 2 O Five In the clad layer (see FIG. 22F), it can be seen that the full width at half maximum is reduced to about 5 μm, and an optical waveguide having strong confinement in the width direction is formed.
[0197]
As a result, it has been clarified that a highly confined optical waveguide can be formed by providing a cladding layer having a higher refractive index than the waveguide layer. An optical waveguide with strong confinement is effective for an electro-optical element and a nonlinear optical element using the optical waveguide because the power density of the guided light is increased and the light control efficiency is improved.
[0198]
(Seventh embodiment)
Here, a method for further improving the characteristics of the optical wavelength conversion element is examined.
[0199]
By providing a layer having a high refractive index in the cladding layer, the shape of the waveguide mode of the fundamental wave can be controlled. Therefore, the structure shown in FIG. 23 is formed in order to facilitate the shape control of the waveguide mode. . Specifically, the waveguide mode is easily controlled by making the clad layer a multilayer film structure.
[0200]
FIG. 23A is a perspective view of the light wavelength conversion element, and FIG. 23B is a cross-sectional view. In the configuration of FIG. 23, the cladding layer is made of SiO 2 Layer 712 and Nb 2 O Five Except for the multilayer structure with the
[0201]
In order to draw the profile of the waveguide mode toward the substrate surface side and improve the overlap between the fundamental wave and the second harmonic, a layer having a refractive index higher than that of the substrate is required in the multilayer film. Here, Ta 2 O Five And Nb 2 O Five And forming a clad layer of a multilayer film. It was confirmed that by controlling the thickness of the multilayer film, the overlap was improved and the conversion efficiency was improved.
[0202]
Next, improvement in conversion efficiency by symmetrizing the refractive index distribution of the optical waveguide will be described.
[0203]
If the refractive index distribution has a symmetrical structure with respect to the depth direction, the overlap between the fundamental wave and the second harmonic can be greatly improved. For this purpose, a material having a refractive index equal to that of the substrate is required as the cladding layer. LiTaO as a substrate Three Has a refractive index of about 2.15 for light of 860 nm. Therefore, in order to form a cladding layer having a refractive index close to this value, Ta 2 O Five And Nb 2 O Five Was used as the cladding layer. Ta 2 O Five And Nb 2 O Five Were approximately 2.0 and 2.25, respectively, and the overall refractive index was brought close to the above value (2.15) by controlling the mixing ratio.
[0204]
Deposition is Ta 2 O Five And Nb 2 O Five Sputter deposition using a mixed target of When the clad layer was deposited to a thickness of about 500 nm and an optical wavelength conversion device having the configuration shown in FIG. 23 was produced, it was confirmed that the conversion efficiency was greatly improved due to an increase in overlap.
[0205]
Thus, by using a film having the same refractive index as that of the substrate for the cladding layer, the conversion efficiency of the optical wavelength conversion element can be improved. The conversion efficiency is improved because the refractive index of the cladding layer is LiTaO. Three This is a case where the refractive index is higher than the refractive index of the substrate and lower than the refractive index of the waveguide layer.
[0206]
(Eighth embodiment)
Here, an optical wavelength conversion element structure having excellent light damage resistance is described.
[0207]
Optical damage is a phenomenon in which the refractive index of a waveguide changes due to light guided through the optical waveguide and the output becomes unstable, and is particularly noticeable for short wavelength light. The optical wavelength conversion element converts the fundamental wave to generate a second short wavelength (wavelength: green to blue to ultraviolet). If the refractive index of the waveguide changes due to optical damage, the second harmonic output Changes and the wavelength conversion characteristics become unstable.
[0208]
In the following, the results of studies conducted on the structure to reduce optical damage will be described.
[0209]
The optical damage resistance of an optical wavelength conversion element using a conventional embedded optical waveguide was measured. LiTaO on the substrate Three When the wavelength of a fundamental wave of about 860 nm is converted by using a wavelength to generate the second harmonic of about 430 nm, optical damage occurs due to the output of the second harmonic of several mW, and the output becomes unstable. Became clear. As a result of investigating the cause of photodamage, we discovered the following.
[0210]
First, by conducting proton exchange, the electrical conductivity of the proton exchange part is improved, thereby improving the light damage resistance.
[0211]
Secondly, optical damage is affected not only by the optical damage resistance inside the waveguide but also by the optical damage resistance around the waveguide. Since the embedded optical waveguide has low electrical conductivity at the periphery of the optical waveguide and is likely to cause optical damage, optical damage occurs at the periphery of the proton exchange optical waveguide.
[0212]
Third, the non-uniformity of the duty ratio of the polarization inversion period (the width W of the polarization inversion portion / the polarization inversion period Λ) affects the optical damage characteristics. Optical damage is a phenomenon in which a refractive index change occurs through an electro-optic effect due to an electric field excited by light. For this reason, it becomes possible to cancel the optical excitation electric field by the periodic domain-inverted structure and reduce the refractive index change. However, in the buried optical waveguide, the duty ratio of the periodic domain-inverted structure is likely to be non-uniform, and optical damage occurs with respect to the low-power second harmonic light.
[0213]
Examination on the light damage resistance revealed that the light damage resistance around the optical waveguide affects the characteristics of the light guide. Since the loaded optical waveguide has a proton exchange layer on the side surface of the waveguide, it has a light damage resistance about 10 times that of the embedded optical waveguide. However, the bottom surface of the loaded optical waveguide has a structure similar to that of a normal buried optical waveguide.
[0214]
Therefore, the structure shown in FIG. 24 is formed. FIG. 24A is a perspective view of the light wavelength conversion element, and FIG. 24B is a cross-sectional view. Specifically, the proton exchange layer has a multilayer structure, and a second
[0215]
By providing a second
[0216]
Moreover, it became clear by examination of this inventor that optical damage intensity also depends on a polarization inversion period. As described above, the periodic domain-inverted structure has the effect of canceling out the electric field caused by light excitation. However, when the domain-inverted period becomes coarse, this effect is diminished and light damage is likely to occur. Specifically, when the polarization inversion period is about 4 μm or less, the light damage resistance is remarkably increased. Even at a period of about 8 μm or less, it was confirmed that the light damage resistance was improved by 2 times or more with respect to the substrate. However, when the inversion period was about 10 μm or more, improvement in light damage resistance due to polarization inversion could not be confirmed.
[0217]
(Ninth embodiment)
In the embodiment described above, as a method of forming a high refractive index waveguide layer, LiTaO is obtained by heat-treating the substrate in pyrophosphoric acid. Three Li in the substrate + And H in acid + And a proton exchange layer having a high refractive index was formed on the substrate surface. The following provides a method for further improving the proton exchange method to form an optical waveguide that is low loss and resistant to optical damage.
