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JP3982516B2 - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給ポンプより圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧し、このコモンレール内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタを介して内燃機関の気筒の燃焼室内に所定の噴射タイミングで噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に関するもので、特に燃料供給ポンプより吐出される燃料吐出量を利用して、燃料噴射量の経時劣化を補正することが可能な噴射量経時劣化補正機能を備えた内燃機関用燃料噴射装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、内燃機関(例えばディーゼルエンジン)用の燃料噴射システムとして、コモンレール式燃料噴射システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、燃料供給ポンプ、コモンレール、エンジンの気筒数分のインジェクタと、それらを燃料回路として連結するための高圧管、リーク燃料を燃料タンクに回収するための低圧管、また、燃料供給ポンプおよびインジェクタの動作を演算するためのエンジン制御ユニット(ECU)、インジェクタの電磁弁を開弁駆動する電磁弁駆動回路、電気信号や駆動電力を送るためのワイヤーハーネス等によって構成されている。
そして、コモンレール内の燃料圧力は、コモンレール圧力センサにより所定のタイミングでサンプリングされ、コモンレール圧力(実燃料圧力)と目標燃料圧力との圧力偏差が有る場合には、コモンレール圧力の昇圧、減圧をフィードバック制御にて制御されている。これは、燃料供給ポンプの加圧室内に吸入される燃料吸入量を流路面積を可変とした電磁式吸入調量弁にて調節し、燃料噴射量および燃料リーク量等に見合った燃料吐出量(ポンプ吐出量)をコモンレール内に圧送供給してコモンレール圧力をコントロールしている。
また、コモンレール式燃料噴射システムにおいては、ドライバのアクセル操作量(アクセル開度)とエンジン回転速度とによって決定される基本噴射量に、エンジン冷却水温等を考慮した噴射量補正量を加算して指令噴射量を求め、この指令噴射量とコモンレール圧力(実燃料圧力)とによってインジェクタの電磁弁に印加するパルス状のインジェクタ駆動信号の通電時間(指令噴射期間)を求め、指令噴射時期から指令噴射期間が終了するまでインジェクタの電磁弁を開弁駆動することで、エンジンの気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量が制御されるように構成されている。
ここで、180°CA間のポンプ吐出量の一般的な内訳を、図8のグラフに基づいて説明する。但し、4気筒ディーゼルエンジンで、2噴射1圧送(360°CA中に2噴射)の場合を示す。すなわち、180°CA間のポンプ吐出量は、360°CA間の燃料噴射量(QINJ)の総計と、360°CA間のインジェクタスイッチングリーク量(インジェクタ動的リーク量)の総計と、360°CA間のインジェクタクリアランスリーク量(インジェクタ静的リーク量)の総計と、圧力保持分(360°CA間のコモンレール圧力変化相当量)の総計とを全て加算した値の平均値が、180°CA間のポンプ吐出量となる。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来のコモンレール式燃料噴射システムにおいては、インジェクタの経時劣化、例えばインジェクタのノズルボディの先端部に形成された噴射孔の孔径が変化(傾向としては増加傾向)したり、ノズルニードルのフルリフト時にノズルボディの弁座とノズルニードルのシート部との間に形成されるクリアランスが変化(傾向としては増加傾向)することにより、エンジンの運転状態に応じて設定される指令噴射量に対して、エンジンの気筒の燃焼室内への実際の燃料噴射量がズレる(増加する)という問題が生じている。
なお、エンジン新品の初期状態においては、指令噴射量と実際の燃料噴射量との相関がとれている状態にて出荷されている。例えばコモンレール式燃料噴射システムにおける燃料噴射量の調量は、インジェクタの電磁弁に印加するパルス状のインジェクタ駆動信号(TQパルス)の通電時間により制御され、通常、そのTQパルスの通電時間(指令噴射期間)と実際の燃料噴射量との相関がインジェクタ単品個々で保証されている。しかし、インジェクタの経時劣化後については、指令噴射量または指令噴射期間に対して実際の燃料噴射量をうまく補正する手段がなかった。この結果として、ドライバのアクセル操作量に対応したエンジン出力(例えばエンジン回転速度またはエンジン出力軸トルク)を得ることができず、ドライバビリティが悪化したり、また、スモークが悪化したりするという問題が生じている。
特開2000−282929号公報(第1−8頁、図1−図15)
本発明の目的は、燃料消費量の変化量または燃料噴射量の変化量を推定し、この燃料消費量の変化量または燃料噴射量の変化量を燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、この燃料噴射量の経時劣化量に基づいて実際の燃料噴射量を補正することで、ドライバビリティの悪化およびスモークの悪化を防止することのできる内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、先回の所定の期間内における燃料消費量の総和である第1燃料消費量の推定値から、先回の所定の期間と略同一で、且つほぼ同じ運転条件下とされた、今回の所定の期間内における燃料消費量の総和である第2燃料消費量の推定値を減算して、燃料消費量の変化量を算出し、この燃料消費量の変化量を燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、この燃料噴射量の経時劣化量を考慮した補正量を利用して指令噴射量または指令噴射期間を補正することにより、燃料噴射量の経時劣化量に基づいて実際の燃料噴射量を補正することができる。これによって、ドライバのアクセル操作量に対応したエンジン出力を得ることができるので、ドライバビリティを向上することができる。また、スモークの悪化を防止できるので、エミッションを改善することができる。
請求項2に記載の発明によれば、先回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第1燃料噴射量の推定値から、先回の所定の期間と略同一で、且つほぼ同じ運転条件下とされた、今回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第2燃料噴射量の推定値を減算して、燃料噴射量の変化量を算出し、この燃料噴射量の変化量を燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、この燃料噴射量の経時劣化量を考慮した補正量を利用して指令噴射量または指令噴射期間を補正することにより、燃料噴射量の経時劣化量に基づいて実際の燃料噴射量を補正することができる。これによって、ドライバのアクセル操作量に対応したエンジン出力を得ることができるので、ドライバビリティを向上することができる。また、スモークの悪化を防止できるので、エミッションを改善することができる。
