JP3973207B2 - 発電機のステータ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動二輪車に搭載されるマグネトなどの発電機のステータに関し、より詳しくは、ステータに複数設けられるコイルのうち、一部のコイルの巻線に、他部のコイルの巻線の一部分を重ね巻きするようにした発電機のステータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車に搭載される発電機には、従来、次のように構成されたものがある。
【0003】
即ち、発電機が、エンジンにより回転駆動させられるローターと、車体側部材に取り付けられて上記ローターの回転中心上に配置されるステータとを備えている。また、このステータは、上記ローターの回転中心上に配置される円環形状の基部材と、この基部材の外周面から径方向外方に向って放射状に突出する複数のコイルとを備え、これら各コイルは、上記基部材から径方向外方に向って突出するボビンと、このボビンの突出端部に取り付けられる鍔部と、上記ボビンに巻き付けられる巻線とを備えている。
【0004】
上記コイルは、上記基部材の周方向の一部分に配置される複数の第1コイルと、上記周方向の他部分に配置される複数の第2コイルとを備え、上記各第1コイルの巻線が一本の第1巻線材により成形される一方、上記各第2コイルの巻線が一本の第2巻線材により成形され、上記第1、第2巻線材の各端部を上記基部材にそれぞれ取り付け可能とさせるタップが設けられている。
【0005】
上記エンジンの駆動に伴い上記ローターを回転駆動させると、上記各コイルに交流電流が誘起されて発電が行われる。上記各第1コイルにより発電された電力は整流器を通してバッテリに充電され、各第2コイルにより発電された電力は交流電流のままで灯火器の点灯に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、次のような問題点がある。
【0007】
即ち、自動二輪車では、近時、バッテリに供給される充電電力の減少を許容する一方、灯火器への入力電力を増加させようとして、第1コイルの発電容量を減少させる一方、第2コイルの発電容量を増加させることが求められている。
【0008】
そこで、上記ステータにおいて、第1コイル数を減少させる一方、第2コイル数を増加させることが考えられる。
【0009】
しかし、上記のようにすると、上記周方向の一方向で、上記第1コイルから第2コイルへの遷移部の上記基部材に対する位置が既存のステータからみて変化し、これに伴い、この遷移部における上記第1、第2巻線材の端部の位置も変化することから、これら各端部を上記基部材に取り付け可能とするタップの上記基部材に対する固着位置も変化させる必要が生じる。
【0010】
即ち、上記のようにすると、基部材に対するタップの固着位置を既存のステータのものからみて変化させる必要が生じ、これに伴い、上記基部材の成形用金型を改めて成形する作業が必要になるなど、ステータの成形作業が極めて煩雑となる。
【0011】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、発電機のステータが、ある用途のために発電電力を出力する複数の第1コイルと、他の用途のために発電電力を出力する複数の第2コイルとを備えた場合に、既存のステータからみて、上記第1コイルの発電容量を減少させる一方、第2コイルの発電容量を増加させようとする際のステータの成形作業が容易にできるようにすることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の発電機のステータは、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0013】
請求項1の発明は、ローターの回転中心2上に配置される環形状の基部材5と、この基部材5の外周面から径方向外方に向って放射状に突出する複数のコイル6とを備え、これら各コイル6が、上記基部材5から径方向外方に向って突出するボビン7と、このボビン7の突出端部に取り付けられる鍔部8と、上記ボビン7に巻き付けられる巻線10とを備え、上記コイル6が、上記基部材5の周方向の一部分に配置される複数の第1コイル13と、上記周方向の他部分に配置される複数の第2コイル14とを備え、上記各第1コイル13の巻線10を一本の第1巻線材17により成形する一方、上記各第2コイル14の巻線10を一本の第2巻線材18により成形し、上記第1、第2巻線材17,18の各端部17a,17b,18a,18bを上記基部材5にそれぞれ取り付け可能とさせる第1〜第4タップ20〜23を設け、これら第1〜第4タップ20〜23を上記第1、第2巻線材17,18の各端部17a,17b,18a,18bの上記周方向での近傍に配置した発電機において、
