JP3636226B2 - Electrophotographic photoreceptor - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体に関する。更に詳しくは、特定のポリカーボネートをバインダー樹脂として使用した電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真技術は、その高速性、高画質である事等により、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に広く応用されている。
この電子写真技術における電子写真感光体としては、従来は、セレン、セレン/テルル合金、セレン/砒素合金、硫化カドミウム等の無機系光導電性物質が主に用いられてきた。しかし、毒性、安全性、価格、生産性、等の点から、最近では、有機系光導電性物質を使用した電子写真感光体が開発されている。
【0003】
有機系光導電性物質が低分子物質の場合、バインダー樹脂と混合して塗膜を形成することが通常行われている。バインダー樹脂としてはポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられてきている。これら種々の樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂が比較的優れた特性を有していることから広く利用されており、バインダー樹脂として各種のポリカーボネート樹脂を用いる事が報告されている。例えば特開昭60−172044にはビスフェノールZから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開昭63−170647にはビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開昭63−148263にはジメチルビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開平4−44048にはビスフェノールAPから誘導されるポリカーボネート樹脂が、それぞれバインダー樹脂として使用する事が開示されている。また、インダン構造を有する特定のポリカーボネートは耐熱性や耐加水分解性にに優れていることが特開昭52−123490に開示されている。
【0004】
これらの公知の有機系光導電性物質(OPC)と各種バインダー樹脂とを使用する電子写真感光体(OPC感光体)においては、感度等の点では無機系光導電性物質を使用した電子写真感光体に匹敵するものが得られている。
これらOPC感光体は、キャスト製膜法により容易に薄膜とすることが可能であって大量生産に向いており、価格も比較的安価である。OPC感光体はこのように優れた面がある反面、残留電位上昇などの帯電特性問題や耐摩耗性などの問題があり、改善が要求されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、OPC感光体における上記したような問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定ポリカーボネート樹脂をバインダーとして用いた電子写真感光体は、耐摩耗性と良帯電特性とを兼ね備えた良質の電子写真感光体となることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層のバインダー樹脂として、下記一般式(A)または、一般式(A)および下記一般式(B)で表される構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が全構成単位中5〜100mol%で、かつ極限粘度が0.30〜2.0dl/g であるポリカーボネートからなる樹脂を含有する電子写真感光体に関する。
【0007】
【化4】
【0008】
(式中、R1 〜R4 は水素原子、フッ素、塩素、臭素原子、またはそれぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子またはジメチルポリシロキシ基である。)
【0009】
【化5】
【0010】
(式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲンまたはジメチルポリシロキシ基を示す。Yは下記に示される基を示す。
【0011】
【化6】
【0012】
ここにR9 、R10はそれぞれ、水素、各々置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリール基を表すか、R9 及びR10が結合して、炭素環または複素環を形成する基を表し、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基またはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲンである。a は0〜20の整数、b およびc は1〜100の整数を表す。)
【0013】
本発明の電子写真感光体は導電性支持体上に単一層の光導電層を有するものでも、機能分離した積層型のものでも良い。最近は、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層との二層からなる積層型の電子写真感光体が主流となっている。又、必要に応じて下引き層、保護層、接着層等を設けても良い。
【0014】
本発明の導電性支持体とは、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料や、又、表面にアルミニウム、パラジウム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノール樹脂、紙等が使用される。
【0015】
本発明の電荷発生層は公知の方法により、導電性支持体上に形成される。電荷発生物質としては、例えば、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズイミダゾール系、多環式キノリン系、インジゴイド系、キナクリドン系、フタロシアニン系、ペリレン系、メチン系等の有機顔料が使用できる。これらの電荷発生物質は、その微粒子をポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、各種セルロース等のバインダー樹脂に分散させた形で使用される。
【0016】
本発明の電荷輸送層は、電荷発生層上に公知の方法により、本発明のポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として、電荷輸送物質を分散させる事により形成される。電荷輸送物質としては、例えば、ポリテトラシアノエチレン;2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物;ジニトロアントラセン等のニトロ化合物;無水コハク酸;無水マレイン酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフェニルメタン系化合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物;ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物;1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物;4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のアミン誘導体;1、1ービス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等の共役不飽和化合物;4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物;インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物;縮合多環式化合物等が挙げられる。上記電荷輸送物質は単独で使用しても、複数種併用しても良い。
