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JP3693363B2 - 光触媒層を形成する担持方法 - Google Patents

光触媒層を形成する担持方法 Download PDF

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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、汚れ付着物質、有害物質等を分解、浄化、無害化、あるいは殺菌する光触媒層を形成する担持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光触媒体の使用、応用範囲が拡大するにつれ、光触媒体があらゆる基材表面に、光触媒活性を損なうことなく、耐久性をもたせ、かつ作業性よく光触媒層を形成する担持方法が求められている。
【0003】
従来、この種の光触媒層を形成する担持方法は、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子を光触媒体として用い、水ガラス等の無機系バインダを基材表面に塗布し、更にその上に、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子を吹き付け等で表面コーティング後、乾燥、あるいは焼結等により担持する方法が一般的であった。
【0004】
上記構成において、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子は無機系バインダを介して基材表面に接着、コーティングされる。汚れ成分である有機物が二酸化チタン表面に付着した際、近紫外光を照射すると、光触媒活性を持つ二酸化チタンが励起され、汚れ成分である
有機物を分解、浄化することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の光触媒層を形成する担持方法では、無機系バインダとして水ガラスを用いた場合、水をはじき易いような塗装面、材料に対しては、相手材料とのなじみ性などにより事実上使用できないという問題があった。また、吹き付け工程が、無機系バインダの吹き付け後に二酸化チタン粒子を吹き付ける2段工程の作業になるとともに、十分な注意を払っても、二酸化チタン粒子の吹き付け作業時に、無機系バインダの中に、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子が埋没し、その部分の光触媒活性が損なわれるという問題があった。更に無機系バインダのかわりに、有機系のバインダを用いた場合も、二酸化チタン粒子の吹き付け作業時に、有機系バインダの中に、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子が埋没し、光触媒活性が損なわれると共に、近紫外光を照射した光触媒活性時に、有機系のバインダが分解し、バインダとしての役目をなさなくなるという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するもので、バインダに埋没し光触媒活性が損なわれることなく、近紫外光を照射した光触媒活性時に、バインダが分解しなく、担持した時に、強度の大きい光触媒層を形成することができる担持方法を提供することを第1の目的とする。
【0007】
の目的は、バインダに埋没し光触媒活性が損なわれることがなく、バインダが分解 せず耐久性の良い光触媒層を形成することができる担持方法を提供することにある。
【0008】
の目的は、バインダに埋没し光触媒活性が損なわれることがなく、基材との密着性が良い、プライマーの不要な強度の大きい光触媒層を形成することができる担持方法を提供することにある。
【0009】
の目的は、バインダに埋没し光触媒活性が損なわれることがなく、低い加熱温度で強度の大きい光触媒層を形成することができる担持方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光触媒層を形成する担持方法は上記した第1の目的を達成するために、第1の手段は、ウィスカーの表面にフッ素樹脂微粒子を融着させてなる補強材を、光触媒粒子の表面にフッ素樹脂微粒子を融着させてなる光触媒体と共に、基材に塗布し、加熱し、光触媒層を形成し担持する構成とする。
【0011】
また、第の目的を達成するための第2の手段は、光触媒粒子の表面にガラス微粒子を融着させる構成とする。
【0012】
また、第の目的を達成するための第の手段は、光触媒粒子の表面に金属微粒子を融着させる構成とする。
【0013】
また、第の目的を達成するための第の手段は、光触媒粒子の表面に四塩化チタンを化学修飾させる構成とする。
【0014】
【作用】
