JP3635720B2 - 冷凍機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、冷媒よりも比重が小さく、かつ、冷媒との相溶性が無い油を圧縮機の潤滑油として用いている冷凍機に関し、詳しくは、圧縮機内で冷媒と潤滑油とが二層に分離したことを検出することができる冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷媒に対して相溶性の無い油を冷凍機に使用する場合、図7(A)に黒い点で示したように、油中に所定の冷媒分率以上の冷媒が溶解すると、油と冷媒とが二層に別れる二層分離が発生する。そして、このとき、(冷媒の比重)>(油の比重)であるならば、下層は油濃度がきわめて低い冷媒リッチ層になる。
【0003】
二層分離が発生する運転モードとしては、起動(寝込み起動)や発停やデフロスなどと言った過渡的に液バックが生じるモードがある。そして、冷凍機の圧縮機の油溜まり部で二層分離が生じると、条件によっては図7(B)に示すように、二層分離面Dが給油口Sを越える。すると、給油口Sからは油が吸い込まれずに、下層の液冷媒リッチ層Rの冷媒が給油口Sから吸い込まれて圧縮機Cの摺動部に供給される。すると、圧縮機Cの潤滑不良が発生して、摺動部摩擦や焼付が生じる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は、冷媒と潤滑油とが圧縮機内で二層分離したことを検出できる冷凍機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、冷媒よりも比重が小さく、かつ、上記冷媒との相溶性が実質的に無い油を圧縮機5,25の潤滑油として用いている冷凍機において、
上記圧縮機5,25内の油の温度を検出する油温検出手段15,16,31,33と、
上記圧縮機5,25内の圧力によって定まる上記冷媒の飽和温度を検出する冷媒飽和温度検出手段7,8,10,11,27,30,32,34と、
上記油温検出手段15,16,31,33が検出した油温と、上記冷媒飽和温度検出手段7,8,10,11,27,30,32,34が検出した上記冷媒の飽和温度とを比較して、上記油温と上記飽和温度との差α=(上記油温−上記飽和温度)が零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断する二層分離判定手段12,18,35,37とを備えている。
【0006】
また、請求項1の発明では、上記二層分離判定手段12,18,35,37は、
上記圧縮機5,25の運転周波数が所定値であるときに、上記差αが零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断し、
上記圧縮機5,25の運転周波数が上記所定値よりも大きくなったときに、この大きくなった分だけ上記差αを増大させた値αaが、零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断し、
上記圧縮機5,25の運転周波数が上記所定値よりも小さくなったときに、この小さくなった分だけ上記差αを減少させた値αaが、零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断する。
【0007】
また、請求項2の発明は、冷媒よりも比重が小さく、かつ、上記冷媒との相溶性が実質的に無い非相溶油を圧縮機の潤滑油として用いている冷凍機において、
外気温度を検出する外気温度センサ57と、
起動時に上記圧縮機がオンとオフとを繰り返して発停を行っているときに、 上記圧縮機55が5分未満のオン状態からオフ状態になる発停回数をカウントする発停回路58と、
上記外気温度センサ57からの外気温度を表す信号Soutと、上記発停回路58からの発停回数を表す信号Snとが入力され、圧縮機55の発停の回数が、外気温度によって決まっている所定の判定回数に達したときに、上記圧縮機内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機内の給油口を越える直前であると判断する二層分離判定手段60を備えていることを特徴としている。
【0008】
【作用】
図8に示すように、圧縮機内の所定の圧力下において、冷媒と油との溶解域では油温(より正確には油と冷媒との混合液の温度)は、冷媒の飽和温度よりも高い。一方、冷媒と油との二層分離域では油温は、冷媒の飽和温度にほぼ等しくなる。請求項1の発明は、この図8に示した性質を応用したものである。
【0009】
すなわち、請求項1の発明の冷凍機は、二層分離判定手段12,18,35,37が、油温検出手段15,16,31,33が検出した油温と、上記冷媒飽和温度検出手段7,8,10,11,27,30,32,34が検出した冷媒の飽和温度とを比較する。そして、上記判定手段12,18,35,37は、上記油温と上記飽和温度との差α=(上記油温−上記飽和温度)が零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断する。