請求項3に記載の発明によれば、上記の第1燃料噴射量の推定値または第2燃料噴射量の推定値は、インジェクタへの通電が成されて内燃機関の気筒への燃料噴射が実施されている時の、所定の期間内における燃料消費量または燃料吐出量の総和の推定値から、インジェクタへの通電の停止が成されて内燃機関の気筒への燃料噴射が休止されている時の、所定の期間内における燃料消費量または燃料吐出量の総和の推定値を減算して、燃料消費量または燃料吐出量の偏差値を算出し、この燃料消費量または燃料吐出量の偏差値からインジェクタ動的リーク量を減算することで求められる。ここで、インジェクタ動的リーク量を、インジェクタの電磁弁に印加するインジェクタ駆動信号の通電時間と燃料配管内の燃料圧力とから求めるようにしても良い。また、第1、第2燃料噴射量の推定値の算出間隔が長期間である場合には、第1燃料噴射量の推定値を記憶する噴射量推定値記憶手段を設けても良い。また、第1燃料噴射量の推定値から第2燃料噴射量の推定値を減算して、燃料噴射量の変化量を算出する噴射量変化量算出手段を設けても良い。
請求項4に記載の発明によれば、燃料供給ポンプを、加圧室内に吸入した燃料を加圧して圧送供給する複数の圧送系統を有する高圧供給ポンプによって構成しても良い。また、インジェクタを、内燃機関の各気筒毎に対応して搭載されて、内燃機関の各気筒に高圧燃料を噴射供給する複数のインジェクタによって構成しても良い。また、燃料供給ポンプより圧送供給された高圧燃料を蓄圧すると共に、この蓄圧された高圧燃料を複数のインジェクタに分配供給するコモンレールを設けても良い。すなわち、本発明を、蓄圧式燃料噴射装置(コモンレール式燃料噴射システム)に適用しても良い。
請求項5に記載の発明によれば、所定の期間内としては、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送供給する1回の燃料圧送期間内、あるいは内燃機関の特定気筒への燃料噴射から次気筒への燃料噴射までの燃料噴射間隔内のいずれかを用いても良い。
請求項6に記載の発明によれば、電磁弁駆動回路によってインジェクタの電磁弁を開弁駆動することで、制御室内から燃料系の低圧側に高圧燃料が溢流され、制御室内の燃料圧力が下がる。これにより、ノズルニードルが開弁して、コモンレール内の高圧燃料が内燃機関の気筒に噴射供給されるので、内燃機関が回転する。すなわち、エンジンの出力軸にエンジン出力軸トルクが発生する。
本発明を実施するための最良の形態は、ドライバビリティの悪化およびスモークの悪化を防止するという目的を、燃料消費量の変化量または燃料噴射量の変化量を推定し、この燃料消費量の変化量または燃料噴射量の変化量を燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、この燃料噴射量の経時劣化量に基づいて実際の燃料噴射量を補正することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図7は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図で、図2はインジェクタの構造を示した図である。
本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、例えば自動車等の車両に搭載された多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)であり、コモンレール1内に蓄圧された高圧燃料をエンジンの各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給するように構成されている。このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1内に高圧燃料を圧送供給するサプライポンプ(燃料供給ポンプ)2と、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を噴射する複数のインジェクタ4と、サプライポンプ2の電磁式吸入調量弁(SCV)3および複数のインジェクタ4の電磁弁5を電子制御するエンジン制御ユニット(インジェクタ制御装置:以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。なお、図1では、4気筒エンジンの1つの気筒に対応するインジェクタ4のみを示し、その他の気筒についてはインジェクタの図示を省略している。
コモンレール1は、燃料供給配管12を介して高圧燃料を圧送供給するサプライポンプ2の吐出口と接続されており、サプライポンプ2の吐出口より圧送供給された高圧燃料を蓄圧する蓄圧室を有し、この蓄圧室内に蓄圧された高圧燃料を複数の燃料供給配管(分岐管)13を介して複数のインジェクタ4に分配供給する蓄圧配管である。このコモンレール1から燃料タンク6へのリリーフ配管(燃料還流配管)14には、燃料タンク6に連通する燃料排出路(燃料還流路)の開口度合を調整することが可能な常閉型の減圧弁7が設置されている。この減圧弁7は、図示しない減圧弁駆動回路を介してECU10から印加される減圧弁駆動電流によって電子制御されることにより、例えばエンジン停止時(または減速時)に速やかにコモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧力)を高圧から低圧へ減圧させる減圧性能に優れる電磁弁である。なお、減圧弁7の代わりに、リリーフ配管14に、コモンレール1内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁してコモンレール1内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるプレッシャリミッタを取り付けるようにしても良い。
本実施例のサプライポンプ2は、吸入した低圧燃料を加圧して高圧化しコモンレール1内に圧送供給する圧送系統(ポンプエレメント)を2つ備え、1つの吸入調量弁3で、全ての圧送系統の燃料吐出量(ポンプ吐出量)を、吸入燃料量を調量することで制御するタイプ(吸入調量型)の高圧供給ポンプである。このサプライポンプ2は、エンジンのクランクシャフトの回転に伴ってポンプ駆動軸が回転することで、燃料タンク6から低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムに駆動されて上死点と下死点との間を往復運動する複数個(本例では2個)のプランジャ#1、#2とを有している。また、加圧室からコモンレール1に向けて高圧燃料を吐出する燃料吐出経路には、加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると開弁する複数個(本例では2個)の吐出弁(図示せず)が設置されている。
そして、サプライポンプ2は、プランジャ#1、#2がポンプシリンダ内を往復摺動することで、燃料タンク6から燃料供給配管11を経て複数個(本例では2個)の加圧室(プランジャ室:図示せず)内に吸入された低圧燃料を加圧して高圧化する。なお、燃料供給配管11の途中には、燃料フィルタ8が設置されている。そして、サプライポンプ2は、図3に示したように、プランジャ#1、#2が上死点(TDC)位置から下死点位置を過ぎるまでの期間が加圧室内に低圧燃料を吸入するポンプ吸入期間とされ、その後に、吐出弁が開弁している間、つまりプランジャ#1、#2が上死点(TDC)位置に戻るまでの期間が加圧室内で加圧された高圧燃料を圧送するポンプ圧送期間とされている。また、サプライポンプ2には、内部のポンプ燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ2からのリーク燃料は、燃料還流配管15を介して燃料タンク6に戻される。なお、図3のタイミングチャートは、1回のポンプ圧送期間内に燃料噴射が2回(2気筒分)行われる非同期圧送(2噴射1圧送)のタイプを示す。
