JP3597751B2 - 光学的情報読取方法および読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、バーコード、2次元コード等の光学的情報を読み取る光学的情報読取方法および読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バーコード、2次元コード等の光学的情報を読み取る光学的情報読み取り装置は、投光手段からの照明光を光学的情報にあて、その反射光をレンズ等の結像手段によりイメージセンサ上に結像させ、結像された光学的情報の画像データはイメージセンサにより電気信号に変換して、イメージセンサが電気的に接続された回路基板により信号処理する。
【0003】
従来、光学的情報読み取り装置の投光手段は、図18と図19に示すように発光ダイオード等の光源101を、結像手段102の視野103の周辺に配置して、照明光を光学的情報手段に投光させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、バーコード、2次元コード等の光学的情報は、ガラス基板等の工業部品へもマーキングされ、工場の工程管理、品質管理に活用されている。ガラス基板に対してレーザービームで表面を粗らくすることによりダイレクトマーキングされた光学的情報は、紙に印刷された光学的情報に比べ、ガラス基板表面とマーキング処理された面のコントラストが低く、マーキングされた面を白く浮き上がらせようとすると、強い照明光を必要とする。また、ガラス基板が透明なために透過した背景の画像や、図20に示すようなガラス表面で全反射した照明光源の像も、光学的情報を読みにくくさせる。
【0005】
したがって、この発明の目的は、ガラス基板表面とマーキング処理された面のコントラストが高く光学的情報を読み取り易い光学的情報読取方法および読取装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光学的情報読取装置は、少なくとも1つ以上の照射面から照射される光を光学素子により一部反射させて光学的情報に投光させる投光手段と、光学的情報からの反射光の光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、結像手段により結像された光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサとを備え、結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面を配置し、前記投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、前記拡散体と前記光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたものである。
【0013】
このように構成した光学的情報読取装置では、投光された照明光は、結像手段の光軸に対して垂直位置にある、ガラス基板等の読み取り面にマーキングされた光学的情報に対して、投光手段により照明光を投光すると、少なくとも結像手段の視野の中央部においてマーキング処理されていないすべての読み取り面は全反射し、結像手段に入射する反射光は極めて強く、マーキング処理された面は粗いため乱反射し、結像手段に入射する反射光は弱くなる。そのため、イメージセンサには、マーキング処理されていない読み取り面は明るく、マーキング処理された面は暗いコントラストの良い画像が結像される。また、読み取り面が結像手段の光軸に略垂直である時、結像手段と読み取り面の距離によらず常に読み取り視野の中央部全体が全反射することにより読み取り可能な領域を大きくすることができる。また、投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、拡散体と光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたので、先端ケースを着脱して投光方法を切り替えることができる。
【0014】
請求項2記載の光学的情報読取装置は、少なくとも1つ以上の照射面から照射される光の一部を光学素子により反射させて光学的情報に投光させ、かつ光の別の一部を直接光学的情報に投光させる投光手段と、光学的情報からの反射光の光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、結像手段により結像された光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサとを備え、結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面を配置し、前記投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、前記拡散体と前記光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたものである。
【0015】