【0010】
したがって、上記判定手段12,18,35,37が上記二層分離していると判断したときに圧縮機5,25の潤滑不足を警報して、二層分離回避運転を行うようにすれば、摺動部の摩耗や焼き付きを未然に防止することができる。
【0011】
また、請求項1の発明の冷凍機では、上記二層分離判定手段12,18,35,37は、上記圧縮機5,25の運転周波数が所定値であるときに、上記差αが零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断する。また、上記判定手段12,18,35,37は、上記圧縮機5,25の運転周波数が上記所定値よりも大きくなったときに、この大きくなった分だけ上記差αを増大させた値αaが、零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断する。また、上記判定手段12,18,35,37は、上記圧縮機5,25の運転周波数が上記所定値よりも小さくなったときに、この小さくなった分だけ上記差αを減少させた値αaが、零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5,25内で二層に分離していると判断する。
【0012】
圧縮機5,25の運転周波数が増加したときには、差αが同じ値であっても二層分離し難くなる一方、圧縮機5,25の運転周波数が減少したときには、差αが同じ値であっても二層分離し易くなる。したがって、請求項1の発明のように、圧縮機5,25の運転周波数が所定の値に対して増減したときに、判定手段12,18,35,37が判定基準値である値αを増減させることによって、圧縮機5,25内の二層分離判断をより正確に行うことができる。
【0013】
ところで、起動時に圧縮機がオンとオフとを繰り返して発停を行っているときに、オンのたびに冷媒液が圧縮機に戻ってきて、圧縮機に冷媒が溜まって行く。そして、圧縮機に溜まった冷媒が所定量に達すると冷媒と油とが二層に分離する二層分離が発生する。請求項2の発明は、この発停回数と二層分離発生との相関関係を利用して二層分離を検出するものである。
【0014】
即ち、請求項2の発明は、二層分離判定手段60は、圧縮機55がオン状態からオフ状態になる発停の回数が、外気温度によって決まっている所定の判定回数に達したときに、上記圧縮機55内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機55内の給油口を越える直前であると判断する。
【0015】
したがって、上記判定手段60が上記二層分離面が給油口を越える直前であると判断したときに、潤滑不足の警報を発し、二層分離回避運転を行うようにすれば、摺動部の摩耗や焼き付きを未然に防止することができる。
【0016】
【実施例】
以下、この発明を図示の実施例により詳細に説明する。
【0017】
〔第1実施例〕
図1に、この発明の第1実施例としての空気調和機の構成を示す。この空気調和機は、それぞれ冷媒管路で接続されている室内熱交換器1と室外熱交換器2と絞り膨張部3と四路切替弁4と圧縮機5とアキュムレータ6とを備えている。この空気調和機は、この空気調和機で使用している冷媒よりも比重が小さくて、かつ、上記冷媒との相溶性が無い油を潤滑油として使用している。
【0018】
上記室内熱交換器1には第1の温度センサ7が取り付けられている。また、上記室外熱交換器2には第2の温度センサ8が取り付けられている。この第1,第2の温度センサ7,8が入力値選択部10に接続されている。そして、この入力値選択部10は配管圧損補正計算部11に接続されている。また、この計算部11は、比較部12に接続されている。
【0019】
一方、上記圧縮機5からの吐出配管13には第3の温度センサ15が接続されており、この第3の温度センサ15は油温補正計算部16に接続されている。そして、この計算部16は上記比較部12に接続されている。
【0020】
比較部12は、周波数補正部17に接続されており、周波数補正部17は二層分離判定部18に接続されている。
【0021】
上記構成の空気調和機が、上記第1,第2,第3の温度センサ7,8,15が検出した温度に基づいて、圧縮機5内での冷媒と潤滑油との二層分離を判定する動作を説明する。
【0022】
