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JP3469325B2 - 接着促進添加剤および該添加剤を含有する低温硬化性オルガノシロキサン組成物 - Google Patents

接着促進添加剤および該添加剤を含有する低温硬化性オルガノシロキサン組成物

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JP3469325B2
JP3469325B2 JP19245994A JP19245994A JP3469325B2 JP 3469325 B2 JP3469325 B2 JP 3469325B2 JP 19245994 A JP19245994 A JP 19245994A JP 19245994 A JP19245994 A JP 19245994A JP 3469325 B2 JP3469325 B2 JP 3469325B2
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Dow Corning Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白金触媒化ヒドロシレ
ーション反応によって硬化するオルガノシロキサン組成
物に関し、特に金属およびプラスチックを含む種々の支
持体への100℃以下の硬化温度においてオルガノシロ
キサンの接着性を改善する予備反応させた添加剤混合体
に関するものである。
【0002】これらオルガノシロキサン組成物の硬化特
性およびそれらの被硬化材料としての性質は、種々の最
終用途、特に電気および電子分野において望まれる。該
被硬化材料は保護塗料、および集積回路や電子デバイス
用封入材料又はプリント回路板用塗料として有用であ
る。
【0003】
【従来の技術】かかるオルガノシロキサン組成物の欠点
は、多くの支持体、特にプラスチックおよびある種の金
属に強く接着できないことである。この欠点を改善する
方法の1つは、プライマー組成物又はシランおよびオル
ガノシロキサンを含有し複数のSi−結合加水分解性基
および少なくとも1個の炭素原子を介してSiに結合の
少なくとも1個の有機官能性置換基をもった接着促進添
加剤の使用である。プライマー組成物は硬化性オルガノ
シロキサン組成物の塗布前に接着を必要とする支持体へ
塗布される。接着促進剤も硬化性オルガノシロキサン組
成物に存在する。 既知接着促進用オルガノシロキサン
化合物に存在する加水分解性基の例は、アルコキシ、ア
セトキシのようなカルボキシ、メチル−エチルケトキシ
モのようなケトキシモおよびアミドである。有機官能基
は典型的に接着が必要な支持体と反応するものである。
適当な有機官能基の例はビニルおよびアリルのようなア
ルケニル、アミノアルキル、エポキシアルキル、メルカ
プトアルキルおよび(メタ)アクリルオキシアルキルを
含む。
【0004】接着促進用添加剤としてしばしば使用され
るシランの3つのクラスは、3−グリシドプロピルトリ
アルコキシシランのようなエポキシ−官能シラン、ビニ
ルトリアルコキシシランのようなアルケニルー官能シラ
ンおよびテトラエチルオルトシリケートのようなアルケ
ニル−官能シランである。これらのシランは、それらの
加水分解/縮合生成物によって少なくとも部分的に置換
することができる。
【0005】白金触媒化ヒドロシレーション(hydr
osilation)反応によって硬化するオルガノシ
ロキサン組成物用接着促進剤として、有機アルミニウム
又はジルコニウム化合物と組み合せたエポキシ基含有の
有機又は有機ケイ素化合物の使用は技術的に知られてい
る。例えば、EP−A0,240,333およびJP−
A1,503,369を参照されたい。
【0006】白金触媒化ヒドロシレーションによって硬
化されたシリコーンエラストマーと種々の支持体との凝
集結合を達成するために、アルコキシをもった又はもた
ない2個以上の有機官能基を使用することも教示されて
いる。これらの有機官能基は同一又は異なる有機ケイ素
化合物に存在できる。この技術は次の番号の特許に示さ
れている:EP−A0,493,791;US−A4,
087,585;US−A5,270,425;US−
A4,732,932;US−A4,243,718;
US−A4,912,188;US−A4,891,3
93;EP−A0,460,698;US−A5,08
2,894;US−A4,719,262;US−A
5,106,933;CA−A1,287,434;J
P−A54/13,454;US−A4,243,71
8;US−A4,786,701およびUS−A5,0
23,288。
【0007】従来のオルガノシロキサン組成物、特に米
国特許A−4,087,585号に開示されているエポ
キシーおよびビニル−官能有機ケイ素化合物の組合せに
おける多くの有機官能有機ケイ素化合物の欠点は、特に
120℃以下の温度における硬化速度および硬化の完全
性に及ぼすそれらの悪影響である。ある種の集積回路お
よび他の感熱性電子デバイスは、デバイスの損傷の危険
無しに比較的短時間の間でもこの限度以上の温度にさら
すことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、100℃以
下の硬化温度において硬化性オルガノシロキサン組成物
に接着性を与える有機ケイ素化合物から誘導された反応
生成物群を提供する。また、本発明は、100℃以下の
温度で硬化して感熱性電子デバイスおよび該デバイスを
含む回路板上に接着性被膜を形成するクラスのオルガノ
シロキサン組成物を提供する。
【0009】前記US−A4,087,585号につい
て記載した接着促進添加剤の硬化性オルガノシロキサン
組成物の貯蔵安定性、硬化特性および/または接着性及
ぼす悪影響は、該接着促進剤が(1)多官能アルコール
