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JP3314979B2 - スタンピング成形用型およびスタンピング成形方法 - Google Patents

スタンピング成形用型およびスタンピング成形方法

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JP3314979B2
JP3314979B2 JP09798493A JP9798493A JP3314979B2 JP 3314979 B2 JP3314979 B2 JP 3314979B2 JP 09798493 A JP09798493 A JP 09798493A JP 9798493 A JP9798493 A JP 9798493A JP 3314979 B2 JP3314979 B2 JP 3314979B2
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JP
Japan
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mold
resin
skin material
stamping
gate
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幸年 服部
正人 松本
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Hayashi Telempu Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Hayashi Telempu Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、スタンピング成形用型お
よびスタンピング成形方法に係り、特に型内での熱可塑
性樹脂の流動性を高めるスタンピング成形用型およびス
タンピング成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のドアトリム,パッケージ
トレイトリム等において、熱可塑性樹脂と表皮材を積層
し、所望の形に成形した内装材が広く用いられている。
【0003】このような内装材を得るために種々の成形
方法が考えられ、このうち表皮材と基材の積層と同時に
基材の成形を行うスタンピング成形方法がある。これ
は、工程数の低減という面で有効な方法であり、以下の
ような方法で行われている。
【0004】すなわち、作業者はまず所定のキャビティ
をもって噛合する一対の上型と下型を型開きした状態に
て、溶融した熱可塑性樹脂を下型上に供給する。この熱
可塑性樹脂の供給は、下型面内に樹脂押出し装置と連通
するように設けられたゲートを開閉することで行われ
る。
【0005】次いで上下型間に表皮材を一定の張力で広
げて配置し、型締めを徐々に進行させる。これにより、
表皮材と溶融樹脂が接触し、さらに溶融樹脂は表皮材と
下型の間でキャビティ内に押し広げられ、この溶融温度
より低い温度の型に接することで硬化する。
【0006】そして表皮材と溶融樹脂の積層が完了した
時点で、作業者は上下型間の型開きを行い、製品を取り
出す。
【0007】したがって以上の方法によれば、基材の成
形と表皮材の積層が同時に可能であり、また基材と表皮
材との積層に接着剤などを必要としないので、工数の低
減が可能となる。また、型締め圧も40〜100Kg/
cm2と小さくできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術にかかるスタンピング成形方法においては、成形時
の型内での樹脂の流動性が悪いと以下のような種々の問
題点が生じる。
【0009】(1)溶融樹脂がキャビティ内全体に行き
渡らないうちに型によって冷却されて硬化してしまい、
成形品が欠陥となる。
【0010】(2)樹脂の流動不良によって成形品に歪
みが残ったり、成形品の板厚がばらついたりする。
【0011】(3)溶融樹脂がキャビティ内全体に行き
渡るまでに時間がかかる為、生産タクトが長くなる。
【0012】(4)熱可塑性樹脂の流動性を高める為に
樹脂の溶融温度を高くする方法が考えられるが、ゲート
近傍では樹脂が長時間に留まるので、積層する表皮材が
熱によるダメージを受ける。
【0013】(5)型締め圧力を高くすると、熱可塑性
樹脂の流動性は高めるが、表皮材がその圧力によりダメ
ージを受ける。
【0014】(6)表皮材として、特に耐熱性の良いグ
