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JP2902031B2 - 光学活性(s)―3―フェニル―3―ヒドロキシプロピオン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性(s)―3―フェニル―3―ヒドロキシプロピオン酸誘導体の製造方法

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JP2902031B2
JP2902031B2 JP3303590A JP3303590A JP2902031B2 JP 2902031 B2 JP2902031 B2 JP 2902031B2 JP 3303590 A JP3303590 A JP 3303590A JP 3303590 A JP3303590 A JP 3303590A JP 2902031 B2 JP2902031 B2 JP 2902031B2
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Japan
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microorganisms
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正博 小倉
淳三 長谷川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,医薬品,農薬などの合成原料として有用な
(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸誘
導体を微生物反応により製造する方法に関する。
(従来の技術) 光学活性な3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン
酸誘導体の製造方法に関しては,例えば,光学活性3−
フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸エステルの製法
として,次の方法が知られている:光学活性なアミノ酸
誘導体およびアルコールの存在下で,金属水素化合物を
用いてベンゾイル酢酸エステルを不斉還元する方法(特
開昭61-155354);およびベンゾイル酢酸エステルをパ
ン酵母を用いて還元する方法(A.Manzocchiら,J.Chem.S
oc.,Parkin Trans.I.2753(1987))。さらに,ラセミ
体の3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸エチル
を,酵素であるキモトリプシンを用いて不斉加水分解す
る方法(S.G.Cohenら,J.Am.Chem.Soc.,86,725(196
4))も知られている。しかし,いずれの方法において
も,得られる化合物の光学純度が低い。医薬品などの合
成原料として使用される高い光学純度の3−フェニル−
3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体を,工業的規模で生
産する良い方法は見い出されていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その
目的とするところは,ベンゾイル酢酸誘導体に微生物を
作用させることによって,(S)−3−フェニル−3−
ヒドロキシプロピオン酸誘導体を工業的規模で生産し得
る製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 発明者らは,(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシ
プロピオン酸誘導体を工業的規模で生産し得る製造方法
を検討した結果,安価なベンゾイル酢酸誘導体を高い光
学純度で(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピ
オン酸誘導体に変換し得る微生物を見い出し,本発明を
完成するに至った。
本発明の光学活性(S)−3−フェニル−3−ヒドロ
キシプロピオン酸誘導体の製造方法は, 一般式(I): ここでRは直鎖または分岐状のアルキル基であり,そ
してXは,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,アルキ
ル基および水酸基からなる群から選択される; で表わされるベンゾイル酢酸誘導体に,アシビア属に属
する微生物,ブレタノマイセス属に属する微生物,ボト
リオアスカス属に属する微生物,キャンディダ属に属す
る微生物,クリプトコッカス属に属する微生物,クラビ
スポラ属に属する微生物,デバリオマイセス属に属する
微生物,エンドマイセス属に属する微生物,ゲオトリク
ム属に属する微生物,グイリアモンデラ属に属する微生
物,ハンセヌラ属に属する微生物,クルイベロマイセス
属に属する微生物,ロダロマイセス属に属する微生物,
ピチア属に属する微生物,ロードスポリデューム属に属
する微生物,シゾサッカロマイセス属に属する微生物,
ステファノアスカス属に属する微生物,トリコスポロン
属に属する微生物,アクロモバクター属に属する微生
物,アースロバクター属に属する微生物,アシディフィ
リウム属に属する微生物,ブレビバクテリウム属に属す
る微生物,セルロモナス属に属する微生物,コリネバク
テリウム属に属する微生物,フラボバクテリウム属に属
する微生物,ミクロコッカス属に属する微生物,ノカル
ディア属に属する微生物,およびロードコッカス属に属