のエチレン性不飽和エーテルおよび(2)(i)1分子
当り少なくとも1個の加水分解性基を含有するエポキシ
−置換有機ケイ素化合物および(ii)テトラアルキル
オルトシリケート(テトラアルコキシシランとも呼ぶ)
から選んだ少なくとも1つの化合物の反応生成物である
とき排除される。該反応生成物は有機チタン化合物のよ
うな適当な触媒の存在下で調製される。
【0010】ある種の支持体への接着性は、該組成物の
調製に使用する反応体がこのクラスのケイ素化合物の両
方(上記(i)および(ii)から少なくとも1成分を
含むときさらに改善される。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の3成分
(1)、(2)(i)および(2)(ii)の反応生成
物から成り、該反応生成物が触媒的に有効量の有機チタ
ン化合物の存在下で調製されることを特徴とする硬化性
オルガノシロキサン組成物用接着促進添加剤を提供す
る: (1)エチレン性不飽和アルコ−ルおよび多価アルコ−
ルから誘導された部分エ−テル、 (2)(i)少なくとも1個のエポキシド基および少な
くとも1個のSi−結合加水分解性基を含有する少なく
とも1つの有機ケイ素化合物、および(2) (ii)少なくとも1つのテトラアルキルオルト
シリケ−ト。
【0012】本発明は、(A)1分子当り少なくとも2
個のアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン、
(B)1分子当り少なくとも2個のSi−結合水素原子
を含有し、オルガノシロキサン組成物を硬化させるのに
十分な量の有機水素シロキサン、(C)周期表の白金族
の金属および該金属の化合物から選び、前記組成物の硬
化を促進させるのに十分な量のヒドロシレーション触
媒、および(D)100℃以下の温度における硬化中に
前記組成物と接触して支持体への接着性を改善するのに
十分な量の請求項1の接着促進添加物から成り、100
℃以下の温度における硬化に伴って有機および無機支持
体への接着を示す硬化性オルガノシロキサン組成物も提
供する。
【0013】また、本発明は、本硬化性組成物の層を支
持体の少なくとも1つの表面に塗布し、該塗布表面を第
2の支持体の表面と接触配置し、該両表面を組成物の硬
化中に接触維持させることによって、本組成物を使用し
た支持体のコーテイングおよび2つの支持体の接着法を
提供する。
【0014】本発明のオルガノシロキサン組成物の特定
の特徴は接着促進添加剤である。この添加物は、有機チ
タン触媒の存在下でエチレン性不飽和アルコールおよび
少なくとも1個の未エステル化ヒドロキシル基含有多価
アルコールから誘導した部分エーテル、および(a)ア
ルキレン基を介してSiに結合の少なくとも1個のエポ
キシ置換基および(b)1分子当り少なくとも1個の加
水分解性基を含有するシランおよびテトラアルキルオル
トシリケートから選んだ少なくとも1つの有機ケイ素化
合物を反応させることによって得られた生成物から成
る。
【0015】低硬化温度で広範囲の支持体への接着を達
成するために、本反応生成物の調製に使用する成分は、
(D)(2)(i)および(D)(2)(ii)として
同定される基の各々からの少なくとも1つのケイ素化合
物を含むことが望ましい、そしてそれらの反応生成物は
キレート化アルミニウム化合物と共に使用される。
【0016】いずれかの説に限定することは望まない
が、活性接着促進物質は部分エステル化多価アルコール
のヒドロキシル基と、エポキシ−官能有機ケイ素化合物
に存在するアルコキシ又は他の加水分解性基の1つおよ
び/またはテトラアルキルオルトシリケートに存在する
アルコキシ基の1つとの反応生成物と考えられる。
【0017】本接着促進添加剤の調整に使用する反応体
D1は、遊離、すなわち、未エステル化アルコールが少
なくとも2つのカルビノール(≡COH)基を含有する
から、エチレン性不飽和アルコールおよび多価として規
定されるアルコールから誘導される部分エーテルであ
る。これらカルビノール基の少なくとも1つ(全てでは
ない)は反応してプロペニルオキシのようなアルケニル
基(アリルエーテル基とも言う)を生成する。アルケニ
ルオキシ基は3〜8個の炭素原子を含有し、末端不飽和
が望ましい。対応する出発材料の入手可能性からアリル
オキシ基が望ましい。 前記多価アルコールは2〜10
個の炭素原子を含有する。望ましい多価アルコールはエ
チレンおよびプロピレングリコールおよび1,4−ブタ
ンジオールのようなジオールおよびグリセロールおよび
トリメチロールプロパン(3,4−ジヒドロキシメチル
−1−ブタノール)のようなトリオール、およびペンタ
エリトリトールのような4個以上のヒドロキシル基を含
有する化合物を含む。
【0018】エポキシ−置換有機ケイ素化合物はシラン
又はポリオルガノシロキサンにすることができる。この
化合物は少なくとも1つの炭素原子を含有するアキレン
基によってケイ素原子に結合される。或いは、エポキシ
ド基はアキレン基を介してケイ素原子に結合される炭素
環式環の部分にすることができる。この反応体は少なく
とも1つの加水分解性基も含有する。それは式R1 Si
2 3 (3−m)〔式中のR1 はエポキシアルキル
基又はエポキシ−置換シクロアルキル基を表わし、R2
はアルキル基を表わし、R3 は加水分解性基を表わし、
mは0又は1である〕によって表わされるシランが望ま
しい。
【0019】R3 で表わされる適当な加水分解性基の例
はアルコキシ、カルボキシ、すなわち、R′C(O)O
−およびケトキシモを含む。望ましい実施態様における
加水分解性基は1〜4個の炭素原子を含有するアルコキ
シ基である。
【0020】多数のエポキシ−官能シランが米国特許−
A3,455,877号に記載されており、本発明の組
成物に使用するのに適当なエポキシ−置換アルコキシシ
