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JP3231038U - 梱包具、ブランクおよび運送用箱 - Google Patents

梱包具、ブランクおよび運送用箱 Download PDF

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JP3231038U
JP3231038U JP2020005408U JP2020005408U JP3231038U JP 3231038 U JP3231038 U JP 3231038U JP 2020005408 U JP2020005408 U JP 2020005408U JP 2020005408 U JP2020005408 U JP 2020005408U JP 3231038 U JP3231038 U JP 3231038U
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昌男 春山
昌男 春山
拓也 中澤
拓也 中澤
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アサヒ紙工株式会社
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Abstract

【課題】プラスチックを使用することなく被包装物を安定して梱包することができる梱包具を提供する。
【解決手段】
本考案は被包装物Pと外箱2との間に設けられる紙製の梱包具3である。梱包具3は、第1板11と第2板12との間に被包装物Pを挟持する本体部10と、本体部10の両端に連設され、本体部10に対して折り曲げられることで平面に直交する法線方向の両側に向かって延設され、外箱2の法線方向の両内面と本体部10との間に空間Sを形成する一対の支持部20と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本考案は、被包装物と外箱との間に設けられる紙製の梱包具、ブランクおよび運送用箱に関する。
外箱と組み合わされて使用される梱包具が知られている(特許文献1)。この梱包具は、立下り部分および立上り部分を有するベースボードと、ベースボード上の物品の表面を覆い、立下り部分に糊づけされた抑えシートと、を備えている。ベースボードは段ボール紙で形成され、抑えシートは弾力性・伸縮性を有する合成樹脂フィルムで形成されている。
特開2006−248549号公報
上記した梱包具では、ベースボードが紙製で、抑えシートが合成樹脂製であるため、廃棄する際に、ベースボードと抑えシートとを分別しなければならなかった。また、廃棄された合成樹脂フィルム(プラスチックごみ)は様々な環境汚染の原因になるため、合成樹脂フィルム(プラスチック)の使用量を削減することが求められていた。
本考案は、上記課題を解決するために、プラスチックを使用することなく被包装物を安定して梱包することができる梱包具、ブランクおよび運送用箱を提供する。
本考案は、被包装物と外箱との間に設けられる紙製の梱包具であって、第1板と第2板との間に前記被包装物を挟持する本体部と、前記本体部の両端に連設され、前記本体部に対して折り曲げられることで平面に直交する法線方向の両側に向かって延設され、前記外箱の法線方向の両内面と前記本体部との間に空間を形成する一対の支持部と、を備えている。
この場合、前記支持部は、前記第1板の両端に連設される一対の第1脚部と、前記第2板の両端に連設され、前記第1脚部に積層される一対の第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部の少なくとも一方の先端に連設される少なくとも一対の折返し部と、を備え、前記折返し部は、折り返されて前記第1脚部または前記第2脚部に固定される第3脚部と、前記第3脚部の先端から延設される立上げ部と、を有し、前記第1脚部と前記第2脚部とが前記本体部に対して折り曲げられることで、前記第1脚部、前記第2脚部および前記第3脚部は前記本体部から法線方向の一方に向かって延設され、前記立上げ部は前記本体部から法線方向の他方に向かって延設されてもよい。
この場合、前記第1板と一対の前記第1脚部との一対の境界線および前記第2板と一対の前記第2脚部との一対の境界線は、それぞれ、互いに接近するように湾曲した形状を成してもよい。
この場合、前記第1板または前記第2板には、前記本体部に挟持された前記被包装物に沿って前記第1板または前記第2板を変形させる弱め線が形成されてもよい。
この場合、前記第1板または前記第2板において前記支持部から周方向にずれた一端または両端に連設される1つまたは2つの封緘片を更に備え、前記封緘片は折り返されることで前記第1板または前記第2板に積層され、前記封緘片の両側は前記第1脚部と前記第2脚部と共に折り曲げられ、前記封緘片は折り返された状態に保持されてもよい。
この場合、前記立上げ部には、前記外箱に前記梱包具を出し入れする際に用いる手掛部が形成されてもよい。
