JP3615609B2 - 斜板式コンプレッサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜板式コンプレッサに関し、特に、斜板式コンプレッサのシール構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置のコンプレッサとして、シャフトに対する傾斜角度が可変である斜板を有し、軽量化および高速回転が可能である片頭式の容量可変斜板式コンプレッサがある。
【0003】
この容量可変斜板式コンプレッサは、円周方向等間隔に複数のシリンダ室が形成されたシリンダブロックと、シャフトにより駆動される斜板が配置されるクランク室が形成されたフロントハウジングと、クランク室内の圧力状態を調整しするコントロールバルブが設けられたリヤハウジングとを有しており、両ハウジングは、ボルトにより連結されている。
【0004】
また、シリンダブロックとリヤハウジングとの間には、冷媒の流通を制御する吸入弁および吐出弁が複数形成された弁形成プレートを備えたバルブプレートが設けられており、このバルブプレートの外径は、シリンダブロックおよびリヤハウジングのサイズと略一致している。
【0005】
一方、冷媒漏れの防止あるいは圧縮効率の向上のため、フロントハウジングとシリンダブロックとのリング形接合面や、バルブプレートとリヤハウジングとの円形接合面に、ガスケットを挿入してシールしている。
【0006】
したがって、フロントハウジングとシリンダブロックとのリング形接合面に挿入されるリング形ガスケットの外径と、バルブプレートとリヤハウジングとの円形接合面に挿入される円形ガスケットの外径とは、ほぼ等しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのガスケットは、共通のガスケット素材シートからカットして形成されている。
【0008】
つまり、リング形ガスケットを形成するためにカットした後に残される円形状のガスケット素材シートのサイズは、バルブプレートとリヤハウジングとの円形接合面に挿入される円形ガスケットを形成するのには不十分であるため、製造ロスとなり、ガスケットの価格上昇をもたらし、部品コストを増加させる問題を有している。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、低コストのガスケットを使用可能にする斜板式コンプレッサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、請求項毎に次のように構成される。
請求項1に記載された本発明は、円周方向等間隔に複数のシリンダ室が形成されたシリンダブロックと、クランク室が形成されたフロントハウジングと、前記クランク室内の圧力状態を調整する調整手段が設けられたリヤハウジングとを有する斜板式コンプレッサにおいて、前記フロントハウジングと前記シリンダブロックとのリング形接合面に挿入されるリング形ガスケットと、前記シリンダブロックの端面に配置されるバルブプレートと前記リヤハウジングとの円形接合面に挿入される円形ガスケットとを有し、前記リング形接合面の内径は、前記円形接合面の外径より大きいことを特徴とする。
【0011】
このように特定された発明にあっては、円形ガスケットの外径は、リング形ガスケットの内径のサイズより大きくする必要はない。したがって、リング形ガスケットを形成するためにカットした後に残される円形状のガスケット素材シートを使用し、円形ガスケットを形成することが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の斜板式コンプレッサにおいて、前記シリンダブロックと前記リヤハウジングとのリング形接合面に挿入され、前記バルブプレートおよび前記円形ガスケットの外周方向に位置するOリング形ガスケットを有することを特徴とする。
【0013】
このように特定された発明にあっては、Oリング形ガスケットにより、シリンダブロックとリヤハウジングとの間がシールされるため、リング形接合面および円形接合面の形状の自由度を向上させることが可能になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は請求項2に記載の斜板式コンプレッサにおいて、前記リング形ガスケットおよび前記円形ガスケットは、表面にゴムが被覆された金属シートから形成されていることを特徴とする。
【0015】
このように特定された発明にあっては、リング形ガスケットおよび円形ガスケットは、締付け応力や流体圧力による変形を生じない剛性を有する一方、弾力性および柔軟性を有する軟質表面を有することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の斜板式コンプレッサにおいて、前記リング形ガスケットは、円周方向に沿ってビード部が形成されていることを特徴とする