[0218]
Since pyrophosphoric acid has a large dissociation constant at high temperature and it is difficult for uneven concentration in the liquid to occur, a proton exchange layer using pyrophosphoric acid can form a low-loss proton exchange layer having a uniform refractive index and thickness. However, since the exchange amount of Li ions and protons in the substrate is large, the substrate surface is chemically damaged, and the nonlinear constant of the substrate is extremely deteriorated. Therefore, the controllability of proton exchange amount by proton exchange using pyrophosphoric acid was examined.
[0219]
As a method of controlling the proton exchange amount of pyrophosphoric acid, there is a method of neutralizing the acid to reduce the dissociation constant. Therefore, a change in proton exchange characteristics was observed by adding Li phosphate to pyrophosphoric acid. However, even when Li phosphate was added more than 10 times that of pyrophosphoric acid, no change in proton exchange characteristics (exchange rate, refractive index) was observed. Moreover, when Li phosphate was added, the viscosity of the solution increased, resulting in extremely poor workability.
[0220]
Therefore, a method for exchanging protons by providing a proton permeable membrane on the substrate surface is proposed.
[0221]
FIG. 25A and FIG. 25B are process diagrams of the optical waveguide manufacturing method of the present embodiment. First, as shown in FIG. 25 (a), LiTaO is formed by sputter deposition. Three Ta on the + C surface of the substrate 901 2 O Five A film (permeable film) 902 is deposited. Next, the
[0222]
FIG. 26 shows Ta 2 O Five FIG. 6 is a characteristic factor diagram showing the relationship between the thickness of the
[0223]
When the formed proton exchange layer was evaluated, it was found that chemical damage was very small and the propagation loss of the optical waveguide could be reduced to 1/2 or less. Furthermore, it was confirmed that the optical waveguide having excellent characteristics was formed by improving the light damage resistance strength more than twice.
[0224]
Moreover, the nonlinearity of the proton exchange layer can be improved by lowering the proton exchange concentration. When proton exchange is performed, LiTaO Three Or LiNbO Three A proton exchange layer is formed on such a material, and a step-like high refractive index layer is formed. It is known that the non-linearity of the proton exchange layer deteriorates to less than half that of the substrate when the exchange concentration increases. To recover the nonlinearity, it is necessary to anneal the proton exchange layer to lower the proton exchange concentration. However, when the annealing treatment is performed, the proton exchange layer expands due to thermal diffusion, and the refractive index distribution changes from stepped to graded. Will change. For this reason, when applied to an optical wavelength conversion element or the like, it is difficult to control the electric field distribution shape of the waveguide mode, which causes a decrease in conversion efficiency. But Ta 2 O Five Since the proton concentration distribution can be controlled by using the membrane as the permeable membrane, it is possible to form an optical waveguide having a step-shaped refractive index distribution and maintaining high nonlinearity.
[0225]
Ta to prevent nonlinear deterioration 2 O Five The minimum thickness of the film is about 500 nm. By forming the optical wavelength conversion element using this method, the conversion efficiency can be greatly improved.
[0226]
Further, as shown in FIG. 2 O Five When the film thickness is about 100 nm or less, the change of the diffusion constant with respect to the film thickness increases, and Ta is controlled to control the proton exchange depth. 2 O Five Precise control of the film thickness is required, making it difficult to control. In addition, Ta 2 O Five When the thickness of the film is about 50 nm or less, the effect of reducing chemical damage is small. On the other hand, Ta 2 O Five As the thickness of the membrane increases, the diffusion constant decreases and the proton exchange time becomes longer, resulting in poor productivity.
[0227]
For this reason, Ta 2 O Five The film thickness is suitably about 1 μm or less. That is, in order to form a highly nonlinear waveguide, a permeable membrane (Ta having a thickness of about 500 nm to about 1000 nm is used. 2 O Five In order to control the proton exchange rate, about 50 nm to about 100 nm is suitable.
[0228]
In addition, Ta 2 O Five By combining the permeable membrane and the proton exchange selection mask, the proton exchange shape can be greatly changed, and the electric field distribution in the waveguide mode can be controlled.
[0229]
Specifically, first, as shown in FIG. Three A stripe-shaped
[0230]
FIGS. 28A and 28B are cross-sectional views of proton exchange profiles. FIG. 28 (a) shows Ta 2 O Five This is a case where there is no permeable membrane, and (b) shows a Ta film having a thickness of about 400 nm. 2 O Five This is a case where proton exchange is performed through the
[0231]
In the optical waveguide formed by such a proton exchange process, it is possible to selectively excite a secondary propagation mode having two peaks, and it is possible to take out a light output of two peaks. As a result, the output of two beams can be used as an optical computer, a measurement device for detecting operation, and detection light for position correction in detection of an optical disk. In addition, by applying to an optical demultiplexer, the guided light can be efficiently demultiplexed into two waveguides.
[0232]
Also, proton exchange rate Ta 2 O Five The proton exchange profile can be controlled using the dependence on the thickness of the permeable membrane. Usually, in order to form proton exchange layers having different thicknesses on one wafer, it is necessary to repeat a process of forming a proton exchange mask having an appropriate pattern and performing partial proton exchange. But Ta 2 O Five By using the permeable membrane, it is possible to simultaneously form proton exchange layers having different thicknesses in one proton exchange step. For example, as shown in FIG. 29, Ta used with the Ta mask pattern 911 2 O Five By partially changing the thickness of the
[0233]
If the above method is used, the distribution of the proton exchange layer can be freely changed, and the process can be simplified.
[0234]
Next, a mask with excellent acid resistance capable of proton exchange over a long period of time will be described.
[0235]
LiTaO Three , LiNbO Three In order to form a deep proton exchange layer, etc., proton exchange for a long time is required. For example, LiTaO Three In general, in order to form a proton exchange layer having a depth of about 2 μm or more, a proton exchange treatment at about 260 ° C. for about 4 hours or more is generally required. However, in order to perform selective proton exchange as described above, a mask that can withstand proton treatment for a long time at a high temperature is required. However, according to the prior art, it is difficult to exchange protons for more than 1 hour even if a Ta mask having excellent acid resistance is used.
[0236]
On the other hand, the present inventors have found that a mask excellent in acid resistance capable of long-time proton exchange can be obtained by depositing an oxide film on a metal film. Specifically, after depositing a Ta film about 60 nm, Ta film is deposited on the surface. 2 O Five A permeable membrane is deposited to a thickness of about 400 nm. As a result, it was confirmed that even when proton exchange was performed for 4 hours or more, the mask showed sufficient proton resistance, and the substrate under the mask was not proton-exchanged at all. Thus, the proton exchange mask excellent in acid resistance was realizable by depositing an oxide film on a metal mask.