ランが開示されている。
【0021】エポキシ官能シランはモノ(エポキシヒド
ロカルビル)トリアルコキシシラン(エポキシ基の炭素
原子はアルキレン基によってケイ素原子から分離されて
いる)が望ましい。アルコキシ基がメトキシ又はエトキ
シである3−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシ
ランがこの成分に望ましい。
【0022】適当なエポキシ置換シランの例は3−グリ
シドオキシプロピルトリメトキシシランおよび3,4−
エポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシランを含
む。本発明の接着添加剤を調製する反応体として使用す
るケイ素化合物の第2のクラスは、テトラアルキルオル
トシリケート(テトラアルコキシシランとも言う)を含
む。適当な化合物の例はテトラメチルオルトシリケー
ト、テトラエチルオルトシリケートおよびテトラ−n−
プロピルオルトシリケートを含む。
【0023】本発明の接着促進添加剤は、諸成分を含む
加水分解/縮合反応を促進する適当な触媒の存在下でエ
チレン性不飽和アルコールの部分エーテルと有機ケイ素
化合物又はテトラアルコキシシランの少なくとも1つと
を反応させることによって調製する。その反応生成物
は、100℃以下、望ましくは85℃以下の温度で本発
明のオルガノシロキサン組成物の硬化中に生じる接着の
発展に関与すると考えられる。その比較例は、本接着促
進添加剤の成分が硬化性オルガノシロキサン組成物に添
加される前に反応しないと、硬化オルガノシロキサン組
成物と支持体間の凝集破壊パーセントによって決定した
ように満足な接着が得られないことを示す。 有機ケイ
素化合物およびテトラアルコキシシランから選んだ反応
体の1種又は2種を使用して本接着促進添加物の調製に
使用することには無関係に、反応体の各々は存在する全
反応体の合計重量の少なくとも10%を構成する。本組
成物を特徴づける高水準の凝集破壊はこの限定がないと
得られない。
【0024】上記反応体の外に、本接着促進添加剤の調
製に使用される反応混合物は反応用触媒として作用する
のに十分な量の有機チタン化合物を含む。本接着促進添
加剤の調製に望ましい触媒は、1,3−ジケトンおよび
β−ケトエステル、例えばアセチルアセトンエイトから
誘導されたようなキレート化有機構造を有するテトラア
ルキルチタネートおよびアルキルチタネートの如き有機
チタン化合物である。キレート化剤は、チタン原子と少
なくとも2つの配位結合を形成して環状構造をもたらす
ことができる有機化合物にすることができる。望ましい
キレート化剤はアセチルアセトンのような1,3−ジケ
トンである。
【0025】有機チタン化合物の濃度は、典型的に他の
反応体の合計重量を基準にして0.1〜5重量%であ
る。有機チタン化合物の過剰量の使用は硬化性組成物の
粘度を貯蔵中に高める。
【0026】本発明の接着促進添加剤は、任意に本組成
物と該組成物が硬化反応中に接触する種々の支持体間の
接着を改善するキレート化アルミニウム化合物を含む。
そのアルミニウム化合物はキレート化化合物の誘導体で
ある。適当なキレート化剤は、本明細書において以下に
有機チタン化合物に関して検討する。望ましいキレート
化剤はアセチルアセトンのような1,3−ジケトンであ
る。
【0027】キレート化アルミニウム化合物の濃度は、
典型的に硬化性オルガノシロキサン組成物の重量を基準
にして0.02〜0.1重量%、望ましくは0.05重
量%である。該アルミニウム化合物の過剰量の使用は組
成物の硬化中にガス発生をもたらして、最終硬化生成物
の性質および外観に影響を与える。
【0028】本発明のポリオルガノシロキサン(成分
A)は、これら組成物の主成分である。それは、各分子
に少なくとも2つのSi−結合アルケニル基を含有しな
ければならない。適当なアルケニル基は1〜10個の炭
素原子を含有する。例えば、ビニル、アリルおよび5−
ヘキセニルを挙げることができる。成分Aに存在するア
ルケニル基以外のSi−結合有機基は、典型的に一価の
炭化水素およびハロゲン化炭化水素基であって、メチ
ル、エチルおよびプロピルのようなアルキル基;フエニ
ルのようなアリール基;および3,3,3−トリフルオ
ロプピルのようなハロゲン化アルキル基が例示される。
【0029】成分Aの分子構造は典型的に線状である
が、分子内に3価のシロキサン単位が存在するためにい
くつかの枝分れがありうる。本組成物を硬化することに
よって調製されるエラストマーに有効レベルの引張特性
を得るために、本成分の数平均分子量は25℃で0.1
Pa・s以上の粘度を得るのに十分でなければならな
い。成分Aの数平均分子量の上限は特別に限定されない
で、典型的に硬化性オルガノシロキサン組成物の加工性
のみによって限定される。そのポリオルガノシロキサン
は注入可能液体からウイリアムス可塑度値によって特徴
づけられるガム・タイプの重合体に及ぶ。
【0030】成分Aの望ましい実施態様は、一般式
【化1】 〔式中の各R8 は一価の炭化水素基および一価のハロ炭
化水素基からそれぞれ選び、R9 はビニル又は他のアル
ケニル基を表わし、nは少なくとも100センチポアズ
(0.1Pa・s)、望ましくは0.1〜10Pa・s
の粘度に等価の重合度を表わす〕で表されるポリジオル
ガノシロキサンである。
【0031】式(I)におけるSi原子の各々上の2つ
のR8置換基は同一又は異なり、1〜20個の炭素原子
を含有する。対応するモノマ−の入手可能性から1〜1
0個の炭素原子の範囲が望ましい。各Si原子の炭化水
素基の少なくとも1つがメチルで、残りがビニル、フェ
ニルおよび/または3、3、3−トリフルオロプロピル
であることが最適である。これは、ポリオルガノシロキ
サンを調製するために典型的に使用される反応体の入手