まず、入力値選択部10は、第1の温度センサ7から室内熱交換器1の温度T1を表す信号S1を受け、第2の温度センサ8から室外熱交換器2の温度T2を表す信号S2を受ける。そして、この入力値選択部10は、図1下に示すように、圧縮機5が高圧ドーム型である場合には、冷房時に室外熱交換器2の温度T2を表す信号S2を選択して出力する一方暖房時に室内熱交換器1の温度T1を表す信号S1を選択して出力する。また、選択部10は、圧縮機5が低圧ドーム型である場合には、冷房時に室内熱交換器1の温度T1を表す信号S1を選択して出力する一方暖房時には室外熱交換器2の温度T2を表す信号S2を選択して出力する。
【0023】
そして、上記圧縮機5が高圧ドーム型である場合であって、かつ、冷房時には、配管圧損補正計算部11は、室外熱交換器2の温度(凝縮温度)T2に、吐出配管13から室外熱交換器2(凝縮器)までの圧損を温度に換算した圧損換算温度ΔTpcを加算して、加算値(T2+ΔTpc)を計算する。そして、この加算値(T2+ΔTpc)を圧縮機5のドーム内圧力Pcに換算し、この換算したドーム内圧力Pcから上記ドーム内の冷媒の飽和温度Tsを算出する。
【0024】
また、上記圧縮機5が高圧ドーム型であって、かつ、暖房時には、配管圧損補正計算部11は、室内熱交換器1の温度(凝縮温度)T1に、吐出配管13から室内熱交換器1(凝縮器)までの圧損を温度に換算した圧損換算温度ΔTphを加算して、加算値(T1+ΔTph)を計算する。そして、この加算値(T2+ΔTph)を圧縮機5のドーム内圧力Phに換算し、この換算したドーム内圧力Phから上記ドーム内の冷媒の飽和温度Tsを算出する。
【0025】
また、上記圧縮機5が低圧ドーム型である場合であって、かつ、冷房時には、配管圧損補正計算部11は、室内熱交換器1から吸入配管までの圧損を温度に換算した圧損換算温度ΔTpcを、室内熱交換器1の温度(蒸発温度)T1から減算して、減算値(T1−ΔTpc)を計算する。そして、この減算値(T1−ΔTpc)を圧縮機5のドーム内圧力Pcに換算し、この換算したドーム内圧力Pcから上記ドーム内の冷媒の飽和温度Tsを算出する。
【0026】
また、上記圧縮機5が低圧ドーム型である場合であって、かつ、暖房時には、配管圧損補正計算部11は、室外熱交換器1から吸入配管までの圧損を温度に換算した圧損換算温度ΔTphを、室外熱交換器2の温度(蒸発温度)T2から減算して、減算値(T2−ΔTph)を計算する。そして、この減算値(T2−ΔTph)を圧縮機5のドーム内圧力Phに換算し、この換算したドーム内圧力Phから上記ドーム内の冷媒の飽和温度Tsを算出する。
【0027】
一方、上記油温補正計算部16は、吐出管温度センサ15が出力した信号S3を受けて、この信号S3が表す吐出管の温度T3を補正して、圧縮機5内の油の温度Toを計算する。
【0028】
次に、比較部12は、上記配管圧損補正計算部11から飽和温度Tsを表す信号を受け、かつ、上記油温補正計算部16から上記油の温度Toを表す信号を受ける。すると、比較部12は、上記飽和温度Tsと上記油の温度Toとを比較して、油の温度Toから飽和温度Tsを差し引いて、差α=(油温To)−(飽和温度Ts)を算出する。
【0029】
次に、周波数補正部17は、上記圧縮機5の駆動周波数を表す信号を受けて、この駆動周波数に応じて、上記差αに補正値Δを加算して、補正した差αa=(α+Δ)を算出する。この補正値Δと上記駆動周波数との関係は正比例であり、図4(B)に示すように、上記駆動周波数が60Hzであるときに0℃である。このような、周波数補正を行う理由は、駆動周波数が所定周波数(60Hz)よりも低いと圧縮機5のボトムまで撹拌効果が得られず発熱量も小さいので、(油温To)−(飽和温度Ts)=αが0以上であってもボトムでは二層分離していることがあり、逆に周波数が所定周波数よりも高いと撹拌効果が大きいから、α≦0であっても溶解域となる可能性があるからである。この周波数補正によって、二層分離の有無をより正確に把握することができる。ここまでの信号処理過程を図4(A)に簡略化して示す。
【0030】
次に、二層分離判定部18は、周波数補正部17から上記補正差αaを表す信号を受けて、この補正差αaが零以下(αa≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機5内で二層に分離していると判断して、二層分離していることを表す信号を出力する。一方、上記二層分離判定部18は、上記補正値αaが零を越えている(αa>0)ときには、上記冷媒と潤滑油とが圧縮機5内で二層分離していないと判断して、二層分離していないことを表す信号を出力する。
【0031】
この二層分離判定部18が、二層分離していることを表す信号を出力したときに、圧縮機5の潤滑不足警報を発して二層分離回避運転を行うようにすれば、二層分離に起因する圧縮機の摺動部の摩擦や焼付を未然に防止することができる。
【0032】
〔第2実施例〕
つぎに、図2に第2実施例としての空気調和機の構成を示す。この第2実施例は、それぞれ冷媒管路で接続されている室内熱交換器21と室外熱交換器22と絞り膨張部23と四路切替弁24と圧縮機25とアキュムレータ26とを備えている。この空気調和機は、この空気調和機で使用している冷媒よりも比重が小さくて、しかも上記冷媒との相溶性が無い油を潤滑油として使用している。