[0237]
In this embodiment, Ta is used as the permeable membrane. 2 O Five But Nb 2 O Five , SiO 2 , TiO 2, Al 2 O Three , LiNbO Three , LiTaO Three Similar effects can be obtained by using an oxide film having excellent acid resistance such as the above.
[0238]
(Tenth embodiment)
Next, the etching rate in the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element according to the tenth to fifteenth embodiments of the present invention will be described.
[0239]
Structurally and chemically stable substrates that are difficult to process and difficult to be corroded by solvents, such as quartz, can be etched with high precision even using etching means such as wet etching, dry etching, and reactive ion etching. Have difficulty. Such a substrate has a small selection ratio with respect to a resist pattern in etching, and it is difficult to form a deep etching shape when a fine shape is etched.
[0240]
On the other hand, in the manufacturing method of the following optical waveguide and optical wavelength conversion element of the present invention, the etching rate is improved by changing the characteristics of the substrate by selectively ion-exchange only the portion to be etched. . For example, LiNbO Three , LiTaO Three When a substrate such as the above is heat-treated in an acid, Li atoms in the crystal and protons (+ H) are exchanged to form a proton exchange layer. In the proton exchange layer, the bond between atoms is weaker than that of the original crystal, and it is easily etched. As a result, the proton exchange layer is easily etched by wet etching, dry etching, reactive ion etching, or the like. Therefore, in the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element of the present invention, the ion exchange is selectively performed only on the portion to be etched, and this portion is etched, so that the etching process with high selectivity can be performed with high accuracy. It becomes. For this reason, according to the manufacturing method of the present invention, it is possible to form an optical waveguide and an optical wavelength conversion element having uniform quality.
[0241]
Next, unevenness generated on the surface of the waveguide in the method for manufacturing an optical wavelength conversion element having a polarization inversion structure at regular intervals so as to be orthogonal to the waveguide direction will be described.
[0242]
In the conventional manufacturing method, the surface of the optical waveguide is uneven by etching, and the propagation loss of light is large. This is because the crystal plane is different between the domain-inverted portion and the non-inverted portion on the surface of the optical waveguide, resulting in a difference in etching rate. However, when ion exchange treatment is performed on a surface having such a periodically poled structure, unevenness does not occur even on the surface having a periodically poled structure in the ion exchange portion. It's been found. Therefore, by selectively performing ion exchange treatment only on the portion to be etched, etching is performed to eliminate the irregularities on the surface of the optical waveguide, and to produce an optical wavelength conversion element having a highly efficient optical waveguide with little light propagation loss. It becomes possible.
[0243]
Next, optical damage in the optical waveguide and the optical wavelength conversion element manufactured by the manufacturing method of the present invention will be described.
[0244]
In a conventional embedded optical waveguide, the electric field distribution of light propagating through the optical waveguide oozes out from the optical waveguide. For this reason, when strong light propagates through the waveguide, optical damage (a phenomenon in which the refractive index of the substance changes due to exposure to light) occurs in the outer periphery of the waveguide. However, in the ridge type optical waveguide manufactured by the manufacturing method of the present invention, since the ridge type waveguide layer is formed on the surface of the optical waveguide, the oozing of the electric field distribution of light is reduced. As a result, the optical waveguide according to the present invention has a structure strong against optical damage.
[0245]
In addition, a change in refractive index due to light damage is induced by generating an electric field from impurities in the crystal due to light irradiation and generating an electric field inside the crystal. However, when an ion exchange part is formed in the vicinity of the waveguide, the electric conductivity is increased in the ion exchange part, and the generation of an internal electric field can be suppressed. Therefore, in the structure formed by the manufacturing method of the present invention, since the ridge-type ion exchange layer is formed on the surface of the optical waveguide, the occurrence of optical damage is suppressed.
[0246]
Next, the overlapping of the electric field distribution in the optical wavelength conversion element of the present invention will be described.
[0247]
In the optical wavelength conversion element, the overlap of the electric field distribution between the fundamental wave and the second harmonic greatly affects the conversion efficiency. In the optical wavelength conversion device according to the present invention, since the ridge is formed on the surface of the optical waveguide, the refractive index distribution is stepped, and the fundamental wave and the second harmonic are overlapped as compared with the conventional embedded optical waveguide. Can be increased. Furthermore, since a layer having a high ion concentration is formed in the vicinity of the surface of the optical waveguide, the overlapping of electric fields in the depth direction also increases, and the optical wavelength conversion device according to the present invention has high conversion efficiency.
[0248]
30A to 30F are views showing a method of manufacturing an optical waveguide according to the tenth embodiment of the present invention, and are cross-sectional views taken along a plane orthogonal to the light guiding direction.
[0249]
First, as shown in FIG. 30A, the LiTa0 of the C plate, which is a nonlinear optical material. Three A single crystal substrate 1001 (a substrate cut along a plane perpendicular to the C-axis of the crystal, hereinafter abbreviated as “
[0250]
Next, the
[0251]
Next, a Ta layer having a thickness of about 60 nm is deposited on the + C plane, which is the surface of the
[0252]
Further, the non-mask part is proton exchanged again using the
[0253]
Next, after applying a negative resist (not shown) to the front surface of the
[0254]
Next, using the formed resist
[0255]
A
[0256]
Etching in the above manufacturing method will be described.
[0257]
In the above manufacturing method, only the etched portion is selectively proton-exchanged using the
[0258]
[Table 3]
[0259]
Table 3 shows LiTaO Three CHF in Three It is data comparing the etching rates in the atmosphere, and shows the etching rates of various substrates to be etched and the selectivity with respect to the resist pattern. The selectivity here is proton exchanged LiTaO Three The values normalized by the substrate values are shown. The substrate to be etched in Table 3 is LiTaO. Three Substrate, LiTaO annealed after proton exchange Three Substrate and proton-exchanged LiTaO Three There are three types of substrates.
[0260]
As shown in Table 3, LiTaO Three By subjecting the substrate to proton exchange treatment, a high selectivity (5 times) can be obtained with respect to the resist pattern as compared with other substrates. For this reason, proton-exchanged LiTaO Three The substrate can be etched to form a finer and deeper shape than other substrates.
[0261]
Next, it will be described that the depth of etching can be controlled with high accuracy by using proton exchange in the above manufacturing method.
[0262]
In a general dry etching apparatus, the etching thickness control has an error of ± several percent. For this reason, when manufacturing an optical waveguide using such a dry etching apparatus, there exists a problem that the characteristic of an optical waveguide varies. However, the etching depth can be controlled with high accuracy by using the method for manufacturing an optical waveguide according to the present invention. The reason is described below.