ここで、サプライポンプ2内に形成される、フィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路(図示せず)の途中には、その燃料吸入経路の開口度合(弁体のリフト量または弁孔の開口面積)を調整するアクチュエータとしての電磁式吸入調量弁(以下吸入調量弁と略す)3が取り付けられている。この吸入調量弁3は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10から印加されるポンプ駆動電流(ポンプ駆動信号)によって電子制御されることにより、サプライポンプ2の加圧室内に吸入される燃料の吸入量(ポンプ吸入量)を調整することで、サプライポンプ2の加圧室からコモンレール1内に吐出される燃料吐出量を制御する。この吸入調量弁3は、リフト量に応じて燃料吸入経路の開口度合を変更する弁体(図示せず)、この弁体を閉弁方向(または開弁方向)に駆動するソレノイドコイル(図示せず)、および弁体を開弁方向(または閉弁方向)に付勢するスプリング等の弁体付勢手段(図示せず)を有している。そして、吸入調量弁3は、ソレノイドコイルに印加されるポンプ駆動電流の大きさに比例して、サプライポンプ2の加圧室からコモンレール1内に吐出される燃料吐出量を調整することで、インジェクタ4からエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当するコモンレール1内の燃料圧力(以下コモンレール圧力と呼ぶ)を変更する。
エンジンの各気筒毎に対応して搭載された複数のインジェクタ4は、コモンレール1より分岐する複数の燃料供給配管(分岐管)13の下流端に接続されて、エンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル21と、この燃料噴射ノズル21内に収容されたノズルニードル22を開弁方向(図示上方)に駆動するアクチュエータとしての2方弁式電磁弁(以下電磁弁と略す)5とから構成された電磁式燃料噴射弁である。
燃料噴射ノズル21は、複数個の噴射孔23を有するノズルボディと、このノズルボディ内に摺動自在に収容されて、複数個の噴射孔23を開閉するノズルニードル22とから構成されている。また、燃料噴射ノズル21には、ノズルニードル22を閉弁方向(図示下方)に付勢するニードル付勢手段としてのリターンスプリング24が設置されている。
なお、ノズルボディおよびこれに連結するノズルホルダよりなるノズル本体(ハウジング)25内には、図示上下方向に移動するコマンドピストン26が収容されている。また、ハウジング25内には、ノズルニードル22と一体的に動作するコマンドピストン26の背圧制御を行う背圧制御室27が設けられている。さらに、ハウジング25内には、コモンレール1から燃料供給配管13を経て供給された高圧燃料を背圧制御室27および燃料溜まり29に導入するための燃料供給経路31が形成されている。
また、燃料溜まり29からノズルニードル22とハウジング25との摺動隙間を経て溢流した燃料、および背圧制御室27からコマンドピストン26とハウジング25との摺動隙間を経て溢流した燃料は、リターンスプリング24を収容するばね室32、燃料還流経路33を経て電磁弁5側の燃料還流経路34に流れ込むように構成されている。ここで、35、36は通過する燃料の流量を調節するための入口側、出口側オリフィス(固定絞り)である。なお、出口側オリフィス36は、ハウジング25内に固定されたオリフィスプレート37に形成されている。
ここで、インジェクタ4の電磁弁5は、インジェクタ駆動回路(EDU)9を介して車載電源(バッテリ)41に電気的に接続されたソレノイドコイル42、このソレノイドコイル42の起磁力により開弁方向(図示上方)へ吸引されるアーマチャ付きの弁体(バルブ)43、およびこのバルブ43を閉弁方向(図示下方)に付勢するバルブ付勢手段としてのリターンスプリング44等から構成されている。なお、電磁弁5には、インジェクタ4内の各摺動部から燃料還流経路33を経て電磁弁5側の燃料還流経路34に排出された燃料や、背圧制御室27から出口側オリフィス36を経て電磁弁5側の燃料還流経路34に排出された燃料を、燃料系の低圧側である燃料タンク6に溢流させるためのリークポート45が設けられている。これにより、インジェクタ4内の各摺動部および背圧制御室27からのリーク燃料は、燃料還流経路34より流出して燃料還流配管14を介して燃料タンク6に戻される。
インジェクタ駆動回路9は、図1および図2に示したように、ECU10からパルス状のインジェクタ駆動信号を受けると、エンジンの各気筒毎に搭載された各インジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42に個別にパルス状のインジェクタ駆動電流を印加することで、電磁弁5を開弁駆動する電磁弁駆動回路である。このインジェクタ駆動回路9は、インジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42に流れるインジェクタ駆動電流を所定値以下に制御する定電流回路51、例えばスイッチング制御されるDC−DCコンバータ等により構成されて、バッテリ41からの電源電圧を昇圧させる昇圧回路52、電源電圧よりも高いエネルギーを蓄積するコンデンサ53、図示しない制御回路により動作制御されるスイッチング素子(例えばMOSFET、IGBTやパワートランジスタ等の半導体スイッチング素子)54等から構成されている。
本実施例のECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラム、制御ロジックおよび制御データを保存する記憶装置(ROMまたはEEPROMおよびRAMまたはスタンバイRAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータ、ポンプ駆動回路が内蔵されている。なお、ポンプ駆動回路は、サプライポンプ2の吸入調量弁3のソレノイドコイルにポンプ駆動電流を印加するポンプ駆動手段である。
そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、ECU電源の供給が成され、メモリ内に格納された制御プログラムや制御ロジックに基づいて、例えば燃料噴射量およびコモンレール圧力が制御目標値となるように電子制御するように構成されている。また、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されてECU電源の供給が断たれると、メモリ内に格納された制御プログラムや制御ロジックに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。そして、ECU10は、図1に示したように、コモンレール1に設置された燃料圧力センサ(コモンレール圧力センサとも言う)65より出力された出力値(コモンレール圧力信号)や、その他の各種センサからのセンサ信号、および車両に設置された一部のスイッチ(例えばエアコンスイッチ、ブレーキスイッチやニュートラルスイッチ等)からのスイッチ信号が、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
