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JP3173508B2 - 動画像復号化方法、及び、動画像復号化装置 - Google Patents

動画像復号化方法、及び、動画像復号化装置

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Publication number
JP3173508B2
JP3173508B2 JP36913199A JP36913199A JP3173508B2 JP 3173508 B2 JP3173508 B2 JP 3173508B2 JP 36913199 A JP36913199 A JP 36913199A JP 36913199 A JP36913199 A JP 36913199A JP 3173508 B2 JP3173508 B2 JP 3173508B2
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JP
Japan
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circuit
field
signal
block
data
Prior art date
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JP36913199A
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幸利 坪井
貞二 岡本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Publication of JP2000152247A publication Critical patent/JP2000152247A/ja
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Publication of JP3173508B2 publication Critical patent/JP3173508B2/ja
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
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    • G06T9/004Predictors, e.g. intraframe, interframe coding

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  • Multimedia (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタル動画像データ
のデータ圧縮を行う動画像符号化方式に係り、特に動き
補償技術を用いた動画像復号化方法、及び、動画像復号
化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】データ通信回線により動画像を伝送する
ため、または、データ記録メディアに動画像を記録し再
生するためには、膨大な情報量を持つディジタル動画像
データをデータ圧縮する必要がある。動画像は、1秒あ
たり所定枚数の画面が順次送られてくるものなので、静
止画の場合と同様に画面内のデータ相関を利用してデー
タ圧縮する方法と、時間軸方向で考えて画面間のデータ
相関を利用してデータ圧縮する方法とを併用した、動画
像符号化方式が用いられる。
【0003】静止画の場合と同様に画面内のデータ相関
を利用する方法としては、予測符号化方式と変換符号化
方式とがある。予測符号化方式とは、符号化する画素の
データ値を、符号化済みの近傍の画素のデータ値から予
測し、実際のデータ値との差分値である予測誤差を量子
化する方式である。これは符号化済みの近傍の画素との
データ相関を利用するものである。また、変換符号化方
式とは、画面を所定サイズのブロックに分割し、そのブ
ロック単位で画像データを直交変換して周波数成分に変
換した後に、その周波数成分を量子化する方式である。
これは、ブロック内の画素のデータ相関を利用する方式
である。直交変換としては、アダマール変換やディスク
リートコサイン変換などがある。
【0004】時間軸方向で考えて画面間のデータ相関を
利用してデータ圧縮する方法としては、画面間予測符号
化方式と変化領域符号化方式などがある。画面間予測符
号化方式とは、符号化する画素のデータ値を、符号化済
みの前画面の画素のデータ値から予測して、その予測誤
差を符号化する方式である。これは、前画面との差分デ
ータを符号化するものである。また、変化領域符号化方
とは、前画面と比べて変化のあった領域の画像データの
みを符号化する方式である。これは、前画面からの変化
領域のみを符号化するものである。
【0005】前記の画面間予測符号化方式の一つとし
て、動き補償予測符号化方式が広く用いられている。こ
の動き補償予測符号化方式とは、画面を所定サイズのブ
ロックに分割し、そのブロック単位で、前画面の中で最
もデータ値のパターンが近い、すなわちブロック間の差
分値が最も小さくなるブロックを捜し出し、そのブロッ
クのデータ値との予測誤差、すなわち動き補償予測誤差
を符号化する方式である。もちろん、ブロックのずれ量
である動きベクトルも符号化する必要がある。例えば、
全探索により動きベクトルを検出する場合、検出範囲を
水平と垂直のそれぞれについて±7画素とすると、全部
で(2×7+1)=225回もブロック間の差分値を
計算する必要がある。しかし、前画面との差分データの
振幅を大幅に低減でき、データ圧縮率の向上が実現でき
る。隣接する画面間で画素の空間的位置がそろっている
場合、すなわちノンインターレース走査の動画像に対し
ては、この動き補償予測符号化方式が効率良く適用でき
る。しかし、隣接する画面間で画素の空間的位置がずれ
ている場合、すなわちインターレース走査の動画像に対
しては、効率良く動き補償予測を行うために多少の工夫
が必要である。
【0006】通常のテレビ信号はインターレース走査の
動画像であり、フィールドと呼ばれる画面が1秒あたり
60枚伝送され、隣合ったフィールド間で垂直方向の画
素位置が0.5ラインだけずれている。そのため、2フ
ィールドから構成されるフレームと呼ばれる画面が、1
秒あたり30枚伝送されるものとも考えられる。したが
って、前フィールドからの動き補償予測(フィールド間
動き補償予測)を用いた場合には、フィールド間の0.
5ラインの画素位置のズレの影響で、動画像における静
止領域においても動き補償予測誤差がゼロにならないと
いう問題点が生じる。また、2フィールド前のフィール
ドからの動き補償予測(フレーム間動き補償予測)を用
いた場合には、時間間隔がフィールド間と比べ2倍と長
いために、動画像における動領域においては物体の速い
動きに対する十分な動き補償ができず、動き補償予測誤
差が大きくなるという問題点が生じる。
【0007】これらの問題点を解決した、インターレー
ス画像に対する従来の動き補償予測符号化方式として
は、例えば特開昭59−128881号公報に記載され
た動き補償フレーム間フィールド間符号化装置に用いら
れている方式が知られている。これは、フィールド間の
動きベクトルとフレーム間の動きベクトルの両方を検出
し、ブロック単位でどちらか適したほうの動きベクトル
を使用して、動き補償予測符号化を行う方式である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、フィールド間とフレーム間の両方の動きベクトルを
検出し、どちらかの動きベクトルを選択して動き補償を
行っているが、動き補償予測誤差の低減を実現する上で
十分なものではなかった。そこで、本発明の目的は、動
画像における動き補償予測誤差の低減を実現することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、インターレース走査された動画像信号の
フィールドに対して、動き補償を用いてブロック単位で
の予測信号を生成し、該予測信号と入力された予測符号
化データとを用いて動画像信号を再生する動画像復号化
において、既に再生された1フィールド前のフィールド
の動画像信号から予測信号を生成する処理と、既に再生
された2フィールド前のフィールドの動画像信号から予
測信号を生成する処理と、既に再生された1フィールド
前のフィールドの動画像信号と既に再生された2フィー