可能性およびこれらポリオルガノシロキサンから調製さ
れる硬化エラストマ−の性質に基く。同じ理由でR9
ビニル又は5−ヘキセニルが望ましい。
【0032】末端位置にのみエチレン性不飽和炭化水素
基を含有する成分Aの典型的実施態様はジメチルビニル
シロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン、ジメ
チルビニルシロキシを末端基とするポリメチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルシロキサン、ジメチルビ
ニルシロキシを末端基とするジメチルシロキサン/3,
3,3−トリフルオプロピルメチルシロキサン共重合体
およびジメチルビニルシロキシを末端基とするジメチル
シロキサン/メチルフエニルシロキサン共重合体を含
む。
【0033】本組成物の成分Aの調製法は対応するハロ
シランの加水分解および縮合、又は環状ポリジオルガノ
シロキサンの縮合によるものである。これらは、特許お
よび他の刊行物に十分開示されているので本明細書で詳
述しない。
【0034】高水準の物理的性質、例えば引裂強さを必
要とする用途に対しては、硬化性オガノシロキサン組成
物に末端および非末端のSi原子にエチレン性不飽和炭
化水素基を結合している第2のポリオルガノシロキサン
を含むことが望ましい。
【0035】本発明の硬化性オルガノシロキサン組成物
は、成分A用橋かけ剤の作用をする少なくとも1つの有
機水素シロキサンを含有する。ヒドロシレーション触媒
(成分C)が存在するとき、成分BのSi−結合水素原
子は成分AのSi−結合アルケニル基と付加反応(ヒド
ロシレーション(hydrosilation)と呼
ぶ)をして、組成物の橋かけおよび硬化を生じる。
【0036】成分Bは各分子少なくとも2個のSi−結
合水素原子を含有しなければならない。成分Aが単位分
子当り2個のアルケニル基を含有する場合は、成分Bも
平均2個以上のSi−結合水素原子を含有して最終硬化
生成物に橋かけ構造を達成しなければならない。成分B
に存在するSi−結合有機基は、成分Aの有機基と同一
グループの一価の炭化水素およびハロゲン化炭化水素基
から選ぶ、但し成分Bの有機基はエチレン性又はアセチ
レン性不飽和を実質的に含んではならない。成分Bの分
子構造は直鎖、枝分れ含有直鎖、環状又は網状でするこ
とができる。
【0037】成分Bの数平均分子量は特別に限定されな
いが、25℃で3〜10,000センチポアズ(0.0
03〜10Pa・s)の範囲内の粘度が望ましい。成分
Bの濃度は、硬化性組成物中のSi−結合水素原子/ア
ルケニル基のモル比が0.5〜20になる値である。
【0038】硬化性組成物がアルケニル基の単位モル当
り0.5モル以下のSi−結合水素原子を含有すると、
該組成物は満足に硬化できない。組成物が単位アルケニ
ル基当り20個以上のSi−結合水素原子を含有する
と、水素ガスの発生からもたらされる気泡の形成が生じ
る。
【0039】本組成物の硬化は、周期表の白金族の金属
又は該金属の化合物であるヒドロシーション触媒によっ
て触媒される。これらの金属は白金、パラジウムおよび
ロジウムを含む。ヒドロシレーション反応におけるこれ
ら触媒の高活性水準に基づいて白金および白金および白
金化合物が望ましい。
【0040】望ましい硬化用触媒の例は種々の固体支持
体上の白金ブラック、白金金属、クロロ白金酸、クロロ
白金酸のアルコール溶液、およびクロロ白金酸と、Si
に結合したエチレン性不飽和炭化水素基を含有するオレ
フインおよびオルガノシロキサンのようなエチレン性不
飽和液体化合物との錯体を含む。クロロ白金酸と上記エ
チレン性不飽和炭化水素基を含有するオルガノシロキサ
ンとの錯体は、米国特許US−A3,419,593号
に開示されている。
【0041】成分Cの濃度は、成分AとBの合計重量を
基準にして0.1〜500ppm、望ましくは1〜50
ppmの白金金属濃度等価の値である。0.1ppm以
下の白金では硬化は満足に進行しない、一方500pp
m以上の白金使用は硬化速度がそれほど増大しない、従
って不経済である。
【0042】上記成分の混合物は室温で硬化し始める。
さらに長い可使時間を得るためには、環境条件下での触
媒の活性を適当な抑制剤の添加によって抑制する。
【0043】既知白金触媒抑制剤は米国特許A−3,4
45,420号に開示されているアセチレン化合物を含
む。3−メチル−3−ブチン−2−オールのようなアセ
チレンアルコールは25℃で白金含有触媒の活性を抑制
する好適なクラスの抑制剤を構成する。これらの触媒を
含有する組成物は、実用的な速度で硬化するために典型
的に70℃又はそれ以上の温度で加熱する必要がある。
【0044】環境条件下で硬化性組成物のポットライフ
(可使時間)を長くする必要があるときには、米国特許
−A3,989,667号に記載された種類のアルケニ
ル置換シロキサンを使用することによってこれを達成で
きる。環状メチルビニルシロキサンが望ましい。
【0045】白金1モル当り1モルと低い抑制剤濃度
は、満足な貯蔵安定性と硬化速度を与える場合がある。
他の場合には、白金1モル当り500モルまでの抑制剤
濃度が必要である。所定の組成物における所定の抑制剤
の最適濃度は、日常実験によって容易に決定でき、本発
明の一部を構成しない。
【0046】抑制剤が存在しても環境条件下で硬化を始
める組成物がある。貯蔵安定性を保証する1つの方法
は、硬化性組成物を2つ又は2つ以上の容器に包装する
ことであつて、ヒドロキシレーション触媒と有機水素シ
ロキサンを別々の容器に入れる。それらの容器の内容物
は組成物を硬化する必要があるときに混合する。
【0047】50℃以上の温度において優れた長期の貯
蔵安定性をもった一液型オルガノシロキサン組成物は、
最初に熱可塑性または熱硬化性重合体に白金含有ヒドロ