【0017】
本発明のポリカーボネートは、ビスフェノールAと炭酸エステル形成化合物からポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えば二価フェノールとホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいは二価フェノールとビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用することができる。
【0018】
ホスゲン法とエステル交換法では、一般式(A)構造を誘導するインダン構造含有二価フェノールの反応性を考慮した場合、ホスゲン法の方が好ましい。
また、期待される物性を有するには、一般式(A)の構造単位が全構成単位中5〜100mol%が好ましく、さらには溶媒溶解性を考慮すると20〜100mol% がより好ましい。
【0019】
本発明中にのポリカーボネートの製造に使用される一般式(B)を誘導する二価フェノールとしては、具体的にはビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA;BPA )、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ ;BPZ )、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4,4' − [1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビスフェノール、4,4’− [1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビス(2−メチルフェノール)、4,4’− [1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビスフェノール、α, ω- ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンなどが例示され、これらは、2種類以上併用して用いてもよい。
【0020】
これらの中でも特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1- フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、α, ω- ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンから選ばれることが好ましい。
【0021】
一方、炭酸エステル形成性化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可能である。
【0022】
前記一般式(A)で表される構造単位を誘導するインダン含有二価フェノールは、具体的には、下記に示される化合物が例示される。
【0023】
【化7】
【0024】
上記二価フェノールを2種類以上併用して使用することも可能である。また特に、1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール、または1,1,3、4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オールが反応性の面から好ましい。
【0025】
ホスゲン法においては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、前記二価フェノールとホスゲンを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いられる。
【0026】
さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒が使用される。また重合度を調節には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p-クミルフェノール、長鎖アルキル置換フェノール等の一官能性化合物が分子量調節剤として使用し得る。また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノールなど分岐化剤を小量添加してもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
【0027】
一方、エステル交換法においては、前記二価フェノールとビスアリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温において反応させる。反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく。また、所望に応じ、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行ってもよい。
【0028】
これらの反応で合成されたポリカーボネートは、湿式成形で容易に膜成形可能である。湿式成形で成形された電子写真感光体が十分な膜強度を得るためには極限粘度が0.30〜2.0dl/g であることが好ましく、さらに成膜性を重視した場合、0.3 〜1.5dl/g であることが好ましい。
【0029】
電荷発生層及び電荷輸送層は、上記の電荷発生物質、又は、電荷輸送物質を、それぞれバインダー樹脂と、適当な溶媒に溶解させ、その溶液を浸漬塗布法やスプレー法等により塗布し、乾燥させる事により形成できる。この溶媒としては、ハロゲン系有機溶媒と非ハロゲン系溶媒の2種類に大別できるが、一般的には可燃性が低いハロゲン系溶媒が多用されるが、近年は特に安全性や環境保全の観点から、非ハロゲン系溶媒が使用される割合が大きくなってきている。本発明で用いられるポリカーボネートは多くの非ハロゲン系溶媒に対する溶解性も良好である。
【0030】
非ハロゲン系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。またハロゲン系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられ、これらの溶媒は非ハロゲン、ハロゲンを問わず単独で使用しても良く、又は、2種以上を併用し混合用溶媒として使用しても良い。
【0031】
電荷発生物質とバインダー樹脂の混合比は、10:1〜1:20の範囲内が好ましい。この電荷発生層の厚さは、0.01〜20μm、好ましくは0.1〜2μmが好適である。
【0032】
電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合比は、10:1〜1:10の範囲内が好ましい。この電荷輸送層の厚さは、2〜100μm、好ましくは5〜30μmが好適である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって具体的に説明する。
【0034】
合成例1