ここで、マイクロコンピュータの入力回路には、エンジンの運転状態や運転条件を検出する運転状態検出手段としての、エンジンのクランクシャフトの回転角度を検出するためのクランク角度センサ61、ドライバのアクセルペダルの踏み込み量であるアクセル操作量(以下アクセル開度と呼ぶ:ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)62、サプライポンプ2内に吸入されてフィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路中を流れるポンプ燃料温度(THF)を検出する燃料温度センサ63、およびエンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ64等が接続されている。
上記のセンサのうちクランク角度センサ61は、エンジンのクランクシャフト、あるいはサプライポンプ2のポンプ駆動軸(ドライブシャフトまたはカムシャフト)に取り付けられたNEタイミングロータ(図示せず)の外周に対向するように設けられた電磁ピックアップコイルよりなる。そのNEタイミングロータの外周面には、所定角度毎に凸状歯が複数個配置されている。ここで、本実施例では、図3のタイミングチャートに示したように、基準とする各気筒の基準位置(上死点位置:気筒#1のTDC位置、気筒#3のTDC位置、気筒#4のTDC位置、気筒#2のTDC位置)を判別するための4個の凸状歯が所定回転角度(180°CA)毎に設けられている。
また、サプライポンプ2の吸入開始時期(上死点:プランジャ#1のTDC位置、プランジャ#2のTDC位置)を判別するための2個の凸状歯が所定回転角度(360°CA)毎に設けられている。そして、クランク角度センサ61は、NEタイミングロータの各凸状歯がクランク角度センサ61に対して接近離反を繰り返すことにより、電磁誘導によってパルス状の回転位置信号(NE信号パルス)、特にサプライポンプ2の回転速度(ポンプ回転速度)と同期したNE信号パルスが出力される。なお、ECU10は、クランク角度センサ61より出力されたNE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(以下エンジン回転数とも言う:NE)を検出するための回転速度検出手段として機能する。
そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に、エンジンの運転状態または運転条件に対応した最適な燃料噴射量、噴射時期を演算し、インジェクタ駆動回路(EDU)9を介して各気筒のインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42を駆動する噴射量制御装置としての機能を備えている。また、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に、エンジンの運転状態または運転条件に対応した最適な燃料噴射圧力(コモンレール圧力)を演算し、ポンプ駆動回路を介してサプライポンプ2の吸入調量弁3のソレノイドコイルを駆動する燃料圧力制御装置(コモンレール圧力制御装置)としての機能を備えている。
この燃料圧力制御装置は、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって目標コモンレール圧力(目標燃料圧力:PFIN)を演算する燃料圧力決定手段を有し、この目標燃料圧力(PFIN)を達成するために、燃料圧力センサ65によって検出されたコモンレール圧力(以下実燃料圧力と呼ぶ:PC)が目標燃料圧力(PFIN)と略一致するように、PI(比例積分)制御またはPID(比例積分微分)制御を用いて、サプライポンプ2の2つの圧送系統の燃料吐出量(以下ポンプ吐出量と言う)をフィードバック制御するように構成されている。具体的には、実燃料圧力(PC)と目標燃料圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に基づいて、サプライポンプ2の2つの圧送系統のポンプ吐出量と相関関係を有する(吸入調量弁3のソレノイドコイルに印加する)ポンプ駆動電流をフィードバック制御する。これは、実燃料圧力(PC)と目標燃料圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に対応して単位時間当たりの制御パルス信号(パルス状のポンプ駆動信号)のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、吸入調量弁3の弁体のリフト量およびサプライポンプ2の燃料吸入経路の開口面積を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。これによって、目標燃料圧力(PFIN)に対するコモンレール圧力の制御応答性および追従性を改善することができる。
[実施例1の制御方法]
次に、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムの制御方法を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はインジェクタ噴射量の制御方法を示したフローチャートである。この図4のメインルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に実行される。なお、エンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料噴射量(基本噴射量や指令噴射量等)を、エンジンの各気筒毎に個別に演算しても良い。
先ず、各種センサからのセンサ信号を取り込む(ステップS1)。具体的には、クランク角度センサ61より取り込んだNE信号パルスの間隔時間を計測することでエンジン回転速度(NE)を算出する(エンジン回転速度検出手段)。また、アクセル開度センサ62より取り込んだアクセル開度信号によってアクセル開度(ACCP)を算出する(アクセル操作量検出手段)。また、燃料圧力センサ65より取り込んだコモンレール圧力信号によって実燃料圧力(PC)を算出する(燃料圧力検出手段)。次に、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)とから基本噴射量(Q)を算出する(ステップS2)。
次に、エンジン冷却水温(THW)とポンプ燃料温度(THF)等から、基本噴射量(Q)に対する噴射量補正量(ΔQ)を算出する(補正量算出手段:ステップS3)。ここで、噴射量補正量(ΔQ)を、公知の比例積分(PI)制御または比例積分微分(PID)制御を用いて算出しても良い。この場合には、車速センサによって検出した実際の車両走行速度(車速)と、アクセル開度(ACCP)に対応して算出される目標走行速度との車速偏差に基づいて噴射量補正量(ΔQ)をフィードバック演算する。次に、ステップS2で算出した基本噴射量(Q)に、ステップS3で算出した噴射量補正量(ΔQ)を加算して指令噴射量(QFIN)を算出する(ステップS4)。