レードを使う必要があり、コストが向上する。
【0015】以上のような問題点はゲートの数に関係無
く起こり得るが、ゲートが複数設けられた場合にはしわ
が生じることがある。図5は従来のスタンピング成形型
にゲートが2つ設けてある場合の樹脂の流れを示す図で
あり、(a)は下型キャビティ面に樹脂が供給されたと
きの上面図、(b)は表皮材に樹脂を積層して成形した
際の断面図である。
【0016】この図に示すように、下型101の下型キ
ャビティ面101aの異なる位置に形成されたゲート1
03から供給された樹脂102どうしがぶつかる部位に
おいて、積層する表皮材104にしわ105が生じやす
くなるという問題点がある。本発明は、上記従来技術の
有する種々の問題点に鑑みてなされたものであって、成
形時の型内の樹脂の流動性を高めることができるスタン
ピング成形用型およびスタンピング成形方法。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、所定のキャビティをもって噛み合う一対の
上型と下型を有し、上下型間にて熱可塑性樹脂と表皮材
を積層すると同時に成形するためのスタンピング成形用
型において、下型キャビティ面内に設けられ、熱可塑性
樹脂を導く単数または複数のゲートと、少なくとも前記
ゲートの直上を含む上型キャビティ面に突出、収容可能
に設けられ、前記ゲートを覆いつくす面積を有する押子
とが備えられていることを特徴とし、前記押子が複数の
ゲートの各ゲートに独立して設けられていることを特徴
とするものや、前記押子が複数のゲートの各ゲートのう
ち、少なくとも2つのゲートに共通して設けられている
ことを特徴とするものでもよい。
【0018】また、所定のキャビティをもって噛み合う
一対の上型と下型を型開きした状態にて、上下型間に表
皮材を供給し、次いで溶融した熱可塑性樹脂を下型キャ
ビティ面に供給し、その後型締めすることで樹脂をキャ
ビティ内に押し広げ、樹脂を冷却、固化させて成形する
スタンピング成形方法において、完全に型締めする前
に、少なくともゲート上の表皮材上面を押子により押す
ことを特徴とする方法や、さらに、所定のキャビティを
もって噛み合う一対の上型と下型を型開きした状態に
て、上下型間に表皮材を供給し、次いで溶融した熱可塑
性樹脂を下面キャビティ面に供給し、その後型締めする
ことで樹脂をキャビティ内に押し広げ、樹脂を冷却、固
化させて成形するスタンピング成形方法において、下型
に設けたゲートに対向して設けられている押子のゲート
側面にあらかじめ第1の表皮材を保持させた後、完全に
型締めする前に、少なくともゲート上の第2の表皮材上
面を押子により押すことを特徴とする方法でもよい。
【0019】
【作用】上記のとおり構成された本発明では、表皮材を
介して上下型間を型締めしていくとき、下型キャビティ
面内に設けた単数または複数のゲートから溶融状態にあ
る熱可塑性樹脂を供給し、完全な型締め前に、少なくと
も前記ゲートの直上を含む上型キャビティ面に突出、収
納自在に設けられた押子により型締めにしたがってゲー
ト付近に滞留している樹脂を押し付けるので、樹脂がキ
ャビティの周端に短時間で押し広がる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0021】図1は本発明のスタンピング成形用型の一
実施例を示した概略断面図である。本発明のスタンピン
グ成形用型は所定のキャビティ7をもって噛み合う一対
の上型1と下型4を有しており、図1に示すように下型
4には下型キャビティ面7aに樹脂を導く複数のゲート
6が形成されている。ゲート6には樹脂を供給するため
の、型外に設けられる不図示の押し出し装置と樹脂供給
路5を介して連通されている。樹脂供給路5内部にはゲ
ート6を遮断する不図示のゲート遮断手段が設けられて
おり、そのゲート遮断手段の駆動により樹脂の供給が停
止される。
【0022】一方、上型キャビティ面7bには穴1aが
形成され、穴1aにはゲート6を覆いつくす面積を有す
る押子2が突出手段3を介して収納自在とされている。
この突出手段3により押子2は上下型間の型締め時に穴
1a内に収容される。突出手段3は、ばね等の弾性体や
制御部からの指令により型締め動作に応じて押子を徐々
に穴に引き込むものが考えられる。
【0023】なお、図1では2個のゲートを有し、両ゲ
ートに共通の押子を設けた例が示されているが、ゲート
は1個のみであってもよく、各ゲートにそれぞれ独立し
て押子が設けられていてもよい。
【0024】次に上記スタンピング成形用型を用いた成
形方法について説明する。図2は本発明のスタンピング