水酸化ナトリウム500gを水6lに溶解し、15℃に保ちながら、、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下「BPZ」と記す)536g、 1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール(以下「ID1」と記す)536g、ハイドロサルファイト1g、を溶解した。
これにメチレンクロライド5lを加えて攪拌しつつ、p−t−ブチルフェノール(以下「PTBP」と記す)17gを加え、ついでホスゲン480gを60分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、1gのトリエチルアミンを加え約1時間攪拌を続け重合させた。
重合液を水相と有機相に分離し、有機相を硫酸で中和した後、洗液のPHが中性となるまで水洗を繰り返した後、イソプロパノールを35l加えて、重合物を沈澱させた。沈澱物を濾過し、その後乾燥する事により粉末状のポリカーボネートを得た(以下「P−1」と記す)。このポリカーボネートの極限粘度は0.49dl/g(20℃,ジクロロメタン溶液)である。
【0035】
合成例2
BPZのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下「BPC」と記す)512gに変更した以外は、合成例1と同様に行った。得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−2」と記す)の極限粘度は0.47dl/gである。
【0036】
合成例3
BPZのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と記す)456gに変更した以外は、合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−3」と記す)の極限粘度は0.50dl/gである。
【0037】
合成例4
BPZを857g、ID1の代わりに1,1,3,4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール(以下「ID2」)を259gに変更した以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−4」と記す)の極限粘度は0.43dl/gである。
【0038】
合成例5
BPZを用いず、ID1のみ1072g用いた以外は合成例1と同様に行った。 得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−5」と記す)の極限粘度は0.53dl/gである。
【0039】
合成例6
PTBPを5gに変更した以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−6」と記す)の極限粘度は1.15dl/gである。
【0040】
合成例7
PTBPを30gに変更した以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−7」と記す)の極限粘度は0.31dl/gである。
【0041】
合成例8
BPZの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(以下「DHPE」と記す)404gを用いた以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−8」と記す)の極限粘度は0.44dl/gである。
【0042】
実施例1
アルミニウムを厚さ約50nm蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、τ型銅フタロシアニン10部とフェノキシ樹脂5部、ポリビニルブチラール樹脂5部、ジメトキシエタン100部とを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った塗布液を用いて塗布し、乾燥し、厚さ約0.5μmの電荷発生層を設けた。次に、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを50部、合成例−1により得られたポリカーボネート樹脂P−1を50部、テトラヒドロフランを350部、使用した塗布液を作製し、上記電荷発生層上に塗布し、風乾後100℃、8時間乾燥し、厚さ約20μmの電荷輸送層を設けて、積層型電子写真感光体を作製した。
この電子写真感光体の評価を、株式会社川口電気製作所製EPA−8100静電気帯電試験装置にて、帯電特性を調べた。また耐摩耗性については、スガ試験機株式会社製テーバ摩耗試験機を用いて削れ量を測定した。
【0043】
実施例2〜8
P−1のポリカーボネートの代わりにP−2〜P−8のポリカーボネートを用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0044】
比較例1〜2
P−1のポリカーボネートの代わりに市販のBPA型ポリカーボネート(三菱ガス化学(株) 製ユーピロンS-2000)、BPZ型ポリカーボネート(三菱ガス化学 (株) 製ユーピロンPCZ)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0045】
実施例および比較例の結果を表1に示した。
(以下空白)
【0046】
【表1】
【0047】
なお、表1の記載は下記によった。
ID1 :1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール
ID2 :1,1,3,4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール
BPZ :1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
BPC :2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン
BPA :2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
DHPE:ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル
【0048】
極限粘度:20℃、0.5%ジクロロメタン溶液にて測定。
【0049】
初期電位:DC帯電器にて50μA電流が流入するよう調整したときの初期帯電量(-V)
【0050】
残留電位:露光(除電10Lux )後、4秒後の残留電位(-V)。
【0051】
摩耗量 :荷重300g、CS-17 輪、トルエン雰囲気、1000回往復運動後のテーバ摩耗試験を行った際の摩耗量(mg)
【0052】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、インダン構造を有するポリカーボネートをバインダー樹脂として使用することにより、電子写真感光体の残留電位上昇を抑え、耐摩耗性も向上する。そのため電子写真画像の安定化や感光体寿命延長効果が期待される。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to an electrophotographic photoreceptor. More specifically, the present invention relates to an electrophotographic photoreceptor using a specific polycarbonate as a binder resin.