【0033】
アキュムレータ26への吸入管には吸入圧力センサ27が取り付けられている。また、吐出管28には吐出圧力センサ30と吐出管温度センサ31が取り付けられている。また、この第2実施例は、上記吸入圧力センサ27と吐出圧力センサ30とに接続されている入力値選択部32と、吐出管温度センサ31に接続されている油温補正計算部33を備えている。
【0034】
上記入力値選択部32は飽和温度計算部34に接続されており、この飽和温度計算部34は比較部35に接続されている。一方、上記油温補正計算部33は比較部35に接続されている。上記比較部35は周波数補正部36に接続されており、周波数補正部36は二層分離判定部37に接続されている。
【0035】
上記構成の空気調和機が、上記吸入圧力センサ27と吐出圧力センサ30と吐出管温度センサ31からの信号に基づいて、圧縮機25内での二層分離を判定する動作を説明する。
【0036】
まず、上記入力値選択部32は、吸入圧力センサ27から吸入管での吸入圧力Psを表す信号Ssを受け、吐出圧力センサ30から吐出管での吐出圧力Pdを表す信号Sdを受ける。そして、図2下に示すように、圧縮機25が高圧ドーム型である場合には、この入力値選択部32は、冷房時,暖房時共に吐出圧力Pdを表す信号Sdを選択して、この信号Sdを飽和温度計算部34に出力する。一方、圧縮機25が低圧ドーム型である場合には、入力値選択部32は、冷房時,暖房時共に吸入圧力Psを表す信号Ssを選択して、この信号Ssを飽和温度計算部34に出力する。
【0037】
次に、飽和温度計算部34は、吐出圧力Pdを表す信号Sdを受けたときには、吐出圧力用の飽和温度換算式を使用して上記吐出圧力Pdから圧縮機25での冷媒の飽和温度Tsを算出する。また、飽和温度計算部34は、吸入圧力Psを表す信号Ssを受けたときには、吸入圧力用の飽和温度換算式を使用して上記吸入圧力Psから圧縮機25での冷媒の飽和温度Tsを算出する。
【0038】
一方、上記油温補正計算部33は、吐出管温度センサ31が出力した信号Stを受けて、この信号Stが表す吐出管の温度Tdを補正して、圧縮機25内の油の温度Toを計算する。
【0039】
次に、比較部35は、上記飽和温度計算部34からの飽和温度Tsを表す信号と、油温補正計算部33からの油温Toを表す信号とを受けて、飽和温度Tsと油温Toとを比較して、油の温度Toから飽和温度Tsを差し引いて、差α=(油温To)−(飽和温度Ts)を算出する。
【0040】
次に、周波数補正部36は、圧縮機25の駆動周波数を表す信号を受けて、この駆動周波数に応じて、上記差αに補正値Δを加算して、補正した差αa=(α+Δ)を算出する。この補正値Δと上記駆動周波数との関係は正比例であり、図4(B)に示すように、上記駆動周波数が60Hzであるときに0℃である。ここまでの信号処理過程を図4(A)に簡略化して示す。
【0041】
次に、二層判定部38は、周波数補正部36から上記補正差αaを表す信号を受けて、この補正差αaが零以下(αa≦0)になったときに、上記冷媒と潤滑油とが圧縮機25内で二層に分離していると判断して、二層分離していることを表す信号を出力する。一方、上記二層分離判定部37は、上記補正値αaが零を越えている(αa>0)ときには、上記冷媒と潤滑油とが圧縮機25内で二層分離していないことを表す信号を出力する。
【0042】
上記二層分離判定部37が、二層分離していることを表す信号を出力したときに、潤滑不足警報を発して、二層分離回避運転を行うようにすれば、液冷媒潤滑による摺動部摩擦や焼付を未然に防止することができる。
【0043】
〔第3実施例〕
つぎに、図3に第3実施例としての空気調和機の構成を示す。この空気調和機は、それぞれ冷媒管路で接続されている室内熱交換器51と室外熱交換器52と絞り膨張部53と四路切替弁54と圧縮機55とアキュムレータ56とを備えている。この空気調和機は、この空気調和機で使用している冷媒よりも比重が小さく、かつ、上記冷媒との相溶性が無い油を潤滑油として用いている。
【0044】
また、この空気調和機は、外気温度を検出する外気温センサ57を備えている。また、この空気調和機は、発停回路58と二層分離検出回路60を備えている。この二層分離検出回路60には、外気温センサ57からの外気温度Toutを表す信号Soutと、上記発停回路58からの発停時間tssを表す信号Sssと発停回数nを表す信号Snが入力されるようになっている。
【0045】
上記発停回路58は、圧縮機55が5分間以上連続運転してから停止した場合には、このオンオフ動作は発停としてカウントしない。また、発停回路58は、圧縮機55が10分以上連続運転した場合には、発停回数のカウント数を零に戻して、新たなカウントを開始する。その理由は、10分以上連続運転した状態では、冷媒が圧縮機55から吐出されてしまっているからである。