このように構成した光学的情報読取装置では、投光された照明光は、結像手段の光軸に対して垂直位置にある、ガラス基板等の読み取り面にマーキングされた光学的情報に対して、投光手段により照明光を投光すると、少なくとも結像手段の視野の中央部においてマーキング処理されていないすべての読み取り面は全反射し、結像手段に入射する反射光は極めて強く、マーキング処理された面は粗いため乱反射し、結像手段に入射する反射光は弱くなる。そのため、イメージセンサには、マーキング処理されていない読み取り面は明るく、マーキング処理された面は暗いコントラストの良い画像が結像される。また、読み取り面が結像手段の光軸に略垂直である時、結像手段と読み取り面の距離によらず常に読み取り視野の中央部全体が全反射することにより読み取り可能な領域を大きくすることができる。また、全反射する光の一部は、投光手段からの直接出た光であるため光学素子の面積を小さくすることができる。また、投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、拡散体と光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたので、先端ケースを着脱して投光方法を切り替えることができる。
【0018】
請求項3記載の光学的情報読取装置は、少なくとも1つ以上の照射面から照射される光の一部を光学素子により反射させて光学的情報に投光させ、かつ光の別の一部を直接光学的情報に投光させる投光手段と、光学的情報からの反射光の光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、結像手段により結像された光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサとを備え、結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面を配置し、光学素子の反射率は透過率より大きい。このように、光学素子の反射率は透過率より大きいので、拡散体の全面から出て光学素子により反射して投光する光と、拡散体から出て直接投光する光の強さの差を抑えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明の参考例1を図1〜図6に基づいて説明する。図1はこの発明の参考例1の光学的情報読取装置を示す一部破断側面図、図2は参考例1の光学的情報読取装置を示す斜視図である。
【0021】
図1および図2に示すように、光学的情報読取装置1は、読み取り開口部4を有するケース2と、少なくとも1つ以上の照射面から照射される光を読み取り開口部4から光学的情報に投光させる投光手段と、光学的情報からの反射光を受光して結像する結像手段と、結像手段により結像された光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサ10とを備えている。この場合、外観上、外装ケース2の前方部に、バーコード、2次元コード等の光学的情報3を読み取るための読み取り開口部4を、外装ケース2の後方部に、操作者が手で握るための把持部5を、外装ケース2の後端に、光学的情報3からのデータをホストコンピュータに転送するためのケーブル6の取り出し口を配置している。
【0022】
外装ケース2の内部には、光学的情報3に光を照射する投光手段として、照明光の光源である2次元的に配列した複数の発光ダイオード7と、発光ダイオード7からの光を拡散させる平板状の拡散体8と、光学的情報3からの反射光を結像する結像手段としてレンズ9と、レンズ9の結像位置に配置して2次元的に配列した受光素子を持ち結像された光学的情報3の画像情報を電気信号に変換するイメージセンサ10と、イメージセンサ10と電気的に接続し、画像情報を変換した電気信号に対し信号処理を行い、ケーブル6を介して信号処理したデータをホストコンピュータに転送する回路基板11とが組み込まれている。
【0023】
レンズ9のイメージセンサ10上に結像される画像の解像度が最も良い合焦位置Aは外装ケース2の読み取り開口部4の近傍にある。光学的情報3はガラス基板12の平滑な表面をレーザビームで粗くすることによりダイレクトマーキングしたのもである。光学的情報3を覆うように開口部4の開口縁13をガラス基板12に当接させる、または、図1に示すように僅かに浮かせた状態では、光学的情報3はレンズ9の合焦位置Aの近傍にあり、イメージセンサ10上に解像度の良い画像が結像される。
【0024】
また、開口縁13をガラス基板12に当接させる、または、僅かに浮かせた状態、即ち、ガラス基板12の表面がレンズ9の合焦位置Aの近傍で、開口縁13に略平行な状態で、投光手段の拡散体8は、この拡散体8の全面から光学的情報がマーキングされた読み取り面に対してレンズ9に全反射する光Bが、レンズ9の視野Cの中央部全域を照明するように配置されている。
【0025】
このような構成において作用を説明する。図3は参考例1の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図、図4は参考例1の光学的情報読取装置を傾けた時の読み取り状態を示す説明図、図5および図6は参考例1の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図である。
【0026】