[0002]
[Prior art]
At present, electrophotographic technology is widely applied to copying machines, laser printers, facsimiles and the like due to its high speed and high image quality.
Conventionally, inorganic photoconductive materials such as selenium, selenium / tellurium alloys, selenium / arsenic alloys, cadmium sulfide have been mainly used as electrophotographic photoreceptors in this electrophotographic technology. However, from the viewpoints of toxicity, safety, price, productivity, and the like, recently, an electrophotographic photoreceptor using an organic photoconductive material has been developed.
[0003]
When the organic photoconductive substance is a low molecular substance, it is usually performed to form a coating film by mixing with a binder resin. Binder resins include vinyl polymers such as polymethyl methacrylate, polystyrene, and polyvinyl chloride, and copolymers thereof, various thermoplastic resins such as polycarbonate, polyester, polysulfone, phenoxy resin, epoxy resin, and silicone resin, and thermosetting. Resin has been used. Of these various resins, polycarbonate resins are widely used because they have relatively excellent characteristics, and it has been reported that various polycarbonate resins are used as binder resins. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 60-172044 is a polycarbonate resin derived from bisphenol Z, Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-170647 is a polycarbonate resin derived from bisphenol A, Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-148263 is derived from dimethyl bisphenol A. JP-A-4-44048 discloses that a polycarbonate resin derived from bisphenol AP is used as a binder resin. JP-A-52-123490 discloses that a specific polycarbonate having an indane structure is excellent in heat resistance and hydrolysis resistance.
[0004]
In the electrophotographic photosensitive member (OPC photosensitive member) using these known organic photoconductive materials (OPC) and various binder resins, electrophotographic photosensitive materials using inorganic photoconductive materials in terms of sensitivity and the like. A thing comparable to the body is obtained.
These OPC photoreceptors can be easily formed into thin films by a cast film forming method, are suitable for mass production, and are relatively inexpensive. Although the OPC photoreceptor has such an excellent surface, it has problems such as charging characteristics such as residual potential rise and wear resistance, and improvement has been demanded.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-described problems in the OPC photoreceptor, the present inventors have found that an electrophotographic photoreceptor using a specific polycarbonate resin as a binder exhibits wear resistance and good charging characteristics. It has been found that the electrophotographic photosensitive member has a good quality, and the present invention has been completed.
[0006]
That is, the present invention relates to an electrophotographic photosensitive member having a photosensitive layer on a conductive substrate, and as a binder resin for the photosensitive layer, the following general formula (A) or general formula (A) and the following general formula (B): An electrophotographic photosensitive resin comprising a resin having a structural unit represented by formula (A) and having a structural unit of general formula (A) in a total structural unit of 5 to 100 mol% and an intrinsic viscosity of 0.30 to 2.0 dl / g. About the body.
[0007]
[Formula 4]
[0008]
(Wherein R 1 to R 4 are a hydrogen atom, fluorine, chlorine, bromine atom, or an optionally substituted alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, an aryl group having 6 to 12 carbon atoms, and the number of carbon atoms. A alkenyl group having 2 to 5 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 5 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 17 carbon atoms, and the substituent that may be present on the carbon of these groups is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms Alternatively, it is an alkenyl group, an alkoxy group having 1 to 5 carbon atoms, a halogen atom selected from fluorine, chlorine and bromine or a dimethylpolysiloxy group.)
[0009]
[Chemical formula 5]
[0010]
(Wherein R 5 to R 8 are each hydrogen, fluorine, chlorine, bromine, iodine, or an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms and an aryl group having 6 to 12 carbon atoms, each of which may have a substituent. , An alkenyl group having 2 to 5 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 5 carbon atoms, and an aralkyl group having 7 to 17 carbon atoms, and the substituent that these groups may have may have 1 to 5 carbon atoms. An alkyl group or an alkenyl group, an alkoxy group having 1 to 5 carbon atoms, a halogen or a dimethylpolysiloxy group selected from fluorine, chlorine, bromine and iodine, and Y represents a group shown below.