する微生物でなる群から選択される少なくとも1種の微
生物を作用させる工程;および 得られた反応液から一般式(II): ここで,RおよびXは式(I)で定義したのと同様であ
る; で表わされる(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプ
ロピオン酸誘導体を採取する工程を包含し,そのことに
より上記目的が達成される。
本発明に使用される基質は,上記式(I)で表される
ベンゾイル酢酸誘導体である。一般式(I)の置換基R
は直鎖あるいは分岐状のアルキル基であり,その炭素数
は1〜10である。例えば,メチル基、エチル基,プロピ
ル基,ブチル基などが挙げられる。Xが水素である上記
誘導体としては,ベンゾイル酢酸エステルが挙げられ
る。Xが塩素原子である上記誘導体としては,o−クロル
ベンゾイル酢酸エステル,m−クロルベンゾイル酢酸エス
テル,およびp−クロルベンゾイル酢酸エステルが挙げ
られる。Xがフッ素原子である誘導体としては,o−フロ
ロベンゾイル酢酸エステル,m−フロロベンゾイル酢酸エ
ステル,およびp−フロロベンゾイル酢酸エステルが挙
げられる。Xがニトロ基である誘導体としては,o−ニト
ロベンゾイル酢酸エステル,m−ニトロベンゾイル酢酸エ
ステル,およびp−ニトロベンゾイル酢酸エステルが挙
げられる。この他に,Xがメチル,エチル,プロピル基な
どのアルキル基;または水酸基であり,オルト,メタ,
またはパラ位のいずれかが置換されているベンゾイル酢
酸エステル誘導体が挙げられる。
本発明に使用され得る微生物としては,アシビア(As
hbya)属,ブレタノマイセス(Brettanomyces)属,ボ
トリオアスカス(Botryoascus)属,キャンディダ(Can
dida)属,クリプトコッカス(Cryptococcus)属,クラ
ビスポラ(Clavispora)属,デバリオマイセス(Debary
omyces)属,エンドマイセス(Endomyces)属,ゲオト
リクム(Geotrichum)属,グイリアモンデラ(Guillier
mondella)属,ハンセヌラ(Hansenula)属,クルイベ
ロマイセス(Kluyveromyces)属,ロダロマイセス(Lod
deromyces)属,ピチア(Pichia)属,ロードスポリデ
ューム(Rhodosporidium)属,シゾサッカロマイセス
(Schizosaccharomyces)属,ステファノアスカス(Ste
phanoascus)属,トリコスポロン(Trichosporon)属,
アクロモバクター(Achromobacter)属,アースロバク
ター(Arthrobacter)属,アシディフィリウム(Acidip
hilium)属,ブレビバクテリウム(Brevibacterium)
属,セルロモナス(Cellulomonas)属,コリネバクテリ
ウム(Corynebacterium)属,フラボバクテリウム(Fla
vobacterium)属,ミクロコッカス(Micrococcus)属,
ノカルディア(Nocardia)属,ロードコッカス(Rhodoc
occus)属などに属する微生物が挙げられる。これらは
単独で,あるいは2種以上混合して用いられる。さらに
詳しくは,アシビア・ゴシッピー(Ashbya gossypii)I
FO 0560,ブレタノマイセス・クステルシアヌス(Bretta
nomyces custersianus)IFO 1585,ボトリオアスカス・
シンナエデンドルス(Botryoascus synnaedendrus)IFO
1604,キャンディダ・クルバタ(Candida curvata)IFO
1159,キャンディダ・クルーゼイ(Candida krusei)IF
O 0011,キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)
ATCC 20275,キャンディダ・パラプシロシス(Candida p
arapsilosis)IFO 1068,キャンディダ・トロピカリス
(Candida tropicalis)IFO 1400,クリプトコッカス・
アルビダス(Cryptococcus albidus)IFO 0378,クリプ
トコッカス・テルレウス(Cryptococcus terreus)IFO
0727,クラビスポラ・ルシタニアエ(Clavispora lusita
niae)IFO 1019,デバリオマイセス・ハンセニイー(Deb
aryomyces hansenii)IFO 0728,エンドマイセス・ゲオ
トリクム(Endomyces geotrichum)CBS 178,71,エンド
マイセス・オベテンシス(Endomyces ovetensis)IFO 1
201,ゲオトリクム・ヒリツム(Geotrichum hirtum)CBS
189,53,ゲオトリクム・エリエンス(Geotrichum erien
se)ATCC 22311,グイリアモンデラ・セレノスポラ(Gui
lliermonde lla selenospora)IFO 1850,ハンセヌラ・
ノンファーメンタンス(Hansenula nonfermentans)IFO
1473,ハンセヌラ・サツルヌス(Hansenula saturnus)
IFO 0809,クルイベロマイセス・フラギリス(Kluyverom
yces fragilis)IFO 0541,ロダロマイセス・エロンギズ
ポルス(Lodderomyces elogisprus)IFO 1676,ピチア・
ボビーズ(Pichia bovis)IFO 1886,ピチア・パストリ
ス(Pichia pastoris)IFO 1013,ロードスポリデューム