図1に示すように、光学的情報3を覆うように開口部4の開口縁13をガラス基板12に当接させる、または、僅かに浮かせた状態で光学的情報3を覆うと、発光ダイオード7からの光は拡散体8の全面で拡散され、光学的情報3のマーキングされたガラス基板12に投光される。ガラス基壌12からの反射した光は、レンズ9によりイメージセンサ10上に図3に示すように画像として結像される。拡散体8の全面からレンズ9に対してガラス基板12の平滑な表面で全反射する光Bは、図3の2点鎖線で囲まれた全域、即ちレンズ9の視野Cの中央部で極めて明るく結像し、視野Cの中央に置かれた光学的情報3はレーザービームで表面が粗くなっているため乱反射して暗く結像する。結像した画像は、イメージセンサ10の2次元的に配列した受光素子が電気信号に変換し、イメージセンサ10と電気的に接続した回路基板11が画像情報を変換した電気信号に対し信号処理を行い、ケーブル6を介して信号処理したデータをホストコンピュータに転送する。
【0027】
光学的情報読取装置1は、図4に示すように、ガラス基板に対して開口縁13が平行な状態から、少し傾いた姿勢においても、全反射する光Bの領域は、視野Cの中央からずれるが、図5に示すように、視野Cの中に残る。このように、操作者は光学的情報を覆うように開口縁を読み取り面に当接させる、または、僅かに浮かせた状態にすると、簡単に、最適な照明状態にすることができる。拡散体8の面積をさらに大きくして、図6に示すように全反射する光Bの領域を視野Cより大きくすると、光学的情報読み取り装置1は少し傾いた状態においても、視野Cの全域で全反射する領域であり、読み取りし易くなる。
【0028】
また、ガラス基板が透明なために透過した背景の画像は読み取り平面の全反射による反射光に比べ微小であるため無視できる。
【0029】
以上のようにこの参考例1によれば、少なくとも結像手段の視野の中央部において、マーキング処理されていない読み取り面は全反射し、結像手段に入射する反射光は極めて強く、マーキング処理された面は粗いため乱反射し、結像手段に入射する反射光は弱くなる。そのため、イメージセンサには、マーキング処理されていない読み取り面は明るく、マーキング処理された面は暗いコントラストの良い画像が結像される。
【0030】
この発明の参考例2を図7〜図12に基づいて説明する。図7はこの発明の参考例2の光学的情報装置を示す斜視図、図8は参考例2の光学的情報読取装置を示す一部破断側面図である。
【0031】
図7および図8に示すように、光学的情報読取装置14は、読み取り開口部17を有するケース15と、少なくとも1つ以上の照射面から照射される光を光学素子により一部反射させて光学的情報に投光させる投光手段と、光学的情報からの反射光の光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、結像手段により結像された光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサ24とを備えている。この場合、外観上、外装ケース15の前方部に、バーコード、2次元コード等の光学的情報16を読み取るための読み取り開口部17を、外装ケース15の後方部に、操作者が手で握るための把持部18を、外装ケース15の後端に、光学的情報3からのデータをホストコンピュータに転送するためのケーブル19の取り出し口を配置している。
【0032】
外装ケース15の内部には、光学的情報16に光を照射する投光手段として、照明光の光源である2次元的に配列した複数の発光ダイオード20と、発光ダイオード20からの光を拡散させる平板状の拡散体21と、拡散体21からの光の一部を反射させる光学素子であるハーフミラー22と、光学的情報16からの反射光のハーフミラー22を透過した光を結像する結像手段としてのレンズ23と、レンズ23の結像位置に配置して2次元的に配列した受光素子を持ち結像された光学的情報16の画像情報を電気信号に変換するイメージセンサ24と、イメージセンサ24と電気的に接続し、画像情報を変換した電気信号に対し信号処理を行い、ケーブル19を介して信号処理したデータをホストコンピュータに転送する回路基板25とが組み込まれている。
【0033】
また、結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面となるハーフミラー22を配置した。
【0034】
このような構成において作用を説明する。図9は参考例2の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図、図10は参考例2の光学的情報読取装置を浮上させた時の読み取り状態を示す説明図である。
【0035】
図8に示すように、ガラス基板26の平滑な表面をレーザビームで粗くすることによりダイレクトマーキングした光学的情報16に対して、ガラス基板26がレンズ23の光軸Dと略垂直になるように、開口部17を対向させると、発光ダイオード20からの光は拡散体21の全面で拡散され、ハーフミラー22により一部が反射して光学的情報16がマーキングされたガラス基板26に投光される。ガラス基板26からの反射した光は、ハーフミラー22を透過してレンズ23によりイメージセンサ24上に図9に示すように画像として結像される。拡散体21の全面から出てハーフミラー22により反射してレンズ23に対してガラス基板26の平滑な表面で全反射する光Eは、レンズ23の視野Fの中央部全域で極めて明るく結像し、視野Fの中央に置かれた光学的情報16はレーザービームで表面が粗くなっているため乱反射して暗く結像する。結像した画像は、イメージセンサ24の2次元的に配列した受光素子が電気信号に変換し、イメージセンサ24と電気的に接続した回路基板11が画像情報を変換した電気信号に対し信号処理を行い、ケーブル19を介して信号処理したデータをホストコンピュータに転送する。