[0263]
As shown in Table 3 above, the etching rate is greatly different between the proton exchange part and the annealed proton exchange part. For this reason, in the manufacturing method of the present invention, when the etching of the proton exchange layer is completed and the annealing treatment part is reached, the etching rate rapidly decreases and the etching is substantially stopped. Therefore, the etching depth substantially matches the depth of the proton exchange layer. The depth of the proton exchange layer can be controlled with an accuracy of ± 1% or less. For this reason, the control of the etching depth can be controlled to ± 1% or less equivalent to the control of the depth of the proton exchange layer.
[0264]
In addition, proton exchanged LiTaO Three Since the substrate has a high selectivity with respect to the resist pattern, the shape of the resist pattern is reliably maintained during etching. Therefore, in the production method of the present invention, LiTaO that is not proton exchanged Three LiTaO with proton exchange compared to etching the substrate Three In the substrate, an etching shape closer to vertical is obtained.
[0265]
Next, self-alignment in the above manufacturing method will be described.
[0266]
In the above manufacturing method, the
[0267]
Next, a characteristic evaluation experiment of the optical waveguide manufactured by the above manufacturing method will be described.
[0268]
FIG. 31 is a cross-sectional view showing an optical waveguide manufactured by the above manufacturing method. The same components as those in FIGS. 30A to 30F are denoted by the same reference numerals.
A characteristic evaluation experiment was conducted by propagating light having a wavelength of about 860 nm through the optical waveguide. Specifically, light of a semiconductor laser having a wavelength of about 860 nm was coupled to the optical waveguide using a lens, and a near-field image of the guided light was measured from the exit end face of the optical waveguide. According to this measurement result, the optical waveguide can be strongly confined by the
[0269]
Next, measurement results of each characteristic in the characteristic evaluation experiment will be described.
[0270]
First, the propagation characteristics of the formed optical waveguide will be described.
[0271]
The measured value of the propagation loss of the guided light was about 2 dB / cm, and a relatively low loss optical waveguide was formed. This value is LiTaO Three The value is about ½ when the substrate itself is directly etched, and it can be understood that a low-loss optical waveguide is formed by the above manufacturing method.
[0272]
Next, the measurement result regarding the nonlinearity of the formed optical waveguide will be described.
[0273]
LiTaO Three When the substrate is proton-exchanged, nonlinear optical constants and electro-optic constants greatly deteriorate, and proton-exchanged LiTaO Three This has been a serious problem when an optical waveguide having a substrate is applied to a nonlinear optical element, an electro-optical element, or the like. However, proton exchanged LiTaO Three By annealing the optical waveguide of the substrate at a higher temperature, the proton concentration decreases, and each constant is also normal LiTaO Three It was confirmed that it recovered to the same value as the substrate.
[0274]
From the measurement result of the nonlinear optical constant of the optical waveguide manufactured by the manufacturing method of this embodiment, this optical waveguide is an annealed LiTaO Three It was confirmed that the nonlinear optical constant was almost equal to the optical waveguide of the substrate. This is because the secondary
[0275]
Next, the measurement result in the waveguide loss characteristic of the optical waveguide to be formed will be described.
[0276]
The cause of the waveguide loss of the ridge type optical waveguide is a slight unevenness generated on the surface when the ridge shape is etched. In particular, since the refractive index difference between the waveguide portion (refractive index: about 2.2) and the air layer (refractive index: 1.0) is large, if there are irregularities on the surface of the optical waveguide, the waveguide loss will be reduced. growing. In order to reduce this influence, it is necessary to cover the entire optical waveguide with a material having a higher refractive index than the air layer.
[0277]
Therefore, the relationship between the refractive index of the coating film and the waveguide loss when the entire ridge-type optical waveguide formed as described above was coated with a film of a material higher than the refractive index of the air layer was measured. FIG. 32 shows the measurement results. As shown in FIG. 32, the waveguide loss decreases as the refractive index increases from 1.0. However, when the refractive index of the coating film exceeds the refractive index of the waveguide, light is not confined in the waveguide, and the fundamental wave is cut off. For this reason, it is preferable that the coating film is formed of a light transmissive material having a refractive index larger than the refractive index (1.0) of the air layer and smaller than the refractive index of the optical waveguide (about 2.2).
[0278]
In the above description, LiTaO Three A single crystal substrate is used, but LiNbO Three Single crystal substrate or LiTaO Three And LiNbO Three And polycrystalline substrate (LiNb 1-x Ta x 0 Three (0 ≦ X ≦ 1)), the same effect as described above can be obtained. LiNbO Three Has a large electro-optic constant and nonlinear optical constant, and is applied to optical waveguide elements (optical switches, nonlinear optical elements, acousto-optic elements, etc.) in many fields. Therefore, the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element of the present embodiment is very effective in these application fields.
[0279]
In addition, LiTaO Three MgO: LiNbO with MgO added instead of substrate Three Substrate or MgO: LiTaO Three It can also be applied to substrates. Since a substrate formed of these materials is resistant to optical damage, a high-power element can be manufactured and effective.
[0280]
Further, a KTP substrate can be used as the substrate. When KTP is used as the substrate material, Rb ion exchange is used as ion exchange, and an optical waveguide having the same effect as described above can be formed. Since KTP has excellent light damage resistance, the optical waveguide of the KTP substrate is effective as a high-power optical waveguide.
[0281]
(Eleventh embodiment)
FIGS. 33A to 33F are views showing a method of manufacturing an optical waveguide according to the eleventh embodiment of the present invention, and are cross-sectional views taken along a plane orthogonal to the light guiding direction.
[0282]
First, as shown in FIG. 33A, the LiTa0 of the C plate, which is a nonlinear optical material. Three Single-crystal substrate 1101 (a substrate cut in a plane perpendicular to the C-axis of the crystal, hereinafter abbreviated as “
[0283]
Next, the
[0284]
Next, the substrate is again heat-treated in pyrophosphoric acid to form a secondary
[0285]
Further, as shown in FIG. 33D, a linear resist
[0286]
Then, using the formed resist
[0287]
Thereafter, as shown in FIG. 33F, the resist
[0288]
Further, both end faces that are the entrance and exit surfaces of the optical waveguide are optically polished to produce an optical waveguide in which light is guided in a direction orthogonal to the drawing. The annealed
[0289]
According to said manufacturing method, since a manufacturing process is simple, a ridge type | mold optical waveguide can be manufactured easily. Further, in the above manufacturing method, by forming the secondary
[0290]
Furthermore, the optical waveguide of the present embodiment has excellent light damage resistance because a portion having a high proton concentration is formed on the surface thereof. This is because the portion having a high proton concentration has a higher electric conductivity than the substrate, so that the generation of an electric field accompanying the bias of free charge due to photoexcitation that causes photodamage is suppressed.