この場合、前記第1板と前記第2板の少なくとも一方には、前記被包装物の一部を露出させる確認窓が開口してもよい。
本考案のブランクは、上記のいずれかに記載の梱包具を形成する。
本考案の運送用箱は、上記のいずれかの梱包具と、梱包具を収容する外箱と、を備えている。
本考案によれば、プラスチックを使用することなく被包装物を安定して梱包することができる。
本考案の一実施形態に係る運送用箱を示す斜視図である。 図1のII−II断面図である。 本考案の一実施形態に係る梱包具のブランクを示す平面図である。 本考案の一実施形態に係る梱包具を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係る梱包具であって、封緘片を閉じた状態を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係る梱包具であって、支持部を起立させた状態を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係る運送用箱の組み立て手順を示す斜視図である。 本考案の一実施形態の変形例に係る梱包具を示す分解斜視図である。 本考案の一実施形態の他の変形例に係る梱包具のブランクを示す平面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本考案の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向(平面に直交する法線方向)は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本考案の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、運送用箱(梱包具、外箱)を組み立てた状態での方向や位置を基準にしている。
図1ないし図3を参照して、一実施形態に係る運送用箱1について説明する。図1は運送用箱1を示す斜視図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は梱包具3のブランク3Aを示す平面図である。
例えば、運送用箱1には、修理や保守等を必要とするスマートフォンやノートパソコン等の被包装物Pが梱包され、運送用箱1に梱包された被包装物Pはメーカー等に運送される。修理等の済んだ被包装物Pは、運送用箱1に梱包されてメーカー等からユーザに返送される。なお、他にも、売却するための被包装物Pが運送用箱1に梱包されてユーザから買取業者等に運送されることもある。
図1および図2に示すように、運送用箱1は、梱包具3と、梱包具3を収容する外箱2と、を備えている。梱包具3および外箱2は、紙製の段ボールシートから構成されている。外箱2は、角筒状の周壁2Wの上下両端に複数のフラップ2D,2Uを有する所謂A式と呼ばれる段ボール箱である(図1参照)。梱包具3は、被包装物Pを保持(梱包)した状態で外箱2に収容される(図2参照)。換言すれば、梱包具3は、被包装物Pと外箱2との間に設けられる。外箱2の内寸は、収容された梱包具3が水平方向および垂直方向に移動しないように設定されている。梱包具3は、外箱2の内部において被包装物Pを一定の位置に保持するスペーサとしての機能と、外箱2の外部から加わる衝撃から被包装物Pを保護する緩衝材としての機能と、を有している。
[梱包具]
梱包具3は、図3に示すブランク3Aから形成される。ブランク3Aは、1枚の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9C(図2も参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図3は、表ライナ9B側を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。なお、外箱2も1枚の両面段ボールシートから構成されているが、外箱2は一般的なA式の段ボール箱であるため、そのブランク等の詳細な説明は省略する。
図3に示すように、梱包具3のブランク3Aは、第1板11と、第2板12と、一対の第1脚部21と、一対の第2脚部22と、一対の折返し部23と、封緘片15と、を備えている。詳細は後述するが、第1板11と第2板12とは、被包装物Pを挟持する本体部10を構成する。一対の第1脚部21、一対の第2脚部22および一対の折返し部23は、外箱2の内部において本体部10を上下方向の中間位置に保持する一対の支持部20を構成する。なお、一対の第1脚部21、一対の第2脚部22および一対の折返し部23は、それぞれ、図3において上下対称となる形状であるため、本明細書では、一対であることを明記した場合を除き、1つの部位に着目して説明する。
<第1板>
