JP3726789B2 - 有機elディスプレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高精細で、耐環境性および生産性に優れ、携帯端末機や産業用計測器の表示など広範囲な用途に応用可能な有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信の高速化と応用範囲の拡大が急速に進んでいる。この中で、表示デバイスには携帯性や動画表示の要求に対応可能な低消費電力・高速応答性を有する高精細な表示デバイスの考案が広くなされている。
中でもカラー化方式に対して、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた駆動方式(アクティブマトリクス駆動方式)のカラー表示装置が考案されている。この場合、TFTが形成されている基板側に光を取り出す方式では、配線部分の光の遮光効果により、開口率が上がらないため、最近ではTFTが形成されている基板とは反対側に光を取り出す方式、いわゆるトップエミッション方方式が考案されている。
【0003】
トップエミッション方式の場合でも、赤、青、緑の三原色の発光体をマトリクス状に分離配置する方式では、RGB用の3種の発光材料をマトリクス状に高精細で配置しなくてはならないため、効率的かつ安価に製造することが困難であり、同時に、3種の発光材料の輝度変化特性や駆動条件が異なるために、色再現性を長時間確保することが困難であるなどの欠点はやはり解決されないまま残されている。
【0004】
白色で発光するバックライトにカラーフィルターを用い、三原色を透過分離させる方法でも、バックライトの高効率化といった問題点は依然として残されている。
唯一分離配置した蛍光体に吸収させそれぞれの蛍光体から多色の蛍光を発光させる色変換方式では、TFT駆動方式を用いたトップエミッション方式を採用することによりさらに高精細で高輝度の有機ELディスプレイを提供できる可能性を有している。
【0005】
特開平11−251059号公報や特開2000−77191号公報に開示されているカラー表示装置はこのような方式の一例である。
従来技術の有機ELディスプレイの構造(アクティブマトリクス駆動方式の場合)を示す断面概略図を図2に示す。
基板1の上にTFT2(薄膜トランジスタ:以下TFTと称す。)、陽極3、有機EL発光層4、陰極5を形成する。続いて透明基板11の上にカラーフィルター12、ブラックマスク13を形成する。次に基板1の周辺を、例えば室温硬化型2液エポキシ系接着剤を使用して封止剤31を形成し、透明基板11と貼り合せを行う。この時、2枚の基板の間には内部空間32が形成される。封止層31の硬化時間は室温24時間とかなり長い時間が必要で有機EL発光層とカラーフィルターの位置合せを行った場合、室温硬化の間、固定して位置ずれを起こさない状態にする必要があった。
【0006】
図2に示すようなカラーフィルターを用いたカラーディスプレイにおいて実用上で重要な課題は、精細なカラ−表示機能であるとともに、有機EL素子が色再現性を含め長期的安定性を有する事で、なおかつ短時間で製造することが可能な構造と封止方法を有することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の有機ELディスプレイは、
基板上に形成された導電性薄膜材料からなる第一の電極、有機EL発光層、及び透明導電性材料からなる第二の電極、保護層を積層して構成される有機発光素子と、透明基板に形成されたカラーフィルターとブラックマスクとを有する積層体を、前記有機EL発光層とカラーフィルターの位置を合わせて封止接合する有機EL素子において、
封止接合する2枚の基板間に使用される封止剤は、基板間の外周に位置する封止剤外周部と、封止剤外周部の内側に位置し基板間に充填される封止剤内部とからなり、かつ該封止剤は紫外線硬化機能と室温硬化機能を有するアクリル系接着剤であり、封止剤外周部は紫外線により硬化され、紫外線を照射しない封止剤内部は室温で硬化されることとする。
【0008】
本発明は、上述の欠点に鑑みてなされたものであり、有機EL発光層とカラーフィルターの正確な位置合せを行い、なおかつ短時間硬化方法が可能な封止方法と有機EL発光層からの光を反射させずにカラーフィルターに有効に伝え、外部環境からの水分等の浸入を防止し長期にわたって安定した発光特性を維持することが可能な有機EL素子の封止構造と封止方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の有機ELディスプレイは、
基板上に形成された導電性薄膜材料からなる第一の電極、有機EL発光層、及び透明導電性材料からなる第二の電極、保護層を積層して構成される有機発光素子と、透明基板に形成されたカラーフィルターとブラックマスクとを有する積層体を、前記有機EL発光層とカラーフィルターの位置を合わせて封止接合する有機EL素子において、