【0014】
上記第1、第2巻線材17,18の各端部17a,17b,18a,18bのうちの第2巻線材18の一端部(前端部18b)のみを延出させて延出線材18cとし、この延出線材18cを上記第1コイル13の巻線10に重ね巻きして他の巻線30を成形し、上記延出線材18cの延出端部を延出させて戻り線材18dとし、この戻り線材18dを上記第2巻線材18の一端部(前端部18b)の上記周方向での近傍に配置された上記タップ23に取り付けたものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記各第2コイル14のうち、上記基部材5の周方向の一方向Aにおける前端部に位置する第2コイル14(n)の第2巻線材18の端部(前端部18b)を延出させて上記延出線材18cとし、この延出線材18cを、上記各第1コイル13のうち、上記一方向Aにおける少なくとも後端部に位置する第1コイル13の巻線10の外周面に重ね巻きして上記他の巻線30を成形したものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記他の巻線30が成形される上記第1コイル13において、ボビン7に対する巻線10の巻き始め部10aと、巻き終り部10bとを共に上記ボビン7の基端部に位置させると共に、上記第1コイル13の巻線10の外周面の周方向における各部が上記ボビン7の突出方向に沿ってほぼ平坦となるようにしたものである。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記第1コイル13の巻線10と、この巻線10への上記延出線材18cの重ね巻きにより成形された他の巻線30とが、上記ボビン7の突出方向で、上記基部材5の外周面と鍔部8とで挟まれた空間9をほぼ満たすようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0019】
図において、符号1は発電機で、この発電機1は自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されるフライホイールマグネトである。
【0020】
上記発電機1は、車両搭載のエンジンにより回転駆動させられる不図示の椀形状ローターと、車体側である静止側部材に取り付けられて上記ローターの回転中心2上でこのローターの内側に配置されるステータ3とを備え、上記ローターの内周面には、その周方向にS,N磁石が交互に設置されている。
【0021】
上記ステータ3は、上記ローターの回転中心2上に配置される円環形状の基部材5と、この基部材5の外周面から径方向外方に向って放射状に突出する複数(12個)の発電用コイル6とを備えている。上記基部材5は、その軸方向で互いに重ね合わされる強磁性体である複数の鉄板製とされ、上記各コイル6は上記基部材5の周方向でほぼ等ピッチ(30°)に配置され、これら各コイル6の突出端面が上記ステータ3の外周面を形成し、この外周面が上記ローターの内周面に上記基部材5の径方向で互いに対面している。
【0022】
上記各コイル6は、上記基部材5の外周面から径方向の外方に向って突出するボビン7と、このボビン7の突出端部に取り付けられる鍔部8と、上記ボビン7に巻き付けられこのボビン7の突出方向で上記基部材5の外周面と鍔部8とで挟まれる角筒状の空間9に配置される電線である巻線10とを備えている。上記各ボビン7と鍔部8は、上記基部材5に一体成形される鉄心と、この鉄心にモールドされる樹脂カバー体とを備えている。
【0023】
上記コイル6は、上記基部材5の周方向の一部分に配置されると共にこの周方向の一方向Aに向って連続的にかつ順次配置される複数(5個)のNo.1〜n第1コイル13(1〜n)と、上記周方向の残部である他部分に配置されると共に、上記一方向Aに向って連続的にかつ順次配置される複数(7個)のNo.1〜n第2コイル14(1〜n)とを備えている。
【0024】
