JP3065293U - 男性用失禁尿受具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本考案は、高齢または前立腺障害等によって尿
を失禁する男性が使用し、交換に手間を要しないで、し
かも着用感に優れた男性用失禁尿受具を提供する。 【解決手段】一方向に開口部を有する尿受袋の対向する
フロントシート部１１及びバックシート部１２が柔軟防
水性シート又は空気及び水蒸気を通過することができる
柔軟多孔質疎水性シートの何れかからなり、前記バック
シート部に、周縁に伸縮弾性部材を備えたペニス挿入孔
１４が設けてなり、該バックシート部の上端部に取付手
段を設け該取付手段を介して前記尿受袋２が着用バンド
３に着脱自在に取着されるとともに、前記尿受袋の内部
に吸水性材料が設けられてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、高齢または前立腺障害等によって尿を失禁する男性が使用して尿の 漏出を防止するための男性用失禁尿受具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、高齢または前立腺障害等によって尿を失禁する男性は大人用のおむつ又 はペニスからチューブを介して尿タンクに尿を導入する採尿器等によって尿の漏 出を防止していた。後者の例としては特開平２−９５３６４号公報に開示されて いる。 ところが、前記の大人用のおむつは交換する時に腰を持上げなければならず介 護者に過大な負担をかけ、おむつと接触した身体部分が汚れるので洗浄する手間 を要し、また、使用者にとってはおむつ着用の不快感がつきまとう。後者の採尿 器の場合はペニスにコンドーム状のゴム筒をかぶせる等手間がかかるばかりでな く、使用者にとっても常に局部が圧迫されて煩わしい上、着用した状態で歩くこ とが困難である等の問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような問題点を改善するとともに、その目的とするところは 、本考案者が、これからの高齢化時代の到来を目前にして介護者の負担を軽減す るとともに高齢者自身が如何に快適な生活をおくることができるかを追求した結 果辿り着いたもので、具体的には、寝たままで腰を持上げることなく簡単に尿受 袋のみを交換ができるので、介護人の負担を著しく軽減し、しかも、不用意に外 れることがないので安心して着用でき、着用したままで歩いたり日常生活に何ら 支障なく使用でき、且つ、腰回りに汚れがつかないので衛生的であり、使用者に 爽快感を与える男性用失禁尿受具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 前記の課題を解決するために、本考案は、一方向に開口部を有する尿受袋の対 向するフロントシート部及びバックシート部が柔軟防水性シート又は空気及び水 蒸気を通過することができる柔軟多孔質疎水性シートの何れかからなり、前記バ ックシート部に、周縁に伸縮弾性部材を備えたペニス挿入孔が設けてなり、該バ ックシート部の上端部に取付手段を設け該取付手段を介して前記尿受袋が着用バ ンドに着脱自在に取着されるとともに、前記尿受袋の内部に吸水性材料が設けら れてなることを特徴とする男性用失禁尿受具とする。

【０００５】 また、前記の課題を解決するために、本考案は、一方向に開口部を有する尿受 袋の対向するフロントシート部及びバックシート部が柔軟防水性シート又は空気 及び水蒸気を通過することができる柔軟多孔質疎水性シートの何れかからなり、 前記バックシート部に、周縁に伸縮弾性部材を備えたペニス挿入孔が設けてなり 、前記バックシート部がフロントシート部の上端部よりやや長く突出して設けら れ、該突出部に取付手段を設け該取付手段を介して前記尿受袋を着用バンドに着 脱自在に取着され、前記尿受袋の開口部近傍におけるフロントシート部とバック シート部の中間にまちを入れ、必要に応じて開口部が止め具によって開閉自在に 構成されてなるとともに、前記尿受袋の内部のペニス当接部乃至尿受袋底部近傍 に吸水性材料が設けられてなることを特徴とする男性用失禁尿受具とする。