次に、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(T)を算出する(噴射時期決定手段:ステップS5)。次に、実燃料圧力(PC)と指令噴射量(QFIN)とによってインジェクタ4の電磁弁5の開弁駆動時間(通電時間、指令噴射期間、以下噴射指令パルス長さと言う:TQFIN)を算出する(噴射期間決定手段:ステップS6)。次に、インジェクタ駆動回路(EDU)9を介して各気筒のインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42に、指令噴射時期(T)から噴射指令パルス長さ(TQFIN)が経過するまでの間、パルス状のインジェクタ駆動電流を印加する(インジェクタ駆動手段:ステップS7)。その後に、図4のメインルーチンを抜ける。
ここで、インジェクタ駆動回路9は、図2に示したように、昇圧回路52によって昇圧した電源電圧よりも高いエネルギーをコンデンサ53に蓄積している。そして、所定のタイミングで(ECU10からのパルス状のインジェクタ駆動信号が印加された時点で)スイッチング素子54を動作させて、その蓄積エネルギーの放出(放電)によりインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42にパルス状のインジェクタ駆動電流を印加することで、電磁弁5のバルブ43を開弁駆動する。これにより、インジェクタ4の背圧制御室27内に充満していた高圧燃料が、背圧制御室27から出口側オリフィス36および燃料還流経路34を経て燃料系の低圧側に溢流することで、背圧制御室27内の燃料圧力(ノズルニードル22を図示下方に押し下げる側に作用する圧力)が低下し、燃料溜まり29内の燃料圧力(ノズルニードル22を図示上方に押し上げる側に作用する圧力)がリターンスプリング24の付勢力(ノズルニードル22を図示下方に押し下げる側に作用するスプリング力)に打ち勝った段階で、ノズルニードル22が図示上方へのリフトを開始する。
すなわち、インジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42への通電が開始されてから所定の開弁遅延時間が経過した後に、ノズルニードル22がノズルボディの弁座より離座して複数個の噴射孔23を開弁する。そして、ノズルニードル22が複数個の噴射孔23を開弁している間、コモンレール1、燃料供給配管13、インジェクタ4の燃料溜まり29および燃料供給経路31内に蓄圧された高圧燃料がエンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給される。これにより、エンジンが運転される。ここで、本実施例では、図3には、概略の燃料噴射時期である各気筒の上死点(TDC)が示されている。すなわち、燃料の噴射順序は、気筒#1→気筒#3→気筒#4→気筒#2の順となる。
そして、指令噴射時期から指令噴射期間が経過して、ECU10からのパルス状のインジェクタ駆動信号がオフされた時点で、インジェクタ駆動回路9が、インジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42への通電を停止することで、電磁弁5のバルブ43が閉弁駆動される。これにより、コモンレール1から燃料供給配管13、燃料供給経路31および入口側オリフィス35を経て背圧制御室27内に供給された高圧燃料が背圧制御室27内に充満することで、背圧制御室27内の燃料圧力が上昇する。そして、背圧制御室27内の燃料圧力(ノズルニードル22を図示下方に押し下げる側に作用する圧力)、およびリターンスプリング24の付勢力(ノズルニードル22を図示下方に押し下げる側に作用するスプリング力)が、燃料溜まり29内の燃料圧力(ノズルニードル22を図示上方に押し上げる側に作用する圧力)に打ち勝った段階で、ノズルニードル22が図示下方への移動を開始する。すなわち、インジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42への通電が停止されてから所定の閉弁遅延時間が経過した後に、ノズルニードル22がノズルボディの弁座に着座して複数個の噴射孔23を閉弁する。
次に、コモンレール圧力を制御するために計算されている、サプライポンプ2の2つの圧送系統の燃料消費量の変化またはポンプ吐出量の変化をみて、エンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給する実際の燃料噴射量を最適値に補正するインジェクタ噴射量補正方法を、図5ないし図7に基づいて説明する。ここで、図5は燃料噴射量の経時劣化量を推定する推定方法を示したフローチャートである。これは、常に、ポンプ吐出量は燃料消費量とのバランスをみて調量しているため、この燃料消費量の変化=ポンプ吐出量の変化=燃料噴射量の経時変化に置き換えて、インジェクタ4の経時劣化量に対応した噴射量補正量の算出、つまり指令噴射量(QFIN)の補正を実施するものである。
また、この図5のルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後、所定のタイミング毎に実行される。なお、図5のルーチンの計算インターバルについては、例えばエンジンの運転時に所定のタイミング毎常時実施しても良いし、また、定期的(1日の初回運転時のみ、1年に1回、定期点検時、車検時)に実施しても良い。また、車両の走行距離が所定の走行距離に達する毎(例えば500km〜5000km毎)に実施しても良いし、また、ドライバ等の操作者の任意の設定時(例えば専用のスイッチの投入時、または既存のスイッチの長押し時、または複数のスイッチの同時押し時)に実施しても良い。
先ず、コモンレール式燃料噴射システムが正常に作動しているか否かを判定する。すなわち、インジェクタ4の電気的故障(例えば各気筒のインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42の端末リード線に接続するターミナルとインジェクタ駆動回路9とを結合するワイヤーハーネス等の断線故障または短絡故障、あるいはECU10の制御不良、あるいはインジェクタ駆動回路9の出力異常等)が無く、燃料噴射量の経時劣化量に基づく噴射量補正機能を作動しても良いか否かを判断する(ステップS10)。この判定結果がNOの場合には、インジェクタ4の電気的故障が有る異常状態と判断して、図5のルーチンを抜ける。
また、ステップS10の判定結果がYESの場合には、インジェクタ4の電気的故障が無い正常状態と判断して、ポンプ吐出量の計測条件が成立しているか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果がNOの場合には、ポンプ吐出量の計測条件が成立していないと判断して、図5のルーチンを抜ける。具体的には、エンジンの運転状態または運転条件(例えば実燃料圧力(PC)と目標燃料圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)が所定値以下、車両走行速度(SPD)またはエンジン回転速度(NE)または指令噴射量(QFIN)が所定値以下、エンジン冷却水温(THW)やポンプ燃料温度(THF)が所定の温度範囲内等)によってポンプ吐出量の計測条件を限定する。
また、ステップS11の判定結果がYESの場合には、ポンプ吐出量の計測条件が成立していると判断して、各気筒のインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42への通電(電磁弁5の開弁駆動)が成されて各気筒のインジェクタ4が作動中であるか、あるいは各気筒のインジェクタ4の電磁弁5のソレノイドコイル42への通電の停止(電磁弁5の開弁駆動の休止)が成されて各気筒のインジェクタ4が休止中であるかを判定する(ステップS12)。この判定結果が各気筒のインジェクタ4が作動中(エンジンの各気筒への燃料噴射を実施する定常運転状態)である場合には、図6のサブルーチンを実行し、インジェクタ作動時のポンプ吐出量をサンプリングする(ステップS13)。また、ステップS12の判定結果が各気筒のインジェクタ4が休止中(アクセルペダルより足を離した(アクセルオフ)時の減速状態)である場合には、図6のサブルーチンを実行し、インジェクタ休止時のポンプ吐出量をサンプリングする(ステップS14)。