上記各第1コイル13の各巻線10は、一本の第1巻線材17により成形されており、この第1巻線材17は、上記各第1コイル13の巻線10を上記一方向Aに向って順次成形している。また、上記各第2コイル14の各巻線10は、一本の第2巻線材18により成形されており、この第2巻線材18は、上記各第2コイル14の巻線10を上記一方向Aに向って順次成形している。
【0025】
上記第1巻線材17の上記一方向Aに向っての後端部17aおよび前端部17bと、上記第2巻線材18の上記一方向Aに向っての後端部18aおよび前端部18bとを上記基部材5に取り付け可能とさせる第1〜第4タップ20〜23が設けられている。これら各タップ20〜23は、それぞれ対応する上記後端部17a、前端部17b、後端部18a、および前端部18bの上記周方向での近傍に配置されて上記基部材5に固着されている。
【0026】
上記各タップ20〜23は、上記基部材5に固着されて上記第1巻線材17と第2巻線材18の各端部を係脱自在に係止させるタップ本体26と、このタップ本体26に係止された上記第1巻線材17と第2巻線材18の各端部を上記タップ本体26に押え付けて上記各タップ20〜23への取り付けを可能とする押え部材27とを備え、上記各タップ20〜23は外部電線との接続端子を備えている。上記の場合、基部材5には、成形用金型により打抜き成形された取付孔が設けられ、この取付孔に上記タップ本体26が嵌入されてこのタップ本体26が上記基部材5に固着されている。
【0027】
上記第2巻線材18の一端部である前端部18bが上記一方向Aに向けて延出させられて延出線材18cとされ、この延出線材18cが上記各第1コイル13の巻線10の外周面に重ね巻きされて、他の巻線30が成形されている。より具体的には、上記各第2コイル14のうち、上記一方向Aにおける前端部の第2コイル14(n)の第2巻線材18の前端部18bから上記延出線材18cが延出させられており、この延出線材18cは、上記各第1コイル13のうち、上記一方向Aにおける少なくとも後端部の第1コイル13(1)を含み、連続する複数の第1コイル13(1〜4)の巻線10の外周面に重ね巻きされて、上記他の巻線30が成形されている。
【0028】
また、上記延出線材18cの延出端部が延出させられて戻り線材18dとされ、この戻り線材18dが上記一方向Aとは逆方向に折り返されて、上記他の巻線30が成形された各第1コイル13(1〜4)の間を縫うようにして上記第4タップ23に向わされ、この第4タップ23に上記戻り線材18dの延出端部が取り付けられている。
【0029】
図2,3で示すように、上記他の巻線30が成形される上記第1コイル13(1〜4)において、ボビン7に対する巻線10の巻き始め部10aと、巻き終り部10bとは共に上記ボビン7の基端部(基部材5側の端部)に位置させられている。また、上記ボビン7に巻き付けられた巻線10の外周面の周方向の各部は、上記ボビン7の突出方向に沿ってこのボビン7のほぼ全体にわたり、ほぼ平坦とされている。
【0030】
上記第1コイル13の巻線10(1〜4)と、この巻線10への上記延出線材18cの重ね巻きにより成形された他の巻線30とが、上記ボビン7の突出方向で、上記基部材5と鍔部8とで挟まれた空間9をほぼ満たしている。
【0031】
上記ステータ3を不図示の成形機により成形する場合には、まず、上記基部材5、ボビン7、および鍔部8を互いに組み付け、この組付体の基部材5を成形機本体に支持させる。次に、成形機の巻付機により、上記第1巻線材17の後端部17aを第1タップ20に取り付け、上記第1巻線材17を一方向Aに向って、順次、No.1〜n第1コイル13(1〜n)の各ボビン7に巻き付け、第1巻線材17の前端部17bを上記第2タップ21に取り付ける。すると、上記各第1コイル13における巻線10が成形される。この場合、上記延出線材18cの重ね巻きが予定されている上記各No.1〜4第1コイル13(1〜4)では、その各巻線10は空間9の一部分だけに設けられ、その分、上記第1コイル13による発電容量は減少する。
【0032】
次に、巻付機により、上記第2巻線材18の後端部18aを第3タップ22に取り付け、上記第2巻線材18を一方向Aに向って、順次、No.1〜n第2コイル14(1〜n)の各ボビン7に巻き付ける。すると、上記各第2コイル14における巻線10が成形される。また、この巻き付けの後、上記延出線材18cを一方向Aに向って、順次、No.1〜4第1コイル13(1〜4)の各巻線10の外周面に重ね巻きする。すると、上記各第1コイル13において第2巻線材18による他の巻線30が成形され、これら他の巻線30を成形した分、上記第2コイル14による発電容量が増加する。