シレーション触媒をマイクロカプセルに封入することに
よって調製することができる。マイクロカプセル封入の
ヒドロシレーション触媒を含有する硬化性オルガノシロ
キサン組成物は米国特許−A4,766,176号およ
びA5,017,654号に開示されている。これら特
許の教示は貯蔵安定性一液型オルガノシロキサン組成物
に関するものである。適当な封入剤は有機ケイ素樹脂お
よびエチレン性不飽和炭化水素および/またはエチレン
性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸およびメタクリ
ル酸のエステルから誘導した有機樹脂を含む。
【0048】本発明の組成物を使用して調製できるある
種の硬化エラストマーを特徴づける高水準の引裂強さお
よび他の物理的性質を達成するには、微粉砕シリカのよ
うな補強用充てん材を含有することが望ましい。シリカ
および他の補強用充てん材は、しばしば1種以上の既知
充てん材処理剤で処理して硬化性組成物の加工中の「ク
レープ」又は「クレープ硬化」と呼ぶ現象を防止する。
【0049】微粉砕形態のシリカが望ましい補強用充て
ん材である。コロイドシリカは、表面積が比較的大きい
(典型的に少なくとも50m2 /g)ので特に望まし
い。本法に使用するには少なくとも300m2 /gの表
面積をもった充てん材が望ましい。コロイドシリカは沈
殿又はヒューム・タイプのものが望ましい。両タイプ共
市販されている。
【0050】本組成物に使用する微粉砕シリカ又は他の
補強充てん材の量は、硬化エラストマーに必要な物理的
性質によって少なくとも部分的に決まる。液体又はポン
プを使うことができるポリオルガノシロキサン組成物
は、典型的にポリジオルガノシロキサンの重量を基準に
して10〜60重量%のシリカを含有する。この値は3
0〜50%が望ましい。
【0051】充てん材処理剤は、加工中にオルガノシロ
キサン組成物のクレーピングを防止するのに適当な既知
の低分子量の有機ケイ素化合物にすることができる。か
かる処理剤は、典型的に充てん材の処理に用いる条件下
で加水分解してSi−結合ヒドロキシル基を生成するヘ
キサオルガノジシロキサンおよびヘキサオルガノジシラ
ザンのような有機ケイ素化合物および単位分子当り平均
2〜20の反復単位を含有するヒドロキシルを末端基と
する液体ポリジオルガノシロキサンである。その処理剤
に存在するSi−結合炭化水素基の少なくとも一部は成
分AとBに存在する炭化水素基の大部分と同一であるこ
とが望ましい。少量の水を加工助剤としてシリカ処理剤
と一緒に添加することができる。該処理剤は、シリカ又
は他の充てん材粒子の表面に存在するSi−結合ヒドロ
キシル基と反応してこれら粒子間の相互作用を低減させ
る作用をすると考えられる。
【0052】シリカ充てん材を使用するときには、本組
成物の他の成分の少なくとも一部の存在下でこれらの成
分を充てん材が完全に処理され均一に分散されて均一材
料となるまで混合することによって処理することが望ま
しい。充てん材の処理中に存在する成分は典型的にシリ
カ処理剤およびポリジオルガノシロキサン(成分A)の
少なくとも一部を含む。
【0053】本オルガノシロキサン組成物は、接着性の
外に硬化組成物のいくつかの物理的性質の付与又は向
上、又は硬化性組成物の加工を容易するためにこの種の
硬化性組成物に通常存在する添加物を1種以上含有でき
る。
【0054】典型的な添加物は石英、アルミナ、雲母お
よび炭酸カルシウムのような非補強充てん材;カーボン
ブラックおよび二酸化チタンのような顔料;染料、難燃
剤および熱および/または紫外光安定剤を含む。樹脂質
オルガノシロキサン共重合体は1種以上の補強充てん材
の代り又はそれと一緒に使用して硬化したオルガノシロ
キサン組成物の物理的性質を改善することができる。
【0055】好適なタイプの樹脂共重合体は、一般式R
10 3 SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位および
一般式CH2 =CH(R112 SiO1/2のジオル
ガノビニルシロキシ単位の外に一般式SiO4/2の反
復単位を含む。これらの式におけるR10およびR11
は、成分AのR8 基について既に定義したように、それ
ぞれ一価の炭化水素又は一価の置換炭化水素基である。
【0056】樹脂質共重合体におけるトリオルガノシロ
キシ単位とジオルガノビニルシロキシ単位の和/SiO
4/2単位のモル比は0.7〜1.2である。そのビニ
ル含有単位は重合体の2〜8重量%を構成し、それは単
位分子当り少なくとも2個のビニル基を含有することが
望ましい。該共重合体の望ましい実施態様におけるジオ
ルガノビニルシロキシ:トリオルガノシロキシ:SiO
4/2単位のモル比の範囲は0.08〜0.1:0.0
6〜1:1である。
【0057】樹脂質共重合体は米国特許−A2,67
6,182号に開示されているように調製することがで
きる。それに記載された共重合体は2〜23重量%のヒ
ドロキシル基を含有する、その値は本共重合体の前駆物
質に望ましい最高レベル0.8よりかなり高い。その前
駆物質のヒドロキシル含量は、その資料によって教示さ
れた濃度より高い濃度のトリオルガノシロキサン単位を
使用することによって必要なレベルに低下させることが
できる。
【0058】要約すると、米国特許−A2,676,1
82号の方法は、シリカのヒドロゾルを酸性条件下で適
量のヘキサメチルジシロキサン又はトリメチルクロロシ
ランと反応させることから成る。本エラストマーの調製
に使用される樹脂質共重合体は、米国特許−A2,67
6,182号の生成物を必要量のヘキサオルガノジシラ
ザン又はヘキサオルガノジシロキサン(各Si原子は1
個のビニル基と2個のメチル基又は前記式のR1 および
2 によって表された他の炭化水素基を含有する)と反
応させることによって得られる。