ルド前のフィールドの動画像信号の両方を用いて両信号
が混合された予測信号を生成する処理と、のいずれかを
選択的に用いて、前記予測信号を生成する構成とする。
【0010】なお、その具体的な手段の例としては、
フィールドと現フィールドとの間で動きベクトルを検出
すると同時に、動き量に応じて、1フィールド前 また
は、2フィールド前の画素値から動き適応ライン補間処
理で生成した補間フィールドと現フィールドとの間でも
動きベクトルを検出し、両方の動きベクトルの中で動き
補償予測誤差が小さくなる方を選択して、動き補償予測
符号化を行うようにした
【0011】動き適応ライン補間処理では、まず当該フ
ィールドの補間すべき画素の位置における動き量を検出
する。例えば、実際に存在する0.5ライン下の画素に
対して、2フィールド前のフィールドとの差分、すなわ
ちフレーム差分を求めて動き量とする。動き量は、動き
がほとんどないときは0、動きがある程度以上大きいと
きは1、その中間のときは0から1の間の値をとる。次
に、その動き量に応じて静止領域用の第1の補間値と動
領域用の第2の補間値との重み付け平均値を、補間すべ
き当該画素の動き適応補間値として出力する。第1の補
間値は、静止領域用であり、補間すべき当該画素と対応
する位置にある直前のフィールドの画素値そのものであ
る。また第2の補間値は、動領域用であり、補間すべき
当該画素の近傍に存在する同一フィールド内の複数個の
画素値の重み付け平均値である。
【0012】例えば、0.5ラインだけ上と下にある2
つの画素値の平均値である。
【0013】動きベクトル検出処理では、前フィールド
と現フィールドとの間の第1の動きベクトル検出処理
と、動き適応ライン補間により生成された補間フィール
ドと現フィールドとの間における第2の動きベクトル検
出処理が行われる。第1の動きベクトル検出処理によ
り、従来例と同様に第1のフィールド間動き補償が実現
される。ただし、インターレース走査のため、動きベク
トルの垂直成分は±0.5,±1.5,……といった値
となる。
【0014】静止領域では動き量が0であり、補間フィ
ールドの画素値は実際には2フィールド前の画素値とな
っているので、第2の動きベクトル検出処理により、従
来例と同様にフレーム間動き補償が実現される。また、
動領域では動き量が1であり、補間フィールドの画素値
は実際には前フィールドにおける近傍の画素値の重み付
け平均値となっているので、第2の動きベクトル検出処
理により、従来例とは異なり第2のフィールド間動き補
償が実現される。ただし、動きベクトルの垂直成分は
0,±1,±2,……といった値をとる。なお、動き量
が0と1との間の値をとる場合には、上記の2つの動き
補償を混合した特殊な動き補償処理となる。
【0015】このように、動領域、静止領域、および、
その中間領域で、フィールド間動き補償とフレーム間動
き補償、および、2フィールドが混合された予測信号に
よる動き補償を適応的に切替えて行うことができる。し
たがって、動き補償予測誤差を低減し、動き補償予測の
性能を向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳しく
説明する。
【0017】図1は、本発明による動き補償予測符号化
方式を適用した動画像符号化システムにおける、データ
圧縮を実現する動画像符号化装置の第1の実施例のブロ
ック図である。また、図2は、図1に示した動画像符号
化装置と共に動画像符号化システムを構成するもので、
データ伸長を実現する動画像復号化装置のブロック図で
ある。
【0018】図1の動画像符号化装置において、1は画
像データの入力端子、2はスキャン変換回路、3はデー
タ遅延回路、4はデータ減算回路、5は直交変換回路、
6は量子化回路、7は可変長符号化回路、8はデータ多
重回路、9はバッファメモリ、10は符号化データの出
力端子、11は逆量子化回路、12は逆直交変換回路、
13はデータ加算回路、14aと14bはフィールドメ
モリ、15は動き補償回路、16は動きベクトル検出回
路、17は動きベクトル符号化回路、32は動き適応ラ
イン補間回路である。
【0019】図2の動画像復号化装置において、18は
符号化データの入力端子、19はバッファメモリ、20
はデータ分離回路、21は可変長復号化回路、22は逆
量子化回路、23は逆直交変換回路、25はデータ加算
回路、26はスキャン逆変換回路、27は画像データの
出力端子、28aと28bはフィールドメモリ、29は
動き補償回路、30は動きベクトル復号化回路、33は
動き適応ライン補間回路である。
【0020】まず、図1の動画像符号化装置の動作を説
明する。映像信号がディジタル化された原画像データが
入力端子1から入力され、スキャン変換回路2でその原
画像データの順番がラスタスキャンからブロックスキャ
ンに変換される。この様子を図6に示す。(a)に示す
ように、表示走査通りに左から右の画素へ、そして上か
ら下の画素へ順番にスキャンされるラスタスキャンで、
原画像データは入力端子1から入力される。そして、以
降の符号化の処理単位が8×8画素のブロックであるた
めに、スキャン変換回路2では、(a)のラスタスキャ
ンから(b)のブロックスキャンへ、原画像データの順
番が並び変えられる。(b)に示すように、ブロックス
キャンとは、ブロック内は上から下の画素へ、そして左
から右の画素へ順番にスキャンされ、かつブロック間は
左から右のブロックへ、そして上から下のブロックへ順
番にスキャンされるものである。
【0021】ブロックスキャンに順番が変換された原画
像データは、データ遅延回路3で所定時間だけ遅延され
た後に、データ減算回路4で動き補償予測画像データが
減算され、動き補償予測誤差データが生成される。デー
タ遅延回路3における遅延時間は後述する動きベクトル
検出回路16の処理時間を補償するためのものである。
動き補償予測画像データは、既に符号化処理済みの過去
のフィールドの画像データから動き補償により予測され
た画像データであり、動き補償回路15から出力される
ものである。
【0022】動き補償予測誤差データに対して、8×8
画素をブロックとする2次元ディスクリートコサイン変
換の処理が直交変換回路5で行われ、周波数成分に相当
する直交変換後の変換係数は、量子化回路6で所定の量
子化ステップ幅で量子化される。そして、量子化後の変
換係数には、発生頻度が高いデータには短い符号を、逆
に発生頻度が低いデータには長い符号を割り当てるよう
に、可変長符号化回路7で符号割り当てが行われる。
【0023】この画像符号化データは、付加情報の動き
ベクトル符号化データ、および量子化ステップ幅の情報
により、データ多重回路8で多重され、一旦バッファメ
モリ9に保持された後に、出力端子10から符号化デー
タとして出力される。ここで、動きベクトル符号化デー
タは、動き補償に用いられる動きベクトルの情報であ
り、動きベクトル符号化回路17から出力されるもので
ある。また、バッファメモリ9に蓄えられているデータ
量、すなわちバッファメモリ占有率に応じて、バッファ
メモリ9は量子化ステップ幅を決定してその情報を出力
する。バッファメモリ占有率が高くなった場合は量子化
ステップ幅を大きく、逆にバッファメモリ占有率が低く
なった場合は量子化ステップ幅を小さく制御する。
【0024】さて、量子化回路6から出力された量子化
後の変換係数は、逆量子化回路11で変換係数に戻され
た後に、逆直交変換回路12で逆ディスクリートコサイ
ン変換により予測誤差データに戻される。データ加算回
路13では、データ減算回路4で減算に使用された動き
補償予測画像データが、この局部復号化された予測誤差
データに加算され、局部復号化画像データが生成され
る。この局部復号化画像データは、動画像符号化装置と
対になる動画像復号化装置でデータ伸長により再生され
る画像データで、以降の動き補償予測画像データを生成
するために用いられる。
【0025】局部復号化画像データに対しては、動き適
応ライン補間回路32でライン間の画像データが補間生
成され、第1のフィールドメモリ14aには実際に存在
する実画像データが、第2のフィールドメモリ14bに
は補間により生成された補間画像データが順次書き込ま
れる。この現フィールドの局部復号化された実画像デー
タと補間画像データは、次フィールドの原画像データの
符号化の際に必要な動き補償予測画像データを生成する
ために用いられる。
【0026】動き補償回路15は、動きベクトル検出回
路16で検出された動きベクトルに従って、フィールド
メモリ14aに保持された前フィールドの局部復号化後