【0033】
上記各第1コイル13の第1巻線材17の一端部(前端部17b)が第2タップ21と不図示の整流器を介しバッテリ側に接続され、上記各第1コイル13の発電電力が上記バッテリに出力されて、このバッテリが充電可能とされている。一方、上記各第2コイル14の第2巻線材18の一端部(戻り線材18d)が第4タップ23を介し灯火器側に接続され、上記第2コイル14と、各第1コイル13の巻線10に重ね巻きされた他の巻線30との発電電力が上記灯火器に出力されて、これら灯火器が点灯可能とされている。
【0034】
上記構成によれば、第2巻線材18の一端部を延出させて延出線材18cとし、この延出線材18cを上記第1コイル13の巻線10に重ね巻きして他の巻線30を成形し、上記延出線材18cの延出端部を延出させて戻り線材18dとし、この戻り線材18dを上記タップ23に取り付けてある。
【0035】
このため、発電機1のステータ3がある用途のために発電電力を出力する複数の第1コイル13と、他の用途のために発電電力を出力する複数の第2コイル14とを備えた場合に、既存のステータ3からみて、上記第1コイル13の発電容量を減少させる一方、第2コイル14の発電容量を増加させようとする際には、上記第1コイル13と第2コイル14の発電容量を減少、増加させようとする量に応じて、上記第1コイル13の巻線10を減少させて発電容量を減少させる一方、この巻線10に第2巻線材18の延出線材18cを重ね巻きして他の巻線30を成形し、上記第2コイル14の巻線10の量に上記他の巻線30の量を加算させて、上記第2コイル14の実質的な発電容量を増加させればよい。
【0036】
そして、上記したように、第1コイル13と第2コイル14の発電容量の減少、増加は、上記した第1コイル13の巻線10への第2巻線材18の延出線材18cの重ね巻きにより達成されるのであって、上記基部材5に対するタップ20〜23の固着位置を変えないで足りることから、上記基部材5の成形用金型を改めて成形するなどの作業は不要である。
【0037】
よって、上記第1コイル13と第2コイル14の発電容量の減少、増加のためのステータ3の成形作業は容易にできることとなる。
【0038】
また、前記したように、各第2コイル14のうち、上記基部材5の周方向の一方向Aにおける前端部に位置する第2コイル14(n)の第2巻線材18の端部(前端部18b)を延出させて上記延出線材18cとし、この延出線材18cを、上記各第1コイル13のうち、上記一方向Aにおける少なくとも後端部に位置する第1コイル13の巻線10の外周面に重ね巻きして上記他の巻線30を成形してある。
【0039】
このため、上記第2巻線材18の端部(前端部18b)と、重ね巻きしようとする第1コイル13の巻線10とが互いに接近することから、第1に、上記第2巻線材18の端部から延出した延出線材18cを上記第1コイル13の巻線10に重ね巻きする作業が容易となる。また、第2に、上記戻り線材18dが短くなって、上記第1コイル13の巻線10に対し延出線材18cを重ね巻きした後に、上記第4タップ23に上記戻り線材18dを取り付ける作業も容易となる。よって、上記ステータ3の成形作業がより容易となる。
【0040】
また、前記したように、他の巻線30が成形される上記第1コイル13において、ボビン7に対する巻線10の巻き始め部10aと、巻き終り部10bとを共に上記ボビン7の基端部に位置させるようにしてある。
【0041】
ここで、上記第1コイル13の巻線10に延出線材18cを重ね巻きしようとするとき、この重ね巻きは、一般的に、上記第1コイル13の突出端側の外方から行われるが、上記したように、第1コイル13のボビン7に対する巻線10の巻き始め部10aと巻き終り部10bとは上記ボビン7の基端部に位置しているため、上記巻き始め部10aと巻き終り部10bとを含む巻線10が、上記延出線材18cの重ね巻きの作業に邪魔になるということが防止される。よって、その分、上記ステータ3の成形作業が更に容易となる。
【0042】
また、上記第1コイル13の巻線10の外周面における周方向の各部が上記ボビン7の突出方向に沿って互いにほぼ平行で平坦となるようにしてある。
【0043】
このため、上記第1コイル13の巻線10の外周面に上記延出線材18cを重ね巻きするとき、上記巻線10の外周面に凹凸がある場合に比べて、この巻線10への重ね巻きの作業は容易にでき、よって、その分、上記ステータ3の成形作業が更に容易となる。