【0059】本発明の組成物は室温で全ての成分を混合
することによって調製することができる。この目的には
従来技術において記載されている混合法および装置を用
いることができる。限定ではないが、適当なミキサーは
かい形ミキサー、ニーダー形ミキサーおよび2−および
3−ロール・ゴムミルを含む。組成物の早期硬化を避け
るために混合中は成分の冷却が望ましい。
【0060】硬化したオルガノシロキサン組成物と支持
体間の適切な接着を達成するのに必要な接着促進用組成
物の濃度は変数の数に依存する。これらは硬化性組成物
に存在する反応体、接着を必要とする支持体および接着
を維持する条件を含む。多くの最終用途に適当な接着性
は、接着促進組成物が硬化性オルガノシロキサン組成物
の全重量の0.5〜2%を構成するときに得られる。該
硬化性組成物が電子デバイス用接着剤や塗料として使用
されるときの接着促進添加剤の濃度は1重量%である。
【0061】貯蔵安定性を最高にするためには、硬化性
組成物は使用されるまで密閉容器に入れておくことが望
ましい。さらに高い安定性が必要な場合には、該組成物
は2個以上の容器に包装し、有機水素シロキサン(成分
B)と白金族の金属触媒を別々の容器に包装することが
できる。
【0062】成分AおよびBの種類および濃度に依存し
て、本組成物を使用して調製した硬化オルガノシロキサ
ン材料の性質は脆い樹脂からエラストマーと変わる。そ
れらは種々の最終用途において塗料又は成形品又は押出
品として有用である。無充てん材料は特に接着剤、保護
塗料、封入剤および注射用組成物として有用である。そ
れらは、特にトランジスタおよび集積回路のような精巧
な電子デバイスを、環境に存在して該デバイスの動作に
悪影響を与える水分および他の物質による損傷から保護
するのに有効である。該組成物は個々のデバイスや他の
電子部品の共に多数のこれらのデバイスを含む回路板を
コーテイングするのに使用できる。
【0063】本組成物は吹付け、浸漬、押出又はブラ
シ、ローラ又はコーテイング・バーの使用によって支持
体に塗布することができる。特定の塗布法の選択は硬化
性組成物の粘度によって少なくとも部分的に決まる。該
組成物の粘度は技術的に既知の適当な溶媒又は反応性希
釈剤の使用によって下げることができる。
【0064】本組成物の硬化は成分A、BおよびCを混
合するときに始まる。我々の接着促進組成物の利点は硬
化反応の実質的抑制が無いことである。これら組成物の
第2の利点は25℃と低い硬化温度において種々の有機
および無機支持体に凝集結合できることである。従って
該組成物は、白金族金属触媒を抑制するエポキシド化合
物のような従来技術の接着促進剤を含有するオルガノシ
ロキサン組成物を硬化させるのに必要な100℃以上の
高温に耐れない支持体への塗布に適することである。
【0065】望ましい組成物は環境条件下で数時間に渡
って硬化する。白金触媒化ヒドロシレーション反応によ
って硬化する他の組成物のように、加熱によって硬化を
加速することができる。25〜80℃の硬化温度が望ま
しい。
【0066】次の実施例は本発明の望ましい一液型硬化
性組成物を記載する。特にことわらない限り、実施例に
おける全ての部およびパーセントは重要であって、粘度
は25℃で測定した。
【0067】実施例1 本例は、本添加剤によって与えられる高水準の接着性を
示す。硬化性組成物は次の成分を均質に混合することに
よって調製した:成分Aとして、0.4Pa・sの粘度
を有するジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジ
メチルシロキサン98部;成分Bとして、単位分子当り
平均して5つのメチル水素シロキサン単位および3つの
ジメチルシロキサン単位を有しSi−結合水素原子含量
が0.7〜0.8重量%の範囲内のトリメチルシロキシ
を末端基とするポリジオルガノシロキサン6部;成分C
として、白金含量0.7重量%を得るのに十分な量のジ
メチルビニルシロキシを末端基とする液体ポリジメチル
シロキサンで希釈したヘキサクロロ白金酸とシム−テト
ラメチルジビニルジシロキサンとの反応生成物0.2
部;微粉砕石英93部;酸化亜鉛0.9部;カーボンブ
ラック0.5部;ヒドロシレーション触媒抑制剤とし
て、環状メチルビニルシロキサン0.5部; アルミニ
ウムアセチルアセトナート0.05部;および接着促進
添加剤2部。
【0068】本発明の3つの接着促進添加剤は反応体混
合物を80℃で2時間加熱することによって調製した。
得られた混合物は次に減圧下で加熱して揮発物質を除去
した。それらの反応体はトリメチロールプロパンのジア
リルエーテル(D1)、3−グリシドオキシプロピルト
リメトキシシラン(D)(2)(i)、テトラエチルオ
ルトシリケート(D)(2)(ii)および1.5部の
テトラブチルチタネートであった。反応体の重量部およ
び得られた接着促進添加剤から揮発物質を除去するため
に用いた温度又は圧力を表1に示す。
【0069】 表1 添加剤NO. D(1) D(2)(i) D(2)(ii) 温度(℃) 圧力(mmHg) 1 50 50 50 90 90 2 50 0 100 90 100 3 50 107 0 90 80
【0070】硬化性組成物を評価した支持体は材料の寸
法が2.5×10cmのストリップであった。それらの
材料はアルミニウム、銅、ガラスおよびFR4型のプリ
ント回路板であった。ストリップは、メチルイソブチル
ケトンに浸漬したチーズクロスで10ストロークこする
ことによってきれいにした後、それらのストリップ支持
体を環境条件下で乾燥させた。試験試料は、中心部に
1.3cm直径の穴を有する1.6mm厚さのテフロン
(R)スペーサで分離された2つのストリップ(支持
体)を使用して調製した。
【0071】そのスペーサはストリップの1つの中心に
配置し、その穴に3つの接着促進添加剤の1つを含有す
