JP3111438B2 - シクロドデシルアミンの製造法 - Google Patents
シクロドデシルアミンの製造法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業的にブタジエンよ
り容易に得られる安価なシクロドデカトリエンを出発原
料とし、これに塩化水素存在下に塩化ニトロシルを付加
反応させて合成される、2−クロロシクロドデカジエノ
ンオキシムを水素添加することによる、極めて短工程か
つ高収率でシクロドデシルアミンを製造する方法に関す
るものである。本発明によって得られるシクロドデシル
アミンは、ゴム用薬品、染料、顔料、界面活性剤、殺虫
剤および高分子合成用原料として、広範な用途が期待さ
れる化学品である。
り容易に得られる安価なシクロドデカトリエンを出発原
料とし、これに塩化水素存在下に塩化ニトロシルを付加
反応させて合成される、2−クロロシクロドデカジエノ
ンオキシムを水素添加することによる、極めて短工程か
つ高収率でシクロドデシルアミンを製造する方法に関す
るものである。本発明によって得られるシクロドデシル
アミンは、ゴム用薬品、染料、顔料、界面活性剤、殺虫
剤および高分子合成用原料として、広範な用途が期待さ
れる化学品である。
【0002】
【従来の技術】従来、シクロドデシルアミンを製造する
方法としては、第一に、フランス特許第1528400
号に開示されている、シクロドデカノンをアンモニア存
在下に接触水素添加する方法、第二に、Liebigs Ann. C
hem., 679, 83 (1964)に示されている、ニトロシクロド
デカンを水素添加する方法、第三に、オランダ特許第6
408389号に開示されている,シクロドデセンと青
酸との反応による方法、第四に、Angew. Chem. interna
t. Edit.,2, 688 (1963)に示されている、白金触媒を用
いて2−クロロシクロドデカジエノンオキシムを水素添
加する方法が知られている。
方法としては、第一に、フランス特許第1528400
号に開示されている、シクロドデカノンをアンモニア存
在下に接触水素添加する方法、第二に、Liebigs Ann. C
hem., 679, 83 (1964)に示されている、ニトロシクロド
デカンを水素添加する方法、第三に、オランダ特許第6
408389号に開示されている,シクロドデセンと青
酸との反応による方法、第四に、Angew. Chem. interna
t. Edit.,2, 688 (1963)に示されている、白金触媒を用
いて2−クロロシクロドデカジエノンオキシムを水素添
加する方法が知られている。
【0003】しかしながら、第一の方法は、原料のシク
ロドデカノンがシクロドデカトリエンから数工程で誘導
されているため、シクロドデシルアミンを製造するに
は、シクロドデカトリエンからの工程数が多く、かつシ
クロドデカトリエン基準の総合収率も低くなり、工業的
に満足できるものとは言えない。第二の方法は、シクロ
ドデカトリエンを水素添加して得られるシクロドデカン
を、更にニトロ化して合成されるニトロシクロドデカン
を原料として用いるものであるが、ニトロ化の過程で爆
発の危険性があるニトロ化合物が副生し、ニトロシクロ
ドデカンの収率も低いため、工業的には問題のある方法
である。また、第三の方法は、原料として、非常に毒性
が高く、かつ高価な青酸を使用するため、シクロドデシ
ルアミンの工業的製造法としては有利な方法ではない。
ロドデカノンがシクロドデカトリエンから数工程で誘導
されているため、シクロドデシルアミンを製造するに
は、シクロドデカトリエンからの工程数が多く、かつシ
クロドデカトリエン基準の総合収率も低くなり、工業的
に満足できるものとは言えない。第二の方法は、シクロ
ドデカトリエンを水素添加して得られるシクロドデカン
を、更にニトロ化して合成されるニトロシクロドデカン
を原料として用いるものであるが、ニトロ化の過程で爆
発の危険性があるニトロ化合物が副生し、ニトロシクロ
ドデカンの収率も低いため、工業的には問題のある方法
である。また、第三の方法は、原料として、非常に毒性
が高く、かつ高価な青酸を使用するため、シクロドデシ
ルアミンの工業的製造法としては有利な方法ではない。
【0004】第四の方法は、シクロドデカトリエンから
容易に合成できる2−クロロシクロドデカジエノンオキ
シムを、常圧下、40〜50℃で、白金触媒を用いて水
素添加するもので、シクロドデシルアミンが主生成物と