[0291]
In addition, since a portion having a high proton concentration is formed on the surface of the optical waveguide, a change with time in the characteristics of the optical waveguide is suppressed. That is, LiNbO Three Or LiTaO Three In the annealed proton exchange layer, a change in refractive index with time occurs, but according to the present embodiment, such a change in refractive index is suppressed by further proton exchange. This is because in the annealed proton exchange layer, the crystal structure in the vicinity of the surface gradually changes after the annealing treatment, whereas when the surface part is subjected to proton exchange again, the crystal structure of that part changes. is there.
[0292]
In the above description, LiTaO Three A single crystal substrate is used, but LiNbO Three Single crystal substrate or LiTaO Three And LiNbO Three And polycrystalline substrate (LiNb 1-x Ta x 0 Three (0 ≦ X ≦ 1)), the same effect as described above can be obtained. LiNbO Three Has a large electro-optic constant and nonlinear optical constant, and is applied to optical waveguide elements (optical switches, nonlinear optical elements, acousto-optic elements, etc.) in many fields. Therefore, the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element of the present embodiment is very effective in these application fields.
[0293]
In addition, LiTaO Three MgO: LiNbO with MgO added instead of substrate Three Substrate or MgO: LiTaO Three It can also be applied to substrates. Since a substrate formed of these materials is resistant to optical damage, a high-power element can be manufactured and effective.
[0294]
Further, a KTP substrate can be used as the substrate. When KTP is used as the substrate material, Rb ion exchange is used as ion exchange, and an optical waveguide having the same effect as described above can be formed. Since KTP has excellent light damage resistance, the optical waveguide of the KTP substrate is effective as a high-power optical waveguide.
[0295]
Furthermore, in the above description, a proton exchange waveguide is used for the optical waveguide, but metal diffusion waveguides such as Ti, Cu, Nd, Cd, and Z can also be applied. Since these metal diffusion waveguides have little deterioration of nonlinear constants or electro-optic constants, optical elements having excellent characteristics can be manufactured.
[0296]
(Twelfth embodiment)
FIGS. 34A to 34G are views showing a method of manufacturing an optical wavelength conversion element using the method of manufacturing an optical waveguide described in the tenth embodiment of the present invention, and each shows a light waveguide direction. It is sectional drawing along the surface orthogonal to.
[0297]
First, as shown in FIG. 34A, the LiTa0 of the C plate, which is a nonlinear optical material. Three Single-crystal substrate 1201 (a substrate cut in a plane perpendicular to the C-axis of the crystal, hereinafter abbreviated as “
[0298]
Next, the
[0299]
Next, a comb-shaped
[0300]
Further, after removing both electrodes, a Ta layer having a thickness of about 60 nm is deposited on the + C surface of the
[0301]
Further, the non-mask portion is proton exchanged again using the
[0302]
Next, after applying a negative resist (not shown) to the front surface of the
[0303]
Next, using the formed resist
[0304]
A
[0305]
In the manufacturing method of this embodiment, since the domain-inverted
[0306]
Normally, when the domain-inverted layer is etched, irregularities are formed on the surface of the optical waveguide due to the difference in etching rate between the non-domain-inverted layer and the domain-inverted layer. However, in the manufacturing method of this embodiment, since the secondary
[0307]
Furthermore, according to the manufacturing method described above, the etching depth can be controlled with high accuracy by controlling the depth of the secondary
[0308]
Next, the principle of the optical wavelength conversion element manufactured by the manufacturing method of this embodiment will be described.
FIG. 35 is a perspective view showing the structure of an optical wavelength conversion element manufactured by the manufacturing method of this embodiment. The same components as those in FIGS. 34A to 34G are denoted by the same reference numerals, and the description thereof is omitted.
[0309]
The optical wavelength conversion element in FIG. 35 is a quasi-phase matching type second harmonic generation element, and propagates through the optical waveguide by the
[0310]
Next, the characteristic evaluation result of the optical wavelength conversion element manufactured by the above manufacturing method will be described.
[0311]
First, the overlapping of waveguide modes (fundamental wave and second harmonic) of an optical wavelength conversion element having a ridge-type optical waveguide will be described.
[0312]
In the evaluation experiment of the optical wavelength conversion element of the present embodiment, a near-field image of the guided light propagating through the optical waveguide was observed to obtain the overlap in the horizontal direction (X direction in FIG. 35) of the electric field distribution of the guided light. 36 (a) and 36 (b) are graphs showing the intensity distributions of the fundamental wave light and the second harmonic light in the optical waveguide. FIG. 36 (a) shows the case of a conventional buried waveguide, and FIG. b) shows the case of the ridge type optical waveguide of the present embodiment. From these graphs, it can be seen that the horizontal overlap is much larger in the ridge type optical waveguide of the present embodiment than the intensity distribution of the conventional buried type optical waveguide. This is because the refractive index distribution of the ridge type optical waveguide is stepped by the
[0313]
Next, the light damage resistance in the optical wavelength conversion element manufactured in this embodiment will be described.
[0314]
Optical damage in an optical waveguide is likely to occur in a place where light confinement is strong, such as an optical waveguide. Moreover, the occurrence of such optical damage becomes more remarkable as the wavelength of light is shorter. In the conventional optical wavelength conversion element, optical damage is caused by the generation of the second harmonic, and the output property becomes unstable. Therefore, in a conventional embedded optical waveguide, proton-exchanged LiTaO is excellent in light damage resistance and has a high light damage resistance compared to the substrate. Three Was used. However, in the conventional buried type optical waveguide, the guided light oozes out to the part other than the proton exchange region, so that optical damage occurs at the outer periphery of the waveguide, resulting in the generation of the second harmonic with high output. It was difficult to do.
[0315]
On the other hand, when an evaluation experiment of optical damage resistance was performed on the optical wavelength conversion element manufactured by the manufacturing method of the present embodiment, the optical resistance conversion was 10 times or more that of an optical wavelength conversion element using a conventional embedded optical waveguide. It was damaging. This is because an optical wavelength conversion element using a ridge-type optical waveguide has a ridge-shaped proton exchange layer formed on the surface of the optical waveguide to suppress the leakage of light from the optical waveguide. In addition, since the proton exchange layer has high electrical conductivity, generation of an electric field due to bias of photoexcited free electrons that causes photodamage is suppressed. For this reason, in the wavelength conversion element of this embodiment, the waveguide structure excellent in light damage resistance is realized by the ridge-shaped proton exchange layer formed on the surface of the waveguide. Furthermore, in the light wavelength conversion element of this embodiment, the
[0316]
Next, the conversion efficiency of the optical wavelength conversion element of this embodiment will be described.