の実画像データか、またはフィールドメモリ14bに保
持された前フィールドの局部復号化後の補間画像データ
を、ブロック単位でずらして動き補償予測画像データと
して出力する。動きベクトル検出回路16は、現フィー
ルドの現ブロックの原画像データを、フィールドメモリ
14aまたは14bに保持された前フィールドの局部復
号化された画像データと画素単位でずらしながら比較
し、最もブロック間のブロック差分値が小さくなるブロ
ックのずれ量を、動きベクトルとして検出して出力す
る。なお、この動きベクトルは、動きベクトル符号化回
路17において、前ブロックとの各成分を可変長符号化
される。
【0027】次に、図2の動画像復号化装置の動作を説
明する。入力端子18から入力された符号化データは、
一旦バッファメモリ19に保持された後に、データ分離
回路20で画像符号化データと、付加情報である動きベ
クトル符号化データ、量子化ステップ幅の情報が分離さ
れる。量子化後の変換係数の符号化データである画像符
号化データは、まず可変長復号化回路21で復号化さ
れ、逆量子化回路22で変換係数に戻された後に、逆直
交変換回路23で逆ディスクリートコサイン変換により
予測誤差データに戻される。
【0028】そして、この復号化された予測誤差データ
には、データ加算回路25で動き補償予測画像データが
加算され、再生画像データが生成される。復号化により
再生された画像データは、スキャン逆変換回路26でブ
ロックスキャンからラスタスキャンに順番が変換され、
出力端子27から再生画像データとして出力される。
【0029】なお、再生画像データに対しては、動き適
応ライン補間回路33でライン間の画像データが補間生
成され、第1のフィールドメモリ28aには実際に存在
する実画像データが、第2のフィールドメモリ28bに
は補間により生成された補間画像データが順次書き込ま
れる。この現フィールドの復号化により再生され実画像
データと補間画像データは、次フィールドの再生画像デ
ータを復号化により再生する際に必要な動き補償予測画
像データを生成するために用いられる。
【0030】次に、図1の動画像符号化装置における動
き適応ライン補間回路32の構成と動作について詳しく
説明する。図3は動き適応ライン補間回路32の詳細な
ブロック図、図4は動き適応ライン補間回路32の処理
内容を示す概念図である。
【0031】図3に示す動き適応ライン補間回路32に
おいて、38はスキャン逆変換回路、39は263ライ
ン遅延回路、40は262ライン遅延回路、41はエッ
ジ検出回路、42は動き検出回路、43は混合比生成回
路、45はライン遅延回路、46はデータ加算回路、4
7は1/2乗算回路、49と50はデータ乗算回路、5
1はデータ加算回路、44、48、および52はデータ
遅延回路である。
【0032】まず、スキャン逆変換回路38で、入力さ
れた現フィールドの画像データは、ブロックスキャンか
ら表示走査と同じラスタスキャンの順番に並び換えられ
る。
【0033】そして、現フィールドの画像データは26
3ライン遅延回路39に与えられ、263ライン遅延回
路39の出力の画像データはさらに262ライン遅延回
路40に与えられる。インターレース走査の画像データ
の1フィールドは262.5ラインからなっているの
で、263ライン遅延回路39からは、現フィールドよ
りも1フィールド前で、現ラインよりも0.5ライン上
の位置の画像データが出力される。また、262ライン
遅延回路40からは現フィールドよりもちょうど2フィ
ールド前で、現ラインと同一の位置の画像データが出力
される。
【0034】動き検出回路42では、現フィールドの現
ラインの画像データと、現フィールドのちょうど2フィ
ールド前で、現ラインと同一位置の画像データとの差
分、すなわちフレーム差分が計算され、その差分値から
0と1の間の値をとる動き量が生成される。所定の第1
のしきい値よりもフレーム差分が大きい場合には、動き
量は動画モードを示す1の値を、所定の第2のしきい値
よりもフレーム差分が小さい場合には、動き量は静止画
モードを示す0の値をとる。当然、第1のしきい値は第
2のしきい値よりも大きな値であり、フレーム差分が両
方のしきい値の間の値である場合には、動き量は0と1
との間の値をとる。
【0035】エッジ検出回路41では、現フィールドの
画像データに対して空間内でのハイパスフィルタがかけ
られ、その出力値から0と1の間の値をとるエッジ量が
生成される。このエッジ量は、画面内のエッジの強さに
対応した値であり、エッジがないと考えられる平坦な部
分では0の値を、エッジがあると考えられる急峻な部分
では1の値を、その中間の場合には、0と1との間の値
をとる。このエッジ量は動き検出回路42に入力され、
エッジ量に従って動き検出回路で用いられる2つのしき
い値が可変制御される。すなわち、エッジ量が小さい場
合には、2つのしきい値は小さく、エッジ量が大きい場
合には、2つのしきい値は大きくなる。
【0036】これは、エッジの強い部分では動き検出の
感度を弱めることに相当する。
【0037】混合比生成回路43では、動き検出回路4
2で生成された動き量から、2種類のライン補間値を重
み付け混合する際の混合比kmが生成される。混合比k
mは0と1との間をとる離散値であり、0,1/8,2
/8,……1という9つの値をとりうる。動き量が小さ
いときは混合比は小さな値をとり、逆に動き量が大きい
とき混合比は大きな値をとる。この混合比kmが0のと
きは静止画モードのライン補間値が用いられ、この混合
比kmが1のときは動画モードのライン補間値が用いら
れる。
【0038】さて、現フィールドにおける現ラインの
0.5ライン上に位置する補間ラインの画像データとし
ては、次に示す2種類のライン補間値が混合されて生成
される。静止画モードのライン補間値は1フィールド前
値であり、263ライン遅延回路39の出力、すなわち
補間ラインの1フィールド前で補間ラインと同一の位置
にある画像データの値が用いられる。また、動画モード
のライン補間値は上下ライン平均値であり、現ラインの
画像データとライン遅延回路45の出力である1ライン
前の画像データがデータ加算回路46で加算された後に
1/2乗算回路47で1/2との値に変換され、生成さ
れた平均値が用いられる。ここで、データ遅延回路44
と48は、エッジ検出回路41、動き検出回路42、お
よび混合比生成回路43における処理時間を補償するた
めのものである。
【0039】混合比生成回路43の出力である混合比k
mの値に応じて、まず、静止画モードのライン補間値で
ある1フィールド前値には、データ乗算回路49で(1
−km)という値が掛けられ、また、動画モードのライ
ン補間値である上下ライン平均値には、データ乗算回路
50でkmという値が掛けられる。そして、49と50
の両方のデータ乗算回路の出力がデータ加算回路51で
加算され、補間画像データとして出力される。一方、現
フィールドの現ラインの画像データが、データ遅延回路
52で上記の補間画像データ生成の処理時間が補償され
た後に、補間画像データと併せて実画像データとして出
力される。
【0040】図4は、以上説明した動き適応ライン補間
回路32の処理内容、すなわち補間ラインの画像データ
の生成方法の概念を示している。〇印はインターレース
走査される動画像の各ラインを示しており、×印は動き
適応ライン補間の処理により生成される補間ラインを示
している。現ラインの画像データと、525ライン前の
画像データの両者から動き検出が行われて混合比kmが
生成され、263ライン前の画像データ、および現ライ
ンの画像データと、1ライン前の画像データの平均値
が、その混合比kmに応じて重み付け混合される。
【0041】なお、動画像復号化装置における動き適応
ライン補間回路33の構成と動作も、以上説明した動画
像符号化装置における動き適応ライン補間回路32の場
合と全く同じである。
【0042】次に、図1の動画像符号化装置における動
き補償回路15の構成と動作について詳しく説明する。
図8は動き補償回路15の詳細なブロック図、図5は動
き補償回路15の処理内容を示す概念図である。
【0043】図8に示す動き補償回路15において、5
3と55は拡張ブロックデータ生成回路、54と56は
シフトブロック出力回路、57は動きベクトル垂直成分
判定回路、58はデータ切り換え回路である。
【0044】まず、図1のフィールドメモリ14aに保
持されていた前フィールドの実画像データが、図3の拡
張ブロックデータ生成回路53に入力され、現ブロック
に対応する拡張ブロックの画像データが出力される。同