【０００６】 また、前記の課題を解決するために、本考案は、前記尿受袋を構成するシート 又は吸水性材料のうちの少なくとも何れかに、消臭剤、抗菌剤又は殺菌剤の何れ か一種又は二種以上を混合して含有してなることを特徴とする男性用失禁尿受具 とすることが好ましい。

【０００７】

【作用】

本考案にかかる男性用失禁尿受具は前記のように構成したことにより、柔軟防 水性シート若しくは柔軟多孔質疎水性シートからなる尿受袋の中に尿が排出され 、排泄された尿は吸水材料に即座に吸収されて他に漏れることはなく、しかも尿 を吸収した吸水材料は尿受袋中に封じ込められているので、排出された尿が身体 の他の部分に接触することがなく常に清潔に保つことができる。

【０００８】 ペニス挿入孔の周縁に備えられた伸縮弾性部材によって適宜にペニスが保持さ れるとともに、ペニス挿入孔が設けられたバックシート部は柔軟素材からなり身 体によく追従するのでペニスの離脱を阻止する作用をなす。尿受袋は着用バンド に着脱自在に取着されるので交換が容易にできる。バックシート部上端部の突出 部に取付手段を設けることにより、尿受袋が人体の下腹部よりも下方に位置し嵩 張らず外見上も目立たず着用感がより改善される。

【０００９】 フロントシート部とバックシート部の中間にまちを入れることによって、開口 部をより大きく開口することができ、ペニス挿入孔へのペニスの導入を容易にす ることができる。また、開口部を粘着テープ等で止めることによって尿受袋の人 体への密着性を高め、尿受袋を多孔質疎水性材料によって構成することによって 尿の漏出とむれを防止する作用をなす。更に、シートに消臭剤、抗菌剤等を添加 したものは悪臭を発生せず院内感染の予防等に役立つ。

【００１０】

【実施例】

以下に代表的な実施例を図面に基づいて説明する。尚、この明細書でシートと は所謂フィルムをも含む広義の膜状体を意味するものとする。 実施例１ 図１は本考案の一実施例を示したものであって、男性用失禁尿受具１は尿受袋 ２と、尿受袋２を取着する着用バンド３と、を備えてなる。尿受袋２は、対向す るフロントシート部１１及びバックシート部１２と、開口部１３近傍で両者を連 結するまち２１と、を備え、尿受袋２の幅は底部が開口部に比較して狭く構成さ れ股間にフィットして、ずれ難く構成されている。

【００１１】 開口部１３の上端部２ヶ所を粘着テープからなる止め具２２で係止し、或いは 剥離して開閉自在に構成される。バックシート部１２の略中央ないしやや上方よ りにはペニス挿入孔１４が設けられており、ペニス挿入孔１４の周縁部には輪ゴ ムを布で伸縮自在に被覆した伸縮弾性部材１５が装着されている。

【００１２】 バックシート部の上端部に設けられた突出部１６の裏面には平面状ファスナー からなる取付手段１７ａが２箇所に設けられており、該取付手段１７ａと着用バ ンド３上の対応する位置に設けられた取付手段１７ｂとを係合して尿受袋２を着 用バンド３に着脱自在に取着してなる。着用バンド３は幅広の布製、特にスパン デックス製等の弾性帯が好ましく、両端の平面状ファスナー等の連結手段１８ａ と１８ｂとを係合させて下腹部の回りに周着可能に構成されている。

【００１３】 尿受袋２はプラスチックフィルム等の防水性材料で構成されるが、好ましくは 多孔質疎水性シートで構成するのがよい。例えば、多孔質疎水性シートとしては 、ポリエチレン乃至ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂に炭酸カルシウム等の 無機質充填剤を添加したコンパウンドをＴダイ法又はインフレーション法等で製 膜化すると同時に一定温度下に於いて一軸乃至二軸に延伸して無機質充填剤の周 囲に微細孔を形成したものからなり、この微細孔から空気及び水蒸気を透過する のでむれを防止することができ、かつ、水分は通過しないので尿の漏出を防止で きる。柔軟シートを得るために石油系オイル、可塑剤等の軟化剤又は改質剤を添 加することが好ましい。