このように特定された発明にあっては、円周方向に沿って形成されたビード部により、フロントハウジングとシリンダブロックとのリング形接合面に高い接面圧力を発生させることが可能になる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の斜板式コンプレッサにおいて、前記円形ガスケットは、吐出される冷媒が通過する中央開口部と吸入される冷媒が通過する外周開口部とを有しており、前記中央開口部と前記外周開口部との境界部には、円周方向に沿ってビード部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように特定された発明にあっては、円周方向に沿って形成されたビード部により、中央開口部と外周開口部との境界部に高い接面圧力を発生させることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る斜板式コンプレッサの実施の形態を示す概略断面図、図2は、図1のリング形ガスケットを示す概略平面図、図3は、図1の円形ガスケットを示す概略平面図、図4は、図1の要部拡大断面図である。
【0021】
本発明に係る斜板式コンプレッサの実施の形態は、図1に示すように、片頭式容量可変タイプであり、シリンダブロック21が有しており、このシリンダブロック21の右端側には、リヤハウジング20rが設けられ、左端側には、フロントハウジング20fが設けられており、両ハウジング20r,20fは、ボルトVにより連結されている。
【0022】
フロントハウジング20fとシリンダブロック21とのリング形接合面13には、表面にゴムが被覆された金属シートから形成されたリング形ガスケット11が挿入されている。したがって、リング形ガスケット11は、締付け応力や流体圧力による変形を生じない剛性を有する一方、弾力性および柔軟性を有する軟質表面を有することを可能としている。
【0023】
また、図2に明確に示すように、リング形ガスケット11は、円周方向に沿ってビード部12が形成されており、フロントハウジング20fとシリンダブロック21とのリング形接合面13に高い接面圧力を発生させることができるため、リング形接合面13のシール性を向上させることを可能としている。
【0024】
フロントハウジング20fの中央部には、シャフト1を挿入するための貫通孔23が穿設され、この貫通孔23には、シャフト1を回転可能に支持するラジアル軸受24が圧入され、このラジアル軸受24の近傍にオイルシール25も配置されている。
【0025】
このフロントハウジング20fの内壁に包囲されシリンダブロック21に相対するスペースは、クランク室3であり、クランク室3内のシャフト1のフロントハウジング側には、シャフト1の回転を斜板2に伝達するヒンジ機構Kが設けられている。
【0026】
斜板2は、鋳鉄製のジャーナル部2aと高いヤング率の鋼製の平板部2bとを別体に形成し、この両者をねじ部Nにより連結して構成されている。つまり、この斜板2の平板部2bを、大きな圧縮反力に対抗しうる高いヤング率の材料、つまり、引張強度、曲げ剛性等の機械的強度が高い材料、具体的には、炭素鋼、合金鋼等の鋼により構成し、比較的力が加わらないジャーナル部2aを構成する材料を鋳鉄製のものとしている。
【0027】
ヒンジ機構Kは、基端がシャフト1に嵌着され、先端部26aに長孔26bが開設された回転アーム26と、斜板2のジャーナル部2aの背面より回転アーム26の先端部26aに向って突出され、長孔26bに対応する孔が開設された従動アーム29と、長孔26bを挿通するピン30とから構成されている。
【0028】
シャフト1には、ばねB1,B2により弾撥された球面ブッシュ28が、シャフト軸方向に滑動可能に設けられている。球面ブッシュ28の球面は、斜板2のジャーナル部2aの中心に開設された中心孔Oの内周面と、対向しているが、このジャーナル部2aと球面ブッシュ28とは、該ジャーナル部2aから球面ブッシュ28の中心軸線に沿って突出された一対のピン31により、連結されている。したがって、斜板2は、シャフト1により回転されつつ、ピン31を中心として回動し得るようになっている。つまり、斜板2は、ピン31を支点として傾斜し、さらに球形ブッシュ28と共にシャフト1に沿ってスライドして、傾斜角(シャフト1の軸線に直交する面に対する傾斜角をいう)が調節できるように構成されている。
【0029】
なお、フロントハウジング20fの内壁面と回転アーム26との間にはスラスト軸受31tが設けられている。
【0030】
シャフト1の他端は、シリンダブロック21まで突出され、ラジアル軸受31rにより回転可能に支持され、さらにシャフト1の端面には、スラスト軸受32が設けられている。
【0031】