様に、フィールドメモリ14bに保持されていた前フィ
ールドの動き適応ライン補間による補間画像データが、
拡張ブロックデータ生成回路55に入力され、現ブロッ
クに対応する拡張ブロックの画像データが出力される。
図7に示す通り、拡張ブロックとは8×8画素の現ブロ
ックを含む近傍の9ブロックが統合されたものであり、
現ブロックを中心として24×24画素の大きさを持
つ。
【0045】図9に、拡張ブロックデータ生成回路53
のさらに詳細なブロック図を示す。
【0046】この拡張ブロックデータ生成回路53にお
いて、59と60はブロックライン遅延回路、61〜6
6はブロック遅延回路である。ブロックライン遅延回路
59と60は、8×8画素のブロックの水平一列分であ
る1ブロックライン分だけ、すなわち8ライン分だけ入
力のブロックデータを遅延させるもので、ブロック遅延
回路61〜66は、8×8画素のブロックの1ブロック
分だけ入力のブロックデータを遅延させるものである。
【0047】ブロックライン遅延回路59とブロックラ
イン遅延回路60とは縦続接続され、かつブロック遅延
回路61と62,63と64、および65と66は、そ
れぞれ縦続接続されている。まず、図8の拡張ブロック
データ生成回路53に入力されたブロックデータは、図
9のブロックライン遅延回路59とブロック遅延回路6
1に与えられる。また、ブロックライン遅延回路59の
出力のブロックデータはブロック遅延回路63に渡さ
れ、ブロックライン遅延回路60の出力のブロックデー
タはブロック遅延回路65に渡される。
【0048】そして、図9の中にa〜iの記号で示し
た、ブロック遅延回路61〜66の入力や出力である9
種類のブロックデータがまとめられ、拡張ブロックデー
タとして出力される。各ブロックデータは、図7の中に
a〜iの記号で示した9個のブロックのブロックデータ
に相当する。拡張ブロックの中心である現ブロックはブ
ロックaで、動き補償回路15に入力されているブロッ
クiに対して、1ブロックラインと1ブロック分だけ遅
延している。なお、図8の拡張ブロックデータ生成回路
55の構成と動作も全く同様である。
【0049】さて、図8のシフトブロック出力路54で
は、拡張ブロックデータ生成回路53から与えられた、
前フィールドの実画像データにおける現ブロックを中心
とする拡張ブロックの画像データから、その一部分であ
るシフトブロックの画像データが抜き出される。同様
に、シフトブロック出力回路56では、拡張ブロックデ
ータ生成回路の55から与えられた、前フィールドの補
間画像データにおける現ブロックを中心とする拡張ブロ
ックの画像データから、その一部分であるシフトブロッ
クの画像データが抜き出される。
【0050】図7に示す通り、シフトブロックとは拡張
ブロックの一部分を成す8×8画素のブロックであり、
中心の現ブロックの位置から所定のシフトベクトル分だ
けずれた位置から抜き出されたものである。後述するよ
うに、シフトベクトルの値の範囲は、水平方向も垂直方
向も±7画素であり、シフトブロックは必ず拡張ブロッ
クの内部に存在する。
【0051】動きベクトル値の範囲は、水平方向が1画
素単位で±7画素、垂直方向は0.5画素単位で±7画
素である。そして、図1の動き補償回路15に入力され
た動きベクトルから、図8の動きベクトル垂直成分判定
回路57において、シフトブロック出力回路54と56
に共通に与えられるシフトベクトルと、データ切り換え
回路58に与えられるシフトブロック選択信号とが生成
される。シフトベクトルは、動きベクトルの垂直成分の
小数部を切り捨てることにより生成されるので、その値
の範囲は、水平方向も垂直方向も1画素単位で±7画素
である。また、シフトブロック選択信号は、動きベクト
ルの垂直成分の小数部が0のときは、“0”、小数部が
0.5のときは“1”となるように生成される。
【0052】シフトブロック出力回路54の出力である
前フィールドの実画像データにおけるシフトブロック
と、シフトブロック出力回路56の出力である前フィー
ルドの補間画像データにおけるシフトブロックのどちら
かが、データ切り換え回路58で選択され、動き補償予
測画像データとして出力される。このデータ切り換え回
路58は、垂直成分判定回路57から与えられるシフト
ブロック選択信号が“0”のときは補間画像データのシ
フトブロックを、“1”のときは実画像データのシフト
ブロックを選択する。
【0053】後述する図1の動きベクトル検出回路16
では、その処理に1ブロックラインと1ブロック分の処
理時間がかかり、動き補償回路15に入力されているブ
ロックiに対する、現ブロックとして扱われるブロック
aの遅延時間と等しい。したがって、シフトブロック出
力回路54や56では、現ブロックaを中心とする拡張
ブロックに対し、タイミングの合ったシフトベクトルが
与えられ、正しいシフトブロックが抜き出されることに
なる。
【0054】図5は、以上説明した動き補償回路15の
処理内容、および動き補償の方法の概念を示している。
太い黒枠は現フィールドの現ブロックで、〇印がブロッ
ク内の画素を示している。また、細い黒枠は動き適応ラ
イン補間回路32により生成された前フィールドの動き
補償予測ブロックで、●印がブロック内の実画像データ
の画素を、×印がブロック内の補間画像データの画素を
示している。ただし、ここでは図の簡易化のために、ブ
ロックのサイズを水平8画素×垂直4画素として図示し
ている。
【0055】動きベクトルの垂直成分が整数、すなわち
小数部が0の場合は、(a)に示すように動き補償予測
ブロックの×印で示された補間画像データの画素が、現
ブロックの〇印で示された画素と対応する形となる。そ
れに対して、動きベクトルの垂直成分が整数と0.5と
の和、すなわち小数部が0.5の場合は、(b)に示す
ように動き補償予測ブロックの●印で示された実画像デ
ータの画素が、現ブロックの〇印で示された画素と対応
する形となる。そして、データ減算回路4において、太
い黒枠で示された現フィールドの現ブロックの画像デー
タから、細い黒枠で示された動き適応ライン補間回路3
2により生成された前フィールドの動き補償予測ブロッ
クの画像データが減算されて、動き補償の処理が行われ
ることになる。
【0056】なお、動画像復号化装置における動き補償
回路29の構成と動作も、以上説明した動画像符号化装
置における動き補償回路15の場合と全く同じである。
【0057】最後に、図1の動きベクトル検出回路16
の構成と動作について詳しく説明する。図10が動きベ
クトル検出回路16の詳細なブロック図である。
【0058】図10に示す動きベクトル検出回路16に
おいて、67はデータ遅延回路、68と69は拡張ブロ
ックデータ生成回路、70a〜70z、および73a〜
73zはシフトブロック出力回路、71a〜71z、お
よび74a〜74zはブロック差分値生成回路、75は
最小値検出・動きベクトル生成回路である。
【0059】まず、拡張ブロックデータ生成回路68に
おいて、図1のフィールドメモリ14aに保持されてい
た前フィールドの実画像データから、拡張ブロックの画
像データが生成される。同様に、拡張ブロックデータ生
成回路69において、フィールドメモリ14bに保持さ
れていた前フィールドの動き適応ライン補間による補間
画像データから、拡張ブロックの画像データが生成され
る。なお、拡張ブロックデータ生成回路68と69の構
成と動作は、図9と図7を用いて既に説明した、動き補
償回路15における拡張ブロックデータ生成回路53の
場合と同じである。
【0060】シフトブロック出力回路70a〜70z
は、動きベクトル検出範囲内で存在しうる全シフトベク
トルの個数分だけあり、各シフトブロック出力回路70
a〜70zには全て異なるシフトベクトルが与えられて
いる。動きベクトル検出範囲は、水平方向も垂直方向も
±7画素であり、シフトベクトルは水平方向も垂直方向
も1画素単位で存在しうるので、シフトブロック出力回
路70a〜70zの個数は、全部で(2×7+1)
225個である。
【0061】これにより、シフトブロック出力回路70
a〜70zからは、拡張ブロックの中で抜き出しが可能
な、全種類のシフトブロックの画像データが出力される
ことになる。なお、シフトブロックデータ出力回路70
a〜70zの構成と動作も、前述した動き補償回路15
におけるシフトブロック出力回路54の場合と同じであ
る。
【0062】ブロック差分値生成回路71a〜71zも
シフトブロック出力回路70a〜70zと同様に225
個ある。ブロック差分値生成回路71aには、シフトブ
ロック出力回路70aの出力である前フィールドにおけ