[0011]
[Chemical 6]
[0012]
Here, R 9 and R 10 each represent hydrogen, an optionally substituted alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, an alkoxy group, or an aryl group having 6 to 12 carbon atoms, or R 9 and R 10 are The group which couple | bonds together and forms a carbocyclic ring or a heterocyclic ring, and the substituent which you may have in carbon of these groups is a C1-C5 alkyl group or an alkenyl group, C1-C5 alkoxy Or a halogen selected from fluorine, chlorine, bromine and iodine. a represents an integer of 0 to 20, and b and c each represents an integer of 1 to 100. )
[0013]
The electrophotographic photosensitive member of the present invention may have a single photoconductive layer on a conductive support or may be a layered type having separated functions. Recently, a multi-layer electrophotographic photosensitive member having two layers of a charge generation layer that generates charges by exposure and a charge transport layer that transports charges has become mainstream. Moreover, you may provide an undercoat layer, a protective layer, an adhesive layer, etc. as needed.
[0014]
The conductive support of the present invention is a metal material such as aluminum, stainless steel, nickel or the like, or a polyester film, a phenolic resin, paper having a conductive layer made of aluminum, palladium, tin oxide, indium oxide or the like on the surface. Etc. are used.
[0015]
The charge generation layer of the present invention is formed on a conductive support by a known method. As the charge generation material, for example, organic pigments such as azoxybenzene, disazo, trisazo, benzimidazole, polycyclic quinoline, indigoid, quinacridone, phthalocyanine, perylene, and methine can be used. . These charge generation materials are made of fine particles such as polyvinyl butyral resin, polyvinyl formal resin, silicone resin, polyamide resin, polyester resin, polystyrene resin, polycarbonate resin, polyvinyl acetate resin, polyurethane resin, phenoxy resin, epoxy resin, and various celluloses. Used in a form dispersed in a binder resin.
[0016]
The charge transport layer of the present invention is formed by dispersing a charge transport material on the charge generation layer by a known method using the polycarbonate resin of the present invention as a binder resin. Examples of the charge transport material include polytetracyanoethylene; fluorenone compounds such as 2,4,7-trinitro-9-fluorenone; nitro compounds such as dinitroanthracene; succinic anhydride; maleic anhydride; dibromomaleic anhydride; Triphenylmethane compounds; oxadiazole compounds such as 2,5-di (4-dimethylaminophenyl) -1,3,4-oxadiazole; styryl compounds such as 9- (4-diethylaminostyryl) anthracene Carbazole compounds such as poly-N-vinylcarbazole; pyrazoline compounds such as 1-phenyl-3- (p-dimethylaminophenyl) pyrazoline; 4,4 ′, 4 ″ -tris (N, N-diphenylamino); Amine derivatives such as triphenylamine; 1,1-bis (4-diethylaminophen Nyl) -4,4-diphenyl-1,3-butadiene and other conjugated unsaturated compounds; 4- (N, N-diethylamino) benzaldehyde-N, N-diphenylhydrazone and other hydrazone compounds; indole compounds and oxazole compounds Compounds, isoxazole compounds, thiazole compounds, thiadiazole compounds, imidazole compounds, pyrazole compounds, pyrazoline compounds, triazole compounds, and other nitrogen-containing cyclic compounds; condensed polycyclic compounds, etc. The transport material may be used alone or in combination of two or more.
[0017]
The polycarbonate of the present invention is a known method used for producing a polycarbonate from bisphenol A and a carbonate-forming compound, for example, a direct reaction of a dihydric phenol and phosgene (phosgene method), or a dihydric phenol and bisaryl. Methods such as transesterification with carbonate (transesterification method) can be employed.
[0018]
In the phosgene method and the transesterification method, the phosgene method is preferred in consideration of the reactivity of the indane structure-containing dihydric phenol that induces the structure of the general formula (A).