本発明は上記した第1の手段の構成により、ウィスカーに融着したフッ素樹脂微粒子と基材とが融着し、さらに光触媒粒子に融着したフッ素樹脂微粒子がウィスカーと融着するために、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなくバインダが分解せず強度の大きい光触媒層を形成することができる。
【0015】
また、第の手段の構成により、バインダとなるガラス微粒子自体が透明で、近紫外光
を透過させ易く、また、近紫外光の照射によるバインダの分解がなく、耐薬品性も良いため、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれない、耐久性の良い光触媒層を形成することができる。
【0016】
また、第の手段の構成により、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれず、バインダとなる金属微粒子と、担持する基材の金属との親和性が良いため、基材との密着性が良く、プライマー塗装をしなくてもよい光触媒層を形成することができる。
【0017】
また、第の手段の構成により、バインダとなる四塩化チタンが、光触媒層の形成時に、低い加熱温度で光触媒活性を有する二酸化チタンに変成するため、光触媒活性が損なわれてしまうことがなく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれず、低い加熱温度で強度の大きい光触媒層を形成することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の第1参考例について、図1および図2を参照しながら説明する。
【0019】
図に示すように、光触媒体1は、二酸化チタン粒子2の表面に、フッ素樹脂微粒子4を融着した構成としている。二酸化チタン粒子2は、略Φ10〜30nmの1次粒子3が凝集した構成をしており、二酸化チタン粒子2はアナターゼ化するため500〜800℃で焼成している。そして、二酸化チタン粒子2の外縁に位置する1次粒子3に、PVD法によって略Φ10〜20nmのフッ素樹脂微粒子4を気相被覆し融着している。また、基材6にフッ素樹脂微粒子4と親和性の良いプライマー層7を塗装し、プライマー層7の表面に光触媒体1を分散し、フッ素樹脂微粒子4をバインダとし、加熱により担持して光触媒層5を形成している。
【0020】
上記構成により、二酸化チタン粒子2は、表面の大部分がフッ素樹脂微粒子4で覆われないため、近紫外光を照射した時に、光触媒活性の低下が少ない。また、二酸化チタン粒子2は、500〜800℃で焼成しているため、充分な強度を持っている。そして、フッ素樹脂微粒子4は、可塑性が有り、近紫外光を照射した光触媒活性時に分解しないため、光触媒層5は、密着性が良く、充分な強度を持つことができる。
【0021】
このように本発明の第1参考例の光触媒層を形成する担持方法によれば、近紫外光を照射した時に、光触媒活性の低下が少なく、バインダが分解しない、可塑性のある、充分な強度を持った光触媒層を形成することができる。
【0022】
なお、加熱時に圧力を加えてもよく(例えばホットプレス法など)、その作用効果に差異は生じない。
【0023】
なお、光触媒粒子として、アナターゼ化した二酸化チタン粒子2で説明したが、含水酸化チタンやルチル化した二酸化チタン粒子2でもよく、また表面に、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、タンタル、銀、ニッケル、銅、ジルコニウム、クロム、バナジウム、酸化鉄、酸化錫、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化ルテニウム等の触媒金属を担時した二酸化チタン粒子2でもよく、また、ニオブ、タンタル、タングステン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、モリブデン等のドナー原子を二酸化チタン粒子2にドープしてもよく、また、二酸化チタン粒子2の一部、または全部を硫化処理してもよく、さらに、二酸化チタン粒子2の代わりに、チタン酸ストロンチウム、酸化ビスマス、チタン酸ビスマス、硫化カドミウム、硫化モリブデン、酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、アルカリ土類金属とジルコニウムの複合酸化物、酸化ハフニウム、硫化ハフニウム、アルカリ土類金属とハフニウムの複合酸化物、酸化タンタル、硫化タンタル、アルカリ土類金属とタンタルの複合酸化物、酸化ニオビウム、硫化ニオビウム、アルカリ土類金属
とニオビウムの複合酸化物、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、ガリウム砒素、酸化タングステン、リン化インジウム、インジウム鉛の各粒子でもよく、その作用効果に差異は生じない。