【００１４】 そして、図３（ａ）に示すように、尿受袋２の内壁のペニス挿入孔１４の近傍 より尿受袋２の底部にかけて吸水性樹脂乃至吸水性繊維等の吸水性材料２３ａを 貼設してある。吸水性材料２３ａは一般に紙おむつ等に使用されているヒドロキ シ基を有するアクリレート及びメタアクリル酸の架橋性樹脂を用いることができ る。また、尿受袋２は市販の紙おむつ素材を転用して作成してもよい。但し、で き得るかぎり吸水能力のよい高吸水性材料を使用することによって尿受袋２全体 の厚みを薄く仕上げることが着用感を向上させる観点から好ましい。

【００１５】 実施例２ 実施例１における尿受袋２の内壁に吸水性樹脂又は吸水性繊維を貼設するに代 えて尿受袋２の底部に市販の顆粒状の吸水性樹脂からなる吸水性材料２３ｂを配 設した以外は実施例１と同様に構成した。顆粒状の吸水性樹脂を不織布製の袋に 入れたものを尿受袋２の底部ないしペニス当接部に係止するようにしてもよい。 吸水性樹脂は前記と同様のものを用いてよく、また、図３（ｂ）に示すように、 尿受袋２の内面全面乃至部分的に吸水性材料を貼設し、その底部に前記の顆粒状 の吸水性樹脂を係止させて吸水能力をより高めることができる。このようすれば 、失禁尿受具として使用するに加えて尿瓶の代用品として使用することができる 。

【００１６】 実施例３ 実施例１乃至実施例２の尿受袋２を構成する多孔質疎水性シートに、消臭剤と 抗菌剤を添加した以外は前記実施例と同様である。ここで用いた消臭剤は、デオ セプトＤＣ１４０２（ダイセル社製）又はダイムシューＶＴ３０００−２（大日 精化社製）であり、抗菌剤は、スーパーゼオミックＡＭ１０Ｎ（シナネン社製） を使用した。何れも１乃至５ＰＨＲをコンパウンド中に添加して用いた。消臭剤 、抗菌剤及び殺菌剤はこの外に加工温度に絶えられる耐熱性を有するものであっ て、人体に害を及ぼさないものであれば特に限定されるものではなく使用目的に 応じて適宜の材料を選択して使用することができる。材料をコンパウンド中に添 加する以外に表面処理法又は印刷法等で表面に付着させてもよい。また、吸水性 材料中に前記消臭剤等の材料を練り込み又は混合してもよい。

【００１７】 使用例 前記のように構成された実施例の男性用失禁尿受具１を使用するには、先ず、 図２に示すように、使用者の腰に着用バンド３を周着する。例えば、布団上に寝 たきりの使用者に着用バンド３を着けるには、バンドの先端を使用者の腰部と布 団の隙間に押し込むようにして引出し、両端部の平面状ファスナー１８ａと１８ ｂを係止して連結すれば使用者の腰を持上げなくても極めて簡単に周着できる。

【００１８】 次ぎに、着用バンド３上に設けられた取付手段１７ｂとバックシート部の裏面 上部に設けられた取付手段１７ａとを係止させて尿受袋２を着用バンド３に固定 する。バックシート部１２のペニス挿入孔１４から尿受袋２の中にペニス２４を 導入する。この際、開口部を開いて手でペニス２４を引入れるようにする。