ここで、図6は燃料消費量およびポンプ吐出量の算出方法を示したフローチャートである。先ず、各種センサからのセンサ信号を取り込む(ステップS20)。具体的には、燃料温度センサ63より取り込んだポンプ燃料温度(THF)と冷却水温センサ64より取り込んだエンジン冷却水温(THW)とによってインジェクタリーク温度(THF)を推定する(インジェクタ燃料温度検出手段)。また、燃料圧力センサ65より取り込んだコモンレール圧力信号によって実燃料圧力(PC)を算出する(燃料圧力検出手段)。
次に、サプライポンプ2の2つの圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する燃料圧送期間中、つまり所定のクランク角度(本例では360°CA)期間中のインジェクタクリアランスリーク量(インジェクタ静的リーク量:QSL)の総計を算出する(静的リーク量算出手段:ステップS21)。このインジェクタ静的リーク量(QSL)は、エンジン回転速度(NE)とコモンレール圧力(PC)とインジェクタリーク温度(THF)とインジェクタ静的リーク量(QSL)との関係を予め実験等により求めて作成した特性図または演算式を用いて算出することができる。
すなわち、インジェクタ静的リーク量(QSL)は、インジェクタ4内の各摺動部、つまり燃料溜まり29からノズルニードル22とハウジング25との摺動隙間を経てばね室32内に溢流した燃料、および背圧制御室27からコマンドピストン26とハウジング25との摺動隙間を経てばね室32内に溢流し、そのばね室32、燃料還流経路33、電磁弁5側の燃料還流経路34、リークポート45、燃料還流配管14を経由して燃料系の低圧側である燃料タンク6に排出される(漏れる)燃料リーク量を指す。さらに、インジェクタ4の無噴射時(電磁弁5のソレノイドコイル42の通電停止時)に、電磁弁5のバルブ43が閉弁していても、背圧制御室27から電磁弁5のバルブ43と出口側オリフィス36との間を経て電磁弁5側の燃料還流経路34内に溢流する場合もあるので、このインジェクタ4の無噴射時に背圧制御室27から燃料系の低圧側に溢流する(漏れる)燃料リーク量も、インジェクタ静的リーク量(QSL)に加えることが望ましい。
次に、サプライポンプ2の2つの圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する燃料圧送期間中、つまり所定のクランク角度(本例では360°CA)期間中のインジェクタスイッチングリーク量(インジェクタ動的リーク量:QDL)の総計を算出する(動的リーク量算出手段:ステップS22)。このインジェクタ動的リーク量(QDL)は、噴射指令パルス長さ(TQFIN)とコモンレール圧力(PC)とインジェクタ動リーク量(QDL)との関係を予め実験等により求めて作成した特性図(2次元マップ)または演算式を用いて算出することができる。
すなわち、インジェクタ動的リーク量(QDL)は、コモンレール圧力(PC)×噴射指令パルス長さ(指令噴射期間:TQFIN)×係数によって求められ、背圧制御室27内の高圧燃料が、インジェクタ4の燃料噴射時(電磁弁5のソレノイドコイル42の通電時)に、電磁弁5のバルブ43が開弁することによって、背圧制御室27から出口側オリフィス36、電磁弁5側の燃料還流経路34、リークポート45、燃料還流配管14を径由して燃料系の低圧側である燃料タンク6に排出される(漏れる)燃料リーク量を指す。
次に、サプライポンプ2の2つの圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する燃料圧送期間中、つまり所定のクランク角度(本例では360°CA)期間中の燃料噴射量(QINJ)の総計を算出する(燃料噴射量算出手段:ステップS23)。ここで、360°CA期間中の燃料噴射量(QINJ)は、図3に示したように、360°CA期間中には気筒#1、気筒#3または気筒#4、気筒#2の燃焼室内への燃料噴射が実施されるため、便宜上指令噴射量(QFIN)×2を用いる。なお、指令噴射量(QFIN)×2の代わりに、基本噴射量(Q)×2を用いても良い。
次に、サプライポンプ2の2つの圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する燃料圧送期間中、つまり所定のクランク角度(本例では360°CA)期間中の圧力保持分を算出する(圧力保持分算出手段:ステップS24)。これは、先ず360°CA間のコモンレール圧力変化量(ΔP)を計測する。例えば360°CA前の前回の実燃料圧力(PCi−1)と360°CA後の今回の実燃料圧力(PCi)との圧力差を求める。なお、エンジンの各気筒の燃焼室内への燃料噴射前後の圧力差を求めても良い。
次に、コモンレール圧力変化相当量(圧力保持分)を算出する。これは、360°CA間のコモンレール圧力変化量(ΔP)に高圧燃料部総容積(V)を乗算した値を、体積弾性率(E)で除算した値を、コモンレール圧力変化相当量(高圧燃料部をΔP昇圧に必要な容積:ΔV)とする。ここで、体積弾性率(E)は、コモンレール圧力(実燃料圧力:PC)と燃料温度(インジェクタリーク温度またはポンプオーバーフロー温度またはポンプ燃料温度:THF)によって与えることができる。
次に、所定のクランク角度(本例では360°CA)期間中の燃料消費量の推定値を下記の数1の演算式を用いて算出する(燃料消費量推定手段:ステップS25)。
[数1]
燃料消費量の推定値=(QSL×2)+(QDL×2)+(QINJ×2)+ΔV
次に、所定のクランク角度(本例では360°CA)期間中のポンプ吐出量の推定値を下記の数2の演算式を用いて算出する。すなわち、所定のクランク角度(本例では360°CA)期間内における燃料消費量の総和である燃料消費量の推定値を、所定のクランク角度(本例では360°CA)期間内における燃料吐出量の総和であるポンプ吐出量の推定値に変換する(燃料吐出量推定手段:ステップS26)。その後に、図6のメインルーチンを抜ける。
[数2]
ポンプ吐出量の推定値=燃料消費量の推定値
次に、図5のフローチャートに示したように、ポンプ吐出量の差分を計算する(ステップS15)。これは、図5のステップS13で求めた、インジェクタ4の作動中(エンジンの各気筒への燃料噴射が実施されている時)の、所定のクランク角度(本例では360°CA)期間内におけるポンプ吐出量の推定値から、図5のステップS14で求めた、インジェクタ4の休止時(エンジンの各気筒への燃料噴射が休止されている時)の、所定のクランク角度(本例では360°CA)期間内におけるポンプ吐出量の推定値を減算して、ポンプ吐出量の差分(ポンプ吐出量の偏差値)を算出する。
次に、燃料噴射量を推定する(噴射量推定値算出手段:ステップS16)。これは、ポンプ吐出量の差分(ポンプ吐出量の偏差値)から、図6のステップS22で求めたインジェクタ動的リーク量(QDL)を減算して、今回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第2燃料噴射量の推定値を算出する(第2噴射量推定値算出手段)。次に、同様な方法で求めた先回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第1燃料噴射量の推定値と共に、今回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第2燃料噴射量の推定値をEEPROMまたはスタンバイRAM等のメモリに記憶する(噴射量推定値記憶手段:ステップS17)。