して得られる。しかしながら、この白金触媒を用いる方
法は、温和な反応条件下でも、目的物であるシクロドデ
シルアミン以外にジシクロドデシルアミンが多量に副生
するため、シクロドデシルアミンの工業的製造法として
は解決すべき問題が残されているものである。また、白
金以外に、例えば、パラジウムを触媒として、常圧下、
40〜50℃で水素添加を行った場合には、シクロドデ
カノンオキシムが主生成物として得られている。
容易に合成できる2−クロロシクロドデカジエノンオキ
シムを、常圧下、40〜50℃で、白金触媒を用いて水
素添加するもので、シクロドデシルアミンが主生成物と
して得られる。しかしながら、この白金触媒を用いる方
法は、温和な反応条件下でも、目的物であるシクロドデ
シルアミン以外にジシクロドデシルアミンが多量に副生
するため、シクロドデシルアミンの工業的製造法として
は解決すべき問題が残されているものである。また、白
金以外に、例えば、パラジウムを触媒として、常圧下、
40〜50℃で水素添加を行った場合には、シクロドデ
カノンオキシムが主生成物として得られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で、安全な出発原料を用いて、高選択率、高収率でシク
ロドデシルアミンを製造することができる、工業的に好
適なシクロドデシルアミンの製造法を提供することにあ
る。
で、安全な出発原料を用いて、高選択率、高収率でシク
ロドデシルアミンを製造することができる、工業的に好
適なシクロドデシルアミンの製造法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シクロド
デカトリエンと塩化ニトロシルから、塩化水素存在下の
付加反応によって容易に合成される2−クロロシクロド
デカジエノンオキシムを、パラジウム触媒を使用して6
0〜160℃、好ましくは80〜150℃の範囲の温度
で水素添加することにより、高選択率、高収率で、かつ
シクロドデカトリエンからも極めて短い工程で、シクロ
ドデシルアミンを製造できることを見出して、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、シクロドデカトリ
エンと塩化ニトロシルを付加反応させて合成される、2
−クロロシクロドデカジエノンオキシムを、パラジウム
触媒存在下に60〜160℃の温度範囲で水素添加する
ことを特徴とするシクロドデシルアミンの製造法に関す
る。
の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シクロド
デカトリエンと塩化ニトロシルから、塩化水素存在下の
付加反応によって容易に合成される2−クロロシクロド
デカジエノンオキシムを、パラジウム触媒を使用して6
0〜160℃、好ましくは80〜150℃の範囲の温度
で水素添加することにより、高選択率、高収率で、かつ
シクロドデカトリエンからも極めて短い工程で、シクロ
ドデシルアミンを製造できることを見出して、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、シクロドデカトリ
エンと塩化ニトロシルを付加反応させて合成される、2
−クロロシクロドデカジエノンオキシムを、パラジウム
触媒存在下に60〜160℃の温度範囲で水素添加する
ことを特徴とするシクロドデシルアミンの製造法に関す
る。
【0007】以下に、本発明の方法を詳しく説明する。
本発明で使用される2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムは、特願平4−274291号などの方法によ
り、塩化水素ガスの存在下、シクロドデカトリエンに塩
化ニトロシルを付加反応させて合成される。このとき、
反応溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナンなどの炭素数5〜9の脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素数6〜8の芳
香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロロエタンなどの炭素数1〜3のハロゲン化
炭化水素、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
の炭素数2〜8のエーテルを使用することができるが、
好ましくは、前述の有機溶媒の代わりに原料であるシク
ロドデカトリエン自身を溶媒として用いることが望まし