シリンダブロック21内には、シリンダ室7が円周方向等間隔に複数個開設され、これら各シリンダ室7にはそれぞれピストン6が設置されている。このピストン6は、シリンダブロック21や両ハウジング20r,20fと同様なアルミニウム合金からなり、ピストン往復動時の摺動性を向上させるため表面にコーティング層(例えばフッ素樹脂等から構成される)が形成されている。
【0032】
また、個々のピストン6と斜板2とを連結するシュー4,5は、それぞれ斜板2の平板部2b上を摺動するように平滑に仕上げられた平坦面4a,5aと、連結部9,10の球面凹部9s,10sと凹凸嵌合する球状凸面4b,5bとを有し、斜板2のみそすり回転運動をピストンの往復直線動に変換するようになっている。なお、前記球面凹部9s,10sにより一つの球面が形成されるように加工されており、これにより斜板2の傾斜角度にかかわらず常にガタなく、斜板2とピストン6とがシュー4,5を介して連結される。
【0033】
シリシダ室7の一端面には、冷媒を吸入するための吸入ポート35と冷媒を吐出するための吐出ポート36が開設され、かつ該吸入ポート35、吐出ポート36への冷媒の流通を制御する吸入弁および吐出弁が複数形成された弁形成プレート37,38を備えたバルブプレート39が設けられている。
【0034】
この吸入ポート35には、エバポレータからの帰環冷媒が、吸入室40を経て流入し、バルブプレート37の図中左側にある弁形成プレート37に形成された吸入弁の弾性的閉鎖力に抗して、吸入工程にあるシリンダ室7に流入するようになっている。また、吐出ポート36には、ピストンにより圧縮された冷媒が、バルブプレート37の図中右側にある弁形成プレート38に形成された吐出弁の弾性的閉鎖力に抗して吐出され、リヤハウジング20rの吐出室41に導かれるようになっている。
【0035】
バルブプレート39とリヤハウジング20rとの円形接合面18には、表面にゴムが被覆された金属シートから形成された円形ガスケット14が挿入されている。したがって、円形ガスケット14は、締付け応力や流体圧力による変形を生じない剛性を有する一方、弾力性および柔軟性を有する軟質表面を有することを可能としている。
【0036】
円形接合面18の外径は、フロントハウジング20fとシリンダブロック21とのリング形接合面13の内径より小さくなるように形成されている。したがって、円形ガスケット14の外径は、リング形ガスケット11の内径のサイズより大きくする必要はない。つまり、リング形ガスケット11を形成するためにカットした後に残される円形状のガスケット素材シートを使用し、円形ガスケット14が形成できる。したがって、リング形ガスケット11および円形ガスケット14の製造ロスは削減され、低コストとなる。
【0037】
円形ガスケット14は、図3に明確に示すように、中央部に形成された中央開口部16と、円周方向等間隔に形成された複数の外周開口部15とを有している。中央開口部16は、吐出ポート36に対応しており、吐出される高圧冷媒が通過する。外周開口部15は、吸入ポート35に対応しており、吸入される低圧冷媒が通過する。また、中央開口部16と外周開口部18との境界部には、円周方向に沿ってビード部17を形成しており、高い接面圧力を発生させることを可能としている。
【0038】
また、シリンダブロック21とリヤハウジング20rとのリング形接合面22には、図4に明確に示すように、Oリング形ガスケット19を挿入しており、バルブプレート39とリヤハウジング20rとの円形接合面18の外周方向に位置させている。つまり、Oリング形ガスケット19により、シリンダブロック21とリヤハウジング20rとの間がシールされるため、シリンダブロック21とリヤハウジング20rとのリング形接合面22、およびバルブプレート39とリヤハウジング20rとの円形接合面18の形状の自由度が向上することとなる。
【0039】
リヤハウジング20r内には、クランク室3内の圧力状態を調整し、斜板2の傾斜角を調節するコントロールバルブCvが設置されている。このコントロールバルブCvは、帰還する冷媒の吸込圧に応じてクランク室3内の圧力を調整して斜板2の角度を変化させ、コンプレッサから吐出される冷媒量を調節することにより、コンプレッサの吸入圧が一定になるように制御するものである。
【0040】
つまり、斜板2には、圧縮行程にあるピストン6のシリンダ内から、冷媒圧縮に伴うクランク室3との圧力差による反力が加わり、ヒンジ機構Kの回りにモーメントM1が作用する。このモーメントM1は、斜板2のピン30より遠い位置に位置するピストン6によるモーメントの方が大きいため、図1における時計方向回りに作用する。また、ばねB1の弾撥力により、モーメントM2 が反時計方向に作用する。なお、吸入行程にあるピストン6に作用するクランク室3とシリンダ内との圧力差によって生じるモーメントM3は、吸入室40の圧力とクランク室3の圧力がほぼ等しくなっているため、無視できる。