【0036】
図10に示すようにガラス基板26を、レンズ23の光軸Dに略垂直に、開口部17からさらに離しても、全反射する光Eの領域は視野Fの中央部にある。このように、読み取り平面が結像手段の光軸に略垂直である時、結像手段と読み取り平面の距離によらず常に読み取り視野の中央部全体が全反射することより読み取り可能な領域を大きくすることができる。
【0037】
図11は参考例2の変形例に用いる面光源の一形態を示す斜視図、図12は参考例2の変形例の光学的情報読取装置を示す一部破断斜視図である。投光手段としては、発光ダイオード20と拡散体21の代わりに、図11に示すようなフィルムでパッケージされた蛍光体粉末に交流電圧を印加して発光させる面光源21aを用いると、図12のように配置して投光部を小型にすることができる。
【0038】
以上のようにこの参考例2でも参考例1と同様の作用効果が得られる。さらに、読み取り平面が結像手段の光軸に略垂直である時、結像手段と読み取り平面の距離によらず常に読み取り視野の中央部全体が全反射することにより読み取り可能な領域を大きくすることができる。
【0039】
この発明の第1の実施の形態を図13〜図17に基づいて説明する。図13はこの発明の第1の実施の形態の光学的情報読取装置を示す斜視図、図14は第1の実施の形態の光学的情報読取装置を示す一部破断側面図、図15は第1の実施の形態の先端カバーの着脱の説明図である。
【0040】
図13および図14に示すように、光学的情報読取装置27は、読み取り開口部30を有するケース28と、少なくとも1つ以上の照射面から照射される光の一部を光学素子により反射させて光学的情報に投光させ、かつ光の別の一部を直接光学的情報に投光させる投光手段と、光学的情報からの反射光の光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、結像手段により結像された光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサ39とを備えている。この場合、外観上、外装ケース28の前方部に、バーコード、2次元コード等の光学的情報29を読み取るための読み取り開口部30を有した先端ケース31を、外装ケース28の後方部に、操作者が手で握るための把持部32を、外装ケース28の後端に、光学的情報29からのデータをホストコンピュータに転送するためのケーブル33の取り出し口を配置している。
【0041】
外装ケース28の内部には、光学的情報29に光を照射する投光手段として、照明光の光源である複数の発光ダイオード34,35と、発光ダイオード34、35からの光を拡散させる拡散体36と、拡散体36からの光の一部を反射させる光学素子であるハーフミラー37と、光学的情報29からの反射光のハーフミラー37を透過した光を結像する結像手段としてのレンズ38と、レンズ38の結像位置に配置して2次元的に配列した受光素子を持ち結像された光学的情報29の画像情報を電気信号に変換するイメージセンサ39と、イメージセンサ39と電気的に接続し、画像情報を変換した電気信号に対し信号処理を行い、ケーブル33を介して信号処理したデータをホストコンピュータに転送する回路基板40とが組み込まれている。
【0042】
発光ダイオード35と拡散体36とハーフミラー37は、先端カバー31に取り付けられている。図15に示すように先端カバー31の孔41を外装ケース28の凸部42から外し、発光ダイオード35に対する電源ケーブルの中継コネクタ43を外すことより、先端カバー31は外装ケース28から取り外すことができる。
【0043】
また、結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面となる拡散体36、ハーフミラー37を配置した。
【0044】
このような構成において作用を説明する。図16は第1の実施の形態の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図、図17は第1の実施の形態の投光手段の切り替えの説明図である。
【0045】
図14に示すように、ガラス基板44の平滑な表面をレーザビームで粗くすることによりダイレクトマーキングした光学的情報29に対して、ガラス基板44がレンズ38の光軸Gと略垂直になるように、開口部30を対向させると、発光ダイオード34、35からの光は拡散体36の全面で拡散され、その一部は、ハーフミラー37により反射して、また別の一部は拡散体36から出て直接光学的情報29がマーキングされたガラス基板44に投光される。ガラス基板44からの反射した光は、ハーフミラー37を透過してレンズ38によりイメージセンサ39上に図16に示すように画像として結像される。拡散体36の全面から出てハーフミラー37により反射して、または、拡散体36から直接出て、レンズ38に対してガラス基板44の平滑な表面で全反射する光Hは、レンズ38の視野Iの中央部全域で極めて明るく結像し、視野Iの中央に置かれた光学的情報29はレーザービームで表面が粗くなっているため乱反射して暗く結像する。結像した画像は、イメージセンサ39の2次元的に配列した受光素子が電気信号に変換し、イメージセンサ39と電気的に接続した回路基板40が画像情報を変換した電気信号に対し信号処理を行い、ケーブル33を介して信号処理したデータをホストコンピュータに転送する。