ここで、メモリに記憶されている第1燃料噴射量の推定値は、第2燃料噴射量の推定値の算出方法と同様な方法で算出しても良いが、予めマップ化してEEPROMまたはスタンバイRAM等のメモリに記憶されたモデル計算値を用いても良い。このモデル計算値は、今回の所定の期間と同一期間(360°CA期間)で、且つ同一の運転条件下(少なくとも指令噴射量(QFIN)、エンジン回転速度(NE)、コモンレール圧力(PC)、エンジン冷却水温(THW)またはポンプ燃料温度(THF)またはインジェクタリーク温度(THF)が同一の運転条件下)のポンプ吐出量と第1燃料噴射量の推定値とをパラメータとする2次元マップ(図示せず)を用いて、第2燃料噴射量の推定値と同一の運転条件下での、第1燃料噴射量の推定値とを対応させることが可能なものである。
次に、先回の所定の期間内における第1燃料噴射量の推定値から、今回の所定の期間内における第2燃料噴射量の推定値を減算した推定値の偏差値が所定値以上増加しているか否かを判定する(ステップS18)。この判定結果がNOの場合には、今回の所定の期間内における第2燃料噴射量の推定値を、先回の所定の期間内における第1燃料噴射量の推定値に変換して、EEPROMまたはスタンバイRAM等のメモリに記憶した後に、図5のルーチンを抜ける。なお、今回の所定の期間内における第2燃料噴射量の推定値をキャンセル(削除)しても良い。
また、ステップS18の判定結果がYESの場合には、先回の所定の期間内における第1燃料噴射量の推定値から、今回の所定の期間内における第2燃料噴射量の推定値を減算した値(増加分)を、燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、この燃料噴射量の経時劣化量を考慮した噴射量補正量を利用して指令噴射量(QFIN)を補正する(ステップS19)。その後に、図5のルーチンを抜ける。この場合には、燃料噴射量の経時劣化量を考慮した噴射量補正量を、図4のステップS3で求められる基本噴射量(Q)に対する、エンジン冷却水温(THW)とポンプ燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量(ΔQ)に加算する。
[実施例1の特徴]
ここで、コモンレール圧力を制御するために計算されるポンプ吐出量は、図8のグラフに示したように、燃料噴射量とインジェクタ静的リーク量とインジェクタ動的リーク量と圧力保持分とを全て加算した燃料消費量とのバランスをみて調量されている。しかし、エンジンを長期間継続して運転すると、インジェクタ4からの実際の燃料噴射量が経時劣化により増加する傾向にある。また、インジェクタ4の内部のクリアランスリーク量(インジェクタ静的リーク量)も、経時劣化により増加する傾向にある。なお、インジェクタ4の作動中(電磁弁5のバルブ43の開弁中)のリーク量であるインジェクタ動的リーク量は、経時変化によらず、ほとんど変化しない。また、圧力保持のための必要吐出量である圧力保持分も、エンジンの運転中のコモンレール圧力が一定であれば、圧力保持分も一定である。
そこで、インジェクタ4からの実際の燃料噴射量の経時劣化後に、実際の燃料噴射量を補正する手段として、図7のグラフに示したように、所定の期間(本例では360°CA)内における実際の燃料噴射量(QINJ)を含む燃料消費量、つまりポンプ吐出量を、インジェクタ4の作動時とインジェクタ4の休止時とに分けて推定し、その差分をとることで、実際の燃料噴射量の経時劣化による増加量を推定するようにしている。ここで、インジェクタ4が作動している時の、インジェクタ動的リーク量については、上述したように、経時劣化によらず常に固定(経時変化量小)のため、インジェクタ4の作動時とインジェクタ4の休止時との、主にインジェクタ静的リーク量および圧力保持分を抽出し、インジェクタ4の作動時のポンプ吐出量の推定値からインジェクタ4の休止時のポンプ吐出量の推定値を減算することで、インジェクタ静的リーク量および圧力保持分を排除し、そのポンプ吐出量の偏差値からインジェクタ動的リーク量を減算して実際の燃料噴射量を推定するようにしている。
そして、図7のグラフに示したように、インジェクタ新品状態の時の燃料噴射量の推定値(先回の所定の期間内における第1燃料噴射量の推定値)から、インジェクタ経時劣化後の燃料噴射量の推定値(今回の所定の期間内における第2燃料噴射量の推定値)を減算してその増加量を、燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、この燃料噴射量の経時劣化量を考慮した噴射量補正量を利用して指令噴射量(QFIN)を補正するようにしている。これによって、燃料噴射量の経時劣化量に基づいて実際の燃料噴射量を補正することができる。したがって、ドライバのアクセル操作量に対応したエンジン出力(例えばエンジン回転速度またはエンジン出力軸トルク)を得ることができるので、ドライバビリティを向上することができる。また、スモークの悪化を防止できるので、エミッションを改善することができる。
[変形例]
本実施例では、本発明の一例として、コモンレール式燃料噴射システムに適用した例を説明したが、コモンレール等の蓄圧配管を持たず、燃料供給ポンプから燃料配管を経て直接インジェクタに高圧燃料を圧送供給するタイプの内燃機関用燃料噴射装置に適用しても良い。また、燃料供給ポンプとして列型燃料噴射ポンプや、分配型燃料噴射ポンプを用いても良い。また、本実施例では、電磁弁5により駆動される電磁弁駆動式のインジェクタ4を例に示したが、この例に限られるものではない。つまり、ノズルニードルが開弁するに至る手前量の噴射量指令値が、電磁弁に代わる駆動体に与えられてその駆動体が駆動され、この駆動により高圧燃料を燃料系の低圧側に溢流される動的リークを生じさせるインジェクタであれば電磁弁駆動式のインジェクタ4と同じ効果を得ることができる。前記した電磁弁に代わる駆動体としては、例えばピエゾスタックや、磁歪素子の伸縮(変位)を利用した駆動体等がある。
また、本発明の内燃機関用燃料噴射装置(本例ではコモンレール式燃料噴射システム)を、燃料供給ポンプの複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送供給する1回の燃料圧送期間中に、エンジンの1つの気筒への燃料噴射が対応する同期圧送システムに適用しても良い。また、本発明の内燃機関用燃料噴射装置(本例ではコモンレール式燃料噴射システム)を、燃料供給ポンプの複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送供給する1回の燃料圧送期間中に、エンジンの2つ以上の気筒への燃料噴射が対応する非同期圧送システムに適用しても良い。ここで、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送供給する1回の燃料圧送期間は、例えば4気筒ディーゼルエンジンで2噴射1圧送の場合には360°CA、または4気筒ディーゼルエンジンで1噴射1圧送の場合には180°CAとなる。