封止接合する2枚の基板間に使用する封止剤として紫外線硬化機能と室温硬化機能を有するアクリル系接着剤を使用することとする。
【0010】
ここで、アクリル系接着剤の屈折率は、1.2〜2.5が好ましい。
本発明では、上記2つの硬化機能をもつ接着剤を使用することで封止剤外周部では、有機EL発光層とカラーフィルターの正確な位置合せを行い、なおかつ短時間に紫外線硬化をする機能が付与される。
封止層内部については、有機EL発光層からの光をカラーフィルターに伝えるため屈折率が高い機能と、紫外線の硬化が不可能なため室温により硬化する機能が付与される。
【0011】
さて、特開2001−237066号公報には、接着剤として、紫外線硬化型樹脂を用いる場合と、室温硬化型2液混合型樹脂を用いる場合とがある旨開示されている。しかしながら、係る開示は、2種類の樹脂のどちらかを用いることを開示したものであり、本発明のような、2種類の機能を併せ持った接着剤の使用を示唆するものではない。本発明は、あくまで、紫外線硬化機能と室温硬化機能を併せ持ったアクリル系接着剤を使用することを特徴とするものである。
【0012】
この理由は、2枚の基板の位置合わせと封止とを行なうために、1つの接着剤で全面接着を行なった後に、位置合わせ完了後の外周部分の樹脂硬化を短時間で終了させ位置がずれないようにするために紫外線硬化機能を利用し、素子内部の樹脂(接着剤)については紫外線を照射することは困難であるので、室温硬化機能を利用し、位置合わせと封止との両者を完了するものである。
【0013】
本発明においては、有機ELディスプレイはアクティブマトリクス駆動でもよいし、パッシブマトリクス駆動であってもよい。アクティブマトリクス駆動を行なう場合、下部側(基板側)の例えば陽極を各発光部毎に分割し、基板上に設けたTFT(薄膜トランジスタ)のソースに接続する構成とすればよい。この時、上部電極(反基板側)の陰極は一様電極とすることができる。ここで、基板側の電極を陰極に、反基板側の電極を陽極にする構成として、TFTとの接続を取ってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動を行なう場合には、下部電極(基板側)および上部電極(反基板側)とを、互いに直交する方向に延びるラインパターンとする構成を採用することができる。基板自体としては、アクティブマトリクス駆動の場合は、駆動用のTFTが既に形成されているTFT基板であってもよい。また、パッシブマトリクス駆動の素子を形成する場合には、ガラス基板やプラスティック基板を用いることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の有機ELディスプレイを図1により説明する。
また、有機EL素子を構成する各部の材料について次に記載する。
1:基板と薄膜トランジスタ(TFT)と陽極
ガラスやプラスチックなどからなる絶縁性基板、または、半導電性や導電性基板に絶縁性の薄膜を形成した基板上にTFTがマトリックス状に配置され、各画素に対応した第一の電極である陽極にソース電極が接続される。
【0015】
TFTは、ゲート電極をゲート絶縁膜の下に設けたボトムゲートタイプで、能動層として多結晶シリコン膜を用いた構造である。
陽極は、TFT上に形成された平坦化絶縁膜上に形成される。通常の有機ELディスプレイでは透明で仕事関数が高いITOが陽極材料として用いられるが、トップエミッションの場合は、ITOの下に反射率の高いメタル電極(Al,Ag,Mo,W)などを用いる。
2:有機発光素子
TFTと陽極がパターン形成されたTFT電極基板と、有機EL発光層と、第二の電極である陰極とを備える。すなわち、色変換方式の場合、有機発光素子から発せられる近紫外から可視領域の光、好ましくは青色から青緑色領域の光を上記カラーフィルター層単体またはカラーフィルター層と蛍光色変換層またはカラーフィルター層と蛍光色変換層との積層体に入射する。有機発光素子は、一対の電極の間に有機EL発光層を挟持し、必要に応じ、正孔注入層や電子注入層を介在させた構造を有している。具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される。尚、ここでは基板側の第一の電極を陽極とした例を記載しているが、基板側を陰極としてもよいことは勿論である。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機EL発光層/陰極
(3)陽極/有機EL発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機EL発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機EL発光層/電子注入層/陰極