・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)IFO 055
9,シゾサッカロマイセス・ボンベ(Schizosaccharomyce
s pombe)IFO 0347,ステファノアスカス・シフェリー
(Stephanoascus ciferii)IFO 1855,トリコスポロン・
ベイゲリー(Trichosporon beigelii)ATCC 2231,アク
ロモバクター・エスピー(Achromobacter sp.)IFO 134
95,アースロバクター・クリスタルロポイエテス(Arthr
obacter crystallopoietes)IFO 14235,アースロバクタ
ー・ニコチアナエ(Arthro bacter nicotianae)IFO 14
234,アシディフィリウム・クリプツム(Acidiphilium c
ryptum)IFO 14242,ブレビバクテリウム・スタチオニス
(Brevibacterium stationis)IFO 12144,ブレビバクテ
リウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniage
nes)IFO 12072,セルロモナス・エスピー(Cellulomona
s sp.)JCM 2471,コリネバクテリウム・パウロメタボリ
ウム(Corynebacterium paurometabolum)IFO 12160,フ
ラボバクテリウム・スアベオレンス(Flavobacterium s
uaveolens)IFO3752,ミクロコッカス・ルテウス(Micro
coccus luteus)IFO12708,ノカルディア・メキシカナ
(Nocardia mexcana)IFO 3927ノカルディア・グロベル
ラ(Nocardia globerula)IFO 13510,ロードコッカス・
エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)IFO 1232
0などが挙げられる。
上記微生物の培養には,通常,微生物の培養に用いら
れる培地(寒天培地などの固体培地または液体培地)の
いずれもが利用され得る。大量培養時には,液体培地が
好ましく用いられる。培地には,炭素源として,グルコ
−ス,シュークロース,マルトースなどの糖類,乳酸,
酢酸,クエン酸などの有機酸類,エタノール,グリセロ
ールなどのアルコール類;あるいはこれらの混合物が;
そして,窒素源として硫酸アンモニウム,リン酸アンモ
ニウム,尿素,イーストエキス,肉エキス,ペプトンな
どが含有され得る。さらに他の無機塩,ビタミン類など
の栄養源が適宜混合され得る。上記微生物は通常の条件
により培養され得る。例えば,pH4.0〜9.5で20〜45℃の
温度範囲で好気的に10〜96時間培養が行われる。
基質であるベンゾイル酢酸誘導体に上記微生物を作用
させる方法としては,次の方法があげられる:上記の
ように培養した培養液,あるいはこの培養液を遠心分離
などにかけることによって得られる菌体の懸濁液に基質
を添加する方法;および基質を添加した培地中で微生
物を培養する方法。基質は反応初期に一括して添加する
か,もしくは分割して添加してもよい。反応条件は,通
常,15〜50℃,好ましく20〜40℃であり,反応時のpHは
4.0〜9.0,好ましくは6.0〜8.0である。反応中の基質温
度は0.1〜10%(W/V)であることが好ましく,さらに好
ましくは0.5〜5.0%(W/V)である。反応は,通常,振
盪あるいは通気攪拌しながら行なわれる。反応時間は基
質濃度,微生物量,およびその他の反応条件によって適
宜決定される。通常,2〜96時間で反応が終了するように
各条件を設定することが好ましい。上記反応を促進させ
るために,反応液にエネルギー源としてグルコースなど
を1〜5%の割合で含有させることも推奨される。その
結果,基質であるベンゾイル酢酸誘導体は,(S)−3
−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体に変化
する。
形成された(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプ
ロピオン酸誘導体を反応液から採取するには,一般的な
単離法が採用され得る。例えば,反応液から菌体を遠心
分離などで除いた後、上清を適当に濃縮し,酢酸エチル
などの有機溶媒で抽出する。得られた抽出液を無水硫酸
ナトリウムなどで脱水後、減圧下で有機溶媒を除去す
る。その結果,(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシ
プロピオン酸誘導体粗生成物(シロップ)を得ることが
できる。さらに,この粗生成物は,蒸留,シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー法により精製され得る。
ベンゾイル酢酸誘導体および3−フェニル−3−ヒド
ロキシプロピオン酸誘導体の定量は,例えば,Finepak S
ILC18-5(日本分光社製)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)(カラム:4.5×250mm,溶離液:水/ア
セトニトリル=45/55,流速1.0ml/min.,検出波長210nm)
などにより行われ得る。(S)−3−フェニル−3−ヒ
ドロキシプロピオン酸誘導体の光学純度は,例えば,キ
ラルセルOD(ダイセル社製)を用いたHPLC(カラム:4.5
×250mm,溶離液:ヘキサン/イソプロパノール=15/1,