い。
本発明で使用される2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムは、特願平4−274291号などの方法によ
り、塩化水素ガスの存在下、シクロドデカトリエンに塩
化ニトロシルを付加反応させて合成される。このとき、
反応溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナンなどの炭素数5〜9の脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素数6〜8の芳
香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロロエタンなどの炭素数1〜3のハロゲン化
炭化水素、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
の炭素数2〜8のエーテルを使用することができるが、
好ましくは、前述の有機溶媒の代わりに原料であるシク
ロドデカトリエン自身を溶媒として用いることが望まし
い。
【0008】塩化ニトロシルは、公知の文献、例えば I
norg. Syn., 4, 48 (1953)に示されるように亜硝酸ナト
リウムと塩酸を反応させて合成することができるが、上
記のシクロドデカトリエンとの付加反応を行うには、塩
化ニトロシルを単離精製した後、あるいは別反応容器内
で発生させつつ、ガスまたは液状で上記付加反応の反応
容器内へ供給される。このとき、塩化ニトロシルは、シ
クロドデカトリエンに対して0.002〜0.02当量
/分の範囲で導入されるが、好ましくは0.003〜
0.007当量/分の範囲で導入されるのが好適であ
る。また、塩化ニトロシルと同時に導入される塩化水素
ガスは、塩化ニトロシルの1〜30モル倍、好ましくは
2〜10モル倍の導入量であることが望ましい。
norg. Syn., 4, 48 (1953)に示されるように亜硝酸ナト
リウムと塩酸を反応させて合成することができるが、上
記のシクロドデカトリエンとの付加反応を行うには、塩
化ニトロシルを単離精製した後、あるいは別反応容器内
で発生させつつ、ガスまたは液状で上記付加反応の反応
容器内へ供給される。このとき、塩化ニトロシルは、シ
クロドデカトリエンに対して0.002〜0.02当量
/分の範囲で導入されるが、好ましくは0.003〜
0.007当量/分の範囲で導入されるのが好適であ
る。また、塩化ニトロシルと同時に導入される塩化水素
ガスは、塩化ニトロシルの1〜30モル倍、好ましくは
2〜10モル倍の導入量であることが望ましい。
【0009】シクロドデカトリエンと塩化ニトロシルと
の付加反応の温度は、−20〜+25℃の範囲が好まし
いが、副生物の生成を抑えるため、−18〜+5℃の範
囲が特に好ましい。生成した2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムは、反応溶媒を留去したのみ、または、
再結晶等による精製を行った後に、次の水素添加による
シクロドデシルアミン合成反応に供される。
の付加反応の温度は、−20〜+25℃の範囲が好まし
いが、副生物の生成を抑えるため、−18〜+5℃の範
囲が特に好ましい。生成した2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムは、反応溶媒を留去したのみ、または、
再結晶等による精製を行った後に、次の水素添加による
シクロドデシルアミン合成反応に供される。
【0010】本発明で、2−クロロシクロドデカジエノ
ンオキシムの水素添加に使用されるパラジウム触媒は、
パラジウム金属、またはパラジウム化合物、例えば、塩
化パラジウムなどのパラジウムのハロゲン化物、酢酸パ
ラジウムなどのパラジウムの有機酸塩、硫酸パラジウ
ム、硝酸パラジウムなどのパラジウムの無機酸塩など、
あるいはこれらパラジウム金属またはパラジウム化合物
を、活性炭、アルミナ、シリカゲル、硫酸バリウム、硫
酸ストロンチウムなどの担体に担持したものが好ましい
が、中でもパラジウム金属を活性炭に担持したものが特
に好適に用いられる。担体に担持されるパラジウム金属
またはパラジウム化合物の量は、パラジウム金属の金属
換算で担体に対し、通常0.1〜30重量%、特には1
〜20重量%が好ましい。また、パラジウム触媒の使用
量は、2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの0.