Further, in order to have the expected physical properties, the structural unit of the general formula (A) is preferably 5 to 100 mol% in all the structural units, and more preferably 20 to 100 mol% in view of solvent solubility.
[0019]
Specific examples of the dihydric phenol derived from the general formula (B) used in the production of the polycarbonate in the present invention include biphenol, bis (4-hydroxyphenyl) methane, bis (4-hydroxyphenyl) ether, Bis (4-hydroxyphenyl) sulfoxide, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (bisphenol A; BPA ), 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclopentane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane (bisphenol Z; BPZ), 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dibromophenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dichlorophenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-bromophenyl) propane, 2, , 2-bis (4-hydroxy-3-chlorophenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-allylphenyl) propane, 2, , 2-bis (4-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) propane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -1-phenylethane, bis (4-hydroxyphenyl) diphenylmethane, 9,9-bis ( 4-hydroxyphenyl) fluorene, 9,9-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) fluorene, 4,4 ′-[1,4-fluoro Enylene bis (1-methylethylidene)] bisphenol, 4,4 ′-[1,4-phenylenebis (1-methylethylidene)] bis (2-methylphenol), 4,4 ′-[1,3-phenylenebis ( 1-methylethylidene)] bisphenol, α, ω-bis [2- (p-hydroxyphenyl) ethyl] polydimethylsiloxane, or α, ω-bis [3- (o-hydroxyphenyl) propyl] polydimethylsiloxane These may be exemplified, and these may be used in combination of two or more.
[0020]
Among these, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 1,1 -Bis (4-hydroxyphenyl) -1-phenylethane, bis (4-hydroxyphenyl) ether, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide, α, ω-bis [2- (p-hydroxyphenyl) ethyl] polydimethyl It is preferably selected from siloxane or α, ω-bis [3- (o-hydroxyphenyl) propyl] polydimethylsiloxane.
[0021]
On the other hand, examples of the carbonate ester-forming compound include phosgene and bisallyl carbonate such as diphenyl carbonate, di-p-tolyl carbonate, phenyl-p-tolyl carbonate, di-p-chlorophenyl carbonate, and dinaphthyl carbonate. Two or more of these compounds can be used in combination.
[0022]
Specific examples of the indane-containing dihydric phenol that derives the structural unit represented by the general formula (A) include the compounds shown below.
[0023]
[Chemical 7]
[0024]
Two or more of the above dihydric phenols can be used in combination. In particular, 1,1,3-trimethyl-3- (4-hydroxyphenyl) -indan-5-ol or 1,1,3,4,6-pentamethyl-3- (3,5-dimethyl-4- Hydroxyphenyl) -indan-5-ol is preferred from the standpoint of reactivity.
[0025]
In the phosgene method, the dihydric phenol and phosgene are reacted usually in the presence of an acid binder and a solvent. Examples of the acid binder include pyridine and alkali metal hydroxides such as sodium hydroxide and potassium hydroxide. Examples of the solvent include methylene chloride, chloroform, chlorobenzene, and xylene.
[0026]
In addition, a catalyst such as a tertiary amine such as triethylamine or a quaternary ammonium salt is used to promote the condensation polymerization reaction. In order to adjust the degree of polymerization, monofunctional compounds such as phenol, pt-butylphenol, p-cumylphenol, and long-chain alkyl-substituted phenol can be used as molecular weight regulators. If desired, a small amount of an antioxidant such as sodium sulfite or hydrosulfite, or a branching agent such as phloroglucin or isatin bisphenol may be added. The reaction is usually in the range of 0 to 150 ° C, preferably 5 to 40 ° C. While the reaction time depends on the reaction temperature, it is generally 0.5 min-10 hr, preferably 1 min-2 hr. Further, during the reaction, it is desirable to maintain the pH of the reaction system at 10 or more.
[0027]
On the other hand, in the transesterification method, the dihydric phenol and bisaryl carbonate are mixed and reacted at high temperature under reduced pressure. The reaction is usually carried out at a temperature in the range of 150 to 350 ° C., preferably 200 to 300 ° C., and the degree of vacuum is preferably 1 mmHg or less at the end, and phenols derived from the bisaryl carbonate produced by the transesterification reaction Is distilled out of the system. The reaction time depends on the reaction temperature, the degree of reduced pressure, etc., but is usually about 1 to 4 hours. The reaction is preferably carried out in an inert gas atmosphere such as nitrogen or argon. Moreover, you may react by adding antioxidant and a branching agent as needed.