る第1のシフトブロックの画像データと、データ遅延回
路67で所定時間だけ遅延された現フィールドにおける
現ブロックの現画像データとが入力される。このデータ
遅延回路67は、拡張ブロックデータ生成回路68と6
9での処理時間を補償するものであり、1ブロックライ
ンと1ブロック分だけのデータ遅延を実現するものであ
る。そして、2つのブロックに対して、対応する位置の
画素間で画像データの差分がとられた後に、8×8=6
4個の差分値が合計されてブロック差分値が生成され
る。また、ブロック差分値生成回路71b〜71zの動
作も同様である。
【0063】次に、シフトブロック出力回路73a〜7
3zも225個あり、各シフトブロック出力回路73a
〜73zには全て異なるシフトベクトルが与えられてい
る。そのため、シフトブロック出力回路73a〜73z
からは、前フィールドにおける補間画像データの拡張ブ
ロックの中で抜き出しが可能な、全種類のシフトブロッ
クの画像データが出力されることになる。なお、シフト
ブロック出力回路73a〜73zの構成と動作も、前述
した動き補償回路15におけるシフトブロック出力回路
54の場合と同様である。
【0064】ブロック差分値生成回路74a〜74zも
225個あり、各シフトブロック出力回路73a〜73
zの出力である前フィールドの各シフトブロックの画像
データと、データ遅延回路67で所定時間だけ遅延され
た現フィールドにおける現ブロックの現画像データとが
入力される。そして、各ブロック差分値生成回路74a
〜74zでは、2つのブロックに対して、対応する位置
の画素間で画像データの差分がとられた後に、64個の
差分値が合計されてブロック差分値が生成される。
【0065】すなわち、拡張ブロックデータ生成回路6
8、シフトブロック出力回路70a〜70z、およびブ
ロック差分値生成回路71a〜71zでは、前フィール
ドの実画像データにおいて存在しうる全シフトブロック
と、現フィールドにおける現ブロックとのブロック差分
値が生成される。
【0066】また、拡張ブロックデータ生成回路69、
シフトブロック出力回路73a〜73z、およびブロッ
ク差分値生成回路74a〜74zでは、前フィールドの
補間画像データにおいて現在しうる全シフトブロック
と、現フィールドにおける現ブロックとのブロック差分
値が生成される。
【0067】そして、最小値検出・動きベクトル生成回
路75では、生成された全てのブロック差分値が比較さ
れて最小値が検出され、最小値をとるブロック差分値の
番号から動きベクトルが生成されて出力される。すなわ
ち、最小値をとるブロック差分値がブロック差分値生成
回路74a〜74zのいずれかの出力である場合には、
対応するシフトブロック出力回路73a〜73zに設定
されているシフトベクトルがそのまま動きベクトルとし
て用いられる。また、最小値をとるブロック差分値がブ
ロック差分値生成回路71a〜71zのいずれかの出力
である場合には、対応するシフトブロック出力回路70
a〜70zに設定されているシフトベクトルの垂直成分
の値が0.5だけ減らされ、動きベクトルとして用いら
れる。
【0068】図11は、本発明に係る動き補償動画像符
号化方式を適用した動画像符号化システムにおける、デ
ータ圧縮を実現する動画像符号化装置の第2の実施例の
ブロック図である。また、図12は、図11に示した動
画像符号化装置と共に動画像符号化システムを構成する
もので、データ伸長を実現する動画像復号化装置のブロ
ック図である。
【0069】図11の動画像符号化装置において、1は
画像データの入力端子、2はスキャン変換回路、3はデ
ータ遅延回路、4はデータ減算回路、5は直交変換回
路、6は量子化回路、7は可変長符号化回路、8はデー
タ多重回路、9はバッファメモリ、10は符号化データ
の出力端子、11は逆量子化回路、12は逆直交変換回
路、12はデータ加算回路、14aと14bはフィール
ドメモリ、15は動き補償回路、16は動きベクトル検
出回路、17は動きベクトル符号化回路、32と34は
動き適応ライン補間回路、35aと35bはフィールド
メモリである。
【0070】図12の動画像復号化装置において、18
は符号化データの入力端子、19はバッファメモリ、2
0はデータ分離回路、21は可変長復号化回路、22は
逆量子化回路、23は逆直交変換回路、25はデータ加
算回路、27は画像データの出力端子、28aと28b
はフィールドメモリ、29は動き補償回路、30は動き
ベクトル復号化回路、33は動き適応ライン補間回路、
37は倍速変換回路である。
【0071】まず、図11の動画像符号化装置の動作を
説明する。入力端子1から入力された原画像データは、
スキャン変換回路2でラスタスキャンからブロックスキ
ャンに順番が変更され、データ遅延回路3で所定時間だ
け遅延された後に、データ減算回路4で動き補償予測画
像データが減算され、動き補償予測誤差データが生成さ
れる。動き補償予測画像データは、動き補償回路15か
ら出力されるものである。
【0072】そして、直交変換回路5、量子化回路6、
および可変長符号化回路7により、動き補償予測誤差デ
ータに対してディスクリートコサイン変換による符号化
が行われ、画像符号化データが生成される。この画像符
号化データは、付加情報の動きベクトル符号化データお
よび量子化ステップ幅の情報とデータ多重回路8で多重
され、一旦バッファメモリ9に保持された後に、出力端
子10から符号化データとして出力される。ここで、動
きベクトル符号化データは、動きベクトル符号化回路1
7から出力されるものである。
【0073】量子化回路6の出力である量子化後の変換
係数は、逆量子化回路11と逆直交変換回路12で局部
復号化され、動き補償予測誤差データに戻される。そし
て、データ加算回路13で、動き補償予測画像データが
加算され、局部復号化画像データが生成される。この局
部復号化画像データに対しては、動き適応ライン補間回
路32でライン間の画像データが補間生成され、第1の
フィールドメモリには実際に存在する実画像データが、
第2のフィールドメモリには補間により生成された補間
画像データが順次書き込まれる。
【0074】動き補償回路15は、動きベクトル検出回
路16で検出された動きベクトルに従って、フィールド
メモリ14aと14bに保持された前フィールドの局部
復号化後の実画像データ、または補間画像データを、ブ
ロック単位でずらして動き補償予測画像データとして出
力する。以上の符号化処理に関しては、前述した図1の
動画像符号化装置の場合と全く同じである。
【0075】ただし、動きベクトル検出の処理が、図1
の動画像符号化装置の場合とは異なる。現フィールドの
画像データは、動き適応ライン補間回路34でライン間
の画像データが補間生成された後に、フィールドメモリ
35aには実画像データが、フィールドメモリ35bに
は補間画像データが順次書き込まれる。動きベクトル検
出回路16は、現フィールドの現ブロックの原画像デー
タを、フィールドメモリ35aまたは35bに保持され
た前フィールドの原画像データと画素単位でずらしなが
ら比較し、最もブロック間のブロック差分値の小さくな
るブロックのずれ量を、動きベクトルとして検出して出
力する。
【0076】前述した図1の動画像符号化装置では、符
号化後に局部復号化された再生画像の過去のフィールド
から、現フィールドにおける現ブロックの動きベクトル
が検出されるが、この図11に示す動画像符号化装置で
は、原画像の過去のフィールドから、現フィールドにお
ける現ブロックの動きベクトルが検出される。このよう
に、符号化歪が混入していない原画像を用いて動きベク
トルを検出しているので、より正確な動きベクトルの検
出が可能となり、動画像復号化装置においては符号化歪
の目立たない再生画像が得られ、画質向上が実現でき
る。
【0077】なお、動き適応ライン補間回路32と34
の詳細な構成と動作は、前述した図1の動画像符号化装
置における動き適応ライン補間回路32の場合と全く同
じである。また、動き補償回路15と動きベクトル検出
回路16の詳細な構成と動作は、それぞれ前述した図1
の動画像符号化装置における動き補償回路15と動きベ
クトル検出回路16の場合と全く同じである。
【0078】次に、図12の動画像復号化装置の動作を
説明する。入力端子18から入力された符号化データ
は、一旦バッファメモリ19に保持された後に、データ
分離回路20で画像符号化データと、付加情報の動きベ
クトル符号化データ、量子化ステップ幅の情報が分離さ
れる。画像符号化データは、可変長復号化回路21、逆