005〜0.05当量が好ましい。
ンオキシムの水素添加に使用されるパラジウム触媒は、
パラジウム金属、またはパラジウム化合物、例えば、塩
化パラジウムなどのパラジウムのハロゲン化物、酢酸パ
ラジウムなどのパラジウムの有機酸塩、硫酸パラジウ
ム、硝酸パラジウムなどのパラジウムの無機酸塩など、
あるいはこれらパラジウム金属またはパラジウム化合物
を、活性炭、アルミナ、シリカゲル、硫酸バリウム、硫
酸ストロンチウムなどの担体に担持したものが好ましい
が、中でもパラジウム金属を活性炭に担持したものが特
に好適に用いられる。担体に担持されるパラジウム金属
またはパラジウム化合物の量は、パラジウム金属の金属
換算で担体に対し、通常0.1〜30重量%、特には1
〜20重量%が好ましい。また、パラジウム触媒の使用
量は、2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの0.
005〜0.05当量が好ましい。
【0011】本発明の水素添加反応の反応温度は、副生
物の生成および原料である2−クロロシクロドデカジエ
ノンオキシムの分解を抑えながら、適切な反応速度を得
るため、60〜160℃の範囲、好ましくは80〜13
0℃の範囲が好適である。また、反応は常圧または加圧
下でも進行するが、加圧下の方がより容易に進行する。
加圧下の場合、圧力は10〜150kg/cm2 の範
囲、好ましくは50〜100kg/cm2 の範囲で反応
を行うことが望ましい。水素添加反応の反応溶媒として
は、炭素数1〜4のアルコール、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、およびこれら
のアルコールの異性体が好適である。なお、反応溶液1
00ml当たりの2−クロロシクロドデカジエノンオキ
シムの溶解量は、0.5〜40g,好ましくは2〜20
gであることが望ましい。
物の生成および原料である2−クロロシクロドデカジエ
ノンオキシムの分解を抑えながら、適切な反応速度を得
るため、60〜160℃の範囲、好ましくは80〜13
0℃の範囲が好適である。また、反応は常圧または加圧
下でも進行するが、加圧下の方がより容易に進行する。
加圧下の場合、圧力は10〜150kg/cm2 の範
囲、好ましくは50〜100kg/cm2 の範囲で反応
を行うことが望ましい。水素添加反応の反応溶媒として
は、炭素数1〜4のアルコール、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、およびこれら
のアルコールの異性体が好適である。なお、反応溶液1
00ml当たりの2−クロロシクロドデカジエノンオキ
シムの溶解量は、0.5〜40g,好ましくは2〜20
gであることが望ましい。
【0012】
【実施例】次に、実施例および比較例によって、本発明
の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0013】実施例1 〔2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの合成〕 還流冷却器を設置した容積300mlのガラス製反応容
器にシクロドデカトリエン108.14g(0.666
mol)を入れ、−4℃に冷却し、これを攪拌しなが
ら、亜硫酸ナトリウムと塩酸との反応により発生させた
塩化ニトロシルガスを1.31mmol/minの速度
で176分間液中に導入した。その際、反応時の温度は
−4℃に維持し、塩化水素ガスも同時に480ml/分
で導入した。塩化水素ガスは、塩化ニトロシルガスの吹
き込み終了後も更に1時間前記速度で吹き込んだ。
器にシクロドデカトリエン108.14g(0.666
mol)を入れ、−4℃に冷却し、これを攪拌しなが
ら、亜硫酸ナトリウムと塩酸との反応により発生させた
塩化ニトロシルガスを1.31mmol/minの速度
で176分間液中に導入した。その際、反応時の温度は
−4℃に維持し、塩化水素ガスも同時に480ml/分
で導入した。塩化水素ガスは、塩化ニトロシルガスの吹
き込み終了後も更に1時間前記速度で吹き込んだ。
【0014】このようにして得られた反応後の混合液を
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析し
たところ、反応混合液125.69g中に、2−クロロ
シクロドデカジエノンオキシムが47.3g(0.20
8mol)生成していることが確認された。また、反応
混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析したと
ころ、シクロドデカトリエンが71.12g(0.43
8mol)残存していた。この結果、シクロドデカトリ
エンの転化率は34.2%で,消費シクロドデカトリエ
ン基準での2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの
収率は、91.3%であった。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析し
たところ、反応混合液125.69g中に、2−クロロ
シクロドデカジエノンオキシムが47.3g(0.20
8mol)生成していることが確認された。また、反応