本実施例では、第1、第2燃料噴射量の推定値を記憶する噴射量推定値記憶手段として、EEPROMまたはスタンバイRAMを用いたが、EEPROMを用いずに、EPROM、フラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリ、DVD−ROM、CD−ROM、あるいはフレキシブル・ディスク等のような他の記憶媒体を用いて、第1、第2燃料噴射量の推定値を記憶するようにしても良い。この場合にも、イグニッションスイッチをオフ(IG・OFF)した後、あるいはエンジンキーをキーシリンダより抜いた後も、記憶した内容は保存される。また、本実施例では、燃料噴射量の経時劣化量を考慮した噴射量補正量を利用して指令噴射量(QFIN)を補正するようにしているが、燃料噴射量の経時劣化量を考慮した噴射期間補正量を利用して指令噴射期間(噴射指令パルス長さ:TQFIN)を補正するようにしても良い。
コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(実施例1)。 インジェクタの構造とインジェクタ駆動回路を示した構成図である(実施例1)。 NE信号パルス、サプライポンプのプランジャ#1位置、サプライポンプのプランジャ#2位置の推移を示したタイミングチャートである(実施例1)。 インジェクタ噴射量の制御方法を示したフローチャートである(実施例1)。 燃料噴射量の経時劣化量を推定する推定方法を示したフローチャートである(実施例1)。 燃料消費量およびポンプ吐出量の算出方法を示したフローチャートである(実施例1)。 インジェクタ新品状態の時からインジェクタ経時劣化後のポンプ吐出量の変化を示したグラフである(実施例1)。 燃料消費量とポンプ吐出量との関係を示したグラフである(比較例1)。
符号の説明
1 コモンレール
2 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
3 吸入調量弁
4 インジェクタ
5 電磁弁
9 インジェクタ駆動回路(電磁弁駆動回路)
10 ECU(インジェクタ制御装置、エンジン制御装置)
21 燃料噴射ノズル
22 ノズルニードル
23 噴射孔
25 ハウジング
26 コマンドピストン
27 背圧制御室
29 燃料溜まり
31 燃料供給経路
33 燃料還流経路
34 燃料還流経路
65 燃料圧力センサ

Claims (6)

  1. 内燃機関の気筒に燃料を噴射供給するインジェクタと、
    このインジェクタに接続する燃料配管内に燃料を圧送供給する燃料供給ポンプと、
    前記内燃機関の運転状態に対応して設定された指令噴射量または指令噴射期間に基づいて、前記インジェクタの開弁時期および前記インジェクタの開弁期間を制御するインジェクタ制御装置と
    を備えた内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記インジェクタ制御装置は、
    先回の所定の期間内における燃料消費量の総和である第1燃料消費量の推定値から、前記先回の所定の期間と略同一で、且つほぼ同じ運転条件下とされた、今回の所定の期間内における燃料消費量の総和である第2燃料消費量の推定値を減算して、燃料消費量の変化量を算出し、
    この燃料消費量の変化量を燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、
    この燃料噴射量の経時劣化量を考慮した補正量を利用して前記指令噴射量または前記指令噴射期間を補正することを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  2. 内燃機関の気筒に燃料を噴射供給するインジェクタと、
    このインジェクタに接続する燃料配管内に燃料を圧送供給する燃料供給ポンプと、
    前記内燃機関の運転状態に対応して設定された指令噴射量または指令噴射期間に基づいて、前記インジェクタの開弁時期および前記インジェクタの開弁期間を制御するインジェクタ制御装置と
    を備えた内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記インジェクタ制御装置は、
    先回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第1燃料噴射量の推定値から、前記先回の所定の期間と略同一で、且つほぼ同じ運転条件下とされた、今回の所定の期間内における燃料噴射量の総和である第2燃料噴射量の推定値を減算して、燃料噴射量の変化量を算出し、
    この燃料噴射量の変化量を燃料噴射量の経時劣化量に置き換え、
    この燃料噴射量の経時劣化量を考慮した補正量を利用して前記指令噴射量または前記指令噴射期間を補正することを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記インジェクタ制御装置は、
    前記インジェクタへの通電が成されて前記内燃機関の気筒への燃料噴射が実施されている時の、前記所定の期間内における燃料消費量または燃料吐出量の総和の推定値から、前記インジェクタへの通電の停止が成されて前記内燃機関の気筒への燃料噴射が休止されている時の、前記所定の期間内における燃料消費量または燃料吐出量の総和の推定値を減算して、燃料消費量または燃料吐出量の偏差値を算出し、
    この燃料消費量または燃料吐出量の偏差値からインジェクタ動的リーク量を減算して前記第1燃料噴射量の推定値または前記第2燃料噴射量の推定値を算出する噴射量推定値算出手段を有していることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記燃料供給ポンプは、加圧室内に吸入した燃料を加圧して圧送供給する複数の圧送系統を有する高圧供給ポンプよりなり、
    前記インジェクタは、前記内燃機関の各気筒毎に対応して搭載されて、前記内燃機関の各気筒に高圧燃料を噴射供給する複数のインジェクタよりなり、
    前記燃料供給ポンプより圧送供給された高圧燃料を蓄圧すると共に、この蓄圧された高圧燃料を前記複数のインジェクタに分配供給するコモンレールを備えたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記所定の期間内とは、前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送供給する1回の燃料圧送期間内、あるいは前記内燃機関の特定気筒への燃料噴射から次気筒への燃料噴射までの燃料噴射間隔内であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
    前記インジェクタは、
    前記内燃機関の気筒に連通する噴射孔を開閉するノズルニードルと、
    このノズルニードルと一体的に動作するコマンドピストンの背圧制御を行う制御室と、 前記コモンレールから前記制御室内に燃料を供給するための燃料供給経路と、
    前記制御室から燃料系の低圧側に燃料を溢流させるための燃料還流経路と、
    この燃料還流経路を開閉する電磁弁とを有し、
    前記インジェクタ制御装置は、
    前記インジェクタの電磁弁を開弁駆動することで、前記制御室内の燃料を前記燃料系の低圧側に溢流させて、前記インジェクタのノズルニードルを開弁させる電磁弁駆動回路を有していることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
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