[0317]
In a ridge-type optical waveguide, if fine irregularities are formed on the side surface of the
[0318]
Moreover, in the optical wavelength conversion element of this embodiment, it is possible to increase the overlap of the propagation light in the lateral direction in the optical waveguide by using the ridge type optical waveguide. However, the overlap of the light intensity distribution in the depth direction (Z direction in FIG. 35) in the optical waveguide has not been improved so much, and in order to form an optical wavelength conversion element having a highly efficient optical waveguide, the depth It is necessary to increase the overlap in the vertical direction. Therefore, as a method for controlling the intensity distribution of the guided light in the depth direction, a high refractive index layer is formed on the surface of the
[0319]
FIGS. 37A and 37B are state diagrams showing the overlapping state of the fundamental wave and the second high frequency in the depth direction in the optical wavelength conversion element. FIG. 37A is a diagram illustrating the manufacturing method of the present embodiment. FIG. 5B shows the overlapping state between the waveguide modes in the manufactured optical wavelength conversion element, and FIG. 6B shows the overlapping state between the waveguide modes in the optical wavelength conversion element in which the high
[0320]
In the optical wavelength conversion element shown in FIG. 37B, the high
[0321]
In the above description, LiTaO Three A single crystal substrate is used, but LiNbO Three Single crystal substrate or LiTaO Three And LiNbO Three And polycrystalline substrate (LiNb 1-x Ta x 0 Three (0 ≦ X ≦ 1)), the same effect as described above can be obtained. LiNbO Three Has a large electro-optic constant and nonlinear optical constant, and is applied to optical waveguide elements (optical switches, nonlinear optical elements, acousto-optic elements, etc.) in many fields. Therefore, the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element of the present embodiment is very effective in these application fields.
[0322]
In addition, LiTaO Three MgO: LiNbO with MgO added instead of substrate Three Substrate or MgO: LiTaO Three It can also be applied to substrates. Since a substrate formed of these materials is resistant to optical damage, a high-power element can be manufactured and effective.
[0323]
Further, a KTP substrate can be used as the substrate. When KTP is used as the substrate material, Rb ion exchange is used as ion exchange, and an optical waveguide having the same effect as described above can be formed. Since KTP has excellent light damage resistance, the optical waveguide of the KTP substrate is effective as a high-power optical waveguide.
[0324]
In addition, a semiconductor substrate such as ZnS or GaAs can also be used as the substrate. Since semiconductor materials have a large nonlinear optical constant and manufacturing technology has been developed, a high-output optical wavelength conversion element can be produced.
[0325]
Furthermore, in the above description, a proton exchange waveguide is used for the optical waveguide, but metal diffusion waveguides such as Ti, Cu, Nd, Cd, and Z can also be applied. Since these metal diffusion waveguides have little deterioration of nonlinear constants or electro-optic constants, optical elements having excellent characteristics can be manufactured.
[0326]
(13th Embodiment)
38 (a) to 38 (f) are diagrams showing a method of manufacturing an optical wavelength conversion element using the method of manufacturing an optical waveguide described in the eleventh embodiment of the present invention, and each shows a light waveguide direction. It is sectional drawing along the surface orthogonal to.
[0327]
First, as shown in FIG. 38A, the LiTa0 of the C plate, which is a nonlinear optical material. Three A single crystal substrate 1301 (a substrate cut along a plane perpendicular to the C-axis of the crystal, hereinafter abbreviated as “
[0328]
Next, the
[0329]
Next, the substrate is again heat-treated in pyrophosphoric acid to form a secondary
[0330]
Next, a comb-shaped electrode 1309 a is provided on the + C surface which is the surface of the
[0331]
Further, after removing both electrodes, a linear resist
[0332]
Then, using the formed resist
[0333]
In the manufacturing method of the optical wavelength conversion element of the present embodiment, the optical wavelength conversion element having the ridge type optical waveguide can be easily manufactured by a simple manufacturing process. Furthermore, since the ridge of the optical wavelength conversion element to be formed is provided in the secondary
[0334]
Furthermore, according to the above manufacturing method, the etching depth can be controlled with high accuracy by controlling the depth of the secondary
[0335]
Next, the characteristic evaluation result of the optical wavelength conversion element manufactured by the above manufacturing method will be described.
[0336]
FIG. 39 is a perspective view showing the structure of an optical wavelength conversion element manufactured by the manufacturing method of the present embodiment. The same components as those in FIGS. 38A to 38F are denoted by the same reference numerals. Specifically, an annealed
[0337]
Since the optical wavelength conversion element having the above configuration includes the
[0338]
FIG. 40 is a graph showing the relationship between the thickness of the ridge and the conversion efficiency of the optical wavelength conversion element. (A), (b) and (c) of FIG. 40 show the overlap in the thickness direction between the respective waveguide modes (fundamental wave and second harmonic) in three types of optical wavelength conversion elements having different ridge heights. Is shown.
[0339]
In the optical wavelength conversion element shown in FIG. 40A, the
[0340]
In the optical wavelength conversion element shown in FIG. 40B, a slightly
[0341]
In the optical wavelength conversion element shown in FIG. 40C, a thicker high refractive index layer is provided, and the overlap between the fundamental wave and the second harmonic is increased. At this time, both the fundamental wave and the second harmonic are cut off in the high refractive index layer on the surface. However, in the optical wavelength conversion element of FIG. 40 (c), the second harmonic is guided through the high refractive index layer, so that the conversion efficiency is lowered. This is because the proton concentration in the high refractive index layer is high and the nonlinear optical constant is deteriorated, so that highly efficient wavelength conversion does not occur in the high refractive index layer.
[0342]
Therefore, in order to construct a highly efficient optical wavelength conversion element, it is desirable that the thickness of the ridge be set to such an extent that only the second harmonic is cut off.
[0343]
Furthermore, the optical wavelength conversion element of this embodiment has excellent light damage resistance because a portion with a high proton concentration is formed on the surface of the optical waveguide. This is because the portion having a high proton concentration has a higher electric conductivity than the substrate, so that the generation of an electric field accompanying the bias of free charge due to photoexcitation that causes photodamage is suppressed.
[0344]
In addition, since a portion having a high proton concentration is formed on the surface of the optical waveguide, a change with time in the characteristics of the optical waveguide is suppressed. That is, LiNbO Three Or LiTaO Three In the annealed proton exchange layer, a change in refractive index with time occurs, but according to the present embodiment, such a change in refractive index is suppressed by further proton exchange. This is because in the annealed proton exchange layer, the crystal structure in the vicinity of the surface gradually changes after the annealing treatment, whereas when the surface part is subjected to proton exchange again, the crystal structure of that part changes. is there.