流速0.4〜0.7ml/min.,検出波長254nm)により測定され
得る。
本発明によれば,光学純度の高い(S)−3−フェニ
ル−3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体が,ベンゾイル
酢酸誘導体から微生物によって効果的に製造される。得
られた光学活性(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシ
プロピオン酸誘導体は,医薬品,農薬などの合成原料と
して有用である。
(実施例) 以下に,本発明を実施例について説明する。
以下の実施例で用いられる培地の組成を,以下に示
す。(A)酵母用培地 グルコース 4% (NH4)HPO4 1.3% KH2PO4 0.7% MgSO4・7H2O 800ppm ZnSO4・7H2O 70ppm FeSO4・7H2O 90ppm CuSO4・5H2O 5ppm MnSO4・4H2O 10ppm NaCl 100ppm イーストエキス 0.3% 水道水 pH7.0(B)細菌用培地 グルコース 2% 肉エキス 0.5% ペプトン 0.5% イーストエキス 0.3% (NH4)2HPO4 0.4% KH2PO4 0.2% MgSO4・7H2O 250ppm ZnSO4・7H2O 25ppm FeSO4・7H2O 30ppm CuSO4・5H2O 1.5ppm MnSO4・4H2O 3ppm NaCl 30ppm 水道水 pH7.2 実施例1 上記(A)および(B)の組成の成分を混合して培地
を調製した。調製した培地を500ml容の坂口フラスコに5
0mlずつ分注し,オートクレーブにより120℃で20分殺菌
した。上記培地(A)には,表1に示す微生物を,そし
て,培地(B)には表2に示す微生物をそれぞれ接種
し,30℃にて24〜48時間,レシプロシェカー(133往復)
で振盪培養した。次に,各培養液を遠心分離にかけて菌
体を集め,水洗後,各菌体を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
5)50mlにそれぞれ懸濁させた。得られた各懸濁液に,
ベンゾイル酢酸エチルの濃度が5mg/mlになるように添加
した。各液のそれぞれを500ml坂口フラスコに移し,30℃
で24〜48時間レシプロシェカー(133往復)により振盪
反応を行った。各反応液の一部をそれぞれ酢酸エチルで
抽出し,溶媒を除去した後,残渣をメタノールに溶解さ
せた。これをHPLC(Finepak Sil C18-5(日本分光社
製);カラム:内径4.5×250mm;溶離液;水/アセトニ
トリル=45/15;流速1.0ml/min.;検出波長210nm)にかけ
て,基質の残存量と3−フェニル−3−ヒドロキシプロ
ピオン酸エチルの生成量とを測定した。3−フェニル−
3−ヒドロキシプロピオン酸エチルの生成量(存在量)
を表1および2に示す。
残りの反応液を遠心分離にかけて除菌し,上清液を得
た。この上清液に酢酸エチル50mlを加えて抽出を行い,
次いで無水硫酸ナトリウムで脱水した後,減圧下で濃縮
してオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製した後,NMR分析により構
造決定を行なったところ,次のデータが得られ,3−フェ
ニル−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルであることが
確認された。1 H NMR(CDCl3)δppm :1.14(3H,t,J=7Hz) 2.61(1H,d,J=5.5Hz) 2.63(1H,d,J=8Hz) 3.78(1H,d,J=4.5Hz) 4.05(2H,q,J=7Hz) 4.87〜5.20(1H,m) 7.07〜7.59(5H,m) 得られたオイル約10mgをヘキサン/イソプロパノール
混合溶媒(3/1)約0.1mlに溶解させて,HPLC(カラム:
キラルセルOD;ダイセル社製)にかけ,(S)および
(R)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸エ
チル((S)体はサンプル注入後16分,および(R)体
は19分に溶出される)の定量を行った。この値を用いて
3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルの光
学純度を下記式から算出した。その結果を表1および2
に示す。
実施例2 培地(A)を調製し,これを500ml坂口フラスコに50m
lずつ分注し,オートクレーブにより120℃で20分殺菌し
た。各フラスコにクリプトコッカス・テルレウスIFO 07
27を接種し,30℃で48時間振盪培養を行なった。
各培養液に,ベンゾイル酢酸メチル,ベンゾイル酢酸
エチル,ベンゾイル酢酸プロピル,またはベンゾイル酢
酸ブチルをそれぞれ500mgずつ添加した。これをpH6.5に
調整した後,30℃で24時間振盪しながら反応させた。得
られた反応液を実施例1と同様の方法で抽出し,分析を
行った。その結果,表3に示すように,それぞれの基質
に対応する3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸
エステルを得た。
上記各エステルの光学純度の測定は,実施例1と同様
の方法で行なった。但し,HPLCの流速をメチル体を測定
するときには0.7ml/min.((S)体は21分,および
(R)体は29分に溶出),エチル体を測定するときには
0.7ml/min.((S)体は16分,および(R)体は19分に
溶出),プロピル体を測定するときには0.6ml/min.