【0046】
上記二層分離検出回路60は、図5に示すように、圧縮機55の発停回数nが外気温度toutによって決まっている判定回数Njを越えたときに、圧縮機55内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機55内の給油口を越えていると判断する。
【0047】
上記構成の空気調和機の二層分離検出回路60は、外気温センサ57からの信号Soutを受けて外気温度Toutを検出する。そして、この二層分離検出回路60は、発停回路58からの信号SssとSnとを受けて、圧縮機55がオン状態からオフ状態になる発停の回数nが外気温度toutによって決まっている所定の判定回数Njに達したときに、圧縮機55内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機55内の給油口を越える直前であると判断する。
【0048】
具体的に外気温が−2℃であるときには、発停回路58は、図6に示すように、圧縮機55がオンオフする発停パターンに応じて発停回数nをカウントする。そして、この発停回数nが1,2…と増加して行くにしたがって、給油口での油の濃度(wt%)が低下する。そして、発停回数nが3回になると、上記二層分離検出回路60は、発停回路58から発停回数n=3であることを表す信号Snを受けて、圧縮機55内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機55内の給油口を越える直前であると判断する。この判断をしたときに、二層分離検出回路60が潤滑不足警報信号を出力して、二層分離回避運転を行うようにすれば、潤滑不良による圧縮機の摺動部摩擦や焼付を未然に防止することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の冷凍機は、二層分離判定手段が、油温検出手段が検出した油温と、冷媒飽和温度検出手段が検出した冷媒の飽和温度とを比較する。そして、上記判別手段は、上記油温と上記飽和温度との差α=(上記油温−上記飽和温度)が零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機内で二層に分離していると判断する。
【0050】
したがって、この発明によれば、圧縮機内での二層分離の有無を判定することができる。また、上記判別手段が上記二層分離していると判断したときに圧縮機の潤滑不足を警報して、二層分離回避運転を行うようにすれば、摺動部の摩耗や焼き付きを未然に防止することができる。
【0051】
また、請求項1の発明の冷凍機では、上記二層分離判定手段は、上記圧縮機の運転周波数が所定値であるときに、上記差αが零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機内で二層に分離していると判断する。また、上記判定手段は、上記圧縮機の運転周波数が上記所定値よりも大きくなったときに、この大きくなった分だけ上記差αを増大させた値が、零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機内で二層に分離していると判断する。また、上記判定手段は、上記圧縮機の運転周波数が上記所定値よりも小さくなったときに、この小さくなった分だけ上記差αを減少させた値が、零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機内で二層に分離していると判断する。
【0052】
圧縮機の運転周波数が増加したときには、差αが同じ値であっても二層分離し難くなる一方、圧縮機の運転周波数が減少したときには、差αが同じ値であっても二層分離し易くなる。従って、請求項1の発明のように、圧縮機の運転周波数が所定の値に対して増減したときに、判定手段が判定基準値である値αを増減させることによって、圧縮機内の二層分離判断をより正確に行うことができる。
【0053】
また、請求項2の発明は、二層分離判定手段は、圧縮機がオン状態からオフ状態になる発停の回数が、外気温度によって決まっている所定の判定回数に達したときに、上記圧縮機内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機内の給油口を越える直前であると判断する。
【0054】