混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析したと
ころ、シクロドデカトリエンが71.12g(0.43
8mol)残存していた。この結果、シクロドデカトリ
エンの転化率は34.2%で,消費シクロドデカトリエ
ン基準での2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの
収率は、91.3%であった。
【0015】次いで、5torrの減圧下、反応混合液
を室温で30分間攪拌して、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムを白色結晶として単離した。単離された
2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの収量は4
2.83g(0.183mol)、純度は97.4%で
あった。
を室温で30分間攪拌して、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムを白色結晶として単離した。単離された
2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの収量は4
2.83g(0.183mol)、純度は97.4%で
あった。
【0016】〔シクロドデシルアミンの合成〕容積20
0mlの耐圧反応容器に、上記の反応で得られた2−ク
ロロシクロドデカジエノンオキシム4.68g(20m
mol)と,エヌ・イーケムキャット製5%パラジウム
活性炭0.91g(2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムの0.02当量)、およびメタノール40mlを
加え、水素で70kg/cm2まで加圧した。次いで、
加熱・昇温して温度を95℃に保ち、3時間水素添加反
応を行った。反応終了後、室温まで冷却した反応混合物
から触媒を濾別し、更に、溶媒を留去して、粗シクロド
デシルアミン一塩酸塩を得た。そして、アセトニトリル
/メタノール混合溶媒から再結晶を行って、シクロドデ
シルアミン一塩酸塩3.60g(16.4mmol)を
白色固体として単離した。再結晶濾液中には、シクロド
デシルアミン一塩酸塩0.22g(0.99mmol)
とジシクロドデシルアミン一塩酸塩0.13g(0.3
3mmol)の存在していることが、NMRより判明し
た。この結果、シクロドデシルアミンの収率は87%、
シクロドデシルアミン/ジシクロドデシルアミン比は9
8/2であった。
0mlの耐圧反応容器に、上記の反応で得られた2−ク
ロロシクロドデカジエノンオキシム4.68g(20m
mol)と,エヌ・イーケムキャット製5%パラジウム
活性炭0.91g(2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムの0.02当量)、およびメタノール40mlを
加え、水素で70kg/cm2まで加圧した。次いで、
加熱・昇温して温度を95℃に保ち、3時間水素添加反
応を行った。反応終了後、室温まで冷却した反応混合物
から触媒を濾別し、更に、溶媒を留去して、粗シクロド
デシルアミン一塩酸塩を得た。そして、アセトニトリル
/メタノール混合溶媒から再結晶を行って、シクロドデ
シルアミン一塩酸塩3.60g(16.4mmol)を
白色固体として単離した。再結晶濾液中には、シクロド
デシルアミン一塩酸塩0.22g(0.99mmol)
とジシクロドデシルアミン一塩酸塩0.13g(0.3
3mmol)の存在していることが、NMRより判明し
た。この結果、シクロドデシルアミンの収率は87%、
シクロドデシルアミン/ジシクロドデシルアミン比は9
8/2であった。
【0017】比較例1 実施例1記載の〔シクロドデシルアミンの合成〕におけ
るパラジウム活性炭に変えて,酸化白金0.10g
(0.44mmol)を使用したことの他は、実施例1
と同様に反応を行った。反応終了後、同様の操作により
粗シクロドデシルアミンを得て、NMRによる分析を行
ったところ、シクロドデシルアミン11.0mmol、
ジシクロドデシルアミン4.17mmolの混合物であ
ることがわかった。この結果、シクロドデシルアミンの
収率は55%、シクロドデシルアミン/ジシクロドデシ
ルアミン比は73/27であった。
るパラジウム活性炭に変えて,酸化白金0.10g
(0.44mmol)を使用したことの他は、実施例1
と同様に反応を行った。反応終了後、同様の操作により
粗シクロドデシルアミンを得て、NMRによる分析を行
ったところ、シクロドデシルアミン11.0mmol、
ジシクロドデシルアミン4.17mmolの混合物であ
ることがわかった。この結果、シクロドデシルアミンの
収率は55%、シクロドデシルアミン/ジシクロドデシ
ルアミン比は73/27であった。
【0018】比較例2 容積50mlのガラス製反応容器に、2−クロロシクロ
ドデカジエノンオキシム2.28g(10mmol)、
酸化白金0.0954g(0.42mmol)およびメ
タノール20mlを入れ、容器内を水素置換した後、室
温で7.5時間攪拌反応させた。反応で消費される水素
は、水素を充填したゴム風船を反応容器に接続して供給
した。反応終了後、実施例1と同様の操作により粗シク
ロドデシルアミンを得て、NMRによる分析を行ったと
ころ、シクロドデシルアミン6.51mmol、ジシク