【0041】
一方、ばねB1の弾撥力によるモーメントM2 は、冷媒圧縮に伴う反力によるモーメントM1を下回るように設定されているので、斜板2は、ヒンジ機構Kを中心として時計方向に作用するモーメントにより、傾斜角が大きくなり、ヒンジ機構Kのピン30が、長孔26bの上端に当接する。この結果、ピストン6のストロークが大きくなり、吐出冷媒量は増大し、冷房サイクル内を循環する冷媒流量が増大し、熱負荷に応じた適正な冷媒流量が吐出され、コンプレッサの吸入圧が次第に下降し、最終的には一定の吸入圧に保たれることになる。
【0042】
次に、コンプレッサの作動に関連し、本発明の作用を説明する。
【0043】
図外の電磁クラッチがオンされ、ベルトおよびプーリを介してエンジン(いずれも図示せず)により、シャフト1が回転する。
【0044】
これに伴って回転アーム26が回転し、ヒンジ機構Kを介して、斜板2の回転を引き起こす。この際、斜板2がシャフト1に対して傾斜状態にあれば、斜板2はみそすり運動的に回動し、ピストン6の往復動を引き起こし、吸入ポート35からシリンダ室7内に吸入された冷媒は、圧縮されて吐出ポート36より吐出室41に吐出される。
【0045】
なお、シュー4,5は、斜板2が回転しても斜板2の平板部2a上を摺動するのみであるので、ピストン6に回転力が伝達することはない。
【0046】
また、冷房サイクルにおける熱負荷が、予め定められた設定温度よりも高い場合には、冷媒の吸入圧力が高くなる。この場合には、コントロールバルブCvの作用により、クランク室3に比較的高圧の吸入圧が導入されるため、その内部圧が吸入圧にほぼ等しくなる。
【0047】
したがって、吸入工程にあるピストン6は、前後の圧力差がほとんどないため、シリンダ室7内でスムーズに後退することが可能となり、ストロークが増大する。また、この状態で圧縮が行なわれると、吐出冷媒量が増大することに伴って冷房サイクル内を循環する冷媒流量も増大し、再度熱負荷に応じた適正な冷媒流量が吐出されることになるため、コンプレッサの吸入圧が次第に下降し、最終的には一定の吸入圧に保たれる。
【0048】
一方、冷房サイクルにおける熱負荷が小さくなるか、あるいはコンプレッサが高速回転することにより冷媒が過剰になると、帰還冷媒の圧力は、十分なスーパーヒート量が得られず、低圧で帰還することになり、吸入室40の圧力が低くなる。この場合には、コントロールバルブCvの作用により、ピストン6によって圧縮され、吐出ポート36に導かれた高圧冷媒が、クランク室3に導入されることにより、クランク室3の内部圧力が高められる。
【0049】
そのため、ピストン6に加わる力のモーメントに差が生じ、ある時点で、ばねB1の弾撥力によるモーメントM2と、クランク室3と吸入室40の圧力差によって生じるモーメントM3との合計が、冷媒圧縮に伴った反力によるモーメントM1を上回り、ヒンジ機構Kを中心として反時計方向に作用するモーメントが発生し、斜板2の傾斜角を小さくする。その結果、ピストン6のストロークが小さくなり、吐出冷媒量は減少する
この場合、フロントハウジング20fとシリンダブロック21とのリング形接合面13は、締付け応力や流体圧力による変形を生じない剛性を有する一方、弾力性および柔軟性を有する軟質表面を有し、さらに円周方向に沿って高い接面圧力を発生させるリング形ガスケット11が挿入されているため、良好なシール性が確保される。
【0050】
また、シリンダブロック21の端面に配置されるバルブプレート39とリヤハウジング20rとの円形接合面18には、高圧冷媒が通過する中央開口部と低圧冷媒が通過する外周開口部との境界部に高い接面圧力を発生させる円形ガスケット14が挿入されているために、良好なシール性が確保される。
【0051】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
【0052】
例えば、上述した実施の形態では、容量可変斜板式コンプレッサを例に挙げてこれまで説明したが、容量可変式のコンプレッサのみならず、固定容量の斜板式のコンプレッサにも適用できることはもちろんである。また、ピストンは、斜板との連結部の軸方向両側にそれぞれ頭部を有するいわゆる両頭式のものにも適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、それぞれの請求項に記載された構成によって、次のような効果が得られることになる。
【0054】
請求項1に記載の発明では、シリンダブロックの端面に配置されるバルブプレートとリヤハウジングとの円形接合面に挿入される円形ガスケットの外径は、フロントハウジングとシリンダブロックとのリング形接合面に挿入されるリング形ガスケットの内径のサイズより大きくする必要はない。
【0055】