[0028]
The polycarbonate synthesized by these reactions can be easily formed into a film by wet molding. In order for the electrophotographic photosensitive member molded by wet molding to have sufficient film strength, the intrinsic viscosity is preferably 0.30 to 2.0 dl / g, and when film forming properties are emphasized, 0.3 to 1.5 dl / g It is preferable that
[0029]
The charge generation layer and the charge transport layer are prepared by dissolving the charge generation material or the charge transport material in a binder resin and an appropriate solvent, and applying the solution by a dip coating method or a spray method, followed by drying. It can be formed by things. These solvents can be broadly classified into two types: halogen-based organic solvents and non-halogen-based solvents. Generally, halogen-based solvents with low flammability are frequently used, but in recent years, particularly in view of safety and environmental conservation. Therefore, the proportion of non-halogen solvents used is increasing. The polycarbonate used in the present invention has good solubility in many non-halogen solvents.
[0030]
Non-halogen solvents include aromatic solvents such as benzene, toluene, xylene, ketone solvents such as acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, ether solvents such as tetrahydrofuran, dioxane, ethylene glycol diethyl ether, methyl acetate, ethyl acetate, Examples include ester solvents such as ethyl cellosolve, alcohol solvents such as methanol, ethanol, and isopropanol, and other dimethylformamide, dimethylsulfoxide, and diethylformamide. Examples of the halogen-based solvent include methylene chloride, chloroform, carbon tetrachloride, ethylene chloride, tetrachloroethane, chlorobenzene and the like. These solvents may be used independently of non-halogen or halogen, or 2 You may use together a seed | species or more as a solvent for mixing.
[0031]
The mixing ratio of the charge generating material and the binder resin is preferably in the range of 10: 1 to 1:20. The charge generation layer has a thickness of 0.01 to 20 μm, preferably 0.1 to 2 μm.
[0032]
The mixing ratio of the charge transport material and the binder resin is preferably in the range of 10: 1 to 1:10. The thickness of the charge transport layer is 2 to 100 μm, preferably 5 to 30 μm.
[0033]
【Example】
Hereinafter, it demonstrates concretely by an Example and a comparative example.
[0034]
Synthesis example 1
While dissolving 500 g of sodium hydroxide in 6 l of water and maintaining at 15 ° C., 536 g of 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane (hereinafter referred to as “BPZ”), 1,1,3-trimethyl-3- 536 g of (4-hydroxyphenyl) -indan-5-ol (hereinafter referred to as “ID1”) and 1 g of hydrosulfite were dissolved.
To this, 5 l of methylene chloride was added and stirred, 17 g of pt-butylphenol (hereinafter referred to as “PTBP”) was added, and then 480 g of phosgene was blown in 60 minutes.
After the completion of phosgene blowing, the reaction solution was emulsified by vigorous stirring. After emulsification, 1 g of triethylamine was added and stirring was continued for about 1 hour for polymerization.
The polymerization solution was separated into an aqueous phase and an organic phase, and the organic phase was neutralized with sulfuric acid, and then repeatedly washed with water until the pH of the washing solution became neutral. Then, 35 l of isopropanol was added to precipitate the polymer. . The precipitate was filtered and then dried to obtain a powdery polycarbonate (hereinafter referred to as “P-1”). The intrinsic viscosity of this polycarbonate is 0.49 dl / g (20 ° C., dichloromethane solution).
[0035]
Synthesis example 2
The procedure was the same as in Synthesis Example 1 except that 512 g of 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane (hereinafter referred to as “BPC”) was used instead of BPZ. The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-2”) is 0.47 dl / g.
[0036]
Synthesis example 3
The procedure was the same as in Synthesis Example 1 except that 456 g of 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (hereinafter referred to as “BPA”) was used instead of BPZ.