る硬化性組成物を充てんした。同一材料の第2のストリ
ップは次にスペーサの最上部にその縦軸が下側のストリ
ップの縦軸に関して直角になるように配置した。得られ
た複合体一緒にクランプして、スペーサにおけるオルガ
ノシロキサン組成物を該複合体を70℃で2時間加熱す
ることによって硬化させた。次に各ストリップは張力計
のジョーの1つに配置し、複合体に十分な力(F)を与
えてストリップを引き離した。凝集破壊(%CF)の度
合は、硬化性組成物と接触していた面積に対する硬化し
た組成物が付着した支持体の面積の比率を観察すること
によって決定した。それらの結果を表2を示す。
【0072】
【表2】 表2に示したデータは、3つの接着促進添加剤は70℃
の硬化温度において同程度の接着性を与えたことを示
す。全ての試料が100%の凝集破壊と同様の接着強さ
(F値)を示した。
【0073】実施例2 本例は、エポキシ−置換有機ケイ素化合物とテトラアル
キルオルトシリケートの両方を使用して調製した接着促
進添加剤を使用して達成された低硬化温度における優れ
た接着性を示す。
【0074】硬化性オルガノシロキサン組成物は、該組
成物が50℃で2時間硬化されたことを除いて実施例1
で記載したように調製して接着性を評価した。試料のあ
るものは同じ日に試験し、他の試料は8日間まで環境条
件下に放置したままで、その間に評価した。硬化と試験
との間の時間および試験結果を表3に示す。
【0075】
【表3】 添加剤2は、50℃の硬化温度においてエージング後で
もアルミニウム、銅又はFR4板への接着ができなかっ
た。接着添加剤3は支持体のいずれにも接着しなかっ
た。本発明に従って調製した添加剤1だけが全ての支持
体に50℃での硬化直後およびその後のエージングにお
いて100%の凝集破壊を示した。
【0076】実施例4 本例は、硬化性オルガノシロキサン組成物に混合する前
に本接着促進添加剤の成分を予備反応させる必要性を示
す。
【0077】硬化性組成物および試験試料は、反応体を
硬化性オルガノシロキサン組成物の他の成分に添加する
前に反応させなかったことを除いて、実施例1記載した
ように調製した。それらは次に50℃で2時間硬化させ
た。その接着性評価の結果を表4に要約する。硬化試料
のあるものは、評価前にこれまでの実施例に記載したよ
うに環境条件下でエージングさせた。
【0078】
【表4】 表4のデータは、本接着促進剤の予備反応成分を含有す
る組成物によって得られた接着度を示さない外に、これ
ら未反応成分の存在が銅およびFR4のプリント回路板
上の組成物の硬化を示すことを示す。
【0079】実施例5 本例は、多価アルコールのエチレン性不飽和エーテルの
代りに3−メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシ
ランを含有する接着促進組成物に対して本発明の接着促
進組成物の成分に及ぼす予備反応の効果を示す。
【0080】硬化性組成物は、アルキルオルトシリケー
ト成分の代りにn−プロピルオルトシリケートを使用し
たことを除いて実施例1に記載した成分を使用して調製
した。成分D1は、また比較例において3−メタクリル
オキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)と取
り替えた。
【0081】接着促進添加剤の重量部および得られた予
備反応添加剤から揮発性物質を除去するために使用した
温度および圧力を表5に示す。比較のために、同じ量の
接着促進添加剤を予備反応させることなく硬化性組成物
の他の成分へ直接添加した。
【表5】 添加剤1は0.04部のテトラブチルチタネートを含有
し、添加剤2はその触媒0.1部を含有した。
【0082】硬化性オルガノシロキサン組成物は、25
℃で4日間および7日間硬化させたことを除いて実施例
1に記載したように調製して接着性を評価した。支持体
を分離さすのに必要な力はkgで測定したそして組成物
の全てがアルミニウムアセチルアセトネート(AlAc
Ac)を含有しなかった。この触媒は硬化性組成物の重
量を基準にして0.05%の濃度で使用した。硬化時間
および試験結果を表6に示す。%CFは、凝集破壊%、
すなわち、支持体の分離後に硬化性組成物が付着してい
る支持体表面のパーセントを示す、そしてこの分離に必
要な力はkgで示す。この評価に用いた支持体はアルミ
ニウム、銅、FR4板およびガラスであった。
【0083】
【表6】 表6のデータは、アルミニウムアセチルアセトネート無
しで25℃において4日間硬化後、本発明の予備反応接
着促進成分を含有する組成物(添加剤NO.1)が予備
反応しなかった同一接着促進成分を含有する組成物より
良好な接着性を有したことを示す。
【0084】同一条件下で比較の接着添加剤の未反応成
分を含有する組成物(添加剤NO.2)は、予備反応さ
せた同一の接着促進成分を含有する組成物より良好な接
着性を有したことを示す。
【0085】また、データは、本予備反応接着促進添加
剤によって与えられた接着性の改善におけるアルミニウ
ムアセチルアセトネートの有利な効果(全ての支持体に
ついて100%凝集破壊)を示す。未反応接着促進成分
を含有する対応する組成物はガラスに対してのみ100
%の凝集破壊を示した。
【0086】FR4板についてのみ、反応した成分を含
有する比較の接着促進剤は100%の凝集破壊を達成
し、接着促進成分が予備反応しなかった対応する組成物
より良好な接着強さを有した。未反応接着促進成分を含
有する組成物は4つの支持体全てについて100%の凝
集破壊を有してアルミニウム、銅およびガラスへの接着
強さが高かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 183/07 C08K 3/36 C08L 83/07 C09J 5/00 - 5/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の3成分(1)、(2)(i)およ