【0044】
また、前記したように、第1コイル13の巻線10と、この巻線10への上記延出線材18cの重ね巻きにより成形された他の巻線30とが、上記ボビン7の突出方向で、上記基部材5の外周面と鍔部8とで挟まれた空間9をほぼ満たすようにしてある。
【0045】
このため、上記第1コイル13の巻線10に延出線材18cを重ね巻きしたとき、上記空間9が有効利用されることなり、よって、上記したように、第1コイル13と第2コイル14の発電容量を減少、増加させた場合でも、ステータ3の全体的な発電容量は十分に確保される。
【0046】
なお、以上は図示の例によるが、上記ステータ3は、上記基部材5の周方向で、上記第1コイル13と第2コイル14とのいずれかの間に、更に他の用途のために発電電力を出力する第3コイルを介設したものであってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0048】
請求項1の発明は、ローターの回転中心上に配置される環形状の基部材と、この基部材の外周面から径方向外方に向って放射状に突出する複数のコイルとを備え、これら各コイルが、上記基部材から径方向外方に向って突出するボビンと、このボビンの突出端部に取り付けられる鍔部と、上記ボビンに巻き付けられる巻線とを備え、上記コイルが、上記基部材の周方向の一部分に配置される複数の第1コイルと、上記周方向の他部分に配置される複数の第2コイルとを備え、上記各第1コイルの巻線を一本の第1巻線材により成形する一方、上記各第2コイルの巻線を一本の第2巻線材により成形し、上記第1、第2巻線材の各端部を上記基部材にそれぞれ取り付け可能とさせる第1〜第4タップを設け、これら第1〜第4タップを上記第1、第2巻線材の各端部の上記周方向での近傍に配置した発電機において、
【0049】
上記第1、第2巻線材の各端部のうちの第2巻線材の一端部のみを延出させて延出線材とし、この延出線材を上記第1コイルの巻線に重ね巻きして他の巻線を成形し、上記延出線材の延出端部を延出させて戻り線材とし、この戻り線材を上記第2巻線材の一端部の上記周方向での近傍に配置された上記タップに取り付けてある。
【0050】
このため、発電機のステータがある用途のために発電電力を出力する複数の第1コイルと、他の用途のために発電電力を出力する複数の第2コイルとを備えた場合に、既存のステータからみて、上記第1コイルの発電容量を減少させる一方、第2コイルの発電容量を増加させようとする際には、上記第1コイルと第2コイルの発電容量を減少、増加させようとする量に応じて、上記第1コイルの巻線を減少させて発電容量を減少させる一方、この巻線に第2巻線材の延出線材を重ね巻きして他の巻線を成形し、上記第2コイルの巻線の量に上記他の巻線の量を加算させて、上記第2コイルの実質的な発電容量を増加させればよい。
【0051】
そして、上記したように、第1コイルと第2コイルの発電容量の減少、増加は、上記した第1コイルの巻線への第2巻線材の延出線材の重ね巻きにより達成されるのであって、上記基部材に対するタップの固着位置を変えないで足りることから、上記基部材の成形用金型を改めて成形するなどの作業は不要である。
【0052】
よって、上記第1コイルと第2コイルの発電容量の減少、増加のためのステータの成形作業が容易にできることとなる。
【0053】
請求項2の発明は、上記各第2コイルのうち、上記基部材の周方向の一方向における前端部に位置する第2コイルの第2巻線材の端部を延出させて上記延出線材とし、この延出線材を、上記各第1コイルのうち、上記一方向における少なくとも後端部に位置する第1コイルの巻線の外周面に重ね巻きして上記他の巻線を成形してある。
【0054】
このため、上記第2巻線材の端部と、重ね巻きしようとする第1コイルの巻線とが互いに接近することから、第1に、上記第2巻線材の端部から延出した延出線材を上記第1コイルの巻線に重ね巻きする作業が容易となる。また、第2に、上記戻り線材が短くなって、上記第1コイルの巻線に対し延出線材を重ね巻きした後に、上記タップに上記戻り線材を取り付ける作業も容易となる。よって、上記ステータの成形作業がより容易となる。
【0055】
請求項3の発明は、上記他の巻線が成形される上記第1コイルにおいて、ボビンに対する巻線の巻き始め部と、巻き終り部とを共に上記ボビンの基端部に位置させるようにしてある。
【0056】