[0345]
In the above description, LiTaO Three A single crystal substrate is used, but LiNbO Three Single crystal substrate or LiTaO Three And LiNbO Three And polycrystalline substrate (LiNb 1-x Ta x 0 Three (0 ≦ X ≦ 1)), the same effect as described above can be obtained. LiNbO Three Has a large electro-optic constant and nonlinear optical constant, and is applied to optical waveguide elements (optical switches, nonlinear optical elements, acousto-optic elements, etc.) in many fields. Therefore, the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element of the present embodiment is very effective in these application fields.
[0346]
In addition, LiTaO Three MgO: LiNbO with MgO added instead of substrate Three Substrate or MgO: LiTaO Three It can also be applied to substrates. Since a substrate formed of these materials is resistant to optical damage, a high-power element can be manufactured and effective.
[0347]
Further, a KTP substrate can be used as the substrate. When KTP is used as the substrate material, Rb ion exchange is used as ion exchange, and an optical waveguide having the same effect as described above can be formed. Since KTP has excellent light damage resistance, the optical waveguide of the KTP substrate is effective as a high-power optical waveguide.
[0348]
In addition, a semiconductor substrate such as ZnS or GaAs can also be used as the substrate. Since semiconductor materials have a large nonlinear optical constant and manufacturing technology has been developed, a high-output optical wavelength conversion element can be produced.
[0349]
Furthermore, in the above description, a proton exchange waveguide is used for the optical waveguide, but metal diffusion waveguides such as Ti, Cu, Nd, Cd, and Z can also be applied. Since these metal diffusion waveguides have little deterioration of nonlinear constants or electro-optic constants, optical elements having excellent characteristics can be manufactured.
[0350]
The configuration of the optical waveguide in the present invention can also be applied to, for example, a fiber-shaped waveguide. In that case, the cylindrical core formed of the optical material corresponds to the optical waveguide layer in the above description, and the cladding layer having the above-described characteristics is formed so as to cover the surface of the core.
[0351]
【The invention's effect】
As described above, a clad layer is provided on the optical waveguide, and the phase matching is performed between the fundamental wave of the fundamental mode propagating through the optical waveguide and the second harmonic of the higher order mode in which part of the wave is guided through the clad layer. Since the conversion efficiency can be greatly improved by increasing the overlap between the modes, a great effect can be obtained in practical use.
[0352]
Moreover, confinement in the width direction of the waveguide can be strengthened by forming the clad layer with a material having a high refractive index. As a result, the emission angles of the light emitted from the waveguide can be made substantially equal in the width direction and the depth direction, the aspect ratio of the emitted beam can be improved, and the light utilization efficiency can be greatly improved. . As a result, a great effect is obtained in practical use.
[0353]
Further, in the optical wavelength conversion element, by providing a high refractive index layer and a cladding layer having a refractive index from the substrate, confinement of light propagating through the optical waveguide can be strengthened, and the light power density can be improved. . Further, this increases the overlap of the electric field distribution between the fundamental wave and the harmonic wave propagating in the optical waveguide, so that the conversion efficiency can be greatly improved, and a great effect can be obtained practically.
[0354]
Moreover, the structure of the optical wavelength conversion element of the present invention can greatly reduce the fluctuation of the second harmonic output due to optical damage. As a result, a high-output and stable second harmonic output can be obtained, and a great effect can be obtained in practical use.
[0355]
Furthermore, according to the present invention, since the electric field distribution can be controlled by the high refractive index cladding layer, the controllability of the mode profile propagating through the optical waveguide is improved. As a result, the aspect ratio of the radiation pattern of the second harmonic output can be made close to 1, and the light utilization efficiency is greatly improved, and a great effect is obtained in practical use.
[0356]
Furthermore, as a method for producing an optical waveguide, chemical exchange on the surface of the proton exchange layer can be reduced by performing proton exchange through the permeable membrane during proton exchange. As a result, an optical waveguide with a small waveguide loss can be formed, and a great effect can be obtained in practical use.
[0357]
Further, since the thickness of the proton exchange layer formed by controlling the thickness of the permeable membrane can be controlled, proton exchange layers having different depths can be formed by one proton exchange treatment. Furthermore, since the shape of the proton exchange layer to be formed can be controlled by the shape of the permeable membrane, it is possible to improve the mass productivity by simplifying the operation and reducing the process steps, and a great effect is obtained in practical use.
[0358]
Furthermore, in the manufacturing method of the optical waveguide and the optical wavelength conversion element of the present invention, only the etched portion is selectively proton-exchanged using a metal mask, and a resist pattern is formed on the metal mask by backside exposure and etched. Thus, an optical waveguide can be easily formed. Further, in the above manufacturing process, the etching portion is ion-exchanged to improve the etching rate and the etching accuracy, and it becomes possible to form an optical waveguide with uniform quality.
[0359]
Furthermore, the manufactured optical waveguide has low loss and excellent optical damage resistance, and the electric field distribution of the waveguide mode propagating through the waveguide is optimized, so that the optical wavelength conversion element with high efficiency and high output can be obtained. Applicable.
[0360]
For example, according to the manufacturing method of the tenth embodiment, since the etching depth can be controlled with high accuracy, the optical waveguide can be made uniform and the waveguide loss can be reduced. In the manufacturing method according to the eleventh embodiment, a high refractive index layer having a high proton exchange concentration is formed on the ridge to realize an element with strong light confinement, and an optical waveguide having excellent light damage resistance is easily manufactured. be able to. Furthermore, according to the twelfth embodiment, by forming a ridge on the surface of the optical waveguide and forming a high refractive index portion on the ridge, optical wavelength conversion having high conversion efficiency and excellent light damage resistance is achieved. An element can be obtained. Further, according to the manufacturing method shown in the thirteenth embodiment, since the etching depth can be controlled with high accuracy, an optical wavelength conversion element having uniform quality can be easily manufactured, and an optical wavelength with high conversion efficiency. A conversion element can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A to 1D are cross-sectional views for explaining a conventional method for manufacturing a buried optical waveguide.
2A is a perspective view showing an example of a configuration of a conventional optical wavelength conversion element, FIG. 2B is a cross-sectional view taken along
FIG. 3 is a perspective view showing another example of the configuration of a conventional optical wavelength conversion element.
FIG. 4 is a perspective view showing still another example of the configuration of a conventional optical wavelength conversion element.
FIGS. 5A and 5B are diagrams schematically illustrating an overlap between a waveguide mode of an optical waveguide layer and a polarization inversion layer. FIGS.
6A is a schematic cross-sectional view of an optical waveguide, and FIG. 6B is a diagram illustrating an electric field distribution of a waveguide mode in the configuration of FIG.
7A to 7D are schematic cross-sectional views of optical waveguides having various configurations, and diagrams showing electric field distributions of waveguide modes in the respective configurations.