【0024】
つぎに本発明の第実施例について図3および図4を参照しながら説明する。なお第1実施例と同一箇所には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0025】
図に示すように、補強材8は、チタン酸カリウムウィスカー9の表面に、PVD法によって略Φ10〜20nmのフッ素樹脂微粒子4を気相被覆し融着している。また、プライマー層7の表面に光触媒体1と補強材8を分散し、フッ素樹脂微粒子4をバインダとし、加熱により担持して光触媒層5を形成している。
【0026】
上記構成により、補強材8を添加することにより、光触媒層5に均一に補強材8が分散され、チタン酸カリウムウィスカー9に融着したフッ素樹脂微粒子4と基材6とが融着し、さらに二酸化チタン粒子2に融着したフッ素樹脂微粒子4がチタン酸カリウムウィスカー9と融着するために、光触媒層5の強度を増強することができる。
【0027】
このように本発明の第実施例の光触媒層を形成する担持方法によれば、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなくバインダが分解せず、触媒層の強度を増強することができる。
【0028】
なお、ウィスカーとして、チタン酸カリウムウィスカーで説明したが、針状酸化チタン、酸化亜鉛ウィスカー、炭化珪素ウィスカー、窒化珪素ウィスカーでもよく、その作用効果に差異は生じない。
【0029】
つぎに本発明の第実施例について図5を参照しながら説明する。なお第1参考例と同一箇所には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0030】
図に示すように、光触媒体1は、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子2の表面に、ガラス微粒子10を融着した構成としている。そして、二酸化チタン粒子2の外縁に位置する1次粒子3に、PVD法によって略Φ10〜20nmのガラス微粒子10を気相被覆し融着している。また、基材6にガラス微粒子10と親和性の良い無機プライマー層11を塗装し、無機プライマー層11の表面に光触媒体1を分散し、ガラス微粒子10をバインダとし、加熱により担持して光触媒層5を形成している。
【0031】
上記構成により、ガラス微粒子10は、近紫外光を透過させるため、光触媒活性の低下がほとんどない。また、ガラス微粒子10は、近紫外光を照射した光触媒活性時に分解せず、ガラス自体の耐薬品性も良いため、光触媒層5は、光触媒活性の低下がなく、耐久性を良くすることができる。
【0032】
このように本発明の第実施例の光触媒層を形成する担持方法によれば、近紫外光を照射した時に、光触媒活性の低下がなく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなくバインダが分解せず、耐久性の良い光触媒層を形成することができる。
【0033】
つぎに本発明の第実施例について図6を参照しながら説明する。なお第1参考例と同一箇所には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0034】
図に示すように、光触媒体1は、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子2の表面に、金属微粒子12を融着した構成としている。そして、二酸化チタン粒子2の外縁に位置する1次粒子3に、PVD法によって略Φ10〜20nmの金属微粒子12を気相被覆し融着し
ている。また、金属微粒子12は、基材6を構成している金属と親和性の良い、500℃以下の融点を持つ金属である。そして、基材6表面に光触媒体1を分散し、金属微粒子12をバインダとし、加熱により担持して光触媒層5を形成している。
【0035】
上記構成により、金属微粒子12は、基材6と親和性が良いため、プライマーを塗装しなくても、基材6との密着性が大きく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく充分な強度を持つ光触媒層5を形成することができる。
【0036】
このように本発明の第実施例の光触媒層を形成する担持方法によれば、プライマーを塗装しなくても、基材との密着性が大きく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく、充分な強度を持つ光触媒層を形成することができる。
【0037】