本実施形態のトップエミッション色変換方式では、上記の層構成において、陰極は、該有機EL発光層の発する光の波長域において透明であることが必要で、この透明陰極を通して光を発する。
【0016】
透明な陰極としては、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物の極薄膜(10nm以下)を電子注入層とし、その上に、ITO、またはIZOなどの透明導電膜を形成する構成とする。
【0017】
上記有機EL発光層の各層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、有機発光層として青色から青緑色の発光を得るためには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。
3:色変換層
1)有機蛍光色素
本発明において、有機蛍光色素としては、発光素子から発する近紫外領域ないし可視領域の光、特には青色ないし青緑色領域の光を吸収して異なる可視光を発するものであればよいが、好ましくは、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素の一種類以上が用いられ、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の一種以上と組み合わせてもよい。すなわち、有機EL発光素子としては、青色ないし青緑色領域の光を発光するものが得やすいのであるが、これを単なる赤色フィルターに通して赤色領域の光に変更しようとすると、元々赤色領域の波長の光が少ないため、極めて暗い出力光になってしまう。
【0018】
したがって、赤色領域の光は、該素子からの光を蛍光色素によって赤色領域の光に変換させることにより、十分な強度の出力が可能となる。一方、緑色領域の光は、赤色領域の光と同様に、該素子からの光を別の有機蛍光色素によって緑色領域の光に変換させて出力してもよいし、あるいは該素子の発光が緑色領域の光を十分に含むならば、該素子からの光を単に緑色フィルターを通して出力してもよい。一方、青色領域の光に関しては、有機発光素子の光を単なる青色フィルターに通して出力させることも可能である。
【0019】
発光体から発する青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−13−ブタジエニル〕−ピリジウム−パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
【0020】
発光体から発する青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2‘−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2‘−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
【0021】
なお、本発明に用いる有機蛍光色素を、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して、有機蛍光顔料としてもよい。また、これらの有機蛍光色素や有機蛍光顔は単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に用いる有機蛍光色素は、蛍光色変換膜に対して、該変換膜の重量を基準として0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%含有される。もし有機蛍光色素の含有量が0.01重量%未満ならば、十分な波長変換を行うことができず、あるいはまた、該含有量が5%を越えるならば、濃度消光等の効果により色変換効率の低下をもたらす。
2)マトリクス樹脂
次に、本発明の蛍光色変換膜に用いられるマトリクス樹脂は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を、光および/または熱処理して、ラジカル種やイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものである。また、従来のフォトリソグラフィー法でパターニングを行う際に必須であった硬化前の有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性である必要はない。
【0022】