FIG. 8 is a diagram showing a relationship between a refractive index ratio and a second harmonic intensity ratio in a cladding layer and an optical waveguide layer.
FIG. 9 is a diagram illustrating a configuration of an optical wavelength conversion element according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram illustrating an overlap between a fundamental wave and a second harmonic.
FIGS. 11A and 11B are cross-sectional views showing the configuration of an optical wavelength conversion element having a cladding layer, respectively, and FIGS. 11C and 11D show the configurations of FIGS. It is a figure which shows the electric field strength distribution of the guided light in.
FIGS. 12A to 12D are cross-sectional views illustrating a manufacturing process of an optical wavelength conversion device according to the first embodiment of the present invention. FIGS.
[Figure 13] LiTaO Three And Nb 2 O Five It is a figure showing the refractive index dispersion characteristic.
FIG. 14 is a diagram illustrating the characteristics of a waveguide mode with respect to the wavelength of guided light and the thickness of a cladding layer.
FIGS. 15A to 15C are diagrams showing electric field distributions of waveguide modes with respect to clad layers having different thicknesses. FIGS.
FIGS. 16A to 16D are diagrams for explaining a light propagation state (waveguide mode of fundamental wave and second harmonic);
FIG. 17 is a diagram illustrating a relationship between a refractive index and a thickness of a clad layer.
FIG. 18 is a diagram showing a configuration of an optical wavelength conversion element according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a diagram showing a configuration of an optical wavelength conversion element according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a diagram illustrating a configuration of a short wavelength light source.
FIG. 21 is a diagram illustrating a configuration of an optical pickup.
FIGS. 22A to 22H are diagrams for explaining an electric field distribution in a waveguide mode when a clad layer made of a different material is formed. FIGS.
FIG. 23 is a diagram showing a configuration of an optical wavelength conversion element in a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 24 is a diagram showing a configuration of an optical wavelength conversion element in an eighth embodiment of the present invention.
FIGS. 25A and 25B are cross-sectional views illustrating a manufacturing process of an optical waveguide in a ninth embodiment of the present invention. FIGS.
FIG. 26 Ta 2 O Five It is a figure showing the relationship between the thickness of a permeable film, and a diffusion constant.
FIGS. 27A to 27C are cross-sectional views illustrating another manufacturing process of the optical waveguide in the ninth embodiment of the present invention. FIGS.
28 (a) and 28 (b) are cross-sectional views of the proton exchange layer to be formed.
FIG. 29 is another cross-sectional view of a proton exchange layer formed by proton exchange treatment using a permeable membrane.
FIGS. 30A to 30F are cross-sectional views illustrating a manufacturing process of an optical waveguide in a tenth embodiment of the present invention.
FIG. 31 is a cross-sectional view showing a configuration of an optical waveguide.
32 is a diagram showing the relationship between the refractive index of a layer formed on the surface of the optical waveguide of FIG. 31 and waveguide loss.
33 (a) to 33 (f) are cross-sectional views illustrating an optical waveguide manufacturing process in an eleventh embodiment of the present invention.
34 (a) to (g) are cross-sectional views illustrating a manufacturing process of an optical wavelength conversion device in a twelfth embodiment of the present invention.
FIG. 35 is a perspective view showing a configuration of an optical wavelength conversion element.
36 (a) and 36 (b) are diagrams showing the lateral intensity distribution of light propagating through the optical waveguide.
FIGS. 37A and 37B are diagrams showing the intensity distribution in the depth direction of light propagating through the optical waveguide. FIGS.
FIGS. 38A to 38F are cross-sectional views illustrating a manufacturing process of an optical wavelength conversion device in a thirteenth embodiment of the present invention.
FIG. 39 is a perspective view showing a configuration of an optical wavelength conversion element.
FIG. 40 is a diagram showing the relationship between the ridge thickness and the conversion efficiency in the optical wavelength conversion element.
[Explanation of symbols]
101 LiTaO Three substrate
104 Polarization inversion layer
105 Proton exchange layer
106 fundamental light
107 Second harmonic light
108 Period Λ of polarization inversion layer
109 Width W of polarization inversion layer
110 Clad layer
111 Cover layer
Claims (9)
該基板に形成された光導波層と、
該光導波層の上であって前記基板の表面に形成されたクラッド層とを備え、
前記光導波層内で波長λの基本波が波長λ/2の高調波に変換される光波長変換素子において、
前記光導波層に周期状の分極反転構造が形成されており、
前記クラッド層の厚さは、前記波長λ/2の光に対する導波条件を満足し且つ前記波長λの光に対してはカットオフ条件を満足するように設定されており、
前記クラッド層の実効屈折率Ncと前記光導波層の実効屈折率Nfとは、Nc>1.02・Nfの関係を満足していることを特徴とする光波長変換素子。A substrate made of a material having a nonlinear optical effect;
An optical waveguide layer formed on the substrate;
A cladding layer formed on the surface of the substrate on the optical waveguide layer,
In the optical wavelength conversion element in which the fundamental wave of wavelength λ is converted into a harmonic of wavelength λ / 2 in the optical waveguide layer,
A periodic domain-inverted structure is formed in the optical waveguide layer,
The thickness of the cladding layer is set so as to satisfy a waveguide condition for the light of the wavelength λ / 2 and to satisfy a cutoff condition for the light of the wavelength λ,
The optical wavelength conversion element, wherein the effective refractive index Nc of the cladding layer and the effective refractive index Nf of the optical waveguide layer satisfy a relationship of Nc> 1.02 · Nf.
該コアの周辺部を覆っているクラッド層とを備え、
前記コア内で波長λの基本波が波長λ/2の高調波に変換される光波長変換素子において、
前記コアに周期状の分極反転構造が形成されており、
前記クラッド層の厚さは、前記波長λ/2の光に対する導波条件を満足し且つ前記波長λの光に対してはカットオフ条件を満足するように設定されており、
前記クラッド層の実効屈折率Ncと前記コアの実効屈折率Nfとは、Nc>1.02・Nfの関係を満足していることを特徴とする光波長変換素子。A cylindrical core made of a material having a nonlinear optical effect;
A cladding layer covering the periphery of the core,
In the optical wavelength conversion element in which the fundamental wave of wavelength λ is converted into a harmonic of wavelength λ / 2 in the core,
A periodic domain-inverted structure is formed in the core,
The thickness of the cladding layer is set so as to satisfy a waveguide condition for the light of the wavelength λ / 2 and to satisfy a cutoff condition for the light of the wavelength λ,
The optical wavelength conversion element, wherein the effective refractive index Nc of the cladding layer and the effective refractive index Nf of the core satisfy a relationship of Nc> 1.02 · Nf.
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