つぎに本発明の第実施例について、図7および図8を参照しながら説明する。なお第1参考例と同一箇所には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図に示すように、光触媒体1は、光触媒活性を持つ二酸化チタン粒子2の表面に、四塩化チタン14を化学修飾させた構成としている。二酸化チタン粒子2は、略Φ10〜30nmの1次粒子3が凝集した構成をしており、サンドミルを用いて、有機溶媒A中で略Φ100nm以下に分散する。二酸化チタン粒子2を分散後、四塩化チタン溶液を添加し、オートクレーブ内で170〜200℃に加温し、二酸化チタン粒子2の表面のOH基の一部、または全部と反応させ、四塩化チタン14で化学修飾する。そして、有機溶媒Aを、フィルタープレスを用いて、有機溶媒Aより沸点の低い有機溶媒Bに置換する。また、基材6に、二酸化チタンと親和性の良いプライマー層13を塗装し、プライマー層13の表面に、二酸化チタン粒子2を分散した有機溶媒Bを塗装し、これを加熱乾燥させ、水蒸気雰囲気で170〜200℃に加熱し、二酸化チタン粒子2の表面に化学修飾された四塩化チタン14と、さらに隣接する二酸化チタン粒子2の表面に化学修飾された四塩化チタン14とを加水分解反応させて担持し、光触媒層5を形成している。
【0039】
上記構成により、光触媒層5は、プライマー層13より表面が全て二酸化チタン成分で構成されているため、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく、近紫外光を照射した時に、光触媒活性の低下がない。また、有機溶媒が乾燥する200℃以下の低い加熱温度で光触媒層5を形成し担持することができる。
【0040】
なお、フィルタープレスのかわりに、デカンター、カラムを用いてもよく、その作用効果に差異は生じない。
【0041】
このように本発明の第実施例の光触媒層を形成する担持方法によれば、近紫外光を照射した時に、光触媒活性の低下がなく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく、200℃以下の低い加熱温度で光触媒層を形成することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、ウィスカーに融着したフッ素樹脂微粒子と基材とが融着し、さらに光触媒粒子に融着したフッ素樹脂微粒子がウィスカーと融着するために、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなくバインダが分解せず、強度を増強させた光触媒層を形成することができる担持方法が提供できる。
【0043】
また、ガラス微粒子は、近紫外光を透過させるため、光触媒活性の低下がほとんどなく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく、光触媒活性時に分解しない耐久性の良い光触媒層を形成することができる担持方法が提供できる。
【0044】
また、金属微粒子は、金属製の基材と親和性が良いため、プライマーを塗装しなくても、基材との密着性が大きく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく、充分な強度を持つ光触媒層を形成することができる担持方法が提供できる。
【0045】
また、光触媒層は、プライマー層の表面より、全て光触媒活性を持つ二酸化チタン成分で構成されているため、近紫外光を照射した時に、光触媒活性の低下がなく、バインダに埋没せず光触媒活性が損なわれることがなく、また、有機溶媒が乾燥する200℃以下でも光触媒層を形成することができる担持方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例の光触媒層の断面図
【図2】 本発明の第1参考例の光触媒体の断面図
【図3】 本発明の第実施例の光触媒層の断面図
【図4】 本発明の第実施例の補強材の断面図
【図5】 本発明の第実施例の光触媒層の断面図
【図6】 本発明の第実施例の光触媒層の断面図
【図7】 本発明の第実施例の光触媒層の断面図
【図8】 本発明の第実施例の光触媒体の断面図
【符号の説明】
1 光触媒体
2 二酸化チタン粒子
4 フッ素樹脂微粒子
5 光触媒層
6 基材
8 補強材
9 チタン酸カリウムウィスカー
10 ガラス微粒子
12 金属微粒子
14 四塩化チタン

Claims (4)

  1. ウィスカーの表面にフッ素樹脂微粒子を融着させてなる補強材を、光触媒粒子の表面にフッ素樹脂微粒子を融着させてなる光触媒体と共に、基材に塗布し、加熱し、光触媒層を形成する担持方法。
  2. 光触媒粒子の表面にガラス微粒子を融着させてなる光触媒体を、基材に塗布し、加熱し、光触媒層を形成する担持方法。
  3. 光触媒粒子の表面に金属微粒子を融着させてなる光触媒体を、基材に塗布し、加熱し、光触媒層を形成する担持方法。
  4. 光触媒粒子の表面に四塩化チタンを化学修飾させてなる光触媒体を、基材に塗布し、加熱し、光触媒層を形成する担持方法。
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