第1板11は、段方向の長い略長方形状に形成されている。第1板11の略中央には、円形状の確認窓13が開口している。第1板11には、複数の弱め線14が形成されている。複数の弱め線14は、段方向および流れ方向に連続する複数の六角形状を形成している。つまり、複数の弱め線14は、蜂の巣状に形成されている。各々の弱め線14は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線上に複数の切目(ミシン目)を入れたリード罫である。なお、確認窓13の周囲には弱め線14は形成されていない。
<第2板>
第2板12は、第1板11と略同一形状に形成されている。第2板12は、第1折曲線L1を介して第1板11の流れ方向の一端に連設されている。
<第1脚部>
第1脚部21は、流れ方向に長い略長方形状に形成されている。一対の第1脚部21は、第2折曲線L2を介して第1板11の段方向の両端に連設されている。一対の第2折曲線L2(第1板11と一対の第1脚部21との一対の境界線)は、互いに接近するように湾曲した形状を成している。つまり、第2折曲線L2は、流れ方向の中央部を最も内側に膨出させた円弧状に形成されている。したがって、第1板11は段方向の両辺を僅かに内側に窪ませた長方形状に形成され、第1脚部21は段方向の一辺を僅かに膨らませた長方形状に形成されている。
<第2脚部>
第2脚部22は、流れ方向に長い略長方形状に形成されている。一対の第2脚部22は、第3折曲線L3を介して第2板12の段方向の両端に連設されている。また、第2脚部22は、第1折曲線L1を介して第1脚部21の流れ方向の一端に連設されている。第2折曲線L2と同様に、一対の第3折曲線L3(第2板12と一対の第2脚部22との一対の境界線)は、互いに接近するように湾曲した形状を成している。つまり、第3折曲線L3は、流れ方向の中央部を最も内側に膨出させた円弧状に形成されている。したがって、第2板12は段方向の両辺を僅かに内側に窪ませた長方形状に形成され、第2脚部22は段方向の一辺を僅かに膨らませた長方形状に形成されている。
<折返し部>
一対の折返し部23は、一対の第2脚部22の段方向の先端に連設されている。折返し部23は、第3脚部24と、立上げ部25と、を有している。
第3脚部24は、第4折曲線L4を介して第2脚部22の先端に連設されている。第3脚部24は、基端(第4折曲線L4)から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。立上げ部25は、第3脚部24の先端から延設されている。立上げ部25は、折り目等を介せず第3脚部24と一体に形成されている。立上げ部25は、先端角部を円弧状に隅切りされた略長方形状に形成されている。立上げ部25の略中央には、略円形状の手掛穴26(手掛部)が開口している。
<封緘片>
封緘片15は、第5折曲線L5を介して第2板12と第2脚部22との流れ方向の一端に連設されている。封緘片15は、基端(第5折曲線L5)から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。封緘片15には、段方向の両側を略三角形状に区画する第6折曲線L6が形成されている。封緘片15の段方向の両側には、第3折曲線L3から連続する第6折曲線L6によって略三角形状の端片部15Aが区画されている。
なお、第1〜第5折曲線L1〜L5はリード罫であり、第6折曲線L6は汎用罫線である。リード罫や汎用罫線は、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りする)機能を有している。第1〜第6折曲線L1〜L6は、リード罫や汎用罫線に限らず、例えばミシン目線等、段ボールシートを所望の向きに折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
[梱包具の製造]
次に、図3および図4を参照して、梱包具3を製造する手順を説明する。図4は梱包具3を示す斜視図である。
梱包具3は、被包装物Pを入れることができるように、ブランク3A(図3参照)の適所を折り曲げ、適所を接着することで製造される。梱包具3は、作業者によって手作業で製造されてもよいし、自動製函機によって自動または半自動で製造されてもよい。ここでは、一例として、作業者が手作業で梱包具3を製造する場合について説明する。
作業者は、第1板11および一対の第1脚部21を第1折曲線L1に沿って折り返す(正折りする)。第1板11は第2板12に積層され、第1脚部21は第2脚部22に積層される。また、第2折曲線L2は、第3折曲線L3と略一致する位置に重なる。第1板11と第2板12とは、裏ライナ9C同士を接触させて封筒形状を成す本体部10を構成する(図4参照)。本体部10は、第1板11と第2板12との間に被包装物Pを挟持する機能を有する。
次に、作業者は、一対の第1脚部21の表面(表ライナ9B)または第3脚部24の裏面(裏ライナ9C)に接着剤(例えばホットメルト等)を塗布し、一対の折返し部23を第4折曲線L4に沿って第1板11側に折り返す(図4参照)。第3脚部24は、折り返されて第1脚部21(の表面)に接着剤を介して固定(接着)される。第1脚部21、第2脚部22および第3脚部24は、互いに積層されて三重壁を構成する。立上げ部25は、第1板11上に積層される。また、第1脚部21、第2脚部22および折返し部23は、本体部10の左右両端に連設された支持部20を構成する。