成形用型の一実施例を用いた成形工程を示す断面図であ
る。まず、図2(a)に示すように上型1と下型4を型
開きし、かつ上型キャビティ面7bより押子2を突出さ
せた状態で、上下型間に表皮材8を配置する。この表皮
材8としては、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂シー
ト、ポリオレフィン系もしくはスチレン系などの熱可塑
性エラストマーからなるシート、各種素材からなる織
物、編物、不織布などを用いることができ、これらシー
トの裏面にポリオレフィン系発泡シート、ウレタン系発
泡シート、ポリ塩化ビニル系発泡シートなどの発泡シー
トを積層した複合シートを用いることができる。なかで
も2層のものが好ましく、例えば、各種ファブリックや
エラストマーシートの裏面にポリプロピレンフォームを
裏打ちしたものがある。これは意匠性とクッション性を
兼ね備えた表皮材となる。またポリプロピレンフォーム
は独立気泡を有し、非通気性のもので、厚さ3mm、密
度0.6〜0.8g/cm3から0.03〜0.09g
/cm3(10〜30倍発泡)程度のものを用いる。
【0025】次に上下型が開いた状態のまま、不図示の
ゲート手段手段を駆動して下型2のゲート6を開き、図
2(b)に示すように押し出し装置から溶融した熱可塑
性樹脂9を押し出して下型キャビティ面7aに導く。こ
の樹脂は、初期の樹脂温度が190〜210℃程度であ
る。このとき、ある一定温度での樹脂の流れやすさを示
す値であるMI値(メルト・インディックス値)は10
〜100(g/10min)程度である。
【0026】この熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニト
リル・スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンエーテル、スチレン・アクリロニトリル共重合体な
どの一般的熱可塑性樹脂、これらの混合物、あるいはこ
れらの熱可塑性樹脂を用いたポリマーアロイなどが挙げ
られる。
【0027】また、これらの熱可塑性樹脂は必要に応じ
てタルク、ワラストナイト、ガラス繊維などの無機充填
材を含有していてもよく、もちろん、通常使用される各
種の酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤や着色
剤を含有していてもよい。そして、型締めが進行するに
つれて、初期において上型キャビティ面7bより突出し
ている押子2が先に表皮材8に接し、表皮材8を介して
下型キャビティ面7aに導かれた溶融状態にある熱可塑
性樹脂9を下型キャビティ面7b全体に押し広げる。
【0028】図3は本発明のスタンピング成形型を用い
たときの熱可塑性樹脂の広がり方を示した図であり、図
5に示したように押子が無い場合は樹脂はゲートから放
射状に広がり、ゲート近傍にうず高く滞留し、キャビテ
ィ周端への流動性が悪かった。これに対して押子2があ
る場合は、図3に示すようにゲート6直上の押子2が滞
留した樹脂9を押し広げ、樹脂9は押子2に沿って素早
く下型キャビティ面7a周端に到達することが判る。
【0029】さらに型締めが進行し、図2(c)に示す
ように上下型が完全に閉じた状態では、押子2は上型1
に形成された穴1aに収容される。この押子2は、押子
2を突出させている突出手段3がばね等の弾性体である
場合は型締め時の圧力によって自然に収容できる。また
制御部から指令により油圧アクチュエータなどを操作す
ることによっても収容できる。
【0030】その後、型の温度(40〜60℃)によっ
て熱可塑性樹脂9が冷却・固化した時点で成形品を脱型
する。
【0031】図4は本発明のスタンピング成形方法の他
の実施例を示した断面図である。
【0032】上記実施例では押子により樹脂の流動性を
支援していたが、本実施例では押子が流動性を支援する
とともに他の表皮材を積層する方法について示した。ま
た、本実施例は上記実施例にかかるスタンピング成形用
型と基本的に同様の構成であり、図4においてはキャビ
ティの形状がドアトリムなどの製品の場合を示してい
る。
【0033】この図に示すように、成形品の一般面とは
異なるような第1の表皮材としての装飾用表皮材10を
押子2のゲート6側の端面に予め保持しておく。型締め
を進行する際、第2の表皮材としての表皮材8に接する
装飾用表皮材10の表面には粘着加工を施しておく。そ
して、型締めすることよって表皮材8がゲート6より導
かれた樹脂と積層されるとともに、装飾用表皮材10が
表皮材8上面に接着される。