具体的に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂とは、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤からなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルや熱ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤からなる組成物を光または熱処理により二量化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドからなる組成物膜を光または熱処理によりナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤からなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどが挙げられる。特に(1)の光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂が高精細でパターニングが可能であり、耐溶剤性、耐熱性等の信頼性の面でも好ましい。
3)形状
前記色変換層の形状は各色ごとに分離したストライプパターンがよく知られているが、可視光反射壁の効果を向上させるためには、各色ごとだけではなく、サブピクセルごとに分離させた構造を有することが、より好ましい。また、色変換層の周辺部を順テーパー形状にすることにより、取り出しの効率がさらに向上する。ただし、順テーパーの角度χはあまり小さくしすぎると、反射層にて反射した光が、横方向へ向かってしまい、取り出せなくなってしまうため、45°程度の角度が好ましい
4)カラーフィルター層
色変換層だけでは十分な色純度が得られない場合は、カラーフィルター層と上記色変換層との積層体とする。カラーフィルター層の厚さは1〜1.5μmが好ましい。
4:パッシベーション層(保護層)
パッシベーション層は可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上), Tgが100℃以上で、表面硬度が鉛筆硬度で2H以上あり、色変換層上に平滑に塗膜を形成でき,色変換層2〜4の機能を低下させない材料であれば良く、例えば、イミド変性シリコ−ン樹脂(特開平5−134112号公報等)、無機金属化合物(TiO、AL2O3SiO2.等)をアクリル、ポリイミド、シリコ−ン樹脂等中に分散した(特開平5−119306号公報等)、紫外線硬化型樹脂としてエポキシ変性アクリレ−トル樹脂(特開平7−48424号公報)、アクリレ−トモノマ−/オリゴマ−/ポリマ−の反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂(特開平6−300910号公報等)、ゾル−ゲル法による無機化合物(月刊ディスプレイ1997年、3巻、7号に記載、特開平8−27934号公報等)、フッ素系樹脂(特開平5−36475号公報等)等の光硬化型樹脂及び/又は熱硬化型樹脂が挙げられる。
【0023】
パッシベーション層の形成法には特に制約はなく、例えば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法等)と湿式法(スピンコ−ト法、ロ−ルコ−ト法、キャスト法等)等の慣用の手法により形成できる。
またパッシベーション層として、電気絶縁性を有し、水分や低分子成分に対するバリア性を有し,可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上),好ましくは2H以上の膜硬度を有する材料用いてもよい。
【0024】
例えば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸化物、無機窒化物等が使用できる。該パッシベーション層の形成方法としては特に制約はなく、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、ディップ法等の慣用の手法により形成できる。 上述のパッシベーション層は単層でも良いが、複数の層が積層されたものではその効果がより大きい。積層されたパッシベーション層の厚さは、1〜10μmが好ましい。
5:封止剤
封止剤としては、紫外線硬化機能と室温硬化機能の2つの機能をあわせ持った接着剤を使用する。
【0025】
この接着剤は、例えばアクリル系の2液混合型接着剤をベースに、光硬化触媒を添加し紫外線硬化機能を付与することにより達成される。紫外線硬化機能は、紫外線の照射条件については、波長365nmで照射量3000〜10000mJ/cm2で硬化が完了するように設計される。照射量について詳しく説明すれば100mW/cm2の照度で30〜100secの時間照射することにより達成される。
【0026】
照度については、400mW/cm2以下で50mW/cm2以上であれば安定な硬化が得られる。400mW/cm2以上では反応が激しく発熱反応を起こす。また、50mW/cm2以下では反応が生じなくなる。100mW/cm2付近が良好な照度である。
具体的な接着剤としては、紫外線硬化型2液混合型アクリル系接着剤で、東洋インキ社製 商品名DX−1013Uが使用できる。