((S)体は17分,および(R)体は19分に溶出),そ
して,ブチル体を測定するときには0.4ml/min.((S)
体は28分,および(R)体は31分に溶出)とした。
生成したヒドロキシプロピオン酸エステルの生成量,
収率,光学純度および比施光度を表3に示す。
実施例3 培地(A)を調製し,これを500ml坂口フラスコに50m
lずつ分注し,オートクレーブにより120℃で20分殺菌し
た。各フラスコにクリプトコッカス・テルレウスIFO 07
27を接種し,30℃で48時間振盪培養を行なった。
各培養液に,p−ニトロベンゾイル酢酸エチルを500mg
ずつ添加した。これをpH6.5に調整した後,30℃で24時間
振盪しながら反応させた。得られた反応液を実施例1と
同様の方法で抽出し,分析を行った。その結果,(S)
−3−ヒドロキシ−(p−ニトロフェニル)プロピオン
酸エチル325mgを得た(収率65%,比施光度▲〔α〕20 D
▼(C=2,CHCl3):−38.41°)。1 H NMR(CDCl3)δppm :1.23(3H,t,J=6.9Hz) 2.75(2H,d,J=6.9Hz) 4.14(2H,q,J=7.1Hz) 3.98〜4.38(1H,m) 5.08〜5.45(1H,m) 7.58,8.17(4H,A2B2q,J=9Hz) 実施例4 培地(A)を調製し,これを500ml坂口フラスコに50m
lずつ分注し,オートクレーブにより120℃で20分殺菌し
た。各フラスコにクリプトコッカス・テルレウスIFO 07
27を接種し,30℃で48時間振盪培養を行なった。
各培養液に,o−フルオロベンゾイル酢酸エチルを500m
gずつ添加した。これをpH6.5に調整した後,30℃で24時
間振盪しながら反応させた。得られた反応液を実施例1
と同様の方法で抽出し,分析を行った。その結果,
(S)−3−ヒドロキシ−(o−フルオロフェニル)プ
ロピオン酸エチル325mgを得た(収率70%,比施光度▲
〔α〕20 D▼(C=2,CHCl3):−57.73°;および光学
純度98.4% e.e.)。1 H NMR(CDCl3)δppm :1.18(3H,t,J=6.9Hz) 2.57〜2.82(2H,m) 3.70〜3.93(1H,m) 4.10(2H,q,J=6.9Hz) 5.22〜5.50(1H,m) 6.77〜7.67(4H,m) 本発明によれば,このように,所定の微生物をベンゾ
イル酢酸誘導体に作用させることによって,光学活性な
(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸誘
導体を効果的に,かつ工業的規模で生産することが可能
となる。本発明で得られた(S)−3−フェニル−3−
ヒドロキシプロピオン酸誘導体は,特に医薬品,農薬な
どの合成原料として,好適に用いられ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 7/62 C12R 1:13) (C12P 7/62 C12R 1:15) (C12P 7/62 C12R 1:025) (C12P 7/62 C12R 1:265) (C12P 7/62 C12R 1:365) (C12P 7/62 C12R 1:645) (C12P 7/62 C12R 1:72) (C12P 7/62 C12R 1:74) (C12P 7/62 C12R 1:78) (C12P 7/62 C12R 1:84)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): ここでRは直鎖または分岐状のアルキル基であり,そし
    てXは,水素原子,ハロゲン原子,ニトロ基,アルキル
    基および水酸基でなる群から選択される; で表わされるベンゾイル酢酸誘導体に,アシビア属に属
    する微生物,ブレタノマイセス属に属する微生物,ボト
    リオアスカス属に属する微生物,キャンディダ属に属す
    る微生物,クリプトコッカス属に属する微生物,クラビ
    スポラ属に属する微生物,デバリオマイセス属に属する
    微生物,エンドマイセス属に属する微生物,ゲオトリク
    ム属に属する微生物,グイリアモンデラ属に属する微生
    物,ハンセヌラ属に属する微生物,クルイベロマイセス
    属に属する微生物,ロダロマイセス属に属する微生物,
    ピチア属に属する微生物,ロードスポリデューム属に属
    する微生物,シゾサッカロマイセス属に属する微生物,