量子化回路22、および逆直交変換回路23により復号
化され、動き補償予測誤差データに戻される。そして、
この復号化された動き補償予測誤差データには、データ
加算回路25で動き補償予測画像データが加算され、再
生画像データが生成される。この再生画像データに対し
ては、動き対応ライン補間回路33でライン間の画像デ
ータが補間され、実画像データと補間画像データが生成
されると同時に、ブロックスキャンからラスタスキャン
に画像データの順番が変換される。倍速変換回路37で
は、これらの実画像データと補間画像データとを対応す
るライン単位で多重することにより、1フィールドが通
常の2倍のライン数であり、かつノンインターレース走
査の倍速再生画像データが生成され出力される。
【0079】さらに、動き適応ライン補間回路33の出
力である実画像データと補間画像データは、それぞれフ
ィールドメモリ28aと28bとに順次書き込まれる。
そして、動き補償回路29は、動きベクトル復号化回路
30で復号化された動きベクトルに従って、フィールド
メモリ28aと28bに保持された前フィールドの復号
化後の実画像データ、または補間画像データを、ブロッ
ク単位でずらして動き補償予測画像データとして出力す
る。
【0080】前述した図2の動画像復号化装置では、デ
ータ加算回路25の出力がスキャン逆変換回路26を通
過した後に、そのまま再生画像データとして出力される
が、この図12に示す動画像復号化装置では、データ加
算回路25の出力が動き適応ライン補間回路33でその
ライン数が2倍に増やされ、倍速変換回路37でノンイ
ンターレース走査の倍速再生画像となって出力される。
このように、ノンインターレース走査の動き適応ライン
補間された倍速再生画像が出力されるので、動きがなめ
らかでチラツキがない再生画像が得られ、画質向上が実
現できる。
【0081】なお、動き適応ライン補間回路33、動き
補償回路29の詳細な構成と動作は、前述した図1の動
画像符号化装置における動き適応ライン補間回路32、
動き補償回路15の場合と全く同じである。
【0082】以上、本発明に係る動き補償動画像符号化
方式を適用した動画像符号化システムを構成する、動画
像符号化装置と動画像復号化装置に関して、2種類の実
施例を示した。当然のことながら、動画像符号化装置の
第1の実施例と、動画像復号化装置の第2の実施例を組
み合わせることは可能であり、逆に、動画像符号化装置
の第2の実施例と動画像復号化装置の第1の実施例を組
み合わせることも可能である。
【0083】さて、図13は、本発明による動き補償動
画像符号化方式を適用した動画像符号化システムにおけ
る、データ圧縮を実現する動画像符号化装置の第3の実
施例のブロック図である。また、図14は、図13に示
した動画像符号化装置と共に動画像符号化システムを構
成するもので、データ伸長を実現する動画像復号化装置
のブロック図である。
【0084】図13の動画像符号化装置において、1は
画像データの入力端子、2はスキャン変換回路、3はデ
ータ遅延回路、4はデータ減算回路、5は直交変換回
路、6は量子化回路、7は可変長符号化回路、8はデー
タ多重回路、9はバッファメモリ、10は符号化データ
の出力端子、11は逆量子化回路、12は逆直交変換回
路、13はデータ加算回路、14aと14bはフィール
ドメモリ、15は動き補償回路、16は動きベクトル検
出回路、76は動き適応ライン補間回路、77はデータ
選択回路、78は符号化モード決定回路、79は付加情
報符号化回路である。
【0085】図14の動画像復号化装置において、18
は符号化データの入力端子、19はバッファメモリ、2
0はデータ分離回路、21は可変長復号化回路、22は
逆量子化回路、23は逆直交変換回路、25はデータ加
算回路、27は画像データの出力端子、28aと28b
はフィールドメモリ、29は動き補償回路、80は動き
適応ライン補間回路、81と86はデータ選択回路、8
2は出力画像決定回路、83は再生モードの入力端子、
84は付加情報の復号化回路である。
【0086】まず、図13の動画像符号化装置の動作を
説明する。この動画像符号化装置は、データ圧縮後の符
号化データを、光ディスク等の大容量データ記録メディ
アに記録するために用いられる。対応する図14の動画
像復号化装置において、記録された動画像の途中のシー
ンから再生可能とするために、所定フィールド数ごとに
周期的にフィールド内符号化するフィールドを設ける。
【0087】入力端子1から入力された原画像データ
は、スキャン変換回路2でラスタスキャンからブロック
スキャンに順番が変更され、データ遅延回路3で所定時
間だけ遅延された後に、データ減算回路4で予測画像デ
ータが減算され、予測誤差画像データが生成される。予
測画像データは、動き補間回路15の出力である動き補
償予測画像データと、フィールド内符号化のための固定
値“0”とが、データ選択回路77で切り換えられて出
力される。
【0088】そして、直交変換回路5、量子化回路6、
および可変長符号化回路7により、予測誤差データに対
してディスクリートコサイン変換による符号化が行わ
れ、画像符号化データが生成される。この画像符号化デ
ータは、付加情報の動きベクトル符号化データ、符号化
モード符号化データ、および量子化ステップ幅の情報と
データ多重回路8で多重され、一旦バッファメモリ9に
保持された後に、出力端子10から符号化データとして
出力される。ここで、動きベクトル符号化データと符号
化モード符号化データは付加情報符号化回路79から出
力される。
【0089】量子化回路6の出力である量子化後の変換
係数は、逆量子化回路11と逆直交変換回路12で局部
復号化され、予測誤差画像データに戻される。そして、
データ加算回路13で、予測画像データが加算され、局
部復号化画像データが生成される。この局部復号化画像
データに対しては、動き適応ライン補間回路76でライ
ン間の画像データが補間生成され、第1のフィールドメ
モリには実際に存在する実画像データが、第2のフィー
ルドメモリには補間により生成された補間画像データが
順次書き込まれる。
【0090】動き補償回路15は、動きベクトル検出回
路16で検出された動きベクトルに従って、フィールド
メモリ14aと14bに保持された前フィールドの局部
復号化後の実画像データ、または補間画像データを、ブ
ロック単位でずらして動き補償予測画像データとして出
力する。動きベクトル検出回路16は、現フィールドの
現ブロックの画像データを、フィールドメモリ14aま
たは14bに保持された画像データと画素単位でずらし
ながら比較し、最もブロック間のブロック差分値が小さ
くなるブロックのずれ量を、動きベクトルとして検出出
力する。
【0091】ただし、図1の動画像符号化装置の場合と
異なり、所定フィールド数ごとに周期的にフィールド内
符号化を行うように、符号化モード決定回路78におい
て符号化モード指示信号が出力される。すなわち、符号
化モード指示信号は、まず2フィールドの間はフィール
ド内符号化モードを示す“1”、続く28フィールドの
間は動き補償フィールド間符号化モードを示す“0”と
なる。これにより、データ選択回路77は、符号化モー
ド指示信号が“1”のフィールド内符号化モードの場合
には、固定値“0”を選択し、符号化モード指示信号が
“0”の動き補償フィールド間符号化モードの場合に
は、動き補償回路15の出力である動き補償予測画像デ
ータを選択し、予測画像データとして出力する。符号化
モードは動きベクトルと共に、付加情報符号化回路79
で符号化され、データ多重回路8に出力される。
【0092】なお、符号化モード指示信号は動き適応ラ
イン補間回路76にも与えられる。動き適応ライン補間
回路76では、符号化モード指示信号が“0”の動き補
償フィールド間符号化モードの場合には、通常の動き適
応ライン補間が行われるが、符号化モード指示信号が
“1”のフィールド内符号化モードの場合には、完全動
画モードの上下ライン平均値による補間に強制的に固定
される。これは、フィールド内符号化のフィールド、お
よびそれに続いて動き補償フィールド間符号化されるフ
ィールドが、過去のフィールドに関係なく符号化および
復号化できるようにするためである。
【0093】図15は動き適応ライン補間回路76の詳
細なブロック図である。38はスキャン逆変換回路、3
9は263ライン遅延回路、40は262ライン遅延回
路、41はエッジ検出回路、42は動き検出回路、43
は混合比生成回路、45はライン遅延回路、46はデー
タ加算回路、47は1/2乗算回路、49と50はデー
タ乗算回路、51はデータ加算回路、44,48および