    び(2)(ii)の反応生成物から成り、該反応生成物
    が触媒的に有効量の有機チタン化合物の存在下で調製さ
    れることを特徴とする硬化性オルガノシロキサン組成物
    用接着促進添加剤: (1)エチレン性不飽和アルコ−ルおよび多価アルコ−
    ルから誘導された部分エ−テル、 (2)(i)少なくとも1個のエポキシド基および少な
    くとも1個のSi−結合加水分解性基を含有する少なく
    とも1つの有機ケイ素化合物、および(2) (ii)少なくとも1つのテトラアルキルオルト
    シリケ−ト。
  2. 【請求項2】 前記エチレン性不飽和アルコ−ルの末端
    炭素原子が不飽和であり;前記多価アルコ−ルが2〜1
    0個の炭素原子を有し;前記有機ケイ素化合物が、式R
    1SiR2 m3 (3-m)〔式中のR1はエポキシアルキル基又
    はエポキシ−置換シクロアルキル基を表し、R2はアル
    キル基を表し、R3は加水分解性基を表し、mは0又は
    1である〕に対応し、前記テトラアルキルオルトシリケ
    −トはテトラメチルオルトシリケ−ト、テトラエチルオ
    ルトシリケ−トおよびテトラ−n−プロピルオルトシリ
    ケ−トから選択することを特徴とする請求項1記載の添
    加剤。
  3. 【請求項3】 R3がアルコキシ、カルボキシ又はケト
    キシモであり、前記エチレン性不飽和アルコ−ルがアリ
    ルアルコ−ルであり、前記多価アルコ−ルはエチレング
    リコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセロ−ル、トリ
    メチロ−ルプロパンおよびペンタエリトリト−ルから選
    び、前記有機ケイ素化合物およびテトラアルキルオルト
    シリケ−トの各々は前記添加剤の調製に使用する反応体
    の少なくとも20重量%を構成し、前記有機チタン化合
    物は該添加剤の調製に使用する反応体の合計量の0.1
    〜5%を構成し、該添加剤がさらにキレ−ト化アルミニ
    ウム化合物から成ることを特徴とする請求項1記載の添
    加剤。
  4. 【請求項4】 前記エ−テルがトリメチロ−ルプロパン
    のモノ−又はジ−アリルエ−テルであり、前記有機ケイ
    素化合物がモノエポキシトリアルコキシシラン〔R1
    3−グリシドオキシプロピル又はエポキシシクロヘキシ
    ルメチルであ る〕であり、前記テトラアルキルオルト
    シリケ−トがテトラメチルオルトシリケ−ト又はテトラ
    エチルオルトシリケ−トであることを特徴とする請求項
    3記載の添加剤。
  5. 【請求項5】 (A)1分子当たり少なくとも2個のア
    ルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン、 (B)1分子当たり少なくとも2個のSi−結合水素原
    子を含有し、硬化性オルガノシロキサン組成物を硬化さ
    せるのに十分な量の有機水素シロキサン、前記(A)の
    分子当たりのアルケニル基およ該(B)の分子当たりの
    Si−結合水素原子の和は4以上であり、 (C)周期表の白金族の金属および該金属の化合物から
    選び、前記組成物の硬化を促進するのに十分なヒドロシ
    レション触媒、および (D)100℃以下の温度における硬化中に前記組成物
    と接触して支持体への接着性を改善するのに十分な量の
    請求項1記載の接着促進添加物から成り、100℃以下
    の温度における硬化に伴なって有機および無機支持体へ
    の接着を示す硬化性オルガノシロキサン組成物。
  6. 【請求項6】 前記不飽和アルコ−ルの末端炭素原子が
    不飽和であり;前記多価アルコ−ルが2〜10個の炭素
    原子を有し;前記反応生成物の調製に使用されるケイ素
    化合物が前記有機ケイ素化合物の少なくとも1つと前記
    テトラアルキルオルトシリケ−トの少なくとも1つを含
    み、該有機ケイ素化合物が式R1SiR2 m3 (3-m)〔式
    中のR1はエポキシアルキル基又はエポキシ−置換シク
    ロアルキル基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は加
    水分解性基を表し、mは0又は1である〕に対応し、前
    記テトラアルキルオルトシリケ−トはテトラメチルオル
    トシリケ−ト、テトラエチルオルトシリケ−トおよびテ
    トラ−n−プロピルオルトシリケ−トから選択し、前記
    硬化性ポリオルガノシロキサンは次式〔式中の各R8
    一価の炭化水素基および一価のハロ炭化水素基からそれ
    ぞれ選択し、R9はアルケニル基を表し、nは少なくと
    も0.1パルカル・秒の粘度と等価の重合度を表す〕: 前記ヒドロシレ−ション触媒が白金化合物であって、前
    記ポリオルガノシロキサンと前記有機水素シロキサンの
    合計重量を基準にして0.1〜500ppmの白金と等
    価の濃度で存在することを特徴とする請求項5記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 2つの支持体の1つの表面に請求項5の
    硬化性オルガノシロキサン組成物を塗布し、該組成物を
    塗布された表面を第2の支持体の表面と接触して配置
    し、次に前記オルガノシロキサン組成物を硬化させる連
    続工程から成ることを特徴とする2つの支持体の接着
    法。
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