したがって、リング形ガスケットを形成するためにカットした後に残される円形状のガスケット素材シートを使用し、円形ガスケットが形成できるため、製造ロスを削減した低コストのガスケットを使用することが可能になる。
【0056】
請求項2に記載の発明では、バルブプレートおよび円形ガスケットの外周方向に位置するOリング形ガスケットにより、シリンダブロックとリヤハウジングとのリング形接合面がシールされるため、リング形接合面および円形接合面の形状の自由度を向上させることが可能となり、リング形接合面の内径を、容易に円形接合面の外径より大きくできる。
【0057】
請求項3に記載の発明は、リング形ガスケットおよび円形ガスケットを、表面にゴムが被覆された金属シートから形成し、締付け応力や流体圧力による変形を生じない剛性を有する一方、弾力性および柔軟性を有する軟質表面を有するようにしているため、リング形接合面および円形接合面でのシール性を向上させることが可能になる。
【0058】
請求項4に記載の発明は、フロントハウジングとシリンダブロックとのリング形接合面の円周方向に沿って形成されたビード部により、リング形接合面に高い接面圧力を発生させることができるため、リング形接合面のシール性を向上させることが可能になる。
【0059】
請求項5に記載の発明は、吐出される冷媒が通過する中央開口部と吸入される冷媒が通過する外周開口部との境界部の円周方向に沿って形成されたビード部により、境界部に高い接面圧力を発生させることができるため、シリシダ室とバルブプレートとの接合面のシール性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る斜板式コンプレッサの実施の形態を示す概略断面図である。
【図2】図1のリング形ガスケットを示す概略平面図である。
【図3】図1の円形ガスケットを示す概略平面図である。
【図4】図1の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
3…クランク室、
7…シリンダ室、
11…リング形ガスケット、
12,17…ビード部、
13,22…リング形接合面、
14…円形ガスケット、
15…外周開口部、
16…中央開口部、
18…円形接合面、
19…Oリング形ガスケット、
21…シリンダブロック、
20f…フロントハウジング、
20r…リヤハウジング、
39…バルブプレート。
Claims (5)
- 円周方向等間隔に複数のシリンダ室(7)が形成されたシリンダブロック(21)と、クランク室(3)が形成されたフロントハウジング(20f)と、前記クランク室(3)内の圧力状態を調整する調整手段が設けられたリヤハウジング(20r)とを有する斜板式コンプレッサにおいて、
前記フロントハウジング(20f)と前記シリンダブロック(21)とのリング形接合面(13)に挿入されるリング形ガスケット(11)と、
前記シリンダブロック(21)の端面に配置されるバルブプレート(39)と前記リヤハウジング(20r)との円形接合面(18)に挿入される円形ガスケット(14)とを有し、
前記リング形接合面(13)の内径は、前記円形接合面(18)の外径より大きいことを特徴とする斜板式コンプレッサ。 - 前記シリンダブロック(21)と前記リヤハウジング(20r)とのリング形接合面(22)に挿入され、前記バルブプレート(39)および前記円形ガスケット(14)の外周方向に位置するOリング形ガスケット(19)を有することを特徴とする請求項1に記載の斜板式コンプレッサ。
- 前記リング形ガスケット(11)および前記円形ガスケット(14)は、表面にゴムが被覆された金属シートから形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の斜板式コンプレッサ。
- 前記リング形ガスケット(11)は、円周方向に沿ってビード部(12)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の斜板式コンプレッサ。
- 前記円形ガスケット(14)は、吐出される冷媒が通過する中央開口部(16)と吸入される冷媒が通過する外周開口部(15)とを有しており、前記中央開口部(16)と前記外周開口部(15)との境界部には、円周方向に沿ってビード部(17)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の斜板式コンプレッサ。
Priority Applications (1)
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JP00350696A JP3615609B2 (ja) | 1996-01-12 | 1996-01-12 | 斜板式コンプレッサ |
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