以上によって、梱包具3が完成し(図4参照)、梱包具3はこの状態でユーザに提供される。なお、第3脚部24は、接着剤で第1脚部21に接着固定されていたが、接着剤に代えて、両面テープや片面粘着テープ等で固定されてもよい。
[運送用箱の組立手順]
次に、図2、図4ないし図7を参照して、運送用箱1の組立手順について説明する。図5は梱包具3の封緘片15を閉じた状態を示す斜視図である。図6は梱包具3の支持部20を起立させた状態を示す斜視図である。図7は運送用箱1の組み立て手順を示す斜視図である。
運送用箱1は、ユーザによって組み立てられる。なお、組み立て前の初期状態として、外箱2の下方のフラップ2Dは閉じられて周壁2Wの底面を形成し、上方のフラップ2Uは開放されているものとする(図7参照)。また、外箱2のフラップ2D,2Uは、例えば、接着剤や粘着テープ等によって固定することができる(図示せず)。
まず、図4に示すように、ユーザは、被包装物Pを梱包具3の本体部10に収容する。具体的には、ユーザは、被包装物Pを、封緘片15側から第1板11と第2板12との隙間に挿入する。被包装物Pは第1板11を弱め線14に沿って撓ませながら本体部10の略中央部まで挿入され、被包装物Pの一部(略中央部)は確認窓13から露出する(図5参照)。
続いて、図5に示すように、ユーザは、封緘片15を第5折曲線L5に沿って第1板11側に折り返し、封緘片15を第1板11に積層させる。なお、封緘片15の左右両側に位置する一対の端片部15Aは、それぞれ第1脚部21に積層される。
次に、図6に示すように、ユーザは、第1板11を上面に向け、本体部10を水平姿勢とし、本体部10に対して一対の支持部20を折り曲げて起立姿勢とする。具体的には、ユーザは、立上げ部25を除いた一対の支持部20の左右両側を把持し、第1および第2脚部21,22を第2および第3折曲線L2,L3に沿って下方(法線方向の一方)へ略直角に折り曲げる(図2も参照)。すると、第1〜第3脚部21,22,24は、本体部10から下方に向かって延設される。また、第1板11に重なった立上げ部25は、本体部10から上方(法線方向の他方)に向かって延設される。つまり、左右一対の支持部20は本体部10の上下両側に突き出した状態となり、梱包具3は正面(背面)から見て略H字状に形成される。
第1および第2脚部21,22を第2および第3折曲線L2,L3で下方に折り曲げると、第2および第3折曲線L2,L3は内向きに湾曲しているため、第1および第2板11,12は、側面から見て上方に膨らむように反る。また、第1板11は、第1および第2脚部21,22の折り曲げに伴って左右方向の両外側に引っ張られるため、正面(背面)から見て上方の膨らむように湾曲する。なお、第2板12は正面(背面)から見て下方の膨らむように僅かに湾曲する。そして、第1板11と第2板12とは、被包装物Pの外周縁部に圧力をもって接触する(図2参照)。これにより、被包装物Pは、第1板11と第2板12との間に確りと挟まれる。また、封緘片15の両側(一対の端片部15A)は、第1脚部21と第2脚部22と共に第6折曲線L6に沿って下方へ略直角に折り曲げられる(図6参照)。一対の端片部15Aが折り曲げられた状態になるため、封緘片15は折り返された状態(第1板11に積層された状態)に保持される。つまり、本体部10が封緘された状態に保持される。なお、封緘片15は(第5折曲線L5)は、正面から見て僅かに下方に膨出するように湾曲している。
次に、図7に示すように、ユーザは、H字状に変形させた梱包具3を第1〜第3脚部21,22,24を下方に向けた姿勢として外箱2に収容する。この際、ユーザは、一対の立上げ部25に開口した一対の手掛穴26に手(指)を入れて梱包具3を持ち、梱包具3を外箱2の内部に進入させる。図2に示すように、第1〜第3脚部21,22,24の下端(第4折曲線L4)は外箱2の底面(下方のフラップ2D)に当接し、本体部10は外箱2の底面から離間した位置に支持される。また、一対の折返し部23の左右方向の両外面は、外箱2の左右方向の両内側面(周壁2Wの内面)に接触している。さらに、本体部10(第1〜第3脚部21,22,24)の前後方向の両端は、外箱2の前後方向の両内側面(周壁2Wの内面)に接触している。
次に、図2に示すように、ユーザは、外箱2の上方のフラップ2Uを閉じて外箱2の天面を形成する。立上げ部25の上端は外箱2の天面(上方のフラップ2U)に当接し、本体部10は外箱2の天面から離間した位置に支持される。この状態で、梱包具3は、水平方向および垂直方向に移動不能な状態で外箱2に収容されている。また、本体部10は外箱2の内部において浮いた位置に保持され、外箱2の上下両内面と本体部10との間には空間Sが形成されている。