従って、この発明によれば、圧縮機内での二層分離の有無を判別することができる。また、上記判定手段が上記二層分離面が給油口を越える直前であると判断したときに、潤滑不足の警報を発し、二層分離回避運転を行うようにすれば、摺動部の摩耗や焼き付きを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の冷凍機の第1実施例としての空気調和機の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の第2実施例としての空気調和機の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の第3実施例としての空気調和機の構成を示すブロック図である。
【図4】 図4(A)はこの発明の信号処理の流れを示す図であり、図4(B)は周波数補正特性図である。
【図5】 この発明の第3実施例において、外気温が高くなるほど二層分離面が給油口を越えるまでの発停回数が多くなることを示す図である。
【図6】 外気温が−2℃のときに、圧縮機の発停にしたがって給油口の油濃度が徐々に低下して二層分離が発生する様子を示すタイムチャートである。
【図7】 図7(A)は温度と冷媒分率に対する二層分離域を示す二層分離線図であり、図7(B)は圧縮機内での二層分離状態を示す模式図である。
【図8】 圧縮機内での冷媒の飽和温度を破線で示し、油の温度を実線で示した溶解度線図である。
【符号の説明】
1,21,51…室内熱交換器、2,22,52…室外熱交換器、
3,23,53…絞り膨張部、4,24,54…四路切替弁、
5,25,55…圧縮機、6,26,56…アキュムレータ、
7…第1の温度センサ、8…第2の温度センサ、
10,32…入力値選択部、11…配管圧損補正計算部、
12,35…比較部、13…吐出配管、15…第3の温度センサ、
16,33…油温補正計算部、17,36…周波数補正部、
18,37…二層分離判定部、27…吸入圧力センサ、
30…吐出圧力センサ、31…吐出管温度センサ、34…飽和温度計算部、
57…外気温センサ、58…発停回路、60…二層分離検出回路。
Claims (2)
- 冷媒よりも比重が小さく、かつ、上記冷媒との相溶性が実質的に無い油を圧縮機(5,25)の潤滑油として用いている冷凍機において、
上記圧縮機(5,25)内の油の温度を検出する油温検出手段(15,16,31,33)と、
上記圧縮機(5,25)内の圧力によって定まる上記冷媒の飽和温度を検出する冷媒飽和温度検出手段(7,8,10,11,27,30,32,34)と、
上記油温検出手段(15,16,31,33)が検出した油温と、上記冷媒飽和温度検出手段(7,8,10,11,27,30,32,34)が検出した上記冷媒の飽和温度とを比較して、上記油温と上記飽和温度との差α=(上記油温−上記飽和温度)が零以下(α≦0)になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機(5,25)内で二層に分離していると判断する二層分離判定手段(12,18,35,37)とを備え、
上記二層分離判定手段 ( 12 , 18 , 35 , 37 ) は、
上記圧縮機 ( 5 , 25 ) の運転周波数が所定値であるときに、上記差αが零以下 ( α≦0 ) になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機 ( 5 , 25 ) 内で二層に分離していると判断し、
上記圧縮機 ( 5 , 25 ) の運転周波数が上記所定値よりも大きくなったときに、この大きくなった分だけ上記差αを増大させた値 ( α a) が、零以下 ( α≦0 ) になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機 ( 5 , 25 ) 内で二層に分離していると判断し、
上記圧縮機 ( 5 , 25 ) の運転周波数が上記所定値よりも小さくなったときに、この小さくなった分だけ上記差αを減少させた値(α a )が、零以下 ( α≦0 ) になったときに、上記冷媒と上記潤滑油とが上記圧縮機 ( 5 , 25 ) 内で二層に分離していると判断することを特徴とする冷凍機。 - 冷媒よりも比重が小さく、かつ、上記冷媒との相溶性が実質的に無い非相溶油を圧縮機の潤滑油として用いている冷凍機において、
外気温度を検出する外気温度センサ(57)と、
起動時に上記圧縮機がオンとオフとを繰り返して発停を行っているときに、上記圧縮機(55)が5分未満のオン状態からオフ状態になる発停回数をカウントする発停回路(58)と、
上記外気温度センサ(57)からの外気温度を表す信号(Sout)と、上記発停回路(58)からの発停回数を表す信号(Sn)とが入力され、圧縮機(55)の発停の回数が、外気温度によって決まっている所定の判定回数に達したときに、上記圧縮機内の冷媒と潤滑油とが二層に分離していて、この分離面が圧縮機内の給油口を越える直前であると判断する二層分離判定手段(60)を備えていることを特徴とする冷凍機。
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