The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-3”) is 0.50 dl / g.
[0037]
Synthesis example 4
857 g of BPZ and 1,1,3,4,6-pentamethyl-3- (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) -indan-5-ol (hereinafter “ID2”) instead of ID1 changed to 259 g The procedure was the same as in Synthesis Example 1 except that.
The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-4”) is 0.43 dl / g.
[0038]
Synthesis example 5
The same procedure as in Synthesis Example 1 was performed except that 1072 g of only ID1 was used without using BPZ. The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-5”) is 0.53 dl / g.
[0039]
Synthesis Example 6
The same operation as in Synthesis Example 1 was conducted except that PTBP was changed to 5 g.
The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-6”) is 1.15 dl / g.
[0040]
Synthesis example 7
The same operation as in Synthesis Example 1 was conducted except that PTBP was changed to 30 g.
The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-7”) is 0.31 dl / g.
[0041]
Synthesis Example 8
The same procedure as in Synthesis Example 1 was performed except that 404 g of bis (4-hydroxyphenyl) ether (hereinafter referred to as “DHPE”) was used instead of BPZ.
The intrinsic viscosity of the obtained powdery polycarbonate resin (hereinafter referred to as “P-8”) is 0.44 dl / g.
[0042]
Example 1
10 parts of τ-type copper phthalocyanine, 5 parts of phenoxy resin, 5 parts of polyvinyl butyral resin and 100 parts of dimethoxyethane are mixed on a polyethylene terephthalate film on which aluminum is deposited to a thickness of about 50 nm, and pulverized and dispersed in a sand grind mill. The applied coating solution was applied and dried to provide a charge generation layer having a thickness of about 0.5 μm. Next, 50 parts of 4- (N, N-diethylamino) benzaldehyde-N, N-diphenylhydrazone, 50 parts of polycarbonate resin P-1 obtained in Synthesis Example-1, and 350 parts of tetrahydrofuran were used. Was applied on the charge generation layer, air-dried and then dried at 100 ° C. for 8 hours, and a charge transport layer having a thickness of about 20 μm was provided to produce a multilayer electrophotographic photosensitive member.
The electrophotographic photosensitive member was evaluated for charging characteristics using an EPA-8100 electrostatic charging test apparatus manufactured by Kawaguchi Electric Co., Ltd. For abrasion resistance, the amount of scraping was measured using a Taber abrasion tester manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.
[0043]
Examples 2-8
The same procedure as in Example 1 was performed except that P-2 to P-8 polycarbonate was used instead of P-1 polycarbonate.
[0044]
Comparative Examples 1-2
Example 1 except that a commercially available BPA type polycarbonate (Iupilon S-2000 manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd.) and a BPZ type polycarbonate (Iupilon PCZ manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd.) were used instead of the polycarbonate of P-1. The same was done.
[0045]
The results of Examples and Comparative Examples are shown in Table 1.
(Below blank)
[0046]
[Table 1]
[0047]
The description in Table 1 is as follows.
ID1: 1,1,3-trimethyl-3- (4-hydroxyphenyl) -indan-5-ol
ID2: 1,1,3,4,6-pentamethyl-3- (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) -indan-5-ol
BPZ: 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane
BPC: 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane
BPA: 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane
DHPE: bis (4-hydroxyphenyl) ether
Intrinsic viscosity: Measured with a 0.5% dichloromethane solution at 20 ° C.
[0049]
Initial potential: Initial charge amount (-V) when 50μA current is adjusted by DC charger
[0050]
Residual potential: Residual potential (-V) after 4 seconds after exposure (static elimination 10 Lux).
[0051]
Amount of wear: Amount of wear (mg) when performing a Taber abrasion test after a load of 300 g, CS-17 wheel, toluene atmosphere, and 1000 reciprocations
[0052]
【The invention's effect】
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, the use of polycarbonate having an indane structure as a binder resin suppresses an increase in the residual potential of the electrophotographic photoreceptor and improves the wear resistance. Therefore, the effect of stabilizing the electrophotographic image and extending the life of the photoreceptor is expected.
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