ここで、上記第1コイルの巻線に延出線材を重ね巻きしようとするとき、この重ね巻きは、一般的に、上記第1コイルの突出端側の外方から行われるが、上記したように、第1コイルのボビンに対する巻線の巻き始め部と巻き終り部とは上記ボビンの基端部に位置しているため、上記巻き始め部と巻き終り部とを含む巻線の全体が、上記延出線材の重ね巻きの作業に邪魔になるということが防止される。よって、その分、上記ステータの成形作業が更に容易となる。
【0057】
また、上記第1コイルの巻線の外周面における周方向の各部が上記ボビンの突出方向に沿ってほぼ平坦となるようにしてある。
【0058】
このため、上記第1コイルの巻線の外周面に上記延出線材を重ね巻きするとき、上記巻線の外周面に凹凸がある場合に比べて、この巻線への重ね巻きの作業は容易にでき、よって、その分、上記ステータの成形作業が更に容易となる。
【0059】
請求項4の発明は、上記第1コイルの巻線と、この巻線への上記延出線材の重ね巻きにより成形された他の巻線が、上記ボビンの突出方向で、上記基部材の外周面と鍔部とで挟まれた空間をほぼ満たすようにしてある。
【0060】
このため、上記第1コイルの巻線に延出線材を重ね巻きしたとき、上記空間が有効利用されることなり、よって、上記したように、第1コイルと第2コイルの発電容量を減少、増加させた場合でも、ステータの全体的な発電容量は十分に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発電機のステータの全体簡略線図である。
【図2】 図1の2‐2線矢視展開図である。
【図3】 図2の3‐3線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 発電機
2 回転中心
3 ステータ
5 基部材
6 コイル
7 ボビン
8 鍔部
9 空間
10 巻線
13 第1コイル
14 第2コイル
17 第1巻線材
17a 後端部
17b 前端部
18 第2巻線材
18a 後端部
18b 前端部
18c 延出線材
18d 戻り線材
20 第1タップ
21 第2タップ
22 第3タップ
23 第4タップ
30 巻線
A 一方向
Claims (4)
- ローターの回転中心上に配置される環形状の基部材と、この基部材の外周面から径方向外方に向って放射状に突出する複数のコイルとを備え、これら各コイルが、上記基部材から径方向外方に向って突出するボビンと、このボビンの突出端部に取り付けられる鍔部と、上記ボビンに巻き付けられる巻線とを備え、上記コイルが、上記基部材の周方向の一部分に配置される複数の第1コイルと、上記周方向の他部分に配置される複数の第2コイルとを備え、上記各第1コイルの巻線を一本の第1巻線材により成形する一方、上記各第2コイルの巻線を一本の第2巻線材により成形し、上記第1、第2巻線材の各端部を上記基部材にそれぞれ取り付け可能とさせる第1〜第4タップを設け、これら第1〜第4タップを上記第1、第2巻線材の各端部の上記周方向での近傍に配置した発電機において、
上記第1、第2巻線材の各端部のうちの第2巻線材の一端部のみを延出させて延出線材とし、この延出線材を上記第1コイルの巻線に重ね巻きして他の巻線を成形し、上記延出線材の延出端部を延出させて戻り線材とし、この戻り線材を上記第2巻線材の一端部の上記周方向での近傍に配置された上記タップに取り付けた発電機のステータ。 - 上記各第2コイルのうち、上記基部材の周方向の一方向における前端部に位置する第2コイルの第2巻線材の端部を延出させて上記延出線材とし、この延出線材を、上記各第1コイルのうち、上記一方向における少なくとも後端部に位置する第1コイルの巻線の外周面に重ね巻きして上記他の巻線を成形した請求項1に記載の発電機のステータ。
- 上記他の巻線が成形される上記第1コイルにおいて、ボビンに対する巻線の巻き始め部と、巻き終り部とを共に上記ボビンの基端部に位置させると共に、上記第1コイルの巻線の外周面の周方向における各部が上記ボビンの突出方向に沿ってほぼ平坦となるようにした請求項1、もしくは2に記載の発電機のステータ。
- 上記第1コイルの巻線と、この巻線への上記延出線材の重ね巻きにより成形された他の巻線とが、上記ボビンの突出方向で、上記基部材の外周面と鍔部とで挟まれた空間をほぼ満たするようにした請求項1から3のうちいずれか1つに記載の発電機のステータ。
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