以上によって、運送用箱1が組み立てられ、被包装物Pの梱包作業が終了する(図1および図2参照)。なお、外箱2と梱包具3との間に隙間がある場合は、当該隙間に緩衝材を詰めて梱包具3が外箱2の内部で移動しないようにすることが好ましい。
また、被包装物Pを取り出す(運送用箱1を開封する)場合、作業者は、外箱2の上方のフラップ2Uを開き、一対の手掛穴26に手(指)を入れて梱包具3を引き上げる。そして、本体部10に対して折り曲げられた第1および第2脚部21,22を元に戻し、封緘片15を開いて、被包装物Pを第1および第2板11,12の間から引き出す。
以上説明した本実施形態に係る梱包具3(ブランク3A)によれば、梱包具3の全てが紙製であるため、廃棄時に素材に応じて分別する必要が無く、容易に廃棄することができる。また、本体部10に対して折り曲げられた支持部20を元に戻し、被包装物Pを取り出すことで平坦になるため(図4参照)、例えば、廃品回収までの期間、平坦にした梱包具3を複数積み重ねてコンパクトに保管することができる。さらに、プラスチックごみが発生しないため、環境汚染を抑制することもできる。また、この梱包具3では、本体部10の両端に連設された一対の支持部20が、本体部10に対して折り曲げられることで上下方向(法線方向)の両側に向かって延設され、外箱2の上下方向の両内面と本体部10との間に空間Sを形成する構成とした(図2参照)。この構成によれば、外箱2の上下両面から離れた中間位置に本体部10(被包装物P)を保持することができる。これにより、外箱2の外部からの衝撃が本体部10に直接的に加わることがないため、本体部10に挟持された被包装物Pを保護することができる。以上のように、この梱包具3によれば、プラスチックを使用することなく被包装物Pを安定して梱包することができる。
また、本実施形態に係る梱包具3によれば、第1脚部21と第2脚部22とを重ね合わせた状態で折り曲げることで、第1板11と第2板12とを被包装物Pに押し付けることができる。これにより、本体部10の内部における被包装物Pの平面方向(水平方向)のずれを抑制することができる。また、第1および第2脚部21,22を折り曲げるだけで、第1〜第3脚部21,22,24と立上げ部25とを本体部10に直交する姿勢にすることができる。これにより、ユーザはワンアクションで被包装物Pを挟持した梱包具3を外箱2に収容可能な形態に変形させることができる。
また、本実施形態に係る梱包具3によれば、第1および第2板11,12と第1および第2脚部21,22との境界線(第2折曲線L2、第3折曲線L3)が内向きに湾曲しているため(図3参照)、第1および第2脚部21,22を第2および第3折曲線L2,L3で下方に折り曲げた際に、第1および第2板11,12の中央付近を上方に凸となるように湾曲させることができる。これにより、第1および第2板11,12の間に被包装物Pを確りと挟持することができる。
また、本実施形態に係る梱包具3の第1板11には、本体部10に挟持された被包装物Pに沿って第1板11を変形させる弱め線14が形成されていた(図3参照)。この構成によれば、被包装物Pの形状に合わせて第1板11を撓ませることができる。これにより、被包装物Pを第1板11と第2板12との間に容易に挿入することができ、且つ第1板11を被包装物Pに確りと接触させることができる。その結果、被包装物Pを第1板11と第2板12との間に確りと保持することができる。
また、本実施形態に係る梱包具3では、封緘片15の両側(一対の端片部15A)が第1および第2脚部21,22と共に折り曲げられ、封緘片15が折り返された状態に保持される構成とした(図5参照)。この構成によれば、接着剤や粘着テープ等を用いることなく、簡単に本体部10を封緘することができる。また、折り曲げられた第1および第2脚部21,22を元に戻すだけで、封緘片15を開放可能な状態にすることができる。さらに、開封時に、粘着テープ等が千切れてゴミになることもない。
また、本実施形態に係る梱包具3の立上げ部25には、外箱2に梱包具3を出し入れする際に用いる手掛穴26が形成されていた。この構成によれば、ユーザは手掛穴26に入れた手で立上げ部25を把持することで、外箱2に対して容易に梱包具3を出し入れすることができる。
また、本実施形態に係る梱包具3によれば、第1板11には被包装物Pの一部を露出させる確認窓13が開口しているため、ユーザは本体部10に収容された被包装物Pを目視で確認することができる。これにより、本体部10に対する被包装物Pの配置を容易に調整することができる。
なお、本実施形態に係る運送用箱1では、天面を開口させた外箱2に、本体部10を略水平姿勢とした梱包具3が収容されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、外箱2を90度転倒させ、側面を開口させた外箱2に、本体部10を略起立姿勢とした梱包具3が収容されてもよい(図示せず)。この場合、請求項に言う「平面」は垂直面となり、「法線方向」とは水平方向となり、第1〜第3脚部21,22,24は水平方向の一方に延設され、立上げ部25は水平方向の他方に延設される。