【0027】
この接着剤の室温硬化機能としては、混合後、室温(20〜28℃)で約40〜50分で硬化を完了する。
(実施例1)
図1に示すように、ガラス基板1の上にTFT2、陽極3、有機EL発光層4、陰極5、保護層6を順次形成する。次に透明ガラス基板11の上にカラーフィルター12、ブラックマスク13を順次形成する。この様にして形成された2枚の基板をグローブボックス内の乾燥窒素雰囲気下(酸素および水分濃度ともに1ppm以下)の中で次の工程を行う。
【0028】
2液混合型の室温硬化機能をもつ紫外線硬化型アクリル系接着剤(東洋インキ社製 商品名DX−1013U)を容量比1:1で計量/混合/脱泡した後にディスペンサーで有機EL発光層側のガラス基板1の上に必要量塗布した後に、カラーフィルター側の透明ガラス基板11を貼り合せる。この場合、貼り合せる2枚の基板の間隔は5μm〜50μmの間隔として必要な封止剤の量は面積から計算することができる。
【0029】
その後、有機EL発光層4とカラーフィルター12に対応させてアライメントを行い、封止剤外周部に対して紫外線硬化条件として、100mW/cm2の照度で30sec間照射して硬化を行う。
紫外線硬化の不可能な封止剤内部については、室温で約40〜50分で硬化を完了する。
【0030】
2液混合型の室温硬化機能をもつ紫外線硬化型アクリル系接着剤(東洋インキ社製 商品名DX−1013U)の屈折率は1.43で光の反射が起こらず有機EL発光層4からの光をカラーフィルター12に伝えることができる。また外部環境からの水分の浸入を防止し、長期信頼性のある有機EL素子を構成する。
パッシブマトリックス駆動の場合には、2つの電極のラインパターンの交差部分と色変換フィルタ層との位置合せを行う工程となる。
【0031】
【発明の効果】
以上に述べたとおり、本発明によれば、
基板上に形成された導電性薄膜材料からなる第一の電極、有機EL発光層、及び透明導電性材料からなる第二の電極、保護層を積層して構成される有機発光素子と、透明基板に形成されたカラーフィルターとブラックマスクとを有する積層体を、前記有機EL発光層とカラーフィルターの位置を合わせて封止接合する有機EL素子において、
封止接合する2枚の基板間に使用される封止剤は、基板間の外周に位置する封止剤外周部と、封止剤外周部の内側に位置し基板間に充填される封止剤内部とからなり、かつ該封止剤は紫外線硬化機能と室温硬化機能を有するアクリル系接着剤であり、封止剤外周部は紫外線により硬化され、紫外線を照射しない封止剤内部は室温で硬化されることとした。
【0032】
上記2つの硬化機能をもつ接着剤を使用することで封止剤外周部では、有機EL発光層とカラーフィルターの正確な位置合せを行い、なおかつ短時間に紫外線硬化をする機能が付与される。
封止層内部については、有機EL発光層からの光をカラーフィルターに伝えるため屈折率が高い機能と、紫外線が硬化が不可能なため室温により硬化する機能が付与される。
【0033】
また封止層内部については、屈折率が1.3から2.5の封止剤を使用することにより、有機EL発光層からの光の反射を防止しカラーフィルターに有効に伝える構造が達成され、同時に外部環境からの水分等の進入を防止し長期にわたって安定した発光特性を維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELディスプレイの構造を示す断面概略図である。
【図2】従来技術の有機ELディスプレイの構造を示す断面概略図である。
【符号の説明】
1基板
2TFT
3陽極
4有機EL発光層
5陰極
6保護層
11透明基板
12カラーフィルタ
13ブラックマスク
21外周封止層
22内部封止層
31封止層
32内部空間
Claims (2)
- 基板上に形成された導電性薄膜材料からなる第一の電極、有機EL発光層、及び透明導電性材料からなる第二の電極、保護層を積層して構成される有機発光素子と、透明基板に形成されたカラーフィルターとブラックマスクとを有する積層体を、前記有機EL発光層とカラーフィルターの位置を合わせて封止接合する有機EL素子において、
封止接合する2枚の基板間に使用される封止剤は、基板間の外周に位置する封止剤外周部と、封止剤外周部の内側に位置し基板間に充填される封止剤内部とからなり、かつ該封止剤は紫外線硬化機能と室温硬化機能を有するアクリル系接着剤であり、封止剤外周部は紫外線により硬化され、紫外線を照射しない封止剤内部は室温で硬化されることを特徴とする有機ELディスプレイ。 - 請求項1記載の封止剤として、屈折率1.2〜2.5の紫外線硬化機能と室温硬化機能を有するアクリル系接着剤を使用することを特徴とする有機ELディスプレイ。
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