ロドデシルアミン1.70mmolの混合物であること
がわかった。この結果、シクロドデシルアミンの収率は
65%、シクロドデシルアミン/ジシクロドデシルアミ
ン比は79/21であった。
ドデカジエノンオキシム2.28g(10mmol)、
酸化白金0.0954g(0.42mmol)およびメ
タノール20mlを入れ、容器内を水素置換した後、室
温で7.5時間攪拌反応させた。反応で消費される水素
は、水素を充填したゴム風船を反応容器に接続して供給
した。反応終了後、実施例1と同様の操作により粗シク
ロドデシルアミンを得て、NMRによる分析を行ったと
ころ、シクロドデシルアミン6.51mmol、ジシク
ロドデシルアミン1.70mmolの混合物であること
がわかった。この結果、シクロドデシルアミンの収率は
65%、シクロドデシルアミン/ジシクロドデシルアミ
ン比は79/21であった。
【0019】
【発明の作用効果】本発明の方法により、シクロドデカ
トリエンから容易に合成可能で、かつ安全な出発原料で
ある2−クロロシクロドデカジエノンオキシムを使用し
て、高選択率、高収率でシクロドデシルアミンを製造す
ることができる。
トリエンから容易に合成可能で、かつ安全な出発原料で
ある2−クロロシクロドデカジエノンオキシムを使用し
て、高選択率、高収率でシクロドデシルアミンを製造す
ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−122666(JP,A) 仏国特許出願公開1528400(FR,A 1) ”Angew Chem.inter nat Edit.,”(1963)No. 2,page 688 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/35 C07C 209/40 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 シクロドデカトリエンと塩化ニトロシル
を付加反応させて合成される、2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムを、パラジウム触媒存在下に60〜1
60℃の温度範囲で水素添加することを特徴とするシク
ロドデシルアミンの製造法。
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---|---|---|---|
JP05038352A JP3111438B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | シクロドデシルアミンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP05038352A JP3111438B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | シクロドデシルアミンの製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06247906A JPH06247906A (ja) | 1994-09-06 |
JP3111438B2 true JP3111438B2 (ja) | 2000-11-20 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05038352A Expired - Fee Related JP3111438B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | シクロドデシルアミンの製造法 |
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JP (1) | JP3111438B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6559209B1 (en) | 1996-06-26 | 2003-05-06 | Bridgestone Corporation | Rubber composition and pneumatic tire |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP05038352A patent/JP3111438B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
"Angew Chem.internat Edit.,"(1963)No.2,page 688 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6172157B1 (en) | 1996-06-26 | 2001-01-09 | Bridgestone Corporation | Rubber compositions |
US6559209B1 (en) | 1996-06-26 | 2003-05-06 | Bridgestone Corporation | Rubber composition and pneumatic tire |
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