【0046】
全反射する光の一部は、拡散体36からの直接出た光であるため、ハーフミラー37の面積を小さくすることができ、投光部を小さくすることができる。
【0047】
また、先端ケース31と先端ケース31に取り付けられている発光ダイオード35と拡散体36とハーフミラー37を外装ケース28から取り外し、図17に示すように、別の先端ケース45と無色透明の板である防塵窓46を外装ケース28に取り付けると、投光は発光ダイオード34から直接投光することになり、表面で乱反射しやすい普通紙などに印刷された光学的情報に対しては、照明範囲が広く、ハーフミラー37による光の損失のないことから優れる。このように、光学的情報のマーキングの方法とマーキングされるメデイアの違いにより、先端ケース31と先端ケース45の交換により投光方法を切り換えることができる。このように、表面で乱反射しやすい普通紙などに印刷された光学的情報に対しては、発光ダイオードから直接投光することにより、照明範囲が広く、光学素子による光の損失のなくする等、光学的情報のマーキングの方法とマーキングされるメデイアの違いにより投光手段を選択できる。その他の構成効果は参考例2と同様である。
【0048】
尚、先端ケース31の開口部30の内壁は、黒く、微小な凹凸を施し、内壁で照明光が反射することを極力おさえることで、光学的情報29の乱反射光が増えること抑え、画像のコントラストを良くさせることができる。これは参考例1,2に同様に適用してもよい。
【0049】
また、ハーフミラー37は、反射率を透過率より高くして、拡散体36の全面から出てハーウミラー37により反射してガラス基板44に投光する光と、拡散体36から直接出てガラス基板44に投光する光の強さの差を抑え、画像のむらをなくすことができる。
【0053】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の光学的情報読取装置によれば、結像手段の光軸に対して略垂直に光学的情報がマーキングされた読み取り面が位置し、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面を配置し、投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、拡散体と光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたので、投光された照明光は、結像手段の光軸に対して垂直位置にある、ガラス基板等の読み取り面にマーキングされた光学的情報に対して、投光手段により照明光を投光すると、少なくとも結像手段の視野の中央部においてマーキング処理されていないすべての読み取り面は全反射し、結像手段に入射する反射光は極めて強く、マーキング処理された面は粗いため乱反射し、結像手段に入射する反射光は弱くなる。そのため、イメージセンサには、マーキング処理されていない読み取り面は明るく、マーキング処理された面は暗いコントラストの良い画像が結像される。また、読み取り面が結像手段の光軸に略垂直である時、結像手段と読み取り面の距離によらず常に読み取り視野の中央部全体が全反射することにより読み取り可能な領域を大きくすることができる。また、投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、拡散体と光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたので、先端ケースを着脱して投光方法を切り替えることができる。
【0054】
この発明の請求項2記載の光学的情報読取装置によれば、結像手段の光軸に対して略垂直に光学的情報がマーキングされた読み取り面が位置し、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面を配置し、投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、拡散体と光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられたので、請求項1と同様の作用効果が得られる。この場合、全反射する光の一部は、投光手段からの直接出た光であるため光学素子の面積を小さくすることができる。
【0057】
この発明の請求項3記載の光学的情報読取装置によれば、結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、投光手段は、読み取り面に対して全反射する光が結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように照射面を配置し、光学素子の反射率は透過率より大きいので、拡散体の全面から出て光学素子により反射して投光する光と、拡散体から出て直接投光する光の強さの差を抑え、画像のむらをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の参考例1の光学的情報読取装置を示す一部破断側面図である。