【0034】この実施例では、従来の成形法で行う場合
と比較して装飾用表皮の接着工程が省略できる。また、
成形品の一定の位置に装飾用表皮が接着でき、位置ずれ
がおこらない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したような本発明では、少なく
ともゲートの直上に、そのゲートを覆いつくす面積を有
する押子が備えられているので、以下に記載する効果を
奏する。 (1)押子によって樹脂の流動が促進され、短時間でキ
ャビティ端末まで樹脂が流動する。しかも気体は最終的
に型外に排出され、成形品に中空部を生じたりすること
がない。 (2)生産タクトが短くなる。 (3)熱可塑性樹脂の温度を低くして、また型締め圧を
低くして成形できる。 (4)従来では成形困難であった複雑な形状の成形品が
できる。 (5)樹脂の板厚を薄く成形できる。 (6)(3)により、表皮材にダメージが少なくなる。 (7)特にゲートが2つ以上設けられている場合は、従
来のように表皮材にシワを発生することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタンピング成形用型の一実施例を示
した概略断面図である。
【図2】本発明のスタンピング成形用型の一実施例を用
いた成形工程を示す断面図である。
【図3】本発明のスタンピング成形型を用いたときの熱
可塑性樹脂の広がり方を示した図である。
【図4】本発明のスタンピング成形方法の他の実施例を
示した断面図である。
【図5】従来のスタンピング成形型にゲートが2つ設け
てある場合の樹脂の流れを示し、(a)は下型キャビテ
ィ面に樹脂が供給されたときの上面図であり、(b)は
表皮材に樹脂を積層して成形した際の断面図である。
【符号の説明】
1 上型 1a 穴 2 押子 3 突出手段 4 下型 5 樹脂供給路 6 ゲート 7 キャビティ 7a 下型キャビティ面 7b 上型キャビティ面 8 表皮材 9 熱可塑性樹脂 10 装飾用表皮材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−156318(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のキャビティをもって噛み合う一対
    の上型と下型を有し、上下型間にて熱可塑性樹脂と表皮
    材を積層すると同時に成形するためのスタンピング成形
    用型において、 下型キャビティ面内に設けられ、熱可塑性樹脂を導く単
    数または複数のゲートと、 少なくとも前記ゲートの直上を含む上型キャビティ面に
    突出、収容可能に設けられ、前記ゲートを覆いつくす面
    積を有する押子とが備えられていることを特徴とするス
    タンピング成形用型。
  2. 【請求項2】 押子が複数のゲートの各ゲートに独立し
    て設けられていることを特徴とする請求項1に記載のス
    タンピング成形用型。
  3. 【請求項3】 押子が複数のゲートの各ゲートのうち、
    少なくとも2つのゲートに共通して設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のスタンピング成形用型。
  4. 【請求項4】 所定のキャビティをもって噛み合う一対
    の上型と下型を型開きした状態にて、上下型間に表皮材
    を供給し、次いで溶融した熱可塑性樹脂を下型キャビテ
    ィ面に供給し、その後型締めすることで樹脂をキャビテ
    ィ内に押し広げ、樹脂を冷却、固化させて成形するスタ
    ンピング成形方法において、 完全に型締めする前に、少なくともゲート上の表皮材上
    面を押子により押すことを特徴とするスタンピング成形
    方法。
  5. 【請求項5】 所定のキャビティをもって噛み合う一対
    の上型と下型を型開きした状態にて、上下型間に表皮材
    を供給し、次いで溶融した熱可塑性樹脂を下型キャビテ
    ィ面に供給し、その後型締めすることで樹脂をキャビテ
    ィ内に押し広げ、樹脂を冷却、固化させて成形するスタ
    ンピング成形方法において、 下型に設けたゲートに対向して設けられている押子のゲ
    ート側面にあらかじめ第1の表皮材を保持させた後、完
    全に型締めする前に、少なくともゲート上の第2の表皮
    材上面を押子により押すことを特徴とするスタンピング
    成形方法。
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