【００１９】 このようにして男性用失禁尿受具１を着用した後、その上から通常のブリーフ 等の下着を穿いて軽く押さえることによって男性用失禁尿受具１は腰部に固定さ れ、尿受袋２先端部のずれを防止することができる。尿受袋２を交換するには着 用バンドは周着したままでペニス２４をペニス挿入孔１４から引き抜き、取付手 段１７ａと１７ｂをそれぞれ剥離して尿受袋２を着用バンドから外し、次いで、 新しい尿受袋２を前記と同様の方法で取着すればよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように構成されているので本考案に係る男性用失禁尿受具は以下に記載 されるような効果を奏する。 介護者の負担を軽減するとともに、寝たきりの老人から比較的元気であるが失 禁性の障害を有する人まで広く使用ができて、しかも、使用者が着用による違和 感を感じないばかりか爽快感が増し、外観上も目立ち難くいので失禁に対する悩 みを解消してくれる。また、消臭剤、抗菌剤又は殺菌剤等を含むものは、悪臭を を抑制し、院内感染を防止してくれるので衛生的であり病院や老人ホーム等でも 安心して使用でき、本願男性用失禁尿受具の使用範囲を拡大する効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は実施例の男性用失禁尿受具の正面から
見た斜視図、（ｂ）は実施例の男性用失禁尿受具の裏面
から見た斜視図である。

【図２】（ａ）は実施例の男性用失禁尿受具を着用した
状態の部分断面を示す側面図、（ｂ）は実施例の男性用
失禁尿受具を着用した状態を示す正面図、（ｃ）は実施
例の男性用失禁尿受具のペニス挿入孔にペニスが挿入さ
れた状態を示す側面図である。

【図３】（ａ）は実施例１の男性用失禁尿受具の部分拡
大縦断面図、（ｂ）は実施例２の男性用失禁尿受具の部
分拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１：男性用失禁尿受具、２：尿受袋、３：着用バンド、
１１：フロントシート部、１２：バックシート部、１
３：開口部、１４：ペニス挿入孔、１５：伸縮弾性部
材、１６：突出部、１７，１７ａ，１７ｂ：取付手段、
１８ａ，１８ｂ：連結手段、２１：まち、２２：止め
具、２３ａ，２３ｂ：吸水性材料、２４：ペニス

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【手続補正書】

【提出日】平成１１年７月２日（１９９９．７．２）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方向に開口部を有する尿受袋の対向する
   フロントシート部及びバックシート部が柔軟防水性シー
   ト又は空気及び水蒸気を通過することができる柔軟多孔
   質疎水性シートの何れかからなり、前記バックシート部
   に、周縁に伸縮弾性部材を備えたペニス挿入孔が設けて
   なり、該バックシート部の上端部に取付手段を設け該取
   付手段を介して前記尿受袋が着用バンドに着脱自在に取
   着されるとともに、前記尿受袋の内部に吸水性材料が設
   けられてなることを特徴とする男性用失禁尿受具。
2. 【請求項２】一方向に開口部を有する尿受袋の対向する
   フロントシート部及びバックシート部が柔軟防水性シー
   ト又は空気及び水蒸気を通過することができる柔軟多孔
   質疎水性シートの何れかからなり、前記バックシート部
   に、周縁に伸縮弾性部材を備えたペニス挿入孔が設けて
   なり、前記バックシート部がフロントシート部の上端部
   よりやや長く突出して設けられ、該突出部に取付手段を
   設け該取付手段を介して前記尿受袋を着用バンドに着脱
   自在に取着され、前記尿受袋の開口部近傍におけるフロ
   ントシート部とバックシート部の中間にまちを入れ、必
   要に応じて開口部が止め具によって開閉自在に構成され
   てなるとともに、前記尿受袋の内部のペニス当接部乃至
   尿受袋底部近傍に吸水性材料が設けられてなることを特
   徴とする男性用失禁尿受具。
3. 【請求項３】前記尿受袋を構成するシート又は吸水性材
   料のうちの少なくとも何れかに、消臭剤、抗菌剤又は殺
   菌剤の何れか一種又は二種以上を混合して含有してなる
   ことを特徴とする男性用失禁尿受具。