【図2】参考例1の光学的情報読取装置を示す斜視図である。
【図3】参考例1の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図である。
【図4】参考例1の光学的情報読取装置を傾けた時の読み取り状態を示す説明図である。
【図5】参考例1の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図である。
【図6】参考例1の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図である。
【図7】この発明の参考例2の光学的情報装置を示す斜視図である。
【図8】参考例2の光学的情報読取装置を示す一部破断側面図である。
【図9】参考例2の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図である。
【図10】参考例2の光学的情報読取装置を浮上させた時の読み取り状態を示す説明図である。
【図11】参考例2の変形例に用いる面光源の一形態を示す斜視図である。
【図12】参考例2の変形例の光学的情報読取装置を示す一部破断斜視図である。
【図13】この発明の第1の実施の形態の光学的情報読取装置を示す斜視図である。
【図14】第1の実施の形態の光学的情報読取装置を示す一部破断側面図である。
【図15】第1の実施の形態の先端カバーの着脱の説明図である。
【図16】第1の実施の形態の光学的情報読取装置の読み取り視野と全反射領域の説明図である。
【図17】第1の実施の形態の投光手段の切り替えの説明図である。
【図18】従来例の説明図である。
【図19】従来例の照明光源の配置を示す説明図である。
【図20】従来例のガラス表面で全反射した照明光源の像を示す説明図である。
【符号の説明】
7,20,34,35 発光ダイオード
8,22,36 拡散体
9,23,38 レンズ
22,37 ハーフミラー
10,24,38 イメージセンサ
11,25,40 回路基坂
A 合焦位置
B,E,H 全反射する光
C,F,I レンズの視野
D,G 光軸
Claims (3)
- 少なくとも1つ以上の照射面から照射される光を光学素子により一部反射させて光学的情報に投光させる投光手段と、前記光学的情報からの反射光の前記光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、前記結像手段により結像された前記光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサとを備え、前記結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、前記投光手段は、前記読み取り面に対して全反射する光が前記結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように前記照射面を配置し、前記投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、前記拡散体と前記光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられた光学的情報読取装置。
- 少なくとも1つ以上の照射面から照射される光の一部を光学素子により反射させて光学的情報に投光させ、かつ前記光の別の一部を直接前記光学的情報に投光させる投光手段と、前記光学的情報からの反射光の前記光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、前記結像手段により結像された前記光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサとを備え、前記結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、前記投光手段は、前記読み取り面に対して全反射する光が前記結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように前記照射面を配置し、前記投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、前記拡散体と前記光学素子は、読み取り開口部を有した先端ケースに取付けられた光学的情報読取装置。
- 少なくとも1つ以上の照射面から照射される光の一部を光学素子により反射させて光学的情報に投光させ、かつ前記光の別の一部を直接前記光学的情報に投光させる投光手段と、前記光学的情報からの反射光の前記光学素子を透過した光を受光して結像する結像手段と、前記結像手段により結像された前記光学的情報の画素情報を電気信号に変換するイメージセンサとを備え、前記結像手段の光軸に対して光学的情報がマーキングされた読み取り面が略垂直となり、前記投光手段は、前記読み取り面に対して全反射する光が前記結像手段の読み取り視野の少なくとも中央部全域を照明するように前記照射面を配置し、前記投光手段の照射面に光を拡散させる拡散体を配置し、前記光学素子の反射率は透過率より大きい光学的情報読取装置。
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