    ステファノアスカス属に属する微生物,トリコスポロン
    属に属する微生物,アクロモバクター属に属する微生
    物,アースロバクター属に属する微生物,アシディフィ
    リウム属に属する微生物,ブレビバクテリウム属に属す
    る微生物,セルロモナス属に属する微生物,コリネバク
    テリウム属に属する微生物,フラボバクテリウム属に属
    する微生物,ミクロコッカス属に属する微生物,ノカル
    ディア属に属する微生物,およびロードコッカス属に属
    する微生物でなる群から選択される少なくとも1種の微
    生物を作用させる工程; および 得られた反応液から一般式(II): ここで,RおよびXは式(I)で定義したのと同様であ
    る; で表わされる(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプ
    ロピオン酸誘導体を採取する工程を包含する, 光学活性(S)−3−フェニル−3−ヒドロキシプロピ
    オン酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記微生物が,アシビア・ゴシッピー,ブ
    レタノマイセス・クステルシアヌス,ボトリオアスカス
    ・シンナエデンドルス,キャンディダ・クルバタ,キャ
    ンディダ・クルーゼイ,キャンディダ・マルトーサ,キ
    ャンディダ・パラプシロシス,キャンディダ・トロピカ
    リス,クリプトコッカス・アルビダス,クリプトコッカ
    ス・テルレウス,クラビスポラ・ルシタニアエ,デバリ
    オマイセス・ハンセニイー,エンドマイセス・ゲオトリ
    クム,エンドマイセス・オベテンシス,ゲオトリクム・
    ヒルツム,ゲオトリクム・エリエンス,グイリアモンデ
    ラ・セレノスポラ,ハンセヌラ・ノンファーメンタン
    ス,ハンセヌラ・サツルヌス,クルイベロマイセス・フ
    ラギリス,ロダロマイセス・エロンギズポルス,ピチア
    ・ボビーズ,ピチア・パストリス,ロードスポリデュー
    ム・トルロイデス,シゾサッカロマイセス・ポンベ,ス
    テファノアスカス・シフェリー,トリコスポロン・ベイ
    ゲリー,アクロモバクター・エスピー,アースロバクタ
    ー・クリスタルロポイエテス,アースロバクター・ニコ
    チアナエ,アシディフィリウム・クリプツム,ブレビバ
    クテリウム・スタチオニス,ブレビバクテリウム・アン
    モニアゲネス,セルロモナス・エスピー,コリネバクテ
    リウム・パウロメタボリウム,フラボバクテリウム・ス
    アベオレンス,ミクロコッカス・ルテウス,ノカルディ
    ア・メキシカナ,ノカルディア・グロベルラ,およびロ
    ードコッカス・エリスロポリスでなる群から選択される
    少なくとも1種である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)および(II)の化合物の
    Xが水素であり,かつRがメチル基である,請求項1ま
    たは2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記一般式(I)および(II)の化合物の
    Xが水素であり,かつRがエチル基である,請求項1ま
    たは2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記一般式(I)および(II)の化合物の
    Xが水素であり,かつRがプロピル基である,請求項1
    または2に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記一般式(I)および(II)の化合物の
    Xが水素であり,かつRがブチル基である,請求項1ま
    たは2に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記一般式(I)および(II)の化合物の
    Xがニトロ基であり,かつRがエチル基である,請求項
    1または2記載の製造方法。
  8. 【請求項8】前記一般式(I)および(II)の化合物の
    Xがフッ素であり,かつRがエチル基である,請求項1
    または2記載の製造方法。
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