52はデータ遅延回路、85はデータ選択回路である。
【0094】この動き適応ライン補間回路76の構成と
動作は、前述した図1の動き適応ライン補間回路32と
ほとんど同じである。異なるのは、符号化モードに応じ
て混合比を切り換えるデータ選択回路85が存在し、符
号化モード指示信号が“0”の動き補償フィールド間符
号化モードの場合には、動き適応ライン補間を行うため
混合比出力回路43の出力である混合比が選択される
が、符号化モード指示信号が“1”のフィールド内符号
化モードの場合には、完全動画モードの補間を行うため
固定値“1”が選択される点である。他の部分の動作に
関しては、前述の動き適応ライン補間回路32の場合と
同じなので、その説明は省略する。
【0095】前述した図1の動画像符号化装置では、前
フィールドから動き補償予測を行う動き補償フィールド
間符号化モードのみであったが、この図13に示す動画
像符号化装置では、その動き補償フィールド間符号化モ
ードだけでなく、30フィールドごとに2フィールドだ
け周期的にフィールド内符号化モードが存在する。フィ
ールド内符号化の場合には過去のフィールドに関係なく
符号化されているので、動画像復号化装置においては、
任意のフィールド内符号化されたフィールドの符号化デ
ータから復号化を開始することにより、そのフィールド
からの動画像の再生が実現できる。
【0096】なお、動き補償回路15と動きベクトル検
出回路16の詳細な構成と動作は、それぞれ前述した図
1の動画像符号化装置における動き補償回路15と動き
ベクトル検出回路16の場合と全く同じである。
【0097】次に、図14の動画像復号化装置の動作を
説明する。この動画像復号化装置は、光ディスク等の大
容量データ記録メディアに記録された符号化データを、
復号化により再生するために用いられる。所定フィール
ド数こどに周期的に設けられたフィールド内符号化の任
意のフィールドから、すなわち動画像の途中のシーンか
ら再生を行うことができる。また、通常再生モードだけ
でなく、通常の1/2の速度で符号化データを復号化し
再生するスロー再生モードを持つ。
【0098】入力端子18から入力された符号化データ
は、一旦バッファメモリ19に保持された後に、データ
分離回路20で画像符号化データと、付加情報の動きベ
クトル符号化データ、符号化モード符号化データ、およ
び量子化ステップ幅の情報が分離される。画像符号化デ
ータは、可変長復号化回路21、逆量子化回路22、逆
直交変換回路23により復号化され、予測誤差データに
戻される。
【0099】そして、この復号化された予測誤差データ
には、データ加算回路25で予測画像データが加算さ
れ、再生画像データが生成される。この再生画像データ
に対しては、動き適応ライン補間回路80でライン間の
画像データが補間され、実画像データと補間画像データ
が生成される。動き適応ライン補間回路80の出力であ
る実画像データと補間画像データは、それぞれフィール
ドメモリ28aと28bとに順次書き込まれる。
【0100】動き補償回路29は、付加情報復号化回路
84で復号化された動きベクトルに従って、フィールド
メモリ28aと28bに保持された前フィールドの復号
化後の実画像データ、または補間画像データを、ブロッ
ク単位でずらして動き補償予測画像データとして出力す
る。そして、付加情報復号化回路84で復号化された符
号化モードに従って、フィールド内符号化モードの場合
には固定値“0”が、動き補償フィールド間符号化モー
ドの場合には動き補償回路29の出力である動き補償予
測画像データが、データ選択回路86で選択され予測画
像データとして出力される。
【0101】さて、通常再生を行う場合には、入力端子
83から入力されるスロー再生指示信号は“0”であ
り、出力画像決定回路82は常に“0”を出力する。そ
のため、動き適応ライン補間回路80の出力である実画
像データ、すなわちデータ加算回路25の出力がブロッ
クスキャンからラスタスキャンに順番が変換され再生画
像データとして出力される。
【0102】それに対して、1/2の速度のスロー再生
を行う場合には、入力端子83から入力されるスロー再
生指示信号は“1”であり、符号化データは1/2の速
度で入力端子18から入力され復号化される。その場合
には、2フィールドの時間でもともとの1フィールドの
画像データが復号化されるので、動き適応ライン補間回
路80の出力である1フィールド分の実画像データと補
間画像データが、データ選択回路81で1フィールドご
とに交互に切り換えられ、再生画像データとして出力さ
れる。
【0103】すなわち、スロー再生指示信号が“1”の
スロー再生モードの場合には、出力画像決定回路82の
出力は、もともとの符号化されたフィールドが奇数フィ
ールドである場合には、実画像データを先に選択するた
めにまず“0”となり、補間画像データを後に出力する
ために次に“1”となる。また、逆に、出力画像決定回
路82の出力は、もともとの符号化されたフィールドが
偶数フィールドである場合には、補間フィールドを先に
選択するためにまず“1”となり、実画像データを後に
出力するために次に“0”となる。
【0104】このように、1/2倍速のスロー再生モー
ドの際に、符号化データを復号化した後にそのフィール
ドを2回繰り返して再生するのではなく、動き適応ライ
ン補間された倍のライン数を持つフィールドの実画像デ
ータと補間画像データを1回ずつ再生するので、動きが
なめらかで、かつ解像度の高いスロー再生画像が得ら
れ、画質向上が実現できる。
【0105】なお、動き適応ライン補間回路80の詳細
な構成と動作は、前述した図13の動画像符号化装置に
おける動き適応ライン補間回路76の場合と全く同じで
ある。また、動き補償回路28の詳細な構成と動作は、
前述した図1の動画像符号化装置における動き補償回路
15の場合と全く同じである。
【0106】以上、本発明による動き補償動画像符号化
方式を適用した動画像符号化システムを構成する、動画
像符号化装置と動画像復号化装置に関して、第3の実施
例を示した。当然のことながら、動画像符号化装置にお
いては、第2の実施例のように、原画像の前フィールド
と現フィールドから動きベクトルを検出する方法を用い
てもよい。また、動画像復号化装置においても、第2の
実施例のように、1フィールドが通常の2倍のライン数
でノンインターレース走査の倍速再生画像を出力するよ
うにしてもよい。
【0107】さて、以上説明した動画像符号化装置と動
画像復号化装置の実施例は、動き適応ライン補間により
生成した2倍のライン数を持つ参照画像を利用した動き
補償、および動きベクトル検出を、ハードウェア処理で
実現しているものであったが、もちろんディジタルシグ
ナルプロセッサ(DSP)等によるソフトウェア処理で
実現してもよい。このとき、複数個のDSPの並列処理
により1個の処理を実現することもできるし、1個のD
SPの直列処理により複数個の処理を実現することもで
きる。
【0108】このようにソフトウェア処理で動き補償、
および動き検出を実現する場合、ハードウェア処理の場
合のように各ブロックにおける処理量を一定にしておく
必要はなく、できるだけ余分な処理量を削減してその分
で他の種類の処理を行うことが望ましい。そこで、動き
補償の性能を落とさずに、無駄な動きベクトル検出処理
を削って処理量の削減を行うとよい。例えば、動き適応
ライン補間により前フィールドの実画像データと補間画
像データを生成し、それらと原画像の現フィールドとの
間で、最もブロック間のブロック差分値が小さくなる動
きベクトルを検出し、動き補償を行うが、動き適応ライ
ン補間を行う際に検出する各画素の動き量から、動きベ
クトル検出の際の動きベクトル検出範囲を可変制御する
ことができる。
【0109】すなわち、動き適応ライン補間の際に検出
している、前フィールドにおける補間すべき各画素の位
置の動き量から、現フィールドの各ブロックに対する動
きベクトル検出の際の動きベクトル検出範囲を決定す
る。ここで、動きベクトルを検出すべき現フィールドの
ブロックと同一空間位置にある前フィールドのブロック
において、各画素の動き量の総和が所定のしきい値より
も大きい場合には、通常の第1の検出範囲を用い、逆
に、各画素の動き量の総和が所定のしきい値よりも小さ
い場合には、第1の検出範囲よりも狭い第2の検出範囲
を用いる。第1の検出範囲は、水平±7画素(1画素単
位)で垂直±7画素(0.5画素単位)であり、第2の
検出範囲は、水平±3画素(1画素単位)で垂直±3画
素(0.5画素単位)である。