また、本実施形態に係る運送用箱1では、梱包具3の第2板12が下方に向けられていたが、これに限らず、第1板11が下方に向けられてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る梱包具3では、折返し部23が第2脚部22の先端に連設され、第3脚部24が第1脚部21に固定されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、折返し部23は第1脚部21の先端に連設され、第3脚部24は第2脚部22に固定(接着)されてもよい(図示せず)。この場合、弱め線14は第2板12に形成されることが好ましい(図示せず)。他にも、折返し部23は、第1脚部21と第2脚部22との両方に連設されてもよい(図示せず)。この場合、第1および第2脚部21,22から延びた一対の折返し部23は貼り合され、本体部10に対して折り返された状態で第1板11または第2板12に固定される。この場合、弱め線14は、第1および第2脚部21,22の折り曲げ方向とは逆側となる面(第1板11または第2板12)に形成されることが好ましい(図示せず)。
また、本実施形態に係る梱包具3では、弱め線14が蜂の巣状に形成されたリード罫であったが、本考案はこれに限定されない。例えば、弱め線14は、前後方向に直線状に延びた少なくとも1つのリード罫であってもよいし、左右方向に直線状に延びた少なくとも1つのリード罫であってもよい(図示せず)。また、弱め線14は、リード罫に限らず、汎用罫線であってもよいし、ミシン目線であってもよいし、半切線であってもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る梱包具3では、第1板11と第2板12とが、第1折曲線L1を介して連設されて一枚のブランク3Aで構成されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、変形例に係る梱包具4(ブランク4A)として、第1板11等が、第2板12等とは別部材(別々のブランク)で構成されてもよい。この場合、第1板11等は、折返し部23(第3脚部24)によって第2板12等と接続されることになる。
また、本実施形態に係る梱包具3では、封緘片15が第2板12に連設されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、封緘片15は、第1板11に連設され、折り返されることで第2板12に積層されてもよい(図示せず)。また、図8に示すように、第1板11等と第2板12等とが別部材で構成されている場合、2つの封緘片15が、第2板12等(または第1板11等)の前後両端(支持部20から周方向にずれた両端)に連設されてもよい。
また、本実施形態に係る梱包具3では、立上げ部25に円形状の手掛穴26が開口していたが、本考案はこれに限定されない。手掛穴26は、円形の穴に限らず、楕円形の穴や多角形状の穴であってもよい(図示せず)。また、図9に示すように、立上げ部25にグリップ状の手掛部27が形成されてもよい。また、手掛穴26や手掛部27は省略されてもよい。
また、本実施形態に係る梱包具3では、確認窓13が第1板11に開口していたが、本考案はこれに限定されない。例えば、確認窓13は、第2板12に開口していてもよいし、第1および第2板11,12の両方に開口していてもよい(図示せず)。また、確認窓13は、円形の穴に限らず、楕円形の穴や多角形状の穴であってもよい(図示せず)。また、確認窓13は省略されてもよい。
また、本実施形態に係る運送用箱1では、1つの外箱2に1つの梱包具3が収容されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、複数の梱包具3が水平方向に並べられた状態で1つの外箱2に収容されてもよいし、複数の梱包具3が垂直方向に重ねられた状態で1つの外箱2に収容されてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る運送用箱1では、外箱2がA式の段ボール箱であったが、本考案はこれに限定されない。外箱2は、例えば、ワンタッチ底を有するB式段ボール箱であってもよいし、身箱と蓋とが別々に構成されるC式段ボール箱であってもよく、梱包具3を収容可能な箱であればよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る運送用箱1(梱包具3、外箱2)は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本考案はこれに限定されない。運送用箱1は、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等で形成されてもよいし、厚紙(単紙)等で形成されていてもよい。また、運送用箱1(梱包具3、外箱2)の各部の寸法(幅、奥行き、高さ)や形状、段ボールシートの厚みや中しん9Aが延びる方向等は自由に変更してもよい。