【0110】前フィールドにおけるブロックの各画素の
動き量の合計が小さい場合には、現フィールドにおける
ブロックの動きベクトルは小さいと推定されるので、上
記の通りに動きベクトル検出範囲を可変制御することに
より、動き補償の性能を落とさずに、無駄な動きベクト
ル検出処理を削って処理量の削減を行うことができる。
【0111】なお、以上説明した動画像符号化装置と動
画像復号化装置の実施例は、フィールド間のデータ相関
を利用する動き補償予測符号化方式に、フィールド内の
データ相関を利用するディスクリートコサイン変換によ
る変換符号化方式を組み合わせたものであるが、もちろ
んアダール変換などの他の直交変換を用いてもよい。ま
た、変換符号化方式の代わりに、予測符号化方式やベク
トル量子化などの他の方式を用いてもよい。
【0112】また、動き補償、動きベクトル検出、動き
適応ライン補間の処理としては、実施例の回路の動作で
説明した以外にも様々な処理方法が考えられ、いずれの
方法でも問題はない。もちろん、ブロックサイズ、動き
ベクトル検出範囲などは他の値を用いてもよい。第3の
実施例のように、フィールド単位で符号化モードを変え
ることができるが、さらに細かくブロック単位で符号化
モードを変更することも可能である。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、再生済みの直前の2フ
ィールドの動画像信号から現フィールドの予測信号を生
成して動き補償の処理を行うため、動き補償予測の性能
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動き補償予測符号化方式を用いる
動画像符号化装置の第1の実施例のブロック図。
【図2】図1の動画像符号化装置と対になる動画像復号
化装置の第1の実施例のブロック図。
【図3】動画像符号化装置の第1の実施例における動き
適応ライン補間回路の詳細なブロック図。
【図4】動き適応ライン補間回路の処理内容を示す概念
図。
【図5】動き補償回路の処理内容を示す概念図。
【図6】動画像符号化装置の第1の実施例におけるスキ
ャン変換回路の処理内容を示す概念図。
【図7】拡張ブロック生成回路の処理内容を示す概念
図。
【図8】動画像符号化装置の第1の実施例における動き
補償回路の詳細なブロック図。
【図9】動き補償回路における拡張ブロック生成回路の
さらに詳細なブロック図。
【図10】動画像符号化装置の第1の実施例における動
きベクトル検出回路の詳細なブロック図。
【図11】本発明による動き補償予測符号化方式を用い
る動画像符号化装置の第2の実施例のブロック図。
【図12】図11の動画像符号化装置と対になる動画像
復号化装置の第2の実施例のブロック図。
【図13】本発明による動き補償予測符号化方式を用い
る動画像符号化装置の第3の実施例のブロック図。
【図14】図13の動画像符号化装置と対になる動画像
復号化装置の第3の実施例のブロック図。
【図15】動画像符号化装置の第3の実施例における動
き適応ライン補間回路の詳細なブロック図。
【符号の説明】
2…スキャン変換回路、4…データ減算回路、5…直交
変換回路、6…量子化回路、7…可変長符号化回路、8
…データ多重回路、9・19…バッファメモリ、21…
可変長復号化回路、11・22…逆量子化回路、12・
23…逆直交変換回路、13・25…データ加算回路、
26…スキャン逆変換回路、15・29…動き補償回
路、16…動きベクトル検出回路、32・33・34・
76・80…動き適応ライン補間回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−117487(JP,A) 照査59年度電子通信学会総合全国大会 講演論文集分冊5、p.48 1990年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集分冊7、p.31 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/24 - 7/68

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生されるインターレース走査動画像信
    号のフィールドに対して、動き補償を用いてブロック単
    位での予測信号を生成し、該予測信号と入力された符
    化データとを用いて動画像信号を再生する動画像復号化
    方法であって、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号から予測信号を生成する第1の処理と、 既に再生された2フィールド前のフィールドの動画像信
    号から予測信号を生成する第2の処理と、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号と既に再生された2フィールド前のフィールドの動画
    像信号の両方を用いて両信号が混合された予測信号を生
    成する第3の処理と、を有し、動領域では第1の処理、静止領域では第2の処理、静止
    領域と動領域の中間領域において第3の処理 を選択的に
    用いて、前記予測信号を生成することを特徴とする動画
    像復号化方法。
  2. 【請求項2】再生されるインターレース走査動画像信
    号のフィールドに対して、動き補償を用いてブロック単
    位での予測信号を生成する予測信号生成回路と、前記予
    測信号と入力された符号化データとを用いて動画像信号
    を再生する予測復号化回路を備えた動画像復号化装置で
    あって、 前記予測信号生成回路は、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号から予測信号を生成する第1の処理と、 既に再生された2フィールド前のフィールドの動画像信
    号から予測信号を生成する第2の処理と、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号と既に再生された2フィールド前のフィールドの動画
    像信号の両方を用いて両信号が混合された予測信号を生
    成する第3の処理と、を有し、動領域では第1の処理、静止領域では第2の処理、静止
    領域と動領域の中間領域 において第3の処理 を選択的に
    用いて、前記予測信号を生成することを特徴とする動画
    像復号化装置。
  3. 【請求項3】再生されるインターレース走査の動画像信
    号のフィールドに対して、動き補償を用いてブロック単
    位での予測信号を生成し、該予測信号と入力された符号
    化データとを用いて動画像信号を再生する動画像復号化
    方法であって、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号から第1のブロック画像信号を生成する第1の生成処
    理と、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号と既に再生された2フィールド前のフィールドの動画
    像信号の両方を用いて混合処理により第2のブロック画
    像信号を生成する第2の生成処理と、 前記第1のブロック画像信号と前記第2のブロック画像
    信号をブロック単位で切り換えて前記予測信号を出力す
    る選択処理と、 を有することを特徴とする動画像復号化方法。
  4. 【請求項4】再生されるインターレース走査の動画像信
    号のフィールドに対して、動き補償を用いてブロック単
    位での予測信号を生成する予測信号生成回路と、前記予
    測信号と入力された符号化データとを用いて動画像信号
    を再生する予測復号化回路を備えた動画像復号化装置で
    あって、 前記予測信号生成回路は、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号から第1のブロック画像信号を生成する第1の生成処
    理と、 既に再生された1フィールド前のフィールドの動画像信
    号と既に再生された2フィールド前のフィールドの動画
    像信号の両方を用いて混合処理により第2のブロック画
    像信号を生成する第2の生成処理と、 前記第1のブロック画像信号と前記第2のブロック画像
    信号をブロック単位で切り換えて前記予測信号を出力す
    る選択処理と、 を有することを特徴とする動画像復号化装置。
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