また、本実施形態では、被包装物Pがスマートフォンやノートパソコン等の電子機器であったが、これに限らず、被包装物Pは、梱包具3に収容可能な大きさ、形状であればよく、例えば、陶磁器やガラス製品等であってもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本考案に係る梱包具、ブランクおよび運送用箱における一態様を示すものであって、本考案の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本考案の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本考案は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、実用新案登録請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
1 運送用箱
2 外箱
3,4 梱包具
3A ブランク
10 本体部
11 第1板
12 第2板
13 確認窓
14 弱め線
15 封緘片
15A 端片部(封緘片の両側)
20 支持部
21 第1脚部
22 第2脚部
23 折返し部
24 第3脚部
25 立上げ部
26 手掛穴(手掛部)
27 手掛部
L2 第2折曲線(境界線)
L3 第3折曲線(境界線)
P 被包装物
S 空間

Claims (9)

  1. 被包装物(P)と外箱(2)との間に設けられる紙製の梱包具(3,4)であって、
    第1板(11)と第2板(12)との間に前記被包装物を挟持する本体部(10)と、
    前記本体部の両端に連設され、前記本体部に対して折り曲げられることで平面に直交する法線方向の両側に向かって延設され、前記外箱の法線方向の両内面と前記本体部との間に空間(S)を形成する一対の支持部(20)と、を備えていることを特徴とする梱包具。
  2. 前記支持部は、
    前記第1板の両端に連設される一対の第1脚部(21)と、
    前記第2板の両端に連設され、前記第1脚部に積層される一対の第2脚部(22)と、
    前記第1脚部と前記第2脚部の少なくとも一方の先端に連設される少なくとも一対の折返し部(23)と、を備え、
    前記折返し部は、
    折り返されて前記第1脚部または前記第2脚部に固定される第3脚部(24)と、
    前記第3脚部の先端から延設される立上げ部(25)と、を有し、
    前記第1脚部と前記第2脚部とが前記本体部に対して折り曲げられることで、前記第1脚部、前記第2脚部および前記第3脚部は前記本体部から法線方向の一方に向かって延設され、前記立上げ部は前記本体部から法線方向の他方に向かって延設されることを特徴とする請求項1に記載の梱包具。
  3. 前記第1板と一対の前記第1脚部との一対の境界線(L2)および前記第2板と一対の前記第2脚部との一対の境界線(L3)は、それぞれ、互いに接近するように湾曲した形状を成していることを特徴とする請求項2に記載の梱包具。
  4. 前記第1板または前記第2板には、前記本体部に挟持された前記被包装物に沿って前記第1板または前記第2板を変形させる弱め線(14)が形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の梱包具。
  5. 前記第1板または前記第2板において前記支持部から周方向にずれた一端または両端に連設される1つまたは2つの封緘片(15)を更に備え、
    前記封緘片は折り返されることで前記第1板または前記第2板に積層され、
    前記封緘片の両側(15A)は前記第1脚部と前記第2脚部と共に折り曲げられ、前記封緘片は折り返された状態に保持されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の梱包具。
  6. 前記立上げ部には、前記外箱に前記梱包具を出し入れする際に用いる手掛部(26,27)が形成されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の梱包具。
  7. 前記第1板と前記第2板の少なくとも一方には、前記被包装物の一部を露出させる確認窓(13)が開口していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の梱包具。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の梱包具を形成することを特徴とするブランク。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の梱包具と、
    前記梱包具を収容する外箱と、を備えていることを特徴とする運送用箱。
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